JP3204151B2 - 適応フィルタ - Google Patents

適応フィルタ

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JP3204151B2
JP3204151B2 JP04475597A JP4475597A JP3204151B2 JP 3204151 B2 JP3204151 B2 JP 3204151B2 JP 04475597 A JP04475597 A JP 04475597A JP 4475597 A JP4475597 A JP 4475597A JP 3204151 B2 JP3204151 B2 JP 3204151B2
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    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H21/00Adaptive networks
    • H03H21/0012Digital adaptive filters

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  • Filters That Use Time-Delay Elements (AREA)
  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アダプティブフィ
ルタを用いて未知のシステムを推定する回路に関し、特
に、2線4線変換を伴う伝送路遅延の比較的長い回線で
問題になるエコーを除去するエコーキャンセラに適用し
て好適な適応フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】アダプティブフィルタ(Adaptive filte
r;適応フィルタ)によるシステム固定は、システムに
入力する信号x(t)を参照し、システムの出力信号y
(t)を推定すべく、アダプティブフィルタの出力y^
(t)とy(t)との差分e(t)(=y^(t)−y
(t))を用いて、アダプティブフィルタの係数w
i(t)を更新する。
【0003】具体的にシステム同定法としてエコーキャ
ンセルに用いられている学習同定法を例に、対象システ
ムを2線4線変換として、2線4線変換にて発生する反
射信号(エコー)を消去する従来の方法を以下に説明す
る。なお、この学習同定法については、例えば文献
(1)(野田、南雲:“システムの学習同定法”、計測
と制御、7、9、p5(1986))の記載が参照され
る。
【0004】Nタップの適応FIRフィルタを考えた場
合、時刻tにおけるフィルタの出力である疑似エコーy
^(t)は次式(1)により算出される。
【0005】
【数1】
【0006】ここで、wi(t)は時刻tにおけるi番
目のフィルタ係数であり、x(t)は時刻tにおける参
照信号である。
【0007】次式(2)に示すように、時刻tにおける
エコー信号y(t)から上式(1)の疑似エコーy^
(t)を減じ、エコーを消去する。
【0008】 e(t)=y(t)−y^(t) …(2)
【0009】フィルタ係数wi(t)は、上式(2)に
示す残差信号e(t)が最小になるように次式(3)に
より更新される。
【0010】 wi(t+1)=wi(t)+μ(t)e(t)x(t−i) …(3)
【0011】上式(3)において、ステップサイズμ
(t)は、次式(4)により与えられる。
【0012】μ(t)=μ0/PX(t) …(4)
【0013】ここで、μ0は収束速度に影響を与える正
の定数である。またPX(t)は参照信号のパワーであ
り、次式(5)で与えられる。
【0014】
【数2】
【0015】上式(1)から上式(5)に示すように、
疑似エコーの生成、参照信号のパワー計算、フィルタ係
数の更新にはNに比例した演算量、メモリが必要にな
る。
【0016】また、学習同定法のようなLMS(least
mean squares)系アルゴリズムは、Nに比例して収束
速度が遅くなることが知られている。例えば文献(2)
(Adaptive Signal Processing”、Prentica-Ha
ll(1985))参照。
【0017】一方、エコー経路のインパルス応答におけ
る「応答部」(「波形応答部」ともいう)は、図8に示
すように、インパルス応答全体の1部分である。図8
は、エコー経路のインパルス応答の一例を示した図であ
り、横軸は時間、縦軸はマグニチュードを示している。
【0018】エコーを消去するためには、適応フィルタ
が持つNタップのフィルタ係数にて「応答部」を推定す
る必要がある。しかし、一般的に、この「応答部」の位
置は不明であるため、最も長い値を仮定し、Nの値を決
定している。このため、実際には、「固定遅延部」と、
「応答部」の後の「0」(零)に収束するフィルタ係数
を持つことになる。この「0」に収束するフィルタ係数
は、上式(1)、(3)の処理が不要であるため、省略
することができる。
【0019】そこで、各タップをフィルタに関係する演
算を行うタップ(以下「有効タップ」という)と、演算
を行わないタップ(以下「無効タップ」という)に分け
て、処理することにより、無駄を省くことができる。
【0020】「応答部」に、集中的に有効タップを配置
し、収束速度の向上、メモリの削減を図るようにした方
法が、例えば特開平4−245810号公報に記載され
ている。すなわち、同公報には、システム特性推移定を
行う方法及び装置におけるアダプティブフィルタは、限
られた数のタップをインパルス応答の実質的な波形応答
部に割り当てる際に、タップ位置の入替え数を可変とす
ることにより、収束時間を短縮するようにしたシステム
が提案されている。
【0021】図6に、上記特開平4−245810号公
報に提案されるシステム特性推定装置の構成をブロック
図にて示す。図6を参照すると、入力信号901は、複
数(N−1)個の遅延素子9091〜909NによりN個
の連続したデータx(t)、…、x(t−N+1)とし
てマトリクススイッチ905に入力される。マトリクス
スイッチは、制御回路906からの指示により、複数
(M個、但し、M<N)個のタップ回路9101〜91
Mへの接続を行う。この際、タップ回路に接続される
ものを「有効タップ」、接続されないものを「無効タッ
プ」と呼ぶ。
【0022】各タップ回路は入力信号x(t−i)(0
≦i≦N−1のM個の信号)とシステムの出力y(t)
からアダプティブフィルタの出力y^(t)を減じる減
算回路904の出力である誤差信号e(t)と定数μに
より、上式(3)に該当する処理を行う。
【0023】また、上式(1)に該当する処理の乗算を
行い、結果を出力とする。そして、各タップ回路の出力
を加算回路908により加算し、アダプティブフィルタ
の出力を得る。
【0024】この従来の方式では、上記マトリクススイ
ッチにより1タップ単位に接続切り替えを行う。このた
めマトリクススイッチの接続切り替え制御を行っている
制御回路906は、各タップ回路の係数発生回路の出力
(以下「フィルタ係数」という)を監視し、順位付けを
行う。
【0025】図7に、従来の方式で用いられている制御
回路の構成をブロック図にて示す。制御回路の役割は、
前記した有効タップの選択にある。言い換えれば、有効
タップと無効タップの入れ替えを行う際に、「有効」か
ら「無効」にするタップの選択と、「無効」から「有
効」にするタップの選択である。
【0026】図7を参照すると、タップ選択から入力さ
れるM個の入力信号951から選択回路954により1
つの信号を選択し、その信号が最小のパワーか否かを最
小値回路(記憶回路957、比較回路956)により判
断する。最小値回路は最小の値と、該当する有効タップ
番号を最低限記憶している。
【0027】タイミング回路962のタイミングで、セ
レクタ959により最小値回路の出力の有効タップ番号
を、無効タップ番号の格納されている遅延素子960の
出力と入れ替える。このセレクタの出力を記憶装置96
1により記憶し、マトリクススイッチの制御信号とす
る。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】ところで、適応フィル
タを実現する際に、重要な問題となるものは、ハードウ
ェア規模、演算量、及び収束速度の3点である。そし
て、上記した従来技術は、下記記載の問題点を有してい
る。
【0029】(1)第1の問題点は、その演算量の多さ
である。その理由は以下の通りである。
【0030】すなわち、上記従来技術においては、1タ
ップ毎に、「有効」、「無効」の選択を行う構成とされ
ているため、その判断に必要な処理を、短時間に行わな
ければならない。なぜなら、フィルタ係数は推定演算を
行う度に大きく変動するからである。
【0031】このため、フィルタ係数の比較を行うため
には、1度の推定演算を行った後、次の推定演算を行う
までの間に、N個のフィルタ係数に対して、処理を行う
必要がある。
【0032】そして、この処理を分散するためには、あ
るタイミングのフィルタ係数を格納するかまたは、推定
演算を停止することが必要になる。
【0033】しかし、上記したようにフィルタ係数の格
納は、ハードウェア規模の拡大を招き、推定演算の停止
は、収束速度の低下を招く。
【0034】一方、分散処理を行わずに処理するために
は、信号の入力されるサンプルの間隔に、M個のフィル
タ係数に対する処理を行うことになり、演算量の増大
(高速処理)から免れない。
【0035】(2)第2の問題点は、推定処理における
不安定性である。その理由は以下の通りである。
【0036】すなわち、上記従来技術においては、1タ
ップ単位に制御を行うため、インパルス応答の「応答
部」においても、「無効」と判断されるタップがある。
そして、安定化させるためには、「分散を求める」等の
複雑な処理が必要とされる。
【0037】したがって、本発明は、上記問題点に鑑み
てなされたものであって、その目的は、ハードウェア規
模を縮減すると共に、収束速度を速くし、さらに演算量
を低減する適応フィルタを提供することにある。
【0038】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の適応フィルタは、アダプティブフィルタを
用いてシステムの特性を推定する際に、参照する連続し
た複数個の入力信号列を、所定の数k個ずつのグループ
にまとめ、複数(n個)のグループに分けてそれぞれ出
力するn個の入力信号ブロックと、それぞれがフィルタ
係数をk個有する複数(m個)のフィルタ回路と、前記
n個の入力信号ブロックの各出力を入力とし、選択され
たm個(ただし、m<n)の入力信号ブロックの出力
を、前記m個のフィルタ回路にそれぞれ接続するマトリ
クススイッチと、を備え、前記各入力信号ブロックは、
縦続形態に接続されたk個の遅延素子を含み、前記各遅
延素子へのk個の入力信号をまとめて前記マトリクスス
イッチに出力し、1番目からn−1番目の入力信号ブロ
ックの最後段の遅延素子の出力は、次の入力信号ブロッ
クの初段の遅延素子の入力に供給される構成とされ、前
記各フィルタ回路は、前記マトリクススイッチからまと
めて出力されるk個の参照信号、前記アダプティブフィ
ルタの出力と前記システムの出力との差分である誤差信
号、及び、フィルタ係数を可変させる際のステップサイ
ズを規定する定数、を入力して、前記フィルタ係数を可
変させると共に、前記フィルタ係数と前記参照信号との
フィルタ演算結果を出力信号として出力するとともに、
前記フィルタ係数のパワーの総和を求めてを出力し、更
に、前記m個のフィルタ回路の各出力の総和をとり該総
和を前記アダプティブフィルタの出力として出力する加
算回路と、前記m個のフィルタ回路から前記フィルタ係
数のパワーの総和を取得して、前記n個の入力信号ブロ
ックのうち前記フィルタ回路に接続される入力信号ブロ
ック(「有効ブロック」という)と接続されない入力信
号ブロック(「無効ブロック」という)を決定し、前記
マトリクススイッチの接続の切替を指示する制御回路
と、を備えたことを特徴とする。
【0039】[発明の概要]本発明の適応フィルタは、
有効タップ、無効タップの選択を、複数(k)個にまと
めたブロックとして処理する。マトリクススイッチは、
入力信号のブロックと、タップ回路を複数(k)個にま
とめたフィルタ回路と、の接続を行う。この処理によ
り、接続制御が1/kに減少する。
【0040】また、制御回路における比較値を、フィル
タ回路に含まれるフィルタ係数パワーの総和にすること
により、比較値が平均化され、時間的な分散処理、すな
わち1回の処理を複数サンプル(dサンプル)にわたっ
て処理すること、が可能になる。
【0041】その結果、有効タップ(「有効ブロック」
ともいう)と、無効タップ(「無効ブロック」という)
入れ替え判断に伴う処理(演算量)は、1タップ毎に有
効、無効の切換を行う上記従来方式と較べて、1/k/
dに軽減される。
【0042】また、比較値に平均化された値を用いるこ
とにより、誤りの少ない制御が可能になる。結果とし
て、収束時間の短縮が期待できる。
【0043】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について以下
に説明する。本発明の適応フィルタは、アダプティブフ
ィルタを用いて、システムの特性を推定する際に、参照
する連続した複数個の入力信号列をある所定の数(=
k)毎に等分割し複数のグループに分けてなる複数(=
n)のブロック(図1の1091〜109n)と、各ブロ
ックから任意の数(mとする、ただしm<n)のブロッ
クを選択し、複数個(=m)のフィルタ回路に接続する
マトリクススイッチ(図1の105)と、マトリクスス
イッチから出力される参照信号と、アダプティブフィル
タの出力(y^(t))と推定対象のシステムの出力
(y(t))との差である誤差信号(e(t))と、あ
る定数(μ)と、を入力としてシステムを推定するフィ
ルタ回路(図1の1101〜110m)と、フィルタ回路
の各出力の総和をとり、アダプティブフィルタの出力
(y^(t))とする加算回路(図1の108)と、フ
ィルタ回路からフィルタ係数に関する情報を取得してマ
トリクススイッチの接続選択を指示する制御回路(図1
の106)と、を備えて構成される。
【0044】本発明の適応フィルタは、その好ましい実
施の形態において、入力信号をk個ずつのグループに分
ける複数のブロック(図1の1091〜109n)が、縦
続形態に接続されたk個の遅延素子(図2の2041
204k)を含み、各遅延素子の入力信号(k本)をま
とめてマトリクススイッチ(図1の105)に出力し、
最後段の遅延素子(図2の204k)の出力を次のブロ
ックへ出力する。
【0045】本発明の適応フィルタは、その好ましい実
施の形態において、フィルタ回路(図1の1101〜1
10m)は、k個の参照信号を入力し、各参照信号とフ
ィルタ係数を乗算する乗算回路(図3の3071〜30
k)と、各乗算回路の出力の総和を算出する加算回路
(図3の305)と、前記ある係数(μ)と誤差信号
(e(t))と参照信号から適応的に前記フィルタ係数
を可変させて出力するフィルタ係数生成回路(図3の3
061〜306k)と、フィルタ係数生成回路の出力のパ
ワーの総和を算出するフィルタ係数パワー算出回路(図
3の309)と、を備える。
【0046】本発明の適応フィルタは、その好ましい実
施の形態において、制御回路は、前記m個のフィルタ回
路の各フィルタ係数パワーを監視することにより、各フ
ィルタ回路に接続されているブロックに対し、接続して
いる状態から接続されていない状態にするための順位付
けを行う第1の順位付け手段と、前記各フィルタ回路に
接続されていない前記ブロックに対して、接続されてい
ない状態から接続する状態にするための順位付けを行う
第2の順位付け手段と、前記第1の順位付け回路及び前
記第2の順位付け回路の情報を所定の時間間隔で判断
し、マトリクススイッチに対して、接続の変更を指示す
る制御信号を生成する制御信号生成回路(図1の40
8)と、を備える。
【0047】本発明の適応フィルタは、その好ましい実
施の形態において、前記第1の順位付け手段が、前記各
フィルタ回路から入力されるフィルタ係数パワーの値の
中で、ある時間間隔に最小の値を有するフィルタ回路に
接続されている入力信号ブロックのブロック番号を検出
することにより順位付けを行う最小パワーブロック監視
回路(図5の504)を備える。
【0048】また、本発明の適応フィルタは、その好ま
しい実施の形態において、前記第2の順位付け手段が、
前記第1の順位付け手段の出力を定期的なタイミングで
待ち行列の最後尾に格納し、最前列にあるブロック番号
を出力することにより順位付けを行う先入れ先出し回路
(図4の409)を備えたことを特徴とする。
【0049】さらに、本発明の適応フィルタは、その好
ましい実施の形態において、前記第2の順位付け手段
が、前記各フィルタ回路から入力されるフィルタ係数パ
ワーの値の中で、ある時間間隔に最大の値を有するフィ
ルタ回路に接続されている入力信号ブロックのブロック
番号を検出することにより順位付けを行う最大パワーブ
ロック監視回路(図5の505)を、備える。
【0050】
【実施例】上記した本発明の実施の形態について更に詳
細に説明すべく、本発明の実施例について図面を参照し
て以下に詳細に説明する。
【0051】図1は、本発明の一実施例の構成を示すブ
ロック図である。図1を参照すると、本実施例において
は、参照する入力信号101を複数個(=k)ずつにま
とめる複数個(=n)の入力信号ブロック1091〜1
09nと、フィルタ係数を複数個(=k)有する複数個
(=m、ただしm<n)のフィルタ回路1101〜11
mと、入力信号ブロックとフィルタ回路とを接続する
マトリクススイッチ105と、を備えている。なお、以
下では、フィルタ回路と接続される入力信号ブロックを
「有効ブロック」と呼び、フィルタ回路と接続されない
ブロックを「無効ブロック」と呼ぶ。
【0052】本実施例においては、更に、各フィルタ回
路1101〜110mのフィルタ係数の情報を監視し、有
効ブロックと無効ブロックの選択または、入れ替えを行
う制御回路106と、各フィルタ回路1101〜110m
の出力の総和を取り、アダプティブフィルタの出力とす
る加算回路108と、システム同定の対象とするシステ
ム(未知系)103からの出力信号からアダプティブフ
ィルタの出力信号を減じ、消去する減算回路104と、
を備えて構成されている。
【0053】図2は、本実施例における入力信号ブロッ
クの構成の詳細をブロック図にて示したものである。図
2を参照すると、入力信号201を1つずつ遅延させ
る、縦続形態に接続された複数の遅延素子2041〜2
04kと、最終段の遅延素子204kの出力を出力する出
力端子202と、各遅延素子2041〜204kの入力信
号(k本)をまとめて出力する出力端子203と、を備
えて構成されている。
【0054】図3は、本実施例におけるフィルタ回路1
10の構成をブロック図にて示したものである。図3を
参照すると、フィルタ回路は、複数個(=k個)の参照
入力信号を入力する入力端子303と、誤差信号を入力
する入力端子301と、フィルタ係数生成に必要な係数
を入力する入力端子302と、誤差信号と係数と参照入
力信号とから、フィルタ係数を生成する係数生成回路3
061〜306kと、係数生成回路3061〜306kの出
力と参照入力信号を乗算する乗算回路3071〜307k
と、各乗算回路3071〜307kの出力の総和を取る加
算回路305と、加算回路305の出力をフィルタ回路
の出力とする出力端子304と、各係数生成回路306
1〜306kの出力からフィルタ係数のパワーの総和を算
出するフィルタ係数パワー算出回路309と、フィルタ
係数パワーを出力する出力端子308と、を備えて構成
されている。
【0055】図4は、本実施例における制御回路106
の構成の一例をブロック図にて示したものである。図4
を参照すると、制御回路106は、各フィルタ回路から
フィルタ係数パワーを入力する入力端子401と、m個
の入力信号から1つの信号を選択する選択回路403
と、記憶装置405及び比較回路406からなり、最小
のフィルタ係数パワーと該当するブロックの番号を監視
する回路と、タイミング回路407、FIFO(First
In First Out;先入れ先出し型メモリ)40
9、及び制御信号生成回路408からなり、あるタイミ
ングで最小のパワーのブロックを待ち行列の最後尾に格
納し、最前列のブロック番号を有効にする制御信号を生
成する回路と、制御信号を出力する出力端子402と、
を備えて構成されている。
【0056】次に、本発明の一実施例の動作について説
明する。制御回路106は、マトリクススイッチ105
による入力信号ブロックとフィルタ回路との接続制御を
行う。ここで、入力信号ブロックの個数はn個あり、フ
ィルタ回路はm個ある。ここで、であるため、フ
ィルタ回路に接続される入力信号ブロック(有効ブロッ
ク)と接続されない入力信号ブロック(無効ブロック)
が、制御回路106によって決定される。
【0057】接続された有効ブロックはフィルタ回路に
より、適応フィルタの処理が施され、無効ブロックのデ
ータはフィルタ処理には用いられない。
【0058】本発明の一実施例における制御回路106
の動作について説明する。制御回路106は、インパル
ス応答の「応答部」に該当するブロックを有効にするよ
うにマトリクススイッチ105を制御する。このため
に、現在の各有効ブロックに該当するフィルタ回路のフ
ィルタ係数パワーの値をある間隔で監視し、「応答部」
から離れていると判断できるブロックを無効にする。逆
に、無効になっているブロックの中から「応答部」に近
いと考えられるブロックに優先的に有効にする。
【0059】図4を参照して、制御回路106につい
て、具体的に説明する。
【0060】タイミング回路407により、ある定期的
なタイミングで判断し、有効ブロックの中で無効ブロッ
クにする条件を、記憶装置405に記憶されているフィ
ルタ係数パワーの最小のブロックとする。
【0061】このために、随時、各フィルタ係数パワー
から1つを選択回路403により選択し、これを記憶装
置405に記憶されている現在の最小の値と、比較回路
406により比較し、より小さいパワーを有するブロッ
クがある場合に、そのブロック番号とパワーの値とを記
憶装置405に記憶する。ただし、最小パワーのブロッ
ク自身との比較は行わず、パワーの値を更新する。
【0062】また、無効ブロックの中から有効にするブ
ロックの選択は、待ち行列、すなわちFIFO409に
格納される。タイミング回路407のタイミングによ
り、その時点での、記憶装置405の出力である最小パ
ワーを有するブロック番号を待ち行列(FIFO40
9)の最後尾に格納し、待ち行列の最前列のブロック番
号を有効にすべく、制御信号生成回路408により、
「有効」から「無効」にするブロック、「無効」から
「有効」にするブロックの制御信号を出力する。
【0063】図5は、本発明の別の実施例として、制御
回路の他の構成例をブロック図にて示したものである。
図5を参照すると、この制御回路は、入力信号501を
選択する選択回路503と、選択された信号が最大の値
か否かを監視する最大パワーブロック監視回路505
と、選択された信号が最小かどうかを監視する最小パワ
ーブロック監視回路504と、最大パワーブロックのブ
ロック番号と最小パワーブロックのブロック番号との差
分を算出する差分回路506と、ある一定の間隔のタイ
ミングを生成するタイミング回路507と、タイミング
回路507の生成するタイミングにより差分回路506
の出力を待ち時間として、最小パワーブロックのブロッ
ク番号を記憶し、最小の待ち時間を持つブロック番号を
出力する記憶装置509と、タイミング回路507が生
成するタイミングにより最小パワーブロックのブロック
番号と記憶装置509の出力である最小の待ち時間を持
つブロック番号からマトリクススイッチ105に対し制
御信号を生成する制御信号生成回路507と、生成した
制御信号を出力する出力端子502と、を備えて構成さ
れている。
【0064】図5を参照して、本実施例における制御回
路の動作について説明する。無効にするブロックは、最
小パワーブロック回路504により監視され、ある時間
間隔において最小のパワーを持つブロックとする。ま
た、一方で、最大のパワーを持つブロックも監視する。
タイミング回路507によるタイミングにおいて、最小
パワーをもつブロックを無効ブロックにする際、そのブ
ロック番号と、最大パワーを持つブロックのブロック番
号との差分を差分回路506により求める。この差分値
により、無効ブロックの待ち時間を決定する。記憶装置
506には待ち時間とブロック番号が記憶される。ま
た、記憶装置506は、最小の待ち時間を持つ無効ブロ
ックを出力する。
【0065】最小パワーをもつ有効ブロックのブロック
番号と最小の待ち時間を持つ無効ブロックのブロック番
号からマトリクススイッチ105を接続制御する信号を
生成する。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
フィルタ係数の削減によりハードウェア規模の削減が可
能になる。
【0067】また、本発明によれば、有効タップ、無効
タップの判断及び監視する際に、複数のタップをまとめ
て行うことにより、制御回路における演算処理に関わる
時間の短縮と、ハードウェア規模の削減を可能としてい
る。
【0068】加えて、本発明によれば、有効タップの選
択に平均化されたフィルタ係数のパワーを用いることに
より誤りの少ない処理を実現し、収束時間の短縮を可能
にしている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成を示すブロック図であ
る。
【図2】本発明の一実施例における入力信号ブロックの
構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施例におけるフィルタ回路の構成
を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施例における制御回路の構成を示
すブロック図である。
【図5】本発明の別の実施例における制御回路の構成を
示すブロック図である。
【図6】従来技術の構成を示すブロック図である。
【図7】従来の制御回路のブロック図である。
【図8】エコー信号のインパルス応答例を示す図であ
る。
【符号の説明】
101 入力端子 102 出力端子 103 ハイブリッドトランス 104 減算回路 105 マトリクススイッチ 106 制御回路 107 係数 108 加算回路 1091〜109n 入力信号ブロック 1101〜110m フィルタ回路 201 入力端子 202 出力端子 203 出力端子 2041〜204k 遅延素子 301 係数入力端子 302 残差信号入力端子 303 参照信号入力端子 304 フィルタ出力端子 305 加算回路 3061〜306k 係数生成回路 3071〜307k 乗算回路 308 フィルタ係数パワー出力端子 309 フィルタ係数パワー算出回路 401 フィルタ係数パワー入力端子 402 制御回路出力端子 403 選択回路 405 記憶装置 406 比較回路 407 タイミング回路 408 制御信号生成回路 409 FIFO 501 フィルタ係数パワー入力端子 502 制御回路出力端子 503 選択回路 504 最小パワーブロック監視回路 505 最大パワーブロック監視回路 506 差分回路 507 タイミング回路 508 制御信号生成回路 509 記憶装置 901 入力端子 902 出力端子 903 ハイブリッドトランス 904 減算回路 905 マトリクススイッチ 906 制御回路 907 係数 908 加算回路 9091〜909N 遅延素子 9101〜910M タップ回路 951 フィルタ係数入力端子 952 誤差信号入力端子 953 制御回路出力端子 954 選択回路 955 絶対値回路 956 比較回路 957 記憶装置 958 FIFO 959 セレクタ 960 遅延素子 961 記憶装置 962 タイミング回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03H 21/00 H03H 17/02 601 H03H 17/02 635 H04B 3/23

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アダプティブフィルタを用いてシステムの
    特性を推定する際に、参照する連続した複数個の入力信
    号列を、連続した所定の数k個ずつのグループにまと
    め、複数(n個)のグループに分けてそれぞれ出力する
    n個の入力信号ブロックと、 それぞれがフィルタ係数をk個有する複数(m個)のフ
    ィルタ回路と、 前記n個の入力信号ブロックの各出力を入力とし、選択
    されたm個(ただし、m<n)の入力信号ブロックの出
    力を、前記m個のフィルタ回路にそれぞれ接続するマト
    リクススイッチと、を備え、 前記各入力信号ブロックは、縦続形態に接続されたk個
    の遅延素子を含み、前記k個の各遅延素子へのk個の入
    力信号をまとめて参照信号として前記マトリクススイッ
    チに出力し、1番目からn−1番目の入力信号ブロック
    の最後段の遅延素子の出力は、次の入力信号ブロックの
    初段の遅延素子の入力に供給される構成とされ、 前記各フィルタ回路は、前記マトリクススイッチから前
    記各フィルタ回路に出力されるk個の参照信号、前記ア
    ダプティブフィルタの出力と前記システムの出力との差
    分である誤差信号、及び、フィルタ係数を可変させる際
    のステップサイズを規定する定数、を入力して、前記フ
    ィルタ係数を可変させると共に、前記フィルタ係数と前
    記参照信号とのフィルタ演算結果を出力信号として出力
    し、さらに、前記フィルタ係数のパワーの総和を求めて
    出力する手段を備え、 前記m個のフィルタ回路の各出力の総和をとり該総和を
    前記アダプティブフィルタの出力として出力する加算回
    路と、 前記m個のフィルタ回路から前記フィルタ係数のパワー
    の総和(「フィルタ係数パワー」という)を取得して、
    前記各フィルタ回路のフィルタ係数パワーの値に基づ
    き、前記n個の入力信号ブロックのうち前記フィルタ回
    路に接続される入力信号ブロック(「有効ブロック」と
    いう)と接続されない入力信号ブロック(「無効ブロッ
    ク」という)を決定し、前記マトリクススイッチの接続
    の切替を指示する制御回路と、 を備えたことを特徴とする適応フィルタ。
  2. 【請求項2】前記m個のフィルタ回路の各々が、前記マトリクススイッチを介して接続される前記入力信
    号ブロックから出力される 前記k個の参照信号を入力
    し、前記k個の参照信号とフィルタ係数とをそれぞれ
    算するk個の乗算回路と、 前記k個の乗算回路の出力の総和を算出する加算回路
    と、 前記数と、前記誤差信号と、前記参照信号と、から
    適応的に、前記フィルタ係数を可変させて出力するk個
    フィルタ係数生成回路と、 前記k個のフィルタ係数生成回路からそれぞれ出力され
    る前記k個のフィルタ係数のパワーの総和を算出しフィ
    ルタ係数パワーとして出力するフィルタ係数パワー算出
    回路と、 を備えたことを特徴とする請求項1記載の適応フィル
    タ。
  3. 【請求項3】前記制御回路が、前記m個のフィルタ回路
    の各フィルタ係数パワーを監視することにより、前記フ
    ィルタ係数パワーの値の大きさに基づき、前記現在フィ
    ルタ回路に接続されている有効ブロックに対し、フィル
    タ回路に接続されている状態から接続されていない状態
    にするための順位付けを行う第1の順位付け手段と、 前記無効ブロックに対して、フィルタ回路に接続されて
    いない状態からフィルタ回路に接続されている状態にす
    るための順位付けを行う第2の順位付け手段と、 前記第1の順位付け手段及び前記第2の順位付け手段の
    情報を、所定の時間間隔で判断し、前記マトリクススイ
    ッチに対して接続の変更を指示する制御信号を生成する
    制御信号生成手段と、 を備えたことを特徴とする請求項1に記載の適応フィル
    タ。
  4. 【請求項4】前記第1の順位付け手段が、前記各フィル
    タ回路から入力されるフィルタ係数パワーの値の中で、
    ある時間間隔に最小の値を有するフィルタ回路に接続さ
    れている入力信号ブロックのブロック番号を検出するこ
    とにより順位付けを行う最小パワーブロック監視回路を
    備えたことを特徴とする請求項に記載の適応フィル
    タ。
  5. 【請求項5】前記第2の順位付け手段が、前記第1の順
    位付け回路の出力を定期的なタイミングで待ち行列の最
    後尾に格納し、最前列にあるブロック番号を出力するこ
    とにより順位付けを行う先入れ先出し回路を備えたこと
    を特徴とする請求項又はに記載の適応フィルタ。
  6. 【請求項6】前記第2の順位付け手段が、前記各フィル
    タ回路から入力されるフィルタ係数パワーの値の中で、
    ある時間間隔に最大の値を有するフィルタ回路に接続さ
    れている入力信号ブロックのブロック番号を検出するこ
    とにより順位付けを行う最大パワーブロック監視回路
    を、備えたことを特徴とする請求項のいずれ
    か一に記載の適応フィルタ。
  7. 【請求項7】前記制御回路が、現在の各有効ブロックに
    接続されるフィルタ回路のフィルタ係数パワーの値をあ
    る間隔で監視し、インパルスの応答部から離れていると
    判断できる有効ブロックをフィルタ回路からはずして無
    効とし、逆に、フィルタ回路に接続されていない入力信
    号ブロックの中からインパルス応答部に近い入力信号ブ
    ロックを優先的に、フィルタに接続する、ことを特徴と
    する請求項3に記載の適応フィルタ。
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