JP4678093B2 - 振動ジャイロの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は振動ジャイロの製造方法に関し、特にたとえば回転角速度を検出することによって、移動体の挙動検出を行うシステム、移動体の位置を検出し適切な誘導を行うナビゲーションシステム、または、手振れなどの外的振動による回転角速度を検出し適正な制振を行うカメラの手振れ防止装置などの除振システムなどに応用される振動ジャイロの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図13は従来の振動ジャイロの一例を示す平面図解図である。図13に示す振動ジャイロ1は、正4角柱状の振動子2を含む。振動子2の上面には、L字状の2つの分割電極3が形成される。この場合、2つの分割電極3の幅の広い一端部が、振動子2の長手方向における一端側および他端側にそれぞれ形成される。また、2つの分割電極3の他の部分が、振動子2の長手方向における中間部で幅方向に間隔を隔てて形成される。これらの分割電極3は、多数の振動子2を形成するための親基板上にエッチングで多数形成される。また、振動子2の平面的に見た輪郭は、その親基板をダイサーで多数の振動子2にカットして形成される。この振動子2は、平面的に見て振動子2を幅方向に横切る4つの支持部材5で支持される。この場合、2つの支持部材5の中央部5aが、2つの分割電極3の幅の広い一端部に、それぞれ、はんだや導電接着剤で取り付けられる。また、それによって、それらの2つの支持部材5は、2つの分割電極3にそれぞれ電気的に接続される。
図14は従来の振動ジャイロの他の例を示す平面図解図である。図14に示す振動ジャイロ1では、図13に示す振動ジャイロ1と比べて、振動子2の上面に、長方形状の2つの分割電極が幅方向に間隔を隔てて形成される。2つの分割電極は、さらに、1つの中央部3、その両側に位置する2つの支持部4および2つの端部に、それぞれ分割される。振動子2の平面的に見た輪郭、中央部3aの輪郭および支持部4の輪郭は、主面のほぼ全面に親電極を有し多数の振動子2を形成するための親基板において、親電極をダイサーで多数の中央部3や支持部4などにカットし、さらに親基板自身を振動子2にカットして形成される。この振動子2は、平面的に見て振動子2を幅方向に横切る4つの支持部材5で支持される。この場合、2つの支持部材5の中央部5aが、支持部4にはんだや導電接着剤で取り付けられる。また、それらの2つの支持部材5は、2つの中央部3にそれぞれ電気的に接続される。この場合、2つの支持部材5の中央部5aには中央部3上にのびる突起5bが形成されていて、突起5bが中央部3にはんだや導電接着剤で取り付けられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
図13に示す振動ジャイロ1では、エッチングで分割電極3を形成する寸法精度が低いことと、エッチングで形成した分割電極3の輪郭に対して振動子2の輪郭をダイサーで位置精度よく形成することが困難であることとにより、振動子2に対する2つの分割電極3の位置精度が低く、振動子2の中心軸に対して2つの分割電極3がたとえば図13の矢印で示す幅方向に寸法ずれを発生し、振動子2の対称性がよくない場合がある。
それに対して、図14に示す振動ジャイロ1では、振動子2の平面的に見た輪郭、中央部3の輪郭および支持部4の輪郭が親基板をダイサーカットして形成されるので、振動子2や2つの分割電極などの寸法精度および位置精度が高く、振動子2の中心軸に対して2つの分割電極などが幅方向に寸法ずれを発生しにくく、振動子2の対称性がよい。
ところで、図14に示す振動ジャイロ1では、ダイサーで親基板を部分的にカットすることが困難であるため、2つの分割電極などは、碁盤の目状に形成される。
一方、2つの支持部材5が平面的に見て振動子2を幅方向に横切るようにして振動子2に取り付けられるとともに、それらの2つの支持部材5が短絡しないようにして2つの分割電極の中央部3にそれぞれ電気的に接続されるようにしたいという要請がある。
この要請を満足するために、図14に示す振動ジャイロ1では、支持部材5の中央部5aが分割電極の中央部3の外側の支持部4に取り付けられ、支持部材5の中央部5aに中央部3上にのびる突起5bが形成され、突起5bが中央部3に取り付けられる。
ところが、このように支持部材5に突起5bを形成すると、振動子2が幅方向においてアンバランスになり、振動子2の振動のバランスに悪影響を与えるとともに、振動ジャイロ1の温度ドリフト特性などの諸特性がよくなかったりばらついたりして信頼性にかける。
【0004】
それゆえに、この発明の主たる目的は、振動子の精度がよく、しかも、支持部材に突起を形成する必要がない振動ジャイロを製造することができる振動ジャイロの製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明にかかる振動ジャイロの製造方法は、2つの分割電極および2つのノード部分を有する柱状の振動子と、2つのノード部分に対応するそれぞれの位置で振動子を幅方向に横切るようにして振動子に取り付けられ、2つの分割電極に個別に電気的に接続される2つの支持部材とを含む振動ジャイロであって、振動子の主面において、その幅方向における中央に溝が形成され、溝の両側に2つの分割電極が形成され、2つのノード部分の一方のノード部分に対応する位置で2つの支持部材の一方の支持部材が2つの分割電極に取り付けられ、2つのノード部分の他方のノード部分に対応する位置で2つの支持部材の他方の支持部材が2つの分割電極に取り付けられ、一方の支持部材の内側で2つの分割電極の一方の分割電極のみがレーザで幅方向にカットされ、他方の支持部材の内側で2つの分割電極の他方の分割電極のみがレーザで幅方向にカットされた、振動ジャイロを製造する振動ジャイロの製造方法であって、表面に親電極を有し、幅方向に配列された複数の振動子となる親基板を準備する工程と、親電極において、複数の分割電極となる部分であって、一方の支持部分の内側で一方の分割電極の幅方向にカットされる部分および他方の支持部材の内側で他方の分割電極の幅方向にカットされる部分をレーザでカットする工程と、親基板において、複数の溝となる部分をダイサーでカットする工程と、親基板において、複数の振動子の輪郭となる部分をダイサーでカットして振動子を形成する工程と、振動子の分割電極に支持部材を取り付ける工程とを含む、振動ジャイロの製造方法である。
この発明にかかる振動ジャイロの製造方法では、振動ジャイロは、一方の支持部材の外側で2つの分割電極の他方の分割電極がレーザで幅方向にカットされ、さらに他方の支持部材の外側で2つの分割電極の一方の分割電極がレーザで幅方向にカットされた、振動ジャイロであり、親電極において、複数の分割電極となる部分であって、一方の支持部分の外側で他方の分割電極の幅方向にカットされる部分および他方の支持部材の外側で一方の分割電極の幅方向にカットされる部分をレーザでカットする工程をさらに含んでもよい。
さらに、この発明にかかる振動ジャイロの製造方法では、振動ジャイロは、一方の支持部材の外側で2つの分割電極の一方の分割電極がレーザで幅方向にカットされ、さらに他方の支持部材の外側で2つの分割電極の他方の分割電極がレーザで幅方向にカットされた、振動ジャイロであり、親電極において、複数の分割電極となる部分であって、一方の支持部分の外側で一方の分割電極の幅方向にカットされる部分および他方の支持部材の外側で他方の分割電極の幅方向にカットされる部分をレーザでカットする工程をさらに含んでもよい
た、この発明にかかる他の振動ジャイロの製造方法は、2つの分割電極および2つのノード部分を有する柱状の振動子と、2つのノード部分に対応するそれぞれの位置で振動子を幅方向に横切るようにして振動子に取り付けられ、2つの分割電極に個別に電気的に接続される2つの支持部材とを含む振動ジャイロであって、振動子の主面において、その幅方向における中央に溝が形成され、溝の両側に2つの分割電極が形成され、2つのノード部分の一方のノード部分に対応する位置で2つの支持部材の一方の支持部材が2つの分割電極に取り付けられ、2つのノード部分の他方のノード部分に対応する位置で2つの支持部材の他方の支持部材が2つの分割電極に取り付けられ、一方の支持部材の内側で2つの分割電極の一方の分割電極のみがレーザで幅方向にカットされ、他方の支持部材の内側で2つの分割電極の他方の分割電極のみがレーザで幅方向にカットされた、振動ジャイロを製造する振動ジャイロの製造方法であって、表面に親電極を有し、幅方向に配列された複数の振動子となる親基板を準備する工程と、親基板において、複数の溝となる部分をダイサーでカットする工程と、親基板において、複数の振動子の輪郭となる部分をダイサーでカットして振動子を形成する工程と、分割電極に支持部材を取り付ける工程と、一方の支持部材の内側で2つの分割電極の一方の分割電極をレーザで幅方向にカットする工程と、他方の支持部材の内側で2つの分割電極の他方の分割電極をレーザで幅方向にカットする工程とを含む、振動ジャイロの製造方法である。
この発明にかかる他の振動ジャイロの製造方法では、振動ジャイロは、一方の支持部材の外側で2つの分割電極の他方の分割電極がレーザで幅方向にカットされ、さらに他方の支持部材の外側で2つの分割電極の一方の分割電極がレーザで幅方向にカットされた、振動ジャイロであり、一方の支持部材の外側で2つの分割電極の他方の分割電極をレーザで幅方向にカットする工程と、他方の支持部材の外側で2つの分割電極の一方の分割電極をレーザで幅方向にカットする工程とをさらに含んでもよい。
さらに、この発明にかかる他の振動ジャイロの製造方法では、振動ジャイロは、一方の支持部材の外側で2つの分割電極の一方の分割電極がレーザで幅方向にカットされ、さらに他方の支持部材の外側で2つの分割電極の他方の分割電極がレーザで幅方向にカットされた、振動ジャイロであり、一方の支持部材の外側で2つの分割電極の一方の分割電極をレーザで幅方向にカットする工程と、他方の支持部材の外側で2つの分割電極の他方の分割電極をレーザで幅方向にカットする工程とをさらに含んでもよい。
【0006】
この発明によって製造された振動ジャイロでは、振動子の2つの分割電極がレーザおよびダイサーでカットして形成されるとともに、振動子の溝および輪郭がダイサーでカットして形成されるので、振動子の精度がよい。
さらに、この発明によって製造された振動ジャイロでは、一方の分割電極が一方のノード部分に対応する位置の内側でレーザで幅方向にカットされるとともに、他方の分割電極が他方のノード部分に対応する位置の内側でレーザで幅方向にカットされるので、支持部材に突起を形成することなく、2つのノード部分に対応するそれぞれの位置で2つの支持部材を2つの分割電極に個別に電気的に接続することができる。
【0007】
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明の実施の形態の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明によって製造された振動ジャイロの一例を示す平面図解図であり、図2はその振動ジャイロに用いられる振動子を示す斜視図である。図1に示す振動ジャイロ10は、たとえば正4角柱状の振動子12を含む。
【0009】
振動子12は、図2に示すように、短冊状の第1の圧電体基板14aおよび第2の圧電体基板14bを含む。第1の圧電体基板14aおよび第2の圧電体基板14bは、積層され接着される。また、第1の圧電体基板14aおよび第2の圧電体基板14bは、互いに逆の厚み方向に分極される。
【0010】
第1の圧電体基板14aの主面には、その幅方向に間隔を隔てて長方形状の2つの分割電極が形成される。分割電極の一方はさらに中央部16a、支持部17aおよび2つの端部17cに分割され、分割電極の他方はさらに中央部16b、支持部17bおよび2つの端部17cに分割される。この場合、一方の分割電極の中央部16aは、後述する2つのノード部分のうちの一方のノード部分に対応する位置の内側から他方のノード部分に対応する位置の外側にわたって形成される。また、他方の分割電極の中央部16bは、一方のノード部分に対応する位置の外側から他方のノード部分に対応する位置の内側にわたって形成される。すなわち、一方の分割電極の中央部16aの長手方向における一端は、他方の分割電極の中央部16bの長手方向における一端より、第1の圧電体基板14aの長手方向において内側に形成される。逆に、一方の分割電極の中央部16aの長手方向における他端は、他方の分割電極の中央部16bの長手方向における他端より、第1の圧電体基板14aの長手方向において外側に形成される。
【0011】
さらに、第1の圧電体基板14aの主面には、第1の圧電体基板14aの長手方向において、一方の分割電極の中央部16aの一端の外側に矩形状の一方の支持部17aが形成され、他方の分割電極の中央部16bの他端の外側に矩形状の他方の支持部17bが形成される。この場合、一方の支持部17aの外側の端は、他方の中央部16bの一端と一直線上にそろうように形成される。また、他方の支持部17bの外側の端は、一方の中央部16aの他端と一直線上にそろうように形成される。
【0012】
また、第1の圧電体基板14aの一方主面には、一方の分割電極の中央部16aおよび一方の支持部17aの両外側と、他方の分割電極の中央部16bおよび他方の支持部17bの両外側とに、矩形状の端部17cがそれぞれ形成される。なお、一方の分割電極の中央部16aと一方の支持部17aとの間の部分15a、他方の分割電極の中央部16bと他方の支持部17bとの間の部分15b、他方の支持部17bと端部17cとの間の部分15c、一方の分割電極の中央部16aと端部17cとの間の部分15c、一方の支持部17aと端部17cとの間の部分15d、および他方の分割電極の中央部16bと端部17cとの間の部分15dは、もともとあった電極の一部をレーザで除去して形成されている。また、第1の圧電基板14aの一方主面には、その幅方向における中央において、一方の分割電極の中央部16a、一方の支持部17aおよびそれらの両外側の2つの端部17cと、他方の分割電極の中央部16b、他方の支持部17bおよびそれらの両外側の2つの端部17cとの間に、直線状の溝16abが形成される。
【0013】
また、第2の圧電体基板14bの主面には、共通電極18が形成される。さらに、第1の圧電体基板14aおよび第2の圧電体基板14b間には、中間電極20が形成される。
【0014】
この振動子12では、第1の圧電体基板14aおよび第2の圧電体基板14bが互いに逆の厚み方向に分極されているので、2つの分割電極の中央部16aおよび16bと共通電極18との間にたとえば正弦波信号などの駆動信号を印加すれば、第1の圧電体基板14aおよび第2の圧電体基板14bが互いに逆に屈曲する。この場合、第1の圧電体基板14aがその主面に平行する方向に伸びているときには、第2の圧電体基板14bはその主面に平行する方向に縮む。逆に、第1の圧電体基板14aがその主面に平行する方向に縮んでいるときには、第2の圧電体基板14bはその主面に平行する方向に伸びる。そのため、第1の圧電体基板14aおよび第2の圧電体基板14bは、その長手方向における両端部から少しだけ内側の2つの部分を2つのノード部分として、その主面に直交する方向に屈曲振動する。
【0015】
振動子12の上面および下面の分割電極の中央部16a,16b、支持部17a,17bおよび共通電極18において、2つのノード部分に対応する4か所の位置には、4つの支持部材22の矩形板状の中央部22aがそれぞれたとえばはんだや導電接着剤で取り付けられる。それによって、振動子12は、平面的に見て振動子12を幅方向に横切る4つの支持部材22で上下方向から挟持されて支持される。これらの支持部材22は、中央部22aが矩形板状のパッドとして形成され、中央部22aの両側には、それぞれ、振動子12の振動の閉じ込め効果を得るための略Z字状の中間部22bを介して矩形板状の端部22cが形成される。これらの支持部材22は、たとえばリン青銅などの恒弾性金属の板材を打ち抜くことによって形成される。これらの支持部材22は、振動子12の分割電極の中央部16a,16bおよび共通電極18に駆動信号を与え、また、分割電極の中央部16a,16bおよび共通電極18から検出信号を得るための導電線ともなる。そのため、振動子12の上面の一方の支持部材22の中央部22aは、分割電極の中央部16bの一端部および支持部17aに、たとえばはんだや導電接着剤で電気的かつ機械的に接続される。また、振動子12の上面の他方の支持部材22の中央部22aは、分割電極の中央部16aの他端部および支持部17bに、たとえばはんだや導電接着剤で電気的かつ機械的に接続される。さらに、振動子12の下面の2つの支持部材22の中央部22aは、共通電極18にたとえばはんだや導電接着剤で電気的かつ機械的に接続される。
【0016】
さらに、この振動ジャイロ10は、たとえば合成樹脂からなる箱型の外囲器30を含む。外囲器30の幅方向における両側の内壁には、たとえばブロック状の4つの支持台32が間隔を隔てて外囲器30と一体的に形成される。さらに、これらの支持台32の上面には、支持部材22が取り付けられる電極(図示せず)がそれぞれ形成され、同様に、これらの支持台32の下面にも、支持部材22が取り付けられる電極(図示せず)がそれぞれ形成される。
【0017】
そして、振動子12の下面に取り付けられる2つの支持部材22の4つの端部22cは、外囲器30の4つの支持台32の下面に形成した電極(図示せず)に、たとえばはんだや導電接着剤で電気的かつ機械的に接続される。同様に、振動子12の上面に取り付けられる2つの支持部材22の4つの端部22cは、外囲器30の4つの支持台32の上面に形成した電極(図示せず)に、たとえばはんだや導電接着剤で電気的かつ機械的に接続される。
【0018】
この振動ジャイロ10を製造するためには、まず、振動子12、支持部材22および外囲器30が形成される。この場合、外囲器30には、4つの支持台32のほかに、支持台32の上面および下面に電極(図示せず)がそれぞれ形成される。
【0019】
次に、図3、図4および図5を用いて振動子12を形成する方法を示す。
まず、親基板11が形成される。この親基板11は、複数の振動子12となるものであって、第1の親電極15、第1の親圧電体基板13a、第3の親電極19、第2の親圧電体基板13bおよび第2の親電極17が、この順に積層されたものである。第1の親圧電体基板13aおよび第2の親圧電体基板13bは、それぞれ、複数の第1の圧電体基板14aおよび複数の第2の圧電体基板14bとなるものである。また、第1の親電極15は、複数の分割電極の中央部16a,16b、支持部17a,17bおよび端部17cとなるものである。さらに、第2の親電極17は、複数の共通電極18となるものである。また、第3の親電極19は、複数の中間電極20となるものである。
【0020】
そして、親基板11の第1の親電極15は、図3に示すように、分割電極の中央部16aの長手方向における一端の外側になる部分15a(中央部16aおよび支持部17aの間になる部分)と、中央部16bの長手方向における他端の外側になる部分15b(中央部16bおよび支持部17bの間になる部分)と、中央部16aの長手方向における他端の外側および支持部17bの外側になる部分15c(中央部16aおよび端部17cの間になる部分と支持部17bおよび端部17cの間になる部分)と、中央部16bの長手方向における一端の外側および支持部17aの外側になる部分15d(中央部16bおよび端部17cの間になる部分と支持部17aおよび端部17cの間になる部分)とが、それぞれ、レーザでカットされる。
【0021】
それから、親基板11の第1の親電極15と第1の親圧電体基板13aの厚みの一部分とは、2つの分割電極の間の溝16abに対応する直線部分(図4の1点鎖線で示す部分)にダイサーで溝が形成されるとともに、親基板11は、振動子12の平面的に見た輪郭に対応する部分(図4の2点鎖線で示す部分)がダイサーでカットされる。それによって、図2および図5に示す振動子12が形成される。
【0022】
そして、下方の2つの支持部材22の4つの端部22cが、外囲器30の4つの支持台32の下面に形成した電極(図示せず)に、たとえばはんだや導電接着剤で電気的かつ機械的に接続される。
【0023】
それから、それらの2つの支持部材22の中央部22aには、振動子12の共通電極18が、たとえばはんだや導電接着剤で電気的かつ機械的に接続される。
【0024】
そして、上方の2つの支持部材22の中央部22aが、振動子12の分割電極の中央部16a,16bおよび支持部17a,17bに、たとえばはんだや導電接着剤で電気的かつ機械的に接続されるとともに、それらの2つの支持部材22の4つの端部22cが、外囲器30の4つの支持台32の上面に形成した電極(図示せず)に、たとえばはんだや導電接着剤で電気的かつ機械的に接続される。それによって、図1に示す振動ジャイロ10が製造される。
【0025】
この振動ジャイロ10では、振動子12の2つの分割電極の中央部16a,16bなどの各部がレーザおよびダイサーでカットして形成されるとともに、振動子12の溝16abおよび輪郭がダイサーでカットして形成されるので、振動子12の精度がよい。
【0026】
さらに、この振動ジャイロ10では、一方の分割電極の中央部16aが一方のノード部分に対応する位置の内側から他方のノード部分に対応する位置の外側に形成されるとともに、他方の分割電極の中央部16bが一方のノード部分に対応する位置の外側から他方のノード部分に対応する位置の内側に形成されるので、支持部材22に突起を形成することなく、2つのノード部分に対応するそれぞれの位置で2つの支持部材22を2つの分割電極の中央部16a,16bに個別に電気的に接続することができる。
【0027】
また、この振動ジャイロ10では、上述のように、振動子12の精度がよいとともに支持部材22に突起を形成する必要がないので、振動子12の対称性がよくなり、温度ドリフト特性などの諸特性が向上するとともにばらつきも低減して信頼性が向上する。
【0028】
図6は振動子の他の例を示す斜視図である。図6に示す振動子12は、図2および図5に示す振動子12と比べて、支持部17aが第1に圧電体基板14aの長手方向における一端にまでのびて形成され、支持部17bが第1の圧電体基板14aの長手方向における他端にまでのびて形成される。図6に示す振動子12を形成するためには、上述の図2および図5に示す振動子12を形成する方法において、親基板11の第1の親電極15は、支持部17bの外側になる部分15cと支持部17aの外側になる部分15dとがカットされなければよい。この発明は、図6に示す振動子12が用いられる振動ジャイロの製造方法にも適用される。
【0029】
また、この発明は、図示は省略するが、図6に示す振動子12と比べて、分割電極の中央部16aが第1の圧電体基板14aの長手方向における他端にまでのびて形成され、分割電極の中央部16bが第1の圧電体基板14aの長手方向における一端にまでのびて形成される振動子が用いられる振動ジャイロの製造方法にも適用される。このような振動子を形成するためには、上述の図6に示す振動子12を形成する方法において、親基板11の第1の親電極15は、分割電極の中央部16aの長手方向における他端の外側になる部分15cと分割電極の中央部16bの長手方向における一端の外側になる部分15dとがカットされなければよい。
【0030】
図7はこの発明によって製造された振動ジャイロの他の例を示す平面図解図である。図7に示す振動ジャイロ10は、図1に示す振動ジャイロ10と比べて、支持部材22の中央部22aが中間部22bと同様に細く形成される。
【0031】
図7に示す振動ジャイロ10は、図1に示す振動ジャイロ10と同様に製造される。
【0032】
図7に示す振動ジャイロ10についても、図1に示す振動ジャイロ10と同様の効果を奏する。
【0033】
図8はこの発明によって製造された振動ジャイロのさらに他の例を示す平面図解図である。図8に示す振動ジャイロ10は、図1に示す振動ジャイロ10と比べて、分割電極の中央部16aの長手方向における他端の外側および支持部17bの外側になる部分15cと、分割電極の中央部16bの長手方向における一端の外側および支持部17aの外側になる部分15dとが、それぞれ、レーザでカットされずにダイサーで第1の圧電体基板14aの厚みの一部分までカットされている。
【0034】
図8に示す振動ジャイロ10を製造するためには、図1に示す振動ジャイロ10を製造する上述の方法と比べて、親基板11の第1の親電極15は、図9に示すように、分割電極の中央部16aの長手方向における一端の外側になる部分15aと、分割電極の中央部16bの長手方向における他端の外側になる部分15bとが、それぞれ、レーザでカットされるが、分割電極の中央部16aの長手方向における他端の外側および支持部17bの外側になる部分15cと、分割電極の中央部16bの長手方向における一端の外側および支持部17aの外側になる部分15dとは、レーザでカットされない。
【0035】
そして、親基板11の第1の親電極15と第1の圧電体基板14aの厚みの一部分とは、分割電極の中央部16aの長手方向における他端の外側および支持部17bの外側になる部分15c(図10の1点鎖線で示す部分)と、分割電極の中央部16bの長手方向における一端の外側および支持部17aの外側になる部分15d(図10の1点鎖線で示す部分)と、分割電極の中央部16aおよび16bなどの間の溝16abに対応する直線部分(図10の1点鎖線で示す部分)とが、それぞれ、ダイサーでカットされるとともに、親基板11は、振動子12の平面的に見た輪郭に対応する部分(図10の2点鎖線で示す部分)がダイサーでカットされる。それによって、図11に示す振動子12が形成される。その他は、図1に示す振動ジャイロ10を製造する上述の方法と同様にして、図8に示す振動ジャイロ10が製造される。
【0036】
図8に示す振動ジャイロ10についても、図1に示す振動ジャイロ10と同様の効果を奏する。
【0037】
図12はこの発明によって製造された振動ジャイロのさらに他の例を示す平面図解図である。図12に示す振動ジャイロ10は、図8に示す振動ジャイロ10と比べて、支持部材22の中央部22aが中間部22bと同様に細く形成される。
【0038】
図12に示す振動ジャイロ10は、図8に示す振動ジャイロ10と同様に製造される。
【0039】
図12に示す振動ジャイロ10についても、図8に示す振動ジャイロ10と同様の効果を奏する。
【0040】
なお、上述の各振動ジャイロ10の製造方法では、親基板の状態で電極をレーザでカットした後で振動子を形成し、その振動子に支持部材を接続しているが、この発明では、振動子に支持部材を接続した後で所望の電極をレーザでカットしてもよい。
【0041】
また、上述の各振動ジャイロ10では正4角柱状の振動子12、略Z字状の中間部22bを有する支持部材22、箱型の外囲器30およびブロック状の支持台32が用いられているが、この発明ではそれらは他の形状に形成されてもよい。
【0042】
【発明の効果】
この発明によれば、振動子の精度がよく、支持部材に突起を形成する必要がない振動ジャイロが得られる。そのため、この発明によって製造された振動ジャイロでは、振動子の対称性がよくなり、温度ドリフト特性などの諸特性が向上するとともにばらつきも低減して信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明によって製造された振動ジャイロの一例を示す平面図解図である。
【図2】図1に示す振動ジャイロに用いられる振動子を示す斜視図である。
【図3】図1に示す振動ジャイロの振動子を形成する一工程を示す斜視図である。
【図4】図1に示す振動シャイロの振動子を形成する他の工程を示す斜視図である。
【図5】図3および図4に示す工程で形成された振動子を示す斜視図である。
【図6】振動子の他の例を示す斜視図である。
【図7】 この発明によって製造された振動ジャイロの他の例を示す平面図解図である。
【図8】 この発明によって製造された振動ジャイロのさらに他の例を示す平面図解図である。
【図9】図8に示す振動ジャイロの振動子を形成する一工程を示す斜視図である。
【図10】図8に示す振動ジャイロの振動子を形成する他の工程を示す斜視図である。
【図11】図9および図10に示す工程で形成された振動子を示す斜視図である。
【図12】 この発明によって製造された振動ジャイロのさらに他の例を示す平面図解図である。
【図13】従来の振動ジャイロの一例を示す平面図解図である。
【図14】従来の振動ジャイロの他の例を示す平面図解図である。
【符号の説明】
10 振動ジャイロ
11 親基板
12 振動子
13a 第1の親圧電体基板
13b 第2の親圧電体基板
14a 第1の圧電体基板
14b 第2の圧電体基板
15 第1の親電極
16a、16b 分割電極の中央部
16ab 溝
17a、17b 支持部
17c 端部
17 第2の親電極
18 共通電極
19 第3の親電極
20 中間電極
22 支持部材
22a 中央部
22b 中間部
22c 端部
30 外囲器
32 支持台

Claims (6)

  1. 2つの分割電極および2つのノード部分を有する柱状の振動子と、前記2つのノード部分に対応するそれぞれの位置で前記振動子を幅方向に横切るようにして前記振動子に取り付けられ、前記2つの分割電極に個別に電気的に接続される2つの支持部材とを含む振動ジャイロであって、
    前記振動子の主面において、その幅方向における中央に溝が形成され、前記溝の両側に前記2つの分割電極が形成され、
    前記2つのノード部分の一方のノード部分に対応する位置で前記2つの支持部材の一方の支持部材が前記2つの分割電極に取り付けられ、
    前記2つのノード部分の他方のノード部分に対応する位置で前記2つの支持部材の他方の支持部材が前記2つの分割電極に取り付けられ、
    前記一方の支持部材の内側で前記2つの分割電極の一方の分割電極のみがレーザで幅方向にカットされ、
    前記他方の支持部材の内側で前記2つの分割電極の他方の分割電極のみがレーザで幅方向にカットされた、振動ジャイロを製造する振動ジャイロの製造方法であって、
    表面に親電極を有し、幅方向に配列された複数の前記振動子となる親基板を準備する工程、
    前記親電極において、複数の前記分割電極となる部分であって、前記一方の支持部分の内側で前記一方の分割電極の幅方向にカットされる部分および前記他方の支持部材の内側で前記他方の分割電極の幅方向にカットされる部分をレーザでカットする工程、
    前記親基板において、複数の前記溝となる部分をダイサーでカットする工程、
    前記親基板において、複数の前記振動子の輪郭となる部分をダイサーでカットして前記振動子を形成する工程、および
    前記振動子の前記分割電極に前記支持部材を取り付ける工程を含む、振動ジャイロの製造方法
  2. 前記振動ジャイロは、
    前記一方の支持部材の外側で前記2つの分割電極の他方の分割電極がレーザで幅方向にカットされ、さらに
    前記他方の支持部材の外側で前記2つの分割電極の一方の分割電極がレーザで幅方向にカットされた、振動ジャイロであり、
    前記親電極において、複数の前記分割電極となる部分であって、前記一方の支持部分の外側で前記他方の分割電極の幅方向にカットされる部分および前記他方の支持部材の外側で前記一方の分割電極の幅方向にカットされる部分をレーザでカットする工程をさらに含む、請求項1に記載の振動ジャイロの製造方法
  3. 前記振動ジャイロは、
    前記一方の支持部材の外側で前記2つの分割電極の一方の分割電極がレーザで幅方向にカットされ、さらに
    前記他方の支持部材の外側で前記2つの分割電極の他方の分割電極がレーザで幅方向にカットされた、振動ジャイロであり、
    前記親電極において、複数の前記分割電極となる部分であって、前記一方の支持部分の外側で前記一方の分割電極の幅方向にカットされる部分および前記他方の支持部材の外側で前記他方の分割電極の幅方向にカットされる部分をレーザでカットする工程をさらに含む、請求項2に記載の振動ジャイロの製造方法
  4. 2つの分割電極および2つのノード部分を有する柱状の振動子と、前記2つのノード部分に対応するそれぞれの位置で前記振動子を幅方向に横切るようにして前記振動子に取り付けられ、前記2つの分割電極に個別に電気的に接続される2つの支持部材とを含む振動ジャイロであって、
    前記振動子の主面において、その幅方向における中央に溝が形成され、前記溝の両側に前記2つの分割電極が形成され、
    前記2つのノード部分の一方のノード部分に対応する位置で前記2つの支持部材の一方の支持部材が前記2つの分割電極に取り付けられ、
    前記2つのノード部分の他方のノード部分に対応する位置で前記2つの支持部材の他方の支持部材が前記2つの分割電極に取り付けられ、
    前記一方の支持部材の内側で前記2つの分割電極の一方の分割電極のみがレーザで幅方向にカットされ、
    前記他方の支持部材の内側で前記2つの分割電極の他方の分割電極のみがレーザで幅方向にカットされた、振動ジャイロを製造する振動ジャイロの製造方法であって、
    表面に親電極を有し、幅方向に配列された複数の前記振動子となる親基板を準備する工程、
    前記親基板において、複数の前記溝となる部分をダイサーでカットする工程、
    前記親基板において、複数の前記振動子の輪郭となる部分をダイサーでカットして前記振動子を形成する工程、
    前記分割電極に前記支持部材を取り付ける工程、
    前記一方の支持部材の内側で前記2つの分割電極の一方の分割電極をレーザで幅方向にカットする工程、および
    前記他方の支持部材の内側で前記2つの分割電極の他方の分割電極をレーザで幅方向にカットする工程を含む、振動ジャイロの製造方法
  5. 前記振動ジャイロは、
    前記一方の支持部材の外側で前記2つの分割電極の他方の分割電極がレーザで幅方向にカットされ、さらに
    前記他方の支持部材の外側で前記2つの分割電極の一方の分割電極がレーザで幅方向にカットされた、振動ジャイロであり、
    前記一方の支持部材の外側で前記2つの分割電極の他方の分割電極をレーザで幅方向にカットする工程、および
    前記他方の支持部材の外側で前記2つの分割電極の一方の分割電極をレーザで幅方向にカットする工程をさらに含む、請求項4に記載の振動ジャイロの製造方法
  6. 前記振動ジャイロは、
    前記一方の支持部材の外側で前記2つの分割電極の一方の分割電極がレーザで幅方向にカットされ、さらに
    前記他方の支持部材の外側で前記2つの分割電極の他方の分割電極がレーザで幅方向にカットされた、振動ジャイロであり、
    前記一方の支持部材の外側で前記2つの分割電極の一方の分割電極をレーザで幅方向にカットする工程、および
    前記他方の支持部材の外側で前記2つの分割電極の他方の分割電極をレーザで幅方向にカットする工程をさらに含む、請求項5に記載の振動ジャイロの製造方法。
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