JP3205243B2 - 圧粉成形体の製造方法 - Google Patents
圧粉成形体の製造方法Info
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Description
圧粉成形し焼結することで中心に穴を有するギヤ製品を
製造するような際、中心穴の周辺の強度を高めるための
技術に関する。
と強靭性を要求される部品を圧粉成形によって製造する
ことがあり、このような圧粉成形法においては、ダイス
の凹部空間内に原料粉末を充填し、これをパンチで押圧
してギヤ形状に成形した圧粉成形体を焼結して製造する
ようにしている。また、例えばギヤ製品の中心に穴を形
成するような場合、ダイスの凹部空間内の中央部にコア
を臨ませて原料粉末を充填し、充填後、コアを上昇させ
てその上面が原料粉末の上面より高くなるように位置さ
せ、コア部以外の所定部をパンチで押圧して圧粉成形す
ることで、コアによって穴を明けるようにしている。
方法では、例えば図8に示すように、コア51の上面を
原料粉末Gの上面以上の高さに上昇させた際に、コア5
1上面の周縁部で周辺の原料粉末Gをさらい取ってしま
い、穴の周縁部の原料粉末Gの密度が薄くなるため上パ
ンチ52で圧粉成形した際、同部の強度が低下するとい
う問題があった。そして、このようなコア51によって
中心穴を成形する場合、中心穴が例えば回転軸を圧入す
る箇所であれば、特にギヤ中心に偏芯荷重が加わりやす
いねじれ歯のギヤのような場合は穴周縁部が損傷しやす
くなり、また、中心穴が例えば内歯であれば歯が欠けや
すくなる等の問題があった。
成形する時に、穴周縁部の強度低下を招かないよう、原
料粉末の密度減少を防止する技術が望まれていた。
本発明は、下ダイスの凹部空間内にセンター穴形成用の
センターコアとサイド穴形成用のサイドコアを配設した
状態で原料粉末を充填し、前記コア部を除くその他の所
定部を上パンチで押圧してセンター穴とサイド穴を有す
るギヤ素材を製造する方法において、前記センターコア
とサイドコアを上下動自在にすると共にスペーサにより
上方への突出量を調整可能とし、且つ前記センターコア
の上端周縁部を外側下がりの傾斜面にし、原料粉末を前
記凹部空間に充填した後、前記センターコアのみが上昇
するようにした。
アの上面を凹部空間の上面の高さに合せておき、充填
後、コアを上昇させてその上面を原料粉末の上面以上の
高さにし、次いでコア部を除くその他の所定部を上パン
チで押圧して、圧粉成形体に上下方向に貫通する縦穴を
成形するが、コアを上昇させた際、上面周縁部の傾斜面
上に堆積した原料粉末は傾斜面に沿って下方に落下し、
コア周辺部の粉末密度は濃くなって強度が高まる。
した図面に基づき説明する。ここで図1は上パンチの加
圧状態と下ダイスの押出状態を説明する説明図、図2乃
至図5は圧粉成形の過程を示す工程図、図6は圧粉成形
体の一例であるギヤ素材の説明図である。本発明の圧粉
成形体の製造方法を実施する装置は、例えば図6に示す
ようなギヤ素材Wを圧粉成形する装置として構成され、
このギヤ素材Wには、中央に回転軸圧入用のセンター穴
cが形成されるとともに、その外側には軽量化等のため
のサイド穴s、…が複数形成されるようになっている。
s、…のうち、特にセンター穴cの穴周縁部は強度を必
要とされ、本発明を実施する装置はこのセンター穴cの
周縁部の強度向上を図っている。
造方法を実施する装置は下ダイスとしての下型1と、上
パンチ2を備え、下型1はダイ1aと下パンチ1bから
構成されている。そしてこの下パンチ1bはダイ1aの
中央部に設けられた貫通穴Hに沿って昇降可能とされ、
下降した位置で貫通穴H内の上部に凹部空間P(図2)
を形成し、上昇した位置で凹部空間Pがなくなる(図
1)ようにしている。
センター穴cを形成するためのセンターコア3と、サイ
ド穴s、…を形成するためのサイドコア4、…を上下動
自在に設けており、サイドコア4、…の下方に連結する
サイドコアロッド5の下端部を昇降シリンダ6に連結し
ている。そしてこの昇降シリンダ6本体は、不図示の油
圧シリンダユニットによって昇降自在とされており、昇
降シリンダ6の上下動に伴ってサイドコア4、…の上面
が下パンチ1bの上面から上方に突出自在にされてい
る。
るセンターコアロッド7の下端部は、前記昇降シリンダ
6内部のピストン8に連結され、このピストン8は、昇
降シリンダ6内に導入されるエア圧によって上下動する
ようにしている。そして、この上下動ストロークを規制
するため、昇降シリンダ6の上部にスペーサ10を介し
てストッパ部材11を固着しており、このストッパ部材
11のフランジ部11aに、センターコアロッド7の大
径上端部7aを当接させてセンターコア3の上昇位置を
規制するようにしている。
ロッド5、…の間には、図2に示すようにスペーサ1
2、…を介装しており、サイドコア4、…の上方への突
出量を調整出来るようにするとともに、センターコア3
とセンターコアロッド7の間にもスペーサ13を介装
し、センターコア4、…の上方への突出量を調整出来る
ようにしている。
拡大断面図である図7に示すように、ボルト14によっ
て着脱自在なコアチップ3aを取付けている。そしてこ
のコアチップ3aは、上端周縁部が外側下がりの傾斜面
tとされており、上部側に向かって先細りになるように
している。因みに、このコアチップ3aは、傾斜面tの
傾斜角度の異なる数種類のものを準備しておき、簡単に
取換えることが出来るようにしている。
対して上下動自在にされている。そして、この上パンチ
2の下面中央部には、前記センターコア3の上端部を挿
入せしめることの出来る逃げ穴15を設け、その周囲に
はサイドコア4、…の上端部を挿入せしめることの出来
る逃げ穴16、…を設けている。
本発明の製造方法について、図2乃至図5に基づき説明
する。まず、図2に示すように、下パンチ1bを所定ス
トローク下降させてダイ1aの貫通穴H内の上部に凹部
空間Pを形成する一方、センタコア3とサイドコア4、
…を上昇させてその上面をダイ1aの上面(凹部空間P
の上面)の高さに一致させ、この凹部空間P上にフィー
ダーボックス17を臨ませて原料粉末Gを充填する。
は、例えばダイ1aの上面に添って摺動自在にされると
ともに、内部に原料粉末Gが貯溜されており、フィーダ
ーボックス15が凹部空間P上に摺動してくると、内部
の原料粉末Gを凹部空間P内に落とし込んで充填するよ
うにしている。そして、凹部空間P内に原料粉末Gが充
填されると、擦り切り状態でフィーダーボックス17が
退避し、原料粉末Gを凹部空間Pの上面一杯まで満た
す。
ストン8が上昇し、図3に示すように、センターコア3
が上昇する。この際、コアチップ3aの傾斜面t上に堆
積した原料粉末Gは傾斜面tに沿って滑り落ち、センタ
ーコア3に近づくほど原料粉末Gの密度は濃くなる。
が降下する。すると、センターコア3とサイドコア4、
…の各上端部は夫々の逃げ穴15、16、…に入り込
み、センターコア3とサイドコア4、…を除いた部分は
下パンチ1bと上パンチ2によって上下に強く圧縮され
ギヤ素材Wが圧粉成形される。この際、センターコア3
周辺部は原料粉末Gの密度が濃く成形されている。
うにセンターコア3が所定ストローク下がった後、下パ
ンチ1bがダイ1aの上面高さ位置まで上昇し、ギヤ素
材Wを払い出す。そして払い出されたギヤ素材Wは、セ
ンター穴cの周縁部の密度が濃いため強度が増してい
る。そしてこのギヤ素材Wはその後の工程で焼結され製
品となる。
適の傾斜面tを有するコアチップ3aに取換えるように
し、確実に滑り落とさせるようにする。
コアとサイドコアを凹部空間内で上下動自在にし、セン
ターコアの上端周縁部を外側下がりの傾斜面にし、原料
粉末を凹部空間に充填した後、センターコアのみが上昇
するため、センターコアの上面周縁部で周辺の原料粉末
を奪い取ることがなく、センターコアに近づくほど原料
粉末の密度が濃くなり、強度を必要とするセンターコア
周辺部の強度を高くすることが出来る。
明する説明図
状態図
昇状態図
ア、3a…コアチップ、c…センター穴、G…原料粉
末、P…凹部空間、t…傾斜面、W…ギヤ素材。
Claims (1)
- 【請求項1】 下ダイスの凹部空間内にセンター穴形成
用のセンターコアとサイド穴形成用のサイドコアを配設
した状態で原料粉末を充填し、前記コア部を除くその他
の所定部を上パンチで押圧してセンター穴とサイド穴を
有するギヤ素材を製造する方法において、前記センター
コアとサイドコアを上下動自在にすると共にスペーサに
より上方への突出量を調整可能とし、且つ前記センター
コアの上端周縁部を外側下がりの傾斜面にし、原料粉末
を前記凹部空間に充填した後、前記センターコアのみが
上昇することを特徴とする圧粉成形体の製造方法。
Priority Applications (9)
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Publication Number | Publication Date |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP00886896A Expired - Lifetime JP3205243B2 (ja) | 1995-11-16 | 1996-01-23 | 圧粉成形体の製造方法 |
Country Status (1)
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9637368B1 (en) * | 2015-10-27 | 2017-05-02 | Kevin Fox | Fluid capturing assembly |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4533869B2 (ja) * | 2006-07-31 | 2010-09-01 | 本田技研工業株式会社 | 2段ギア圧粉成型用金型 |
-
1996
- 1996-01-23 JP JP00886896A patent/JP3205243B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US9637368B1 (en) * | 2015-10-27 | 2017-05-02 | Kevin Fox | Fluid capturing assembly |
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Publication number | Publication date |
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JPH09194904A (ja) | 1997-07-29 |
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