JP3205042B2 - 固形燃料の製造方法及びそれにより製造された固形燃料 - Google Patents

固形燃料の製造方法及びそれにより製造された固形燃料

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  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Solid Fuels And Fuel-Associated Substances (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、従来より埋立て等によ
り廃棄されていた電子写真用乾式廃トナーの有資源化に
関するものであり、電子写真用乾式廃トナーを他の可燃
性廃材料(故紙、プラスチック、木くず等)と混合した
ものを加熱圧縮した固形燃料及び該固形燃料の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法による、複写機、プリ
ンター等の画像形成後のクリーニング時に発生し、回収
された廃トナーや、トナー製造工場で発生した廃棄トナ
ー、あるいは開発等で試作された後、廃棄されたトナー
は、メーカー販売業者自ら、又は、専門業者に委託し
て、埋立て等により処理されていた。
【0003】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、昨
今、埋立て地の不足、遠方化による廃棄費用の高騰によ
る処理費用のコスト高、或いは、埋立て時の粉じん汚
染、土壌汚染等の公害問題がクローズアップされ、社会
的問題となっている。その為、これらの問題を解決した
従来とは異なる廃棄方法の開発、更に、廃棄トナーを有
効利用出来る廃棄方法の開発が検討されてきたが、未だ
有効な方法は見出されていない。
【0004】従って、本発明の目的は、上記の従来技術
の問題点を解決し、公害問題のない、経済性にも優れた
廃棄トナーの処理手段を提供し、廃棄トナーの有効利用
の途を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、下記の本
発明により解決される。即ち、本発明は、電子写真用乾
式トナーを混合し、加圧及び圧縮して押し出し、押し出
し物を断裁する工程を経て固形化することにより製造さ
れる固形燃料の製造方法であって、 電子写真用乾式トナ
ー中に他の可燃性固形材料を固体のまま混合し、加圧及
び圧縮して押し出して押し出し物を得(但し、他の可燃
性固形材料として紙製造工程にて発生する紙スラッジを
用いる場合を除く)、得られた押し出し物を断裁してペ
レット化された固形燃料を製造することを特徴とする固
形燃料の製造方法、及びそれにより製造された固形燃料
である。
【0006】
【作用】本発明によれば、従来より廃棄されていたトナ
ー粉体による、粉塵及び土壌汚染の発生を防止出来、な
おかつ有資源として再度有効活用することが出来る為、
多大な経済的メリットがある。尚、トナーを粉体のまま
燃焼させ、燃料化する場合、下記の様な問題が発生し、
実用的に不可能であった。 (1)粉体の燃焼の場合、粉塵爆発の危険性があり、そ
の対策が装置的に難しい。 (2)粉体を扱うと、粉塵汚染等の環境問題を発生し易
く、作業性に難点がある。 (3)粉体燃焼の場合、燃焼エネルギーのコントロール
がしにくく、エネルギー利用をするには、付加的な装置
が必要である。 (4)粉体燃焼の場合、固形燃料に比べて、火持ちが悪
く、燃料の補給に関して難点がある。 (5)粉体燃焼の場合、高温の発熱燃焼が発生し易く、
燃焼釜を損傷させる場合がある。 (6)粉体燃焼の場合、粉塵の飛散による大気汚染を起
こし易く、その対策が必要となる。 (7)粉体燃焼の場合、粉塵が飛散し、燃焼釜の内壁部
に付着し易く、釜の寿命を短くする。 (8)粉体の定量補給には、ノズル等の装置が必要であ
るが、異物混入による故障が多く、安定補給に問題がで
る。 又、本発明の固形燃料は、廃棄トナーと共に他の可燃性
廃材料を混合するものである為、トナーと同様に埋め立
てて廃棄処理されていた他の廃材料をも有資源として再
度有効活用出来る。更に、本発明の固形燃料は、本来な
ら有償で廃棄処理される廃材料を原料として使用する
為、極めて安価な固形燃料が供給出来る。
【0007】
【好ましい実施態様】本発明の固形燃料は、廃棄される
トナーを他の可燃性廃材料(例えば、故紙、プラスチッ
ク、木くず等)と混合し、これを加熱、圧縮固形化して
固形燃料としたことを特徴とする。本発明の固形燃料に
用いる廃棄トナーとしては、磁性及び非磁性のいずれの
ものでもよく、もちろん黒トナー、カラートナーを問わ
ない。一般的なトナー樹脂組成から燃焼熱量を算出する
と、トナー単独の場合、磁性トナーでは5,000〜
6,000cal/g、非磁性トナーでは9,000〜
10,000cal/gである。又、混合用に用いる可
燃性廃材料の燃焼熱量としては、故紙、木くずが3,0
00cal/g、プラスチックが9,000〜11,0
00cal/gである。従って、本発明の固形燃料を製
造する際に用いられる廃トナーの種類、混合材料、混合
比を任意に選択すれば、所望の燃焼熱量の固形燃料を得
ることが出来る。
【0008】本発明の固形燃料を製造する場合に、廃棄
トナーを単独で用いると粘着性が大きい為、得られた溶
融押出し物を断裁してペレットにすることが困難であ
り、生産面でやや難がある。しかし、この場合には断裁
性能の良い断裁機を用いれば対処可能である。一般的に
は、廃棄トナーに、他の可燃性廃材料を30%以上混合
した方が、断裁が容易で生産性に優れ、容易に本発明の
固形燃料用ペレットが作られる為、より好ましい。本発
明の固形燃料に使用される可燃性廃材料の種類として
は、いずれのものでもよいが(但し、他の可燃性固形材
料として紙製造工程にて発生する紙スラッジを用いる場
合を除く)、例えば、故紙、ダンボール、木くず、もみ
がら等、軟化溶融温度が非常に高い材料であれば、トナ
ー中に固体のまま混合し、断裁、ペレット化出来る為、
より好ましい。
【0009】次に、混合させる可燃性廃材料に廃棄プラ
スチックを用いる場合について説明する。現在、廃棄プ
ラスチックとして捨てられるプラスチックの種類は、お
およそポリエチレンが55%、ポリ塩化ビニルが25
%、ポリスチレンが10%、ポリプロピレンが3%、そ
の他のプラスチックが7%である。ところで、廃棄物等
の容積を減少させる“マルチホーマー”等の減容機は、
外部から熱源を与えることなく、被減容物を内部で粉
砕、混練、加圧、圧縮している際の摩擦熱で、自己発熱
させ、被減容物を溶融させて減容させる装置である。こ
の為、稼動中の内部温度は、被減容物の種類によっても
多少異なるが、180℃前後である。前記した様な廃棄
プラスチックは、いずれも溶融化する温度が180℃前
後であるが、その温度での粘度は、一番低いプラスチッ
クでも1000ポイズ以上である。これに対し、一般ト
ナーの溶融化温度はこれより低い為、180℃前後では
粘度が100ポイズ前後に低下する。従って、廃棄トナ
ーと廃棄プラスチックとを“マルチホーマー”等の減容
機で混練、圧縮すると両者とも溶融するが、粘度の差が
10倍以上ある為、均一溶融組成物は出来ない。即ち、
廃棄トナーを単独で混練した場合に比べて、廃棄プラス
チックを混合すると、断裁、ペレット化が容易になり、
混合する効果が表れることとなる。又、廃棄ポリ塩化ビ
ニル(PVC)と混合した場合には、この様な固形燃料
を燃焼すると、PVCから塩化水素ガスが発生し、ボイ
ラー等を痛める為、燃料としては不適当である。但し、
塩化水素ガス回収装置を設置したボイラー等で燃焼する
場合には何ら支障はない。
【0010】
【実施例】参考例1 廃磁性トナー(キヤノン社製)を押出し混練機(PCM
−30:池貝社製)で溶融し、30φ穴から押出し後、
断裁機で切断し、直径30mm、長さ5〜6cmのペレ
ットを得た。この様にして得られたペレットを、固形物
専用ボイラー(タクマ社製)で燃料として燃焼させとこ
ろ、臭気の発生、有毒ガスの発生等もなく、燃料として
の目的を達成することが出来た。尚、この際の燃焼熱を
測定したところ、約6,000cal/gの熱量があっ
た。
【0011】実施 廃磁性トナー(キヤノン社製)50重量部と、セメント
用クラフト紙製袋破砕品50重量部とを、“マルチホー
マー”(MH−150:御池鉄工所社製)のホッパーか
ら2本の回転スクリューの間に供給した。2本の回転ス
クリューの剪断、摩擦熱により、両材料は混合、加熱、
圧縮されて、先端部の出口(直径30mm)から連続的
に押出される。先端部の前に装着された回転式断裁機に
より、押出し物は容易に長さ5〜8cmのペレット状に
断裁され、本発明の固形燃料が形成される。この時、粉
体トナーの噴出、飛散等の汚染は全くなかった。得られ
たペレットを固形物専用ボイラー(タクマ社製)で燃焼
させたところ、臭気の発生、有毒ガスの発生等の副作用
もなく、燃料としての目的を達成することが出来た。
又、この際の燃焼熱を測定したところ、約4,000c
al/gの熱量があった。
【0012】実施 非磁性トナー(キヤノン社製)70重量部と、もみがら
30重量部とを、“マルチホーマー”のホッパーから2
本の回転スクリューに供給した。実施例と同様にして
本発明の固形燃料である燃焼用ペレットを得た。これを
専用ボイラーで燃焼させたところ、当初の目的を得た。
又、燃焼熱は約7,000cal/gであった。
【0013】実施例 磁性トナー(キヤノン社製)50重量部とプラスチック
(PE、PPを主体とするもの)破砕品50重量部と
を、“マルチホーマー”で混合、加熱、圧縮して実施
と同様にして、本発明の固形燃料である燃焼用ペレッ
トを得た。これは、専用ボイラーで問題なく燃料として
使用出来た。又、燃焼熱は約8,000cal/gであ
った。
【0014】
【発明の効果】以上の様に本発明の固形燃料は、廃棄ト
ナーを他の可燃性廃材と混合して、加熱、圧縮、固形化
することで、有益な燃料として使用することが出来る。
本発明の固形燃料によれば、廃棄トナーを他の可燃性廃
材と混合して、加熱、圧縮、固形化することにより、有
益な燃料とし、有資源として再度有効活用することによ
り、従来、トナー粉体を廃棄する際に生じていた、粉塵
及び土壌汚染の発生を防止出来る。又、本発明の固形燃
料は、廃棄トナーと共に他の可燃性廃材料を使用するも
のである為、トナーと同様に従来は埋め立てて廃棄処理
されていた他の廃材料をも有資源として再度有効活用出
来る。更に、本発明の固形燃料は、本来なら有償で廃棄
処理されるべき廃材料を原料として使用している為、極
めて安価な固形燃料が供給出来る。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子写真用乾式トナーを混合し、加圧及
    び圧縮して押し出し、押し出し物を断裁する工程を経て
    固形化することにより製造される固形燃料の製造方法で
    あって、 電子写真用乾式トナー中に他の可燃性固形材料を固体の
    まま混合し、加圧及び圧縮して押し出して押し出し物を
    得(但し、他の可燃性固形材料として紙製造工程にて発
    生する紙スラッジを用いる場合を除く)、得られた押し
    出し物を断裁してペレット化された固形燃料を製造する
    ことを特徴とする固形燃料の製造方法
  2. 【請求項2】 前記他の可燃性固形材料は、故紙、ダン
    ボール、木くず又はもみがらのいずれかである請求項1
    に記載の固形燃料の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記他の可燃性固形材料は、 電子写真用
    乾式トナーに対して30重量%以上用いられる請求項1
    又は2に記載の固形燃料の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記電子写真用乾式トナーとして電子写
    真用乾式磁性トナーを用いる請求項1乃至3のいずれか
    1項に記載の固形燃料の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の
    固形燃料の製造方法により製造されたことを特徴とする
    固形燃料。
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JP4671230B2 (ja) * 2005-11-24 2011-04-13 株式会社ハイメルツ トナー粉塵抑制ゲル化処理剤
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DE102019008793A1 (de) * 2019-12-18 2021-06-24 Carsten Weser Abfallbeseitigungsverfahren für Resttoner

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