JP3205112B2 - 食味が改良された炊飯うるち米の製造方法 - Google Patents

食味が改良された炊飯うるち米の製造方法

Info

Publication number
JP3205112B2
JP3205112B2 JP03315693A JP3315693A JP3205112B2 JP 3205112 B2 JP3205112 B2 JP 3205112B2 JP 03315693 A JP03315693 A JP 03315693A JP 3315693 A JP3315693 A JP 3315693A JP 3205112 B2 JP3205112 B2 JP 3205112B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rice
taste
cooked
amylose content
enzyme
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP03315693A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05304909A (ja
Inventor
裕光 鍋田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Tobacco Inc
Original Assignee
Japan Tobacco Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Tobacco Inc filed Critical Japan Tobacco Inc
Priority to JP03315693A priority Critical patent/JP3205112B2/ja
Publication of JPH05304909A publication Critical patent/JPH05304909A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3205112B2 publication Critical patent/JP3205112B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cereal-Derived Products (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、本来食味の優れない
米に対し、喫食に最適な水分を保ち、色が白く、糠臭が
抑えられ、ふっくらとたきたての食感と粘りを与える、
食味が改良された炊飯うるち米の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の米飯食味の改良法では、1.精白
米に酵素を添加して炊飯する方法において、さらに消泡
剤または、消泡剤及び甘味性アミノ酸を添加し、吹きこ
ぼれを防止し、食味を改良する方法(特開昭60−75
243号公報)、2.米麹を米に添加して炊飯すること
により、米飯のテクスチュアーと風味を改良する方法
(特開昭60−164446号公報)、3.精米に糠の
付着しないような精米機の利用(特開平2−24155
3号公報)、4.炊飯時に添加し、光沢、食味を向上さ
せるような油脂、乳化剤の利用(特開平3−17594
0号公報)等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、1法によれ
ば、消泡剤等の添加により食味を損なう事、2法によれ
ば、米麹の自己消化物や飯米から溶出する呈味成分が多
くなり、米飯の味のバランスをくずし、また米飯の着色
が進行する事、3法によれば、食味の向上に限界があ
り、効果が薄く、2法にしても乳化剤の異臭が米に吸着
され、美味な米飯を得る事が出来ない、など好ましくな
い種々改善すべき問題点があった。本願発明の目的は、
このような問題点を解決し、食感の優れた炊飯うるち米
を製造する方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、アミロース含
量が20%以上のうるち米玄米を精白率88%以下に精
白し、澱粉分解酵素溶液に浸漬処理した後に炊飯する事
を特徴とする食味が改良された炊飯うるち米の製造方法
である。以下、本発明を詳細に説明する。
【0005】本願発明が対象とするのは、アミロース含
量20%以上のうるち米玄米である。アミロース含量が
20%以上のうるち米は、そのままでは粘りが不足し、
食感上好ましくなく、20%未満であれば大抵問題はな
い。アミロース含量が20%以上のうるち米としては、
例えばタイ産のうるち米やインディカ米等が挙げられ
る。
【0006】本願発明は上記のうるち米玄米を精白率8
8%以下、好ましくは85%以下、さらに好ましくは8
2%以下に精白する。その方法としては、たとえばイン
ディカ米の精白に使用される研削式精米法や、摩擦式精
米法などがある。精白率90%までは研削式精米法でも
良いが、精白率88%以下に至る最終精米は米飯の表面
のつやが得られる摩擦式精米法が好ましい。さらに米表
面の糠を取り除く効果の高い、湿式研米を施しておくと
良い。精白率が88%より高い場合は、表層部に多く含
まれるタンパクが取り除かれないので、食感改良効果が
得られない。なお精白率とは、精白処理後の米重量の、
精白処理前の玄米重量に対する割合をいう。
【0007】精米を施す時期は、収穫後120日以内で
あると好ましい。また、精米から炊飯までの期間は、精
米後常温保管(10〜30℃)で7日以内、冷蔵保管
(10℃未満〜凍らない温度まで)で120日以内に炊
飯する事が好ましい。すなわち米の保存環境温度を低く
抑え、短期間内に精米炊飯することにより、変色、糠
臭、古米臭、澱粉の変質等の経時変化が低く抑えられ酵
素の働きが、最も効果的となる。
【0008】本願発明において使用される澱粉分解酵素
を含む酵素溶液としては、少なくとも澱粉分解酵素を含
有し、他に蛋白質分解酵素、セルロース分解酵素等を併
存させた水溶液が使用できる。原料米と目的とする米飯
の種類によって適宜設定すればよいが、これらの酵素添
加物を個々に添加してもよいし、予め特定の割合で含有
せしめた組成物として添加しても良い。なかでも、力価
が12000unit(BLUE.VALUE法)程度
の枯草菌由来の澱粉分解酵素(α−アミラーゼ)を生米
に対する添加率、0.02〜1.0重量%で添加する事
が好ましい。
【0009】本願発明でいう浸漬処理とは炊飯前の洗浄
米を、酵素類を溶解した水に、常温(10〜30℃)で
20分〜15時間漬け込む事をいう。又、釜、炊飯器の
場合は、浸漬水をそのまま炊飯水に使う事も出来る。本
願発明でいう炊飯は通常の条件で行えば良い。炊飯に使
用する水の量は、うるち米の重量の1.8〜2.3倍に
なるように設定する事が好ましい。
【0010】
【作用】本願発明の特徴とする点は、アミロース含量の
高い米の精白率を一般の精白率(89%)より低くする
ことにより、酵素による米の食味改良効果が飛躍的に向
上し、酵素の添加率が抑えられる事により、過剰糊化に
よる焦げつきが防げる。また、上記の米の保存環境温度
を低く抑え、短期間内に精米、炊飯すれば、変色、糠
臭、古米臭、澱粉の変質の経時変化を低く抑えることで
きる。
【0011】
【実施例】以下、実施例により具体的に説明する。
【0012】
【実施例1】精白率82%としたうるち米(タイ産コシ
ヒカリ、アミロース含量26%)500gを洗米し、α
−アミラーゼ(枯草菌由来、12000unit)0.
05%溶液に2時間浸漬した後、米に水を加えた総重量
が1150gになるように調整し、炊飯器にて炊飯し
た。炊飯後の重量は1100gであった。この炊飯米を
冷却した後凍結し、凍結米飯250gを容器に取り、5
00W電子レンジで4分30秒加熱調理、官能検査によ
り食味、外観を評価した。その結果、食味は4.1で好
ましいものであり、糠臭もほとんど感じず、色も白色で
あった。
【0013】なお、食味の評価は12名の熟練したパネ
ルにより5段階評価にて行い、米飯の一粒一粒に張りが
有り、ふっくらとした食感があり、最も美味しいと感じ
るものを5点、以下ふっくら感が劣るに従い、普通3
点、不良1点とした。なお、表1中の数字はパネル12
名の平均値である。
【0014】
【実施例2】精白率84%としたうるち米(タイ産コシ
ヒカリ、アミロース含量25%)を用いた以外は、実施
例1と同様に炊飯、凍結し、食味、外観を評価した。そ
の結果、食味は4.0で好ましいものであり、糠臭もほ
とんど感じず、色も白色であった。
【0015】
【実施例3】精白率85%としたうるち米(タイ産コシ
ヒカリ、アミロース含量25%)を用いた以外は、実施
例1と同様に炊飯、凍結し、食味、外観を評価した。そ
の結果、食味は3.8で好ましいものであり、糠臭もほ
とんど感じず、色も白色であった。
【0016】
【実施例4】精白率85%としたうるち米(タイ産コシ
ヒカリ、アミロース含量25%)を用い、また酵素とし
て米麹菌由来のアミラーゼを用いた以外は、実施例1と
同様に炊飯、凍結し、食味、外観を評価した。その結
果、少々焦げつきが見られたものの、食味は3.8で好
ましいものであり糠臭もほとんど感じられなかった。
【0017】
【比較例1】精白率89%としたうるち米(タイ産コシ
ヒカリ、アミロース含量24%)を用い、酵素処理を行
わなかった以外は実施例1と同様に炊飯、凍結し、食
味、外観を評価した。その結果、食味は2.5でぼそぼ
そ食感で、糠臭も強く、色は淡い褐色で好ましいもので
はなかった。
【0018】
【比較例2】精白率89%としたうるち米(タイ産コシ
ヒカリ、アミロース含量24%)を用いた以外は、実施
例1と同様に炊飯、凍結し、食味、外観を評価した。そ
の結果、食味は2.8で食感は若干改良されたものの、
糠臭も強く、色は淡い褐色で好ましいものではなかっ
た。
【0019】
【比較例3】精白率85%としたうるち米(タイ産コシ
ヒカリ、アミロース含量25%)を用い、酵素処理を行
わなかった以外は実施例1と同様に炊飯、凍結し、食
味、外観を評価した。その結果、色は白色であり、糠臭
は弱められたが、食味は3.0でぼそぼそしており、好
ましいものではなかった。
【0020】
【参考例1】精白率89%としたうるち米(日本産コシ
ヒカリ、アミロース含量18%)を用い、酵素処理を行
わなかった以外は実施例1と同様に炊飯、凍結し、食
味、外観を評価した。その結果、食味は4.0で好まし
いものであり、糠臭もほとんど感じず、色も白色であっ
た。
【0021】
【参考例2】精白率89%としたうるち米(日本産コシ
ヒカリ、アミロース含量18%)を用い、実施例1と同
様に炊飯、凍結し、食味、外観を評価した。その結果、
淡褐色の着色が見られたものの、食味は4.1で好まし
いものであり糠臭もほとんど感じられなかった。
【0022】以上の実験結果をまとめ、表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】
【発明の効果】本願発明によれば、本来食味の優れない
米に対し、喫食に最適な水分を保ち、色が白く、糠臭を
抑え、パサツキが無く、ふっくらとたきたての食感と粘
りを有する、食味が改良され米飯類を得ることが出来
る。そして、本願発明の方法によって得られた米飯は、
凍結し、冷凍状態で保管し、そのまま直接電子レンジ、
蒸し器等の調理器具によって調理しても、ふっくらとし
た食感を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−75243(JP,A) 特開 昭60−164446(JP,A) 特開 昭59−2664(JP,A) 特開 昭58−86050(JP,A) 特公 昭31−3734(JP,B1) 特公 昭48−37827(JP,B1) 特公 昭35−1781(JP,B1) 特公 昭33−8425(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アミロース含量が20%以上のうるち米
    玄米を精白率88%以下に精白し、澱粉分解酵素溶液に
    浸漬処理した後に炊飯する事を特徴とする食味が改良さ
    れた炊飯うるち米の製造方法
JP03315693A 1992-02-25 1993-02-23 食味が改良された炊飯うるち米の製造方法 Expired - Lifetime JP3205112B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03315693A JP3205112B2 (ja) 1992-02-25 1993-02-23 食味が改良された炊飯うるち米の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3799892 1992-02-25
JP4-37998 1992-12-25
JP03315693A JP3205112B2 (ja) 1992-02-25 1993-02-23 食味が改良された炊飯うるち米の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05304909A JPH05304909A (ja) 1993-11-19
JP3205112B2 true JP3205112B2 (ja) 2001-09-04

Family

ID=26371800

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP03315693A Expired - Lifetime JP3205112B2 (ja) 1992-02-25 1993-02-23 食味が改良された炊飯うるち米の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3205112B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4516419B2 (ja) * 2004-12-24 2010-08-04 ハウス食品株式会社 米飯の製造方法
JP6667767B1 (ja) * 2019-08-05 2020-03-18 峰雄 菅内 米飯の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05304909A (ja) 1993-11-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5582308B2 (ja) 米飯食品の製造方法及び米飯食品改質用の酵素製剤
JP3372652B2 (ja) 炊飯用酵素組成物、それを用いた米飯類の製造法及び製品
JPS61195655A (ja) 乾燥α化穀物の製造方法
JP3205112B2 (ja) 食味が改良された炊飯うるち米の製造方法
JPS592664A (ja) 米飯品質改良用組成物および米飯の品質改良法
JP2807593B2 (ja) 澱粉含有食品の膨潤抑制剤とその使用方法
JPH07274865A (ja) 米飯の品質改良剤及び品質改良方法
JPH0731396A (ja) 食品の老化防止、軟化作用をもつ品質改良剤
JP3310081B2 (ja) 多加水米飯の製造方法
US3647486A (en) Method of preparing canned cooked rice
JP3087028B2 (ja) 古米の呈味改良炊飯方法
JP3321626B2 (ja) 炊飯時の食感が改良された大麦の製造方法
JP2001238617A (ja) 米飯改良剤及びこれを用いた米飯の製造方法
JP3950245B2 (ja) チルド寿司飯用炊飯調味液、それを使用した寿司飯、及びチルド寿司飯用炊飯米の製造方法
JPH08193A (ja) 食味改良した精米およびその製造法
KR20200134023A (ko) 쌀가루가 함유된 후라이드 치킨의 제조방법
JP2001275589A (ja) 米飯用品質改良剤製剤、及びそれを用いた米飯類の製造方法
JPH07250629A (ja) 炊飯用米の品質改良方法
JPH07327615A (ja) 米飯類の製造方法
JPH1094368A (ja) 食感の優れた玄米飯の製造法
JP3671169B2 (ja) 米飯用品質改良剤及び米飯
JP7317534B2 (ja) 加工米飯の製造方法
JP4227668B2 (ja) 麦ごはんの製造もしくは調理方法
JPS6312575B2 (ja)
JP2827303B2 (ja) 米飯の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080629

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090629

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100629

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100629

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110629

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110629

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120629

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120629

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130629

Year of fee payment: 12

EXPY Cancellation because of completion of term