JP3276225B2 - 定着ローラ及び定着装置 - Google Patents
定着ローラ及び定着装置Info
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- JP3276225B2 JP3276225B2 JP28684693A JP28684693A JP3276225B2 JP 3276225 B2 JP3276225 B2 JP 3276225B2 JP 28684693 A JP28684693 A JP 28684693A JP 28684693 A JP28684693 A JP 28684693A JP 3276225 B2 JP3276225 B2 JP 3276225B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真用の定着ローラ
及び定着装置に関し、特に電子写真装置において記録シ
ートに転写されたトナー画像を熱定着する装置に組み込
まれる熱定着ローラ及び熱定着装置に関する。
及び定着装置に関し、特に電子写真装置において記録シ
ートに転写されたトナー画像を熱定着する装置に組み込
まれる熱定着ローラ及び熱定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真装置、例えばレーザプリンタな
どは、回転する感光体ドラムを有し、この感光体ドラム
の感光体部位を帯電部によって一様に帯電させたのちレ
ーザスキャナーユニットからのレーザビームによって情
報を静電潜像として記録し、その静電潜像を現像部にお
いてトナーを付着させてトナー像を形成し、そのトナー
像を転写部において搬送されてくる記録シート上に転写
させ、更にその記録シートを熱定着装置を通過させてト
ナー像を熱定着するように構成されている。
どは、回転する感光体ドラムを有し、この感光体ドラム
の感光体部位を帯電部によって一様に帯電させたのちレ
ーザスキャナーユニットからのレーザビームによって情
報を静電潜像として記録し、その静電潜像を現像部にお
いてトナーを付着させてトナー像を形成し、そのトナー
像を転写部において搬送されてくる記録シート上に転写
させ、更にその記録シートを熱定着装置を通過させてト
ナー像を熱定着するように構成されている。
【0003】従来のこのような熱定着装置においては、
図5のようなアルミニウムなどの中空円筒からなる芯金
1の外周面にトナーの粘着を防止するための弗素樹脂層
などからなる粘着防止層2を設けた定着ローラが使用さ
れているが、このような定着ローラは芯金の中空部に回
転中心線に沿ってハロゲンランプなどのヒータを配置
し、その輻射熱によって定着ローラを内側から加熱する
ようになっている。そして定着ローラと平行にこれに圧
接する加圧ローラを設けて、定着ローラの回転に対して
加圧ローラと定着ローラとの接触部位が同一方向に移動
するように回転させ、その接触部位に記録シートが挟持
されて移動するようになっている。そしてこの移動の間
に記録シート上に付着しているトナーが定着ローラの熱
により軟化し、加圧により記録シート上に融着するよう
になっている。
図5のようなアルミニウムなどの中空円筒からなる芯金
1の外周面にトナーの粘着を防止するための弗素樹脂層
などからなる粘着防止層2を設けた定着ローラが使用さ
れているが、このような定着ローラは芯金の中空部に回
転中心線に沿ってハロゲンランプなどのヒータを配置
し、その輻射熱によって定着ローラを内側から加熱する
ようになっている。そして定着ローラと平行にこれに圧
接する加圧ローラを設けて、定着ローラの回転に対して
加圧ローラと定着ローラとの接触部位が同一方向に移動
するように回転させ、その接触部位に記録シートが挟持
されて移動するようになっている。そしてこの移動の間
に記録シート上に付着しているトナーが定着ローラの熱
により軟化し、加圧により記録シート上に融着するよう
になっている。
【0004】しかしこうした熱定着装置では、起動時に
電源が投入されてから定着ローラの表面が定着に必要な
温度に達するまでに比較的に長いウォームアップ時間が
かかる。そこで、一般には主電源を投入したときに定着
ローラのヒータにも通電を開始して定着ローラを予備加
熱しておく方法が採られていたが、これは電力の浪費で
ある。そしてこれを避ける目的で、定着ローラのウォー
ムアップ時間を短縮するための手段が種々提案されてい
る。
電源が投入されてから定着ローラの表面が定着に必要な
温度に達するまでに比較的に長いウォームアップ時間が
かかる。そこで、一般には主電源を投入したときに定着
ローラのヒータにも通電を開始して定着ローラを予備加
熱しておく方法が採られていたが、これは電力の浪費で
ある。そしてこれを避ける目的で、定着ローラのウォー
ムアップ時間を短縮するための手段が種々提案されてい
る。
【0005】すなわち、ローラの中空部の内面を黒化す
ることにより輻射率を高め熱の吸収効率を挙げる方法、
同じく内面に凹凸を設けて表面積を大きくする方法(特
開平4−34483、特開平4−134387など)、
ローラをヒートパイプで構成する方法(特開平3−13
9684)、ローラを電磁誘導加熱する方法(実開平4
−55055)、ローラを導電性弾性材料で構成し、こ
れに通電して直接に発熱させる方法(特開平4−186
270)、正特性サーミスタ材料を用いた円筒状ヒータ
で定着ローラを形成する方法(特開平4−42185)
などである。しかしながらこれらの提案が効果を挙げる
ためにはいずれも芯金自体の熱伝達が良好であることが
前提となるが、定着ローラの芯金の厚さを薄くすること
には機械的な強度の観点から限界があるため、定着ロー
ラの構成材料の熱伝導率に制約されて充分な効果を挙げ
ることができないか、又は電源が大き過ぎるために実用
的でないという問題がある。
ることにより輻射率を高め熱の吸収効率を挙げる方法、
同じく内面に凹凸を設けて表面積を大きくする方法(特
開平4−34483、特開平4−134387など)、
ローラをヒートパイプで構成する方法(特開平3−13
9684)、ローラを電磁誘導加熱する方法(実開平4
−55055)、ローラを導電性弾性材料で構成し、こ
れに通電して直接に発熱させる方法(特開平4−186
270)、正特性サーミスタ材料を用いた円筒状ヒータ
で定着ローラを形成する方法(特開平4−42185)
などである。しかしながらこれらの提案が効果を挙げる
ためにはいずれも芯金自体の熱伝達が良好であることが
前提となるが、定着ローラの芯金の厚さを薄くすること
には機械的な強度の観点から限界があるため、定着ロー
ラの構成材料の熱伝導率に制約されて充分な効果を挙げ
ることができないか、又は電源が大き過ぎるために実用
的でないという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、定着
ローラ及び定着ローラの構成材料の熱伝導率に制約され
ることなくウォームアップ時間を短縮することが可能
な、新規な定着ローラ及び定着装置を提供するものであ
る。
ローラ及び定着ローラの構成材料の熱伝導率に制約され
ることなくウォームアップ時間を短縮することが可能
な、新規な定着ローラ及び定着装置を提供するものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載された発
明は、上記目的を達成するために、ヒータを内蔵した芯
金を有する電子写真用の定着ローラにおいて、該ローラ
の芯金内部又は芯金外層の少なくとも一部に周期律表の
3Bから6Bに属する元素の1種以上から選択された結
晶化温度が80〜200℃の範囲内にある非晶質材料の
層を設けてなることを特徴とする定着ローラである。請
求項2に記載された発明は、表面で外部の媒体を加熱す
る定着ローラにおいて、前記定着ローラがそのベース部
内部又はベース部上の少なくとも一部に形成された相変
化層を有し、そして、前記相変化層が結晶質と非晶質と
の間を可逆的に相変化する相変化材料で構成されている
ことを特徴とする定着ローラである。請求項3に記載さ
れた発明は、加熱ヒータによる表面加熱によって熱が外
部の媒体に伝達される定着ローラにおいて、前記定着ロ
ーラがそのベース部内部又はベース部上の少なくとも一
部に形成された相変化層を有し、そして、前記相変化層
が前記ヒータによって非晶質から結晶質へ相変化して結
晶化発熱をする相変化材料で構成されていることを特徴
とする定着ローラである。請求項4に記載された発明
は、請求項2又は3記載に記載された発明において、相
変化材料が周期律表の3Bから6Bに属する元素の1種
以上から選択された材料からなることを特徴とするもの
である。請求項5に記載された発明は、媒体を加熱する
定着装置において、非晶質から結晶質へ相変化する相変
化材料で構成される相変化層を有する定着ローラを加熱
して、前記相変化層における相変化材料を非晶質から結
晶質へ相変化させて結晶化発熱をさせ、前記定着ローラ
を更に加熱させて、前記相変化層における結晶状態の相
変化材料を溶融状態へと変化させ、そして、この相変化
層における溶融状態になった相変化材料を冷却させて非
晶質へと変化させる、ことを特徴とする定着装置であ
る。請求項6に記載された発明は、請求項5に記載され
た発明において、相変化材料が周期律表の3Bから6B
に属する元素の1種以上から選択された材料からなるこ
とを特徴とするものである。
明は、上記目的を達成するために、ヒータを内蔵した芯
金を有する電子写真用の定着ローラにおいて、該ローラ
の芯金内部又は芯金外層の少なくとも一部に周期律表の
3Bから6Bに属する元素の1種以上から選択された結
晶化温度が80〜200℃の範囲内にある非晶質材料の
層を設けてなることを特徴とする定着ローラである。請
求項2に記載された発明は、表面で外部の媒体を加熱す
る定着ローラにおいて、前記定着ローラがそのベース部
内部又はベース部上の少なくとも一部に形成された相変
化層を有し、そして、前記相変化層が結晶質と非晶質と
の間を可逆的に相変化する相変化材料で構成されている
ことを特徴とする定着ローラである。請求項3に記載さ
れた発明は、加熱ヒータによる表面加熱によって熱が外
部の媒体に伝達される定着ローラにおいて、前記定着ロ
ーラがそのベース部内部又はベース部上の少なくとも一
部に形成された相変化層を有し、そして、前記相変化層
が前記ヒータによって非晶質から結晶質へ相変化して結
晶化発熱をする相変化材料で構成されていることを特徴
とする定着ローラである。請求項4に記載された発明
は、請求項2又は3記載に記載された発明において、相
変化材料が周期律表の3Bから6Bに属する元素の1種
以上から選択された材料からなることを特徴とするもの
である。請求項5に記載された発明は、媒体を加熱する
定着装置において、非晶質から結晶質へ相変化する相変
化材料で構成される相変化層を有する定着ローラを加熱
して、前記相変化層における相変化材料を非晶質から結
晶質へ相変化させて結晶化発熱をさせ、前記定着ローラ
を更に加熱させて、前記相変化層における結晶状態の相
変化材料を溶融状態へと変化させ、そして、この相変化
層における溶融状態になった相変化材料を冷却させて非
晶質へと変化させる、ことを特徴とする定着装置であ
る。請求項6に記載された発明は、請求項5に記載され
た発明において、相変化材料が周期律表の3Bから6B
に属する元素の1種以上から選択された材料からなるこ
とを特徴とするものである。
【0008】本発明の定着ローラの芯金内部又は芯金外
層の少なくとも一部に層として設けられる非晶質材料
は、周期律表の3Bから6Bに属する元素の1種以上か
ら選択された材料であって、例えばカルコゲン或いはカ
ルコゲナイド化合物などがあり、セレン、セレン・テル
ル合金、ゲルマニウム・テルル合金、インジウム・セレ
ン系合金、インジウム・テルル系合金、アンチモン・セ
レン系合金、アンチモン・テルル系合金などが挙げられ
る。かかる材料は溶融状態から冷却凝固する際に非晶質
相となり、次に加温して結晶化温度に到達すると急速に
結晶相に転化するが、その結晶化温度が80〜200℃
の範囲内にあるものが好ましく、結晶化熱が集中して発
生するものが更に好ましい。このような材料としてセレ
ン、セレン・テルル合金が特に好ましく使用できる。
層の少なくとも一部に層として設けられる非晶質材料
は、周期律表の3Bから6Bに属する元素の1種以上か
ら選択された材料であって、例えばカルコゲン或いはカ
ルコゲナイド化合物などがあり、セレン、セレン・テル
ル合金、ゲルマニウム・テルル合金、インジウム・セレ
ン系合金、インジウム・テルル系合金、アンチモン・セ
レン系合金、アンチモン・テルル系合金などが挙げられ
る。かかる材料は溶融状態から冷却凝固する際に非晶質
相となり、次に加温して結晶化温度に到達すると急速に
結晶相に転化するが、その結晶化温度が80〜200℃
の範囲内にあるものが好ましく、結晶化熱が集中して発
生するものが更に好ましい。このような材料としてセレ
ン、セレン・テルル合金が特に好ましく使用できる。
【0009】更に本発明の定着ローラの芯金を構成する
材料は、従来から利用されている熱伝導率の良好な金
属、例えばアルミニウム合金などが用いられるが、特に
限定されるものではない。また芯金の形状も、従来から
利用されている形状をそのまま適用して差し支えない。
また芯金外周に弗素樹脂層などを設けてトナーの粘着を
防止できることも従来と同様であり、加熱手段や熱伝導
性改良手段についても従来公知の方法を併用することも
できる。
材料は、従来から利用されている熱伝導率の良好な金
属、例えばアルミニウム合金などが用いられるが、特に
限定されるものではない。また芯金の形状も、従来から
利用されている形状をそのまま適用して差し支えない。
また芯金外周に弗素樹脂層などを設けてトナーの粘着を
防止できることも従来と同様であり、加熱手段や熱伝導
性改良手段についても従来公知の方法を併用することも
できる。
【0010】
【作用】かかる非晶質材料の層を芯金内部又は芯金外層
の少なくとも一部に設けた本発明の定着ローラは、内部
に設けたヒータに通電することによって加熱されると、
非晶質材料層が結晶化温度に達したときに結晶化熱を放
出して急速に温度が上昇し、速やかに定着可能温度に到
達する。そしてその後は通常のヒータの発熱によって温
度の制御が行なわれるが、結晶化した後は材料の熱伝導
が高まるので温度の制御は一層容易になる。また複写作
業が終了したときは、一時的にヒータに大きな電力を供
給して結晶化した材料をその融点以上の温度にまで加熱
し、ついで電源を切って放冷すれば再び非晶質材料層に
戻り、繰り返しの使用ができる。
の少なくとも一部に設けた本発明の定着ローラは、内部
に設けたヒータに通電することによって加熱されると、
非晶質材料層が結晶化温度に達したときに結晶化熱を放
出して急速に温度が上昇し、速やかに定着可能温度に到
達する。そしてその後は通常のヒータの発熱によって温
度の制御が行なわれるが、結晶化した後は材料の熱伝導
が高まるので温度の制御は一層容易になる。また複写作
業が終了したときは、一時的にヒータに大きな電力を供
給して結晶化した材料をその融点以上の温度にまで加熱
し、ついで電源を切って放冷すれば再び非晶質材料層に
戻り、繰り返しの使用ができる。
【0011】
【実施例】(実施例1) 二重筒状に形成したアルミニウム芯金の間隙にセレンを
溶融状態で注入して密閉し、外周表面を外径40mmにな
るように切削した。その後弗素樹脂塗料(デュポン製、
857−305)を表面にスプレー塗装し380℃で焼
成して、厚さ約20μmの粘着防止層を形成し、図1に
示すような断面構造を有する本発明の定着ローラAを得
た。なお、図において1は芯金、2は粘着防止層、3は
非晶質材料層を表す。
溶融状態で注入して密閉し、外周表面を外径40mmにな
るように切削した。その後弗素樹脂塗料(デュポン製、
857−305)を表面にスプレー塗装し380℃で焼
成して、厚さ約20μmの粘着防止層を形成し、図1に
示すような断面構造を有する本発明の定着ローラAを得
た。なお、図において1は芯金、2は粘着防止層、3は
非晶質材料層を表す。
【0012】(実施例2) 外径40mmのアルミニウム芯金の外周面を、軸受部に近
い両端部分を約5mm残して中央部を深さが0.1mmとな
るように均等に切削し、両端部分をマスクして8重量%
のテルルを含むセレン・テルル合金を厚さが0.1mmと
なるように蒸着して、両端部分との段差のない芯金を作
成した。次いでこれに導電性PFA樹脂からなる熱収縮
性チューブを被せ、300℃に加熱して厚さ約20μm
の粘着防止層を形成し、図2に示すような断面構造を有
する本発明の定着ローラBを得た。
い両端部分を約5mm残して中央部を深さが0.1mmとな
るように均等に切削し、両端部分をマスクして8重量%
のテルルを含むセレン・テルル合金を厚さが0.1mmと
なるように蒸着して、両端部分との段差のない芯金を作
成した。次いでこれに導電性PFA樹脂からなる熱収縮
性チューブを被せ、300℃に加熱して厚さ約20μm
の粘着防止層を形成し、図2に示すような断面構造を有
する本発明の定着ローラBを得た。
【0013】(実施例3) 外径40mmのアルミニウム芯金の外周面を、化学エッチ
ングにより粗さ約0.05mmの凹凸面とし、この面に3
0重量%のテルルを含むセレン・テルル合金を厚さが
0.06mmとなるように蒸着したのち研磨して平滑化
し、アルミニウムの表面露出率を約40%とした。次い
でこの表面に導電性弗素樹脂粉末(三井フロロケミカル
製、MP611)を静電塗装して380℃で焼成し、厚
さ約20μmの粘着防止層を形成して、図3に示すよう
な断面構造を有する本発明の定着ローラCを得た。
ングにより粗さ約0.05mmの凹凸面とし、この面に3
0重量%のテルルを含むセレン・テルル合金を厚さが
0.06mmとなるように蒸着したのち研磨して平滑化
し、アルミニウムの表面露出率を約40%とした。次い
でこの表面に導電性弗素樹脂粉末(三井フロロケミカル
製、MP611)を静電塗装して380℃で焼成し、厚
さ約20μmの粘着防止層を形成して、図3に示すよう
な断面構造を有する本発明の定着ローラCを得た。
【0014】(実施例4) 外径40mmのステンレス鋼芯金の外周面に、セレン微粒
子を50重量%となるよう混合した導電性弗素樹脂粉末
(三井フロロケミカル製、MP611)を静電塗装して
250℃で予備焼成し、更に導電性PFA樹脂からなる
熱収縮性チューブを被せ、300℃以上に加熱して厚さ
10μmの粘着防止層を形成し、図4に示すような断面
構造を有する本発明の定着ローラDを得た。
子を50重量%となるよう混合した導電性弗素樹脂粉末
(三井フロロケミカル製、MP611)を静電塗装して
250℃で予備焼成し、更に導電性PFA樹脂からなる
熱収縮性チューブを被せ、300℃以上に加熱して厚さ
10μmの粘着防止層を形成し、図4に示すような断面
構造を有する本発明の定着ローラDを得た。
【0015】(比較例1) 外径40mmのアルミニウム芯金の内面に黒鉛顔料を含む
塗料を塗布して黒化処理し、外周面には実施例3と同様
にして導電性弗素樹脂粉末(三井フロロケミカル製、M
P611)を静電塗装し、厚さ20μmの粘着防止コー
ト層を形成して、図5に示すような断面構造を有する従
来型の定着ローラEを得た。
塗料を塗布して黒化処理し、外周面には実施例3と同様
にして導電性弗素樹脂粉末(三井フロロケミカル製、M
P611)を静電塗装し、厚さ20μmの粘着防止コー
ト層を形成して、図5に示すような断面構造を有する従
来型の定着ローラEを得た。
【0016】(試験例) こうして得た定着ローラA〜Eをそれぞれリコー製M2
10型の電子写真複写機の定着装置に組み込み、ヒータ
電力960Wで加熱しながらローラの表面温度の上昇状
況を調べた。その結果をグラフとして図6に示したが、
本発明の定着ローラは何れも従来型の定着ローラに較べ
て大幅にウォームアップ時間が短縮されていることがわ
かる。
10型の電子写真複写機の定着装置に組み込み、ヒータ
電力960Wで加熱しながらローラの表面温度の上昇状
況を調べた。その結果をグラフとして図6に示したが、
本発明の定着ローラは何れも従来型の定着ローラに較べ
て大幅にウォームアップ時間が短縮されていることがわ
かる。
【0017】また定着ローラの表面が所定温度に達した
のちに複写画像の定着を行なったところ、いずれもトナ
ーの定着不良やトナーの飛散汚れもみられず、良好な定
着性能を示した。更にこれらの試験終了後にヒータ電力
を40%増加して表面温度が250℃となった時点で電
源を切った。そして30分間経過後に、再度上記と同様
な試験を繰り返したところ、上記と全く同様な結果が得
られた。
のちに複写画像の定着を行なったところ、いずれもトナ
ーの定着不良やトナーの飛散汚れもみられず、良好な定
着性能を示した。更にこれらの試験終了後にヒータ電力
を40%増加して表面温度が250℃となった時点で電
源を切った。そして30分間経過後に、再度上記と同様
な試験を繰り返したところ、上記と全く同様な結果が得
られた。
【0018】
【発明の効果】本発明の定着ローラ及び定着装置によれ
ば、非晶質材料層(相変化層)の結晶化発熱によりウォ
ームアップ時間が著しく短縮されるばかりでなく、結晶
化したのちは熱伝導性が高くなるので温度の均一化がよ
り改善され、オフセットが起こり難くなるという効果が
ある。
ば、非晶質材料層(相変化層)の結晶化発熱によりウォ
ームアップ時間が著しく短縮されるばかりでなく、結晶
化したのちは熱伝導性が高くなるので温度の均一化がよ
り改善され、オフセットが起こり難くなるという効果が
ある。
【図1】本発明の実施例1の定着ローラの構造を示す部
分拡大断面図である。
分拡大断面図である。
【図2】本発明の実施例2の定着ローラの構造を示す部
分拡大断面図である。
分拡大断面図である。
【図3】本発明の実施例3の定着ローラの構造を示す部
分拡大断面図である。
分拡大断面図である。
【図4】本発明の実施例4の定着ローラの構造を示す部
分拡大断面図である。
分拡大断面図である。
【図5】従来型の定着ローラの構造を示す断面図であ
る。
る。
【図6】定着ローラの温度上昇状況を比較したグラフで
ある。
ある。
1 芯金 2 粘着防止層 3 非晶質材料層
Claims (6)
- 【請求項1】 ヒータを内蔵した芯金を有する電子写真
用の定着ローラにおいて、該ローラの芯金内部又は芯金
外層の少なくとも一部に周期律表の3Bから6Bに属す
る元素の1種以上から選択された結晶化温度が80〜2
00℃の範囲内にある非晶質材料の層を設けてなること
を特徴とする定着ローラ。 - 【請求項2】 表面で外部の媒体を加熱する定着ローラ
において、前記定着ローラがそのベース部内部又はベー
ス部上の少なくとも一部に形成された相変化層を有し、
そして、前記相変化層が結晶質と非晶質との間を可逆的
に相変化する相変化材料で構成されていることを特徴と
する定着ローラ。 - 【請求項3】 加熱ヒータによる表面加熱によって熱が
外部の媒体に伝達される定着ローラにおいて、前記定着
ローラがそのベース部内部又はベース部上の少なくとも
一部に形成された相変化層を有し、そして、前記相変化
層が前記ヒータによって非晶質から結晶質へ相変化して
結晶化発熱をする相変化材料で構成されていることを特
徴とする定着ローラ。 - 【請求項4】 相変化材料が周期律表の3Bから6Bに
属する元素の1種以上から選択された材料からなること
を特徴とする請求項2又は3記載の定着ローラ。 - 【請求項5】 媒体を加熱する定着装置において、 非晶質から結晶質へ相変化する相変化材料で構成される
相変化層を有する定着ローラを加熱して、前記相変化層
における相変化材料を非晶質から結晶質へ相変化させて
結晶化発熱をさせ、 前記定着ローラを更に加熱させて、前記相変化層におけ
る結晶状態の相変化材料を溶融状態へと変化させ、そし
て、 この相変化層における溶融状態になった相変化材料を冷
却させて非晶質へと変化させる、 ことを特徴とする定着装置。 - 【請求項6】 相変化材料が周期律表の3Bから6Bに
属する元素の1種以上から選択された材料からなること
を特徴とする請求項5記載の定着装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28684693A JP3276225B2 (ja) | 1993-11-16 | 1993-11-16 | 定着ローラ及び定着装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28684693A JP3276225B2 (ja) | 1993-11-16 | 1993-11-16 | 定着ローラ及び定着装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07140823A JPH07140823A (ja) | 1995-06-02 |
JP3276225B2 true JP3276225B2 (ja) | 2002-04-22 |
Family
ID=17709794
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28684693A Expired - Fee Related JP3276225B2 (ja) | 1993-11-16 | 1993-11-16 | 定着ローラ及び定着装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3276225B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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1993
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