JP3205926B2 - 定着ローラ - Google Patents

定着ローラ

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JP3205926B2
JP3205926B2 JP06550596A JP6550596A JP3205926B2 JP 3205926 B2 JP3205926 B2 JP 3205926B2 JP 06550596 A JP06550596 A JP 06550596A JP 6550596 A JP6550596 A JP 6550596A JP 3205926 B2 JP3205926 B2 JP 3205926B2
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    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G15/00Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
    • G03G15/20Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat
    • G03G15/2003Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat
    • G03G15/2014Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat using contact heat
    • G03G15/2053Structural details of heat elements, e.g. structure of roller or belt, eddy current, induction heating
    • G03G15/2057Structural details of heat elements, e.g. structure of roller or belt, eddy current, induction heating relating to the chemical composition of the heat element and layers thereof

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  • General Physics & Mathematics (AREA)
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  • Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)
  • Control Of Resistance Heating (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は定着ローラに関し、
更に詳しくは、複写機、プリンター、ファクシミリなど
において電子写真方式等により記録シートに転写された
トナー画像等を熱定着する装置に組み込まれる定着ロー
ラに関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式を用いる装置、例えば、レ
ーザプリンタなどは、回転する感光体ドラムを有し、こ
の感光体ドラムの感光体部位を帯電部によって一様に帯
電させたのちレーザ走査ユニットからのレーザビームに
よって情報を静電潜像として記録し、現像部においてそ
の静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成し、そ
のトナー像を転写部において搬送されてくる記録シート
上に転写させ、更にその記録シートを熱定着装置を通過
させてトナー像を熱定着するように構成されている。
【0003】従来、このような熱定着装置においては、
例えば、アルミニウムなどの中空円筒からなる芯金の外
周面にトナーの粘着を防止するための弗素樹脂層などに
よる粘着防止層を設けた定着ローラが使用されている
が、このような定着ローラは芯金の中空部に回転中心線
に沿ってハロゲンランプなどのヒータを配置し、その幅
射熱によって定着ローラを内側から加熱するようになっ
ている。そして定着ローラと平行にこれに圧接する加圧
ローラを設けて、加圧ローラと定着ローラとの間に記録
シートを通過させることにより記録シート上に付着して
いるトナーが定着ローラの熱により軟化し、加圧により
記録シート上に定着されるようになっている。
【0004】しかし、こうした熱定着装置では、起動時
に電源が投入されてから定着ローラの表面が定着に必要
な温度に達するまでに比較的に長いウォームアップ時間
がかかる。そこで、一般には主電源を投入したときに定
着ローラのヒータにも通電を開始して定着ローラを予備
加熱しておく方法が採られているが、これでは電力を浪
費するため、これを避ける目的で、定着ローラのウォー
ムアップ時間を短縮する手段が種々提案されている。
【0005】例えば、ローラの周表面または周表面近傍
に抵抗発熱層を設ける方法(特開昭55−164860
号公報、特開昭56−138766号公報、特開平2−
285383号公報など)、ローラの中空部の内面を黒
化することにより幅射率を高め熱の吸収効率を挙げる方
法、同じく内面に凹凸を設けて表面積を大きくする方法
(特開平4−34483号公報、特開平4−13438
7号公報など)、ローラをヒートパイプで構成する方法
(特開平3−139684号公報)、ローラを電磁誘導
加熱する方法(特開平4−55055号公報)、ローラ
を導電性弾性材料で構成し、これに通電して直接に発熱
させる方法(特開平4−186270号公報)、正特性
サーミスタ材料を用いた円筒状ヒータで定着ローラを形
成する方法(特開平4−42185号公報)などが提案
されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
定着ローラでは、定着ローラの構成材料の熱伝導率等に
制約されて、ウォームアップ時問を十分に短縮すること
ができないという問題がある。また、ウォームアップ時
間を十分に短縮するには、ヒータなどの加熱体に大きな
エネルギーを投入しなけれぱならないという問題があ
る。本発明の目的は、定着ローラの構成材料の熱伝導率
等に制約されることなく、また加熱体に投入するエネル
ギーを大きくすることなくウォームアップ時間を十分に
短縮することができる定着ローラを提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、ロ
ーラの金属表面上に、好ましくはその金属の酸化皮膜層
を介して、非晶質相から結晶相に変化したとき発熱しか
つ非晶質相と結晶相の相転移が繰り返し行なえる相転移
層を有し、その相転移層を被覆し相転移層側端部を封止
する保護層を有することを特徴とする定着ローラによっ
て達成される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明をさらに詳細に説明
する。本発明における相転移層は、非晶質相から結晶相
に変化したときに発熱し、かつそれら非晶質相と結晶相
の相転移が繰り返し行なえるものであるが、その前提と
して、定着中に溶融することなく融点がトナーの定着温
度より高く、また望ましくは、前記の相転移が容易に行
なえるものである。本発明における相転移層に適用され
る材料としてはPET、PE(ポリエチレン)、PP
(ポリプロピレン)などの結晶性樹脂、Si−S、Si
−Te、As−S−Se−Te、その他の合金、P
25、Te23などの酸化物などがあげられるが、中で
もカルコゲンを主成分とするIII〜VI族の非晶質物質が
効果的である。カルコゲンを主成分とする周期律表III
乃至VI族の非晶質物質としては、例えば、セレン、セレ
ン・テルル合金、テルル、ゲルマニウム合金、セレン・
インジウム系合金、テルル・インジウム系合金、セレン
・アンチモン系合金、テルル・アンチモン系合金などが
挙げられ、特にセレン、セレン・テルル合金が好まし
い。
【0009】本発明においては、相転移層は、例えば、
ステンレス、アルミニウムなどの芯金内にハロゲンラン
プ、赤外線ランプまたはニクロム線などのヒータを内蔵
させた定着ローラの芯金表面、ヒートパイプで構成した
定着ローラのヒートパイプ表面、抵抗発熱層を有する定
着ローラの抵抗発熱層上、などの金属表面上にその金属
の酸化皮膜層を介して設けられ、そして、相転移層を被
覆し相転移層側端部を封止する保護層が設けられる。
【0010】本発明においては、製造方法や製造工程の
簡易性からみて、上記のように、芯金表面にその金属の
酸化皮膜層を介して、カルコゲンを主成分とする周期律
表III乃至VI族の非晶質物質からなる相転移層を設ける
ことが好ましい。芯金はヒータを内蔵しているもので
も、芯金が通電等により発熱するものでもよい。金属表
面上にその金属の酸化皮膜層を形成するには、例えば、
金属表面を有するローラを大気中あるいは酸素雰囲気中
で加熱、焼成させればよい。芯金としては、ステンレス
(不銹鋼)が特に好ましい。ステンレスを用いることに
より、酸化皮膜層を容易に形成することができ、また、
機械的強度があることから、芯金の薄肉化が可能となる
ので熱伝達の効率を向上させることができる。さらにス
テンレス芯金自体を発熱体として使用することもでき
る。
【0011】本発明において、相転移層を被覆し相転移
層側端部を封止する保護層を設けるには、相転移層をロ
ーラの軸方向端部の金属表面を残して金属表面上に設
け、保護層を相転移層とローラの軸方向端部の相転移層
が設けられていない金属表面とを覆うように設けること
が好ましい。更に、定着ローラ最外周面にはトナーなど
の粘着を防止するため離型層を設けることが好ましい。
離型層が保護層を兼ねてもよい。離型層は従来公知の方
法によって設けることができるが、フッ素樹脂系の熱収
縮性チューブをローラに被せて加熱することにより設け
ることが好ましい。熱収縮性チューブがローラの両側端
部を包むようにすれば、それにより相転移層側端部を封
止することができる。
【0012】ところで、熱伝導物質を含む保護層や相転
移層を形成する際には、それら層のいずれか一方又は両
方の層に、それら層の熱伝導率より高い熱伝導率をもた
らし、かつ定着温度より高い融点をもつ熱伝導物質を混
入させる必要がある。これには例えば、熱伝導物質が分
散含有されたPFA樹脂などの熱収縮性チューブを用い
て定着ローラ表面に形成された相転移層を被覆して保護
層を形成する方法、真空蒸着によってふたつの蒸着源か
ら熱伝導物質とPFA樹脂等の樹脂とを同時に蒸発させ
て、定着ローラ表面に形成された相転移層上に熱伝導性
物質を含むPFA樹脂等の皮膜からなる保護層を形成す
る方法、相転移層を真空蒸着などによって形成する際に
熱伝導物質の蒸着源を更に追加して蒸着を行う方法、相
転移層形成用の蒸着源に熱伝導物質を加えて蒸着を行う
方法などにより行えばよい。
【0013】本発明における熱伝導物質としては、相転
移層を構成する非晶質物質を結晶化させてその熱伝導率
を熱伝導率計で測定しあるいは保護層の熱伝導率を同様
にして測定し、その熱伝導率以上の熱伝導率を有する熱
伝導物質を既知の固体物質から適宜選択して用いればよ
い。このような熱伝導物質としては、例えば、アルミニ
ウム、鉄、銅、金、銀などの金属、酸化アルミニウム、
酸化マグネシウム、酸化チタンなどの金属酸化物、テル
ル、アンチモン、カーボン微粒子、繊維状カーボンなど
が挙げられ、中でもAl、Au、Ag、カーボン微粒
子、繊維状カーボン、テルル、アンチモンなどの使用が
好ましい。これら熱伝導物質の添加量は、熱伝導物質の
種類により異なるが、層全体の0〜50重量%の範囲が
適当である。
【0014】図1は本発明の定着ローラの代表的なもの
の一例を示しており、1は芯金、2は酸化皮膜層、3は
相転移層、4は保護層を兼ねた離型層を表わしている。
図2も本発明の定着ローラの代表的なものの他の一例を
示しており、このものは、外径40mmの芯金1の外周
面に酸化皮膜層2を形成させた後、これにセレン微粒子
を50重量%となるように混合した導電性弗素樹脂粉末
(三井クロロケミカル社製、MP611)を静電塗装し
て250℃で予備焼成して相転移層3を形成し、更に導
電性PFA樹脂からなる熱収縮チューブを被せ、300
℃以上に加熱して厚さ10μmの離型層4を形成したも
のである。
【0015】
【作用】本発明の定着ローラにおいては、非晶質状態の
相転移層が定着ローラの加熱体により加熱されて結晶化
温度に達したときに結晶化熱を放出し、相転移層の温度
が急速に上昇する。これにより、定着ローラ表面が速や
かに定着可能温度に到達するのでウォームアップ時間を
十分に短縮することができる。そして、定着ローラ表面
が定着可能温度に到達した後は、加熱体からの熱によっ
て定着温度が制御されるが、結晶化した相転移層は熱伝
導が高まるので定着温度の制御が一層容易になる。また
複写等の一連の作業が終了したときには、結晶化した相
転移層を加熱体により一時的にその融点以上の温度にま
で加熱し、ついで放冷すれば相転移層は再ぴ非晶質状態
に戻るので、再ぴ相転移層を加熱体により加熱して結晶
化熱を放出させることができる。これにより、トナー画
像などの定着時には常に定着ローラ表面を速やかに定着
可能温度に到着させることができる。
【0016】相転移層は、一部先に触れたように、
(1)非晶質状態と結晶状態間の完全な相転移が起こる
こと、(2)ガラス転移点Tgが常温以上であること、
(3)結晶化温度Tcが常温から定着温度Tt約200
℃の間にあること、(4)再度非晶質化するための融点
TmがTt以上でなるべく低いこと、(5)結晶化、溶
融の繰り返しに対して変質しないこと、等の特性を有す
ることが好ましい。セレン或いはセレン・テルル合金の
ようなセレンを主成分とする相転移層はこのような特性
を十分に有しているので特に好ましく使用される。カル
コゲンを主成分とする周期律表III乃至VI族の非晶質物
質からなる相転移層をAlやSUSなどの金属表面上に
設けると、非晶質物質が結晶化したときに密着力が減少
し剥離しやすくなるが、本発明においては、相転移層を
その金属の酸化皮膜層を介して設けたことにより非晶質
物質の結晶化による剥離を防止することができ、定着ロ
ーラの耐久性を一層向上させることができる。
【0017】本発明においては、製造方法や製造工程が
簡易なことから、芯金表面にその金属の酸化皮膜層を介
して相転移層を設けることが好ましい。芯金としては、
ステンレス(不銹鋼)を用いることにより、酸化皮膜層
を容易に形成することができ、また、機械的強度がある
ことから、芯金の薄肉化が可能となるので熱伝達の効率
が向上し、これにより、加熱体に対する小さな投入エネ
ルギーでウオームアップ時間を十分に短縮することがで
きる。さらにステンレス芯金自体を加熱体として使用す
ることにより、ウオームアップ時間をより短縮すること
ができる。
【0018】本発明の定着ローラによれば、相転移層中
に非晶質物質の結晶相の熱伝導率以上の熱伝導率を有す
る熱伝導性物質を含ませることにより、加熱体により相
転移層を加熱した時に非晶質物質の結晶化による急激な
発熱が生じた場合にも、その熱をより速やかに定着ロー
ラ表面へ伝えることができ、非晶質物質の自己溶融現象
を防止し、非晶質物質の結晶化による発熱を効率よく利
用して、定着ローラのウォームアップ時間を十分に短縮
することができる。相転移層に含有させるのに適した熱
伝導物質としては、前記のもののうち特にAu、Ag、
Al、Sb又はこれらの混合物である。これらは共蒸着
できることからも有利であり、相転移層で発生した熱を
速やかに定着ローラ表面に伝えることができる。
【0019】また、本発明においては、相転移層を被覆
し相転移層側端部を封止する保護層が設けられる。結晶
化した相転移層は、再び非晶質状態に戻し加熱体により
加熱して結晶化熱を放出させるようにするために、加熱
体により一時的にその融点以上の温度にまで加熱される
が、相転移層を被覆し相転移層側端部を封止する保護層
を設けることにより、相転移層が加熱により溶融し流動
化したときに定着ローラ外に流出するのを防止すること
ができる。
【0020】相転移層を被覆し相転移層周端部を封止す
る保護層を設けるには、相転移層をローラの軸方向端部
の金属表面を残して金属表面上に設け、保護層を相転移
層とローラの軸方向端部の相転移層が設けられていない
金属表面を覆うように設けることが好ましい。これによ
り、相転移層が加熱熔融されたときに定着ローラ端部か
ら流出するのを防止することができる。更に、定着ロー
ラ最外周面にはトナーなどの粘着を防止するため離型層
を設けることが好ましい。離型層が保護層を兼ねてもよ
い。離型層は従来公知の方法によって設けることができ
るが、フッ素樹脂系の熱収縮性チューブをローラに被せ
て加熱することにより設けることが好ましい。熱収縮性
チューブがローラの両側端部を包むようにすれば、それ
により相転移層側端部を封止することができる。
【0021】
【実施例】以下に本発明の定着ローラについて、具体的
実施例により説明するが、本発明はこれにより限定され
るものではない。
【0022】実施例1 外径20mm、厚さ0.4mmのAl芯金を酸素雰囲気
中の焼成炉で120℃で約30分間加熱し、Al芯金周
面上にAlの酸化皮膜層を形成した。芯金の光沢は白色
金属光沢から黄色味を帯びた金属光沢へ変化していた。
この芯金を真空蒸着槽の中にセットし、酸化皮膜層上に
テルル8重量%のセレンテルル合金を0.1mmの厚さ
に蒸着して相転移層を形成した。これを真空蒸着槽から
取り出した後、導電性PFA樹脂の熱収縮性チューブを
被せ、300℃に加熱して厚さ約20μmの保護層を兼
ねた離型層を形成し、本発明の定着ローラを作製した。
【0023】実施例2 外径20mm、厚さ0.8mmのSUS304芯金を大
気雰囲気中で通電加熱して約500℃で80分間の加熱
を行い、SUS304芯金周面上に酸化皮膜層を形成し
た。一定電力で加熱していると10数分で着色しはじめ
温度は約450℃まで低下した。芯金の光沢は銀白色金
属光沢から黒褐色へ変化していた。この芯金を真空蒸着
槽の中にセットし、酸化皮膜層上にテルル30重量%の
セレンテルル合金を0.1mmの厚さに蒸着して相転移
層を形成した。これを真空蒸着槽から取り出した後、導
電性PFA樹脂の熱収縮性チューブを被せ、300℃に
加熱して厚さ約10μmの保護層を兼ねた離型層を形成
し、本発明の定着ローラを作製した。
【0024】実施例3 実施例1、2において、加熱処理を行わない芯金(芯金
表面に酸化皮膜層を形成していないもの)を用いた以外
は同様にして相転移層及び離型層を形成して定着ローラ
を作製した。
【0025】このようにして作製した定着ローラをリコ
ー社製ファクシミリF17の定着装着に組込み、芯金内
に設置してあるハロゲンランプにヒーター電力680W
で入力して定着ローラの表面温度の昇温スピードを調べ
たところ、いずれの定着ローラも、相転移層を有しない
定着ローラに比べ、約1.5倍の昇温スピードが得られ
た。また、ハロゲンランプにヒーター電力680Wでの
入力オン・オフを繰り返して、定着ローラの耐久性を評
価したところ、実施例3の定着ローラでは約5000回
の繰り返しで相転移層の剥離によって離型層表面に皺が
発生し始め、この状態では画像定着のための記録紙の通
紙ができなかったが、実施例1、2の定着ローラでは5
万回でも相転移層の剥離が見られず離型層表面の変化は
なく、トナー画像を有する記録紙の通紙により良好な定
着画像が得られた。
【0026】実施例 実施例2で作製した定着ローラの両端部に摺動電極を取
り付けて芯金部に直接1.5V、80Aの通電を行い、
通電加熱したところ、ハロゲンランプによる加熱に比
べ、定着ローラの表面温度はさらに早く立上り、ウオー
ミングアップ時間は短縮され、またこれをリコー製ファ
クシミリF17の定着装着に組込み、トナー画像を有す
る記録紙を通紙したところ良好な定着画像が得られた。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、定着ローラにおける相
転移層、殊にカルコゲンを主成分とする周期律表III乃
至VI族の非晶質物質からなる相転移層が定着ローラの加
熱昇温時に結晶化温度に達すると結晶化熱を放出し、そ
の熱が定着ローラの加熱体からの熱に加わり、定着ロー
ラ表面が速やかに定着可能温度に到達するので、投入す
るエネルギーを大きくすることなくウォームアップ時間
を十分に短縮することができ、また、相転移層がローラ
の金属表面上にその金属の酸化皮膜層を介して形成され
ていることにより、結晶化相転移層の密着性が良くな
り、非晶質物質の結晶化による剥離を防止することがで
き、定着ローラの耐久性を向上させることができる。ま
た、相転移層を被覆し相転移層側端部を封止する保護層
を設けることにより、相転移層が加熱により溶融し流動
化したときに定着ローラ外に流出するのを防止すること
ができる。更に、相転移層をローラの軸方向端部の金属
表面を残して設け、保護層を相転移層とローラの軸方向
端部の相転移層が設けられていない金属表面が覆われる
ように設けることにより、相転移層が加熱溶融されたと
きに定着ローラ端面から流出するのを防止することがで
きる。また、芯金としてステンレス(不銹鋼)を用いる
ことにより、酸化皮膜層を容易に形成することができ
る。またステンレスは機械的強度があることから、芯金
の薄肉化が可能となるので熱伝導の効率が向上し、これ
により、加熱体に対する小さな投入エネルギーでウォー
ムアップ時間を十分に短縮することができ、電力などの
省力化を図ることが可能になる。さらに芯金自体を発熱
体として使用してウォームアップ時間をより短縮するこ
とができる。更にまた、ローラ最外周面に離型層を設け
ることにより、加熱定着時にトナー画像等が定着ローラ
に粘着することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の定着ローラの一例を模式的に示すロー
ラ軸方向断面図の一部である。
【図2】本発明の定着ローラの他の一例を模式的に示す
ローラ軸方向断面図の一部である。
【符号の説明】
1 芯金 2 酸化皮膜層 3 相転移層 4 保護層又は離型層

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ローラの金属表面上に、非晶質相から結
    晶相に変化したとき発熱しかつ非晶質相と結晶相の相転
    移が繰り返し行なえる相転移層を有し、その相転移層を
    被覆し相転移層側端部を封止する保護層を有することを
    特徴とする定着ローラ。
  2. 【請求項2】 ローラの金属表面上にその金属の酸化皮
    膜層を介して相転移層を有するものであることを特徴と
    する請求項1記載の定着ローラ。
  3. 【請求項3】 相転移層及び/又は保護層中に、非晶質
    物質の結晶相の熱伝導率より高い熱伝導率をもち且つ
    ローラ使用時の加熱温度より高い融点をもつ熱伝導物
    質を混入したことを特徴とする請求項1又は2記載の
    ローラ。
  4. 【請求項4】 相転移層がローラの軸方向端部の金属表
    面を残して設けられ、保護層が相転移層とローラの軸方
    向端部の金属表面を覆って設けられていることを特徴と
    する請求項1〜3のいずれかに記載の定着ローラ。
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