JP3205679B2 - 薄膜磁気ヘッドの浮上面加工方法及び薄膜磁気ヘッドの浮上面加工位置測定用加工検知素子 - Google Patents

薄膜磁気ヘッドの浮上面加工方法及び薄膜磁気ヘッドの浮上面加工位置測定用加工検知素子

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JP3205679B2
JP3205679B2 JP05424095A JP5424095A JP3205679B2 JP 3205679 B2 JP3205679 B2 JP 3205679B2 JP 05424095 A JP05424095 A JP 05424095A JP 5424095 A JP5424095 A JP 5424095A JP 3205679 B2 JP3205679 B2 JP 3205679B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は薄膜磁気ヘッドの浮上面
加工方法及び薄膜磁気ヘッドの浮上面加工測定用加工検
知素子にかかり、特に薄膜磁気ヘッドの浮上面加工の位
置を測定する加工検知素子を備えた薄膜磁気ヘッド基板
を用いることにより、高精度に浮上面加工を行うことを
可能にする薄膜磁気ヘッドの浮上面加工方法及び薄膜磁
気ヘッドの浮上面加工測定用加工検知素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来技術としては、第1に特開昭63−
29315号公報(USP4689877)に記載され
た発明が知られている。上記公報に記載された発明は、
薄膜磁気変換器を支持する基板のラップ仕上げされた端
部の位置を加工中に測定する方法に関するものであり、
複数個のスイッチ接合を有し、ラップ仕上げの進行に伴
って、上記スイッチも加工されて複数のスイッチ接合が
順次閉路状態から開路状態に変化し、これにより加工中
に段階状のはっきりした抵抗変化を検出し、加工の進行
状態を検出する加工検知素子を開示している。また、さ
らに、ラップ仕上げの進行につれて抵抗変化をもたらす
構造の抵抗素子を各ラップ仕上げガイド毎に基板上に設
けることを開示している。
【0003】第2に、従来技術として、特公昭63−1
3249号公報に記載された発明が知られている。特公
昭63ー13249号公報に記載された発明は、抵抗体
と導体とを組み合わせ、加工の進行によって切除される
横導体膜をスイッチとし、切除される横導体膜の個数に
応じて段階的に変化する縦導体膜間の電気抵抗値を測定
することにより、加工量を測定する方法について開示し
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記第1の従
来技術(特開昭63−29315号公報)においては、
スイッチ部分を構成する絶縁膜は、インダクティブヘッ
ドのスロート高さを決定するのと同時に形成され、これ
に対して、抵抗素子は上記絶縁膜形成工程とは別工程の
薄膜形成工程で作成される。従って、スイッチ部の位置
と抵抗素子の位置関係は相互に、通常のフォトソリグラ
フティ技術により別行程で形成されるため、そのパター
ンの合わせ誤差を有する。また、加工量は段階状の抵抗
変化によって検出されるため、段階的な加工量変化しか
検出することができない。したがって、上記第1の従来
技術では、抵抗素子によるラップ仕上げ時のスロート高
さ(加工量)の高精度化は困難であるという問題点があ
る。
【0005】また、上記上記第1の従来技術(特公昭6
3−13249号公報)においては、抵抗値が切断され
た横導体膜の個数に応じて断続的に変化することを利用
して加工量の検出を行っているので、段階的な加工量変
化しか検出できず、高精度な加工量の測定は困難である
という問題点がある。
【0006】特に、磁気抵抗効果を用いた薄膜磁気ヘッ
ド(以下MRヘッドと記す)を作製するには、浮上面か
ら奥側へのMR膜の深さ(以下MR高さと記す)の精度
は、従来のインダクティブヘッドのギャップ深さ精度よ
りもずっときびしくなり、さらに、MRヘッドの性能向
上や安定化の為には、±0.1μmあるいは、それより
高精度が要求されるのは必須である。
【0007】本発明は、上記した従来技術の問題点に鑑
み成されたもので、薄膜磁気ヘッドの浮上面加工、特に
MRヘッドの浮上面加工において、MRヘッドのMR高
さを高精度に加工するために用いる加工検知素子の構
造、及び加工検知方法、さらに、この加工検知素子を具
備した薄膜磁気ヘッド基板、薄膜磁気ヘッドの製造方法
等を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の薄膜磁気ヘッド
の浮上面加工方法は、浮上面加工により加工されること
ない薄膜抵抗から形成される固定抵抗と浮上面加工の進
行に応じて加工されて抵抗値の変化する薄膜抵抗から形
成される可変抵抗とを並列に接続して抵抗素子を形成
し、さらに、上記抵抗素子を構成する可変抵抗が浮上面
加工の深さ方向に適当なピッチで配列されるように、上
記抵抗素子を複数個直列に接続して加工検知素子を形成
し、浮上面加工を行うことにより、加工検知素子におけ
る複数の可変抵抗の内の少なくとも1つの可変抵抗が同
時に加工され、浮上面加工の進行に伴って連続的に変化
する加工検知素子両端の抵抗を測定することにより、薄
膜磁気ヘッドの浮上面加工の位置を測定することを特徴
としている。
【0009】また、前記浮上面加工の進行に伴って連続
的に変化する加工検知素子両端の抵抗を測定することに
より、薄膜磁気ヘッドの浮上面加工の位置を測定するに
際し、浮上面加工をする前の初期抵抗と加工検知素子の
可変抵抗がすべて切断された時の全切断抵抗とに基づい
て、浮上面加工の深さの位置と加工検知素子の抵抗値と
の関係を求め、この関係に基づいて目標の加工量を検出
することを特徴としている。
【0010】また、前記加工検知素子の薄膜抵抗を形成
する際に、可変抵抗部分の一部を切断して形成し、この
時の加工検知素子の全切断抵抗を求め、次いで、薄膜導
体を形成することによって可変抵抗部分の一部の切断部
分を短絡して可変抵抗が固定抵抗と並列に接続される構
造とし、この構造での加工検知素子の初期抵抗を測定し
て浮上面加工深さの位置と加工検知素子の抵抗の関係を
求め、この関係に基づいて目標の加工量を検出すること
を特徴としている。
【0011】さらに、本発明の薄膜磁気ヘッドの浮上面
加工測定用加工検知素子は、浮上面加工により加工され
ることのない薄膜抵抗から形成される固定抵抗と浮上面
加工の進行に応じて加工されて抵抗値の変化する薄膜抵
抗から形成される可変抵抗とを並列に接続した構成の抵
抗素子を形成し、さらに上記抵抗素子を構成する可変抵
抗が浮上面加工の深さ方向に適当なピッチで配列される
ように、上記抵抗素子を複数個直列に接続して形成され
たことを特徴としている。
【0012】また、前記薄膜磁気ヘッドは磁気抵抗効果
膜を用いた薄膜磁気ヘッドであり、前記抵抗素子を構成
する薄膜抵抗が薄膜磁気ヘッドの感磁部を構成する膜と
同一の膜で形成され、かつ薄膜磁気ヘッドの感磁部を形
成するのと同時に同一のフォトソリグラフティ工程によ
り形成されたことを特徴としている。
【0013】また、可変抵抗が全て切断された構造の最
終抵抗素子を前記加工検知素子の近傍に設けたことを特
徴としている。
【0014】また、前記薄膜磁気ヘッドは磁気抵抗効果
膜を用いた薄膜磁気ヘッドであり、前記抵抗素子を構成
する固定抵抗を薄膜抵抗で形成し、可変抵抗を薄膜抵抗
と薄膜導体を組み合わせて形成し、薄膜抵抗を薄膜磁気
ヘッドを構成する膜と同一の膜で形成し、薄膜磁気ヘッ
ドの感磁部を形成するのと同時に同一のフォトソリグラ
フティ工程により形成されたことを特徴としている。
【0015】
【作用】本発明によれば、薄膜磁気ヘッドの浮上面加工
の位置を測定するために、浮上面加工により抵抗値の変
化する可変抵抗と抵抗の変化しない固定抵抗を並列に接
続した抵抗素子を複数個直列に接続して加工検知素子を
形成し、各々の抵抗素子を所定のピッチで浮上面加工の
深さ方向に配列することにより、加工量を連続した抵抗
値の変化として検出して、浮上加工面の加工量を正確に
検出するようにしたものである。すなわち、薄膜磁気ヘ
ッドの浮上面加工の位置を高精度に測定するために設け
た加工検知素子は、浮上面加工時に連続して抵抗変化す
る様に構成されている。したがって、加工深さの広い範
囲にわたって、連続して変化する抵抗値と加工深さとを
対応する構成とすることができ、これにより加工深さを
広い範囲で高精度に測定することができる。
【0016】また、本発明によれば、浮上面加工開始前
の初期抵抗と全可変抵抗が切断した後の最終抵抗の値を
用いて、浮上面加工深さの位置と加工検知素子の抵抗値
の関係を求め、これを元に薄膜磁気ヘッドの高精度浮上
面加工を行なうことが可能になる。
【0017】
【実施例】図1は本発明の第1の実施例を示す説明図で
あり、薄膜磁気ヘッドのウエハ上に形成する加工検知素
子の一例を示す平面図である。図1に示す加工検知素子
1は、7つの直列に接続された抵抗素子と、前記7つの
直列に接続された抵抗素子の電気抵抗を測定するため
に、該直列に接続された抵抗素子を端子接続部へと導び
く配線部とから構成されている。
【0018】図2は本実施例の加工検知素子を薄膜磁気
ヘッドのウエハ上に形成した状態の一例を示す斜視図で
ある。図2に示すように、薄膜磁気ヘッドは、基板22
の上に形成された絶縁膜23上に形成されるている。基
板22は、薄膜磁気ヘッドを切断後、スライダとして使
用するものである。薄膜磁気ヘッドは、本図では、再生
用に用いられる磁気抵抗効果型ヘッド(MR素子)と、
記録用に用いられるインダクティブ型ヘッド(IND素
子)を積層した構造のものを一例として示している。図
示するように、下部シールド膜24と上部シールド膜2
5の間にMR素子のギャップ部27が形成され、このM
R素子のギャップ部27の中にMR素子の感磁部26が
形成されている。このMR素子上にIND素子のギャッ
プ部28が形成され、絶縁膜30とコイル31が形成さ
れ、その上にIND素子の上部コア29が形成されてい
る。ここに示した薄膜磁気ヘッドは、IND素子の下部
コアをMR素子の上部シールド膜25と共用した構造を
有している。
【0019】再生に使われるMRヘッドは、基板上に素
子を作った後、切断され、適切なMR素子の感磁部のM
R高さとなる様に、薄膜磁気ヘッドの浮上面に当たる面
を研磨する。これを浮上面加工と称する。図中には、M
R素子のMR高さが0の位置を示す線と、MR素子の浮
上面加工後のMR高さ位置を示す線とを一点鎖線で記入
してある。この浮上面加工後のMR高さ位置をいかに正
確にするかが、MR素子の再生特性の安定化に大きく影
響するのである。
【0020】そこで、浮上面加工のMR高さ位置を正確
に決定するため、図1に示した加工検知素子1を図2に
示すように薄膜磁気ヘッドのMR高さ位置に合わせて形
成し、加工検知素子1の抵抗値を測定することによって
浮上面加工時のMR素子のMR高さを推定して、必要な
加工位置まで浮上面加工を実行する。
【0021】図3は、図1と図2に示した加工検知素子
1を構成している7つの直列に接続された抵抗素子2を
単体で示す平面図である。加工検知素子1を構成する抵
抗素子2は、図示するように、薄膜磁気ヘッドの浮上面
加工によって削られて抵抗の変化する可変抵抗部と、浮
上面加工によって削られることなく抵抗変化が生じない
固定抵抗部が、並列に接続されている構造を有してい
る。可変抵抗部は図中aからbの範囲のパターンであ
り、図中bより上の部分が固定抵抗部である。上記aと
bの位置関係は可変抵抗部の浮上面加工前及び加工中の
抵抗値を定めるものであるため、薄膜磁気ヘッドの浮上
面加工の終点位置との相対的な位置関係を精密に決定す
ることが必要である。そこで、本実施例では、MRヘッ
ドのMR素子の感磁部を構成する膜と同一のフォトソリ
グラフティ工程により、加工検知素子1を作成した。同
一のフォトソリグラフティ工程で加工検知素子1を作成
することにより、MR素子の感磁部を形成する行程と別
工程で加工検知素子1を作成する場合と比較して、1回
のフォトソリグラフティで済むため、2回以上のフォト
ソリグラフティによって生じる相対的な位置関係の合わ
せずれにより生じる誤差を確実に防止することができ
る。また、ここで、MR素子の感磁部を構成する膜とし
ては、通常、磁気抵抗効果膜やバイアス膜等の複数の膜
が積層された膜が用いられる。しかし、この様な膜だけ
ではなく、磁気抵抗効果を示す膜を含む膜であれば、ど
んな構成や組成の膜でも使用することが可能である。仮
に、加工検知素子をMR素子の感磁部を構成する膜と異
なる膜で構成する場合には、同一のフォトソリグラフテ
ィ工程でパターン形成すれることにより、相対的な位置
のずれを小さく抑えることは可能である。
【0022】図1に示した実施例は、図3に示す抵抗素
子2を7個直列に接続し、それを薄膜磁気ヘッドの浮上
面に対して各々を相対的に位置をずらして配置したもの
である。図4は、上記各固定抵抗をR1〜R7、各可変抵
抗をVR1〜VR7として、図1に示す加工検知素子1を
模式的に表わしたものである。図4から、加工検知素子
1の全抵抗Rは、次式で表わされる。
【0023】
【数1】
【0024】ここで、各々の可変抵抗VR(VR1〜V
7を代表して表現する)の抵抗値は、図4に示すよう
に浮上面加工前の可変抵抗の幅をhMR(a)とし、そ
の時の抵抗値をVR(a)としすると、加工の進行に伴
ってhMR(x)が小さくなっていったときのVR
(x)の抵抗値は次式で表わされる。
【0025】
【数2】
【0026】従って、薄膜磁気ヘッド素子の浮上面加工
時における各々の抵抗素子2の抵抗は、各々の可変抵抗
のhMR(x)の大きさにより決定されることが解る。
特に、図3に示したbの位置を基準として、抵抗値の変
化と浮上面加工の加工深さとの関係が決定される。
【0027】図5は図1に示す加工検知素子1の抵抗変
化の一例を示す図であり、抵抗素子2を等間隔に0.1
μ ピッチで7素子配置した場合の例を示す。各抵抗素
子2の固定抵抗VRと浮上面加工前の可変抵抗VR
(a)は全て同一とし、具体的には、VR=300Ω、
VR(a)=10Ω、またhMR(a)=5μmとした
場合の計算値である。加工検知素子1のbの位置は、横
軸にhMR(x)を取って表わしている。すなわち、浮
上面加工に伴って、横軸hMR(x)が−0.6μmか
ら+0.6μmまで変化するように配置し、縦軸Rは浮
上面加工が進行し、横軸hMR(x)が+0.6μmか
ら−0.6μmの方へ変化していくときの加工検知素子
1の全抵抗を示している。
【0028】図5に示す様に、加工検知素子1の全抵抗
Rは浮上面加工の進行にしたがって、すなわち図中横軸
hMR(x)が+から−(右側から左側)に変化するに
したがって、なめらかな変化で上昇し、hMR(x)=
−0.6μm以下で、固定抵抗のみの抵抗値2100Ω
を示すことがわかる。すなわち7×VR=7×300=
2100Ωである。また、横軸hMR(x)の変化に対
して全抵抗Rの変化が比較的大きい範囲は、たとえば
0.2μ 〜−0.6μ の範囲であり、各抵抗素子2に
おいて設定されているbの位置(7個所配置されてい
る)0μm〜0.6μmの範囲よりも広い範囲で抵抗変
化を測定することができる。
【0029】以上の様に、複数の抵抗素子2を直列に接
続して、その各々の抵抗素子2を薄膜磁気ヘッドの浮上
面加工する深さ方向に位置を変えて配置することによ
り、浮上面加工深さの広い範囲に亘って抵抗変化量が大
きく、且つなめらかな抵抗変化をする加工検知素子1を
構成することができる。
【0030】以上に説明したように、浮上面加工時の加
工深さは、連続して変化する加工検知素子1の抵抗値と
して検出することができる。したがって、目的とする加
工深さに対応する加工検知素子1の抵抗値を計算で求め
ておいて、この値に一致する様に浮上面加工をすること
によって、目的の加工深さに加工をすることができる。
【0031】前記したように加工検知素子1はMRヘッ
ドのウエハプロセスで同時に作成されるため、相対的な
位置のずれを小さく抑えることは可能である。しかし、
図1に示す加工検知素子1の抵抗をウエハの面内で観察
すると、抵抗値のばらつきを生じていることがわかる。
このような抵抗値のばらつきが生じていると、浮上面加
工時に加工検知素子1の全抵抗がある一定の抵抗値にな
るように加工を終了しても、浮上面加工におけるウエハ
上での位置のずれが生じてしまうので、MRヘッドの感
磁部の浮上面加工方向の深さが変動してしまうという問
題を生じる。
【0032】上記抵抗値のばらつきを生じる主な原因
は、加工検知素子1を構成する膜のスパッタリング等に
よる形成プロセスが多少なりとも必ず変動するものであ
り、膜の形成がウエハの面内さらにはウエハ間で常に一
定にすることができない為である。上記抵抗値を補正す
るためには、前述の抵抗を求める式から明らかなよう
に、加工前の抵抗値と加工後の固定抵抗の値が求まれば
可能となる。
【0033】加工前の抵抗は、ウエハが完成したときの
加工検知素子1の抵抗を求めることができる。しかしな
がら、加工後の固定抵抗の値は、加工検知素子1の全可
変抵抗を切断するまで正確に求めることができない。こ
の問題を解決する為の一つの方法は、全可変抵抗を切断
し、7個直列に固定抵抗したのと同等な最終抵抗測定用
素子を作成してこの抵抗値を測定し、測定した値を実際
に加工する加工検知素子の全可変抵抗が切断した時の抵
抗値として用いる方法がある。図6は、この方法に用い
る最終抵抗測定素子5の一例を示す平面図である。最終
抵抗測定素子5の形状としては、図1から図3に示した
加工検知素子1の可変抵抗部を切断した形状である。ま
た、端子引出し部や端子部に関しては、加工検知素子1
と同じ構造にすれば、抵抗値の誤差を小さくすることが
できる。また、最終抵抗測定素子5は、実際に加工時に
使用する加工検知素子1の近傍に作成することにより、
MR膜の膜厚の差によって生じる素子抵抗のばらつきを
防止することができる。
【0034】以上に説明したように、上記第1の実施例
によれば、加工検知素子1の全抵抗値に関して、初期抵
抗と可変抵抗が全部切断された時の最終抵抗を求め、さ
らに加工深さと加工検知素子1の全抵抗との関係から、
目的の加工深さに対する加工検知素子の全抵抗値を計算
し、実際の浮上面加工時に加工検知素子の全抵抗値が目
的の値になる様に加工すれることにより、MR素子部を
高精度に浮上面加工することが可能になる。
【0035】図7は本発明の第2の実施例を示す平面図
である。図7に示す加工検知素子6は、第1の実施例で
示した薄膜抵抗部だけで構成された加工検知素子とは異
なり、薄膜抵抗部の一部である可変抵抗部の一部に、図
示する様に薄膜導体部73を積層したことを特徴として
いる。図8は、図7に示した加工検知素子6を構成して
いる7つの直列に接続された抵抗素子を単体で示す平面
図である。図7において、71と72は薄膜抵抗部、7
3は薄膜導体部を示している。図7と図8において、加
工検知素子6の固定抵抗部は第1の実施例と同様に薄膜
抵抗部71から構成されている。これに対して、可変抵
抗部は、薄膜抵抗部72を残した状態て薄膜導体部73
を積層した構成を有している。
【0036】ここで、薄膜抵抗部71,72は、第1の
実施例と同様にMR素子の感磁部を構成する膜と同一の
膜を用いることができる。また、薄膜導体部73は、M
R素子を構成する導体膜と同一の膜を用いることができ
る。この場合、薄膜導体部73のシート抵抗値は、MR
素子の感磁部に用いられる膜(上記薄膜抵抗部71,7
2の抵抗)のシート抵抗に対して約1/5から1/50
程度の値であり小さい値となる。したがって、可変抵抗
部の加工前の抵抗値は、第1の実施例の場合よりも小さ
な値であるので、加工前の加工検知素子6の全抵抗は小
さくなる。加工前の加工検知素子6の全抵抗が小さくな
るので、加工時に変化する抵抗の幅はそれだけ大きくな
り、浮上面加工深さの量に対する抵抗値の変化量が第1
の実施例の場合に比べて大きくなり、加工深さの位置の
精度が向上する。
【0037】また、浮上面加工時の加工深さ方向の位置
は、第1の実施例と同様に全可変抵抗を切断した最終抵
抗測定素子を用いて測定することにより、加工検知素子
の抵抗値と加工深さの関係を求めることができる。
【0038】さらに、薄膜導体を積層した本実施例で
は、上記した方法とは異なる方法で全可変抵抗を切断し
た後の最終抵抗を測定することが可能である。この方法
は、薄膜抵抗部と薄膜導体部のパターンの形状を工夫す
ることによって得られる。すなわち、図9の(a)に示
すように、薄膜抵抗部(81)の可変抵抗部を一部切断
する。この切断は薄膜抵抗部81を形成する公知のフォ
トソリグラフティ工程等により容易に実現できる。この
ような構成により、薄膜抵抗部81を形成した直後に
は、可変抵抗部がすべて切断された加工検知素子が形成
されることになり、この時点で加工検知素子6の全抵抗
を測定することによって、全可変抵抗を切断した最終抵
抗値を求めることができる。次に、図9の(b)に示す
ように、薄膜導体部82を、薄膜抵抗部81の可変抵抗
部の切断された部分に重ねて形成し、この部分をショー
トさせる様に形成する。すると、前述の図7に示す加工
検知素子6を形成することができる。言うまでもなく、
完成した加工検知素子6の全抵抗値を測定することによ
って、加工をはじめる前の初期抵抗を求めることができ
る。従って、同一の素子を用いて、プロセスの途中で抵
抗を測定することにより、初期抵抗と最終抵抗を求める
ことができる。これにより、浮上面加工の深さ方向の位
置と加工検知素子の抵抗の関係を求めることができ、高
精度の浮上面加工が可能となる。
【0039】以上の実施例では、磁気抵抗効果膜を薄膜
抵抗として用いた例を示しているが、本発明はこれに限
定されるものではなく、他の金属薄膜であっても良く、
また巨大磁気抵抗効果膜を採用することも可能である。
【0040】また、上記実施例の加工検知素子は、薄膜
磁気ヘッドを浮上面加工する場合、薄膜磁気ヘッドバー
内に薄膜磁気ヘッドと相対的な位置を明確にして同時に
形成されており、これを用いて高精度な浮上面加工が可
能となる。
【0041】また、上記実施例の加工検知素子は、薄膜
磁気ヘッド基板上において、薄膜磁気ヘッドと同時に形
成することができる。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、薄膜磁気ヘッドの浮上
面加工において、加工検知素子の抵抗値が連続して変化
することにより、浮上面加工の深さの位置を高精度に測
定でき、薄膜磁気ヘッドの浮上面加工を高精度に加工で
きるという効果を有する。また、本発明によれば、浮上
面加工開始前の初期抵抗と全可変抵抗が切断した後の最
終抵抗の値を用いて、浮上面加工深さの位置と加工検知
素子の抵抗値の関係を求め、これを元に薄膜磁気ヘッド
の高精度浮上面加工を行なうことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す平面図。
【図2】図1に示す加工検知素子を薄膜磁気ヘッドのウ
エハ上に形成した状態の一例を示す斜視図。
【図3】図1と図2に示した加工検知素子を構成してい
る7つの直列に接続された抵抗素子を単体で示す平面
図。
【図4】図1に示す加工検知素子1を抵抗を用いて模式
的に表わした図。
【図5】図1に示す加工検知素子における浮上面加工深
さの位置とその抵抗変化の一例を示す図。
【図6】最終抵抗測定素子の一例を示す平面図。
【図7】図7は本発明の第2の実施例を示す平面図。
【図8】図7に示した加工検知素子を構成している7つ
の直列に接続された抵抗素子を単体で示す平面図。
【図9】図9の(a)は図7に示した加工検知素子を構
成している7つの直列に接続された抵抗素子(単体)を
構成する薄膜抵抗部の平面図、図9の(b)は図7に示
した加工検知素子を構成している7つの直列に接続され
た抵抗素子(単体)を構成すると薄膜導体部の平面図。
【符号の説明】
1…加工検知素子、2…抵抗素子、5…最終抵抗測定用
素子、6…加工検知素子、71,72…薄膜抵抗部、7
3…薄膜導体部、81…薄膜抵抗部、82…薄膜導体
部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 磯野 千博 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式 会社 日立製作所 ストレージシステム 事業部内 (72)発明者 ▲高▼倉 昭雄 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式 会社 日立製作所 ストレージシステム 事業部内 (72)発明者 竹浦 亨 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式 会社 日立製作所 ストレージシステム 事業部内 (56)参考文献 特開 昭63−29315(JP,A) 特開 平6−274837(JP,A) 特開 平5−205222(JP,A) 特開 平4−360008(JP,A) 特開 平3−84717(JP,A) 特公 昭63−13249(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/39 G11B 5/31 G11B 5/60 G11B 21/21 101

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 浮上面加工により加工されることない薄
    膜抵抗から形成される固定抵抗と浮上面加工の進行に応
    じて加工されて抵抗値の変化する薄膜抵抗から形成され
    る可変抵抗とを並列に接続して抵抗素子を形成し、 さらに、上記抵抗素子を構成する可変抵抗が浮上面加工
    の深さ方向に適当なピッチで配列されるように、上記抵
    抗素子を複数個直列に接続して加工検知素子を形成し、 浮上面加工を行うことにより、加工検知素子における複
    数の可変抵抗の内の少なくとも1つの可変抵抗が同時に
    加工され、浮上面加工の進行に伴って連続的に変化する
    加工検知素子両端の抵抗を測定することにより、薄膜磁
    気ヘッドの浮上面加工の位置を測定することを特徴とす
    る薄膜磁気ヘッドの浮上面加工方法。
  2. 【請求項2】 前記浮上面加工の進行に伴って連続的に
    変化する加工検知素子両端の抵抗を測定することによ
    り、薄膜磁気ヘッドの浮上面加工の位置を測定するに際
    し、浮上面加工をする前の初期抵抗と加工検知素子の可
    変抵抗がすべて切断された時の全切断抵抗とに基づい
    て、浮上面加工の深さの位置と加工検知素子の抵抗値と
    の関係を求め、この関係に基づいて目標の加工量を検出
    することを特徴とする請求項1記載の薄膜磁気ヘッドの
    浮上面加工方法。
  3. 【請求項3】 前記加工検知素子の薄膜抵抗を形成する
    際に、可変抵抗部分の一部を切断して形成し、この時の
    加工検知素子の全切断抵抗を求め、次いで、薄膜導体を
    形成することによって可変抵抗部分の一部の切断部分を
    短絡して可変抵抗が固定抵抗と並列に接続される構造と
    し、この構造での加工検知素子の初期抵抗を測定して浮
    上面加工深さの位置と加工検知素子の抵抗の関係を求
    め、この関係に基づいて目標の加工量を検出することを
    特徴とする請求項1記載の薄膜磁気ヘッドの浮上面加工
    方法。
  4. 【請求項4】浮上面加工により加工されることのない薄
    膜抵抗から形成される固定抵抗と浮上面加工の進行に応
    じて加工されて抵抗値の変化する薄膜抵抗から形成され
    る可変抵抗とを並列に接続した構成の抵抗素子を形成
    し、さらに上記抵抗素子を構成する可変抵抗が浮上面加
    工の深さ方向に適当なピッチで配列されるように、上記
    抵抗素子を複数個直列に接続して形成されたことを特徴
    とする薄膜磁気ヘッドの浮上面加工測定用加工検知素
    子。
  5. 【請求項5】 前記薄膜磁気ヘッドは磁気抵抗効果膜を
    用いた薄膜磁気ヘッドであり、前記抵抗素子を構成する
    薄膜抵抗が薄膜磁気ヘッドの感磁部を構成する膜と同一
    の膜で形成され、かつ薄膜磁気ヘッドの感磁部を形成す
    るのと同時に同一のフォトソリグラフティ工程により形
    成されたことを特徴とする請求項4記載の薄膜磁気ヘッ
    ドの浮上面加工測定用加工検知素子。
  6. 【請求項6】 可変抵抗が全て切断された構造の最終抵
    抗素子を前記加工検知素子の近傍に設けたことを特徴と
    する請求項4記載の薄膜磁気ヘッドの浮上面加工測定用
    加工検知素子。
  7. 【請求項7】 前記薄膜磁気ヘッドは磁気抵抗効果膜を
    用いた薄膜磁気ヘッドであり、前記抵抗素子を構成する
    固定抵抗を薄膜抵抗で形成し、可変抵抗を薄膜抵抗と薄
    膜導体を組み合わせて形成し、薄膜抵抗を薄膜磁気ヘッ
    ドを構成する膜と同一の膜で形成し、薄膜磁気ヘッドの
    感磁部を形成するのと同時に同一のフォトソリグラフテ
    ィ工程により形成されたことを特徴とする請求項4記載
    の薄膜磁気ヘッドの浮上面加工測定用加工検知素子。
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