JP3019755U - 液状化粧用パフ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 液状化粧料がパフ内部へ浸透するのを防止し
て化粧料の無駄をなくし、しかも優れた感触の肌触りを
有するという液状化粧用パフを開発すること。 【構成】 スポンジ基体の表面に、独立気泡からなるゴ
ム発泡シートを貼り合わせ、このシートの表面に接着剤
を介してパイルを植毛した構造にする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、リキッドタイプや乳液タイプ等の液状化粧料を肌に塗るときに使用 するパフであって、かつその表面が植毛されているものに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、液状化粧料をパフに付けて肌に塗る場合、液状化粧料がパフ内に多量に 浸み込んで無駄になる割合が高く、したがってこのパフを使用せずに手に化粧料 を付けて肌に塗ることが一般的に行われている。

【０００３】 しかしながら、液状化粧料を手に付けると、その手を洗浄しなければならず、 また使い心地も決して好ましくなく、何らかの改善が望まれているのである。

【０００４】 この問題を解決する一つの手段として、スポンジ基体の表面に熱融着性フイル ムを貼ってスポンジ内への浸透を防止し、その上に植毛を施すというパフも出現 したが、この技術には下記の様な欠点があった。

【０００５】 それは、熱融着性フイルムを貼るときに、高温で処理すると表面平滑となるが フイルムの形態が悪くなって止水性を損ない化粧液の浸透が多くなり、一方低温 処理で貼り合わせるとフイルムの形態は維持され浸透防止性は得られるが、表面 がゴワゴワして肌触りがかなり悪いという欠点が生じるのである。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、上記のような問題点を解決することを目的としてなされたものであ り、優れた感触の肌触りを保持しながら化粧液の浸透防止性を有するという新規 な液状化粧用パフを提供しようとするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】 上記の目的を達成するために種々検討したところ、スポンジ基体への浸透を防 止する止水層として、独立気泡からなる発泡状態を有するゴムシートを利用すれ ば、非常に好適な結果が得られることを見い出したのである。

【０００８】 すなわち本考案は、スポンジ基体の表面に、独立気泡からなるゴム発泡シート を貼り合わせ、このシート上に接着剤を介してパイルを植毛したことを特徴とす る液状化粧用パフ、を要旨とするものである。

【０００９】 本考案を図面を参照し、実施例をあげて詳細に説明する。 図１は、本考案パフの１実施例の部分拡大断面略図である。 この図のように本考案は、スポンジ基体（１）にゴム発泡シート（２）を貼り 合わせて、その表面に接着剤（３）を介して多数のパイル（４）を植毛したもの である。

【００１０】 このゴム発泡シート（２）内の発泡状態は独立気泡（５）であって、気泡同志 は連続せず、それぞれ１個１個の気泡が独立しているのである。 例えば、クロロプレンゴム製の独立気泡発泡ゴムを、スリッターにて０．５〜 １．０mmの厚さにスライスすると、本考案におけるゴム発泡シート（２）が得ら れるのである。

【００１１】 このゴム発泡シート（２）をスポンジ基体（１）の表面に貼り合わせる手段と しては、特に限定する必要はないが、例えば厚さ２０〜４０μ熱溶着性ポリウレ タンフイルム（６）を利用して熱溶着する方法などが挙げられる。 なお、パフ形状に仕上げたスポンジ基体（１）の全表面に、このゴム発泡シー ト（２）を貼る必要があることは勿論である。

【００１２】 このようにして得られたゴム発泡シート（２）に包まれたパフ材料に、接着剤 （３）を介してパイル（４）を植毛するのである。 これは通常の静電植毛法により、パイル（４）を飛翔させて接着剤（３）の層 へ植毛すれば良い。

【００１３】 本考案におけるスポンジ基体（１）は、通常、ポリウレタンフォームや発泡ゴ ムからなるもので、パフとして適切なクッション性を有すれば良く、切断・研削 などによりパフ形状に仕上げれば良い。

【００１４】 また本考案におけるゴム発泡シート（２）は、前述した如く０．５〜１．０mm の厚さが好ましく、あまり薄いと感触が悪くなるし止水性にも問題が出やすくな り、一方、厚さの大きい場合は物性的な問題はないが、所定以上の厚さは無駄で あり、経済性から言って１．０mmをこえるものは不必要である。

【００１５】 本考案における接着剤（３）は、ポリアクリル酸エステルエマルジョン、ポリ ウレタンエマルジョン、合成ゴムラテックス等のような接着剤が好適に使用でき 、適度な粘性乳液にしてスプレー塗布、又は含浸塗布すれば良い。

【００１６】 さらに本考案におけるパイル（４）としては、特に限定する必要はないが太さ １〜５デニール、長さ０．５〜２mmのナイロンパイルやレーヨンパイルが好適に 使用できるものである。

【００１７】

【作用】

本考案は以上の様な構成からなり、スポンジ基体（１）と表面植毛との間に、 独立気泡（５）からなるゴム発泡シート（２）を介在させたことに最大の特徴を 有している。 そして、このゴム発泡シート（２）はその貼り合わせ時の熱処理などの条件に 何ら左右されずにシート状態を維持したまま貼り合わせできるのである。

【００１８】 このゴム発泡シート（２）は発泡体ではあるが、独立気泡（５）であるため透 水性はなく、スポンジ基体（１）への液状化粧料の浸透を防止するのである。 しかも、独立気泡（５）であっても発泡体であるため非常に柔軟なクッション 性を有し、植毛による優れた肌触りを保持し、パフとしての感触は全く損なわれ ないのである。

【００１９】

【考案の効果】

本考案の効果は、液状化粧料を肌に塗るときに、この液状化粧料がパフ内部へ 浸透するのを防止できるという液状化粧用パフを開発したことであり、液状化粧 料の無駄がなく、非常に経済的にすぐれたパフを提供したことである。

【００２０】 しかも、この止水層として独立気泡のゴム発泡シートを使用しているため、そ のクッション性により非常にすぐれた肌触りを有し、植毛パフの感触上の長所を 保持しているのである。 また、このゴム発泡シートはその貼り合わせ時の熱条件などで、シート状態が 損なわれることはなく、表面感触は常にすぐれたものとなっている。

【００２１】 以上の結果、従来はほとんどの場合、液状化粧料を手で肌に塗っていたのであ るが、本考案パフを使用して化粧することができるようになり、手を洗う必要も なく、使い心地も良くなり、しかも経済性も向上するという顕著な効果が得られ るのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案パフの１実施例の部分拡大断面略図であ
る。

【符号の説明】

（１） スポンジ基体 （２） ゴム発泡シート （３） 接着剤 （４） パイル （５） 独立気泡 （６） 熱溶着性ポリウレタンフイルム

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 スポンジ基体の表面に、独立気泡からな
   るゴム発泡シートを貼り合わせ、このシート上に接着剤
   を介してパイルを植毛したことを特徴とする液状化粧用
   パフ。