JP2000283765A - 三脚音叉振動子および角速度センサ - Google Patents

三脚音叉振動子および角速度センサ

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JP2000283765A
JP2000283765A JP11088491A JP8849199A JP2000283765A JP 2000283765 A JP2000283765 A JP 2000283765A JP 11088491 A JP11088491 A JP 11088491A JP 8849199 A JP8849199 A JP 8849199A JP 2000283765 A JP2000283765 A JP 2000283765A
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tuning fork
prism
triangular
excitation
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Shogo Asano
勝吾 浅野
Yasuyuki Nakano
泰之 中野
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動子センサの角速度検出精度を高める。 【解決手段】 1枚のバイモルフ板状圧電素子材1から
切り出して、三角形断面の各頂点部分を面取りした2本
の三角柱A、Bと、その中間に四角形断面を有する四角
柱Cを配置して三脚基台Dと共に三脚音叉を構成し、三
角柱A、Bの各面に2つの励振電極4a、5a、4b、
5bとモニタ電極6a、6bを配置し、四角柱Cの配列
方向に直交する側の2つの面の一方に3つの励振電極4
1 ,4c2 ,4c3 を配置し、もう一方に3つのコリ
オリ検出電極6c1 ,6c2 ,6c3 を配置し、かつそ
れぞれのバイモルフ接合面にサンドイッチ電極7a、7
b、7cを配置することで、コリオリ発生時の固定部J
にかかる回転モーメントをキャンセルでき、接着部がな
いのでセンサの検出感度が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、角速度を検出する振動
子およびこの振動子を用いた車輛のナビゲーションシス
テム、車体制御システム等に好適な角速度センサに関す
る。
【0002】
【従来の技術】図9は従来の角速度センサの構造を示し
ている。図9(a)において、U字型の金属振動板10
1の上部のそれぞれに、これと直角に配置された2枚の
金属板102、102’を有し、U字型金属板101の
片面に励振用圧電素子106を、もう一方の面にモニタ
用圧電素子107を、さらに金属板102と102’の
それぞれは、コリオリ検出用圧電素子108、108’
を圧電素子106、107と直角方向に貼り付けて成る
音叉振動子103が、固定軸104を介して基台105
に固定されている。圧電素子106、107、108、
108’は、それぞれリード線109、110、11
2、113を介してリードピン114、115、11
6、117に接続されている。リードピン114、11
5、116、117は、いずれもガラスなどの絶縁体1
18を介して基台105と電気的に絶縁されている。
【0003】次に、上記角速度センサの動作について説
明する。図9(a)はセンサの励振状態を示し、図9
(b)はセンサのコリオリ力を検出する状態を示してい
る。即ち、図9(a)において、音叉振動子103は、
励振用圧電素子106への電圧印加によって、常時11
9方向に音叉励振されている。この励振周波数と振幅と
は、モニタ圧電素子107によってモニタリングされ、
常に一定の周波数と振幅で励振されるように、励振用圧
電素子106の印加電圧をコントロールしている。この
センサの検出軸120に、図9(b)のように121方
向に回転角速度ωが加わると、励振方向119と直角方
向に発生するコリオリ力によって、金属板102、10
2’は互いに逆方向122、123方向に撓むことにな
る。この時発生するコリオリ力FCは、FC=2mVω
となる。 m :音叉振動子103の質量 V :励振速度 ω :印加された回転角速度 このコリオリ力FCは、検出用圧電素子108、10
8’に伸びと縮みという互いに逆方向の歪みを発生させ
るため、差動出力として検出電圧をリードピン115、
117から取り出すことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の角速度センサには次のような問題がある。 1)角速度ωが発生すると、振動子103にコリオリ力
が加わって振動子103が図9(b)の方向122、1
23に撓んだことによって発生する回転モーメント12
4が、回転軸104に加わるため、回転軸104と基台
105および音叉振動子103との固定度合いがセンサ
の角速度検出精度のバラツキ要因となること。 2)励振用圧電素子106、モニタ用圧電素子107お
よび検出用圧電素子108、108’は、音叉振動子1
03を構成する各金属板101、102、102’に接
着剤を用いて貼り付けられているため、接着のバラツキ
および接着剤の温度特性が、センサ角速度検出精度のバ
ラツキの要因となること。 3)励振方向とコリオリ検出方向とでは、音叉振動子1
03を構成する金属板101、102、102’の形状
が一致してないため、励振時の共振周波数とコリオリ検
出時の共振周波数とを一致させにくく、従って検出感度
を高めるのが困難なこと。即ち、図10(b)のような
共振型角速度センサにすることが難しく、図10(a)
のような非共振型角速度センサになってしまうため、共
振型に比して感度が落ちる。 4)音叉型振動子103の曲げ加工精度、固定軸104
と音叉型振動子103および基台105との固定精度、
および圧電素子106、107、108、108’の接
着精度など、組立加工精度のバラツキがセンサの角速度
検出精度のバラツキ要因となること。 5)振動体にリード線109、110、112、113
が接続されるため、リード線109、110、112、
113の振れがセンサの角速度検出精度のバラツキ要因
となること。 本発明は、以上の角速度センサに関する課題を解決する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために以下の手段を講じたものである。 1)コリオリ発生時の固定部にかかる回転モーメントを
キャンセルするために三脚音叉構造を採用し、固定部の
固定度合いのバラツキが角速度検出精度に影響を及ぼさ
ないように構成した。 2)振動子を圧電切り出し構造で形成することで、圧電
素子そのものを振動子にでき、接着部をなくしてセンサ
の検出感度を向上した。 3)両側の三角柱と真中の四角柱を列状に配置した三脚
音叉構造を採用することにより、電極形成および配線処
理を容易にした。 本発明は、上記手段を効果的に実施することにより、高
感度で小型な角速度センサを実現できる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、三角形断面の各頂点部分を面取りしたバイモルフ圧
電素子からなる2本の三角柱と、矩形断面を有するバイ
モルフ圧電素子からなる1本の四角柱と、列状に配置さ
れた前記2本の三角柱およびその中間にある前記四角柱
および基台部で構成された三脚音叉と、前記三角柱の各
面に配置された2つの励振電極およびモニタ電極と、前
記四角柱の配列方向に直交する側の2つの面の一方に配
置された3つの励振電極と、前記四角柱の配列方向に直
交する側の2つの面のもう一方に面に配置された3つの
コリオリ検出電極と、前記三角柱および前記四角柱の各
バイモルフ接合面に配置したサンドイッチ電極とを備え
たことを特徴とする角速度検出用の三脚音叉振動子であ
り、三脚音叉構造としているため、コリオリ力発生時の
回転モーメントがキャンセルでき、振動ロスを最小限に
できると共に、固定部の検出精度に対する影響をなくす
ことができるため、角速度検出が高精度で実現できる。
【0007】本発明の請求項2に記載の発明は、各三角
柱および四角柱の各面に配置された各電極が基台の片面
に導出されていることを特徴とする請求項1記載の三脚
音叉振動子であり、信号線の接続を振動子ではなく、固
定部で実施しているため、検出精度に影響を及ぼさず、
検出精度を安定化できる。
【0008】本発明の請求項3に記載の発明は、各三角
柱および四角柱がバイモルフ構造の板状圧電素子材から
一体に切り出されていることを特徴とする請求項1また
は2記載の三脚音叉振動子であり、振動子を圧電切り出
し構造で形成することで、圧電素子そのものを振動子に
でき、接着部をなくしてセンサの検出感度を向上でき
る。
【0009】本発明の請求項4に記載の発明は、各三角
柱の各励振電極とモニタ電極および四角柱の一方の側の
両端2つの励振電極および四角柱の他方の側の真中の1
つのコリオリ検出電極をドライブ電源の一方の極側に接
続し、ドライブ電源の他方の極側を各三角柱のサンドイ
ッチ電極および四角柱の一方の側の真中の励振電極に接
続し、各三角柱のモニタ電極とサンドイイチ電極をモニ
タ端子に接続し、四角柱の他方の側の両端2つのコリオ
リ検出電極をコリオリ検出端子に接続したことを特徴と
する請求項1から3のいずれかに記載の三脚音叉振動子
であり、コリオリ検出軸を両側から励振できるため、振
幅を増幅でき、高感度の角速度センサを実現することが
できる。
【0010】本発明の請求項5に記載の発明は、各三角
柱が断面正三角形であり、四角柱が断面正四角形である
請求項1から4のいずれかに記載の三脚音叉振動子であ
り、成形が容易であり、かつ性能を安定化することがで
きる。
【0011】本発明の請求項6に記載の発明は、請求項
1から5のいずれかに記載の三脚音叉振動子の固定部を
板バネで基台に固定すると共に、基台に絶縁配置された
リードピンと三脚音叉振動子の各電極とをワイヤボンデ
ィング工法によって接続し、検出および励振回路を含む
プリント基板と共に気密封止したことを特徴とする角速
度センサであり、信号線の取り出しをハンダ付けではな
く、ワイヤボンディングで実施しているため、超小型化
に対応できると共に、検出精度への影響もなくすことが
できる。
【0012】以下、本発明の実施の形態を図面を参照し
て説明する。 (実施の形態)図1および図2は本発明の実施の形態に
おける角速度センサ振動子の構成を示し、図1(a)は
三脚音叉振動子Zの表面側の斜視図、図1(b)は同振
動子の裏面側の斜視図、図2(a)は同振動子の平面図
である。一列に等間隔に並んだ三本の角柱は、両側2本
が正三角柱A、Bであり、真中の1本が正四角柱Cであ
る。これらの角柱A、B、Cは、同様な構造の圧電シー
ト2、3を2枚貼り合わせてバイモルフ構造とした板状
圧電素子材1から切り出されており、各三角柱の各頂点
部分が8a、8a’、8a’’、8b、8b’、8
b’’の如く面取りされている。また、各三角柱A、B
の各面には、図2に示すように、それぞれ電極4a、5
a、6aと4b、5b、6bが形成され、四角柱Cの配
列方向に直交する側の2つの面の一方には3つの励振電
極4c1 、4c2 、4c3 が形成され、もう一方には3
つのコリオリ検出電極6c1 、6c2 、6c3 が形成さ
れている。さらに、各角柱のバイモルフ接合面にサンド
イッチ電極7a、7b、7cが形成されている。
【0013】サンドイッチ電極7a、7b、7cは、図
3の符号7で示すように、貼り合わせ前の圧電シート
2、3の状態で、各三角柱A、Bおよび四角柱の各面に
露出しない寸法で櫛歯状に予め印刷・焼成により形成し
てある。このようにすると、圧電シート2、3を貼り合
わせたパイモルフ型板状圧電素子材1から三角柱A、B
および四角柱Cを切り出し後メツキを施した状態では、
サンドイッチ電極7a 、7b 、7c は、励振電極( コリ
オリ検出電極を兼ねる)4a、5 a、4b、5 b、4c
1 、4c2 、4c3 およびモニタ電極( 励振電極を兼ね
る)6a、6bとコリオリ検出電極6c1 、6c2 、6
3 とは電気的に繋がつていないため、分割切り離しの
必要がない。また、励振電極4a、5 a、4b、5 b、
4c1 、4c2 、4c3 およびモニタ電極6a、6b、
6c1 、6c2 、6c3 は、正三角形断面の各頂点部分
8a、8a’、8a’’、8b、8b’、8b' ’を、
メツキによる各電極の一括形成後に面取りすることによ
って独立に分割される。さらに、サンドイッチ電極7
a、7bとモニタ電極6a、6bとコリオリ検出電極6
1 、6c2 、6c3 とは、矢印9、10の方向に分極
されており、サンドイッチ電極7a、7bと励振電極4
a、5 a、4b、5 bとは、図3に示す板状圧電素子材
1の段階で矢印13、14、15、16の方向に分極さ
れている。また、四角柱Cの各電極4c1 、4c2 、4
3 と6c1 、6c2 、6c3 とは、矢印17、18、
19、20の方向に分極されており、分極による圧電素
子内の電位を+、−で示す。2つの三角柱A、Bと1つ
の四角柱Cとは、AとCとで―対の音叉、またBとCと
で―対の音叉を構成しており、それぞれの配置ピッチと
して、L1 :L2 =1:1またはL1 :L2 =1:2な
ど、2つの音叉が最大効率で振動するように重心配置寸
法L1 、L2 が決定されている。この重心配置寸法は、
重心間ピッチまたは図心間ピッチを意味する。
【0014】図1において、D部は固定部Jを含む三脚
基台であり、表面11と裏面12には電極を形成してい
る。各電極の配置について説明すると、三角柱Aにおい
ては、電極5aは引き出し電極32へ、電極4aは裏面
電極39' とスルーホ―ル47とを介して引き出し電極
39へ、電極6aは引き出し電極40へ導出されてい
る。四角柱Cにおいては、電極6c3 は引き出し電極3
3へ、電極6c2 は引き出し電極34へ、電極6c1
引き出し電極35へ、電極4c3 は裏面電極41' とス
ルーホール48とを介して引き出し電極41へ、電極4
2 は裏面電極42' とスルーホール49とを介して引
き出し電極42へ、電極4c1 は裏面電極43' とスル
ーホール50とを介して引き出し電極43へ導出されて
いる。三角柱Bにおいては、電極6bは引き出し電極3
6へ、電極5bは引き出し電極37へ、電極4bは裏面
電極45' とスルーホール52とを介して引き出し電極
45へ導出されている。サンドイッチ電極7a、7b、
7cは、裏面電極38' とスルーホール46とを介して
引き出し電極38へ導出されている。
【0015】図2(b)は、各電極の接続状態を示して
いる。三角柱A、Bの各励振電極4a、5a、4b、5
bとモニタ電極6a、6bおよび四角柱Cの一方の側の
両端2つの励振電極4c3 ,4c1 および四角柱の他方
の側の真中の1つのコリオリ検出電極6c1 をドライブ
電源Eの一方の極側に接続し、ドライブ電源Eの他方の
極側を三角柱A、Bのサンドイッチ電極7a、7bおよ
び四角柱の一方の側の真中の励振電極4c2 に接続し、
三角柱Aのモニタ電極6aとサンドイイチ電極7aをモ
ニタ端子M3 に接続し、三角柱Bのモニタ電極6bとサ
ンドイイチ電極7bをモニタ端子M1 に接続し、四角柱
の他方の側のコリオリ検出電極6c1 、6c2 、6c3
をそれぞれコリオリ検出端子D1 、D2 、D3 に接続し
ている。励振電極4a、5aおよび4b、5bに電圧を
印可することによって、コリオリ検出軸Cは励振軸A、
Bによつて両側から音叉励振されると同時に自らも励振
電極4c1 、4c2 、4c3 への電圧印加によって励振
する。従つて、コリオリ検出軸Cの振幅は励振軸A、B
よりも大きく増幅されることになり、図4に示すよう
に、ある瞬間の励振方向は音叉励振のため励振軸A、B
(19の向きに撓む)とは逆の向き( 20の向きに撓む)
になり、音叉励振のため、次の瞬間の励振方向は19
と20とはそれぞれ逆向きになる。また、三角柱A、B
および四角柱Cの励振は、それぞれモニタ端子M3 、M
1 を通じてモニタされるが、いずれか一方を省略するこ
ともできる。
【0016】次に、三角柱A、Bおよび四角柱Cが図2
(a)の矢印21の面内方向に励振されるメカニズムに
ついて励振軸Aを例にとって説明する。励振軸Aの各電
極4a、4a、6aに図2(b)に示すようにドライブ
電源Eから電圧を交互に印加すると、例えば図2(b)
に示す極性の電圧印加では、励振軸Aの励振電極4a、
5a、6aの内部電荷+が反転して−になるため、23
の部分が、図4(a)に示すように25の方向に縮み、
24の部分が26の方向に伸びる。このため、励振軸A
は矢印19の方向に撓むことになり、励振軸Aとコリオ
リ検出軸Cとの音叉構造によりコリオリ検出軸Cも矢印
20の方向に撓ませられる。同様に、励振軸Bとコリオ
リ検出軸Cとのもう一方の音叉構造によっても、コリオ
リ検出軸Cは矢印20の方向に撓ませられるため、振幅
は増幅される。
【0017】次にコリオリ力検出のメカニズムについて
説明する。図2(a)の矢印21の面内方向に常時励振
している三角柱A、Bおよび四角柱Cに、図5に示すよ
うに、検出軸27に対して28方向の角速度が加わる
と、三角柱A、Bおよび四角柱Cには、図2(a)の矢
印22の面垂直方向のコリオリ力が発生し、三角柱A、
Bおよび四角柱Cは図5のように面垂直方向に撓みなが
ら振動することになる。コリオリ力による三角柱A、B
および四角柱Cの面垂直撓みの方向は、励振の方向によ
って決まるため、ある瞬間では三角柱AとBとは同方向
( 29の方向) に撓み、 四角柱Cは逆方向(30の方
向) に撓むことになる。また、次の瞬間では、三角柱
A,Bおよび四角柱Cはそれぞれ逆方向に撓んで振動を
繰り返すことになる。四角柱Cが30の方向に撓むと、
図2(b)において励振電極4c1 、4c2 、4c3
伸び、コリオリ検出電極6c1 、6c2 、6c3 は縮む
ことになるため、コリオリ検出電極6c2 を基準電位と
して、コリオリ検出電極6c1 、6c3 との電位差を差
動で取り出すことが可能となる。
【0018】以上のように、本実施の形態によれば、振
動子が三脚音叉構造であるため、コリオリ力が発生した
ときの三脚音叉振動子Zにかかる回転モーメントMは、
図6に示すように、+M、−Mの逆等モーメントとなる
ため、コリオリ力によって三角柱A,Bおよび四角柱C
に発生する回転モーメントは、三脚基台Dではキヤンセ
ルされた形になり、固定部Jではモーメントの発生はほ
とんどゼロになる。このため、この三脚音叉振動子Zを
固定部Jで固定した場合は、固定の度合いによってコリ
オリ力検出精度が影響を受けることがなくなり、検出精
度が極めて高いものとなる。また、この三脚音叉振動子
Zは、板状圧電素子材からの切り出し構造としているた
め、接着剤による貼り合わせ部がなく、接着バラツキお
よび接着剤の温度特性の影響がないこと、および寸法バ
ラツキが加工精度で決定されるため、組立精度のバラツ
キが重畳されず、角速度検出精度のバラツキを最小限に
抑えることができる。また、信号線の引き回しが振動の
影響の少ない三脚基台Dの片面側で行うため、線材の振
れが角速度検出精度に影響を与えることはない。なお、
各引き出し電極から回路基板などへの信号線接続は、半
田付け以外にワイヤボンディングで行うこともできる。
【0019】図7は上記三脚音叉振動子Zを組み込んだ
一次元角速度センサ、図8は三次元角速度センサを示
す。三脚音叉振動子Zは、固定部Jを60、61でスポ
ット溶接された板バネ62で基台63に固定されてお
り、前述した各電極11、12、13、14、15、1
6、17、18、19、20、21、22、23と回路
基板64に形成されたパッド65、66、67、68、
69、70、71、72、73、74、75、76、7
7とはボンディングワイヤにて接続され、検出および励
振回路を含むプリント回路基板64、78と共に気密封
止される。三脚音叉振動子Zからの出力は、回路基板6
4から回路基板78を介して基台63に絶縁固定された
リードピン79、80、81、82に導出される。図8
に示す3次元角速度センサは、振動子Z、Z’、Z”を
互いに直交するように配置し、x、y、z3軸方向の角
速度を検知するようにしたものであり、詳細説明は省略
する。
【0020】
【発明の効果】本発明は、以下に示すような効果を有す
る。 1)三脚音叉構造としているため、 コリオリ力発生時の
回転モーメントがキャンセルでき、 振動ロスを最小限に
できると共に、固定部の検出精度に対する影響をなくす
ことができるため、角速度検出が高精度で実現できる。 2)三脚音叉構造としているため、コリオリ検出軸を両
側から励振することができ、振幅を増幅して高感度の角
速度センサを実現できる。 3) 振動子を板状圧電素子材からの切り出しによって形
成しているため、接着剤による貼り合わせ部がなく、検
出精度を高めることができる。 4)信号線の接続を振動子ではなく、三脚基台で実施し
ているため、検出精度に影響を及ぼさず、検出精度を安
定化できる。 5)信号線の取り出しをハンダ付けではなく、ワイヤボ
ンディングで実施した場合には、 超小型化に対応できる
と共に、 検出精度への影響もなくすことができる。 6)各三角柱および四角柱の各面に配置された各電極を
振動の影響の少ない三脚基台の片面だけに導出すること
により、信号線の接続作業を容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の実施の形態における角速度セン
サ振動子の表面側の斜視図 (b)本発明の実施の形態における角速度センサ振動子
の裏面側の斜視図
【図2】(a)同振動子の平面図 (b)同振動子の結線図
【図3】同振動子を切り出す前の板状圧電素子材の斜視
【図4】(a)同振動子の動作を示す概略図 (b)同振動子の動作を示す斜視図
【図5】同振動子のコリオリ発生時の撓み方向を示す斜
視図
【図6】(a)同振動子のコリオリ力印加時の発生モー
メントを示す平面図 (b)同振動子のコリオリ力印加時の発生モーメントを
示す正面図
【図7】同振動子を組み込んだ一次元角速度センサの構
造を示す斜視図
【図8】同振動子を組み込んだ三次元角速度センサの構
造を示す斜視図
【図9】(a)従来の角速度センサ(通常励振時)を示
す斜視図 (b)従来の角速度センサ(コリオリ発生時)を示す斜
視図
【図10】(a)非共振角速度センサの共振点を示す特
性図 (b)共振角速度センサの共振点を示す特性図
【符号の説明】 1 板状圧電素子材 2、3 圧電シート 4、5 励振電極 6 モニタ電極(コリオリ検出電極兼用) 7 サンドイッチ電極 8 面取りされた頂点部分 A、B 三角柱 C 四角柱 D 三脚基台 J 固定部 Z 三脚音叉振動子

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 三角形断面の各頂点部分を面取りしたバ
    イモルフ圧電素子からなる2本の三角柱と、矩形断面を
    有するバイモルフ圧電素子からなる1本の四角柱と、列
    状に配置された前記2本の三角柱およびその中間にある
    前記四角柱および基台部で構成された三脚音叉と、前記
    三角柱の各面に配置された2つの励振電極およびモニタ
    電極と、前記四角柱の配列方向に直交する側の2つの面
    の一方に配置された3つの励振電極と、前記四角柱の配
    列方向に直交する側の2つの面のもう一方に面に配置さ
    れた3つのコリオリ検出電極と、前記三角柱および前記
    四角柱の各バイモルフ接合面に配置したサンドイッチ電
    極とを備えたことを特徴とする角速度検出用の三脚音叉
    振動子。
  2. 【請求項2】 各三角柱および四角柱の各面に配置され
    た各電極が基台の片面に導出されていることを特徴とす
    る請求項1記載の三脚音叉振動子。
  3. 【請求項3】 各三角柱および四角柱がバイモルフ構造
    の板状圧電素子材から一体に切り出されていることを特
    徴とする請求項1または2記載の三脚音叉振動子。
  4. 【請求項4】 各三角柱の各励振電極とモニタ電極およ
    び四角柱の一方の側の両端2つの励振電極および四角柱
    の他方の側の真中の1つのコリオリ検出電極をドライブ
    電源の一方の極側に接続し、ドライブ電源の他方の極側
    を各三角柱のサンドイッチ電極および四角柱の一方の側
    の真中の励振電極に接続し、各三角柱のモニタ電極とサ
    ンドイイチ電極をモニタ端子に接続し、四角柱の他方の
    側の両端2つのコリオリ検出電極をコリオリ検出端子に
    接続したことを特徴とする請求項1から3のいずれかに
    記載の三脚音叉振動子。
  5. 【請求項5】 各三角柱が断面正三角形であり、四角柱
    が断面正四角形である請求項1から4のいずれかに記載
    の三脚音叉振動子。
  6. 【請求項6】 請求項1から5のいずれかに記載の三脚
    音叉振動子の固定部を板バネで基台に固定すると共に、
    基台に絶縁配置されたリードピンと三脚音叉振動子の各
    電極とをワイヤボンディング工法によって接続し、検出
    および励振回路を含むプリント基板と共に気密封止した
    ことを特徴とする角速度センサ。
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