JP3205232B2 - ビーコン受信機 - Google Patents

ビーコン受信機

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JP3205232B2
JP3205232B2 JP26847195A JP26847195A JP3205232B2 JP 3205232 B2 JP3205232 B2 JP 3205232B2 JP 26847195 A JP26847195 A JP 26847195A JP 26847195 A JP26847195 A JP 26847195A JP 3205232 B2 JP3205232 B2 JP 3205232B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、FM−AM複合変
調されたビーコン信号を用いるビーコンシステムの受信
機に関するものであり、より詳しくは、ビーコン受信機
のAM復調に関するものである。
【0002】
【従来の技術】路上を走行する車両に交通情報を提供す
る道路交通情報通信システム(VICS)の一環として
路側ビーコンシステムが開発されている。このVICS
路側ビーコンシステムでは、道路に沿って間欠的に設置
された路上局からビーコン信号を送信し、各車両に搭載
された受信機でビーコン信号を受信することで、交通情
報の送受が行われる。
【0003】送信される情報には、道路の混雑状況や交
通規制等の各車両に共通する一般情報に加えて、各車両
がその走行位置および進行方向を検出するための情報が
含まれる。車両運転者は、後者の情報からその時点にお
ける自身の存在位置と進みつつある方向を確認すること
ができ、これと前者の一般情報を考慮して、目的地まで
の合理的な経路を選定することができる。
【0004】ビーコン信号はFM変調とAM変調の複合
変調波として送信される。一般情報はFM変調信号に担
持され、位置および方向検出用の情報はAM変調信号に
担持される。FM変調により送信されるデータフレーム
は、一般情報の前に32ビットの同期ビットパターンで
始まる一定長のプリアンブル部を付加した形式である。
路上局の概略構成を図9に示す。路上局7は、ビーコン
搬送波を発振する搬送波発振回路71、搬送波をFM変
調するFM変調回路72、クロック信号を発生するクロ
ック回路73、クロック信号の位相を180゜反転する
移相回路74、FM変調された搬送波をクロック信号に
よってAM変調する2つのAM変調回路75、76およ
び送信用アンテナとして2基の空中線77、78を備え
ている。
【0005】搬送波発振回路71は周波数2499.7
MHzのビーコン搬送波を発振しFM変調回路72に与
える。FM変調回路72は、プリアンブル部および一般
情報を表すデータの各ビットの値に応じてビーコン搬送
波をFM変調する。ここでのFM変調には、振幅を一定
に保ったまま周波数を狭い帯域(85kHz)に制限す
るために、GMSK(Gaussian filtered minimum shif
t keying)が採用されている。データの搬送速度は64
kbpsである。
【0006】クロック回路73は、周波数が1kHzで
HレベルとLレベルの期間が等しいクロック信号を、一
般情報を表すデータのフレームの先頭に同期して発生す
る。このクロック信号は、具体的には、Hレベルの先頭
すなわちLレベルからHレベルへの遷移がデータフレー
ムの先頭に同期する。クロック回路73のクロック信号
は、一方のAM変調回路75と、移相回路74に与えら
れる。移相回路74はクロック信号の位相を180゜ず
らした後、他方のAM変調回路76に与える。移相回路
74によって移相されたクロック信号は、Lレベルの先
頭すなわちHレベルからLレベルへの遷移がデータフレ
ームの先頭に同期することになる。
【0007】AM変調回路75は、FM変調回路72か
らのFM変調波とクロック回路73からのクロック信号
とを与えられて、FM変調波をクロック信号によってA
M変調する。すなわちFM変調波にクロック信号を重畳
してFM−AM複合変調波を生成する。AM変調回路7
6は、FM変調回路72からのFM変調波と移相回路7
4からのクロック信号とを与えられて、FM変調波を移
相後のクロック信号によってAM変調し、FM−AM複
合変調波を生成する。
【0008】これらのFM−AM複合変調波の、FM変
調とAM変調の同期の関係を図10に示す。(a)はA
M変調回路75によって生成された複合変調波を、
(b)はAM変調回路76によって生成された複合変調
波を示している。複合変調波のFM変調成分はAM変調
回路75の出力とAM変調回路76の出力とで同位相で
ある。AM変調成分はFM変調成分に同期しているが、
AM変調回路75の複合変調波とAM変調回路76の複
合変調波とで逆位相の関係になる。したがって、FM変
調成分とAM変調成分は、AM変調回路75の複合変調
波では同相になり、AM変調回路76の複合変調波では
逆相になっている。
【0009】AM変調回路75の複合変調波は図9の空
中線77から送出され、AM変調回路76の複合変調波
は空中線78から送出される。これらの空中線77、7
8は、道路に沿う方向で、かつ互いに対して僅かに反対
側を向くように設置されている。また、空中線77、7
8は数mの高さの位置に道路を見おろすように設けられ
ており、車両の進行方向に沿う道路上の長いエリアでビ
ーコン信号を受信することが可能になっている。
【0010】図11に、路上局7から送信されるビーコ
ン信号のFM変調成分とAM変調成分の路上における位
相関係を示す。ビーコン信号は、道路に沿う方向に関し
て路上局7を中心として位相が逆転する。一方の車線L
1を走行する車両は、路上局7に近づく時に同相のビー
コン信号を受信し、路上局7から離れる時に逆相のビー
コン信号を受信することになり、対向車線L2を走行す
る車両は、路上局7に近づく時に逆相のビーコン信号
を、路上局7から離れる時に同相のビーコン信号を受信
することになる。
【0011】ビーコン信号を受信した車両は、受信して
いるビーコン信号のFM変調成分とAM変調成分の位相
関係が反転することにより、路上局7の脇を通過したこ
とを検出し、路上局7との位置関係を厳密に知ることが
できる。また、位相関係の変化の方向、すなわち同相か
ら逆相に変化したかあるいは逆相から同相に変化したか
によって、2方向のうちどちらの方向に向かって走行し
ているかを知ることができる。FM変調によって送信さ
れる一般情報には、その路上局7の設置場所に関する情
報とともに、位相の変化の方向と方位の関係を示す情報
とが含まれており、これらの情報と検出した位相変化に
よって、車両運転者は自身の絶対的な位置と進行方向を
知ることが可能になっている。
【0012】このようなFM−AM複合変調波を受信す
る従来のビーコン受信機の、復調に関する部分の構成を
図13に示す。受信した複合変調波は中間周波に変換さ
れて、リミッタ増幅器101に入力される。このリミッ
タ増幅器101は、差動増幅器を多段接続して構成され
ており、FM復調のために、入力された複合変調波を増
幅し振幅を揃えて出力するとともに、AM復調のため
に、入力された複合変調波の信号強度を表すRSSI
(received signal strength indicator)信号を出力す
る。このRSSI信号の強度は、入力された信号の振幅
変動すなわちAM変調成分の対数に略比例する性質を有
している。
【0013】振幅を揃えられた出力は、周波数検波器1
02に与えられてFM復調される。一方、RSSI信号
は遅延回路104に与えられて、周波数検波器102で
の処理に要する時間だけ遅延された後、雑音除去回路1
03とアンチログ増幅器105に与えられる。雑音除去
回路103は、周波数検波器102の出力信号と遅延回
路104の出力信号のレベル差をとることによりFM復
調信号からAM変調に起因する雑音を除去して出力す
る。アンチログ増幅器105は、RSSI信号を逆対数
変換してAM復調し、AM復調信号を出力する。
【0014】こうして得られたFM復調信号とAM復調
信号は、図外の処理回路で位相比較されて、同相である
か逆相であるかが判別される。また、FM復調信号から
一般情報が取り出されることになる。
【0015】ビーコン受信機ではないが、本発明に関連
する技術として、2つのAM検波器を備えたAM電波受
信装置が公開特許公報・昭63−292805号に開示
されている。その構成を図14に示す。アンテナ110
で受信されたAM電波は増幅器111によって増幅され
た後、混合器112によって局部発振器113の発振出
力と混合され、さらにフィルタ114によって雑音を除
去されて中間周波に変換される。このAM中間周波は、
カップリングコンデンサC1および増幅器115を介し
て第1の検波器116に与えられるとともに、カップリ
ングコンデンサC2を介して第2の検波器117に与え
られる。
【0016】増幅器115は第1の検波器116の検波
出力をAGC信号として用いて、入力される信号をその
強度に応じて増幅する。増幅器115と第1の検波器1
16は、受信したAM電波の強度が低い所定の範囲内
で、検波出力が一定レベルになるように特性を設定され
ている。一方、第2の検波器117は、受信したAM電
波の強度が高い所定の範囲内で、検波出力が検波器11
6の出力レベルと同一の一定レベルになるように特性を
設定されている。したがって、微弱なAM電波は増幅器
115と第1の検波器116によって復調され、強いA
M電波は第2の検波器117によって復調されることに
なる。
【0017】第1の検波器116と第2の検波器117
の出力はカップリングコンデンサC3、C4によって混
合され、この合成出力がAM復調信号となる。第1の検
波器116および第2の検波器117の特性は、さら
に、上述の低い所定範囲と高い所定範囲の間において
も、混合された出力が、前述の一定レベルに保たれるよ
うに設定されている。したがって、このAM電波受信装
置は、広いダイナミックレンジに亙って一定レベルのA
M復調信号を出力することがでる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】ところで、路上局から
送信されるFM−AM複合変調波は路上局から遠くなる
につれて減弱していく。したがって、車両に搭載された
ビーコン受信機の受信強度は、車両の走行とともに変動
する。FM−AM複合変調波の受信強度は、車両が路上
局に近づくにつれて増強し、路上局脇を通過後、路上局
から遠ざかるにつれて減弱する。図12に、路上局から
の距離と受信強度の関係を模式的に示す。図12におい
て、横軸は路上局7からの距離を表し、Oの点が図11
の道路を横断している点線O上の位置に対応する。LFM
はFM変調成分の強度を表し、LAM はAM変調成分の
強度を表す。
【0019】路上局7の2つの空中線77、78から送
出されるFM変調成分は同一であり同期しているため、
その強度は位置Oで最強となり、路上局7からの距離が
大きくなるにつれて徐々に減弱する。これに対し、AM
変調成分の強度は位置O近傍で急激に変化する。路上局
7の空中線77、78から送出される1kHzのAM変
調成分は、位相が互いに180゜ずれているため、路上
局7から等距離にある位置では相殺されて、強度が極め
て低下する。AM変調成分の強度は、空中線77、78
からの距離差が増大するにつれて増大するが、路上局7
からの距離が大きくなるにつれて徐々に減少する。この
ため、AM変調成分の強度はLAM で示したような分布
となる。
【0020】ビーコン受信機が受信するFM−AM複合
変調波の強度はこれらFM、AM変調成分LFM、LAM
の和となる。したがって、位置Oの近傍すなわち路上局
7の近傍においては、受信するFM−AM変調波の強度
は高いがAM変調成分は受信強度に僅かしか寄与しな
い。
【0021】FM復調に際しては、一般に振幅を一定に
揃えた後に検波するため、受信強度の変化はあまり問題
にならない。ところが、AM変調は振幅を変動させるも
のであるから、受信強度はAM復調に大きな影響を及ぼ
す。特に、図12に示したような急激な強度変化があ
り、しかも高速で移動する車両に搭載された受信機で受
信する場合は、安定してAM復調を行うことが困難にな
る。図13に示した上記従来技術のようにAM復調をR
SSI信号のみに基づいて行うと、路上局7の近傍にお
いては、受信強度は高いにも関わらずAM変調成分は僅
かしか含まれないため、AM復調できないことになる。
【0022】前述した図14のAM電波受信装置に示さ
れている増幅器115と2つの検波器116、117を
ビーコン受信機に備えても、路上局7の近傍でのAM復
調には適さない。増幅器115と検波器116によるA
M復調は受信強度が弱いときに機能するものであり、路
上局7の近傍では受信強度は高いため、主として、強い
AM電波を検波するための検波器117による復調が行
われることになる。しかしながら、路上局7の近傍では
受信した複合変調波へのAM変調成分の寄与は僅かであ
るため、AM復調は困難になる。
【0023】路上局7の近傍でAM復調できなくなる
と、車両の位置を厳密に検出することができなくなると
いう不都合が生じる。したがって、ビーコン受信機のA
M復調においては、受信したFM−AM複合変調波の強
度が高いときに、AM変調を確実に行うことが重要にな
る。また、ビーコンシステムのAM変調は、FM変調と
の位相関係を表すために行われるものであるから、ビー
コン受信機でのAM復調信号はその有無のみが重要であ
り、復調信号のレベルに変動があっても何等差し支えが
ない。
【0024】本発明は、路上局から送信されるFM−A
M複合変調波を受信するビーコン受信機において、受信
強度が高いときも低いときも確実にAM復調を行うビー
コン受信機を提供することを目的とする。
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では 、AM変調の位相が互いに逆位相である
2つのFM−AM複合変調波を同時に送信する路側ビー
コンシステムの受信機において、受信した複合変調波の
AM復調を行うために、受信した複合変調波を与えられ
てその複合変調波の振幅変動の対数に略比例した電流変
動を有する信号を出力する差動増幅器と、この差動増幅
器の出力信号を与えられて電流変動を抽出する直流除去
回路とから成る第1のAM検波器と、受信した複合変調
波を与えられて、差動増幅器が飽和してその出力信号に
電流変動が含まれなくなるときに動作するダイオード整
流型の第2のAM検波器と、第1のAM検波器の出力と
第2のAM検波器の出力を所定の割合で加算する加算器
とを備え、第1のAM検波器を成す差動増幅器が、受信
した複合変調波のFM復調を行うために複合変調波の振
幅を揃えるリミッタ増幅器を兼ねており、電流変動を有
する信号としてRSSI信号を出力するものとする。
【0030】差動増幅器は、入力電力が大きくなって飽
和するまで、複合変調波の振幅変動の対数に略比例した
電流変動を有する信号を出力する。直流除去回路は差動
増幅器の出力信号から変調を受ける前の搬送波の強度に
対応する直流成分を除去する。この直流除去回路器の出
力強度は、複合変調波に含まれるAM変調成分に対応す
る。受信した複合変調波の強度が高いとき差動増幅器は
飽和して、差動増幅器と直流除去回路から成る第1のA
M検波器は動作しなくなる。このとき、ダイオード整流
型の第2のAM検波器によって、受信した複合変調波を
AM検波する。加算器は、差動増幅器が飽和する点で第
1のAM検波器の出力と第2のAM検波器の出力が連続
するように、これらの検波出力を加算する。受信機がF
M−AM複合変調波の送信元から離れているときには第
1のAM検波器によって検波がなされ、受信機が路上局
に接近して差動増幅器が飽和したときには第2のAM検
波器によって検波がなされる。ここで、差動増幅器が、
FM復調を行うために複合変調波の振幅を揃えるリミッ
タ増幅器を兼ねており、AM検波に用いる電流変動を有
する信号としてRSSI信号を出力するようにしている
ので、第1のAM検波器の構成要素として追加する必要
があるのは直流除去回路のみであり、受信機全体の構成
があまり複雑化になることはない。
【0031】上記構成において、差動増幅器と直流除去
回路の間、直流除去回路と加算器の間、または第2のA
M検波器と加算器の間に遅延回路を備える。この遅延回
路によって、第1のAM検波器の出力と第2のAM検波
器の出力が加算器に入力される時期を揃えることができ
る。
【0032】また、搬送波をデータによってデータフレ
ームごとに2値FM変調したFM変調波に、FM変調波
のデータフレームに同期するとともに互いに逆位相であ
る2つの方形波を重畳してAM変調することにより生成
した2つのFM−AM複合変調波を、路側に設置した送
信機の2つの送信装置から同時に送信する路側ビーコン
システムで用いられる受信機において、受信した複合変
調波を入力されて、その複合変調波を増幅して振幅を一
定にした第1の信号と、入力された複合変調波の振幅変
動の対数に略比例した電流変動を有する第2の信号とを
出力するリミッタ増幅器と、リミッタ増幅器から出力さ
れる第1の信号を与えられて、その周波数偏移を検出し
てFM復調し、受信した複合変調波が担持しているデー
タを抽出するFM復調手段と、リミッタ増幅器から出力
される第2の信号を与えられて、その信号が有する電流
変動を検出してAM復調する第1のAM復調手段と、リ
ミッタ増幅器が飽和して第2の信号に電流変動が含まれ
なくなるときに動作し、受信した複合変調波を入力され
て、その複合変調波をAM復調する第2のAM復調手段
と、第1のAM復調手段によって復調された信号と第2
のAM復調手段によって復調された信号を入力されて、
これらの復調信号が連続するようにこれらの復調信号を
加算する加算手段と、FM復調手段によって復調された
信号と加算手段によって加算された信号を入力されて、
これらの信号出力を比較しデータフレームと方形波が同
相であるか逆相であるかを検出する位相検出手段とを備
える構成とする。
【0033】この構成の受信機は、1つのFM復調手段
と2つのAM復調手段を有しており、AM復調は受信し
た複合変調波の強度に応じて第1または第2のAM復調
手段によって行われる。リミッタ増幅器から出力される
第2の信号は、AM変調成分を含んだものとなり、第1
のAM復調手段はこの信号からAM復調を行う。リミッ
タ増幅器は入力される複合変調波の強度が高いときには
飽和して、第2の信号にAM変調成分が現れなくなる。
このとき、第2のAM復調手段によってAM復調がなさ
れる。したがって、受信機が送信機から遠く受信強度が
低いときには第1のAM復調手段が動作し、受信機が送
信機の近傍に位置して受信強度が高いときには第2のA
M復調手段が動作することになる。これらのAM復調手
段からの復調信号は互いに連続するように加算手段によ
って加算されて、AM復調信号となる。位相検出手段は
このAM復調信号とFM復調手段からのFM復調信号の
位相関係を検出する。位相関係が同相から逆相へまたは
逆相から同相に変化したときに、送信機の脇を通過した
ことになる。
【0034】上記構成において、第1のAM復調手段に
よる復調信号と第2のAM復調手段による復調信号が加
算手段に入力される時期を揃えるための遅延回路を備え
る。
【0035】さらに、FM復調手段による復調信号と加
算手段による加算信号が位相検出手段に入力される時期
を揃えるために、FM復調手段と位相検出手段の間また
は加算手段と位相検出手段の間に遅延回路を備えてもよ
い。
【0036】このような構成に加えて、受信した複合変
調波を中間周波に変換する変換回路を備え、リミッタ増
幅器および第2のAM復調手段に中間周波に変換された
複合変調波を入力する。この構成では、AM復調は常に
中間周波に変換された後の複合変調波に基づいて行われ
る。
【0037】あるいは、受信した複合変調波を中間周波
に変換する変換回路を備え、リミッタ増幅器に中間周波
に変換された複合変調波を入力し、第2のAM復調手段
に中間周波に変換される前の複合変調波を入力してもよ
い。この構成では、第1のAM復調手段によるAM復調
は中間周波に変換された後の複合変調波に基づいて行わ
れ、第2のAM復調手段によるAM復調は中間周波に変
換される前の複合変調波に基づいて行われることにな
る。
【0038】
【発明の実施の形態】本発明によるビーコン受信機の第
1の実施形態の構成を図1に示す。このビーコン受信機
1は、路上局から送信されるFM−AM複合変調波を受
信するための、アンテナ10、バンドパスフィルタ1
1、および受信した複合変調波を中間周波に変換するた
めの、混合器13、局部発振器14、バンドパスフィル
タ15、増幅器16を有している。また、中間周波に変
換された複合変調波を復調しFM復調信号とAM復調信
号を取り出すための、リミッタ増幅器21、周波数検波
器22、遅延回路23、データ復調回路24、直流阻止
回路31、遅延回路32、振幅検波器33、加算器3
4、バンドパスフィルタ35、FM復調信号とAM復調
信号の位相関係を検出するための、同期検出回路41、
クロック生成回路42、クロック復調回路43、位相判
定回路44、および種々のデータ処理を行うデータ処理
回路50を備えている。
【0039】アンテナ10で受信されたFM−AM複合
変調波は、バンドパスフィルタ11によって所定帯域外
周波数の雑音を除去され、増幅器12によって増幅され
る。混合器13は増幅器12からの複合変調波と局部発
振器14からの発振周波を混合して出力する。バンドパ
スフィルタ15は複合変調波と局部発振器14の発振周
波との差周波数に相当する帯域のみを透過させる。これ
により、複合変調波は中間周波に変換され、その搬送波
周波数は前記路上局7の搬送波発振回路71の発振周波
数と局部発振器14の発振周波数の差になる。中間周波
に変換された複合変調波は増幅器16によって増幅され
る。
【0040】増幅器16の出力はリミッタ増幅器21に
入力される。リミッタ増幅器21はFM復調のために、
中間周波の複合変調波を増幅して振幅を一定に揃えて出
力するとともに、AM復調のために、入力された中間周
波の複合変調波の信号強度を検出してRSSI信号を出
力する。リミッタ増幅器21の具体的構成を図2に示
す。リミッタ増幅器21は差動増幅器を6段接続して構
成されており、端子Vin+、Vin−に複合変調波が入力
され、端子Voutから増幅され振幅を一定に揃えられた
信号が出力される。
【0041】第2〜第6段の差動増幅器のエミッタにそ
れぞれ接続されたトランジスタT2〜T6には、入力端
子Vin+、Vin−に与えられる複合変調波の大きさに応
じて、図示したように矢印I2〜I6の交流電流が流れ
る。これらの電流I2〜I6は加算されて、マルチコレ
クタ型のトランジスタTaの1つのコレクタより電流I
aとして端子Vsに出力される。この電流IaがRSS
I信号である。
【0042】このリミッタ増幅器21のRSSI特性を
図7に示す。図7において、横軸はリミッタ増幅器21
への入力電力の大きさを表しており、縦軸は端子Vsに
抵抗器を接続したときにRSSI信号によって抵抗器の
両端子間に生じる電位差を表している。リミッタ増幅器
21は略−100dBmから−30dBmの入力電力範
囲において、RSSI信号の強度が入力電力の対数に略
比例する。したがって約70dBmのダイナミックレン
ジを有することになる。このダイナミックレンジ内で入
力電力に変動があると、すなわち入力される複合変調波
の振幅に変動があると、RSSI信号の強度もそれに応
じて変動する。したがって、RSSI信号には複合変調
波のAM変調成分が含まれる。ダイナミックレンジ内で
RSSI信号が一定であるときは、その大きさは搬送波
の振幅を表すことになる。
【0043】入力電力が−30dBmを超える付近でR
SSI信号は飽和し、それ以上の入力電力ではRSSI
信号は略一定になる。この飽和現象は、差動増幅器を多
段接続して成る一般のリミッタ増幅器でみられるもので
ある。飽和状態ではRSSI信号にAM変調成分は現れ
ない。
【0044】リミッタ増幅器21の振幅を揃えた出力は
周波数検波器22に与えられて、周波数検波すなわちF
M復調される。ここでのFM復調は周知の技術に従って
行われる。周波数検波器22からのFM復調信号は、遅
延回路23を経てデータ復調回路24に与えられる。遅
延回路23の機能については後述する。データ復調回路
24は、FM復調信号の電位を所定電位と比較すること
により2値の信号値を検出して、データフレームを再生
する。
【0045】同期検出回路41は、データ復調回路24
により再生されたデータフレームから32ビットの同期
ビットパターンを検出して、データフレームの先頭を示
すタイミング信号をクロック生成回路42に出力する。
また、検出したデータフレームの先頭位置に基づいて一
般情報を表すデータの開始位置を検知し、一般情報を表
すデータを抽出してデータ処理装置50に与える。
【0046】一方、リミッタ増幅器21のRSSI信号
は直流阻止回路31に入力される。直流阻止回路31は
コンデンサを直列に接続して簡単に構成することができ
る。しかし、一般にRSSI信号の特性は接続される負
荷インピーダンスに依存するので、インピーダンス変換
器を併用してRSSI信号に対する負荷インピーダンス
を高くすることが望ましい。このため、本実施形態で
は、図3に示したように、コンデンサCs、抵抗Rsお
よびエミッタフォロア型に接続されたトランジスタTs
によって直流阻止回路31を構成し、トランジスタTs
のベースにRSSI信号を与えて、コンデンサCsを介
してエミッタ電圧を検出するようにしている。
【0047】直流阻止回路31は、RSSI信号から直
流成分すなわちAM変調されていないときの搬送波の振
幅に対応する成分を除去し、複合変調波のAM変調成分
を抽出することになる。RSSI信号を生成するリミッ
タ増幅器21および直流阻止回路31により第1のAM
復調系が構成される。直流阻止回路31の出力は遅延回
路32を経て加算器34に入力される。遅延回路32の
機能については後述する。
【0048】中間周波に変換されたFM−AM複合変調
波は増幅器16によって増幅された後、リミッタ増幅器
21に入力されるとともに、振幅検波器33にも入力さ
れる。この振幅検波器33は複合変調波の包絡線検波を
行うもので、第2のAM復調系となる。その構成を図4
に示す。振幅検波器33は高レベル検波素子であるダイ
オードDと、抵抗RおよびコンデンサCより構成されて
いる。このような構成の受動系検波回路は一般に検波感
度が低く、弱い入力電力に対する振幅検波器33の復調
出力は上述の第1のAM復調系の復調出力に比べて弱く
なる。振幅検波器33の出力は加算器34に入力され
る。
【0049】加算器34の構成を図5に示す。加算器3
4は演算増幅器34aを備えており、その非反転入力端
子(+)はグランド電位に接続されている。反転入力端
子(−)には2つの抵抗R1、R2が接続されており、
この反転入力端子(−)と出力端子Voの間には抵抗R
fが並列に設けられている。抵抗R1には端子V1から
第1のAM復調系である直流阻止回路31の出力が与え
られ、抵抗R2には端子V2から第2のAM復調系であ
る振幅検波器33の出力が与えられる。加算器34の出
力電位すなわち演算増幅器34aの出力端子Voの電位
は式(1)に従う。 Vo = (Rf/R1)・V1 + (Rf/R2)・V2 ・・・ (1) 加算器34は、抵抗R1とR2のインピーダンスの設定
次第で、任意の割合での加算を行うことができる。
【0050】加算器34の出力特性を、第1のAM復調
系および第2のAM復調系の出力特性とともに図8に示
す。第1のAM復調系の出力はリミッタ増幅器21のダ
イナミックレンジの範囲内で略一定になる。リミッタ増
幅器21は入力電力が約−30dBmになると飽和しは
じめ、このときの第1のAM復調系の出力は約−25d
Bmである。第1のAM復調出力はリミッタ増幅器21
の入力電力がこれより高くなるにつれて減弱していき、
入力電力が約−25dBmのとき出力は−28dBmに
なって半値になる(3dBm低下)。
【0051】一方、第2のAM復調系の出力は、リミッ
タ増幅器21のダイナミックレンジでは無視し得るほど
に微弱であるが、入力電力が−40dbmのあたりから
現れ始めて、その対数が入力電力の対数に略比例するよ
うに上昇していく。入力電力が−25dBmのとき第2
のAM復調出力は約−52dBmであり、第1のAM復
調出力との差は24dBmである。したがって、このと
き第1のAM復調出力は第2のAM復調出力の15.8
倍(電圧比)強いことになる。
【0052】加算器34は、第2のAM復調系の出力が
リミッタ増幅器21が飽和する入力電力の近傍において
第1のAM復調系の出力に連続するように、これら2つ
のAM復調出力を加算する。具体的には、第1のAM復
調系の出力と第2のAM復調系の出力とを1:15.8
(電圧比)の比率で加算する。このため、前述の式
(1)における抵抗R1とR2のインピーダンスは1
5.8:1に設定されている。この割合で加算された後
のAM復調信号の強度は、図8に示したように、入力電
力が−30dBm以下のとき略一定になり、−30dB
m以上ではその対数が入力電力の対数に略比例するよう
に増大する。
【0053】図1に戻って、加算後のAM復調信号は、
バンドパスフィルタ35により雑音を除去された後、ク
ロック復調回路43によって1kHzのクロック信号に
再生される。一方、同期検出回路41からデータフレー
ムの先頭を示すタイミング信号を与えられたクロック生
成回路42は、そのタイミング信号に同期した1kHz
のクロック信号を生成する。クロック生成回路42およ
びクロック復調回路43のクロック信号は位相判定回路
44に入力されて、位相が一致しているか否かを判定さ
れる。クロック生成回路42のクロック信号はFM変調
されていたデータフレームの先頭に同期したものである
から、FM変調とAM変調が同相であるか逆相であるか
が判定されることになる。位相判定回路44の判定結果
はデータ処理装置50に与えられる。
【0054】データ処理装置50は、同期検出回路41
から与えられた一般情報を表すデータにデスクランブ
ル、CRCエラーチェック等の処理を行って、道路交通
情報を得る。また、位相判定回路44の判定結果を検出
し続けて、位相が反転した時に、路上局7の脇を通過し
たと判断する。これらの情報は、図外に設けられたナビ
ゲーション装置により、表示や音声として車両運転者に
提供される。その処理は本発明の範囲外であり、説明は
省略する。
【0055】このように、FM−AM複合変調波を受信
する本発明の受信機は、2つのAM復調系を備えてお
り、受信した複合変調波の強度に応じてAM復調を行
う。受信強度が低いときにはRSSI信号に基づいて第
1のAM復調系によって復調がなされ、受信強度が高い
ときには包絡線検波を行う第2のAM復調系によって復
調がなされる。
【0056】第1のAM復調系による復調と第2のAM
復調系による復調は、処理時間が必ずしも等しくならな
い。これらの復調信号は加算器34によって加算される
ものであるから、2つのAM復調信号は加算器34に入
力される前に同期させる必要がある。前述の遅延回路3
2は、この同期をとるために設けられたものである。本
実施形態は、第2のAM復調系の処理時間の方が長い場
合に対応するものであり、遅延回路32は、これらのA
M復調系の処理時間の差だけ第1のAM復調系の復調信
号を遅延させて、加算器34に入力するように設定され
ている。
【0057】遅延回路32の配設位置は、直流阻止回路
31と加算器34の間に限られるものではなく、図1の
矢印a1で示したようにリミッタ増幅器21と直流阻止
回路31の間であってもよい。また、第1のAM復調系
の方が処理時間が長くなる場合は、第2のAM復調系の
復調信号を遅延させるために、矢印a2または矢印a3
で示したように、遅延回路を増幅器16と振幅検波器3
3の間または振幅検波器33と加算器34の間に配設す
る。当然のことながら、第1および第2のAM復調系で
処理時間に差がないときには、遅延回路32は不要であ
る。
【0058】同様に、FM復調に要する処理時間とAM
復調に要する処理時間も必ずしも等しくならない。FM
復調信号とAM復調信号とは位相判定回路44において
位相比較されるものであるから同期させる必要があり、
遅延回路23はFM復調信号とAM復調信号の同期をと
るために設けられたものである。本実施形態は、AM復
調の処理時間がFM復調の処理時間よりも長い場合に対
応するものであり、遅延回路23はこれらの処理の時間
差だけFM復調信号を遅延させる。
【0059】遅延回路23の配設位置は、周波数検波器
22とデータ復調回路24の間に限られるものではな
く、矢印f1や矢印f2で示したように、リミッタ増幅
器21と周波数検波器22の間またはデータ復調回路2
4と同期検出回路41の間であってもよい。また、FM
復調の処理時間の方がAM復調の処理時間よりも長くな
る場合は、AM復調信号を遅延させるために、矢印f3
やf4で示したように、遅延回路を加算器34からクロ
ック復調回路43に至る経路上に配設する。FM復調と
AM復調とで処理時間に差がないときには、遅延回路2
3は備える必要がない。
【0060】上記第1の実施形態においては、中間周波
に変換後のFM−AM複合変調波に基づいてFM復調お
よびAM復調を行う構成とした。一般に、リミッタ増幅
器の動作周波数の最大値は100MHz程度以下であ
り、VICS路側ビーコンシステムの搬送波周波数は約
2.5GHzであることを考慮して、このように構成し
たものである。受信する複合変調波の強度が高いときの
AM復調、すなわち第2のAM復調系による復調は、必
ずしも中間周波に変換後の複合変調波に基づいて行う必
要はない。
【0061】本発明のビーコン受信機の第2の実施形態
の構成を図6に示す。この受信機2では中間周波に変換
する前のFM−AM複合変調波を第2のAM復調系に入
力する。FM復調および第1のAM復調系によるAM復
調は第1の実施形態と同様であり、重複する説明は省略
する。また、各構成要素は同一の符号で表記する。
【0062】アンテナ10で受信されたFM−AM複合
変調波は、バンドパスフィルタ11による雑音除去およ
び増幅器12による増幅処理を受けた後、直ちに第2の
AM復調系である振幅検波器33に入力される。振幅検
波器33は図4に示したダイオード整流型の検波回路か
ら構成されている。
【0063】一般に、能動素子を用いる混合器の場合、
許容入力電力の上限が低いため、入力強度が高いときに
出力が飽和する恐れがある。しかしながら、本実施形態
の構成では、第2のAM復調系によるAM復調は混合器
13の特性に影響されずになされるため、能動素子から
成る混合器あるいは出力段に能動素子を用いた混合器を
利用することが可能である。このように構成された第2
のAM復調系は、その目的である高強度の複合変調波の
AM復調を確実に行うことができる。
【0064】なお、遅延回路23、32の配設位置は図
6の位置に限定されるものではなく、第1の実施形態で
説明したように、それぞれFM復調信号とAM復調信号
または第1と第2のAM復調信号を同期させる位置に配
設すればよい。第1のAM復調系の処理時間が第2のA
M復調系の処理時間よりも長い場合、遅延回路32は増
幅器12と振幅検波器33の間に設ける構成としてよ
い。
【0065】また、周波数変換を1回だけではなく複数
回行う構成としてもよい。その場合、第2のAM復調系
には、周波数変換前または周波数最終変換後のFM−A
M複合変調波に限らず、周波数変換の途中の複合変調波
を入力することも可能である。
【0066】以上説明したように、本発明の受信機は、
受信強度が低いときにRSSI信号に基づいて復調を行
う第1のAM復調系に加えて、受信強度が高いときに包
絡線検波を行う第2のAM復調系を備えており、FM−
AM複合変調波の強度に関わらず確実にAM復調を行う
ことができる。AM復調が路上局近傍で確実になされる
ことにより、AM変調信号の位相変化を車両の進行方向
に沿う狭い範囲で検出することが可能になる。しかも、
ビーコンシステムにおけるFM−AM複合変調波のAM
変調信号はFM変調信号との同期関係のみを表し、AM
復調信号の強度の変動は重要でないという特性を利用し
て、従来の受信機のようにアンチログ増幅器を用いるこ
となく、受信機を簡単な構成とすることができる。
【0067】
【0068】
【0069】
【0070】
【発明の効果】本発明の ビーコン受信機によるときは、
受信するFM−AM複合変調波の強度が低いときはそれ
に適した第1の検波器によって、受信する複合変調波の
強度が高いときはそれに適した第2の検波器によってA
M検波がなされるため、受信強度に関わらず確実にAM
復調を行うことができる。したがって、この受信機を搭
載した車両は、複合変調波の送信元である路上局との距
離によらず安定してAM復調信号を得ることができ、そ
の位相変化を確実に検出することができる。このため、
車両位置を精度よく検知することが可能になる。しか
も、第1のAM検波器を成す差動増幅器としてFM変調
のために必要なリミッタ増幅器を兼用するようにしてい
るため、受信機の構成の複雑化を抑えることができる。
【0071】請求項の受信機では、遅延回路によって
第1および第2のAM検波器の出力の加算器への入力時
期が揃えられるため、第1および第2のAM検波器の検
波処理時間に差がある場合でも、正しくAM復調を行う
ことができる。
【0072】請求項のビーコン受信機によるときは、
受信するFM−AM複合変調波の強度が低いときに適し
た第1のAM復調手段と、受信する複合変調波の強度が
高いときに適した第2のAM復調手段とによってAM復
調を行うため、受信強度に関わらず安定してAM復調を
行うことができる。したがって、受信機と送信機が離れ
ているときも近接しているときも、AM変調の方形波と
FM変調のデータフレームとの位相関係を検出すること
ができる。これにより、位相検出手段が常時確実に動作
することになり、この受信機を搭載した車両はその位置
を精度よく検知することができる。
【0073】請求項の受信機では、遅延回路により第
1および第2のAM復調手段による復調信号の加算手段
への入力時期が揃えられるため、第1および第2のAM
復調手段の処理時間に差がある場合でも、加算手段の出
力であるAM復調信号の正確性が向上する。
【0074】請求項のビーコン受信機では、遅延回路
によりFM復調手段による復調信号と加算手段による加
算信号が位相検出手段に入力される時期が揃えられるた
め、方形波とデータフレームの位相関係を正しく検出す
ることができる。したがって、車両位置の検出精度が一
層向上する。
【0075】請求項の構成のビーコン受信機では、受
信するFM−AM複合変調波が極めて高周波であって
も、FM復調とAM復調を行うことができる。
【0076】請求項の構成の受信機では、極めて高周
波のFM−AM複合変調波を受信してFM復調とAM復
調を行うことができるとともに、中間周波に変換する変
換回路の影響を受けることなく第2のAM復調手段によ
るAM復調を行うことができる。したがって、その変換
回路の出力が飽和するような強い複合変調波を受信した
ときでも確実にAM復調をすることが可能になって、検
出する車両位置の精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるビーコン受信機の第1の実施形
態の構成を示す図。
【図2】 ビーコン受信機のリミッタ増幅器の構成を示
す図。
【図3】 ビーコン受信機の直流阻止回路の構成を示す
図。
【図4】 ビーコン受信機の振幅検波器の構成を示す
図。
【図5】 ビーコン受信機の加算器の構成を示す図。
【図6】 本発明によるビーコン受信機の第2の実施形
態の構成を示す図。
【図7】 リミッタ増幅器のRSSI特性を示す図。
【図8】 直流阻止回路、振幅検波器および加算器の出
力特性を示す図。
【図9】 FM−AM複合変調波を送信する路上局の構
成を示す図。
【図10】 FM−AM複合変調波のFM変調とAM変
調の同期関係を示す図。
【図11】 FM−AM複合変調波のFM変調とAM変
調の路上における位相関係を示す図。
【図12】 路上局からの距離とFM−AM複合変調波
の受信強度の関係を示す図。
【図13】 従来のビーコン受信機のFM−AM復調に
関する構成を示す図。
【図14】 従来のAM電波受信装置の構成を示す図。
【符号の説明】
1、2 ビーコン受信機 7 路上局 (送信機) 10 アンテナ 11、35 バンドパスフィルタ 12、16 増幅器 13 混合器 (変換回路) 14 局部発振器 (変換回路) 15 バンドパスフィルタ (変換回路) 21 リミッタ増幅器 22 周波数検波器 (FM復調手段) 23、32 遅延回路 24 データ復調回路 (FM復調手段) 31 直流阻止回路 (直流除去回路、第
1のAM復調手段) 33 振幅検波器 (第2のAM復調手
段) 34 加算器 (加算手段) 41 同期検出回路 (位相検出手段) 42 クロック生成回路 (位相検出手段) 43 クロック復調回路 (位相検出手段) 44 位相判定回路 (位相検出手段) 50 データ処理装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01S 1/68 G08G 1/09 H03D 5/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 AM変調の位相が互いに逆位相である2
    つのFM−AM複合変調波を同時に送信する路側ビーコ
    ンシステムの受信機において、受信した複合変調波のA
    M復調を行うために、 受信した複合変調波を与えられて該複合変調波の振幅変
    動の対数に略比例した電流変動を有する信号を出力する
    差動増幅器と、該差動増幅器の出力信号を与えられて前
    記電流変動を抽出する直流除去回路とから成る第1のA
    M検波器と、 受信した複合変調波を与えられて、前記差動増幅器が飽
    和してその出力信号に電流変動が含まれなくなるときに
    動作するダイオード整流型の第2のAM検波器と、 前記第1のAM検波器の出力と前記第2のAM検波器の
    出力を所定の割合で加算する加算器とを備え 前記第1のAM検波器を成す前記差動増幅器が、受信し
    た複合変調波のFM復調を行うために複合変調波の振幅
    を揃えるリミッタ増幅器を兼ねており、前記電流変動を
    有する信号としてRSSI信号を出力する ことを特徴と
    する路側ビーコンシステムの受信機。
  2. 【請求項2】 前記差動増幅器と前記直流除去回路の
    間、前記直流除去回路と前記加算器の間、または前記第
    2のAM検波器と前記加算器の間に、前記第1のAM検
    波器の出力と前記第2のAM検波器の出力が前記加算器
    に入力される時期を揃えるための遅延回路を備えること
    特徴とする請求項に記載の路側ビーコンシステムの受
    信機。
  3. 【請求項3】 搬送波をデータによってデータフレーム
    ごとに2値FM変調したFM変調波に、該FM変調波の
    データフレームに同期するとともに互いに逆位相である
    2つの方形波を重畳してAM変調することにより生成し
    た2つのFM−AM複合変調波を、路側に設置した送信
    機の2つの送信装置から同時に送信する路側ビーコンシ
    ステムで用いられる受信機において、 受信した複合変調波を入力されて、該複合変調波を増幅
    して振幅を一定にした第1の信号と、入力された複合変
    調波の振幅変動の対数に略比例した電流変動を有する第
    2の信号とを出力するリミッタ増幅器と、 前記リミッタ増幅器から出力される第1の信号を与えら
    れて、その周波数偏移を検出してFM復調し、受信した
    複合変調波が担持しているデータを抽出するFM復調手
    段と、 前記リミッタ増幅器から出力される第2の信号を与えら
    れて、該信号が有する電流変動を検出してAM復調する
    第1のAM復調手段と、 前記リミッタ増幅器が飽和して第2の信号に電流変動が
    含まれなくなるときに動作し、受信した複合変調波を入
    力されて、該複合変調波をAM復調する第2のAM復調
    手段と、 前記第1のAM復調手段によって復調された信号と前記
    第2のAM復調手段によって復調された信号を入力され
    て、これらの復調信号が連続するようにこれらの復調信
    号を加算する加算手段と、 前記FM復調手段によって復調された信号と前記加算手
    段によって加算された信号を入力されて、これらの信号
    出力を比較しデータフレームと方形波が同相であるか逆
    相であるかを検出する位相検出手段とを備えることを特
    徴とする路側ビーコンシステムの受信機。
  4. 【請求項4】 前記第1のAM復調手段による復調信号
    と前記第2のAM復調手段による復調信号が前記加算手
    段に入力される時期を揃えるための遅延回路を備えるこ
    とを特徴とする請求項に記載の路側ビーコンシステム
    の受信機。
  5. 【請求項5】 前記FM復調手段による復調信号と前記
    加算手段による加算信号が前記位相検出手段に入力され
    る時期を揃えるための遅延回路を、前記FM復調手段と
    前記位相検出手段の間または前記加算手段と前記位相検
    出手段の間に備えることを特徴とする請求項または請
    求項に記載の路側ビーコンシステムの受信機。
  6. 【請求項6】 受信した複合変調波を中間周波に変換す
    る変換回路を備え、前記リミッタ増幅器および前記第2
    のAM復調手段には中間周波に変換された複合変調波が
    入力されることを特徴とする請求項ないし請求項
    いずれかに記載の路側ビーコンシステムの受信機。
  7. 【請求項7】 受信した複合変調波を中間周波に変換す
    る変換回路を備え、前記リミッタ増幅器には中間周波に
    変換された複合変調波が入力され、前記第2のAM復調
    手段には中間周波に変換される前の複合変調波が入力さ
    れることを特徴とする請求項ないし請求項のいずれ
    かに記載の路側ビーコンシステムの受信機。
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