JP4227668B2 - 麦ごはんの製造もしくは調理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は大麦を単独で加熱調理し、これを炊飯した米と混合して麦ごはんとして食したり、冷凍あるいは冷蔵にて流通させ、必要に応じて適宜混合することによって食味のすぐれた麦ごはんを提供しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の麦ごはんは、米と大麦を所定の割合で混合し、同時炊飯して麦ごはんを製造してきたが、米と大麦の吸水量が大きく異なり、少ない加水量では大麦が硬すぎ、多い加水量では米の吸水が過多となり、水っぽい状態になってしまう。すなわち、同時混合炊飯された場合に、米よりも大麦の方に、より多くの水が吸水されればよいのであるが、通常奨励している加水量で炊飯した場合、20〜30%大麦配合の麦ごはんでは、炊飯後の水分は米60〜62%、大麦は最大でも65%で、その差は大きくても5%程度である。これでは、パラパラ感のある食感で、大麦の硬さが目立つ状況となる。
以下に、精白米だけの場合、2割配合麦ごはんとした場合の、加水量を適宜変更して炊飯したときの水分測定結果を示す。麦ごはんを炊飯する場合には、精白米だけで炊飯する場合に比べて加水量は多目の設定で実施することが望ましいが、麦ごはんの場合、水分含量は精白米に対して大麦は2〜5%高くなるに過ぎない。麦ごはんではこの水分差を大きくすることが課題である。表1に炊飯後の水分量を示す。
【0003】
【表1】
Figure 0004227668
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者等は麦ごはんの食感を改良するために鋭意研究したところ、炊飯後の大麦水分を高く設定することによって大幅に改良できることを見出し本発明を完成した。すなわち、炊飯後の米の水分を63%程度に調製し、大麦の水分を70〜85%に調製し、この米と大麦が混合された麦ごはんでは食味が軟らかく、また、大麦の水分が高いため、炊飯および保温後の褐変化進行も抑制されるということが判明したのである。
【0005】
従来、米飯類の食味改良法としては、特許第3321626号、特開2001−275589、特開平11−169112号、特開平10−234320号、特開平10−94368号、特開平10−14512号、特開平9−322721号、特開平9−215476号、特開平8−140600号等の酵素類や改良剤を添加する方法が報告されている。しかし、酵素の場合、アミラーゼやプロテアーゼでは澱粉類や蛋白質類を著しく低分子化するため、結果として炊飯時に褐変化したり、セルラーゼのような繊維質を分解した場合には、近年の食物繊維摂取不足という栄養学的立場からは決して好ましいとは言えず、さらに成分分解によって大麦の保水力も低下し、歩留まりの低下を招く。また、改良剤の場合には、いわゆるマスキング的効果を狙った場合が多く、効果が弱いなど、根本的な解決策にはなっていない。
【0006】
この発明は上記のような直接的に作用させたり、あるいはマスキングさせる方法とは手法的に全く異なり、食品素材、添加物、酵素等は食味改良の目的では一切使用せず、大麦が本来機能として有している食物繊維、ポリフェノール類を"水"によって改善しようとしたものである。大麦の食感の硬さは食物繊維に起因するものの、水溶性食物繊維含量が高く、また、これは保水性に優れているため、大麦を高水分維持することによって食味の改善を図ることができた。また、ポリフェノール類は炊飯後や保温後に褐変化することがわかっており、麦ごはんの見た目を損なうこととなる。しかし、大麦を高水分維持することによって褐変化の程度を抑制することができることを見出した。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわちこの発明の麦ごはんの製造もしくは調理方法は、米と大麦を別々に加水、調理(炊飯)し、調理後の大麦水分が70〜85%になるよう調製するとともに、これを調理後の米水分が61〜63%であって、大麦水分との差が8〜17%になるよう調理された米と混合して麦ごはんとすることを特徴とするものである。
【0008】
この発明の麦ごはんの製造もしくは調理方法は、上記製造もしくは調理方法が、多量の熱湯中で加熱される茹で(煮沸)方式、過不足なく大麦に吸水されるよう所定の加水量にて加熱される炊飯方式、吸水後に蒸気を吹き付けて加熱する蒸煮方式、あるいはそれらの組合せによる方式から選ばれたことをも特徴とするものである。
【0009】
上記大麦の調理後の水分を70〜85%に調製する調理方法としては、煮沸、炊飯、蒸煮方法等があげられるが、それらの組合せでもよい。何れにしても、十分な水が大麦に吸水され加熱によって大麦澱粉を十分アルファ化するのと同時に、水溶性食物繊維にも十分吸水させることが必須条件である。ポリフェノール類による大麦の褐変化を、より抑制する方法としては煮沸方法が望ましい。これは、煮沸中にポリフェノール類が溶出するからである。一方、米の調理方法は従来通りであり、調理後の米水分が61〜63%であって、大麦水分との差が8〜17%の調理により得られた米と大麦を適宜混合すれば麦ごはんとなる。
【0010】
この方法を採用し、調理された大麦を保存する方法としては冷凍あるいは冷蔵保管があげられる。使用する場合は温める、あるいは、解棟して温める方法が採用されるが、湯通ししたり、電子レンジを利用することができる。特に、外食レストラン、弁当店等においては、すぐに麦ごはんだけを欲しい場合に調理された米と大麦を混ぜるだけでよい。一方、調理された大麦を無菌包装すれば常温保存が可能となる。常温保存が可能になると、外食レストラン、弁当店等だけではなく、一般家庭内での消費拡大も可能である。すなわち、麦ごはんを食べたい人が、食べたい時に、食べたい量だけ調製できることになる。
【0011】
健康志向を受け、雑穀類が近年見直されている中で、昔から愛用されてきた麦ごはんの需要は徐々に伸びてきてはいるものの、米市場全体の中ではごく一部に過ぎない。本発明によれば、大麦の食味改善効果があることから、2割飯、3割飯の現状から5割飯(内割りで50%大麦配合)へと拡がる可能性がある。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の麦ごはんの製造もしくは調理方法の実施の形態を実施例に基いて詳細に説明する。
【0013】
【実施例1】
搗精歩留り50%の大麦300gに水750gを加え、1時間浸漬し、これを家庭用炊飯器にて通常通り炊飯した。得られた調理大麦(水分は70%)2重量部に対し、予め炊飯しておいた米(水分62%)8重量部と混合し、麦ごはんを作成した(試料1)。同様に、水800gにて炊飯した調理大麦(水分75%)についても麦ごはんを作成した(試料2)。一方、比較例として、米240gと搗精歩留り50%の大麦60gを混合し、水400gを加えて通常通り炊飯した麦ごはんを準備した(米水分61%、大麦水分63%)。以上3試料を官能評価(相対比較)した結果を表2に示す。
【0014】
【表2】
Figure 0004227668
【0015】
【実施例2】
搗精歩留り60%の大麦を沸騰水中で30分煮沸し、水分含量80%の調理大麦を得た(試料1)。また、搗精歩留り60%の大麦に2.5倍量の水を加え、1時間浸漬後、通常通り家庭用炊飯器にて炊飯し、水分含量70%の調理大麦を得た(試料2)。これらをそれぞれ予め炊飯しておいた米(水分61%)7重量部に対して3重量部ずつ加え、30%配合麦ごはんを作成した。一方、比較例として、米210gと搗精歩留り60%の大麦90gを混合し、水430gを加えて通常通り炊飯した麦ごはんを準備した(米水分60%、大麦水分63%)。以上3試料を官能評価(相対比較)した結果を表3に示す。
【0016】
【表3】
Figure 0004227668
【0017】
【発明の効果】
この発明により、食べやすい食感の麦ごはんを製造できることを確認できた。さらに、精白米に混ぜて食べる場合、従来よりも混合配合を高くしても違和感無く食べることができることを確認することができた。
【0018】
またこの発明の麦ごはんの製造もしくは調理方法によれば、食感が軟らかくなって麦ごはんを美味しく食することができ、しかも麦ごはん中の麦の褐変化が抑制されて商品価値を高めることができた。

Claims (2)

  1. 米と大麦を別々に加水、調理(炊飯)し、調理後の大麦水分が70〜85%になるよう調製するとともに、これを調理後の米水分が61〜63%であって、大麦水分との差が8〜17%になるよう調理された米と混合して麦ごはんとすることを特徴とする麦ごはんの製造もしくは調理方法。
  2. 製造もしくは調理方法が、多量の熱湯中で加熱される茹で(煮沸)方式、過不足なく大麦に吸水されるよう所定の加水量にて加熱される炊飯方式、吸水後に蒸気を吹き付けて加熱する蒸煮方式、あるいはそれらの組合せによる方式から選ばれてなる請求項1に記載の麦ごはんの製造もしくは調理方法。
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