JP4537536B2 - 固形燃料の製造方法及び固形燃料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は可燃ごみを再利用する固形燃料の製造方法及び固形燃料に関する。
【0002】
【従来の技術】
図11(a),(b)は従来の可燃ごみの処理手順を示すフロー図である。なお、ST×××はステップ番号を示す。
(a)は従来の可燃ごみの処理手順の一例を示す。
ST101:可燃ごみを焼却炉まで運搬し、焼却炉で焼却する。
ST102:可燃ごみを焼却することで残る残灰を処分場まで運搬し、投棄をする。
すなわち、従来は可燃ごみを焼却炉で焼却後、残灰を処分場に運搬し投棄を行なっている
(b)は従来の可燃ごみの別処理手順を示す。
ST111:可燃ごみを処分場まで直接運搬し投棄をする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、(a)では焼却炉で焼却後、残灰を処分場に投棄するので、可燃ごみの投棄する量は減らすことはできるものの、処理コストが嵩む。
また、(b)では、処分場に運搬し直接投棄を行なうので、見掛け上の処理コストは下がるものの、処分場がすぐにいっぱいになるので新たな処分場が必要になる。
すなわち、可燃ごみは(a)においても、(b)においても捨てるしか処理方法がなかった。そこで、可燃ごみの量を削減するためにも可燃ごみを効果的に再利用する方法が望まれる。
【0004】
本発明の目的は、可燃ごみを再利用する固形燃料の製造方法及び固形燃料を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を解決するために請求項1の固形燃料の製造方法は、可燃ごみを炭化装置で蒸し焼きにしてごみ炭にする工程と、このごみ炭を30重量%、廃プラスチックを20重量%及び古紙を50重量%で混合する工程と、混合したごみ炭、廃プラスチック及び古紙を破砕装置で破砕して燃料ペレットとする工程と、この燃料ペレットを圧縮装置で圧縮することで、摩擦熱を発生させ、廃プラスチックを軟化させて粘性を発生させ、廃プラスチックに接着作用を発生させ固形燃料のバインダの役目をさせるとともに、古紙にその繊維質で固形燃料の腰を強める作用をさせる工程と、圧縮した燃料ペレットを整粒して固形燃料にする整粒工程と、からなり、固形燃料の熱量を、4500〜7500kcal/kgの石炭並みの熱量に設定することを特徴とする。
【0006】
可燃ごみを炭化装置で蒸し焼きにすることでごみ炭にし、このごみ炭30重量%に廃プラスチック20重量%及び古紙50重量%で混合し、混合したごみ炭、廃プラスチック及び古紙を破砕装置で破砕して燃料ペレットし、この燃料ペレットを圧縮装置で圧縮し、摩擦熱を発生させ、廃プラスチックを軟化させて粘性を発生させ、廃プラスチックに接着作用を発生させ固形燃料のバインダの役目をさせるとともに、古紙にその繊維質で固形燃料の腰を強める作用をさせ、圧縮した燃料ペレットを整粒して固形燃料にする。すなわち、可燃ごみを効果的に再利用することで可燃ごみの量の削減を図る。
固形燃料の熱量を、4500〜7500kcal/kgの石炭並みの熱量に設定することで、一般のボイラなどで使用し易い熱量の燃料の製造をすることができる。
【0007】
請求項2は、野菜屑、魚肉屑を含む可燃ごみを原料とする固形燃料において、この固形燃料は、可燃ごみを蒸し焼きにしたごみ炭30重量%と、摩擦熱を発生させ、軟化させて粘性を発生させ、且つ接着作用を発生させ固形燃料のバインダの役目をなす廃プラスチック20重量%と、繊維質で固形燃料の腰を強める作用をなす古紙50重量%とからなり、4500〜7500kcal/kgの石炭並みの熱量を有するとともに、一辺若しくは径が6〜25mmのピースであることを特徴とする。
【0008】
固形燃料を可燃ごみを蒸し焼きにしたごみ炭30重量%と、廃プラスチック20重量%と、古紙50重量%とを原料にすることで、固形燃料のコストの低減を図り、安価な固形燃料の実現を図る。
固形燃料を4500〜7500kcal/kgの石炭並みの熱量にすることで、一般のボイラなどで使用し易い熱量の燃料にすることができる。
固形燃料を一辺若しくは径が6〜25mmのピースにすることで、燃焼効率の向上を図り、高温で安定した熱を得るようにする。
【0009】
請求項3は、野菜屑、魚肉屑を含む可燃ごみを原料とする固形燃料において、この固形燃料は、可燃ごみを蒸し焼きにしたごみ炭30重量%と、摩擦熱を発生させ、軟化させて粘性を発生させ、且つ接着作用を発生させ固形燃料のバインダの役目をなす廃プラスチック20重量%と、繊維質で固形燃料の腰を強める作用をなす古紙50重量%とからなり、4500〜7500kcal/kgの石炭並みの熱量を有するとともに、一辺若しくは径が8〜50mmのピースであることを特徴とする。
【0010】
固形燃料を4500〜7500kcal/kgの石炭並みの熱量にすることで、一般のボイラなどで使用し易い熱量の燃料にすることができる。
固形燃料を燃やして社会生活に必要な熱量を取出す手段として、流動床燃焼式ボイラに代表される流動床燃焼装置や火格子燃焼式ボイラに代表される火格子燃焼装置が有力である。
流動床燃焼装置は、砂と共に固形燃料を流動させながら燃焼させるものであり、50mmを超えると流動性が低下する虞れがある。
また、火格子燃焼装置では火格子の目の大きさによるが、固形燃料の落下を避けるために6mm、好ましくは8mmを最小寸法とする。
このように、固形燃料を一辺若しくは径が、8〜50mmのピースにすることで流動床燃焼装置並びに火格子燃焼装置の双方で良好に燃焼させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
図1は本発明に係る固形燃料の製造方法を示すフロー図である。なお、ST××はステップ番号を示す。
ST01:(炭化工程)可燃ごみを炭化処理、即ち、蒸し焼きにしてごみ炭にする。ここで、可燃ごみは、野菜屑、魚肉屑を含む主に家庭から排出されるごみを言う。
【0012】
ST02:(混合工程)ごみ炭、廃プラスチック及び古紙を所定の重量で混合する。例えば、ごみ炭を30重量%、廃プラスチックを20重量%及び古紙を50重量%で混合する。
ここで、廃プラスチックは、熱可塑性の廃プラスチックが好ましく、熱可塑性の廃プラスチックは、常温では固体であるが、熱を加えると溶けて軟化し、流動体となり、また冷えると固まって固体になるもので、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレンなどがこれにあたる(以下、廃プラスチックは熱可塑性の廃プラスチックを言うものとする)。また、古紙の代表例はダンボールや雑誌や古新聞などの古い紙類がこれにあたる。
【0013】
ST03:(破砕工程)所定の重量で配合したごみ炭、廃プラスチック及び古紙を8〜80mmの大きさに破砕し、燃料ペレットを生成する。
燃料ペレットの大きさが80mmを超えると、ピース造粒に影響し、6〜80mmのピースが製造困難になるからである。従って、燃料ペレットの大きさは80mm以下であれば小さいほど良い。しかし、小さくするほど製造コストが嵩むので、8mmに止める。8〜80mmの大きさに破砕すればよいが、好ましくは40mm程度とする。
【0014】
ST04:(圧縮工程)得られた燃料ペレットを、廃プラスチックが軟化するまで圧縮する。廃プラスチックは高圧で圧縮すると、摩擦熱が発生し、この熱で軟化し粘性がでるため、接着作用が発生し固形燃料のバインダの役目をする。
特に、後述するダイ孔を通じて燃料ペレットを押出すときに、ダイ孔の押出し抵抗により大きな摩擦熱が発生する。また、古紙は、その繊維質が固形燃料の腰を強める作用をなす。
【0015】
ST05:(整粒工程)得られた圧縮物を一辺若しくは径が6〜25mmのピースにする。ピースの大きさが6mm未満であれば、ピースが粉になりやすく、燃焼効率が低下して残灰の量も増える。ピースの大きさが25mmを超えると、同一面積に投入できるピースの量が減りスペース効率が低下する。そこで、ピースの大きさを一辺若しくは径が6〜25mmのピースにすることで、燃焼効率の向上を図り、高温で安定した熱を得るようにする。
【0016】
図2(a),(b)は本発明に係る固形燃料の説明図であり、(a)は固形燃料10の1ピースの正面形状を示し、(b)は固形燃料10の混合配分表を示す。
(a)において、固形燃料10は、野菜屑、魚肉屑を含む可燃ごみを原料とする固形燃料において、可燃ごみを蒸し焼きにしたごみ炭と、熱可塑性の廃プラスチックと、古紙とからなり、一辺L(若しくは径)が6〜25mmのピース14である。
固形燃料10は、一辺L(若しくは径)が6〜25mmのピース14にすることで、燃焼効率の向上を図り、高温で安定した熱を得るようにする。ここでは、固形燃料10の単体をピース14と呼び、これらのピース14の集合体を固形燃料10と呼ぶ。
【0017】
(b)において、ごみ炭、熱可塑性の廃プラスチック及び古紙の配合を設定することで、固形燃料10の熱量を調整する。
ごみ炭の熱量を4500kcal/kg、廃プラスチックの熱量を11000kcal/kg、古紙の熱量を3000kcal/kgとするときに、例えば、ごみ炭を30重量%、廃プラスチックを20重量%、古紙を50重量%で混合すると、約熱量が5000kcal/kgの固形燃料を作ることができる。すなわち、石炭並みの熱量(石炭の熱量:4500〜7500kcal/kg)の固形燃料10を作ることができ、一般のボイラなどで使用し易い熱量の燃料にすることができる。当然ながら、廃プラスチック及び古紙の混合を変えることで熱量の調整が可能である。従って、配合割合を適宜変更することは差支えない。
【0018】
図3は本発明に係る固形燃料の製造に好適な炭化装置の原理図であり、炭化装置20は、ハウジング21と、このハウジング21に開閉自在に取付けた扉22と、ハウジング21内に配置した加熱ヒータ23と、この加熱ヒータ23の上方に取付けたごみ置き網24と、ハウジング21の上部に取付けた排気管25と、この排気管25の中間に取付けた排気弁26と、排気管25に取付けた脱臭・触媒ユニット27とからなる電気炉である。なお、50は可燃ごみを示す。
【0019】
図4は本発明に係る固形燃料の製造に好適な破砕装置の原理図であり、破砕装置30は、上から投入したごみ炭、廃プラスチック及び古紙の混合物11を、固定刃32と回転刃33とで切断し、8mm〜80mmの目のスクリーン34を通じて落下させる装置である。スクリーン34を替えることで燃料ペレットとしての破砕物12の大きさを変更することができる。35はプッシャであり、回転刃33の回転速度に応じて混合物11を押出す作用をなす。36は排出コンベヤである。
この破砕装置30で混合物11を8〜80mmの破砕物12にすることができる。なお、破砕装置30の構成は一例を示すものであり、8〜80mmの破砕物12が得られれば他の構造ものでも差支えない。
【0020】
図5は本発明に係る固形燃料の製造に好適な圧縮・整粒装置の原理図であり、圧縮装置及び整粒装置としての圧縮・整粒装置40は、破砕物12を回転ドラム状のダイ41に投入する投入ダクト42と、ダイ41を支えるとともに回転させるローラ43,44と、ダイ41に開けた多数のダイ孔45・・・(・・・は複数個を示す。以下同様。)と、ダイ41の外周面に沿って配置したカッタ46と、ケーシング47とからなり、投入ダクト42を通じてダイ41に投入した破砕物12はローラ43で強く押された結果、ダイ孔45・・・に進入する。その後にカッタ46で切断することでピース14・・・になる。この作用は分かりにくいので次図で詳しく説明する。
【0021】
図6は本発明に係る固形燃料の製造に好適な圧縮・整粒装置の作用原理図であり、便宜上、円筒形状のダイ41は展開して平板形状にした。
ダイ孔45には前の破砕物12が入っており、そこへローラ43で別の破砕物12を押し込むと、「ところてん」のようにダイ41の厚さに相当するだけダイ41から破砕物12Aが食み出す。そこで、この食み出した破砕物12Aをカッタ46で切断すれば、一定の径で、一定の長さのピース14を切出すことができる。
【0022】
以上に述べた固形燃料10の作用を次に説明する。
図7(a)〜(c)は本発明に係る固形燃料の作用説明図であり、(a)は実施例を示し、(b),(c)は比較例を示す。
(a)において、実施例の固形燃料10は、一辺L(若しくは径)が6〜25mmであるピース14・・・にした。従って、ピース14・・・間に適当な大きさの空間S・・・をとることができ、燃焼効率の向上を図ることができ、高温で安定した熱を得ることができる。
【0023】
(b)において、比較例の固形燃料100は、一辺若しくは径が6mm未満であるピース104・・・であり、固形燃料100間に狭い空間S1・・・しかとることができない。従って、残灰も多く発生し、燃焼効率も悪い。
(c)において、比較例の固形燃料110は、一辺若しくは径が25mmを超えたピース114・・・であり、同一面積に投入できるピースの量が減る。すなわち、固形燃料110のスペースファクタが悪化する。
【0024】
図8は本発明に係る固形燃料の付帯効果を示す作用説明図である。
(a)は、比較例であり、従来の可燃ごみ50の流れの一例を示す作用説明図であって、可燃ごみ50は、トラック51で運搬し、矢印▲1▼・・・の如く処分場52に投棄するしかなかった。従って、処分場52はごみの山となり、新たな処分場52が必要となる。
【0025】
(b)は、実施例であり、本発明を実施したときの可燃ごみ50の流れを示す作用説明図であって、可燃ごみ50の一部は矢印▲2▼・・・の如く、固形燃料10の原料して再利用する。残りの可燃ごみ50をトラック51で矢印▲3▼,▲3▼の如く処分場52に投棄する。従って、従来は投棄しなくては処理できなかった可燃ごみ50を削減することができ、処分場52の寿命を延ばすことができる。すなわち、捨てるしか処理できなかった可燃ごみ50を再利用する道を開くことで、環境保全にも貢献することができる。
【0026】
本発明の第2実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
図9(a),(b)は本発明に係る第2実施例の固形燃料の説明図であり、(a)は固形燃料60の1ピースの正面形状を示し、(b)は固形燃料60の混合配分表を示す。
(a)において、固形燃料60は、野菜屑、魚肉屑を含む可燃ごみを原料とする固形燃料において、可燃ごみを蒸し焼きにしたごみ炭と、熱可塑性の廃プラスチックと、古紙とからなり、一辺L1(若しくは径)が8〜50mmのピース64である。
固形燃料60は、一辺L1(若しくは径)が8〜50mmのピース64にすることで、燃焼効率の向上を図り、高温で安定した熱を得るようにする。ここでは、固形燃料60の単体をピース64と呼び、これらのピース64の集合体を固形燃料60と呼ぶ。
【0027】
(b)において、ごみ炭、熱可塑性の廃プラスチック及び古紙の配合を設定することで、固形燃料60の熱量を調整する。
ごみ炭の熱量を4500kcal/kg、廃プラスチックの熱量を11000kcal/kg、古紙の熱量を3000kcal/kgとするときに、例えば、ごみ炭を30重量%、廃プラスチックを20重量%、古紙を50重量%で混合すると、約熱量が5000kcal/kgの固形燃料を作ることができる。すなわち、石炭並みの熱量(石炭の熱量:4500〜7500kcal/kg)の固形燃料60を作ることができ、一般のボイラなどで使用し易い熱量の燃料にすることができる。当然ながら、廃プラスチック及び古紙の混合を変えることで熱量の調整が可能である。従って、配合割合を適宜変更することは差支えない。
【0028】
図10(a),(b)は本発明に係る第2実施例の固形燃料を異なる燃焼装置で使用する場合の比較例図であり、(a)は固形燃料10を火格子燃焼装置70で使用する場合の問題点を示し、(b)は固形燃料10を流動床燃焼装置80で使用する場合の問題点を示す。
(a)において、火格子燃焼装置70は、ガス混合室71内に乾燥ステージ72、燃焼ステージ73及び後燃焼ステージ74をこの順で配置し、乾燥、燃焼、後処理の順で固形燃料を燃焼させるものである。燃焼工程では燃焼ステージ73に配置した火格子75に塊状又は粉状の固形燃料を積載し、この固形燃料に空気を吹込んで燃焼させる方式である。従って、固形燃料10のピース14が小さすぎると火格子75から落下したり、燃焼用吹込空気が偏った部位に集中し局所燃焼を引き起こす原因ともなる。
【0029】
(b)において、流動床燃焼装置80は、上・下チャンバ81,82の間に流動床83を配置し、流動床83に逐次、適量の固形燃料を供給し、この固形燃料を流動させると共に、固形燃料を燃焼させるのに十分な量の空気を上チャンバ81送り込み、下チャンバ82から砂等の不活性粒子を吹上げながら、固形燃料を流動状態で燃焼させる方式の装置である。従って、固形燃料10のピース14が大きすぎると重くなり流動床83上を流動させにくい。ここで、矢印▲4▼は固形燃料10のピース14の供給の流れ、矢印▲5▼は空気の流れ、矢印▲6▼は砂の流れ、▲7▼は砂から分離した不燃物の流れを示す。
【0030】
(a),(b)から、一般論として、流動床燃焼装置又は同ボイラーで使用する場合はピースが大きいほうが使い易く浮遊燃焼を防止できる。火格子燃焼装置又は同ボイラーで使用する場合は流動床方式に比較しピースが小さいほうが使い易い。
しかし、火格子燃焼装置70においてピース14があまり小さいと火格子74から落下したり、燃焼用吹込空気が偏った部位に集中し、局所燃焼を引き起こす原因ともなる。一方、流動床燃焼装置80ではピース14が大きすぎると流動床83で流動させにくくなる。
すなわち、固形燃料10を一辺若しくは径が8〜50mmのピース14にしたので、火格子燃焼装置70、流動床燃焼装置80の双方で使用することができる。この結果、固形燃料としての利便性を向上させることができる。
【0031】
尚、実施例では図1に示すように、固形燃料の製造を圧縮・整粒装置で圧縮工程と整粒工程とを同時に行なうようにしたが、これに限るものではなく、圧縮装置及び整粒装置を別々に設け、圧縮工程と整粒工程とに分けて実施するものであってもよい。
【0032】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1は、可燃ごみを炭化装置で蒸し焼きにしてごみ炭にし、このごみ炭30重量%に廃プラスチック20重量%及び古紙50重量%で混合し、混合したごみ炭、廃プラスチック及び古紙を破砕装置で破砕して燃料ペレットし、この燃料ペレットを圧縮装置で圧縮し、摩擦熱を発生させ、廃プラスチックを軟化させて粘性を発生させ、廃プラスチックに接着作用を発生させ固形燃料のバインダの役目をさせるとともに、古紙にその繊維質で固形燃料の腰を強める作用をさせ、圧縮した燃料ペレットを整粒して固形燃料にするようにした。従って、可燃ごみを効果的に再利用することができ、可燃ごみの量の削減をすることができる。
固形燃料の熱量を、4500〜7500kcal/kgの石炭並みの熱量に設定することで、一般のボイラなどで使用し易い熱量の燃料の製造をすることができる。
【0033】
請求項2は、固形燃料を可燃ごみを蒸し焼きにしたごみ炭30重量%と、廃プラスチック20重量%と、古紙50重量%とを原料にしたので、固形燃料のコストの低減を図ることができ、安価な固形燃料を提供することができる。固形燃料を4500〜7500kcal/kgの石炭並みの熱量にしたので、一般のボイラなどで使用し易い熱量の燃料にすることができる。また、固形燃料を一辺若しくは径が6〜25mmのピースにしたので、燃焼効率の向上を図ることができ、高温で安定した熱を得ることができる。
【0034】
請求項3は、固形燃料を、可燃ごみを蒸し焼きにしたごみ炭30重量%と、廃プラスチック20重量%と、古紙50重量%とを原料にしたので、固形燃料のコストの低減を図ることができる。この結果、安価な固形燃料を供給することができる。そして、可燃ごみ、廃プラスチック及び古紙の有効利用を通して資料循環型社会の実現に貢献することができる。固形燃料を4500〜7500kcal/kgの石炭並みの熱量にしたので、一般のボイラなどで使用し易い熱量の燃料にすることができる。
また、固形燃料を一辺若しくは径が8〜50mmのピースにしたので、燃焼方式の異なる燃焼装置又はボイラーでも使用できる。一般論として、例えば、流動床燃焼式ボイラに代表される流動床燃焼装置で使用する場合はピースが大きいほうが使い易く浮遊燃焼を防止できる。火格子燃焼式ボイラに代表される火格子燃焼装置で使用する場合は流動床方式に比較しピースが小さいほうが使い易い。
しかし、火格子方式においてピースがあまり小さいと火格子から落下したり、燃焼用吹込空気が偏った部位に集中し、局所燃焼を引き起こす原因ともなる。一方、流動床方式ではピースが大きすぎると流動床で流動させにくくなる。
すなわち、固形燃料を一辺若しくは径が8〜50mmのピースにしたので、火格子燃焼装置及び流動床燃焼装置の双方で使用することができる。この結果、固形燃料としての利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る固形燃料の製造方法を示すフロー図
【図2】本発明に係る固形燃料の説明図
【図3】本発明に係る固形燃料の製造に好適な炭化装置の原理図
【図4】本発明に係る固形燃料の製造に好適な破砕装置の原理図
【図5】本発明に係る固形燃料の製造に好適な圧縮・整粒装置の原理図
【図6】本発明に係る固形燃料の製造に好適な圧縮・整粒装置の作用原理図
【図7】本発明に係る固形燃料の作用説明図
【図8】本発明に係る固形燃料の付帯効果を示す作用説明図
【図9】本発明に係る第2実施例の固形燃料の説明図
【図10】本発明に係る第2実施例の固形燃料を異なる燃焼装置で使用する場合の比較例図
【図11】従来の可燃ごみの処理手順を示すフロー図
【符号の説明】
10,60…固形燃料、12…燃料ペレット(破砕物)、14,64…ピース、20…炭化装置、30…破砕装置、40…圧縮装置及び整粒装置(圧縮・整粒装置)。
Claims (3)
- 可燃ごみを炭化装置で蒸し焼きにしてごみ炭にする工程と、このごみ炭を30重量%、廃プラスチックを20重量%及び古紙を50重量%で混合する工程と、混合したごみ炭、廃プラスチック及び古紙を破砕装置で破砕して燃料ペレットとする工程と、この燃料ペレットを圧縮装置で圧縮することで、摩擦熱を発生させ、廃プラスチックを軟化させて粘性を発生させ、廃プラスチックに接着作用を発生させ固形燃料のバインダの役目をさせるとともに、古紙にその繊維質で固形燃料の腰を強める作用をさせる工程と、圧縮した燃料ペレットを整粒して固形燃料にする整粒工程と、からなり、
前記固形燃料の熱量を、4500〜7500kcal/kgの石炭並みの熱量に設定することを特徴とする固形燃料の製造方法。 - 野菜屑、魚肉屑を含む可燃ごみを原料とする固形燃料において、
この固形燃料は、可燃ごみを蒸し焼きにしたごみ炭30重量%と、摩擦熱を発生させ、軟化させて粘性を発生させ、且つ接着作用を発生させ固形燃料のバインダの役目をなす廃プラスチック20重量%と、繊維質で固形燃料の腰を強める作用をなす古紙50重量%とからなり、4500〜7500kcal/kgの石炭並みの熱量を有するとともに、一辺若しくは径が6〜25mmのピースであることを特徴とした固形燃料。 - 野菜屑、魚肉屑を含む可燃ごみを原料とする固形燃料において、
この固形燃料は、可燃ごみを蒸し焼きにしたごみ炭30重量%と、摩擦熱を発生させ、軟化させて粘性を発生させ、且つ接着作用を発生させ固形燃料のバインダの役目をなす廃プラスチック20重量%と、繊維質で固形燃料の腰を強める作用をなす古紙50重量%とからなり、4500〜7500kcal/kgの石炭並みの熱量を有するとともに、一辺若しくは径が8〜50mmのピースであることを特徴とした固形燃料。
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