JP3205517U - 基材 - Google Patents
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Abstract
【課題】長時間の装着時における美容液等の所定の液体の蒸散を抑制すると共に、装着部の不快な寒気を回避可能な基材を提供する。【解決手段】基材1は不織布2と発泡ポリエチレンシート3とを備え、これらをラミネート接合した構造をなす。不織布2は、例えば美容液等の所定の液体を浸透可能であり、親水性有する不織布である。この不織布2は、、レーヨンとPETの混合構造であり、その目付が5g/m2〜60g/m2で、厚みt1が0.05mm〜6.00mmである。発泡ポリエチレンシート3は、不織布2に浸透した液体の蒸散を抑制すると共に、不織布2との接触部位を保温するためのシートである。この発泡ポリエチレンシート3は、発泡倍率が10倍を超え、独立気泡構造を有し、且つ厚みt2が、0.01mm〜6.00mmである。【選択図】図1
Description
この考案は、美容用品、生理用品や医療用品等に用いられる基材に関し、例えば、肌の手入れに用いられる美容液含浸型パックのための基材に関する。
例えば、美容液含浸型パックは、肌の手入れに用いられるパックであり、顔、首、手足等の肌の乾燥やくすみを改善し、潤いのある健康な状態に維持するために用いられる。
このようなパックの1つとして、美容液を親水性の高い不織布に含浸させた基材によって身体の一部を直接覆う美容液含浸型パックが知られている。
美容液含浸型パックは、肌の手入れだけではなく、リラクゼーションの目的を兼ねて、休息時間に使用されることもある。このため、その基材の設計においては、装着時の快適さも重要な要素となる。
このようなパックの1つとして、美容液を親水性の高い不織布に含浸させた基材によって身体の一部を直接覆う美容液含浸型パックが知られている。
美容液含浸型パックは、肌の手入れだけではなく、リラクゼーションの目的を兼ねて、休息時間に使用されることもある。このため、その基材の設計においては、装着時の快適さも重要な要素となる。
美容液含浸型パックのための基材は、薄いシート状であり、適用される身体部位の形状に合わせて、顔型状、三日月状や長方形等の形にカットされ又は型抜きされて提供されることが一般的である。また、型抜きされた複数の基材片を互いに接合することで、顔等の立体的形状への追従性を高めた基材も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
いずれの型の基材にしても、美容液含浸型パックでは、美容液を基材に含浸して使用する。このような美容液含浸型パックには、利用者が商品の基材を自ら用意した美容液に含浸させて使用するものや、美容液が既に基材に含浸した状態で密封包装された商品を直接開封して使用するようなものもある。美容液を含浸させる基材の中には、コットン、レーヨン、ポリエステル、キュプラ、パルプ等からなる不織布のような親水性の高いシートのみで構成された基材がある。
しかし、このような基材を用いた美容液含浸型パックでは、使用者が身体の一部に装着している間、美容液が直接外気に触れているため、美容液が蒸散してしまう。この蒸散が起きると、肌に供給すべき美容液が早く失われ、また、身体温度が、蒸散時の気化熱によって奪われる。このため、この美容液含浸型パックでは、利用者が、装着部に不快な寒気(さむけ)を感じるという欠点があった。
しかし、このような基材を用いた美容液含浸型パックでは、使用者が身体の一部に装着している間、美容液が直接外気に触れているため、美容液が蒸散してしまう。この蒸散が起きると、肌に供給すべき美容液が早く失われ、また、身体温度が、蒸散時の気化熱によって奪われる。このため、この美容液含浸型パックでは、利用者が、装着部に不快な寒気(さむけ)を感じるという欠点があった。
そこで、上記のような欠点を克服した美容液含浸型パックの基材も提案されている。
この基材は、疎水性の高いフィルム、又はフィルムとその他材料を、不織布のような親水性の高いシートに合わせた複合材料の構造を有しており、かかる構造によって、美容液の過剰な蒸散を抑制している。
このような基材としては、例えば、親水性の高いシートを、肌に直接触れる側の層に使用し、ポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルムをこの親水性が高いシートの外層部に合わせた構造の基材がある(例えば、特許文献2及び特許文献3参照)。また、ポリエチレンテレフタート樹脂フィルムやポリウレタン樹脂フィルムを、繊維層に合わせた構造の基材等もある(例えば、特許文献4及び特許文献5参照)。
また、溶解したポリエチレン樹脂膜を不織布に合わせた構造の基材(例えば、特許文献6参照)や、ビニールを不織布に合わせた構造の基材(例えば、特許文献7参照)もある。 その他、金属箔又は金属箔を含む積層材、あるいは、金属又はセラミックの蒸着層を含むフィルムを、化粧剤を含浸又は塗布される保持基材に合わせた構造の基材(例えば、特許文献8参照)や、剥離可能な合成樹脂を美容液が浸透可能な層に合わせた構造で、且つフィルムで被覆された身体の熱を内部にこもらせることにより、皮膚の毛穴を開き、美容液の皮膚への浸透を促進させることで、効果を発揮させる基材もある(例えば、特許文献9参照)。
この基材は、疎水性の高いフィルム、又はフィルムとその他材料を、不織布のような親水性の高いシートに合わせた複合材料の構造を有しており、かかる構造によって、美容液の過剰な蒸散を抑制している。
このような基材としては、例えば、親水性の高いシートを、肌に直接触れる側の層に使用し、ポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルムをこの親水性が高いシートの外層部に合わせた構造の基材がある(例えば、特許文献2及び特許文献3参照)。また、ポリエチレンテレフタート樹脂フィルムやポリウレタン樹脂フィルムを、繊維層に合わせた構造の基材等もある(例えば、特許文献4及び特許文献5参照)。
また、溶解したポリエチレン樹脂膜を不織布に合わせた構造の基材(例えば、特許文献6参照)や、ビニールを不織布に合わせた構造の基材(例えば、特許文献7参照)もある。 その他、金属箔又は金属箔を含む積層材、あるいは、金属又はセラミックの蒸着層を含むフィルムを、化粧剤を含浸又は塗布される保持基材に合わせた構造の基材(例えば、特許文献8参照)や、剥離可能な合成樹脂を美容液が浸透可能な層に合わせた構造で、且つフィルムで被覆された身体の熱を内部にこもらせることにより、皮膚の毛穴を開き、美容液の皮膚への浸透を促進させることで、効果を発揮させる基材もある(例えば、特許文献9参照)。
しかし、上記した従来の基材では、次のような問題があった。
上記した複合材料構造の基材は、美容液の過剰な蒸散を抑制したり、身体の熱を内部にこもらせて、美容液の皮膚への浸透を促進させたりする効果を有するが、長時間装着していると、肌への美容液の浸透効果が低下してしまう。
すなわち、身体から放出された熱は、基材を構成するフィルム状や膜状の薄い層の内部に一時的に蓄積されるが、その一部または大部分が、熱伝導によって、フィルム状や膜状の薄い層から外気へと放出される。
このため、長時間にわたり装着をしていると、体温が装着部から奪われ、不快な寒気(さむけ)が装着部の肌を中心として感じられるようになる。この寒気によって、利用者の毛穴が収縮し、美容液の肌への浸透が妨げられてしまう。
つまり、従来の基材では、長時間装着していると、美容液が蒸散して、肌に供給すべき美容液が早く失われるという問題と、長時間装着していると、美容液の蒸散による気化熱によって、使用者が基材を装着した身体部位を中心に不快な寒気を感じると共に、その寒気による毛穴の収縮によって、美容液の肌への浸透が妨げられる問題があった。
このような問題は、美容液含浸型パック用の基材だけでなく、他の美容用品や生理用品及び医療用品等の基材においても生じており、その問題を解決する手段の提案が、期待されていた。
上記した複合材料構造の基材は、美容液の過剰な蒸散を抑制したり、身体の熱を内部にこもらせて、美容液の皮膚への浸透を促進させたりする効果を有するが、長時間装着していると、肌への美容液の浸透効果が低下してしまう。
すなわち、身体から放出された熱は、基材を構成するフィルム状や膜状の薄い層の内部に一時的に蓄積されるが、その一部または大部分が、熱伝導によって、フィルム状や膜状の薄い層から外気へと放出される。
このため、長時間にわたり装着をしていると、体温が装着部から奪われ、不快な寒気(さむけ)が装着部の肌を中心として感じられるようになる。この寒気によって、利用者の毛穴が収縮し、美容液の肌への浸透が妨げられてしまう。
つまり、従来の基材では、長時間装着していると、美容液が蒸散して、肌に供給すべき美容液が早く失われるという問題と、長時間装着していると、美容液の蒸散による気化熱によって、使用者が基材を装着した身体部位を中心に不快な寒気を感じると共に、その寒気による毛穴の収縮によって、美容液の肌への浸透が妨げられる問題があった。
このような問題は、美容液含浸型パック用の基材だけでなく、他の美容用品や生理用品及び医療用品等の基材においても生じており、その問題を解決する手段の提案が、期待されていた。
この考案は、上述した課題を解決するためになされたもので、長時間の装着時における美容液等の液体の蒸散を抑制すると共に、装着部の不快な寒気(さむけ)を回避可能な基材を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1の考案は、所定の液体が浸透可能であり、親水性を有する不織布と、不織布に浸透した所定の液体の蒸散を抑制すると共に、不織布との接触部位を保温するための発泡ポリエチレンシートとを備え、これら不織布と発泡ポリエチレンシートとがラミネート接合されている構成とした。
かかる構成により、美容液等の液体を不織布に含浸させた状態で、不織布を肌に接触させるようにして、基材を顔面等の肌に装着することができる。これにより、不織布に含浸された液体を肌に浸透させることができる。
ところで、不織布に含浸された液体は、長時間経つと、肌と反対側の表面から蒸散するおそれがある。
しかし、この考案の基材では、高い疎水性を有した発泡ポリエチレンシートを不織布の肌と反対側の表面にラミネート接合した構成になっている。このため、不織布の表面側に向かった液体が、発泡ポリエチレンシートによって、不織布の内部側に戻され、不織布表面からの液体の蒸散が抑制される。この結果、基材の長時間使用によって、より多くの液体を肌に浸透させることができる。
さらに、この考案の基材によれば、発泡ポリエチレンシートが不織布にラミネート接合された構成になっているので、発泡ポリエチレンシートに含まれている気泡が断熱層を形成し、保温効果を奏する。これにより、基材装着部における不快な寒気(さむけ)を回避することができる。
かかる構成により、美容液等の液体を不織布に含浸させた状態で、不織布を肌に接触させるようにして、基材を顔面等の肌に装着することができる。これにより、不織布に含浸された液体を肌に浸透させることができる。
ところで、不織布に含浸された液体は、長時間経つと、肌と反対側の表面から蒸散するおそれがある。
しかし、この考案の基材では、高い疎水性を有した発泡ポリエチレンシートを不織布の肌と反対側の表面にラミネート接合した構成になっている。このため、不織布の表面側に向かった液体が、発泡ポリエチレンシートによって、不織布の内部側に戻され、不織布表面からの液体の蒸散が抑制される。この結果、基材の長時間使用によって、より多くの液体を肌に浸透させることができる。
さらに、この考案の基材によれば、発泡ポリエチレンシートが不織布にラミネート接合された構成になっているので、発泡ポリエチレンシートに含まれている気泡が断熱層を形成し、保温効果を奏する。これにより、基材装着部における不快な寒気(さむけ)を回避することができる。
請求項2の考案は、請求項1に記載の基材において、発泡ポリエチレンシートは、発泡倍率が10倍を超える高発泡ポリエチレンシートであって、発泡体を構成する気泡が独立気泡構造となっており、且つ、厚みが0.01mm〜6.00mmの範囲内に設定されている構成とした。
請求項3の考案は、請求項1又は請求項2に記載の基材において、不織布の目付は、5g/m2〜60g/m2であり、不織布の材料は、コットン、麻、ナフ繊維、バナナ繊維、バンブー繊維、ユーカリ繊維、パルプ等の天然繊維、あるいはレーヨン、キュプラ、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、アクリル繊維、ビニロン、アラミド繊維等の化学繊維のいずれか、又は、これらの材料を混合したものである構成とした。
構成とした。
構成とした。
以上詳しく説明したように、この考案の基材によれば、発泡ポリエチレンシートによって、液体の蒸散を抑制することができるので、基材の長時間使用によって、より多くの液体を肌に浸透させることができ、この結果、液体をより効果的に使用することができる、という優れた効果がある。
さらに、この考案の基材によれば、発泡ポリエチレンシートが、保温効果を奏するので、基材装着部における不快な寒気を回避することができるだけでなく、装着部の肌にほのかな温かさを与える。この結果、その温かさによって、毛穴等が開いて、液体が肌に浸透し易くなる。また、この温かさによって、基材を使用する際のリラクゼーション効果を増進させることもできる、という優れた効果もある。
さらに、この考案の基材によれば、発泡ポリエチレンシートが、保温効果を奏するので、基材装着部における不快な寒気を回避することができるだけでなく、装着部の肌にほのかな温かさを与える。この結果、その温かさによって、毛穴等が開いて、液体が肌に浸透し易くなる。また、この温かさによって、基材を使用する際のリラクゼーション効果を増進させることもできる、という優れた効果もある。
以下、この考案の最良の形態について図面を参照して説明する。
(実施例)
図1は、この考案の一実施例に係る基材を裁断して示す斜視図であり、図2は、基材の断面図である。
図1及び図2に示すように、この実施例の基材1は、不織布2と発泡ポリエチレンシート3とを備え、これら不織布2と発泡ポリエチレンシート3とをラミネート接合した構造になっている。
図1は、この考案の一実施例に係る基材を裁断して示す斜視図であり、図2は、基材の断面図である。
図1及び図2に示すように、この実施例の基材1は、不織布2と発泡ポリエチレンシート3とを備え、これら不織布2と発泡ポリエチレンシート3とをラミネート接合した構造になっている。
不織布2は、美容液等の所定の液体を浸透可能であり、親水性有する不織布である。このような不織布2の材料として、コットン、麻、ナフ繊維、バナナ繊維、バンブー繊維、ユーカリ繊維、パルプ等の天然繊維、あるいはレーヨン、キュプラ、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、アクリル繊維、ビニロン、アラミド繊維等の化学繊維のいずれか、又は、これらの材料を混合したものが適用可能である。
この実施例の不織布2では、レーヨンとPET(ポリエチレンテレフタラート)繊維を80%:20%の比率で混合し、スパンレース製法によってつくられた不織布を適用した。また、不織布2の目付を、5g/m2〜60g/m2に設定した。なお、不織布2の厚みは、任意であるが、この実施例では、厚みt1が、0.05mm〜6.00mmの範囲内にある不織布を適用した。
この実施例の不織布2では、レーヨンとPET(ポリエチレンテレフタラート)繊維を80%:20%の比率で混合し、スパンレース製法によってつくられた不織布を適用した。また、不織布2の目付を、5g/m2〜60g/m2に設定した。なお、不織布2の厚みは、任意であるが、この実施例では、厚みt1が、0.05mm〜6.00mmの範囲内にある不織布を適用した。
一方、発泡ポリエチレンシート3は、不織布2に浸透した液体の蒸散を抑制すると共に、不織布2との接触部位を保温するためのシートである。
具体的には、発泡ポリエチレンシート3は、発泡倍率が10倍を超える高発泡ポリエチレンシートである。つまり、単位重量当たりの体積(リットル/キログラム)が、10倍を超えており、疎水性だけでなく、断熱性の面でも優れた特性を有している。
特に、この発泡ポリエチレンシート3は、独立気泡構造になっている。つまり、図1及び図2に示すように、気泡30同士が、互いに接触及び連続することなく、多数の気泡30が発泡ポリエチレンシート3内に高密度で分散している。
さらに、この実施例では、無架橋の高発泡ポリエチレンシートを、発泡ポリエチレンシート3として適用しており、優れたクッション性を確保している。
すなわち、この実施例の発泡ポリエチレンシート3では、ポリエチレン製のシートが本来有する優れた防水・防湿等の疎水性を備えている。
さらに、発泡ポリエチレンシート3が、高い発泡倍率を有しているので、高密度の気泡30の層が断熱層を形成し、保温・保冷等の断熱効果を奏する。しかも、気泡30の構造が、連続気泡構造でなく、独立気泡構造であるので、その断熱効果がさらに高められている。
また、発泡ポリエチレンシート3は、無架橋の高発泡ポリエチレンシートであるので、軟質でクッション性に富んでいる。
このような発泡ポリエチレンシート3の厚みは任意である。この実施例では、シートの保温性と柔軟性を確保するため、発泡ポリエチレンシート3の厚みt2を、0.01mm〜6.00mmの範囲内に設定した。
具体的には、発泡ポリエチレンシート3は、発泡倍率が10倍を超える高発泡ポリエチレンシートである。つまり、単位重量当たりの体積(リットル/キログラム)が、10倍を超えており、疎水性だけでなく、断熱性の面でも優れた特性を有している。
特に、この発泡ポリエチレンシート3は、独立気泡構造になっている。つまり、図1及び図2に示すように、気泡30同士が、互いに接触及び連続することなく、多数の気泡30が発泡ポリエチレンシート3内に高密度で分散している。
さらに、この実施例では、無架橋の高発泡ポリエチレンシートを、発泡ポリエチレンシート3として適用しており、優れたクッション性を確保している。
すなわち、この実施例の発泡ポリエチレンシート3では、ポリエチレン製のシートが本来有する優れた防水・防湿等の疎水性を備えている。
さらに、発泡ポリエチレンシート3が、高い発泡倍率を有しているので、高密度の気泡30の層が断熱層を形成し、保温・保冷等の断熱効果を奏する。しかも、気泡30の構造が、連続気泡構造でなく、独立気泡構造であるので、その断熱効果がさらに高められている。
また、発泡ポリエチレンシート3は、無架橋の高発泡ポリエチレンシートであるので、軟質でクッション性に富んでいる。
このような発泡ポリエチレンシート3の厚みは任意である。この実施例では、シートの保温性と柔軟性を確保するため、発泡ポリエチレンシート3の厚みt2を、0.01mm〜6.00mmの範囲内に設定した。
上記のような不織布2と発泡ポリエチレンシート3とは、ラミネート接合されている。
図3は、ラミネート接合の原理を説明するための模式図である。
ラミネート接合自体は周知な技術であるため、ここでは、詳細な説明は省き、原理のみ簡単に説明する。
図3において、符号1’が、この実施例の基材1をロール状にした原反である。そして、符号2’が、上記した不織布2をロール状にした原反であり、符号3’が、上記した発泡ポリエチレンシート3をロール状にした原反である。
原反1’〜3’は、所定の位置に回転可能に位置決めされている。原反1’〜3’のローラの回転によって、不織布2と発泡ポリエチレンシート3とが、それぞれ、原反2’と原反3’から引き出される。そして、これら不織布2と発泡ポリエチレンシート3とが全面において接合するように、図示しない専用機械によってラミネート接合されて、基材1が形成される。ラミネート接合された基材1は、ローラに巻き取られ、ロール状の原反1’として、保管される。
図3は、ラミネート接合の原理を説明するための模式図である。
ラミネート接合自体は周知な技術であるため、ここでは、詳細な説明は省き、原理のみ簡単に説明する。
図3において、符号1’が、この実施例の基材1をロール状にした原反である。そして、符号2’が、上記した不織布2をロール状にした原反であり、符号3’が、上記した発泡ポリエチレンシート3をロール状にした原反である。
原反1’〜3’は、所定の位置に回転可能に位置決めされている。原反1’〜3’のローラの回転によって、不織布2と発泡ポリエチレンシート3とが、それぞれ、原反2’と原反3’から引き出される。そして、これら不織布2と発泡ポリエチレンシート3とが全面において接合するように、図示しない専用機械によってラミネート接合されて、基材1が形成される。ラミネート接合された基材1は、ローラに巻き取られ、ロール状の原反1’として、保管される。
上記したラミネート接合は、高精度且つ確実な加工を保証する生産性の高い接合方法として知られている。すなわち、ラミネート接合することによって、不織布2と発泡ポリエチレンシート3とが均質(シームレス)に接合され、不織布2と発泡ポリエチレンシート3との密着性が高まる。そして、かかる均質な接合が可能であることから、ラミネート接合された基材1に対して、型抜き加工やカット等の二次加工を行った際にも、接合強度を損なうことはない。かかる点に着目して、この実施例の基材1では、不織布2と発泡ポリエチレンシート3とを接合する際に、ラミネート接合を用いて接合することとした。
このようなラミネート接合を実現する工法としては、ドライラミネート法が例示できるが、その他にも、ホットメルトラミネート法、パウダーラミネート法、スプレーラミネート法、ワックスラミネート法、フレームラミネート法等、各種の工法がある。
そして、これらの工法のうちのいずれの工法を使用しても、この実施例の基材1を形成するためのラミネート接合を実現することができる。
そして、これらの工法のうちのいずれの工法を使用しても、この実施例の基材1を形成するためのラミネート接合を実現することができる。
次に、この実施例の基材の使用例と、基材が示す作用及び効果について説明する。
図4は、基材の使用例を示す模式図である。
図4に示すように、基材1を、美容液含浸パックの基材として使用する場合には、基材1をロール状の原反1’から引き出し、基材1を型抜き用機械100に送り込む。すると、基材1が、型抜き用機械100によって、顔面型に型抜きされ、型抜き用機械100を通過した基材1に、顔面型のパックシート10が形成される。このパックシート10を基材1から取り出して、美容液を基材1に含浸させることで、パックシート10を美容液含浸パックとして用いることができる。
図4は、基材の使用例を示す模式図である。
図4に示すように、基材1を、美容液含浸パックの基材として使用する場合には、基材1をロール状の原反1’から引き出し、基材1を型抜き用機械100に送り込む。すると、基材1が、型抜き用機械100によって、顔面型に型抜きされ、型抜き用機械100を通過した基材1に、顔面型のパックシート10が形成される。このパックシート10を基材1から取り出して、美容液を基材1に含浸させることで、パックシート10を美容液含浸パックとして用いることができる。
図5は、基材1で形成されたパックシート10を顔に装着した状態を示す斜視図であり、図6は、装着部の部分拡大断面図であり、図7は、基材1で形成されたパックシート10の作用及び効果を説明するための部分拡大断面図である。
図5及び図6に示すように、美容液が含浸された不織布2側をユーザ200の顔面210を向けて、不織布2全体が顔面210に接触するように張り付けることにより、パックシート10を顔面210に装着することができる。
これにより、図6の矢印で示すように、不織布2に含浸された美容液Lが、不織布2の裏面2bから顔面210側に流出して、肌に浸透し、所望の美容効果を発揮する。
ところで、パックシート10を顔面210に長時間装着した状態にしていると、不織布2に含浸された美容液Lが、不織布2の表面2a側から蒸散しようとする。
しかし、この実施例の基材1から形成されたパックシート10では、防水・防湿等の疎水性に優れた発泡ポリエチレンシート3が、不織布2の表面2aにラミネート接合されている。
このため、図7の矢印で示すように、不織布2の表面2a側に向かった美容液Lは、発泡ポリエチレンシート3によって、不織布2の裏面2b側に戻される。この結果、美容液Lが不織布2の表面2aから蒸散するという事態を抑制することができる。これにより、パックシート10を顔面210に長時間装着することで、より多くの美容液Lを顔面210の肌に浸透させることができる。
さらに、パックシート10の発泡ポリエチレンシート3が、発泡倍率が10倍を超えるという高密度でしかも独立気泡構造の気泡30の層を有しているので、気泡30の層が断熱層として機能し、顔面210からの放熱が、この気泡30の層によって抑制される。この結果、不織布2の表面2a側からの放熱も抑制され、パックシート10を装着した顔面210で生じるおそれがある不快な寒気(さむけ)も回避することができると共に、顔面210の肌にほのかな温かさを与えることができる。
図5及び図6に示すように、美容液が含浸された不織布2側をユーザ200の顔面210を向けて、不織布2全体が顔面210に接触するように張り付けることにより、パックシート10を顔面210に装着することができる。
これにより、図6の矢印で示すように、不織布2に含浸された美容液Lが、不織布2の裏面2bから顔面210側に流出して、肌に浸透し、所望の美容効果を発揮する。
ところで、パックシート10を顔面210に長時間装着した状態にしていると、不織布2に含浸された美容液Lが、不織布2の表面2a側から蒸散しようとする。
しかし、この実施例の基材1から形成されたパックシート10では、防水・防湿等の疎水性に優れた発泡ポリエチレンシート3が、不織布2の表面2aにラミネート接合されている。
このため、図7の矢印で示すように、不織布2の表面2a側に向かった美容液Lは、発泡ポリエチレンシート3によって、不織布2の裏面2b側に戻される。この結果、美容液Lが不織布2の表面2aから蒸散するという事態を抑制することができる。これにより、パックシート10を顔面210に長時間装着することで、より多くの美容液Lを顔面210の肌に浸透させることができる。
さらに、パックシート10の発泡ポリエチレンシート3が、発泡倍率が10倍を超えるという高密度でしかも独立気泡構造の気泡30の層を有しているので、気泡30の層が断熱層として機能し、顔面210からの放熱が、この気泡30の層によって抑制される。この結果、不織布2の表面2a側からの放熱も抑制され、パックシート10を装着した顔面210で生じるおそれがある不快な寒気(さむけ)も回避することができると共に、顔面210の肌にほのかな温かさを与えることができる。
以上のように、この実施例の基材1から形成されたパックシート10を使用することにより、美容液Lを蒸散させることなく、パックシート10を長時間使用することができ、この結果、より効果的な美容が可能となる。さらに、パックシート10の保温効果により、毛穴等の開きを良くして、肌への美容液Lの浸透を容易にすると共に、ほのかな温かさによって、ユーザ200に対してリラクゼーション効果を発揮する。
なお、この考案は、上記実施例に限定されるものではなく、考案の要旨の範囲内において種々の変形や変更が可能である。
例えば、上記実施例では、レーヨンとPET繊維を80%:20%の比率で混合して形成した不織布であって、目付が5g/m2〜60g/m2であり、且つ厚みが0.05mm〜6.00mmの範囲内の不織布2を例示したが、これに限るものではなく、所定の液体が浸透可能であり、親水性を有する不織布であるならば、全て不織布が、この考案の範囲に含まれることは勿論である。
また、上記実施例では、発泡倍率10倍超えで且つ独立気泡構造を有した無架橋の発泡ポリエチレンシート3を例示したが、これに限るものではなく、不織布に浸透した所定の液体の蒸散を抑制すると共に、不織布との接触部位を保温することができる発泡ポリエチレンシートであるならば、全ての発泡ポリエチレンシートが、この考案の範囲に含まれることは勿論である。
さらに、上記実施例では、基材を、美容液含浸型のパックに使用し、その場合の作用及び効果について説明したが、この考案の基材は、他の美容用品や生理用品及び医療用品等の基材としても使用することができ、そして、同様の作用及び効果を奏することは勿論である。
例えば、上記実施例では、レーヨンとPET繊維を80%:20%の比率で混合して形成した不織布であって、目付が5g/m2〜60g/m2であり、且つ厚みが0.05mm〜6.00mmの範囲内の不織布2を例示したが、これに限るものではなく、所定の液体が浸透可能であり、親水性を有する不織布であるならば、全て不織布が、この考案の範囲に含まれることは勿論である。
また、上記実施例では、発泡倍率10倍超えで且つ独立気泡構造を有した無架橋の発泡ポリエチレンシート3を例示したが、これに限るものではなく、不織布に浸透した所定の液体の蒸散を抑制すると共に、不織布との接触部位を保温することができる発泡ポリエチレンシートであるならば、全ての発泡ポリエチレンシートが、この考案の範囲に含まれることは勿論である。
さらに、上記実施例では、基材を、美容液含浸型のパックに使用し、その場合の作用及び効果について説明したが、この考案の基材は、他の美容用品や生理用品及び医療用品等の基材としても使用することができ、そして、同様の作用及び効果を奏することは勿論である。
1…基材、 1’〜3’…原反、 2…不織布、 2a…表面、 2b…裏面、 3…発泡ポリエチレンシート、 10…パックシート、 30…気泡、 100…型抜き用機械、 200…ユーザ、 210…顔面、 L…美容液、 t1,t2…厚み。
Claims (3)
- 所定の液体が浸透可能であり、親水性を有する不織布と、
上記不織布に浸透した上記所定の液体の蒸散を抑制すると共に、不織布との接触部位を保温するための発泡ポリエチレンシートと、
を備え、
これら不織布と発泡ポリエチレンシートとがラミネート接合されている、
ことを特徴とする基材。 - 上記発泡ポリエチレンシートは、発泡倍率が10倍を超える高発泡ポリエチレンシートであって、発泡体を構成する気泡が独立気泡構造となっており、且つ、厚みが0.01mm〜6.00mmの範囲内に設定されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の基材。 - 上記不織布の目付は、5g/m2〜60g/m2であり、
上記不織布の材料は、コットン、麻、ナフ繊維、バナナ繊維、バンブー繊維、ユーカリ繊維、パルプ等の天然繊維、あるいはレーヨン、キュプラ、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、アクリル繊維、ビニロン、アラミド繊維等の化学繊維のいずれか、又は、これらの材料を混合したものである、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の基材。
Priority Applications (1)
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JP2016002273U JP3205517U (ja) | 2016-05-18 | 2016-05-18 | 基材 |
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Family Applications (1)
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2016
- 2016-05-18 JP JP2016002273U patent/JP3205517U/ja active Active
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