JP2000249557A - 三角柱三脚音叉振動子および角速度センサ - Google Patents

三角柱三脚音叉振動子および角速度センサ

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JP2000249557A
JP2000249557A JP11051908A JP5190899A JP2000249557A JP 2000249557 A JP2000249557 A JP 2000249557A JP 11051908 A JP11051908 A JP 11051908A JP 5190899 A JP5190899 A JP 5190899A JP 2000249557 A JP2000249557 A JP 2000249557A
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triangular
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triangular prism
angular velocity
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JP11051908A
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English (en)
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Shogo Asano
勝吾 浅野
Hiroyuki Baba
啓之 馬場
Yasuyuki Nakano
泰之 中野
Toru Fukuda
徹 福田
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動子センサの角速度検出精度を高める。 【解決手段】 頂点をわずかに面取りしたバイモルフ構
造とした圧電素子2、3から3本の正三角形の柱A,
B,Cを切り出して、それぞれ2対の音叉を構成する方
向に配置すると共に、正三角形の柱の隣接する2つの面
にそれぞれコリオリ検出電極を共用する励振電極4、5
を配置し、他の1つの面に励振電極を兼用する1つのモ
ニタ電極6を配置し、バイモルフ中間面に三角柱の表面
に露出しないようにサンドイッチ電極7を配置する。三
角柱A,Cの励振電極4、5に電圧印加して三角柱Bの
電極4、5からコリオリを検出する。その際、三角柱B
はA,Cと逆向きに撓むため、コリオリ発生時の固定部
にかかる回転モーメントをキャンセルでき、角速度検出
精度が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、振動子および角速度を
検出する振動子および角速度センサに関し、例えば、車
輌のナビゲーションシステム、車体制御システムに有効
な角速度センサに関する。
【0002】
【従来の技術】図9は従来の角速度センサの構造を示し
ている。図9(a)において、U字型の金属振動板10
1の上部のそれぞれに、これと直角に配置された2枚の
金属板102、102’を有し、U字型金属板101の
片面に励振用圧電素子106をを、もう一方の面にモニ
タ用圧電素子107を、さらに金属板102と102’
のそれぞれは、コリオリ検出用圧電素子108、10
8’を圧電素子106,107と直角方向に貼り付けて
成る音叉振動子103が、固定軸104を介して基台1
05に固定されている。圧電素子106,107,10
8、108’は、それぞれリード線109,110,1
12,113を介してリードピン114,115,11
6,117に接続されている。リードピン114,11
5,116,117は、いずれもガラスなどの絶縁体1
18を介して基台105と電気的に絶縁されている。
【0003】次に、上記角速度センサの動作について説
明する。図9(a)はセンサの励振状態を示し、図9
(b)はセンサのコリオリ力を検出する状態を示してい
る。即ち、図9(a)において、音叉振動子103は、
励振用圧電素子106への電圧印加によって、常時11
9方向に音叉励振されている。この励振周波数と振幅と
は、モニタ圧電素子107によってモニタリングされ、
常に一定の周波数と振幅で励振されるように、励振用圧
電素子106の印加電圧をコントロールしている。この
センサの検出軸120に、図9(b)のように121方
向に回転角速度ωが加わると、励振方向119と直角方
向に発生するコリオリ力によって、金属板102、10
2’は互いに逆方向122、123方向に撓むことにな
る。この時発生するコリオリ力FCは、FC=2mVω
となる。 m :音叉振動子103の質量 V :励振速度 ω :印加された回転角速度 このコリオリ力FCは、検出用圧電素子108、10
8’に伸びと縮みという互いに逆方向の歪みを発生させ
るため、差動出力として検出電圧をリードピン115,
117から取り出すことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の角速度センサには次のような問題がある。 1)角速度ωが発生すると、振動子103にコリオリ力
が加わって振動子103が図9(b)の方向(122,
123)に撓んだことによって発生する回転モーメント
124が、回転軸104に加わるため、回転軸104と
基台105および音叉振動子103との固定度合いがセ
ンサの角速度検出精度のバラツキ要因となること。 2)励振用圧電素子106、モニタ用圧電素子107お
よび検出用圧電素子108,108’は、音叉振動子1
03を構成する各金属板101,102,102’に接
着剤を用いて貼り付けられているため、接着のバラツキ
および接着剤の温度特性が、センサ角速度検出精度のバ
ラツキの要因となること。 3)励振方向とコリオリ検出方向とでは、音叉振動子1
03を構成する金属板101,102,102’の形状
が一致してないため、励振時の共振周波数とコリオリ検
出時の共振周波数とを一致させにくく、従って検出感度
を高めるのが困難なこと。即ち、図10(b)のような
共振型角速度センサにすることが難しく、図10(a)
のような非共振型角速度センサになってしまうため、共
振型に比して感度が落ちる。 4)音叉型振動子103の曲げ加工精度、固定軸104
と音叉型振動子103および基台105との固定精度、
および圧電素子106,107,108,108’の接
着精度など、組立加工精度のバラツキがセンサの角速度
検出精度のバラツキ要因となること。 5)振動体にリード線109,110,112,113
が接続されるため、リード線109,110,112,
113の振れがセンサの角速度検出精度のバラツキ要因
となること。 本発明は、以上の角速度センサに関する課題を解決する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために以下の手段を講じたものである。 1)コリオリ発生時の固定部にかかる回転モーメントを
キャンセルするために三脚音叉構造を採用し、固定部の
固定度合いのバラツキが角速度検出精度に影響を及ぼさ
ないように構成した。 2)振動子を圧電切り出し構造で形成することで、圧電
素子そのものを振動子にでき、接着部をなくしてセンサ
の検出感度を向上した。 3)正三角柱で構成される三脚音叉構造を採用すること
により、60゜の対向位置に電極を形成することによっ
て励振用電極と検出用電極とを共用して角速度検出感度
を向上した。 4)正三角柱の音叉構造を採用することによって励振時
の共振周波数f01とコリオリ検出時の共振周波数f0
2とを近づけることができ、共振型角速度センサを実現
して検出感度を向上させた。 本発明は、上記手段を効果的に実施することにより、高
感度で小型な角速度センサを実現できる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、頂点を面取りしたバイモルフ構造とした圧電素子か
らなる3本の三角形の柱をそれぞれ2対の音叉を構成す
る方向に配置すると共に、三角形の柱の隣接する2つの
面にそれぞれコリオリ検出電極を共用する励振電極を配
置し、他の1つの面に励振電極を兼用する1つのモニタ
電極を配置し、バイモルフ中間面に三角柱の表面に露出
しないようにサンドイッチ電極を配置したことを特徴と
する角速度検出用の三角柱三脚音叉振動子であり、三脚
音叉構造としているため、コリオリ力発生時の回転モー
メントがキャンセルでき、振動ロスを最小限にできると
共に、固定部の検出精度に対する影響をなくすことがで
きるため、角速度検出が高精度で実現できる。また、サ
ンドイッチ電極が三角柱の表面に露出しないので、メッ
キ後にサンドイッチ電極を励振電極(検出電極兼用)お
よびモニタ電極(励振電極兼用)と切り離す必要がなく
なり、加工工数が大幅に低減できると共に、振動子であ
る三角柱への加工が不要になるため、特性バラツキの少
ない高精度の角速度センサを実現できる。さらに、モニ
タ電極(励振電極を兼ねる)数を1つにできるため、引
き出し電極数を削減でき、リード接続箇所を減らすこと
ができる。
【0007】本発明の請求項2に記載の発明は、3本の
三角形の柱をバイモルフ構造の板状圧電素子から切り出
したことを特徴とする請求項1記載の三角柱三脚音叉振
動子であり、振動子を圧電切り出し構造で形成すること
で、圧電素子そのものを振動子にでき、接着部をなくし
てセンサの検出感度を向上できる。
【0008】本発明の請求項3に記載の発明は、三角形
の各面に配置された各電極を三角柱基台の一方の片面に
導出したことを特徴とする請求項1または2記載の三角
柱三脚音叉振動子であり、信号線の接続を振動子ではな
く、固定部で実施しているため、検出精度に影響を及ぼ
さず、検出精度を安定化できる。
【0009】本発明の請求項4に記載の発明は、3本の
三角柱の配置ピッチが1:1または2:1になるように
構成した請求項1または2または3記載の三角柱三脚音
叉振動子であり、2つの音叉が最大効率で振動すること
ができる。
【0010】本発明の請求項5に記載の発明は、各励振
電極およびモニタ電極をそれぞれドライブ電源の一方の
極側に接続し、真中のサンドイッチ電極をドライブ電源
のもう一方の極側に接続したことを特徴とする請求項1
から4のいずれかに記載の三角柱三脚音叉振動子であ
り、コリオリ検出軸を両側から励振できるため、振幅を
増幅でき、高感度の角速度センサを実現することができ
る。
【0011】本発明の請求項6に記載の発明は、3本の
三角柱が正三角柱である請求項1から5のいずれかに記
載の三角柱三脚音叉振動子であり、製造が容易で性能の
安定した角速度センサを実現することができる。
【0012】本発明の請求項7に記載の発明は、請求項
1から6のいずれかに記載の三角柱三脚音叉振動子の固
定部を板バネで基台に固定すると共に、基台に絶縁配置
されたリードピンと三角柱三脚音叉振動子の各電極とを
ワイヤボンディング工法によって接続し、検出および励
振回路を含むプリント基板と共に気密封止したことを特
徴とする角速度センサであり、信号線の取り出しをハン
ダ付けではなく、ワイヤボンディングで実施しているた
め、超小型化に対応できると共に、検出精度への影響も
なくすことができる。
【0013】以下、本発明の実施の形態を図面を参照し
て説明する。 (実施の形態)図1は本発明の実施の形態における三角
柱三脚音叉構造の角速度センサ振動子Zを示す。図1
(a)は同振動子の表面側の斜視図、図1(b)は裏面
側の斜視図、図2は同振動子を切り出す前のバイモルフ
圧電シートの斜視図、図3(a)は同振動子のメッキ直
後の電極構成を示す部分平面図、図3(b)は同振動子
の分割後の電極構成を示す部分平面図、図3(c)は同
振動子の電極接続図を示す平面図である。三角柱A、
B、Cは、符号1で示す面内で2枚貼り合わせてバイモ
ルフ構造とした板状圧電素子2,3から切り出されてお
り、正三角形断面の各頂点が8a、8a’、8a’’
(8b、8b’、8b’’、8c、8c’、8c’’)
の如く面取りされている。また、各三角柱の3つの面
4,5,6,(4’,5’,6’,4’’,5’’,
6’’)には、図3(b)に示すように、それぞれ電極
(4a,5a,6a,6a’(4b,5b,6b,6
b’,4c,5c,6c,6c’)とサンドイッチ電極
7a(7b、7c)がそれぞれ分極されている(分極に
よる圧電素子内の電位を+、−で示す)。3つの三角柱
A、B、Cは、AとBとで一対の音叉、またBとCとで
一対の音叉を構成しており、それぞれの配置ピッチとし
て、L1:L2=1:1またはL1:L2=1:2な
ど、2つの音叉が最大効率で振動するように重心配置寸
法L1,L2が決定されている。この重心配置寸法は、
重心間ピッチまたは図心間ピッチを意味する。
【0014】図3(a)(b)おいて、サンドイッチ電
極7a、7b、7cは、予め貼り合わる前の板状圧電素
子2,3の状態で、三角柱A,B,Cの各面4,5,6
(4’,5’,6’,4”,5”,6”)に露出しない
寸法で櫛刃状に印刷し、焼成して形成される。このよう
にすると、図2に示す板状圧電素子2,3を貼り合わせ
たバイモルフ圧電シート12から三角柱A,B,Cを切
り出した後、メッキを施した状態では、サンドイッチ電
極7a、7b、7cは、励振電極(検出電極も兼ねる)
4a,5a、4b、5b、4c、5cおよびモニタ電極
(励振電極を兼ねる)6a、6b、6cとは電気的に繋
がっていないため、分割切り離しの必要がない。また、
励振電極(検出電極も兼ねる)4a,5a、4b、5
b、4c、5c、およびモニタ電極(励振電極を兼ね
る)6a、6b、6cは、正三角形断面の各頂点8a,
8a’、8a”、8b、8b’、8b”、8c、8
c’、8c”を面取りすることによって独立に分割され
る。またサンドイッチ電極7a、7b、7cとモニタ電
極(励振電極も兼ねる)6a、6b、6cとは,矢印
9,10,11の方向に分極されており、サンドイッチ
電極7a、7b、7cと励振電極(検出電極も兼ねる)
4a,5a、4b、5b、4c、5cとは、図2に示す
板状のバイモルフ圧電シート12の段階で、矢印13,
14,15,16,17,18の方向に分極されてい
る。
【0015】図1および図3において、電極5aは引き
出し電極35へ、電極6aは引き出し電極36へ、電極
4aは裏面電極40’とスルーホール46とを介して引
き出し電極40へ導出されている。同様に三角柱Bの電
極5bは引き出し電極34へ、6bは裏面電極42’と
スルーホール48とを介して引き出し電極42へ、電極
4bは裏面電極41’とスルーホール47とを介して引
き出し電極41へ導出されている。三角柱Cの電極5c
は引き出し電極38へ、6cは引き出し電極37へ、4
cは裏面電極43’とスルーホール49とを介して引き
出し電極43へ導出されている。また、サンドイッチ電
極7a、7b、7cは裏面電極39’とスルーホール4
5とを介して引き出し電極39へ導出されている。この
ようにして、各電極は、三角柱基台DのG部とH部の片
面に導出されている。J部はこの振動子Zを固定するた
めの固定部である。
【0016】図3(c)において、各励振電極4a,5
a、4b、5b、4c、5c、およびモニタ電極(励振
電極を兼ねる)6a、6b、6cは、それぞれドライブ
電源15の一方の極側に接続され、サンドイッチ電極7
a、7b、7cは、ドライブ電源15の他方の極側に接
続され、コリオリ力を検出する励振電極4a,5aと4
b,5bと4c,5cとには、それぞれアンプ16、1
7、18が接続されて、その出力端子から差動増幅にて
電圧変化分が出力される。励振電極4a,5aおよび4
c、5cに電圧を印加することによって、図4に示すよ
うに、コリオリ検出軸Bは励振軸A,Cによって両側か
ら音叉励振されると共に、自らも励振電極4b、5bへ
の電圧印加によって励振する。従って、コリオリ検出軸
Bの振幅は励振軸A,Cよりも大きく増幅されることに
なり、ある瞬間の励振方向は、音叉励振のため、励振軸
A,C(19の向きに撓む)とは逆の向き(20の向き
に撓む)ことになり。また、音叉励振のため、次の瞬間
の励振方向は19,20とはそれぞれ逆方向になる。な
お、三角柱A,B,Cの励振モニタはそれぞれM3,M
2 ,M1 モニタ端子によって行われるが、コリオリ検出
軸であるB軸のみのモニタをM2 端子で実施し、M1
3 は省略することもできる。この場合は回路接続部1
4は切り離される。
【0017】各三角柱A,B,Cが図3(b)の矢印2
1の面内方向に励振されるメカニズムを励振軸Aを例に
とって図3および図4を用いて説明する。励振軸Aの各
電極4a,5a,6aに図3(c)の如く電圧を交互に
印加すると、図3(c)の極性の電圧印加では、励振軸
Aの励振電極4a,5aの内部電荷(+)が反転して
(−)になり、モニタ電極(励振電極を兼ねる)6aに
は内部電荷と同じ(+)電圧が印加されるため、23の
部分が25の方向に縮み、24の部分が26の方向に伸
びる。このため励振軸Aは矢印19の方向に撓むことに
なり、励振軸Aとコリオリ検出軸Bとの音叉構成によっ
て、コリオリ検出軸Bも矢印20の方向に撓ませられ
る。同様に、励振軸Cとコリオリ検出軸Bとのもう一対
の音叉によって、コリオリ検出軸Bは励振軸Cの音叉に
よっても矢印20の方向に撓ませられるため、振幅は増
幅される。
【0018】次にコリオリ力検出のメカニズムについて
図5を参照して説明する。上記したように、矢印21の
面内方向に常時励振している三角柱A,B,Cに、検出
軸27に対して28方向の角速度が加わると、各三角柱
A,B,Cには矢印22の面垂直方向にコリオリ力が発
生し、三角柱A,B,Cは図5のように面垂直方向に撓
みを生じながら振動することになる。コリオリ力による
三角柱A,B,Cの面垂直撓みの方向は励振の方向によ
って決まるため、ある瞬間では三角柱AとCとは同方向
(29の方向)に撓み、三角柱Bは逆方向(30の方
向)に撓むことになる。次の瞬間では、三角柱A,Bお
よびCは、ちょうど逆の方向に撓んで振動を繰り返すこ
とになる。三角柱Bが30の方向に撓むと、図3(b)
(c)において、コリオリ検出電極(励振電極を兼ね
る)4bは伸び、5bは縮むことになるため、サンドイ
ッチ電極7bとコリオリ検出電極4b間、およびサンド
イッチ電極7bとコリオリ検出電極5b間の電位が変化
するため、アンプ17を介して端子32とで差動増幅に
て電圧変化分を出力することができる。この時コリオリ
検出電極4b、5bとは、コリオリ力発生方向に対して
直角に近いかたちで配置されるため、検出感度が高くな
る。また、三角柱AまたはCと三角柱Bの逆方向の面垂
直撓みを利用して、三角柱AまたはCと三角柱Bとの差
動出力もアンプ16、18から取り出すことが可能であ
り、出力感度の更なる向上が期待できる。
【0019】以上のように、本実施の形態によれば、振
動子Zが三角柱三脚音叉構造であるため、コリオリ力が
発生したときの三角柱三脚音叉振動子Zにかかる回転モ
ーメントMは図6のように、+M、−Mの逆等モーメン
トとなり、コリオリ力によって三角柱A,B,Cに発生
する回転モーメントは三角柱基台部Dではキャンセルさ
れた形になり、固定部Jではモーメントの発生はほとん
どゼロになる。また、モニタ電極(励振電極を兼ねる)
6a、6b、6cが1個であるため、G部とH部に導出
される引き出し電極34,35,36,37,38,3
9,40,41,42,43の数を少なくできる。な
お、本実施の形態では、3本の三角柱を正三角柱とした
が、三角柱であればどのような形状であってもよい。
【0020】また、本実施の形態によれば、サンドイッ
チ電極7a,7b,7cを三角柱A,B,Cの各面に露
出しないように、あらかじめ寸法を決定し、サンドイッ
チ前素子に印刷し、2枚を貼り合わせ焼成して形成する
という、いわゆる埋め込み型のサンドイッチ電極とした
ので、サンドイッチ電極は、励振電極(検出電極兼用)
およびモニタ電極(励振電極を兼用)とは電気的に繋が
っておらず、従ってメッキ後に切り離す必要がなくなる
ため、振動子への直接加工によるダメージが発生しない
ので、高感度で特性バラツキの少ない高精度の角速度セ
ンサが実現できる。これに反し、サンドイッチ電極7
a,7b,7cを、メッキにより各三角柱A,B,Cの
面6,6’,6”に形成されたモニタ電極6a,6
a’,6b,6b’および6c,6c’からレーザ等に
より切り離し分割する場合には、三角柱A,B,Cの間
隔が狭いため、レーザ光を被加工面6,6’,6”に対
して直面に照射することができず、斜め方向からの照射
加工に成らざるを得ないため、メッキの除去加工が不均
一且つ、不安定であること、特に三角柱根元部のメッキ
除去加工が困難であること、および振動子を構成する各
三角柱A,B,Cに直接除去加工を施すため、三角柱
A,B,Cに傷を付けることになり、振動特性がバラツ
クこと等の問題がある。
【0021】図7は上記三角柱三脚音叉振動子Zを組み
込んだ一次元角速度センサ、図8は三次元角速度センサ
を示す。上記した三角柱三脚音叉振動子Zは、固定部J
を132,133でスポット溶接された板バネ131で
基台148に固定されており、前述した各電極34,3
5,36,37,38,39,40,41,42,43
と回路基板134に形成されたパッド135,136,
137,138,139,140,141,142,1
43,144,145,146,147とはボンディン
グワイヤにて接続されている。三角柱三脚音叉振動子Z
からの出力は、回路基板134から回路基板149を介
して基台148に絶縁固定されたリードピン150,1
51に導出される。図8に示す三次元角速度センサは、
振動子Z、Z’、Z”を互いに直交するように配置し、
x、y、zの3軸方向の角速度を検知するようにしたも
のであり、詳細説明は省略する。
【0022】
【発明の効果】本発明は、以下に示すような効果を有す
る。 1)三脚音叉構造としているため、コリオリ力発生時の
回転モーメントがキャンセルでき、振動ロスを最小限に
できると共に、固定部の検出精度に対する影響をなくす
ことができるため、角速度検出が高精度で実現できる。 2)三脚音叉構造としているため、コリオリ検出軸を両
側から励振することができ、振幅を増幅して小型で高感
度の角速度センサを実現できる。 3)三角柱構造としているため、コリオリ力発生方向に
対して検出電極を直角に近い形で配置でき、検出感度を
高くできる。 4)三角柱構造としているため、励振電極と検出電極と
を共用でき、構造がシンプルにできると共に、励振方向
とコリオリ検出方向の共振周波数を一致させやすいた
め、極めて感度の高い小型の角速度センサを実現でき
る。 5)三角柱で三脚音叉構造としているため、コリオリ検
出軸自体が励振と出力(差動)検出を同時に行うことが
できると共に、他軸との音叉構成による出力増幅も可能
となり、極めて高感度のセンサを実現できる。 6)振動子を圧電材切り出しによって形成しているた
め、接着部がなく、検出精度を高めることができる。 7)信号線の接続を振動子ではなく、固定部で実施して
いるため、検出精度に影響を及ぼさず、検出精度を安定
化できる。 8)信号線の取り出しをハンダ付けではなく、ワイヤボ
ンディングで実施しているため、超小型化に対応できる
と共に、検出精度への影響もなくすことができる。 9)三角柱の各面に配置された各電極を振動の影響の少
ない三角柱基台部の片面だけに導出することにより、信
号線の接続作業を容易にできる。 10)サンドイッチ電極を三角柱の各面に露出させな
い、いわゆる埋め込み型の電極にすることにより、メッ
キ後にサンドイッチ電極を励振電極およびモニタ電極と
切り離す必要がなくなり、加工工数が大幅に低減できる
と共に、振動子である三角柱への加工が不要になるた
め、特性バラツキの少ない高精度の角速度センサを実現
できる。また、モニタ電極数を各三角柱で1つにできる
ため、引き出し電極数を削減でき、リード接続箇所を減
らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の実施の形態における角速度セン
サ振動子の表面側の斜視図 (b)本発明の実施の形態における角速度センサ振動子
の裏面側の斜視図
【図2】同振動子を切り出す前のバイモルフ圧電シート
を示す斜視図
【図3】(a)同振動子のメッキ直後の電極構成を示す
部分平面図 (b)同振動子の分割後の電極構成を示す部分平面図 (c)同振動子の電極接続図を示す部分平面図
【図4】同振動子の振動方向を示す部分正面図
【図5】同振動子のコリオリ発生時の撓み方向を示す斜
視図
【図6】(a)同振動子のコリオリ力印加時の発生モー
メントを示す平面図 (b)同振動子のコリオリ力印加時の発生モーメントを
示す正面図
【図7】同振動子を組み込んだ一次元角速度センサ構造
を示す斜視図
【図8】同振動子を組み込んだ三次元角速度センサ構造
を示す斜視図
【図9】(a)従来の角速度センサ(通常励振時)を示
す斜視図 (b)従来の角速度センサ(コリオリ発生時)を示す斜
視図
【図10】(a)非共振角速度センサの共振点を示す特
性図 (b)共振角速度センサの共振点を示す特性図
【符号の説明】
2、3 板状圧電素子 4、5 励振電極(コリオリ検出電極共用) 6 モニタ電極(励振電極兼用) 7 サンドイッチ電極 A,B,C 三角柱 D 三角柱基台 J 固定部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中野 泰之 神奈川県横浜市港北区綱島東四丁目3番1 号 松下通信工業株式会社内 (72)発明者 福田 徹 神奈川県横浜市港北区綱島東四丁目3番1 号 松下通信工業株式会社内 Fターム(参考) 2F105 BB02 BB04 BB15 CC01 CC05 CD02 CD06

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 頂点を面取りしたバイモルフ構造とした
    圧電素子からなる3本の三角形の柱をそれぞれ2対の音
    叉を構成する方向に配置すると共に、三角形の柱の隣接
    する2つの面にそれぞれコリオリ検出電極を共用する励
    振電極を配置し、他の1つの面に励振電極を兼用する1
    つのモニタ電極を配置し、バイモルフ中間面に三角柱の
    表面に露出しないようにサンドイッチ電極を配置したこ
    とを特徴とする角速度検出用の三角柱三脚音叉振動子。
  2. 【請求項2】 3本の三角形の柱をバイモルフ構造の板
    状圧電素子から切り出したことを特徴とする請求項1記
    載の三角柱三脚音叉振動子。
  3. 【請求項3】 三角形に配置された各電極を三角柱基台
    の一方の片面に導出したことを特徴とする請求項1また
    は2記載の三角柱三脚音叉振動子。
  4. 【請求項4】 3本の三角柱の配置ピッチが1:1また
    は2:1になるように構成した請求項1または2または
    3記載の三角柱三脚音叉振動子。
  5. 【請求項5】 各励振電極およびモニタ電極をそれぞれ
    ドライブ電源の一方の極側に接続し、真中のサンドイッ
    チ電極をドライブ電源のもう一方の極側に接続したこと
    を特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の三角柱
    三脚音叉振動子。
  6. 【請求項6】 3本の三角柱が正三角柱である請求項1
    から5のいずれかに記載の三角柱三脚音叉振動子。
  7. 【請求項7】 請求項1から6のいずれかに記載の三角
    柱三脚音叉振動子の固定部を板バネで基台に固定すると
    共に、基台に絶縁配置されたリードピンと三角柱三脚音
    叉振動子の各電極とをワイヤボンディング工法によって
    接続し、検出および励振回路を含むプリント基板と共に
    気密封止したことを特徴とする角速度センサ。
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