JP3321626B2 - 炊飯時の食感が改良された大麦の製造方法 - Google Patents
炊飯時の食感が改良された大麦の製造方法Info
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Description
べたときに米と変わらない食感の大麦を得ることができ
るようにした炊飯時の食感が改良された大麦の製造方法
に関するものである。
き、独特の食感を有しており、米と比較すると硬い、粘
りがない等の欠点がある。その原因として、大麦は米と
比べて細胞壁を構成する繊維質含量が約5倍と高く、そ
のうち約半分が不溶性成分であること、さらに細胞壁同
志を密着させている蛋白質含量も高いことが挙げられ
る。
存在するが、澱粉は蛋白質マトリックスに包み込まれ、
その蛋白質は細胞壁、すなわちセルロース壁に沿って分
布し、細胞組織を形成している。このようにセルロース
壁および蛋白質はすべての澱粉粒を包んでおり、組織を
硬く密着させ、炊飯の際澱粉の膨張と粒の崩壊の形を規
制し、米食のように炊飯してもなかなか軟らかく粘りが
出る状態にならない。
の食感を改良するために鋭意研究したところ、酵素を作
用させて大麦の繊維質、蛋白質等をある程度分解すれ
ば、大麦の食感を大幅に改良できることを知り本発明を
完成した。
は、A)酵素類を炊飯時に添加したり、B)炊飯前の米
を浸漬して添加したり、C)高圧ないし真空圧をかけて
添加する、等の手段が行なわれている。
A)の例としては特公昭54−16575号,特公昭5
6−48143号,特開昭55−58074号,特開平
2−79944号,特開平3−15351号,特開平3
−58761号,特開平3−87152号,特開平4−
148655号があり、B)の例としては特開平2−1
8051号,特開平4−258263号があり、C)の
例としては特開平2−167040号がある。
と本発明とは、酵素の種類、組み合わせおよび濃度が根
本的に異なり、また本発明が高真空圧下で処理すること
や、さらに炊飯時に酵素添加するのではなく前処理段階
で酵素処理する点に大きな違いがある。
即席麦がゆの製造のための酵素処理は多少試みられてい
たが、大麦に酵素処理をしてその食感を改良する方法に
ついてはまったく知られていない。
らなされたもので、下記の(1)〜(4)の請求項によ
り構成されている。 (1)搗精歩留りが40〜70%である大麦を、繊維質
分解酵素(セルラーゼ,ヘミセルラーゼ)と、下記の
a)〜c)から選ばれる酵素の1以上を含む酵素液に浸
漬するか、または上記大麦に上記酵素液を吹き付ける
(噴霧する)ことによって作用させることを特徴とする
炊飯時の食感が改良された大麦の製造方法。 a)ペクチン質分解酵素(ペクチナーゼ) b)蛋白質分解酵素(プロテアーゼ) c)澱粉質分解酵素(アミラーゼ) (2)大麦を、その酵素処理前または酵素処理中に、一
定時間高真空に保持する前記(1)に記載する炊飯時の
食感が改良された大麦の製造方法。 (3)酵素処理後の大麦を炊飯した後、容器に充填して
冷凍し、または容器に無菌充填し、またはレトルト容器
に充填後に加圧加熱殺菌する前記(1)または(2)に
記載する炊飯時の食感が改良された大麦の製造方法。 (4)酵素処理した大麦を、凍結乾燥、もしくは通風乾
燥して、水分を低下させ、酵素反応を停止させる前記
(1)または(2)に記載する炊飯時の食感が改良され
た大麦の製造方法。
のとおりである。 (イ)大麦の澱粉組織を硬く密着(結着)させている繊
維質、蛋白質等をそれぞれの酵素により適宜分解し、炊
飯時における澱粉の糊化をより促進させる。 (ロ)真空処理することによって麦粒中の気泡を除くこ
とができ、酵素液をす速く、均一に麦に浸透させ、酵素
の作用効果を増大させる。 (ハ)搗精歩留りが高い(例えば80%)と麦表皮部
分、すなわち不溶性食物繊維や灰分が残存し、褐変(炊
飯後)が進行し、また食感も目的とするものが得られな
い。一方、歩留り40%を越えると粒形が小さくなって
しまう。 (ニ)なお、酵素反応を停止させる手段として炊飯して
しまう(加熱)か、乾燥して水分を低下させるかのいず
れかを採用した。
工程について詳述すると次のとおりである。 (A)酵素 おのおのの酵素の使用量の範囲(単位:%は酵素液中の
酵素濃度、ただし浸漬式) 繊維質分解酵素(セルラーゼ、ヘミセルラーゼ):0.
01〜0.002% ペクチン分解酵素(ペクチナーゼ):0.005〜0.
001% 澱粉質分解酵素(アミラーゼ):0.005〜0.00
1% 蛋白質分解酵素(プロテアーゼ):0.005〜0.0
01% ・各々の酵素の使用条件(温度、保持時間) 35〜55℃で1〜3時間程度(アミラーゼを使用した
場合は、35〜55℃で1〜3時間程度保持した後、さ
らに60〜80℃で1〜3時間保持する。) ・酵素液を作用させる方法についての差 浸漬法:酵素液の大麦への浸透は以下の通りである。
して酵素液1 すなわち、酵素液中の酵素が0.002%の場合、原料
大麦に対する酵素濃度は0.002%となる。
して酵素液2 すなわち、酵素液中の酵素が0.002%の場合、原料
大麦に対する酵素濃度は0.004%となる。
酵素を作用させたいときは、以下の通りの酵素液濃度と
なる。
0.01% ・大麦1に対して酵素液1/3のときは0.006% (両者の利害得失) 浸漬法:酵素液が麦に対して均一にかつ素早く浸透す
る。しかし反応後の酵素液の除去、すなわち液切り(濾
過)および乾燥(凍結乾燥、通風乾燥)にやや時間を要
する。
無駄がなく、簡単な乾燥で酵素反応が止められる。 (B)真空処理 真空度70〜76cmHgで1〜12時間 (C)炊飯時の水添加量 酵素処理によって吸水した水も含め、麦重量の1.5〜
2.0倍 (D)酵素処理後の大麦の乾燥条件 凍結乾燥もしくは通風乾燥により水分を13%以下に調
製し、酵素反応を停止させる。
の製造方法は、米との比較において、食感が硬く、粘り
がない大麦を本発明において軟らかく、粘りを強くする
ことができた。
に対して1割程度配合することを奨励してきたが、本発
明により3割程度まで配合しても違和感なく食べられる
ようになり、大麦の消費に貢献できることとなった。
良された大麦の製造方法を、実施の形態に基づいて詳細
に説明する。なお、官能検査でのパネル員の選定は、食
味試験の5年以上経験のある熟練者を選んだ。
ト薬品工業株式会社製,糸状菌由来Rhizopus
属)0.004% ペクチナーゼ(可溶性ペクチナーゼ<タナベ>,田辺製
薬株式会社製,糸状菌由来Aspergillus
属).004% 処理条件 浸漬式 真空処理 76cmHg、60分 加温処理 50℃、2時間 (試料2) 上記条件で真空処理を実施しないもの (試料3) 対照:酵素処理しないもの
株式会社製,細菌由来Bacillus属)0.002
% 処理条件 浸漬式 加温処理 50℃、3時間後70℃、1時間 (試料2) 上記条件で加温処理を50℃、2時間としたもの (試料3) 対照:酵素処理しないもの
式会社製,糸状菌由来Aspergillus属)0.
002% 処理条件 浸漬式 加温処理 50℃、2時間後70℃、1時間 (試料2) 上記条件でプロテアーゼを除いたもの (試料3) 対照:酵素処理しないもの
冷凍したもの (試料2) 実施例2の試料1を炊飯し、無菌充填した
もの (試料3) 酵素処理しない麦を炊飯し、無菌充填した
もの
し、これを水でもどして炊飯したもの (試料2) 実施例2の試料1を通風乾燥し、これを水
でもどして炊飯したもの (試料3) 酵素処理しない麦を凍結乾燥し、これを水
でもどして炊飯したもの
麦の製造方法は、米との比較において、食感が硬く、粘
りがない大麦を本発明において軟らかく、粘りを強くす
ることができた。
に対して1割程度配合することを奨励してきたが、本発
明により3割程度まで配合しても違和感なく食べられる
ようになり、大麦の消費に貢献できることとなった。
Claims (4)
- 【請求項1】搗精歩留りが40〜70%である大麦を、
繊維質分解酵素(セルラーゼ,ヘミセルラーゼ)と、下
記のa)〜c)から選ばれる酵素の1以上を含む酵素液
に浸漬するか、または上記大麦に上記酵素液を吹き付け
る(噴霧する)ことによって作用させることを特徴とす
る炊飯時の食感が改良された大麦の製造方法。 a)ペクチン質分解酵素(ペクチナーゼ) b)蛋白質分解酵素(プロテアーゼ) c)澱粉質分解酵素(アミラーゼ) - 【請求項2】大麦を、その酵素処理前または酵素処理中
に、一定時間高真空に保持する請求項1に記載する炊飯
時の食感が改良された大麦の製造方法。 - 【請求項3】酵素処理後の大麦を炊飯した後、容器に充
填して冷凍し、または容器に無菌充填し、またはレトル
ト容器に充填後に加圧加熱殺菌する請求項1または2に
記載する炊飯時の食感が改良された大麦の製造方法。 - 【請求項4】酵素処理した大麦を、凍結乾燥、もしくは
通風乾燥して、水分を低下させ、酵素反応を停止させる
請求項1または2に記載する炊飯時の食感が改良された
大麦の製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP20033193A JP3321626B2 (ja) | 1993-07-19 | 1993-07-19 | 炊飯時の食感が改良された大麦の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP20033193A JP3321626B2 (ja) | 1993-07-19 | 1993-07-19 | 炊飯時の食感が改良された大麦の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0731393A JPH0731393A (ja) | 1995-02-03 |
JP3321626B2 true JP3321626B2 (ja) | 2002-09-03 |
Family
ID=16422523
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP20033193A Expired - Fee Related JP3321626B2 (ja) | 1993-07-19 | 1993-07-19 | 炊飯時の食感が改良された大麦の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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HUE025534T2 (en) * | 2007-10-12 | 2016-04-28 | Archer-Daniels-Midland Company | Increased fiber hydrolysis protease addition |
KR101671970B1 (ko) * | 2016-04-29 | 2016-11-03 | 최영주 | 말굽버섯을 이용한 칼슘현미 및 그 제조방법 |
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-
1993
- 1993-07-19 JP JP20033193A patent/JP3321626B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH0731393A (ja) | 1995-02-03 |
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