JP2001128730A - 化粧用塗布具 - Google Patents
化粧用塗布具Info
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Abstract
機能性の両性能を具備した化粧用塗布具、すなわち、マ
シュマロのような感触を有し、そして高度のテクニック
がなくても簡単に綺麗に化粧料(ファンデーション)を
塗布できるように、鼻の付近などのように凹凸が激しい
部分でも、肌の表面に沿うように変形可能な塗布具を提
供する。 【解決手段】 柔軟性と低反撥弾性を有する発泡体を基
体としており、常温で無加重状態の化粧用塗布具の厚み
に対して20%の厚みになるまで加重してそのままの圧
縮状態で1分間置いた後、加重を除去して元の厚みに復
元するまでの時間を測定する回復性試験において、復元
時間が2秒間以上を要して徐々に回復する化粧用塗布具
である。
Description
ファンデーションの塗布に適した化粧用塗布具に関する
ものである。
用塗布具としては、NBR発泡体や、その他合成ゴムの
発泡体や或いはポリウレタン発泡体などが多用されてい
る。
や風合などの改善が求められており、種々の提案がなさ
れている。
覆することが実公昭57−29687号公報において提
案されている。
る方法が特開平6−311909号公報に提案されてい
る。
泡体に植毛をしたり、或いはミクロポーラスなシートを
貼合わせることも提案されている。
方法や塗布具においては、肌に対する感触や風合などが
未だ充分に改善されていない。特に、化粧料の肌への付
着量などの塗布機能面と併せて考慮すると更なる改善が
求められている。
などの広い面積の部分や凹凸のあまりない箇所に化粧料
を塗布するのには問題なく行うことができるが、鼻、特
に小鼻の付近および目の周辺、特に目と鼻の間や瞼に化
粧料を綺麗に塗布するには高度のテクニックが必要であ
る。このような箇所は凹凸が大きく、化粧料が全く付か
なかったり、塗布具(パフ)を肌に軽く接触させると、
凹部、例えば小鼻のつけ根の部分はパフの表面から離れ
た状態であり、そのため化粧料が塗布されないまま残っ
てしまう。このため、後で化粧料が塗布されなかった箇
所を再度化粧料を塗ろうとするが、化粧料がその箇所だ
け余分に付いたりして、斑になったりするので綺麗に化
粧料を塗布することが難しい。このため綺麗に化粧料を
塗布するためには、化粧料を塗布する方向や、塗布する
順番或いは塗布具のどこの部分を使用するかなどと細く
また高度なテクニックが必要である。塗る場合の力加減
も重要であり、高度のテクニックが必要である。また朝
の忙しい時間に綺麗に化粧をすることはなかなか困難な
ことである。
消するためになされたもので、非常にソフトで肌当りの
よい感触と塗布機能性の両性能を具備した化粧用塗布具
を提供することを目的としている。すなわち、マシュマ
ロのような感触を有し、そして高度のテクニックがなく
ても簡単に綺麗に化粧料(ファンデーション)を塗布で
きるように、鼻の付近などのように凹凸が激しい部分で
も、肌の表面に沿うように変形可能な塗布具を提供する
ことを目的とする。
コンパクトが持ち運びに便利なように薄型のものが求め
られている。このような薄型のコンパクトに入れるため
にパフも薄いものとなっているが、あまり薄いと腰がな
さすぎて化粧料を塗布し難いという問題がある。本発明
は、このような点を解決し、ある程度の厚みを持たせ、
圧縮され易く且つ圧縮永久歪みが少なく、薄型のコンパ
クトに圧縮した状態で収納することが可能であるような
化粧用塗布具を提供することを目的とする。
撥弾性を有する発泡体を基体としており、常温で無加重
状態の化粧用塗布具の厚みに対して20%の厚みになる
まで加重してそのままの圧縮状態で1分間置いた後、加
重を除去して元の厚みに復元するまでの時間を測定する
回復性試験において、復元時間が2秒間以上を要して徐
々に回復することを特徴とする化粧用塗布具により、前
記目的を達成した。
発泡体が硬度100N(ニュートン)以下の柔軟性と、
反撥弾性率25%以下の低反撥弾性を有することを特徴
としている。
または2の発明において基体の少なくとも片面に微細な
気泡を有するシートを貼着したものを特徴としている。
も片面に柔軟な薄膜層を形成したことを特徴としてい
る。また、請求項5の発明では、基体の少なくとも片面
に接着剤を介して繊維を植毛したことを特徴としてい
る。なお、請求項4および請求項5によれば、基体の表
面を両面とも同じ状態の面としてもよいし(例えば両面
に微細な気泡を有するシートを貼着した面とする)、或
いは基体の表面をそれぞれ異なった状態の面としてもよ
い(例えば、片面は微細な気泡を有するシートを貼着し
た面とし、反対側の面は植毛した面とする)。
に説明する。本発明の化粧用塗布具は、主としてファン
デーションを塗布するためのパフの形態をしている。そ
して、本発明の化粧用塗布具は柔軟性と低反撥弾性を有
する発泡体を基体としており、塗布具を厚さ方向に押さ
えて圧縮した後に、元の厚みに戻るまでが、従来のパフ
のように瞬時に戻るのではなく、ゆっくりと徐々に戻る
ものである。
軟性と低反撥弾性を有する発泡体としては、JIS K
6401に基づく硬度が100N(ニュートン)以下
の柔軟性と、反撥弾性率が25%以下の低反撥弾性とを
有する発泡体を使用することがが好ましいが、材質は特
に限定されない。
天然ゴム、合成ゴム、例えばジエン系(ブタジエンゴ
ム、イソプレンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、アク
リロニトリル・ブタジエンゴム、クロロプレンゴム)、
オレフィン系(エチレン・プロピレンコポリマー、エチ
レン・プロピレン・ジエン・ターポリマー、塩素化ポリ
エチレン)、有機ケイ素化合物系(シリコーンゴム)、
フッ素化合物系、ポリウレタン系(ポリエーテルタイ
プ、ポリエステルタイプなど)、ビニル系(アクリルゴ
ム)あるいは合成樹脂、例えばポリエチレン、ポリプロ
ピレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレンコポ
リマー、ポリビニルクロライドなどが挙げられる。
化粧用具として要求される柔軟性やボリューム感および
肌へのフィット感など感性と機能性とを併有させること
ができるので最も適している。
基体をそのまま化粧用塗布具として使用することも可能
であるが、化粧用塗布具として化粧料の乗り或いは肌へ
の感触などを考慮して基体の片面または両面に基体より
も微細な気泡を有するシートを貼着してもよい。
基体よりも微細な気泡を有するシートであれば、前記基
体形成材料と同種または異種の材料が任意に使用でき
る。特に、ポリウレタン系樹脂のジメチルホルムアミド
溶液に気泡調節剤その他の種々の添加剤を混合した配合
液を使用し、水に浸漬して凝固させる所謂湿式凝固法に
よって製造したポリウレタン系微細多孔質シートが好ま
しい。該シートの厚みは特に限定されないが2mm以下が
望ましい。
塗布具には、基体の表面に柔軟な皮膜を接着して貼合せ
て、基体の中にリキッドファンデーションが浸透しない
ようにすることが好ましい。ここに使用する被膜は、前
記の基体に使用した合成ゴムあるいは合成樹脂のうち、
柔軟性に富むものを使用できる。
具としては、薄いシート状の発泡体やフィルムに植毛し
たものを前記基体に貼合せたり、或いは基体に直接接着
剤を塗布して静電植毛により微細な繊維を植毛したりす
ることができる。
マルジョン、NBRラテックス、ポリウレタン系エマル
ジョンなど、通常使用される接着剤を使用できる。ま
た、基体に被膜やシートを貼合せる方法としては、通常
の接着剤による接着またはフレーミングによって容易に
貼合せることができる。貼合せのために使用する接着剤
としては、一般に使用される各種のエマルジョンタイ
プ、溶剤タイプおよびホットメルトタイプなど任意のも
のを使用できる。
しておいてもよいし、或いは異なった面状態としておい
てもよい。異なった面状態としておくことにより、2種
類の化粧料(例えば、パウダリーファンデーションとリ
キッドファンデーション)に対応することができる。
粧用塗布具を厚さ方向に押さえて圧縮した後に、元の厚
みに戻るまでの時間を測定する試験)は下記のように行
う。なお、本発明の回復性試験は、JIS K 640
1 5.5「圧縮残留ひずみ試験」を参考にしている
が、化粧用塗布具(パフ)の測定に適するように修正を
加えた。
は直方形もしくは直径が40mm以上の円形(短径が40
mm以上有する楕円形であっても差し支えない)で、厚さ
は7mm以上の化粧用塗布具を試料1とする。この試料1
を25℃の温度で6時間以上静置する。 2.試験方法:試料1の厚さを正確に測定した後、図1
(a)示すように平滑なガラス板2の上に設置する。一
方、このガラス板2上には試料1の元の厚みHの20%
の高さS(すなわち、S=0.2H)のストッパー3を
設けておき、試料1の上面にガラス板(シャレーを利用
した)4を乗せて、その上に重錘5を乗せて荷重を順次
かけてストッパー3の高さまで圧縮する(圧縮率=(H
−S)/H×100で表現すると圧縮率80%)。図1
(b)示すように、この状態で1分間圧縮を行った後、
重錘5とともに上面のガラス板4を取り除き、元の厚み
Hに復元するまでの時間を測定する。測定する試料1は
3点とし、その平均値で示す。
製品と市販品との比較試験においては、圧縮率80%以
外に圧縮率50%、圧縮時間を1分と3分を行ってい
る。その結果、従来品は圧縮率および圧縮時間を変化さ
せても瞬時に回復してしまうこと、一方、本発明実施品
は徐々に回復することが分った。また、回復時間と圧縮
率または圧縮時間との関係では圧縮率の方が回復時間に
影響が大きいことが分った。更に、化粧を実際に行う際
にはパフを肌に強く押し付ける可能性があることなどを
も考慮して、本発明においては化粧用塗布具の回復性を
測定するに際して圧縮率80%、圧縮時間1分を採用し
た。
復性試験を行った場合に、その回復に掛かる時間が2秒
以上を要し徐々に回復するものである。また、薄型のコ
ンパクトに圧縮状態で収納することを考慮した場合、そ
の元に戻る時間は2秒以上であり、なお且つ30秒以下
であることが好ましい。
々に回復する化粧用塗布具は、従来からあるパフには存
在しておらず、従来一般的に市販されているパフでは上
述のような回復性試験を行った場合、瞬時に回復するも
のである。
R−5”[株式会社イノアックコーポレーション製のク
ッション用ポリウレタンフォーム]を厚さ10ミリメー
トルにスライスして基体11として使用する(図2
(a)参照)。この発泡体は硬度65N、反撥弾性率2
%の低反撥性発泡体である。
ポリウレタン“ルビセル”[トーヨーポリマー株式会社
の製品]を1.5ミリメートル厚さにスライスしたシー
ト12を接着剤を用いて貼合わせる(図2(b)参
照)。その後、80℃にて10分間加熱乾燥し、所望す
る形状に裁断して上下の周縁が接合した化粧用スポンジ
パフ1を得た(図2(c)参照)。
容易であり、前述のような回復性試験を行ったところ8
0%圧縮して1分後の復元時間は10秒間を要して徐々
に回復する特性を示した。このパフは従来のパフには見
られないマシュマロのような独特の感触と肌へのフィッ
ト性を有し、塗布機能性に優れた化粧用スポンジパフで
あった。
パフについて、圧縮条件、すなわち、圧縮時間(1分、
3分)と圧縮率(80%圧縮、50%圧縮)を変えて、
回復時間(sec)を測定したところ、表1の結果とな
った。
たパウダーファンデーション用パフに同様に回復性試験
を行った。この市販のパフは、ポリウレタン発泡体“M
F−50P”「株式会社イノアックコーポレーションの
製品」を用いたものであり、この発泡体は硬度が110
N、反撥弾性率が32%以上のものである。表面に接着
剤により静電植毛してあるものである。この市販のポリ
ウレタン発泡体を基体としたパフは、80%圧縮を行い
1分後の回復率は0.2秒以下で瞬時に元の厚みに回復
した。このものは、回復率に関して従来のNBRスポン
ジのパフと同様の性質を示している。
泡体“MF−50P”「株式会社イノアックコーポレー
ションの製品」に太さ0.8デニール、長さ0.8mmの
ナイロンパイルをアクリル系エマルジョンを接着剤とし
て静電植毛した。
R−3”「株式会社イノアックコーポレーションの製品
で、硬度47N、反撥弾性率5%の低反撥性発泡体」を
基体として、この両面に前記静電植毛したシートを接着
剤で貼合わせた後、80℃にて10分間加熱乾燥し、所
望する形状に裁断して化粧用スポンジパフを得た。
易であり、80%圧縮1分後の復元時間は7秒間を要し
て徐々に回復する特性を示した。このパフは従来のパフ
にはみられない極めて柔軟で、独特の感触と肌へのフィ
ット性を有し、塗布機能性にすぐれた化粧用スポンジパ
フであった。
た厚さ10mmのポリウレタン系発泡体“EGR−5”
「株式会社イノアックコーポレーション」を使用した。
した厚さ1.5mmにスライスした微細多孔質のポリウレ
タン系シート“ルビセル”「トーヨーポリマー株式会社
の製品」を接着剤を用いて貼合わせた後、80℃にて1
0分間加熱乾燥した。
のポリウレタン系皮膜を接着剤を用いて貼合わせた。そ
の後、80℃にて10分間加熱乾燥した。
所望の形状に裁断して、化粧用スポンジパフを得た。
易であり、80%圧縮1分後の復元時間は12秒間を要
して徐々に回復する特性を示し、従来のパフにはみられ
ないマシュマロのような独特の感触と肌へのフィット性
を有し、塗布機能性にすぐれた化粧用スポンジパフであ
った。
く柔軟なもので且つ反撥弾性率が低い発泡体を基体とし
て使用しており、パフ(塗布具)となった形状におい
て、その圧縮した後の回復が徐々に回復する性質を示す
ものであり、マシュマロのような極めてソフトな感触で
あり、しかも肌に当てたときに肌の凹凸に沿ってその形
状が変化する特性を示している。そのため小鼻の付近な
どのように凹凸の激しい部分にも、よくその形状に沿い
化粧料を肌に乗せることが容易にでき、化粧料を塗布す
るという機能性にも優れたものである。
を貼ったりすることにより基体の柔軟性を維持するとと
もに、化粧料を塗布具に移すことや肌へ移らせることが
適切にできるようになるとともに、基体の表面も保護す
る役目を行うことができる。また、従来のパフでは圧縮
してもすぐに戻る性質があるため、薄型のコンパクトに
入れるにはパフ自体も薄くしなければならなかった。し
かし、本発明の塗布具によれば、圧縮が容易にできるの
で薄型のコンパクトに収納することが容易にできる。
であり、(a)は重錘を乗せる前の状態を示す正面図で
あり、(b)は重錘を乗せたときの状態を示す断面図で
あり、ガラスおよびストッパーを断面として表した。
順を順番に示す断面図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 柔軟性と低反撥弾性を有する発泡体を基
体としており、常温で無加重状態の化粧用塗布具の厚み
に対して20%の厚みになるまで加重してそのままの圧
縮状態で1分間置いた後、加重を除去して元の厚みに復
元するまでの時間を測定する回復性試験において、復元
時間が2秒間以上を要して徐々に回復することを特徴と
する化粧用塗布具。 - 【請求項2】 前記基体となる発泡体が硬度100N以
下の柔軟性と、反撥弾性率25%以下の低反撥弾性を有
することを特徴とする請求項1記載の化粧用塗布具。 - 【請求項3】 基体の少なくとも片面に、該基体よりも
微細な気泡を有するシートを積層したことを特徴とする
請求項1または2記載の化粧用塗布具。 - 【請求項4】 基体の少なくとも片面に、柔軟な薄膜層
を形成したことを特徴とする請求項1ないし3の何れか
1項に記載の化粧用塗布具。 - 【請求項5】 基体の少なくとも片面に、接着剤を介し
て微細繊維を静電植毛したことを特徴とする請求項1な
いし4の何れか1項に記載の化粧用塗布具。
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