JP3219369B2 - 定着ローラ - Google Patents

定着ローラ

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JP3219369B2
JP3219369B2 JP06550496A JP6550496A JP3219369B2 JP 3219369 B2 JP3219369 B2 JP 3219369B2 JP 06550496 A JP06550496 A JP 06550496A JP 6550496 A JP6550496 A JP 6550496A JP 3219369 B2 JP3219369 B2 JP 3219369B2
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    • G03G15/20Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat
    • G03G15/2003Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat
    • G03G15/2014Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat using contact heat
    • G03G15/2053Structural details of heat elements, e.g. structure of roller or belt, eddy current, induction heating

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は定着ローラに関し、
更に詳しくは、複写機、プリンター、ファクシミリなど
において、電子写真方式等により記録シートに転写され
たトナー画像などを熱定着する装置に組み込まれる定着
ローラに関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式を用いる装置、例えば、レ
ーザプリンタなどは、回転する感光体ドラムを有し、こ
の感光体ドラムの感光体を一様に帯電させたのちレーザ
走査ユニットからのレーザビームによって露光して静電
潜像を形成し、その静電潜像をトナーによって現像して
トナー像とし、そのトナー像を記録シート上に転写さ
せ、更にその記録シートを熱定着装置に通過させてトナ
ー像を熱定着するように構成されている。
【0003】従来のこのような熱定着装置においては、
例えば、アルミニウムなどの中空円筒からなる芯金の外
周面にトナーの粘着を防止するための弗素樹脂層などか
らなる粘着防止層を設けた定着ローラが使用されている
が、このような定着ローラは芯金の中空部に回転中心線
に沿ってハロゲンランプなどのヒータを配置し、その幅
射熱によって定着ローラを内側から加熱するようになっ
ている。そして定着ローラと平行にこれに圧接する加圧
ローラを設けて、加圧ローラと定着ローラとの間に記録
シートを通過させることにより記録シート上に付着して
いるトナーが定着ローラの熱により軟化し、加圧により
記録シート上に定着されるようになっている。
【0004】しかし、こうした熱定着装置では、起動時
に電源が投入されてから定着ローラの表面が定着に必要
な温度に達するまでに比較的に長いウォームアップ時間
がかかる。そこで、一般には主電源を投入したときに定
着ローラのヒータにも通電を開始して定着ローラを予備
加熱しておく方法が取られているが、これでは電力を浪
費するため、これを避ける目的で、定着ローラのウォー
ムアップ時間を短縮する手段が種々提案されている。
【0005】例えば、ローラの周表面または周表面近傍
に抵抗発熱層を設ける方法(特開昭55−164860
号公報、特開昭56−138766号公報、特開平2−
285383号公報など)、ローラの中空部の内面を黒
化することにより幅射率を高め熱の吸収効率を挙げる方
法、同じく内面に凹凸を設けて表面積を大きくする方法
(特開平4−34483号公報、特開平4−13438
7号公報など)、ローラをヒートパイプで構成する方法
(特開平3−139684号公報)、ローラを電磁誘導
加熱する方法(実開平4−55056号公報)、ローラ
を導電性弾性材料で構成し、これに通電して直接に発熱
させる方法(特開平4−186270号公報)、正特性
サーミスタ材料を用いた円筒状ヒータで定着ローラを形
成する方法(特開平4−42185号公報)などが提案
されている。
【0006】従来の定着ローラでは、ウォームアップ時
間を短縮するには、ヒータなどの加熱体に大きなエネル
ギーを投入しなければならないという問題がある。本発
明者は、加熱体を有する定着ローラにおいて、ローラ表
面に非晶質相から結晶相に相転移した際発熱する相転移
層を有する定着ローラが、加熱体に大きなエネルギーを
投入することなくウォームアップ時間を十分に短縮でき
ることを見い出した。
【0007】この定着ローラにおいては、非晶質状態の
相転移層が定着ローラの加熱体により加熱されて結晶化
温度に達したときに結晶化熱を放出し、相転移層の温度
が急速に上昇し、これにより、定着ローラ表面が速やか
に定着可能温度に到達するのでウォームアップ時間を十
分に短縮することができる。そして、この定着ローラ
は、結晶化した相転移層を加熱体により一時的にその融
点以上の温度にまで加熱し、ついで放冷すれば相転移層
は再び非晶質状態に戻るので、再び相転移層を加熱体に
より加熱して結晶化熱を放出させることができるもので
ある。
【0008】しかるに、ここで用いる非晶質物質の結晶
化による発熱は降温時の融点における凝固発熱が防止さ
れ蓄積された内部エネルギーが昇温時に放出されること
を利用するものであるが、発熱が急激であり、周りに伝
熱する速度以上の速度で発熱すると、熱が蓄積して発熱
物質自体が昇温し融点以上に達すると融解してしまい、
いわゆる自己溶融という現象を起こして結晶化による発
熱エネルギーが融解の潜熱に奪われて熱量が周りに伝わ
らずローラ表面温度を速やかに上昇させることが困難に
なるという問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、非晶
質相から結晶相に相転移した際、例えば、カルコゲンを
主成分とする周期律表III族からVI族の非晶質物質から
なる相転移層のように結晶化の際に熱を発生する相転移
層を有する定着ローラにおいて、非晶質物質の自己溶融
現象を防止し、非晶質物質の結晶化による発熱を効率よ
く利用して、定着ローラ表面温度をより速やか上昇させ
ることができ、ウォームアップ時間を十分に短縮するこ
とができる定着ローラを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、 (1)加熱手段を有する芯金上に、非晶質相から結晶相
に変化したとき発熱しかつ非晶質相と結晶相の相転移が
繰り返し行なえる相転移層、該相転移層を被覆する保護
層を有し、しかも、これら相転移層及び/又は保護層中
に非晶質物質の結晶相の熱伝導率より高い熱伝導率を有
し且つ加熱手段による加熱温度より高い融点をもつ熱伝
導物質を混入したことを特徴とする定着ローラが提供さ
れる。
【0011】また本発明によれば、 (2)前記(1)において、相転移層がカルコゲンを主
成分とする周期律表III族からVI族の非晶質物質からな
ることを特徴とする定着ローラ等のローラが提供され
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。本発明における相転移層に用いる材料の一つは、
非晶質相から結晶相に変化した時発熱し、かつ、これら
相転移が繰り返し行なえるものであるが、これに加えて
望ましくは(イ)定着中に溶融することなく融点がトナ
ーの定着温度より高いことが先ずあげられる。現在一般
に使用されている定着温度は180〜200℃のため、
200℃以上のものが好ましい。但し、トナーの材質な
どで定着温度は変化するためこの融点はこの限りではな
い。次に(ロ)結晶質・非晶質の相転移が容易に行なえ
ることがあげられる。
【0013】これらの要件を踏まえて有機材料について
検討すると、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテ
ン、ポリフッ化ビニリデン、ポリオキシメチレン、ポリ
オキシエチレン、ポリオキシテトラメチレン、ポリオキ
シ−ビスクロロメチルトリメチレン、ポリエチレンアジ
ペート、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン−6、
ナイロン−7、ナイロン−8、ナイロン−10、ナイロ
ン−11、ナイロン−12、ナイロン−66、ナイロン
−77、ナイロン−610、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニルアル
コール、ポリフッ化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ
クロロプレン、ポリエチレンオキシド、ポリトリフルオ
ルクロルエチレン、ポリビニルメチルエーテル、ポリア
セタール、ポリフェニレンスルファミド、ポリエーテル
エーテルケトン、熱可塑性フッ素樹脂、全芳香族ポリエ
ステル、ポリアイソタクティックブタジエン、ポリテト
ラメチレンテレフタレートのごとき有機高分子材料を選
定することができる。
【0014】また、これら要件を踏まえた無機材料につ
いて検討すると、(a)Si−S、Si−S−Sb、S
i−Se−As、Si−Se−Sb、Si−Te、Si
−Te−P、Si−Te−As、Si−As−Te、S
i−Ge−As−Te、Ge−S、Ge−S−In、G
e−S−P、Ge−S−As、Ge−Se、Ge−Se
−Te、Ge−Se−P、Ge−Se−As、Ge−S
e−Sb、Ge−Te−P、Ge−Te−As、Ge−
As、Ge−As−Te、Ge−P−S、Ge−S、G
e−Sb−Se、Ge−As−Se、Ge−P−S、A
s−S−Se、As−S−Tl、As−S−Sb、As
−S−Te、As−S−Br、As−S−I、As−S
−Br、As−S−Bi、As−S−Ge、As−S−
Se−Te、As−Sb−Tl−S−Se−Te、As
−Sb−P−S−Se−Te、As−Se−Cu、As
−Se−Ag、As−Se−Au、As−Se−Zn、
As−Se−Cd、As−Se−Hg、As−Se−G
a、As−Se−B、As−Se−Tl、As−Se−
P、As−Se−Sb、As−Se−Te、As−Se
−I、As−Se−In、As−Se−Sn、As−S
e−Pb、As−Se−Ge、As−Se−Bi、As
−Te−Tl、As−Te−I、As−Te−Ge、S
b−S、C−Sなどの合金、(b)P25、B23、A
23、SiO2、GeO2、In23、Te23、S3
2、PbO2、SeO2、K247MaPO3、Na2
25、PbSiO3などの酸化物、(c)B、Ga、
In、Ge、Sn、N、P、As、Sb、Bi、O、S
eの硫化物、(d)Ta、Si、Sn、Pb、P、A
s、Sb、Bi、O、S、Teのセレン化合物、(e)
Ta、Sn、Pb、Sb、Bi、O、Se、As、Ge
のテルル化合物、(f)BeF2AlF3、ZnCl2
AgCl、AgBr、AgI、PbCl2などのハロゲ
ン化物、(g)S、Se、Te、Pbなど、が例示でき
る。
【0015】これらの中でも、カルコゲンを主成分とす
る周期律表III族からVI族の非晶質物質の使用が特に有
効で、具体的には例えば、セレン、セレン・テルル合
金、テルル・ゲルマニウム合金、セレン・インジウム系
合金、テルル・インジウム系合金、セレン・アンチモン
系合金、テルル・アンチモン系合金などが挙げられ、特
にセレン、セレン・テルル合金が好ましい。これらによ
る相移転層は望ましいものである。
【0016】本発明において相転移層を形成するには、
例えば、ステンレス、アルミニウムなどの芯金内にハロ
ゲンランプ、赤外線ランプまたはニクロム線などのヒー
タが内蔵される定着ローラの芯金表面、或いは抵抗発熱
層を有する定着ローラの抵抗発熱層上等に、上記物質を
真空蒸着などによって設けるようにすればよい。相転移
層を被覆する保護層は、トナーなどの粘着を防止するた
め離型層を兼ねてもよく、従来公知の定着ローラにおけ
る離型層の形成と同様の方法によって設けることができ
る。保護層の材料としては、PFA樹脂、FEP樹脂、
PTFEなどのフッ素系樹脂、シリコーン樹脂などが用
いられるが、フッ素樹脂系の熱収縮性チューブが好まし
い。
【0017】ところで、熱伝導物質を含む保護層や相転
移層を形成する際には、それら層のいずれか一方又は両
方の層に、非晶質物質の結晶相の熱伝導率より高い熱伝
導率を有し、かつ加熱手段による加熱温度(定着温度)
より高い融点をもつ熱伝導物質を混入させる必要があ
る。これには例えば、熱伝導物質が分散含有されたPF
A樹脂などの熱収縮性チューブを用いて定着ローラ表面
に形成された相転移層を被覆して保護層を形成する方
法、真空蒸着によってふたつの蒸着源から熱伝導物質と
PFA樹脂等の樹脂とを同時に蒸発させて、定着ローラ
表面に形成された相転移層上に熱伝導性物質を含むPF
A樹脂等の皮膜からなる保護層を形成する方法、相転移
層を真空蒸着などによって形成する際に熱伝導物質の蒸
着源を更に追加して蒸着を行う方法、相転移層形成用の
蒸着源に熱伝導物質を加えて蒸着を行う方法などにより
行えばよい。
【0018】本発明における熱伝導物質としては、相転
移層を構成する非晶質物質を結晶化させてその熱伝導率
を熱伝導率計で測定しあるいは保護層の熱伝導率を同様
にして測定し、その熱伝導率以上の熱伝導率を有する熱
伝導物質を既知の固体物質から適宜選択して用いればよ
い。このような熱伝導物質としては、例えば、アルミニ
ウム、鉄、銅、金、銀などの金属、酸化アルミニウム、
酸化マグネシウム、酸化チタンなどの金属酸化物、テル
ル、アンチモン、カーボン微粒子、繊維状カーボンなど
が挙げられ、中でもAl、Au、Ag、カーボン微粒
子、繊維状カーボン、テルル、アンチモンなどの使用が
好ましい。これら熱伝導物質の添加量は、熱伝導物質の
種類により異なるが、層全体の0〜50重量%の範囲が
適当である。
【0019】
【作用】本発明の定着ローラによれば、相転移層中に非
晶質物質の結晶相の熱伝導率より高い熱伝導率を有する
熱伝導性物質を含ませることにより、加熱体により相転
移層を加熱した時に非晶質物質の結晶化による急激な発
熱が生じた場合にも、その熱をより速やかに定着ローラ
表面へ伝えることができ、非晶質物質の自己溶融現象を
防止し、非晶質物質の結晶化による発熱を効率よく利用
して、定着ローラのウォームアップ時間を十分に短縮す
ることができる。相転移層に含有させるのに適した熱伝
導物質としては、前記のもののうち特にAu、Ag、A
l、Sb又はこれらの混合物である。これらは共蒸着で
きることからも有利であり、相転移層で発生した熱を速
やかに定着ローラ表面に伝えることができる。
【0020】特に、カルコゲンを主成分とする周期律表
III族からVI族の非晶質物質からなる相転移層の結晶化
熱を利用する定着ローラにおいては、相転移層よりも内
部にある加熱体によって定着ローラが加熱され、その熱
は相転移層を通して定着ローラ表面に向かうように流
れ、非晶質状態の相転移層が結晶化温度に達したときに
結晶化熱を放出し、相転移層の温度が急速に上昇し、こ
れにより、定着ローラ表面が速やかに定着可能温度に到
達するのでウォームアップ時間を十分に短縮することが
できるものである。
【0021】非晶質物質の結晶化による相変化の進行の
程度が大きいことはローラ表面温度を迅速に昇温させ、
トナー等の定着温度に達するまでの時間を短くすること
ができるので望ましいが、発熱速度が大きい場合に、周
りへの熱伝導が良くないと、発熱物質自体の過剰の昇温
を招き、遂には発熱物質の融点にまで達してしまい、い
わゆる自己溶融と呼ばれる溶融が起こり、発熱した熱量
が融解のための潜熱に費やされてしまい、外部に熱とし
て出ていかないという現象が生じる。特に、相転移層が
PTFEやPFA等のフッ素系樹脂などの樹脂からなる
保護層や離型層で被覆されている場合には、その熱伝導
が悪いことから相転移層で発生した熱が定着ローラ表面
に流れるのを妨げ、発熱物質のいわゆる自己溶融が発生
しやすいが、本発明においては、保護層や離型層中に非
晶質物質の結晶相の熱伝導率より高い熱伝導率を有する
熱伝導性物質を含ませることによって、相転移層で発生
した熱を速やかに定着ローラ表面に伝えることができ
る。
【0022】例えば、カーボン微粒子、または繊維状カ
ーボンを含むPFA等のフッ素系樹脂の熱収縮性チュー
ブを用いて保護層や離型層を形成することにより相転移
層で発生した熱を速やかに定着ローラ表面に伝えること
ができる。繊維状カーボンを用いた場合には、相転移層
から定着ローラ表面まで繊維を通じて熱が伝わるので、
伝熱がより良好となる。また、フッ素系樹脂とTeを共
蒸着してTeを含むPFA樹脂等の皮膜からなる保護層
や離型層を形成することにより相転移層で発生した熱を
速やかに定着ローラ表面に伝えることができ、さらに相
転移層がSeTe合金の場合には相転移層との密着性が
向上するという利点もある。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を示して説明するが、
本発明はこれにより限定されるものではない。
【0024】実施例1 外径20mm、厚み0.4mmのAl芯金上に、真空蒸
着により蒸着速度5μm/分でTe濃度20wt%のS
eTe合金を0.1mmの厚さに蒸着して相転移層を形
成した。このローラの相転移層上に予めカーボン微粒子
10wt%を分散した導電性PFA樹脂の熱収縮性チュ
ーブを被せ、280℃に加熱して厚さ約20μmの離型
層を形成し、本発明の定着ローラを作製した。なお、T
e濃度20wt%のSeTe合金の結晶相の熱伝導率は
4.9W/m・Kであり、カーボン微粒子の熱伝導率は
7W/m・Kである。
【0025】実施例2 実施例1と同様に相転移層を形成した後、このローラの
相転移層上に繊維状カーボンを5wt%分散したPFA
樹脂の熱収縮性チューブを被せ、260℃に加熱して厚
さ約20μmの離型層を形成し、本発明の定着ローラを
作製した。繊維状カーボンの熱伝導率は100W/m・
Kである。
【0026】実施例3 実施例1、2と同様に相転移層を形成した後、さらに2
つの蒸発源からTeおよびPFAを同時に蒸発させ、相
転移層上にTeがPFAに分散されてなる保護層を形成
し、本発明の定着ローラを作製した。Teの熱伝導率は
c軸方向で3W/m・Kである。
【0027】実施例4 外径20mm、厚み0.4mmのAl芯金上に、Sb濃
度5wt%でTe濃度20wt%のSeTeSb合金を
蒸着速度5μm/分で真空蒸着し厚さ0.1mmの相転
移層を形成した。このローラの相転移層上に純PFAの
チューブ(旭ガラス社製、アフロンPFA)を被せて保
護層を形成し、本発明の定着ローラを作製した。純PF
Aの熱伝導率は0.25W/m・Kであり、金属Sbの
熱伝導率は24W/m・Kである。
【0028】比較例1 実施例1と同様にして相転移層を形成したローラの相転
移層上に純PFAのチューブ(旭ガラス社製、アフロン
PFA)を被せて保護層を形成し、定着ローラを作製し
た。純PFAの熱伝導率は0.25W/m・Kである。
【0029】比較例2 相転移層を設けず、比較例1と同じ純PFAのチューブ
を被せて離型層を形成した従来の定着ローラを作製し
た。
【0030】このようにして得られた定着ローラをリコ
ー製ファクシミリーF17の定着装置に組み込み、芯金
内に設置してあるハロゲンランプヒーターに電力500
Wで入力して定着ローラ表面温度の昇温スピードを比較
した。その結果を表1に示す。なお、立上り時間は、比
較例2を常温から190℃まで30秒で立ち上がるよう
に入力を設定したときの他のサンプルの比較の時間で示
したものである。
【0031】
【表1】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ SampleNo. 立上り時間(sec) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 実施例1 17 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 実施例2 15 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 実施例3 17 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 実施例4 15 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 比較例1 22 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 比較例2 30 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0032】表1から明らかなように、比較例1におい
ては、保護層の熱伝導率が小さく、相転移層で発生した
熱が保護層表面に伝わらず、相転移層の非晶質物質が自
己溶融現象を起こして発熱エネルギーが融解の潜熱に奪
われてローラ表面温度を速やかに上昇させることができ
ないのに対し、実施例においては、相転移層で発生した
熱が保護層表面に速やかに伝わり自己溶融現象もなくロ
ーラ表面温度を速やかに上昇させることができる。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、相転移層及び/または
保護層に非晶質物質の結晶相の熱伝導率より高い熱伝導
率を有する熱伝導性物質を含有させることにより、相転
移層の結晶化によって発生する熱を定着ローラ表面によ
り速やかに伝えることができ、非晶質物質の自己溶融現
象による熱の自己消費がなくなり、結晶化による発熱を
効率よく利用して、定着ローラ表面温度をより速やか上
昇させ、定着ローラのウォームアップ時間を十分に短縮
することができる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱手段を有する芯金上に、非晶質相か
    ら結晶相に変化したとき発熱しかつ非晶質相と結晶相の
    相転移が繰り返し行なえる相転移層、該相転移層を被覆
    する保護層を有し、しかも、これら相転移層及び/又は
    保護層中に非晶質物質の結晶相の熱伝導率より高い熱伝
    導率を有し且つ加熱手段による加熱温度より高い融点を
    もつ熱伝導物質を混入したことを特徴とする定着ロー
    ラ。
  2. 【請求項2】 相転移層がカルコゲンを主成分とする周
    期律表III族からVI族の非晶質物質からなることを特徴
    とする請求項1記載の定着ローラ。
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