JP3205940B2 - 半導体素子材チップの製造方法、及びそれを適用することにより得られる半導体素子材チップを用いた熱電気変換モジュール、並びにその熱電気変換モジュールの製造方法 - Google Patents

半導体素子材チップの製造方法、及びそれを適用することにより得られる半導体素子材チップを用いた熱電気変換モジュール、並びにその熱電気変換モジュールの製造方法

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JP3205940B2 JP18531891A JP18531891A JP3205940B2 JP 3205940 B2 JP3205940 B2 JP 3205940B2 JP 18531891 A JP18531891 A JP 18531891A JP 18531891 A JP18531891 A JP 18531891A JP 3205940 B2 JP3205940 B2 JP 3205940B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主としてゼーペック効
果及びペルチェ効果を利用して熱エネルギーを電気エネ
ルギーに変換すると共に、電気エネルギーを熱エネルギ
ーに変換する半導体素子材チップの製造方法、及びそれ
を適用することにより得られる半導体素子材チップを用
いて成ると共に、熱エネルギー及び電気エネルギー間に
おけるエネルギー変換を行う発電機,温度調節器,冷却
装置等に適用される熱電気変換モジュール、並びにその
熱電気変換モジュールの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のゼーペック効果及びペル
チェ効果を利用した半導体素子材チップに用いられる半
導体化合物としては、Bi2 Te3 系のものが最も優れ
た熱電特性を示すものとして良く知られている。又、こ
うした半導体化合物の場合、その単結晶材のC面内に結
晶軸を持つ方位の熱電特性が特に優れていることも知ら
れている。
【0003】しかしながら、半導体化合物の単結晶材
は、結晶構造上においてC面間の結合力が弱くてC面で
剥離が生じ易いという欠陥を持っており、このために熱
歪み等によって破壊されることが多く、これが熱電特性
の劣化を引き起こす原因となっている。
【0004】しかも、半導体化合物の単結晶材は、その
製造価格も溶製材や粉末プレス燒結材のそれよりも高
く、それ故、実用材として発電機や冷却装置に使用する
ことは非常に難しいと考えられており、現時点では多結
晶材、特に燒結材が最も優れた材料として使用されてい
る。
【0005】ところで、従来では適当に切り出された小
さなP型及びN型の半導体素子材チップを多数用意し、
これらを電気的に直列に配列し、且つ熱的に並列に配列
して接合したものが熱電気変換モジュールとして汎用的
に用いられている。このような熱電気変換モジュールを
製造する際、P型及びN型の半導体素子材チップを交互
に規則正しく配列して固定する必要があり、又製造中に
は高熱側電極固定基板近傍で空気の対流及び輻射により
多量の熱が発生する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した熱電気変換モ
ジュールの製造に使用される半導体素子材チップの場
合、鋳塊又は燒結塊を細かくチップ状に切断したもの、
即ち、例えば燒結材チップの場合には溶解,凝固,粉
砕,プレス,燒結,熱処理,及び切断等の各工程を経て
製造されたものであるため、製造工程が複雑でこれが製
造コストの低減化を計る上で障害となっている。
【0007】又、熱電気変換モジュールの場合、構造
上、高熱源側と低熱源側との温度差を持たせる必要があ
るため、半導体素子材チップの両端に大きな熱歪みがか
かり、素子破壊の原因となる熱電特性の劣化が生じると
いう問題がある。
【0008】即ち、図12に示すように従来の熱電気変
換モジュールは、P型及びN型の半導体(素子材)チッ
プによる半導体素子対(熱電対)を半田接続して挟む構
成部分の高熱源側素子接合金属と低熱源側素子接合金属
との先端間の距離が短くて熱供給方向に関して平板的な
構造であり、半導体素子対の両端での大きな温度差を取
るには本体の数十倍の大きさの放熱板を低熱源側に取り
付ける(その取り付け部分の周囲にはグリースが塗られ
ている)必要があるため、全体の構造が大型化すること
を免れない状況にある。又、その製造工程では、P型及
びN型の半導体チップを交互に規則正しく配列固定する
必要があるため、組み立ての作業性が複雑で自動組み立
て化が困難であるという問題がある。
【0009】本発明は、このような問題点を解決すべく
なされたもので、その第1の技術的課題は、単結晶材に
類似した一方向に凝固したチップ材であって、チップ切
断工程等の幾つかの工程を省略でき、製造工程が合理化
されて低価格で製造可能な半導体素子材チップの製造方
法を提供することにある。
【0010】又、本発明の第2の技術的課題は、一方向
に凝固した半導体素子材チップの欠点である機械的強度
(熱歪みによる素子破壊や半田接合部での剥離等)の弱
さを改良した上でそれを適用することにより得られる熱
電気変換モジュールを提供することにある。
【0011】更に、本発明の第3の技術的課題は、熱電
気変換モジュールの熱電特性を向上させると共に、組み
立ての作業性を改良し、自動組み立てを可能とする熱電
気変換モジュールの製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、複数の
孔を有する耐熱性絶縁体を用いて該耐熱性絶縁体のそれ
ぞれ異なる該孔の中にN型又はP型の半導体化合物組成
を持った溶湯を加圧又は減圧法によって注入して凝固さ
せてから熱処理して半導体素子材チップを得る半導体素
子材チップの製造方法が得られる。この半導体素子材チ
ップの製造方法において、溶湯を一方向に定めて凝固さ
せることは好ましい。
【0013】一方、本発明によれば、上記何れかの半導
体素子材チップの製造方法を適用することにより得られ
る半導体素子材チップを用いた熱電気変換モジュールで
あって、耐熱性絶縁体の複数の孔は規則的に配列されて
おり、孔の中には半導体素子材チップとしてN,P,
N,P,…の順に半導体化合物が配設されることで該
N,Pの半導体化合物により形成される熱電対を電気的
に直列に配列し、且つ熱的に並列に配列して成る熱電気
変換モジュールが得られる。
【0014】又、本発明によれば、上記熱電気変換モジ
ュールにおいて、半導体化合物としてのP型及びN型の
半導体素子材チップが格子状に設けられた複数の基準孔
内に互いに隣り合うように埋設されて成る耐熱性絶縁体
としての半導体素子固定部を間に挟んで高熱源側電極固
定部と低熱源側電極固定部とを配置して構成され、該P
型及びN型の半導体素子材チップとして対を成すものが
熱電対として電気的に直列に結合するように重ね合わさ
れて成る第1の熱電気変換モジュールが得られる。
【0015】更に、本発明によれば、上記熱電気変換モ
ジュールにおいて、互いに重ね合わされた状態で格子状
の基準孔を成すように異なるパターンで所定の行列状に
設けられた複数の孔を有する耐熱性絶縁体としての2枚
の耐熱性絶縁薄板のうちの一方の板厚側面に金属製薄板
又は細棒を接合してから該2枚の耐熱性絶縁薄板のそれ
ぞれの片面に半導体化合物としてのP型及びN型の半導
体素子厚膜を積層した上で該P型及びN型の半導体素子
厚膜を上下逆に重ね合わせて構成され、該重ね合わされ
た該P型及びN型の半導体素子厚膜の先端を該金属製薄
板又は該細棒の導電体で結合して形成した半導体素子に
よる対を成すものが熱電対として電気的に直列に重ね合
わされて成る第2の熱電気変換モジュールが得られる。
【0016】他方、本発明によれば、上記第1の熱電気
変換モジュールを得るための製造方法であって、互いに
重ね合わされた状態で格子状の基準孔を成すように異な
るパターンで所定の行列状に設けられた第1の小孔を有
する2つの半導体素子固定治具における該第1の小孔に
それぞれP型とN型との半導体素子材チップを別々に配
布挿入する第1の段階と、基準孔を示す第2の小孔を有
する半導体素子固定基板に2つの半導体素子固定治具を
順次重ね合わせ、該2つの半導体素子固定治具のそれぞ
れの第1の小孔から該第2の小孔にP型とN型との半導
体素子材チップを圧入して半導体素子固定部を形成する
第2の段階と、別途用意された電極絶縁基板にレジスト
印刷法により電極を固定して高熱源側電極固定部と低熱
源側電極固定部とを形成する第3の段階と、半導体素子
固定部を真ん中にして高熱源側電極固定部と低熱源側電
極固定部とを配置することでP型及びN型の半導体素子
材チップの対のものを熱電対として電気的に直列に結合
するように重ね合わせ、該熱電対が熱的に並列に配列さ
れた構成の熱電気変換モジュールを形成する第4の段階
とを有する熱電気変換モジュールの製造方法が得られ
る。
【0017】この第1の熱電気変換モジュールの製造方
法において、第2の段階では、P型とN型との半導体素
子材チップの圧入後に該P型とN型との半導体素子材チ
ップに金属メッキ処理を施すこと、第2の段階で用いる
半導体素子固定基板は、レジスト印刷法により形成され
たものであること、第1の段階で用いるP型とN型との
半導体素子材チップは、半導体化合物原料を加熱溶解し
た溶湯を第1の小孔と同じ仕様の第3の小孔を有する鋳
造鋳型の該第3の小孔に注入し、該鋳造鋳型と該溶湯と
に凝固方向に温度勾配を持たせて次第に凝固させて形成
されたものであることは好ましく、更に、後者では半導
体化合物原料として、Tetraadymite型Rh
ombohedoral結晶構造を有するV族及びVI
族の元素を含むBi2 Te3 系のものを用いたことは好
ましい。
【0018】又、本発明によれば、上記第2の熱電気変
換モジュールを得るための製造方法であって、互いに重
ね合わされた状態で格子状の基準孔を成すように異なる
パターンで所定の行列状に設けられた複数の孔を有する
2枚の耐熱性絶縁薄板のうちの一方の板厚側面に金属製
薄板又は細棒を接合する第1の段階と、2枚の耐熱性絶
縁薄板のそれぞれの片面にP型及びN型の半導体素子厚
膜を積層させる第2の段階と、積層されたP型及びN型
の半導体素子厚膜を上下逆に重ね合わせた上で該重ね合
わされた該P型及びN型の半導体素子厚膜の先端を金属
製薄板又は細棒の導電体で結合して形成される半導体素
子による対のものを熱電対として電気的に直列に重ね合
わせ、該熱電対が熱的に並列に配列された構成の熱電気
変換モジュールを形成する第3の段階とを有する熱電気
変換モジュールの製造方法が得られる。
【0019】
【実施例】以下に実施例を挙げ、本発明の半導体素子材
チップの製造方法、及びそれを適用することにより得ら
れる半導体素子材チップを用いた熱電気変換モジュー
ル、並びにその熱電気変換モジュールの製造方法につい
て、図面を参照して詳細に説明する。
【0020】最初に、本発明の半導体素子材チップの製
造方法の技術的概要を簡単に説明する。この半導体素子
材チップの製造方法は、複数の孔を有する耐熱性絶縁体
を用いて耐熱性絶縁体のそれぞれ異なる孔の中にN型又
はP型の半導体化合物組成を持った溶湯を加圧又は減圧
法によって注入して一方向に定めて凝固させてから熱処
理して半導体素子材チップを得るものである。
【0021】この半導体素子材チップの製造方法に従え
ば、従来のような複雑な工程を経ることなく、優れた熱
電特性を持った一方向に凝固した半導体素子材チップを
得ることができるので、製造工程が合理化されて半導体
素子材チップが低価格で製造可能となる。
【0022】次に、本発明の熱電気変換モジュールの技
術的概要を簡単に説明する。この熱電気変換モジュール
は、上述した半導体素子材チップの製造方法を適用して
得られる半導体素子材チップを用いたもので、耐熱性絶
縁体の複数の孔が規則的に配列されていることを前提と
する条件下で、孔の中に半導体素子材チップとしてN,
P,N,P,…の順に半導体化合物を配設することで
N,Pの半導体化合物により形成される熱電対を電気的
に直列に配列し、且つ熱的に並列に配列して成るもので
ある。
【0023】このような耐熱性絶縁体の複数の孔にN,
P,N,P,…の順に半導体化合物を配設する等により
作製した熱電気変換モジュールの場合、各孔の中に形成
される半導体化合物がこれらの孔壁によってそれぞれ保
護された状態となるため、機械的強度が補強され、熱歪
みによる素子破壊や半田接合部での剥離等が生じ難いも
のとなる。
【0024】更に、このような熱電気変換モジュールと
して、第1のタイプの熱電気変換モジュールの場合、半
導体化合物としてのP型及びN型の半導体素子材チップ
が格子状に設けられた複数の基準孔内に互いに隣り合う
ように埋設されて成る耐熱性絶縁体としての半導体素子
固定部を間に挟んで高熱源側電極固定部と低熱源側電極
固定部とを配置して構成され、これらのP型及びN型の
半導体素子材チップとして対を成すものが熱電対として
電気的に直列に結合するように重ね合わされて成る。こ
のような熱電気変換モジュールの場合、高熱源側電極固
定部と低熱源側電極固定部との間に挟まれた半導体素子
固定部が設けられているため、高熱源側電極固定部から
低熱源側電極固定部への対流及び輻射による熱伝導が阻
止され、この結果として製品の熱電特性の向上が計られ
る。
【0025】加えて、このような熱電気変換モジュール
として、第2のタイプの熱電気変換モジュールの場合、
互いに重ね合わされた状態で格子状の基準孔を成すよう
に異なるパターンで所定の行列状に設けられた複数の孔
を有する耐熱性絶縁体としての2枚の耐熱性絶縁薄板の
うちの一方の板厚側面に金属製薄板又は細棒を接合して
から2枚の耐熱性絶縁薄板のそれぞれの片面に半導体化
合物としてのP型及びN型の半導体素子厚膜を積層した
上でP型及びN型の半導体素子厚膜を上下逆に重ね合わ
せて構成され、これらの重ね合わされたP型及びN型の
半導体素子厚膜の先端を金属製薄板又は細棒の導電体で
結合して形成した半導体素子による対を成すものが熱電
対として電気的に直列に重ね合わされて成る。
【0026】そこで、第1のタイプの熱電気変換モジュ
ールを製造する場合、互いに重ね合わされた状態で格子
状の基準孔を成すように異なるパターンで所定の行列状
に設けられた第1の小孔を有する2つの半導体素子固定
治具における第1の小孔にそれぞれP型とN型との半導
体素子材チップを別々に配布挿入する第1の段階と、基
準孔を示す第2の小孔を有する半導体素子固定基板に2
つの半導体素子固定治具を順次重ね合わせ、2つの半導
体素子固定治具のそれぞれの第1の小孔から第2の小孔
にP型とN型との半導体素子材チップを圧入して半導体
素子固定部を形成する第2の段階と、別途用意された電
極絶縁基板にレジスト印刷法により電極を固定して高熱
源側電極固定部と低熱源側電極固定部とを形成する第3
の段階と、半導体素子固定部を真ん中にして高熱源側電
極固定部と低熱源側電極固定部とを配置することでP型
及びN型の半導体素子材チップの対のものを熱電対とし
て電気的に直列に結合するように重ね合わせ、熱電対が
熱的に並列に配列された構成の熱電気変換モジュールを
形成する第4の段階とを実行すれば良い。
【0027】但し、この第1のタイプの熱電気変換モジ
ュールを製造する場合、第2の段階でP型とN型との半
導体素子材チップの圧入後にP型とN型との半導体素子
材チップに金属メッキ処理を施したり、第2の段階で用
いる半導体素子固定基板をレジスト印刷法により形成し
たり、或いは第1の段階で用いるP型とN型との半導体
素子材チップを半導体化合物原料を加熱溶解した溶湯を
第1の小孔と同じ仕様の第3の小孔を有する鋳造鋳型の
第3の小孔に注入し、鋳造鋳型と溶湯とに凝固方向に温
度勾配を持たせて次第に凝固させて形成することが好ま
しく、更に、後者では半導体化合物原料として、Tet
raadymite型Rhombohedoral結晶
構造を有するV族及びVI族の元素を含むBi2 Te3
系のものを用いることが好ましい。
【0028】又、第2のタイプの熱電気変換モジュール
を製造する場合、互いに重ね合わされた状態で格子状の
基準孔を成すように異なるパターンで所定の行列状に設
けられた複数の孔を有する2枚の耐熱性絶縁薄板のうち
の一方の板厚側面に金属製薄板又は細棒を接合する第1
の段階と、2枚の耐熱性絶縁薄板のそれぞれの片面にP
型及びN型の半導体素子厚膜を積層させる第2の段階
と、積層されたP型及びN型の半導体素子厚膜を上下逆
に重ね合わせた上で重ね合わされたP型及びN型の半導
体素子厚膜の先端を金属製薄板又は細棒の導電体で結合
して形成される半導体素子による対のものを熱電対とし
て電気的に直列に重ね合わせ、熱電対が熱的に並列に配
列された構成の熱電気変換モジュールを形成する第3の
段階とを実行すれば良い。
【0029】図1は、本発明の半導体素子材チップの製
造方法に係る製造工程を概略的に示したフローチャート
であり、図2(a)〜(e)はその製造工程の各段階で
用いる構成要素並びに装置部分を具体的に示した側面図
である。
【0030】先ず、図2(a)に示されるように、重し
皿1,ルツボ蓋2,石英製のルツボ3を製造装置(器
具)として用意すると共に、複数の孔4aが形成された
多孔性耐熱絶縁体4と、半導体化合物組成又はこの鋳塊
からなる原料5とを準備した後、図2(b)に示される
ように、ルツボ3内に原料5と多孔性耐熱絶縁体4とを
この順で装填し、多孔性耐熱絶縁体4上に重し皿1を被
せてからルツボ3に対してルツボ蓋2(溶解時における
原料5の蒸発及びゲッター材を兼ねた目的で用いられ
る)を被せ、この状態で図示されない真空炉中に設置し
て加熱することで溶解を行う。但し、溶解では、図2
(c)に示されるように、原料5が完全に加熱溶解され
て生じた溶湯が多孔性耐熱絶縁体4の孔4aの中に進入
(このときに多孔性耐熱絶縁体4への溶湯注入が行われ
る)し、進入が完全になされた状態で孔4aの深さ方向
に溶湯の温度勾配を持たせて時間をかけて次第に冷却す
る。この結果、孔4aの中ではその深さ方向に沿って半
導体化合物の結晶が成長し、単結晶状の一方向に凝固す
る原料5の凝固が行われる。
【0031】次に、図2(d)に示されるように、ルツ
ボ3から凝固した原料5、即ち、多孔性耐熱絶縁板4を
取り出し、この多孔性耐熱絶縁体4を図示されない真空
炉等の不活性ガス雰囲気中で組成均一化及び化合物生成
のための熱処理を行う。この熱処理による生成物を多孔
性耐熱絶縁体4の孔4aから取り出せば、図2(e)に
示されるように、極小の原料51による半導体素子材チ
ップが得られ、一方向凝固材チップの作製が完了する。
【0032】そして、このようにして作製された原料5
1をN型,P型の半導体素子材チップとして用意し、こ
れらを図3(a)に示されるようにN,P,N,P,…
の順で電気的に直列に配列することで複数の孔41aを
備えた多孔性耐熱性絶縁体41を得た後、図3(b)の
ように銅板等から成る金属チップ板6を介して原料51
のN型,P型半導体素子材チップにより形成される熱電
対から成る多孔性耐熱性絶縁体41を半田接合し、作製
された複数の熱電対が電気的に直列接続され、且つ熱的
に並列に結合された形態の熱電気変換モジュールを組み
立てる。更に、金属チップ板6からの漏電等による外的
障害を防止するため、必要に応じて金属チップ板6の両
側を耐熱性絶縁薄板7で挟み込んで固定する。
【0033】次に、このような半導体素子材チップを用
いた熱電気変換モジュールの製造方法を具体的に説明す
る。先ず、良く知られているBi2 Te3 化合物である
P型半導体化合物Bi0.5 Sb1.5 Te3 +0.05重
量%Pb、及びN型半導体化合物Bi2 Te2.7 Se
0.3 +0.20重量%Sを原料とし、これらをそれぞれ
1Kgずつ秤量してから石英管中に真空封入した後、高
周波炉中で溶解・凝固させて鋳塊を得た。
【0034】次に、得られたP型及びN型の半導体化合
物の鋳塊を上述した場合と同様に石英管から成るルツボ
中に多孔性耐熱絶縁体4と一緒に装填し、この鋳塊を溶
解すると共に、多孔性耐熱絶縁体4の孔4aの深さ方向
に温度勾配を持たせて次第に凝固させた。その後、凝固
点直下で真空中において48時間かけて熱処理を施す等
により半導体化合物素子材チップを作製した。ここで得
られた半導体化合物素子材チップの形状は多孔性耐熱絶
縁体4の孔4aの形状によって決定されるが、例えば1
mm×1mmの断面で高さ5mmものを例示できる。
又、この半導体化合物素子材チップをX線解析したとこ
ろ、長手方向に結晶C面が略平行に成長している柱状晶
であることが確認された。表1はこの半導体化合物素子
材チップの特性をP型半導体素子とN型半導体素子とに
分けて示したものである。
【0035】
【表1】
【0036】これらP型及びN型の半導体化合物素子材
チップを多孔性耐熱絶縁体4の孔4aの中に交互に配列
させると共に、P型及びN型の半導体化合物素子材チッ
プ同士を上述したように金属チップ板6を介して半田接
合することで、複数個で形成される各熱電対を電気的に
直列に配列した上で熱的に並列に結合し、更に両面を耐
熱性絶縁薄板7で挟み込み、シリコンゴム等で固定して
図3(b)で説明した熱電気変換モジュールを作製し
た。
【0037】ところで、こうした熱電気変換モジュール
の製造に際して高熱源側と低熱源側との温度差を大きく
するためには、第1の方法として高熱源側と低熱源側と
の間の対流及び輻射による熱伝導を遮断する場合と、第
2の方法として高熱源側と低熱源側との間の距離を大き
くする場合とが挙げられる。
【0038】第1の方法では、技術的概要で説明した第
1のタイプの熱電気変換モジュールを製造する場合の工
程段階を実施すれば良く、第1の段階及び第2の段階が
半導体素子固定部を準備する初期過程となり、第3の段
階が電極固定部を準備する中期過程となり、第4の段階
が半導体素子固定部と電極固定部とを組み立てる後期過
程となる。
【0039】図4は、ここでの製造工程の初期過程で用
いる器具を示した平面図で、同図(A)はP型半導体素
子チップ固定治具11に関するもの,同図(B)はN型
半導体素子チップ固定治具12に関するもの,同図
(C)は半導体素子固定基板13に関するものである。
又、図5は、第1の方法による製造工程の初期過程を概
略的に示したフローチャートである。
【0040】ここでは、製造に先立って半導体素子固定
部を準備するが、これには図4(A)に示されるような
所定の位置に小孔を有するP型半導体素子チップ固定治
具11と、図4(B)に示されるような所定の位置に小
孔を有するN型半導体素子チップ固定治具12とを用い
る。但し、ここでの所定の位置は、P型半導体素子チッ
プ固定治具11,N型半導体素子チップ固定治具12を
重ね合わせた場合にP型半導体素子チップ固定治具11
の小孔とN型半導体素子チップ固定治具12の小孔と
(何れも第1の小孔とみなして良い)が交互になってお
り、互いに重ね合わされた状態で格子状の基準孔となる
状態を示している。
【0041】そこで、初期過程では、先ずP型及びN型
の半導体化合物原料を溶解させた後、これを一方向に凝
固させてインゴットを得る。これにより、P型半導体化
合物原料溶解、一方向性凝固が行われる。次に、このイ
ンゴットを切断して所定寸法の半導体素子材チップを切
り出してそれぞれP型半導体素子チップ固定治具11の
小孔とN型半導体素子チップ固定治具12の小孔とに配
布挿入する。これにより、素子挿入素子固定治具が行わ
れる。
【0042】更に、図4(C)に示されるように、P型
半導体素子チップ固定治具11の小孔とN型半導体素子
チップ固定治具12の小孔とに合わせた寸法及び位置の
小孔(基準孔であり、第2の小孔とみなして良い)が行
列状に形成された半導体素子固定基板13(例えば40
mm×40mm×1mmの寸法のものに1mm×1mm
の寸法の小孔を12×12の行列状に総計144個形成
したもの)を用い(素子固定基板の準備を示す)、この
半導体素子固定基板13にP型半導体素子チップ固定治
具11,N型半導体素子チップ固定治具12を重ね合わ
せ、これらのP型半導体素子チップ固定治具11,N型
半導体素子チップ固定治具12の小孔から半導体素子固
定基板13の小孔にP型半導体チップ及びN型半導体チ
ップをそれぞれ圧入(P型素子プレス圧入,N型素子プ
レス圧入を示す)してから、使用条件による必要に応じ
て各半導体素子チップの表面に金等の適宜な金属でメッ
キ処理を施すことで半導体素子固定部の準備を完了す
る。
【0043】因みに、ここで半導体素子固定基板13に
形成された小孔の間隔は1mm以下であって、従来の機
械的加工技術ではその加工が困難である。この問題を解
決するために、ここではCモジュールの製造に用いられ
るレジスト印刷法により半導体素子固定基板13を準備
する。
【0044】図6は、半導体素子固定基板13を製造す
る工程を概略的に示したフローチャートである。ここで
は、絶縁基板上に適当な接着剤を塗布し、銅板等の金属
薄板を接合してから半導体素子チップを圧入すべき小孔
に該当する部分を除いて全領域にレジスト印刷を施して
乾燥させた後、レジストインクの塗布されていない小孔
の該当部分を化学腐食により抉り出し、更にアセトン等
の有機溶剤を用いて多数の小孔の開けられた金属薄板を
絶縁基板から洗浄して剥離し、最後に金属薄板の表面に
絶縁処理を施して素子固定基板を得ることを示してい
る。
【0045】図7は、ここでの製造工程の中期過程で用
いる器具を示した平面図で、同図(A)は高熱源側電極
固定部14に関するもの,同図(B)は低熱源側電極固
定部15に関するものである。又、図8は、第1の方法
による製造工程の中期過程を概略的に示したフローチャ
ートである。
【0046】中期過程では、電極固定部を準備するが、
これには図7(A)に示されるような高熱源側電極固定
部14と、図7(B)に示されるような低熱源側電極固
定部15とを用いる。これらの高熱源側電極固定部1
4,低熱源側電極固定部15を得るために図8に示すよ
うなレジスト印刷を利用した工程を実施する。
【0047】即ち、図8では、高熱源側電極絶縁基板,
低熱源側電極絶縁基板を示す電極絶縁基板上に適当な接
着剤を塗布し、銅板等の金属薄板を接合してから電極を
固定すべき小孔に該当する部分を除く電極位置全領域に
レジスト印刷を施して乾燥させた後、レジストインクの
塗布されていない小孔の該当部分を化学腐食により抉り
出し、更にアセトン等の有機溶剤を用いて多数の小孔の
開けられた金属薄板を固定基板から洗浄して剥離し、最
後に複合接合技術により電極板を接合固定して電極固定
部とすることで高熱源側電極固定部,低熱源側電極固定
部の準備を完了する。例えば40mm×40mm×0.
8mmの寸法のアルミナ製電極絶縁基板に寸法2mm×
5mm×0.5mmの同じ電極を72個接合する場合を
例示できる。
【0048】図9は、第1の方法による製造工程の後期
過程を概略的に示したフローチャートである。図9は、
後期過程として半導体素子固定部と電極固定部(高熱源
側電極固定部,低熱源側電極固定部)とを組み立てる
が、この組み立てに際しては、半導体素子固定部を真ん
中にして高熱源側電極固定部と低熱源側電極固定部とを
配置することでP型及びN型の半導体素子チップの対の
ものを熱電対として電気的に直列に結合するように重ね
合わせる。この状態で加圧・加熱しながら一度に半田接
合し、各熱電対が熱的に並列に配列された構成の熱電気
変換装置(モジュール)の組み立て完了とする。
【0049】ところで、初期過程で用いるP型とN型と
の半導体素子チップを準備するに際、得られた製品にお
いて高熱源側と低熱源側との間の温度勾配が大きくなる
ようにすることが望ましい。これにはP型とN型との半
導体素子チップの鋳造時における温度勾配を調整する。
具体的に言えば、半導体化合物原料を加熱溶解し、半導
体素子固定治具の小孔と同じ仕様の小孔(第3の小孔と
みなして良い)を有する鋳造鋳型の小孔に溶湯を注入
し、鋳造鋳型と溶湯とに凝固方向に温度勾配を持たせて
次第に凝固させる。これにより凝固体の結晶がほぼ一方
向に揃って成長する。尚、半導体化合物原料としては、
Tetraadymite型Rhombohedora
l結晶構造を有するV族及びVI族の元素を含むBi2
Te3 系のものを用いるのが好ましい。表2は、このよ
うにして得られた80%Bi2 Te3 +20%Sb2
3 (一方向性凝固P型半導体素子材)の熱電特性を従
来の製造方法(製法)に成る等方性粉末の焼結体のもの
と比較して示したものである。
【0050】
【表2】
【0051】図10は、図3で説明した熱電気変換モジ
ュールの製造に際して高熱源側と低熱源側との温度差を
大きくする場合の第2の方法による製造工程を概略的に
示したフローチャートである。第2の方法では、技術的
概要で説明した第2のタイプの熱電気変換モジュールを
製造する場合の工程段階を実施すれば良く、高熱源側と
低熱源側との間の距離を大きくするものである。
【0052】この第2の方法においては、互いに重ね合
わされた状態で格子状の基準孔を成すように異なるパタ
ーンで所定の行列状に設けられた複数の孔を有する耐熱
性絶縁体としての2枚の耐熱性絶縁薄板の一板厚側面に
金属製薄板又は細棒を接合し、これらの耐熱性絶縁薄板
のそれぞれの片面にN型及びP型の半導体素子厚膜を積
層させ、これらを上下逆にして重ね合わせ、その先端を
金属製薄板又は細棒の導電体で結合して形成した半導体
素子による対を熱電対とし、この熱電対を電気的に直列
に重ね合わせて熱電気変換厚膜モジュールを得るもので
ある。
【0053】具体的に言えば、半導体素子原料ペースト
を準備する場合、図11に示されるように規定量の原料
を秤量して真空溶解育成したインゴットを熱処理した
後、ボールミルで粉砕して原料粉末を準備し、更に原料
粉末に溶剤を混入してペースト状にすることで原料ペー
ストを得る。この際、必要に応じて燒結促進剤を添加す
ることもある。例えばP型半導体素子厚膜は(Be0.5
Sb1.5 +Te3 +1.75W%tSe)の組成とし、
N型半導体素子厚膜は(Bi1.8 Sb0.2 Te2.85+S
bI3 )の組成とする。インゴットの熱処理は、アルゴ
ンガス雰囲気中でP型半導体素子厚膜については548
〜408℃の温度条件下で48時間、N型半導体素子厚
膜については488〜473℃の温度条件下で48時間
それぞれ行う。粉砕は1〜2μ程度の粒度になるまで行
う。
【0054】このようにして準備された半導体素子原料
ペーストを用いて熱電気変換厚膜モジュールを製造する
場合、耐熱性絶縁薄板の一側面に銀ろうペーストを塗布
し、これに金属薄板を加圧接触させた状態で真空中で8
50℃で約1時間加熱して金属薄板を耐熱性絶縁薄板の
側面に接合する(上述した複合接合技術を示す)。この
接合後、全体の表面にNiメッキ処理を施す。こうして
処理された耐熱性絶縁薄板の表面に溶媒により薄く溶か
れた水ガラスを塗布して表面上に数μm程度の薄い水ガ
ラス膜を形成してから乾燥させる。
【0055】更に、このように処理された耐熱性絶縁薄
板上に先に用意された原料ペーストをスクリーン印刷法
により積層させ、P型及びN型の半導体素子厚膜を形成
(N型半導体厚膜形成,P型半導体厚膜形成を示す)し
てから乾燥させる。乾燥後、各半導体素子厚膜を上下逆
に重ね合わせて、加圧しながら不活性ガス雰囲気中で加
熱して各基板間の接合と各積層厚膜の燒結とを同時に行
う。但し、ここではP型及びN型の半導体素子厚膜によ
る対のものを熱電対として連続的に重ね合わせて加圧し
ながら活性ガス中で加熱し、各基板間の接合と各積層膜
の燒結とを同時に行うことにより、熱電対を電気的に直
列に重ね合わせ、熱電対が熱的に並列に配列された構成
の熱電気変換厚膜モジュールを得る。
【0056】
【発明の効果】以上に述べた通り、本発明の半導体素子
材チップの製造方法によれば、複数の孔を有する耐熱性
絶縁体を用いて耐熱性絶縁体のそれぞれ異なる孔の中に
N型又はP型の半導体化合物組成を持った溶湯を加圧又
は減圧法によって注入して一方向に定めて凝固させてか
ら熱処理して半導体素子材チップを得ているため、単結
晶材に類似した一方向に凝固したチップ材をチップ切断
工程等の幾つかの工程を省略した上で製造でき、結果と
して製造工程が合理化されて半導体素子材チップを低価
格で製造可能になる。又、この製造方法を適用して得ら
れる半導体素子材チップを用いた熱電気変換モジュール
は、一方向に凝固した半導体素子材チップの欠点である
機械的強度(熱歪みによる素子破壊や半田接合部での剥
離等)の弱さが改良されているため、機械的強度が補強
されるようになる。更に、この熱電気変換モジュールの
製造方法では、耐熱性絶縁体としての互いに隣り合うよ
うにP型とN型との半導体素子材チップが埋設された半
導体素子固定部を高熱源側電極固定部と低熱源側電極固
定部との間に配置した構成のものとし、高熱源側電極固
定部から発生する空気の対流及び輻射による熱伝導を半
導体素子固定部により遮断して低熱源側電極固定部に到
達しないようにしているので、半導体素子固定部による
遮断効果が高熱源側と低熱源側との間の温度差を大きく
するように作用することで熱電特性を大いに向上させる
ことができ、しかもP型とN型との半導体素子材チップ
が半導体素子固定基板の小孔の中に固定されている状態
で最後の組み立て工程を行うので、半田接合時にP型と
N型との半導体素子チップの位置のズレが起きず、半導
体素子固定部を一部品として扱うことができるための非
常に作業性が良くなり、結果として作業が簡易化されて
自動組み立てに適したものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体素子材チップの製造方法に係る
製造工程を概略的に示したフローチャートである。
【図2】(a)〜(e)は図1に示す製造工程の各段階
で用いる構成要素並びに装置部分を具体的に示した側面
図である。
【図3】(a)は、図1及び図2(a)〜(e)を経て
作製された原料をN型,P型の半導体素子材チップとし
て用意したものをN,P,N,P,…の順で電気的に直
列に配列した様子に関するもの,(b)は、(a)で得
られた多孔性耐熱性絶縁体を金属チップ板に半田接合し
て作製された熱電気変換モジュールの組み立て状態に関
するものである。
【図4】図3で説明した熱電気変換モジュールの製造に
際して高熱源側と低熱源側との温度差を大きくする場合
の第1の方法による製造工程の初期過程で用いる器具を
示した平面図で、(A)はP型半導体素子チップ固定治
具に関するもの,(B)はN型半導体素子チップ固定治
具に関するもの,(C)は半導体素子固定基板に関する
ものである。
【図5】図3で説明した熱電気変換モジュールの製造に
際して高熱源側と低熱源側との温度差を大きくする場合
の第1の方法による製造工程の初期過程を概略的に示し
たフローチャートである。
【図6】図5で説明した製造工程で用いられる半導体素
子固定基板を製造する工程を概略的に示したフローチャ
ートである。
【図7】図3で説明した熱電気変換モジュールの製造に
際して高熱源側と低熱源側との温度差を大きくする場合
の第1の方法による製造工程の中期過程で用いる器具を
示した平面図で、(A)は高熱源側電極固定部に関する
もの,(B)は低熱源側電極固定部に関するものであ
る。
【図8】図3で説明した熱電気変換モジュールの製造に
際して高熱源側と低熱源側との温度差を大きくする場合
の第1の方法による製造工程の中期過程を概略的に示し
たフローチャートである。
【図9】図3で説明した熱電気変換モジュールの製造に
際して高熱源側と低熱源側との温度差を大きくする場合
の第1の方法による製造工程の後期過程を概略的に示し
たフローチャートである。
【図10】図3で説明した熱電気変換モジュールの製造
に際して高熱源側と低熱源側との温度差を大きくする場
合の第2の方法による製造工程を概略的に示したフロー
チャートである。
【図11】図10に示す第2の方法による製造工程での
半導体素子原料ペーストを準備する工程を概略的に示し
たフローチャートである。
【図12】従来の熱電気変換モジュールの基本構成を断
面にして示した側面図である。
【符号の説明】
1 重し皿 2 ルツボ蓋 3 ルツボ 4,41 多孔性耐熱絶縁体 4a,41a 孔 5,51 原料 6 金属チップ板 7 耐熱性絶縁薄板 11 P型半導体素子固定治具 12 N型半導体素子固定治具 13 半導体素子固定基板 14 高熱源側電極固定部 15 低熱源側電極固定部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丹治 雍典 宮城県仙台市太白区郡山六丁目7番1号 株式会社トーキン内 (56)参考文献 特開 昭61−201484(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 35/34 H01L 35/32

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の孔を有する耐熱性絶縁体を用いて
    該耐熱性絶縁体のそれぞれ異なる該孔の中にN型又はP
    型の半導体化合物組成を持った溶湯を加圧又は減圧法に
    よって注入して凝固させてから熱処理して半導体素子材
    チップを得ることを特徴とする半導体素子材チップの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の半導体素子材チップの製
    造方法において、前記溶湯を一方向に定めて凝固させる
    ことを特徴とする半導体素子材チップの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の半導体素子材チッ
    プの製造方法を適用することにより得られる半導体素子
    材チップを用いた熱電気変換モジュールであって、前記
    耐熱性絶縁体の前記複数の孔は規則的に配列されてお
    り、前記孔の中には前記半導体素子材チップとしてN,
    P,N,P,…の順に半導体化合物が配設されることで
    該N,Pの半導体化合物により形成される熱電対を電気
    的に直列に配列し、且つ熱的に並列に配列して成ること
    を特徴とする熱電気変換モジュール。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の熱電気変換モジュールに
    おいて、前記半導体化合物としてのP型及びN型の半導
    体素子材チップが格子状に設けられた複数の基準孔内に
    互いに隣り合うように埋設されて成る前記耐熱性絶縁体
    としての半導体素子固定部を間に挟んで高熱源側電極固
    定部と低熱源側電極固定部とを配置して構成され、該P
    型及びN型の半導体素子材チップとして対を成すものが
    前記熱電対として電気的に直列に結合するように重ね合
    わされて成ることを特徴とする熱電気変換モジュール。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の熱電気変換モジュールに
    おいて、互いに重ね合わされた状態で格子状の基準孔を
    成すように異なるパターンで所定の行列状に設けられた
    複数の孔を有する前記耐熱性絶縁体としての2枚の耐熱
    性絶縁薄板のうちの一方の板厚側面に金属製薄板又は細
    棒を接合してから該2枚の耐熱性絶縁薄板のそれぞれの
    片面に前記半導体化合物としてのP型及びN型の半導体
    素子厚膜を積層した上で該P型及びN型の半導体素子厚
    膜を上下逆に重ね合わせて構成され、該重ね合わされた
    該P型及びN型の半導体素子厚膜の先端を該金属製薄板
    又は該細棒の導電体で結合して形成した半導体素子によ
    る対を成すものが前記熱電対として電気的に直列に重ね
    合わされて成ることを特徴とする熱電気変換モジュー
    ル。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の熱電気変換モジュールを
    得るための製造方法であって、互いに重ね合わされた状
    態で格子状の基準孔を成すように異なるパターンで所定
    の行列状に設けられた第1の小孔を有する2つの半導体
    素子固定治具における該第1の小孔にそれぞれP型とN
    型との半導体素子材チップを別々に配布挿入する第1の
    段階と、前記基準孔を示す第2の小孔を有する半導体素
    子固定基板に前記2つの半導体素子固定治具を順次重ね
    合わせ、該2つの半導体素子固定治具のそれぞれの前記
    第1の小孔から該第2の小孔に前記P型とN型との半導
    体素子材チップを圧入して半導体素子固定部を形成する
    第2の段階と、別途用意された電極絶縁基板にレジスト
    印刷法により電極を固定して高熱源側電極固定部と低熱
    源側電極固定部とを形成する第3の段階と、前記半導体
    素子固定部を真ん中にして前記高熱源側電極固定部と前
    記低熱源側電極固定部とを配置することで前記P型及び
    N型の半導体素子材チップの対のものを熱電対として電
    気的に直列に結合するように重ね合わせ、該熱電対が熱
    的に並列に配列された構成の熱電気変換モジュールを形
    成する第4の段階とを有することを特徴とする熱電気変
    換モジュールの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の熱電気変換モジュールの
    製造方法において、前記第2の段階では、前記P型とN
    型との半導体素子材チップの圧入後に該P型とN型との
    半導体素子材チップに金属メッキ処理を施すことを特徴
    とする熱電気変換モジュールの製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項6記載の熱電気変換モジュールの
    製造方法において、前記第2の段階で用いる前記半導体
    素子固定基板は、レジスト印刷法により形成されたもの
    であることを特徴とする熱電気変換モジュールの製造方
    法。
  9. 【請求項9】 請求項6記載の熱電気変換モジュールの
    製造方法において、前記第1の段階で用いる前記P型と
    N型との半導体素子材チップは、半導体化合物原料を加
    熱溶解した溶湯を前記第1の小孔と同じ仕様の第3の小
    孔を有する鋳造鋳型の該第3の小孔に注入し、該鋳造鋳
    型と該溶湯とに凝固方向に温度勾配を持たせて次第に凝
    固させて形成されたものであることを特徴とする熱電気
    変換モジュールの製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の熱電気変換モジュール
    の製造方法において、前記半導体化合物原料として、T
    etraadymite型Rhombohedoral
    結晶構造を有するV族及びVI族の元素を含むBi2
    3 系のものを用いたことを特徴とする熱電気変換モジ
    ュールの製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項5記載の熱電気変換モジュール
    を得るための製造方法であって、互いに重ね合わされた
    状態で格子状の基準孔を成すように異なるパターンで所
    定の行列状に設けられた複数の孔を有する2枚の耐熱性
    絶縁薄板のうちの一方の板厚側面に金属製薄板又は細棒
    を接合する第1の段階と、前記2枚の耐熱性絶縁薄板の
    それぞれの片面にP型及びN型の半導体素子厚膜を積層
    させる第2の段階と、前記積層されたP型及びN型の半
    導体素子厚膜を上下逆に重ね合わせた上で該重ね合わさ
    れた該P型及びN型の半導体素子厚膜の先端を前記金属
    製薄板又は前記細棒の導電体で結合して形成される半導
    体素子による対のものを熱電対として電気的に直列に重
    ね合わせ、該熱電対が熱的に並列に配列された構成の熱
    電気変換モジュールを形成する第3の段階とを有するこ
    とを特徴とする熱電気変換モジュールの製造方法。
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