JPH10232577A - 定着装置 - Google Patents

定着装置

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JPH10232577A
JPH10232577A JP9052565A JP5256597A JPH10232577A JP H10232577 A JPH10232577 A JP H10232577A JP 9052565 A JP9052565 A JP 9052565A JP 5256597 A JP5256597 A JP 5256597A JP H10232577 A JPH10232577 A JP H10232577A
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JP
Japan
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fixing
roller
heating
fixing device
pressure roller
Prior art date
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Pending
Application number
JP9052565A
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English (en)
Inventor
Toru Saito
齋藤  亨
Katsunori Takeuchi
勝則 竹内
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、単一複写又は連続複写の場合に、
常時安定して高品質な複写画像を実現することができる
カラー画像形成装置に活用せる定着装置を提供すること
を目的とする。 【解決手段】 シリコーンゴム層4,14にて各々被覆
されている定着ローラ2と加圧ローラ13とを有し、上
記定着ローラ2の内部にはハロゲンヒータ6が設けら
れ、又、上記加圧ローラ13の内部にはハロゲンヒータ
17が設けられている定着装置において、上記定着ロー
ラ2の表面を加熱するよう該定着ローラ2の周囲に設け
られたセラミックヒータ10と、上記加圧ローラ3の表
面を加熱するよう該加圧ローラ13の周囲に設けられた
セラミックヒータ21とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱及び圧力により
シート状の転写材に現像剤を定着させる定着装置におい
て、特に、単一複写動作又は連続複写動作により、モノ
カラー及びフルカラーの複写画像を提供することができ
る定着装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の定着装置として特開昭63−75
775にて開示されたる定着装置49が知られている。
尚、図9は、主断面図にて上記定着装置49の概略構成
を示している。
【0003】上記定着装置49には、定着部材としての
定着ローラ50と、加圧部材としての加圧ローラ51と
が、各々回動可能に軸支されている。上記定着ローラ5
0は、上記定着装置49を活用せる画像形成装置(図示
せず)に設けられた駆動手段(図示せず)により、任意
の所定の周速度にて回動するよう設定されている。一
方、上記加圧ローラ51は、定着時に上記定着ローラ5
0の回動に従動するよう、上記画像形成装置(図示せ
ず)に設けられた加圧手段(図示せず)により上記定着
ローラ50の下方から該定着ローラ50へ圧接される。
【0004】上記定着ローラ50は、鉄、アルミニウム
等にてロール状に形成された中空の芯金部52と、該芯
金部52の外周面を被覆する弾性層としてのシリコーン
ゴム層53とを備えることにより、加圧ローラ51への
圧接時に、上記定着ローラ50と該加圧ローラ51との
間にて所要の幅のニップ部Nが形成される。
【0005】又、上記芯金部52の中空部には、定着ロ
ーラ50を内部から加熱するための加熱手段として、ヒ
ータ54が設置されており、定着動作に必要な熱が、輻
射熱にて上記ヒータ54から上記定着ローラ50へ供給
される。
【0006】一方、上記加圧ローラ51は、鉄、アルミ
ニウム等にてロール状に形成された中空の芯金部55
と、上記芯金部55の外周面をコーティングする4フッ
化エチレン樹脂層56とを備えることにより、上記加圧
ローラ51はハードローラになっている。
【0007】又、上記芯金部55の中空部には、加圧ロ
ーラ51を内部から加熱するための加熱手段として、ヒ
ータ57が設置されることにより、定着時には、上記加
圧ローラ51は、圧力に加えて、熱供給によっても、定
着ローラ50による定着動作を補助する。
【0008】以上の構成の上記定着装置49には、定着
ローラ50及び加圧ローラ51の各々の表面温度を検知
するための表面温度検知手段としてのサーミスタ58,
59が、各々、上記定着ローラ50及び上記加圧ローラ
51の各々の表面に当接して設けられている。
【0009】又、上記定着ローラ50と加圧ローラ51
との間に形成されたニップ部Nの上流側には、現像剤た
るトナーが転写されている面を上に向けた状態にて上流
側から搬送されてきたシート状の転写材たる記録紙P
を、上記ニップ部Nへ案内する入口ガイド板60が設置
されている。
【0010】一方、上記ニップ部Nの下流側には、定着
動作の終了時に、記録紙Pを加圧ローラ51から分離す
る分離爪61と、該加圧ローラ51から分離された記録
紙Pを画像形成装置(図示せず)の外部へ排紙する排紙
ローラ62とが、各々回動可能に軸支されている。
【0011】以上の構成の定着装置49により、以下の
過程にて一連の定着動作が為されていた。
【0012】上記定着装置49を備えた画像形成装置
(図示せず)に設けられた転写手段(図示せず)にてト
ナーを転写された記録紙Pが、入口ガイド板60により
ニップ部Nへ案内される。
【0013】上記記録紙Pは、ニップ部Nに達すると同
時に、定着ローラ50及び加圧ローラ51により挟持搬
送されつつ、上記定着ローラ50と上記加圧ローラ51
から供給される熱及び該加圧ローラ51による加圧に
て、トナーが定着される。
【0014】上記ニップ部Nでの定着動作が終了した記
録紙Pは、分離爪61により加圧ローラ51の表面から
分離された後、排紙ローラ62にて画像形成装置(図示
せず)の外部に排紙されて、カラーの複写画像がユーザ
ーに提供される。
【0015】以上の構成の定着装置49により、記録紙
P上に二色以上のトナーが二層以上に積層されたときに
も、上述の定着動作にて、上記トナーが上記記録紙Pに
定着されていた。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記定
着装置49においては、定着ローラ50は熱伝導率の大
きい芯金部52(例えば、アルミニウム6063にて上
記芯金部を形成した場合には、該芯金部52の有する熱
伝導率の大きさは25〔℃〕にて0.52〔cal/c
m・sec・K〕である。)の表面を上記芯金部52の
熱伝導率に対して著しく小さい熱伝導率を有するシリコ
ーンゴム層53(熱伝導率の大きさは25〔℃〕にて〜
1.0×10-3〔cal/cm・sec・K〕であ
る。)にて被覆している構成であるがために、ヒータ5
4により上記定着ローラ50に供給される輻射熱の量を
迅速にて増加せしめたとしても、供給された熱が上記シ
リコーンゴム層53にまで熱伝導するのにある程度の時
間を要してしまうために、上記定着ローラ50の表面温
度を迅速にて上昇させることはできない。
【0017】つまり、上記定着装置49により、一枚の
記録紙Pに定着動作が為されるときには、例えば、上記
定着装置49の有するシリコーンゴム層53の厚みを
2.0〔mm〕にて形成したときには、ヒータ54によ
り供給された輻射熱が上記シリコーンゴム層53の表面
に到達するのに約4〔sec〕の時間を要する。
【0018】一方、定着動作時での定着ローラ50の周
速度であるプロセススピードを110〔mm/sec〕
に設定して、サイズがA3の記録紙P(長手方向の長さ
は420〔mm〕である。)に定着動作が為されたとき
には、上記記録紙Pの先端部がニップ部Nを通過してか
ら上記記録紙Pの終端部が上記ニップ部Nに到達するま
でに要する時間は約3.8〔sec〕である。
【0019】このため、上述のごとく設定されている上
記定着装置49においては、記録紙Pへの定着動作の中
途にて、サーミスタ58が定着ローラ50の表面温度が
所定値にて設定された表面温度値よりも低下しているの
を検知したと同時にヒータ54による加熱動作を開始さ
せても、該ヒータ54により供給された輻射熱がシリコ
ーンゴム層53の表面に到達する前に上記記録紙Pの終
端部がニップ部Nを通過してしまう。
【0020】故に、上記定着装置49にて定着動作が為
されたときには、定着動作時の定着ローラ50の表面温
度が低いときに定着動作が為されると画像光沢度は低く
なり、表面温度が高いときに定着動作が為されると画像
光沢度は高くなるという性質を受けて、定着温度の低下
に伴い一枚の記録紙P上に画像光沢度の異なる領域が複
数存在するという画像光沢度のムラが形成されている複
写画像がユーザーに提供されることがあった。
【0021】又、上記定着装置49による定着動作の進
行につれて定着ローラ50の表面温度が低下するため
に、定着動作の中途にて表面温度が記録紙Pにトナーが
定着される際に最適な表面温度である領域よりも低くな
る場合には、上記トナーと上記定着ローラ50とが互い
に接触する面にて生じる付着力により上記トナーが上記
定着ローラ50に移行するというコールドオフセット現
象が起きてしまい、上記記録紙P上に定着されたトナー
像の濃度である印字濃度の薄い複写画像がユーザーに提
供されることがあった。
【0022】更に、上記定着装置49にて複数枚の記録
紙Pに連続複写動作が為される場合には、定着動作が為
される際に各々の上記記録紙Pが定着ローラ50から熱
伝導にて熱を吸収することにより、上記定着ローラ50
の表面温度が、連続複写動作が進むにつれて、上述した
原因にて、連続複写動作開始時に設定された所定の表面
温度よりも低下してしまう。
【0023】図10は上記定着装置49のプロセススピ
ードを110〔sec〕に設定し、A4サイズの複数枚
の記録紙Pが、20〔枚/分〕のスループットにて連続
複写されたときの、上記定着ローラ50の表面温度及び
加圧ローラ51の表面温度の各々の変遷を示している。
【0024】図10からも分かるように、加圧ローラ5
1は熱伝導性の高い芯金部55の表面が熱伝導性の低い
シリコーンゴム等による弾性層にて被覆されていないの
で、上記加圧ローラ51の表面温度は連続複写動作開始
時に設定された所定の表面温度である160〔℃〕に維
持されている。
【0025】しかし、定着ローラ50は熱伝導率の良い
芯金部52の表面がシリコーンゴム層53にて被覆され
ているために、上記定着ローラ50の表面温度は、連続
複写動作が進むにつれて160〔℃〕から140〔℃〕
にまで低下してしまっている。
【0026】故に、上記定着装置49にて連続複写動作
が為された場合には、上述した画像光沢度の性質及びコ
ールドオフセット現象の発生を受けることから、複数枚
の記録紙Pの全枚数に渡って画像光沢度及び印字濃度が
一様に維持された複写画像をユーザーに提供することが
できなっかった。
【0027】そこで、定着ローラ50の熱伝導性を高め
るために、シリコーンゴム層53の厚みを薄くする方法
や、上記定着ローラ50から上記シリコーンゴム層53
を取り除いてしまう方法等が考えられるが、これらの方
法においては、上記定着ローラ50と加圧ローラ51と
の間に形成されるニップ部Nの幅が十分に形成されない
ので、カラー複写のように複数のトナー層が積層された
記録紙Pにはトナーが十分に溶融して混色するのに必要
な熱量を供給できない。
【0028】又、ヒータ54に供給される電力を増加さ
せることにより、上記ヒータ54から定着ローラ50に
供給される輻射熱の量を増加させる方法も考えられる
が、一般の家庭にて得られる電力は、一般家庭用コンセ
ント等の定格が100〔V〕、15〔A〕であるため
に、上記ヒータ54に供給される電力値を大きくするこ
とは困難である。
【0029】そこで、本発明は、単一複写又は連続複写
の場合に、画像光沢度及び印字濃度が安定している高品
質な複写画像を常に実現することができるようカラー画
像形成装置に活用せる定着装置を提供することを目的と
する。
【0030】
【課題を解決するための手段】本発明に係る第一の発明
によれば、上記目的は、シート状の転写材の一方の面に
現像剤を熱にて定着する定着部材と、熱による定着動作
が為されている間、上記転写材の他方の面に加圧するよ
う上記定着部材に圧接する加圧部材と、該定着部材及び
該加圧部材を各々の内側から加熱する内部加熱手段とを
有し、上記定着部材及び上記加圧部材のうちの少くとも
該定着部材の表面が弾性層により被覆されている定着装
置において、上記定着部材及び上記加圧部材の各々の表
面を加熱する表面加熱手段と、又は、ニップ部の上流側
に位置した予備加熱位置にて、定着動作が為される前
に、上記転写材及び上記現像剤を予備的に加熱する予備
加熱手段との二つの手段のうちの少くとも一方の手段を
備えていることにより達成される。
【0031】又、本発明に係る第二の発明によれば、上
記目的は、第一の発明において、二つの手段のうち表面
加熱手段を備えていることにより達成される。
【0032】更に、本発明に係る第三の発明によれば、
上記目的は、第一の発明において、二つの手段のうち予
備加熱手段を備えていることにより達成される。
【0033】又、本発明に係る第四の発明によれば、上
記目的は、第一の発明において、表面加熱手段及び予備
加熱手段の両方を備えていることにより達成される。
【0034】更に、本発明に係る第五の発明によれば、
上記目的は、第一の発明ないし第四の発明のうちの一つ
において、内部加熱手段、表面加熱手段及び予備加熱手
段の各々による加熱動作が、時間分割により為されるこ
とにより達成される。
【0035】又、本発明に係る第六の発明によれば、上
記目的は、第一の発明ないし第五の発明のうちの一つに
おいて、表面加熱手段又は予備加熱手段のうちの少くと
も一方の手段により為される加熱動作の設定は、定着部
材及び加圧部材の各々の表面温度の変動を検知する表面
温度検知手段に基づいて為されることにより達成され
る。
【0036】すなわち、本出願に係る第一の発明におい
ては、表面加熱手段による定着部材及び加圧部材の各々
の表面への加熱動作、又は、定着動作の為される前の予
備加熱手段による転写材への加熱動作のうちの少くとも
一方の加熱動作が為されるので、熱伝導にて上記定着部
材及び上記加圧部材の各々の表面から上記転写材に奪わ
れた熱量が、上記外部加熱手段の加熱動作により補われ
る、又は、上記予備加熱手段の加熱動作により抑制され
て、上記定着部材及び上記加圧部材の各々の表面温度
が、定着動作の開始時に内部加熱手段により設定された
表面温度の近傍に維持される。
【0037】又、本出願に係る第二の発明においては、
表面加熱手段が定着部材及び加圧部材の各々の表面を加
熱するので、定着時に、熱伝導にて上記定着部材及び上
記加圧部材の各々の表面から上記転写材に奪われた熱量
が、上記表面加熱手段の加熱動作により補われて、上記
定着部材及び上記加圧部材の各々の表面温度が、定着動
作の開始時に内部加熱手段により設定された表面温度の
近傍に維持される。
【0038】更に、本出願に係る第三の発明において
は、定着動作の為される前に、予備加熱手段が、転写材
及び該転写材に担持されている現像剤担持体を予備的に
加熱するので、定着時に、熱伝導にて定着部材及び加圧
部材の各々の表面から上記転写材に奪われる熱量が抑え
られて、上記定着部材及び上記加圧部材の各々の表面温
度が、定着動作の開始時に内部加熱手段により設定され
た表面温度の近傍に維持される。
【0039】又、本出願に係る第四の発明においては、
表面加熱手段による定着部材及び加圧部材の各々の表面
への加熱動作と、定着動作の為される前の予備加熱手段
による転写材への加熱動作とが為されるので、定着時
に、熱伝導にて上記定着部材及び上記加圧部材の各々の
表面から上記転写材に奪われる熱量が上記予備加熱手段
の加熱動作により抑制され、更に、熱伝導にて上記定着
部材及び上記加圧部材の各々の表面から上記転写材に奪
われた熱量が上記外部加熱手段の加熱動作により補われ
て、上記定着部材及び上記加圧部材の各々の表面温度
が、定着動作の開始時に内部加熱手段により設定された
表面温度に維持される。
【0040】更に、本出願に係る第五の発明において
は、上記第一の発明ないし上記第四の発明の内部加熱手
段、表面加熱手段及び予備加熱手段の各々による加熱動
作が、時間分割にて為されるので、諸加熱動作に消費さ
れる電力量が最小限度にまで押さえられる。
【0041】又、本出願に係る第六の発明においては、
表面加熱手段又は予備加熱手段のうちの少くとも一方の
手段により為される加熱動作の設定は、定着部材及び加
圧部材の各々の表面温度の変動を検知する表面温度検知
手段に基づいて為されるので、上記定着部材及び上記加
圧部材の各々の表面温度が、定着動作の開始時にて内部
加熱手段により設定された表面温度に維持される。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0043】(第一の実施形態)先ず、本発明の第一の
実施形態の定着装置1に関して、図1から図6の図面に
基づいて説明する。
【0044】上記定着装置1には、図1に示されている
ように、定着部材としての定着ローラ2と、加圧部材と
しての加圧ローラ13とが、各々回動可能に軸支されて
いる。
【0045】上記定着ローラ2は、図6に示されてい
る、定着装置1が活用されている画像形成装置25に設
けられた駆動手段(図示せず)により設定された任意の
所定の周速度にて回動する。
【0046】一方、上記加圧ローラ13は、画像形成装
置25に設けられた加圧手段(図示せず)から所定の加
圧値にて加圧されて、定着ローラ2の下方から該定着ロ
ーラ2に圧接する。よって、定着時には、上記加圧ロー
ラ13が上記定着ローラ2の回動に従動することとな
る。
【0047】尚、本実施形態の上記定着装置1では、加
圧ローラ3は定着ローラ2に加圧値50〔kg〕にて加
圧するよう設定されており、これにより、上記定着ロー
ラ2と上記加圧ローラ3との間に形成されたニップ部N
の幅は、約4〔mm〕〜5〔mm〕となっている。
【0048】上記定着ローラ2は、アルミニウム606
3(物性値は、25〔℃〕での熱伝導率0.52〔ca
l/cm・sec・K〕である。)によりロール状に形
成された芯金部3と、該芯金部3の外周面を導電性シリ
コーンゴム(物性値は、JIS−A硬度20〔°〕、体
積抵抗率〜105〔Ω・cm〕、25〔℃〕での熱伝導
率1.0×10-3〔cal/cm・sec・K〕であ
る。)にて被覆する弾性層としてのシリコーンゴム層4
と、現像剤としてのトナーの離型性を良くするよう、上
記シリコーンゴム層4の外周面を絶縁PFAチューブに
て被覆する離型層5とを備えている。これにより、圧接
時に、上記定着ローラ2と加圧ローラ13との間に所要
の幅のニップ部Nが形成されることとなる。
【0049】尚、本実施形態の上記定着装置1において
は、芯金部3は、外径が38〔Φ〕、厚みが2.5
〔t〕に形成され、又、シリコーンゴム層4及び離型層
5は、各々2.0〔t〕及び50〔μm〕の厚みに形成
されることにより、上記定着ローラ2全体の外径が40
〔Φ〕に設定されている。
【0050】又、上記定着ローラ2の有する芯金部3の
中空部には、上記定着ローラ2を内部から加熱するため
の内部加熱手段としてハロゲンヒータ6が設置されてお
り、該ハロゲンヒータ6は、印加電圧120〔V〕によ
り、出力電力値が550〔W〕になるよう設定されてい
る。
【0051】更に、上記芯金部3には、接地された直流
電源12から1.5〔kV〕の電圧が付与されており、
定着時に定着ローラ2及び加圧ローラ3の各々の表面と
記録紙Pの表面との摩擦によって上記定着ローラ2の表
面に生じた正電荷と、トナーの有する負電荷との間に働
く静電引力により、上記定着ローラ2の表面に上記トナ
ーが移行する静電オフセットや、この静電オフセットに
よる複写画像の乱れが防止されている。
【0052】一方、上記定着ローラ2の周囲には、該定
着ローラ2の表面温度を検知するための表面温度検知手
段としてサーミスタ7と、上記定着ローラ2の表面に残
留したトナー等による汚れを除去するクリーニング装置
8と、上記定着ローラ2に巻き付いた記録紙Pを該定着
ローラ2から分離させる分離爪9と、該定着ローラ2の
表面を加熱するための表面加熱手段としてセラミックヒ
ータ10と、上記定着ローラ2の表面が過剰に昇温する
のを防ぐためのサーモスイッチ11とが、配設されてい
る。
【0053】上記定着ローラ2の表面を加熱するセラミ
ックヒータ10は、図1及び図2に示されているよう
に、セラミック基板10aと、銀−パラジウム層10b
と、ガラス層10cと、サーミスタ10dとを備えてい
る。
【0054】上記セラミックヒータ10の有するセラミ
ック基板10aは、耐熱性と電気絶縁性とを兼ね備え、
且つ、低熱容量のセラミックスにて形成されている。
【0055】又、上記セラミックヒータ10の有する銀
−パラジウム層10bは、セラミック基板10aの一方
の面である第一面上にて長手方向に平行に配置されてお
り、通電時にジュール熱を生じて対向した定着ローラ2
の表面へ熱を供給する。
【0056】尚、本実施形態においては、上記銀−パラ
ジウム層10bは、厚みが20〔μm〕にて形成され、
印加電圧120〔V〕により600〔W〕の電力値を出
力するよう設定されている。
【0057】更に、上記セラミックヒータ10の有する
ガラス層10cは、セラミック基板10aの第一面上に
おける銀−パラジウム層10bを除いた残りの領域と、
該銀−パラジウム層10bとをコーティングして保護し
ている。
【0058】又、上記セラミックヒータ10の有するサ
ーミスタ10dは、セラミック基板10aの他方の面で
ある第二面上に接続されて、上記セラミックヒータ10
の加熱温度を検知している。
【0059】一方、上記加圧ローラ13は、アルミニウ
ム6063によりロール状に形成された芯金部14と、
該芯金部14の外周面を導電性シリコーンゴムにて被覆
するための弾性層としてシリコーンゴム層15と、該シ
リコーンゴム層15の外周面を絶縁PFAチューブにて
被覆する離型層16とを備えている。これにより、圧接
時に、定着ローラ2と加圧ローラ13との間に所要の幅
のニップ部Nが形成されることとなる。
【0060】上記加圧ローラ13の有する芯金部14に
は、ダイオード23(本実施形態においては、降伏電圧
2〔kV〕、降伏電流1〔μA〕の高圧整流ダイオード
が用いられている。)を介して接地されていることによ
り、上記加圧ローラ13の表面における極性が、トナー
と逆極性になっている。
【0061】更に、上記加圧ローラ13の周囲には、該
加圧ローラ13の表面温度を検知するための表面温度検
知手段としてサーミスタ18と、上記加圧ローラ13の
表面に残留したトナー等による汚れを除去するクリーニ
ング装置19と、上記加圧ローラ13に巻き付いた記録
紙Pを該加圧ローラ13から分離させる分離爪20と、
該加圧ローラ13の表面を加熱するための表面加熱手段
としてセラミックヒータ21と、上記加圧ローラ13の
表面が過剰に昇温するのを防ぐためのサーモスイッチ2
2とが、配設されている。
【0062】尚、本実施形態においては、上記加圧ロー
ラ13が備えている諸部材の形成値及び設定値は、定着
ローラ2が備えている対応した諸部材の形成値及び設定
値と同様であることから、説明を省略した。
【0063】以上の構成の上記定着装置1には、ニップ
部Nの上流側から搬送されてきた未定着のトナーを担持
している記録紙Pを、上記ニップ部Nへ案内する定着入
口ガイド24が設けられてりる。
【0064】尚、本実施形態においては、表面加熱手段
として上述した構成のセラミックヒータを用いている
が、これに限定されるものではなく、他の形態として、
例えばハロゲンヒータが考えられる。しかし、セラミッ
クヒータと比較して、ハロゲンヒータは、熱を放射状に
輻射して熱供給することから、定着ローラ2及び加圧ロ
ーラ13の各々の所定領域の表面に所望の熱量を供給す
るためには、熱供給の面から非効率であることから、セ
ラミックヒータの様に一方向に熱を輻射して供給する形
態が、表面加熱手段としては望ましい。
【0065】次に、本実施形態におけるハロゲンヒータ
6、ハロゲンヒータ17、セラミックヒータ10、セラ
ミックヒータ21の各々の諸加熱動作の制御に関して図
3及び図4に基づいて説明する。
【0066】図3は、ハロゲンヒータ6、ハロゲンヒー
タ17、セラミックヒータ10、セラミックヒータ21
の各々の諸加熱動作を制御する制御部cのブロック図を
示している。
【0067】上記制御部cは、AD変換器c1,c2,
c3,c4と、制御回路c5と、4進リングカウンタc
6と、AND回路c7,c8,c9,c10とを有して
いる。
【0068】上記サーミスタ7に接続されているAD変
換器c1は、抵抗R1(抵抗値10〔kΩ〕)を介して
電圧5.1〔V〕が印加されている上記サーミスタ7か
ら送信されてきたアナログ信号を、デジタル信号に変換
して制御回路c5に送信するよう設定されている。
【0069】上記サーミスタ18に接続されているAD
変換器c2は、抵抗R2(抵抗値10〔kΩ〕)を介し
て電圧5.1〔V〕が印加されている上記サーミスタ1
8から送信されてきたアナログ信号を、デジタル信号に
変換して制御回路c5に送信するよう設定されている。
【0070】上記サーミスタ10dに接続されているA
D変換器c3は、抵抗R3(抵抗値10〔kΩ〕)を介
して電圧5.1〔V〕が印加されている上記サーミスタ
10dから送信されてきたアナログ信号を、デジタル信
号に変換して制御回路c5に送信するよう設定されてい
る。
【0071】上記サーミスタ21dに接続されているA
D変換器c4は、抵抗R4(抵抗値10〔kΩ〕)を介
して電圧5.1〔V〕が印加されているサーミスタ21
dから送信されてきたアナログ信号を、デジタル信号に
変換して制御回路c5に送信するよう設定されている。
【0072】上記AD変換器c1,c2,c3,c4と
接続している制御回路c5は、定着ローラ2及び加圧ロ
ーラ13の各々の表面温度と、セラミックヒータ10
d,21dの各々の加熱温度とに関する設定値を記録す
るためのメモリ(図示せず)を備えたCPUc11を、
内蔵している。
【0073】又、上記制御回路c5は、CPUc11に
記録されている諸設定値よりも低いデジタル信号をAD
変換器c1,c2,c3,c4の各々から受けると、所
定のON信号X1,X2,X3,X4をAND回路c
7,c8,c9,c10の各々に送信すると共に、所定
の基本クロックを4進リングカウンタC6に送信するよ
う設定されている。
【0074】尚、本実施形態においては、上記基本クロ
ックとして、周期50〔msec〕のクロックが使用さ
れている。
【0075】上記制御回路c5と接続した4進リングカ
ウンタc6は、例えばフリップ・フロップ(図示せず)
等を有するリングカウンタ(図示せず)を環状に連結
し、そのうちの一つのリングカウンタ(図示せず)のみ
をON状態、他のリングカウンタ(図示せず)をOFF
状態にしておき、ON状態が次に連結されたリングカウ
ンタ(図示せず)に移行させていくように設定されてい
る。
【0076】以上の構成の4進リングカウンタc6は、
制御回路c5から送信されてきた基本クロックに基づい
て、図4に示されているように、ON状態の重ならない
四種類のトリガーパルスY1,Y2,Y3,Y4を作り
出して、AND回路c7,c8,c9,c10の各々に
送信する。
【0077】上記制御回路c5及び4進リングカウンタ
c6と接続したAND回路c7は、該制御回路c5から
送信されてきた所定のON信号X1と、上記4進リング
カウンタc6から送信されてきたトリガーパルスY1と
の論理積を採ることにより時分割パルスZ1を作り出し
て、SSR6aに送信するよう設定されている。
【0078】上記制御回路c5及び4進リングカウンタ
c6と接続したAND回路c8は、該制御回路c5から
送信されてきた所定のON信号X2と、上記4進リング
カウンタc6から送信されてきたトリガーパルスY2と
の論理積を採ることにより時分割パルスZ2を作り出し
て、SSR17aに送信するよう設定されている。
【0079】上記制御回路c5及び4進リングカウンタ
c6と接続したAND回路c9は、該制御回路c5から
送信されてきた所定のON信号X3と、上記4進リング
カウンタc6から送信されてきたトリガーパルスY3と
の論理積を採ることにより時分割パルスZ3を作り出し
て、SSR10eに送信するよう設定されている。
【0080】上記制御回路c5及び4進リングカウンタ
c6と接続したAND回路c10は、該制御回路c5か
ら送信されてきた所定のON信号X4と、上記4進リン
グカウンタc6から送信されてきたトリガーパルスY4
との論理積を採ることにより時分割パルスZ4を作り出
して、SSR21eに送信するよう設定されている。
【0081】ここで、上記AND回路c7,c8,c
9,c10が、ON信号X1,X2,X3,X4とトリ
ガーパルスY1,Y2,Y3,Y4との論理積から時分
割パルスZ1,Z2,Z3,Z4を作り出す過程につい
て、図4に基づいて説明する。
【0082】上記サーミスタ7は、定着ローラ2の表面
温度に基づいたアナログ信号をAD変換器c1にてデジ
タル信号に変換させて、制御回路c5に送信している。
【0083】上記制御回路c5は、サーミスタ7からA
D変換器c1を介して送信されてきたデジタル信号の信
号レベルが、メモリ(図示せず)に記録されている定着
ローラ2の表面温度に関する設定値より低いときに、O
N信号X1をAND回路c7に送信する。
【0084】そして、上述と同様の流れを経て、上記制
御回路c5からAND回路c8,c9,c10へON信
号X2,X3,X4が送信される。
【0085】上記制御回路c5は、上記ON信号X1,
X2,X3,X4を制御回路c5へ送信すると共に、基
本カウンタを4進リングカウンタc6へ送信する。
【0086】上記基本カウンタを受けた4進リングカウ
ンタc6は、四つのリングカウンタ(図示せず)のうち
の一つのリングカウンタ(図示せず)にて、上記基本カ
ウンタよりトリガーパルスY1を作り出す。
【0087】ところで、上記4進リングカウンタc6で
は、四つのリングカウンタ(図示せず)において、O
N、OFF状態が四つのリングカウンタ(図示せず)を
次々に移行していくため、任意のリングカウンタ(図示
せず)がON状態からOFF状態に移行すると同時に、
このリングカウンタ(図示せず)に連結されているリン
グカウンタ(図示せず)がOFF状態からON状態に立
ち上げられる。
【0088】故に、上記基本カウンタよりトリガーパル
スY1を作り出したリングカウンタ(図示せず)に連結
されているリングカウンタ(図示せず)において、トリ
ガーパルスY2が作り出される。以下同様にして、4進
リングカウンタc6にて、上記トリガーパルスY2から
トリガーパルスY3が形成され、該トリガーパルスY3
からトリガーパルスY4が形成される。
【0089】以上の流れを経て、上記4進リングカウン
タc6がトリガーパルスY1,Y2,Y3,Y4を作り
出してAND回路c7,c8,c9,c10に送信す
る。
【0090】上記AND回路c7は、制御回路c5から
送信されてきたON信号X1と、4進リングカウンタc
6から送信されてきたトリガーパルスY1との論理積を
採ることにより、時分割パルスZ1を作り出してSSR
6aに送信する。
【0091】以下同様にして、AND回路c8,c9,
c10により、ON信号X2とトリガーパルスY2との
論理積から時分割パルスZ2が、又、ON信号X3とト
リガーパルスY3との論理積から時分割パルスZ3が、
更には、ON信号X4とトリガーパルスY4との論理積
から時分割パルスZ4が、各々、作り出されて、SSR
17a,SSR10e,SSR21eへ送信される。
【0092】上記時分割パルスZ1を受けたSSR6a
は、該時分割パルスがON状態にある間のみ、交流電源
6bからハロゲンヒータ6に通電させる。これにより、
ハロゲンヒータ6は、上記時分割パルスZ1がON状態
にあるときのみ定着ローラ2に熱を供給することとな
る。
【0093】以下同様にして、ハロゲンヒータ17及び
セラミックヒータ10,21による加熱動作が、SSR
17a,SSR10e,SSR21eの各々から交流電
源17b,10f,21fへの通電により、制御される
こととなる。
【0094】以上のようにして、ハロゲンヒータ6,1
7、セラミックヒータ10,21の各々による加熱動作
が時分割にて制御されるので、定着装置1における最大
消費電力を最小限に抑えることができた。次に、A4サ
イズ、坪量128〔g/m2〕の記録紙Pを用いて、上
記定着装置1により為された以下の四実験、すなわち、
実験1から実験4までに関して説明する。尚、定着動作
開始時における定着ローラ2及び加圧ローラ13の各々
の表面温度は、共に190〔℃〕に設定した。
【0095】
【実験1】 セラミックヒータ10,21に加熱動作を
行わせずに、モノカラーにてスループット12〔枚/
分〕の定着動作が為されたときの定着ローラ2及び加圧
ローラ3の表面温度の降下値の測定。
【0096】
【実験2】 セラミックヒータ10,21に加熱動作を
行わせて、モノカラーにてスループット12〔枚/分〕
の定着動作が為されたときの定着ローラ2及び加圧ロー
ラ3の表面温度の降下値の測定。
【0097】
【実験3】 セラミックヒータ10,21に加熱動作を
行わせずに、フルカラーにてスループット3〔枚/分〕
の定着動作が為されたときの定着ローラ2及び加圧ロー
ラ3の表面温度の降下値の測定。
【0098】
【実験4】 セラミックヒータ10,21に加熱動作を
行わせて、フルカラーにてスループット3〔枚/分〕の
定着動作が為されたときの定着ローラ2及び加圧ローラ
3の表面温度の降下値の測定。
【0099】尚、実験1は、従来の定着装置49により
モノカラー定着動作が為されたものに対応し、又、実験
3は、上記定着装置49によりフルカラー定着動作が為
されたものに対応している。
【0100】
【表1】 表1は、実験1から実験4までの各々に対して得られた
定着ローラ2及び加圧ローラ3の各々の表面温度の降下
値を示している。
【0101】表1からも分かるように、モノカラー定着
の場合には、実験1と実験2との比較から、セラミック
ヒータ10,21の加熱動作により、定着ローラ2で
は、表面温度の降下値が7〔℃〕小さくなり、加圧ロー
ラ13では、表面温度の降下値が5〔℃〕小さくなると
いう結果が得られた。
【0102】又、フルカラー定着の場合には、実験3と
実験4との比較から、セラミックヒータ10,21の加
熱動作により、定着ローラ2では、表面温度の降下値が
約6〜7〔℃〕小さくなり、加圧ローラ13では、表面
温度の降下値が約5〜6〔℃〕小さくなるという結果が
得られた。
【0103】以上からも分かるように、本実施形態の定
着装置1に備えられたセラミックヒータ10,21の加
熱動作により、モノカラー及びフルカラー定着時におけ
る定着ローラ2及び加圧ローラ13の各々の表面温度の
降下値が、抑えられるという結果が得られ、これによ
り、コールドオフセットの発生が抑えられて、可視レベ
ルの画像光沢度のムラ及び印字濃度のムラのない高品質
な複写画像を得ることができた。
【0104】更に、本実施形態の制御回路c5から4進
リングカウンタc6へ、周期等の異なる複数の基本カウ
ンタのうちのいずれか一つの基本カウンタが送信される
よう上記制御回路c5を設定すると共に、サーミスタ
7,18,10d,21dの検知に基づいて、上記制御
回路c5が、該制御回路c5から上記4進リングカウン
タc6へ送信される基本カウンタを所定時間ごとに設定
するようにしたところ、図5に示されているようなセラ
ミックヒータ10,21の加熱動作が実現されて、定着
時における定着ローラ2及び加圧ローラ13の各々の表
面温度の降下値を約5〔℃〕に小さくすることができ
た。
【0105】次に、上記定着装置1を活用せる画像形成
装置25に関して、図6に基づいて説明する。
【0106】上記画像形成装置25には、回動可能に軸
支されている感光ドラム26が設けられており、該感光
ドラム26は、複写動作が為されるときには、上記画像
形成装置25に設けられている駆動手段(図示せず)に
より駆動されて、時計回りの方向に所定の周速度である
プロセススピードにて回動するよう設定されている。
【0107】上記感光ドラム26の周囲には、該感光ド
ラム26の表面をコロナ放電にて均一に所定の極性及び
電圧に設定して帯電する帯電器27と、上記感光ドラム
26の表面上に上記帯電器27により付与された電荷に
レーザLaが露光することにより形成された静電潜像に
マゼンダ、シアン、イエロー、ブラックの各色の現像剤
としてのトナーを付与して各色に対応したトナー像を形
成する現像装置28M,28C,28Y,28Bと、画
像形成装置25に回動可能に軸支されており、上記感光
ドラム26の回動に従動するよう該感光ドラム26の下
方から該感光ドラム26に圧接して上記トナー像を、一
且、担持する、すなわち、中間転写する中間転写ドラム
30と、該中間転写ドラム30に担持されることなく上
記感光ドラム26の表面上に残留したトナー等の汚れを
除去するクリーニング装置40とが配設されている。
【0108】尚、本実施形態においては、現像剤として
用いられているトナーの一例として、物性値として体積
平均粒径約10〔μm〕、固有電荷量約−25〔μc/
g〕を有し非磁性且つ負極性の一成分トナーが用いられ
ている。
【0109】上記現像装置28M,28C,28Y,2
8Bの各々には、トナーを収容しているトナー収容部
(図示せず)から感光ドラム26上に形成されている上
記静電潜像に上記トナーを担持し搬送して現像するよ
う、現像スリーブ29M,29C,29Y,29Bの各
々が上記現像装置28M,28C,28Y,28Bの各
々に回動可能に軸支されている。
【0110】尚、上記現像装置28M,28C,28
Y,28Bは、例えば上記現像装置28Mによる現像動
作が為されている間、感光ドラム26上に形成されたマ
ゼンダのトナーによるトナー像(顕像)に影響を与えな
いために、上記現像装置28M,28C,28Y,28
Bのうちのいずれか一つが現像動作を為している間残り
の装置の現像動作が為されないように設定されている。
【0111】上記中間転写ドラム30は、ロール状に形
成されている芯金部31と、該芯金部31の外周面を被
覆する弾性層32とから構成されており、上記中間転写
ドラム30は、画像形成装置25においてA3サイズの
記録紙Pが繰り返し用いられるため、周長値を上記記録
紙の長手方向に沿った長さよりも若干長い565〔m
m〕になるよう外径を180〔mm〕に設定されてい
る。
【0112】上記弾性層32はシリコーンゴム、テフロ
ンゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、EPDM等
に、カーボン、酸化亜鉛等の金属酸化物を配合し分散す
ることにより体積抵抗率値が105〜1011〔Ω・c
m〕の中抵抗の範囲に収まるよう調整されている、シリ
ッドあるいは発泡肉質である層にて厚み8〔mm〕に形
成されており、上記弾性層32の有する硬度はアスカー
C硬度20〜40〔°〕の範囲に収められている。
【0113】上記中間転写ドラム30の有する芯金部3
1には、感光ドラム26から上記中間転写ドラム30へ
の移行を円滑にするため、上記トナー像の有する極性
(本実施形態に関しては、マイナスである。)とは逆極
性(本実施形態に関しては、プラスである。)のバイア
スを印加するバイアス電源36(印加電圧値+2〔k
V〕〜+5〔kV〕)と、上記トナー像の有する極性と
同極性(本実施形態に関しては、マイナスである。)の
バイアスを印加するバイアス電源37とが電気的に接続
されている。
【0114】ここで、本実施形態において、上記弾性層
32の有する抵抗値を中抵抗の範囲に収めた理由及びこ
れにより得られる利点に関して説明する。
【0115】上記感光ドラム26の表面に形成されたト
ナー像が中間転写ドラム30の表面に中間転写される際
に、該中間転写ドラム30の表面は、上記トナー像にて
形成される画像領域(図示せず)とこれ以外の非画像領
域(図示せず)とに分けられる。
【0116】上記トナー像は所定の極性を有しているた
め、画像領域(図示せず)の有する電位と非画像領域
(図示せず)の有する電位とは一致しない。故に、感光
ドラム26と上記非画像領域(図示せず)との電位差が
上記感光ドラム26と上記画像領域(図示せず)との電
位差よりも大きくなるので、バイアス電源36から中間
転写ドラム30に流される電流である中間転写電流は上
記画像領域(図示せず)よりも上記非画像領域(図示せ
ず)により多くの中間転写電流が流れてしまう。
【0117】上述した傾向は弾性層32の有する抵抗値
を中抵抗の範囲よりも低く設定した場合には顕著に見ら
れる。このため、例えば非画像領域(図示せず)に流れ
る中間転写電流値が画像領域(図示せず)に流れる中間
転写電流値の二倍以上になる場合には、感光ドラム26
と中間転写ドラム30との間にてバイアス電源36によ
り形成される電場が上記非画像領域(図示せず)に流れ
る中間転写電流から影響を受けて乱されてトナー像が上
記非画像領域(図示せず)の周辺に「とびちり」が生じ
てしまう。故に、上記弾性層32の有する抵抗値が中抵
抗の範囲よりも低く設定されている場合は、中間転写動
作には適さない。
【0118】又、上記弾性層32の有する抵抗値を中抵
抗の範囲よりも高く設定した場合には、感光ドラム26
と中間転写ドラム30との間にてバイアス電源36によ
り形成される電場が余りに小さくなるために、上記弾性
層32の有する抵抗値が中抵抗の範囲よりも高く設定さ
れている場合は、中間転写動作自体が損なわれてしま
う。
【0119】以上から、本実施形態においては、上記弾
性層32の有する抵抗値は105〜1011〔Ω・cm〕
の中抵抗の範囲(好ましくは107〜1010〔Ω・c
m〕の範囲)に収まるよう設定されている理由である。
【0120】よって、本実施形態に用いられている弾性
層32により、バイアス電源36からのバイアス印加に
対し常時安定して適正な中間転写動作が為されるという
利点が得られた。
【0121】以上の構成の中間転写ドラム30が感光ド
ラム26に対して所定の加圧値にて圧接することによ
り、上記転写ドラム30と上記感光ドラム26との間に
て所定の幅を有する中間転写ニップN1が形成されてい
る。
【0122】上記中間転写ドラム30の下方には、上記
中間転写ドラム30の回動に従動するよう、回動可能に
軸支されている転写ドラム33が上記中間転写ドラム3
0の下方から該中間転写ドラム30に圧接して設けられ
ている。
【0123】上記転写ドラム33は、ロール状に形成さ
れた芯金部34と、中間転写ドラム30と上記転写ドラ
ム33との間にて所要の幅を有する転写ニップN2が得
られるよう上記芯金部34の外周面を被覆する中抵抗の
弾性層35とから構成されている。
【0124】以上の構成の転写ドラム33を設けること
により、記録紙Pは転写ニップN2にて中間転写ドラム
30と上記転写ドラム33とにより挟持搬送されつつ上
記中間転写ドラム30からトナー像が転写されるよう設
定されている。
【0125】尚、本実施形態においては、更に、上記ト
ナー像の以下に示す移行、すなわち、中間転写ドラム3
0から転写ドラム33への移行と、該転写ドラム33か
ら記録紙Pへの移行とを円滑にするため、上記転写ドラ
ム33の有する芯金部34には、上記トナー像の有する
極性とは逆極性(本実施形態に関しては、プラスであ
る。)のバイアスを印加するバイアス電源38と、上記
トナー像の有する極性とは同極性(本実施形態に関して
は、マイナスである。)のバイアスを印加するバイアス
電源39とが電気的に接続されている。
【0126】以上の構成の画像形成装置25により、一
連の複写動作が以下の流れにより為される。
【0127】上記画像形成装置25に設けられている画
像読み込み手段(図示せず)が色分解にて読み込んだ原
稿(図示せず)の、例えばマゼンダに対応する、原稿画
像に基づいて、レーザスキャナ(図示せず)等を有する
画像露光手段(図示せず)が感光ドラム26の表面の帯
電器27により付与された電荷にレーザLaを露光し
て、マゼンダに対応した不可視形態の静電潜像を上記感
光ドラム26の表面上に形成する。
【0128】次に、上記感光ドラム26の表面上の静電
潜像が形成された領域である静電領域が上記感光ドラム
の時計回りの方向への回動により現像装置28Mに対向
した時に、上記感光ドラム26の表面上に、現像スリー
ブ29Mからマゼンダのトナーが付与されて可視形態の
マゼンダのトナー像の領域であるトナー領域が形成され
る。
【0129】更に、上記感光ドラム26の表面上に形成
されたトナー領域が上記感光ドラムの時計回りの方向へ
の回動により中間転写ニップN1に達した時に、中間転
写ドラム30の有する芯金部31にバイアス電源36か
らトナー像の有する極性とは逆極性のバイアスが印加さ
れて上記感光ドラム26と上記中間転写ドラム30との
間にて電場が形成されることにより、上記トナー像が上
記中間転写ドラム30の表面上に中間転写される。
【0130】上記中間転写ドラム30にトナー像を中間
転写し終えた感光ドラム26の表面上に残留したトナー
等の汚れは、クリーニング装置40より除去される。
【0131】以下、上述と同様の過程により、例えば、
シアン、イエロー、ブラックの順に現像画像の読み込み
動作から各々の色に対応するトナー像の中間転写材ドラ
ム30への中間転写動作が為されることにより、四色の
トナー像が原稿画像に一致するよう上記中間転写材ドラ
ム30の表面上に四層にて積層される。
【0132】尚、本実施形態においては、上記感光ドラ
ム26から中間転写ドラム33への中間転写動作が為さ
れている間、転写ドラム33の有する芯金部34がバイ
アス電源39からトナー像の有する極性と同極性のバイ
アスを印加させて中間転写ドラム30から上記転写ドラ
ム33に向かう電場を発生させることにより、上記トナ
ー像が上記中間転写ドラム30から上記転写ドラム33
に移行するのを防止している。
【0133】一方、ユーザーが複写を希望するサイズの
記録紙Pは、画像形成装置25に設けられている給送カ
セットKから、上記画像形成装置25に設けられている
レジストローラRによる長手方向の向きの修正及び転写
ニップN2への搬送時期のタイミング調整等を受けつ
つ、上記転写ニップN2へと搬送されてくる。
【0134】上記記録紙の搬送動作が為されている間、
転写ドラム33の有する芯金部34の電気的な接続はバ
イアス電源39からバイアス電源38に切り換わって上
記芯金部34は上記バイアス電源38よりトナー像の有
する極性とは逆極性のバイアスを印加される。
【0135】尚、本実施形態においては、転写ドラム3
3がバイアス電源38より印加されるバイアスの絶対値
が、中間転写ドラム30がバイアス電源36より印加さ
れるバイアスの絶対値よりも大きくなるよう設定されて
いる。
【0136】上記バイアス電源38にてトナー像の有す
る極性とは逆極性のバイアスの転写ドラム33への印加
動作が為された後、記録紙が転写ニップN2に達する
と、該記録紙Pは中間転写ドラム30と上記転写ドラム
33とに挟持搬送されると同時に四色のトナーが四層に
て上記中間転写ドラム30の表面上に積層されたトナー
像の上記中間転写ドラム30からの転写が為される。
【0137】尚、本実施形態においては、上記記録紙P
への転写動作を為されると、中間転写ドラム30の有す
る芯金部31及び転写ドラム33の有する芯金部34の
電気的な接続は、各々、バイアス電源37からバイアス
電源36及びバイアス電源38からバイアス電源39に
切り換えられることにより、上記中間転写ドラム30は
トナー像の有する極性と同極性のバイアスが、又、上記
転写ドラム33はトナー像の有する極性とは逆極性のバ
イアスが印加されるよう設定されている。
【0138】上述した電気接続の切り換えにて、上記中
間転写ドラム30の表面上にて転写動作に用いられるこ
となく残留したトナー等の汚れが感光ドラム26の表面
上に戻されることにより、上記中間転写ドラム30の表
面は、この汚れがクリーニング装置40に回収されるこ
とにより、清掃される。
【0139】故に、本実施形態の画像形成装置25にお
いては上述した電気接続の切り換えによる清掃方法が為
されることから、クリーニング装置40のみを設置する
という簡単な構成により上記中間転写ドラム30及び転
写ドラム33の表面の清掃を為すことができるという利
点が得られた。
【0140】上記トナー像の転写動作が為された記録紙
Pは、カラー画像形成装置25に設けられている搬送路
Ruを介して定着装置1へと搬送されて、上記トナー像
は定着ローラ2と加圧ローラ13との熱及び圧力により
為される定着動作にて上記トナー像が溶融し混色されて
定着される。
【0141】以上の流れを経た上記記録紙Pは画像形成
装置25の外部に排紙されることで、複写動作が終了す
る。
【0142】(第二の実施形態)次に、本発明の第二の
実施形態の定着装置41に関して図7に基づいて説明す
る。尚、第一の実施形態の定着装置1と共通の部材等は
同符号を付すことにより説明を省略する。
【0143】上記定着装置41においては、予備加熱手
段としてセラミックヒータ42が定着入口ガイド24に
設けられており、定着動作が為される前に、上記セラミ
ックヒータ42により記録紙P及び該記録紙P上に担持
されているトナーが、上記定着入口ガイド24にて予備
的に加熱される。この加熱動作により、定着時に熱伝導
により定着ローラ2及び加圧ローラ13から上記記録紙
Pに吸収される熱量が抑えられて、上記定着ローラ2及
び加圧ローラ13の各々の表面温度の降下値を抑えるこ
とができる。
【0144】尚、上記セラミックヒータ42の構成は第
一の実施形態におけるセラミックヒータ10,21と同
様であるが、上記セラミックヒータ42に設置されてい
る銀−パラジウム層10b,21bは、印加電圧120
〔V〕により電力値800〔W〕を出力するよう設定さ
れている。
【0145】以上の構成の定着装置41に備えられたセ
ラミックヒータ42の加熱動作により、定着時に熱伝導
により定着ローラ2及び加圧ローラ13から上記記録紙
Pに吸収される熱量が抑えられて、第一の実施形態にお
いて為された実験と同種の実験を行ったところ、上記定
着ローラ2及び加圧ローラ13の各々の表面温度の降下
値が、モノカラー定着にて約20〔℃〕及び12〔℃〕
に抑えるという結果が得られて、コールドオフセットの
発生が抑えられて、可視レベルの画像光沢度のムラ及び
印字濃度のムラのない高品質な複写画像を得ることがで
きた。
【0146】又、本実施形態における定着装置41は、
セラミックヒータ42の設置個数及び設置位配等に関し
て、第一の実施形態の定着装置1よりも簡単な構成とな
るという利点を有することもできた。
【0147】尚、本実施形態の定着装置41を活用せる
画像形成装置は、図6に示した画像形成装置25と同様
の構成であるので、上記画像形成装置の構成及びこれに
よる複写動作の一連の過程は、説明を省略する。
【0148】(第三の実施形態)次に、本発明の第三の
実施形態の定着装置43に関して図8に基づいて説明す
る。尚、第一の実施形態の定着装置1と共通の部材等は
同符号を付すことにより説明を省略しする。
【0149】上記定着装置43には、図8に示されてい
るように、加圧部材としての加圧ローラ13の回動に従
動するよう定着部材としての定着部44が上記加圧ロー
ラ13の上方から該加圧ローラ13に圧接して設けられ
ている。
【0150】上記定着部44は、内部加熱手段及び表面
加熱手段を兼ねたセラミックヒータ45と、加圧ローラ
13の回動に従動しながら上記セラミックヒータ45の
一方の面である第一面に摺動するよう上記セラミックヒ
ータ45と上記加圧ローラ13との間にて挟持されてい
る円筒状に形成されたフィルム46と、上記セラミック
ヒータ45を第一面が下方に向いて露呈するよう保持す
る耐熱性のフィルムガイド47にて構成されており、上
記フィルム46が上記セラミックヒータ45の第一面に
摺動するときに、この第一面から熱が供給されるよう設
定されている。
【0151】つまり、上記定着装置43はフィルム46
がフィルムガイド47の外側にてルーズに外嵌されてい
る、いわゆる、テンショレスタイプ・加圧ローラ駆動式
によるフィルム加熱方式を用いている形態の定着装置で
ある。
【0152】一方、加圧ローラ13の周囲には、表面加
熱手段としてセラミックヒータ48が配設されている。
【0153】尚、上記セラミックヒータ45,48は第
一の実施形態にて説明されたセラミックヒータ10,2
1と同様の構成であるので上記セラミックヒータ46の
構成の説明は省略する。
【0154】上記フィルム46は、内側から順に、一般
に300〔℃〕以上の高温にて連続使用に耐える耐熱性
を有する高分子物質、すなわち、耐熱性高分子であるポ
リイミド等により厚みが40〔μm〕程度にて形成され
ている耐熱層(図示せず)と、この耐熱層(図示せず)
の外周面を第一の実施形態にて説明されたシリコーンゴ
ムにて被覆する弾性層としてのシリコーンゴム層(図示
せず)と、このシリコーンゴム層(図示せず)の外周面
を第一の実施形態にて説明された絶縁PFAチューブに
て被覆する離型層(図示せず)とが積層することにより
構成されており、上記シリコーンゴム層(図示せず)及
び上記離型層(図示せず)は各々100〔μm〕及び2
0〔μm〕の厚みにて形成されている。
【0155】上記フィルムガイド47は定着装置43の
本体に設けられている固定部材(図示せず)にて上記定
着装置43に固定されている。
【0156】以上の構成の定着装置43に備えられたセ
ラミックヒータ45,48の加熱動作により、定着時に
熱伝導により加圧ローラ13から上記記録紙Pに吸収さ
れる熱量が抑えられて、第一の実施形態において為され
た実験と同種の実験を行ったところ、上記加圧ローラ1
3の表面温度の降下値が約5〔℃〕小さくなるという結
果が得られて、コールドオフセットの発生が抑えられ
て、可視レベルの画像光沢度のムラ及び印字濃度のムラ
のない高品質な複写画像を得ることができた。尚、本実
施形態の定着装置43を活用せる画像形成装置は、図6
に示した画像形成装置25と同様の構成であるので、上
記画像形成装置の構成及びこれによる複写動作の一連の
過程は、説明を省略する。
【0157】
【発明の効果】以上説明したように、本出願に係る第一
の発明によれば、表面加熱手段による定着部材及び加圧
部材の各々の表面への加熱動作、又は、定着動作の為さ
れる前の予備加熱手段による転写材への加熱動作の二つ
の加熱動作のうちの少くとも一方が為されるので、熱伝
導にて上記定着部材及び上記加圧部材の各々の表面から
上記転写材に奪われた熱量が、上記外部加熱手段の加熱
動作により補われる、又は、上記予備加熱手段の加熱動
作により抑制されるて、上記定着部材及び上記加圧部材
の各々の表面温度が、定着動作の開始時に内部加熱手段
により設定された表面温度の近傍に維持されて、コール
ドオフセットの発生を抑えることができることにより、
高品質な複写画像を安定してユーザーに提供することが
できる。
【0158】又、本出願に係る第二の発明によれば、表
面加熱手段が定着部材及び加圧部材の各々の表面を加熱
するので、定着時に、熱伝導にて上記定着部材及び上記
加圧部材の各々の表面から上記転写材に奪われた熱量
が、上記表面加熱手段の加熱動作により補われて、上記
定着部材及び上記加圧部材の各々の表面温度が、定着動
作の開始時に内部加熱手段により設定された表面温度の
近傍に維持されて、コールドオフセットの発生を抑える
ことができることにより、高品質な複写画像を安定して
ユーザーに提供することができる。
【0159】更に、本出願に係る第三の発明によれば、
定着動作が為される前に、予備加熱手段が転写材を予備
的に加熱するので、定着時に、熱伝導にて上記定着部材
及び上記加圧部材の各々の表面から上記転写材に奪われ
る熱量が抑えられて、上記定着部材及び上記加圧部材の
各々の表面温度が、定着動作の開始時に内部加熱手段に
より設定された表面温度の近傍に維持されて、コールド
オフセットの発生を抑えることができることにより、高
品質な複写画像を安定してユーザーに提供することがで
きる。
【0160】又、本出願に係る第四の発明によれば、表
面加熱手段による定着部材及び加圧部材の各々の表面へ
の加熱動作と、定着動作の為される前の予備加熱手段に
よる転写材への加熱動作とが為されるので、定着時に、
熱伝導にて上記定着部材及び上記加圧部材の各々の表面
の各々から上記転写材に奪われる熱量が上記予備加熱手
段の加熱動作により抑制され、更に、熱伝導にて上記定
着部材及び上記加圧部材の各々の表面から上記転写材に
奪われた熱量が上記外部加熱手段の加熱動作により補わ
れて、上記定着部材及び上記加圧部材の各々の表面温度
が、定着動作の開始時に内部加熱手段により設定された
表面温度の近傍に維持されて、コールドオフセットの発
生を抑えることができることにより、高品質な複写画像
を安定してユーザーに提供することができる。
【0161】更に、本出願に係る第五の発明によれば、
上記第一の発明ないし上記第四の発明のうちの一つの内
部加熱手段、表面加熱手段及び予備加熱手段の各々によ
る加熱動作が、時分割にて為されるので、諸加熱動作に
て消費される電力量が最小限度にまで抑えられることが
できる。
【0162】又、本出願に係る第六の発明によれば、表
面加熱手段又は予備加熱手段のうちの少くとも一方の手
段により為される加熱動作の設定は、定着部材及び加圧
部材の各々の表面温度の変動を検知する表面温度検知手
段に基づいて為されるので、上記定着部材及び上記加圧
部材の各々の表面温度が、定着動作の開始時に内部加熱
手段により設定された表面温度に維持されて、コールド
オフセットの発生を抑えることができることにより、高
品質な複写画像を安定してユーザーに提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における第一の実施形態の定着装置の概
略構成を示す主断面図である。
【図2】本発明における第一の実施形態の定着装置に設
けられたセラミックヒータの斜視図を示している。
【図3】本発明における第一の実施形態の定着装置にお
ける加熱動作を時分割にて制御する制御回路の概略図を
示している。
【図4】図4の制御部による制御動作のタイムチャート
を示した図である。
【図5】定着ローラ及び加圧ローラの各々の表面温度の
変動に基づいた時分割にて為されるセラミックヒータの
加熱動作を示したグラフである。
【図6】本発明における第一の実施形態の定着装置を活
用せる画像形成装置の概略構成を示す主断面図である。
【図7】本発明における第二の実施形態の定着装置の概
略構成を示す主断面図である。
【図8】本発明における第三の実施形態の定着装置の概
略構成を示す主断面図である。
【図9】従来における第一の定着装置を活用せる画像形
成装置の概略構成を示す主断面図である。
【図10】従来の定着装置にて連続複写動作が為された
場合での定着ローラ及び加圧ローラの各々の表面温度の
変遷を示したグラフである。
【符号の説明】
2 定着ローラ(定着部材) 4 シリコーンゴム層(弾性層) 6 ハロゲンヒータ(内部加熱手段) 7 サーミスタ(表面温度検知手段) 10 セラミックヒータ(表面加熱手段) 13 加圧ローラ(加圧部材) 15 シリコーンゴム層(弾性層) 17 ハロゲンヒータ(表面加熱手段) 18 サーミスタ(表面温度検知手段) 21 セラミックヒータ(表面加熱手段) 42 セラミックヒータ(予備加熱手段) 45 セラミックヒータ(内部加熱手段及び表面加熱手
段) 46 フィルム(定着部材)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状の転写材の一方の面に現像剤を
    熱にて定着する定着部材と、熱による定着動作が為され
    ている間、上記転写材の他方の面に加圧するよう上記定
    着部材に圧接する加圧部材と、該定着部材及び該加圧部
    材を各々の内側から加熱する内部加熱手段とを有し、上
    記定着部材及び上記加圧部材のうちの少くとも該定着部
    材の表面が弾性層により被覆されている定着装置におい
    て、上記定着部材及び上記加圧部材の各々の表面を加熱
    する表面加熱手段と、又は、ニップ部の上流側に位置し
    た予備加熱位置にて、定着動作が為される前に、上記転
    写材及び上記現像剤を予備的に加熱する予備加熱手段と
    の二つの手段のうちの少くとも一方の手段を備えている
    ことを特徴とする定着装置。
  2. 【請求項2】 二つの手段のうち表面加熱手段を備えて
    いることとする請求項1に記載の定着装置。
  3. 【請求項3】 二つの手段のうち予備加熱手段を備えて
    いることとする請求項1に記載の定着装置。
  4. 【請求項4】 表面加熱手段及び予備加熱手段の両方を
    備えていることとする請求項1に記載の定着装置。
  5. 【請求項5】 内部加熱手段、表面加熱手段及び予備加
    熱手段の各々による加熱動作が、時間分割により為され
    ることとする請求項1ないし請求項4のうちの1項に記
    載の定着装置。
  6. 【請求項6】 表面加熱手段又は予備加熱手段のうちの
    少くとも一方の手段により為される加熱動作の設定は、
    定着部材及び加圧部材の各々の表面温度の変動を検知す
    る表面温度検知手段に基づいて為されることとする請求
    項1ないし請求項5のうちの1項に記載の定着装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007025237A (ja) * 2005-07-15 2007-02-01 Ricoh Co Ltd 定着装置及び画像形成装置
US7251427B2 (en) 2003-02-18 2007-07-31 Canon Kabushiki Kaisha Heating apparatus
US7519320B2 (en) 2005-10-31 2009-04-14 Canon Kabushiki Kaisha Image heating apparatus in which heater for heating heat roller is outside heat roller

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