JP2000249559A - 三角柱三脚音叉振動子および角速度センサ - Google Patents

三角柱三脚音叉振動子および角速度センサ

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JP2000249559A
JP2000249559A JP11051910A JP5191099A JP2000249559A JP 2000249559 A JP2000249559 A JP 2000249559A JP 11051910 A JP11051910 A JP 11051910A JP 5191099 A JP5191099 A JP 5191099A JP 2000249559 A JP2000249559 A JP 2000249559A
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triangular prism
tuning fork
triangular
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Shogo Asano
勝吾 浅野
Yasuyuki Nakano
泰之 中野
Toru Fukuda
徹 福田
Takashi Morikawa
貴志 森川
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動子センサの角速度検出精度を高める。 【解決手段】 頂点をわずかに面取りしたバイモルフ構
造とした圧電素子2、3から3本の正三角形の柱A,
B,Cを根本部にテーパ部54〜59を設けて切り出
し、それぞれ2対の音叉を構成する方向に配置すると共
に、正三角形の柱の隣接する2つの面にそれぞれコリオ
リ検出電極を共用する励振電極4、5を配置し、他の1
つの面に励振電極を兼用する2つのモニタ電極6を配置
し、バイモルフサンドイッチ面にサンドイッチ電極7を
配置する。三角柱A,Cの励振電極4、5に電圧印加し
て三角柱Bの電極4、5からコリオリを検出する。その
際、三角柱BはA,Cと逆向きに撓むため、コリオリ発
生時の固定部にかかる回転モーメントをキャンセルで
き、角速度検出精度が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、角速度を検出する振動
子および角速度センサに関し、例えば、車輌のナビゲー
ションシステム、車体制御システムに有効な角速度セン
サに関する。
【0002】
【従来の技術】図15は従来の角速度センサの構造を示
している。図15(a)において、U字型の金属振動板
101の上部のそれぞれに、これと直角に配置された2
枚の金属板102、102’を有し、U字型金属板10
1の片面に励振用圧電素子106を、もう一方の面にモ
ニタ用圧電素子107を、さらに金属板102と10
2’のそれぞれは、コリオリ検出用圧電素子108、1
08’を圧電素子106,107と直角方向に貼り付け
て成る音叉振動子103が、固定軸104を介して基台
105に固定されている。圧電素子106,107,1
08、108’は、それぞれリード線109,110,
112,113を介してリードピン114,115,1
16,117に接続されている。リードピン114,1
15,116,117は、いずれもガラスなどの絶縁体
118を介して基台105と電気的に絶縁されている。
【0003】次に、上記角速度センサの動作について説
明する。図15(a)はセンサの励振状態を示し、図1
5(b)はセンサのコリオリ力を検出する状態を示して
いる。即ち、図15(a)において、音叉振動子103
は、励振用圧電素子106への電圧印加によって、常時
119方向に音叉励振されている。この励振周波数と振
幅とは、モニタ圧電素子107によってモニタリングさ
れ、常に一定の周波数と振幅で励振されるように、励振
用圧電素子106の印加電圧をコントロールしている。
このセンサの検出軸120に、図15(b)のように1
21方向に回転角速度ωが加わると、励振方向119と
直角方向に発生するコリオリ力によって、金属板10
2、102’は互いに逆方向122、123方向に撓む
ことになる。この時発生するコリオリ力FCは、FC=
2mVωとなる。 m :音叉振動子103の質量 V :励振速度 ω :印加された回転角速度 このコリオリ力FCは、検出用圧電素子108、10
8’に伸びと縮みという互いに逆方向の歪みを発生させ
るため、差動出力として検出電圧をリードピン115,
117から取り出すことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の角速度センサには次のような問題がある。 1)角速度ωが発生すると、振動子103にコリオリ力
が加わって振動子103が図15(b)の方向(12
2,123)に撓んだことによって発生する回転モーメ
ント124が、回転軸104に加わるため、回転軸10
4と基台105および音叉振動子103との固定度合い
がセンサの角速度検出精度のバラツキ要因となること。 2)励振用圧電素子106、モニタ用圧電素子107お
よび検出用圧電素子108,108’は、音叉振動子1
03を構成する各金属板101,102,102’に接
着剤を用いて貼り付けられているため、接着のバラツキ
および接着剤の温度特性が、センサ角速度検出精度のバ
ラツキの要因となること。 3)励振方向とコリオリ検出方向とでは、音叉振動子1
03を構成する金属板101,102,102’の形状
が一致してないため、励振時の共振周波数とコリオリ検
出時の共振周波数とを一致させにくく、従って検出感度
を高めるのが困難なこと。即ち、図16(b)のような
共振型角速度センサにすることが難しく、図16(a)
のような非共振型角速度センサになってしまうため、共
振型に比して感度が落ちる。 4)音叉型振動子103の曲げ加工精度、固定軸104
と音叉型振動子103および基台105との固定精度、
および圧電素子106,107,108,108’の接
着精度など、組立加工精度のバラツキがセンサの角速度
検出精度のバラツキ要因となること。 5)振動体にリード線109,110,112,113
が接続されるため、リード線109,110,112,
113の振れがセンサの角速度検出精度のバラツキ要因
となること。 本発明は、以上の角速度センサに関する課題を解決する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために以下の手段を講じたものである。 1)コリオリ発生時の固定部にかかる回転モーメントを
キャンセルするために三脚音叉構造を採用し、固定部の
固定度合いのバラツキが角速度検出精度に影響を及ぼさ
ないように構成した。 2)振動子を圧電切り出し構造で形成することで、圧電
素子そのものを振動子にでき、接着部をなくしてセンサ
の検出感度を向上した。 3)正三角柱で構成される三脚音叉構造を採用すること
により、60゜の対向位置に電極を形成することによっ
て励振用電極と検出用電極とを共用して角速度検出感度
を向上した。 4)正三角柱の音叉構造を採用することによって励振時
の共振周波数f01とコリオリ検出時の共振周波数f0
2とを近づけることができ、共振型角速度センサを実現
して検出感度を向上させた。 5)正三角柱の根本部分に厚肉部を形成することによ
り、正三角柱の強度を増し、耐衝撃正および耐震性を向
上させた。 本発明は、上記手段を効果的に実施することにより、高
感度で小型な角速度センサを実現できる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、頂点を面取りしたバイモルフ構造とした圧電素子か
らなる3本の三角形の柱をそれぞれ2対の音叉を構成す
る方向に配置すると共に、三角形の柱の隣接する2つの
面にそれぞれコリオリ検出電極を共用する励振電極を配
置し、他の1つの面に励振電極を兼用する2つのモニタ
電極を配置し、バイモルフ中間面にサンドイッチ電極を
配置し、3本の三角柱のそれぞれの根本部分に厚肉部を
形成したことを特徴とする角速度検出用の三角柱三脚音
叉振動子であり、三脚音叉構造としているため、コリオ
リ力発生時の回転モーメントがキャンセルでき、振動ロ
スを最小限にできると共に、固定部の検出精度に対する
影響をなくすことができるため、角速度検出が高精度で
実現できる。さらに、各三角柱の根本部分に厚肉部を形
成することにより、三角柱の強度を増し、耐衝撃正およ
び耐震性を向上することができる。
【0007】本発明の請求項2に記載の発明は、バイモ
ルフ圧電シート状態で励振電極とサンドイッチ電極との
分極を実施しておき、その後に三角柱を切り出し加工
し、メッキ加工、電極分割加工後にモニタ電極とサンド
イッチ電極間の分極を実施するようにした請求項1記載
の三角柱三脚音叉振動子であり、振動子を圧電切り出し
構造で形成することで、圧電素子そのものを振動子にで
き、接着部をなくしてセンサの検出感度を向上できる。
【0008】本発明の請求項3に記載の発明は、三角柱
切り出し加工後、三角柱を分離せずに予めブリッジ接続
しておき、メッキ後にブリッジカットすることにより、
サンドイッチ電極を他の電極と電気的に絶縁するように
した請求項2記載の三角柱三脚音叉振動子であり、電極
の形成を容易に行うことができる。
【0009】本発明の請求項4に記載の発明は、三角柱
切り出し加工時にワークを平面的に固定して砥石加工す
ることにより、三角柱の根本部分に厚肉部を形成するよ
うにした請求項2または3記載の三角柱三脚音叉振動子
であり、厚肉部を容易に形成することができる。
【0010】本発明の請求項5に記載の発明は、三角形
の各面に配置された各電極を三角柱基台の一方の片面に
導出したことを特徴とする請求項1または4記載の三角
柱三脚音叉振動子であり、信号線の接続を振動子ではな
く、固定部で実施しているため、検出精度に影響を及ぼ
さず、検出精度を安定化できる。
【0011】本発明の請求項6に記載の発明は、3本の
三角柱が正三角柱である請求項1から5のいずれかに記
載の三角柱三脚音叉振動子であり、製造が容易で性能の
安定した角速度センサを実現することができる。
【0012】本発明の請求項7に記載の発明は、各励振
電極をドライブ電源の一方の極側に接続し、並んだ三角
柱のうち、両端の2本の三角柱のモニタ電極をドライブ
電源のもう一方の極側に接続し、真中の三角柱のモニタ
電極を別の電源端子に接続し、サンドイッチ電極を各励
振電極よりも低電位に分極したことを特徴とする請求項
1から6のいずれかに記載の三角柱三脚音叉振動子であ
り、コリオリ検出軸を両側から励振できるため、振幅を
増幅でき、高感度の角速度センサを実現できる。
【0013】本発明の請求項8に記載の発明は、請求項
1から7のいずれかに記載の三角柱三脚音叉振動子の固
定部を板バネで基台に固定すると共に、基台に絶縁配置
されたリードピンと三角柱三脚音叉振動子の各電極とを
ワイヤボンディング工法によって接続し、検出および励
振回路を含むプリント基板と共に気密封止したことを特
徴とする角速度センサであり、信号線の取り出しをハン
ダ付けではなく、ワイヤボンディングで実施しているた
め、超小型化に対応できると共に、検出精度への影響も
なくすことができる。
【0014】以下、本発明の実施の形態を図面を参照し
て説明する。 (実施の形態)図1および図2は本発明の実施の形態に
おける三角柱三脚音叉構造の角速度センサ振動子を示
す。図1の(a)は同振動子の表面側の斜視図、(b)
は裏面側の斜視図であり、図2の(a)は同振動子の平
面図、(b)は正面図である。三角柱A、B、Cは、符
号1で示す面内で2枚貼り合わせてバイモルフ構造とし
た板状圧電素子2,3から切り出されており、正三角形
断面の各頂点が8a、8a’、8a’’(8b、8
b’、8b’’、8c、8c’、8c’’)の如く面取
りされている。また、各三角柱の3つの面4,5,6,
(4’,5’,6’,4’’,5’’,6’’)には、
図2(a)に示すように、それぞれ電極(4a,5a,
6a,6a’(4b,5b,6b,6b’,4c,5
c,6c,6c’)とサンドイッチ電極7a(7b、7
c)が、矢印a,a’(b,b’、c,c’)の方向と
矢印a’’,a’’’(b’’,b’’’、c’’,
c’’’)の方向に分極されている(分極による圧電素
子内の電位を+、−で示す)。3つの三角柱A、B、C
は、AとBとで一対の音叉、またBとCとで一対の音叉
を構成しており、L1:L2=1:1またはL1:L2
=1:2など、2つの音叉が最大効率で振動するように
重心配置寸法L1,L2が決定されている。重心配置寸
法は、重心間ピッチまたは図心間ピッチを意味してい
る。
【0015】三角柱A,B,Cの根本部分には、厚肉部
54、55、56、57、58、59が形成されて、太
さが次第に増して三角柱基台3Dに連続している。三角
柱基台Dの表面9と裏面10には電極が形成されてい
る。即ち、表面9には、三角柱A,B,Cの面1からE
面側の電極5a,6a’(5b,6b’、5c,6
c’)がG部に、F面側の電極4a,6a(4b、6
b、4c、6c)が裏面10のI部とスルーホール2
4,25,26,27,28,29を介してH部に導出
されている。また、サンドイッチ電極7a、7b、7c
は一体に繋がった電極であり、スルーホール30を介し
て、やはりH部に導出されている。電極の配置をより詳
細に述べると、三角柱AのE側の電極5aは12へ、電
極6a’は11へ、F側の電極4aは裏面電極18’お
よびスルーホール25を介して18へ、電極6aは裏面
電極17’およびスルーホール24を介して17へ導出
されている。電極4bは裏面電極20’およびスルーホ
ール26を介して20へ、電極6bは裏面電極21’お
よびスルーホール27を介して21へ導出されており、
三角柱CのE側電極5cは16へ、電極6cは15へ、
F側電極4cは裏面電極23’およびスルーホール29
を介して23へ、電極6cは裏面電極22’およびスル
ーホール28を介して22へ導出されている。また、サ
ンドイッチ電極7a、7b、7cは、裏面電極19’お
よびスルーホール30を介して19へ導出されている。
J部は三角柱三脚音叉振動子の固定部である。
【0016】図3は上記三角柱三脚音叉振動子Zを組み
込んだ一次元角速度センサ、図4は三次元角速度センサ
を示す。三角柱三脚音叉振動子Zは、固定部Jを32,
33でスポット溶接された板バネ31で基台48に固定
されており、前述した各電極11,12,13,14,
15,16,17,18,19,20,21,22,2
3と回路基板34に形成されたパッド35,36,3
7,38,39,40,41,42,43,44,4
5,46,47とはボンディングワイヤにて接続されて
いる。三角柱三脚音叉振動子Zからの出力は、回路基板
34から回路基板49を介して基台48に絶縁固定され
たリードピン50,51に導出される。図4に示す3次
元角速度センサは、振動子Z、Z’、Z”を互いに直交
するように配置し、x、y、z3軸方向の角速度を検知
するようにしたものであり、詳細説明は省略する。
【0017】次に上記三角柱三脚音叉振動子Zの動作に
ついて説明する。図5(a)において、電極4a,5a
(4b、5bおよび4c、5c)は、三角柱A(B、
C)を矢印70の面内応力に励振するための励振電極で
あると共に、コリオリ力が発生し、三角柱A(B、C)
が矢印71の面垂直方向に撓んだときのコリオリ検出電
極を兼ねている。電極6a,6a’(6b,6b’、6
c,6c’)は、励振の共振周波数と振幅とをモニタリ
ングするためのモニタ電極(励振電極と兼ねる)であ
る。また、サンドイッチ電極7a、7b、7cは、コリ
オリ検出電極を兼ねる励振電極4a,5a(4b、5b
および4c、5c)より低電位に分極されている。
【0018】図5(b)に各電極の接続図を示す。コリ
オリ力を検出する励振電極4b,5bには、アンプ78
が接続され、その出力端子79から差動増幅にて電圧変
化分が出力される。各励振電極4a,5a、4b、5b
および4c、5cは、それぞれ抵抗を介してドライブ電
源80の一方の極側に接続され、モニタ電極6a,6
a’および6c,6c’は、ドライブ電極80の他方の
極側に接続されている。また、モニタ電極6b,6b’
は、別の電源端子81に接続され、サンドイッチ電極7
a、7b、7cは、グランド端子82、83に接続され
ている。励振電極4a,5aおよび、4c,5cに電圧
を印加することにより、コリオリ検出軸Bは励振軸A、
Cによって両側から音叉励振されると共に、自らも励振
電極4b、5bへの電圧印加によって励振する。従っ
て、コリオリ検出軸Bの振幅は励振軸A、Cよりも大き
く増幅されることになり、ある瞬間の励振方向は、音叉
励振のため励振軸A,C(74の向きに撓む)とは逆の
向きになり(75の向きに撓む)、また、音叉励振のた
め、次の瞬間の励振方向は74,75とはそれぞれ逆方
向になる。
【0019】各三角柱A,B,Cが矢印70の面内方向
に励振されるメカニズムを励振軸Aを例にとって図5お
よび図6を参照しながら説明する。励振軸Aの各電極4
a,5a,6a,6a’に電圧を交互に印加すると、極
性の電圧印加では励振軸Aの励振電極4a,5aの内部
電荷(+)が反転して(−)になり、モニタ電極(励振
電極を兼ねる)6a,6a’には内部電荷と同じ(+)
の電圧が印加されるため、72の部分が76方向に縮
み、73の部分が77の方向に伸びる。このため励振軸
Aは矢印74の方向に撓むことになり、励振軸Aとコリ
オリ検出軸Bとの音叉構成によってコリオリ検出軸Bも
矢印75の方向に撓ませられる。同様に、励振軸Cとコ
リオリ検出軸Bとのもう一対の音叉によって、コリオリ
検出軸Bは励振軸Cの音叉によっても矢印75の方向に
撓ませられるため、振幅は増幅される。このように、矢
印70の面内方向に常時励振している三角柱A,B,C
に、図7に示す検出軸85に角速度86が加わると、各
三角柱A,B,Cには、矢印71の面垂直方向にコリオ
リ力が発生し、三角柱A,B,Cは、図7のように面垂
直方向に撓みを生じながら振動することになる。
【0020】コリオリ力による三角柱A,B,Cの面垂
直撓みの方向は励振の方向によって決まるため、三角柱
AとCと同方向(87の方向)に撓み、三角柱Bは逆方
向(88の方向)に撓むことになる。三角柱Bが図7の
88の方向に撓むと、図5、図6において、コリオリ検
出電極(励振電極を兼ねる)4bは伸び、5bは縮むこ
とになるため、サンドイッチ電極7bとコリオリ検出電
極4b間およびサンドイッチ電極7bとコリオリ検出電
極5b間の電位が変化するため、アンプ78を介して端
子79とで差動増幅にて電圧変化分を出力することがで
きる。この時コリオリ検出電極4b、5bは、コリオリ
力発生方向に対して直角に近いかたちで配置されるた
め、検出感度が高くなる。さらに、三角柱AまたはCと
三角柱Bとの逆方向の面垂直撓みを利用して、三角柱A
または三角柱Bとの差動出力も取り出すことが可能であ
り、出力感度の更なる向上が期待できる(図示せず)。
【0021】以上のように、本実施の形態によれば、振
動子Zが三脚音叉構造であるため、コリオリ力が発生し
たときの三角柱三脚音叉振動子Zにかかる回転モーメン
トMは、図8に示すように、+M、−Mの逆等モーメン
トとなり、三角柱基台部Dではキャンセルされた形にな
り、固定部Jではモーメントの発生はほとんどゼロにな
る。従って、この三角柱三脚音叉振動子Zを固定部Jで
固定した場合は、固定の度合いによってコリオリ力検出
精度が影響を受けることがなくなり、検出精度が極めて
高いものとなる。また、この三角柱三脚音叉振動子Z
は、圧電材からの切り出し構造としているため、接着剤
による貼り合わせ部がなく、接着バラツキおよび接着剤
の温度特性の影響がないこと、および寸法バラツキが加
工精度で決定されるため、組立精度のバラツキが重畳さ
れず、角速度検出精度のバラツキを最小限に抑えること
ができる。さらに、正三角柱構成としているため、励振
方向とコリオリ検出方向の共振周波数と一致させやす
く、感度の極めて高い共振型角速度センサを実現でき
る。また、信号線の引き回しが振動の影響の少ない三角
柱基台で行うため、線材の振れが角速度検出精度に影響
を与えることはない。なお、本実施の形態では、3本の
三角柱A,B,Cを正三角柱としたが、必ずしも正三角
柱である必要はなく、三角柱であればどのような形状で
あってもよい。
【0022】次に本発明の三角柱三脚音叉振動子の製造
方法について説明する。まず、図9(a)(b)は2枚
の圧電シート201,202を積層したバイモルフ圧電
シートYを示し、図9(b)は図9(a)を矢印203
の方向から見たスルーホール204および205を含む
拡大断面図を示す。バイモルフ圧電シートYには、電極
206,207とサンドイッチ電極208が形成されて
おり、矢印209,210方向に分極されている。スル
ーホール204は、電極206と207に通じるように
開けられており、サンドイッチ電極208とは接続され
ていない。また、スルーホール205はサンドイッチ電
極208に通じており、電極206および207とに通
じている。スルーホール204,205はそれぞれバイ
モルフ圧電シートYに多数個形成されている。
【0023】このような構成からなるバイモルフ圧電シ
ートYから、図10のようにスリッタなどによってブリ
ッジ219,231,232,233によって接続され
た正三角柱A,B,Cを多数個一括して切り出し、図1
1のような三角柱群シートXを製作する。この時バイモ
ルフ圧電シートYは、平面的に固定して砥石加工される
ため、三角柱の根元には砥石加工によって厚肉部23
4,235,236,237,238,239が形成さ
れるため、各三角柱A、B、Cの根元部は正三角形より
太くなり強度の向上が図られている。このようにして製
作された三角柱群シートXに、図11のように、全面メ
ッキを施す。このメッキ被膜によってスルーホール20
4を介して、電極206,207とが接続され、スルー
ホール205を介してサンドイッチ電極208と電極2
06および207とが接続されることになる。
【0024】その後、図12に示すように、三角柱A,
B,Cを繋ぐブリッジ219,231,232,233
を切り離し、三角柱A,B,Cの各頂点213,21
5,213’、215’および213”、215”を面
取りする。ブリッジ219,231,232,233の
切り離し部240,214,214’、241,242
部にはメッキが施されていないので、サンドイッチ電極
228は他の電極と電気的に絶縁されていることにな
る。さらに、スリッタまたはレーザとなどによる溝部2
16,217,218,220,221,222,22
3,224,225,226および227を形成してメ
ッキを部分的に剥ぐことによって個々の電極に分割す
る。その後、図13の三角柱Cの断面に示すように、モ
ニタ電極(励振電極を兼ねる)243および244とサ
ンドイッチ電極228との間で矢印245,246の方
向に分極される。励振電極(検出電極と共用)247,
248とサンドイッチ電極228との間の分極は、図9
のバイモルフ圧電シートYの状態で破線矢印249,2
50の方向に分極済みとなっている。このようにして製
作された三角柱群シートXを、最後に図14のように、
251,252の箇所で個片カットすることにより、三
角柱三脚音叉振動子Zが製作されることになる。
【0025】
【発明の効果】本発明は、以下に示すような効果を有す
る。 1)三脚音叉構造としているため、コリオリ力発生時の
回転モーメントがキャンセルでき、振動ロスを最小限に
できると共に、固定部の検出精度に対する影響をなくす
ことができるため、角速度検出が高精度で実現できる。 2)三脚音叉構造としているため、コリオリ検出軸を両
側から励振することができ、振幅を増幅して小型で高感
度の角速度センサを実現できる。 3)三角柱構造としているため、コリオリ力発生方向に
対して検出電極を直角に近い形で配置でき、検出感度を
高くできる。 4)三角柱構造としているため、励振電極と検出電極と
を共用でき、構造がシンプルにできると共に、励振方向
とコリオリ検出方向の共振周波数を一致させやすいた
め、極めて感度の高い小型の角速度センサを実現でき
る。 5)三角柱で三脚音叉構造としているため、コリオリ検
出軸自体が励振と出力(差動)検出を同時に行うことが
できると共に、他軸との音叉構成による出力増幅も可能
となり、極めて高感度のセンサを実現できる。 6)三角柱の根本部に厚肉部を形成しているため、三角
柱の強度が増し、加工時のクラックを防止できる。 7)切り出し加工された三角柱群シートをメッキ前にブ
リッジ接続しているため、ブリッジカット後はサンドイ
ッチ電極が他の電極と電気的に絶縁されることになり、
レーザ等によるサンドイッチ電極の分割加工が不要とな
る。 8)振動子を圧電材切り出しによって形成しているた
め、接着部がなく、検出精度を高めることができる。 9)信号線の接続を振動子ではなく、固定部で実施して
いるため、検出精度に影響を及ぼさず、検出精度を安定
化できる。 10)信号線の取り出しをハンダ付けではなく、ワイヤ
ボンディングで実施しているため、超小型化に対応でき
ると共に、検出精度への影響もなくすことができる。 11)三角柱の各面に配置された各電極を振動の影響の
少ない三角柱基台部の片面だけに導出することにより、
信号線の接続作業を容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の実施の形態における角速度セン
サ振動子の表面側の斜視図 (b)本発明の実施の形態における角速度センサ振動子
の裏面側の斜視図
【図2】(a)同振動子の平面図 (b)同振動子の正面図
【図3】同振動子を組み込んだ一次元角速度センサ構造
を示す斜視図
【図4】同振動子を組み込んだ三次元角速度センサ構造
を示す斜視図
【図5】(a)同振動子の電極配置構成を示す平面図 (b)同振動子の電極接続を示す平面図
【図6】同振動子の励振時の動作を示す正面図
【図7】同振動子のコリオリ発生時の撓み方向を示す斜
視図
【図8】(a)同振動子のコリオリ力印加時の発生モー
メントを示す平面図 (b)同振動子のコリオリ力印加時の発生モーメントを
示す正面図
【図9】(a)同振動子を切り出すバイモルフ圧電シー
トを示す斜視図 (b)同バイモルフ圧電シートの部分拡大断面図
【図10】同振動子の切り出し加工を示す斜視図
【図11】同振動子の切り出し後の三角柱群シートのメ
ッキ加工を示す斜視図
【図12】同振動子の電極分割加工を示す斜視図
【図13】同振動子のモニタ電極の分極状態を示す平面
【図14】同振動子の個片分割加工を示す斜視図
【図15】(a)従来の角速度センサ(通常励振時)を
示す斜視図 (b)従来の角速度センサ(コリオリ発生時)を示す斜
視図
【図16】(a)非共振角速度センサの共振点を示す特
性図 (b)共振角速度センサの共振点を示す特性図
【符号の説明】
2、3 板状圧電素子 4、5 励振電極(コリオリ検出電極共用)6 モ
ニタ電極(励振電極兼用) 7 サンドイッチ電極 54〜59 厚肉部 A,B,C 三角柱 D 三角柱基台 J 固定部
フロントページの続き (72)発明者 福田 徹 神奈川県横浜市港北区綱島東四丁目3番1 号 松下通信工業株式会社内 (72)発明者 森川 貴志 神奈川県横浜市港北区綱島東四丁目3番1 号 松下通信工業株式会社内 Fターム(参考) 2F105 AA01 BB02 BB15 CC01 CC05 CD02 CD06 CD13 CD20 4M112 AA02 BA08 CA23 CA26 CA33 DA05 DA18 EA20 GA01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 頂点を面取りしたバイモルフ構造とした
    圧電素子からなる3本の三角形の柱をそれぞれ2対の音
    叉を構成する方向に配置すると共に、三角形の柱の隣接
    する2つの面にそれぞれコリオリ検出電極を共用する励
    振電極を配置し、他の1つの面に励振電極を兼用する2
    つのモニタ電極を配置し、バイモルフ中間面にサンドイ
    ッチ電極を配置し、3本の三角柱のそれぞれの根本部分
    に厚肉部を形成したことを特徴とする角速度検出用の三
    角柱三脚音叉振動子。
  2. 【請求項2】 バイモルフ圧電シート状態で励振電極と
    サンドイッチ電極との分極を実施しておき、その後に三
    角柱を切り出し加工し、メッキ加工、電極分割加工後に
    モニタ電極とサンドイッチ電極間の分極を実施するよう
    にした請求項1記載の三角柱三脚音叉振動子。
  3. 【請求項3】 三角柱切り出し加工後、三角柱を分離せ
    ずに予めブリッジ接続しておき、メッキ後にブリッジカ
    ットすることにより、サンドイッチ電極を他の電極と電
    気的に絶縁するようにした請求項2記載の三角柱三脚音
    叉振動子。
  4. 【請求項4】 三角柱切り出し加工時にワークを平面的
    に固定して砥石加工することにより、三角柱の根本部分
    に厚肉部を形成するようにした請求項2または3記載の
    三角柱三脚音叉振動子。
  5. 【請求項5】 三角形の各面に配置された各電極を三角
    柱基台の一方の片面に導出したことを特徴とする請求項
    1から4のいずれかに記載の三角柱三脚音叉振動子。
  6. 【請求項6】 3本の三角柱が正三角柱である請求項1
    から5のいずれかに記載の三角柱三脚音叉振動子。
  7. 【請求項7】 各励振電極をドライブ電源の一方の極側
    に接続し、並んだ三角柱のうち、両端の2本の三角柱の
    モニタ電極をドライブ電源のもう一方の極側に接続し、
    真中の三角柱のモニタ電極を別の電源端子に接続し、サ
    ンドイッチ電極を各励振電極よりも低電位に分極したこ
    とを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の三角
    柱三脚音叉振動子。
  8. 【請求項8】 請求項1から7のいずれかに記載の三角
    柱三脚音叉振動子の固定部を板バネで基台に固定すると
    共に、基台に絶縁配置されたリードピンと三角柱三脚音
    叉振動子の各電極とをワイヤボンディング工法によって
    接続し、検出および励振回路を含むプリント基板と共に
    気密封止したことを特徴とする角速度センサ。
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