JP2541378B2 - アダプティブ・フィルタによる未知システム近似の方法及び装置 - Google Patents

アダプティブ・フィルタによる未知システム近似の方法及び装置

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JP2541378B2
JP2541378B2 JP2416129A JP41612990A JP2541378B2 JP 2541378 B2 JP2541378 B2 JP 2541378B2 JP 2416129 A JP2416129 A JP 2416129A JP 41612990 A JP41612990 A JP 41612990A JP 2541378 B2 JP2541378 B2 JP 2541378B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は未知系を同定する際に用
いられるアダプティブ・フィルタに関する。このような
アダプティブ・フィルタは、2線/4線変換部で生じる
エコーを除去するためのエコー・キャンセラ、伝送路上
で受ける符号間干渉を除去するための等化器、音響入力
用のマイクロホンに漏れ込むノイズを除去するためのノ
イズ・キャンセラ、スピーカからマイクロホンに至る音
響結合によって生じるハウリングを除去するためのハウ
リング・キャンセラ等に応用されている。
【0002】
【従来の技術】通常、アダプティブ・フィルタによる未
知系の同定は、同定しようとする未知系とアダプティブ
・フィルタに同一の信号を入力し、未知系出力からアダ
プティブ・フィルタ出力を差引いて得られる同定誤差
(以下、これを誤差信号と呼ぶ)を用いてアダプティブ
・フィルタの係数を更新することによって行なわれる。
このようなアダプティブ・フィルタによる未知系の同定
の応用として、エコー・キャンセラ、等化器、ノイズ・
キャンセラ、ハウリング・キャンセラ等が知られている
(アダプティブ・シグナル・プロセシング、(Adap
tive Signal Processing),プ
レンティス・ホール社(Prentice−Hal
l),1985;以下、「文献1」)。これらの応用に
おけるアダプティブ・フィルタの基本動作はほとんど同
じなので、ここではエコー・キャンセラを例にとって従
来の技術について説明する。
【0003】エコー・キャンセラはエコーのインパルス
応答を近似する伝送関数を持つ適応(アダプティブ)・
フィルタを用いて、2線/4線変換回路の4線側にて送
信回路から受診回路に漏れ込むエコーに対応した近似エ
コー(エコー・レプリカ)を生成することにより、受診
回路に混入して受診信号に妨害を与えるエコーを抑圧す
るように動作する。すなわち、2線/4線変換回路の4
線側にて送信回路から受診回路に至る経路が、エコー・
キャンセラにおいてアダプティブ・フィルタで同定しよ
うとする未知系に相当する。このとき、アダプティブ・
フィルタの各タップ係数は、エコーと受診信号が混在し
た混在信号からエコー・レプリカを差し引いた差信号と
送信信号との相関をとることにより逐次修正される。こ
のようなアダプティブ・フィルタの係数修正すなわちエ
コー・キャンセラの収束アルゴリズムの代表的なものと
してLMSアルゴリズム(LMS ALGORITH
M;「文献2」)とラーニング・アイデンティフィケー
ション・メソッド(LEARNING IDENTIF
ICATION METHOD;LIM)(アイイーイ
ーイー・トランザクションズ・オン・オートマティック
・コントロール(IEEE TRANSACTIONS
ON AUTOMATIC CONTROL)12巻
3号、1967年、282−287ページ参照;以下、
「文献3」)が知られている。
【0004】図7は、従来のエコー・キャンセラの一構
成例を示したブロック図である。入力端子1に供給され
た送信信号が2線/4線変換回路2で受信側へ漏れ込ん
で発生するエコーek は減算器3においてエコー・レプ
リカ k を減算された後、出力端子4に供給される。一
方、入力端子1に供給された送信信号はアダプティブ・
フィルタの第1タップ回路701 にも供給される。第1
タップ回路701 の第1の出力は隣接する第2タップ回
路702 に伝達される。第1タップ回路701 の第2の
出力は加算器12に供給される。第2タップ回路702
は第1タップ回路701 から受けた信号から生成した第
1の出力を第3タップ回路703 へ、第2の出力を加算
器12へ伝達する。同様に、第iタップ回路70i は第
(i−1)タップ回路70i-1 から受けた信号から生成
した第1の出力を第(i+1)タップ回路70i+1 へ、
第2の出力を加算器12へ伝達する。但し、iは2≦i
≦N−1を満たす整数で、Nはアダプティブ・フィルタ
のタップ数を表す。第1タップ回路701 は入力端子1
から受けた信号から生成した第1の出力を第2タップ回
路702 へ、第2の出力を加算器12ヘ伝達する。第N
タップ回路70N は第(N−1)タップ回路70N-1
ら受けた信号から生成した第2の出力を加算器12へ伝
達する。加算器12は第iタップ回路70i (1≦i≦
N)から供給された第2の出力を全て加算し、エコー・
レプリカ k として減算器3へ供給する。
【0005】第iタップ回路70i には減算器3の出力
である差信号及び定数μ1 が供給されている。ここにμ
1 はステップ・サイズと呼ばれ、係数更新に深く関与す
る。図8に第iタップ回路70i (1≦i≦N)のブロ
ック図を示す。但し、i=1の場合は遅延素子81を有
しない。また、i=Nの場合は出力804は用いない。
入力信号800は入力端子1又は第(i−1)タップ回
路70i-1 から伝達された信号、出力信号804は第
(i+1)タップ回路へ伝達される信号、入力信号80
1は減算器3の出力である差信号、出力信号803は加
算器12へ供給される信号、入力信号802はステップ
・サイズμ1 である。入力信号800は遅延素子81に
供給されて1サンプル周期遅延された後、出力信号80
4となって第(i+1)タップ回路へ供給されると同時
に係数発生回路82及び乗算器83へ伝達される。係数
発生回路82には差信号である入力信号801及びステ
ップ・サイズμ1 である入力信号802も供給されてい
る。係数発生回路82はこれらの入力信号を用いて発生
した係数値を乗算器83に供給する。乗算器83は、係
数発生回路82からの信号と遅延素子81からの信号を
乗算し、結果を出力信号803として出力する。
【0006】図9に係数発生回路82の、LMSアルゴ
リズムを想定したブロック図を示す。入力信号95は図
8の遅延素子81の出力信号、入力信号801は差信
号、入力信号802はステップ・サイズμ1 、出力信号
96は係数値である。入力信号95と入力信号801は
乗算器91で乗算され、エコー・キャンセラの送信信号
と差信号の相関が求められる。乗算器91の出力は乗算
器92でステップ・サイズμ1 倍され加算器93に供給
される。加算器93では乗算器92の出力と帰還された
遅延素子94の出力を加算し、遅延素子94に供給す
る。係数値である遅延素子94の出力は、1クロック毎
に出力信号96として出力される。
【0007】いま、送信信号をxk (但し、k は時刻を
示す指標)、エコーをek 、ek が受ける付加ノイズを
δk とする。一般にエコー・キャンセラは受信信号がな
くエコーek だけが存在するシングルトーク時だけ適応
動作を行なうことを考慮すると、減算器3に供給される
信号uk はエコー及び付加ノイズから構成され、次式で
表される。 uk =ek +δk ………………………………………………………(1) エコー・キャンセラの目的は、式(1)におけるエコー
k のレプリカek を生成し、これを用いてエコーを消
去することである。減算器3の出力信号である差信号d
k は、一般にδk がek k に比較して十分小さいこ
とを考慮すると、次式で表される。 dk =ek k ………………………………………………………(2) 式(2)において、(ek k )は残留エコーと呼ば
れる。LMSアルゴリズムでは、アダプティブ・フィル
タのm番目の係数cm,k を次式に従って更新する。 cm,k =cm,k-1 +μ1 ・dk ・xk-m-1 …………………………(3) N個の係数全てに関する式(3)を行列形式で表せば、 ck =ck-1 +μ1 ・dk ・xk-1 …………………………………(4) となる。ここに、ベクトルck とベクトルxk はそれぞ
れ次式で与えられる。 ck =[c0,k1,k ………cn-1,kT …………………………(5) xk =[xkk-1 ………xk-N+1T ……………………………(6) 一方、LIMでは式(4)の代りに、式(7)に従って
係数の更新が行なわれる。 ck =ck-1 +(α/Nσx2 )・dk ・xk-1 …………………(7) αは、LIMに対するステップ・サイズ、σx2 はアダ
プティブ・フィルタに入力される平均電力である。σx
2 はステップ・サイズαの値を前記平均電力に反比例さ
せ、安定な収束を行なわせるために用いられる。σx2
を求めるためにはいくつかの方法があるが、例えば式
(8)によって求めることができる。
【0008】
【数1】
【0009】式(4)と式(7)におけるステップ・サ
イズは、アダプティブ・フィルタの収束の速度と収束後
の残留エコー・レベルを規定する。LMSの場合は、μ
1 が大きいほど収束は速くなるが、残留エコー・レベル
は大きくなる。反対に、十分小さい残留エコー・レベル
を達成するためには、それに見合った小さいμ1 を採用
する必要があり、収束速度の低下を招く。LIMのステ
ップ・サイズαについても、同様である。
【0010】未知系の同定において、同定しようとする
未知系のインパルス応答の先頭に長い平坦遅延が含まれ
る場合が、特に衛星回線を対象としたエコー・キャンセ
ラに頻繁に見られる。このような長い平坦遅延を含むイ
ンパルス応答に対しても、インパルス応答長に相当する
タップ数を有することが、従来のエコー・キャンセラに
とって十分にエコーを抑圧するために必要であった。実
際には平坦遅延部のタップ係数は零になるので、これら
の係数をフィルタ出力の計算に用いることは無駄にな
る。この問題を解決し、長い平坦遅延を含むインパルス
応答に対しても、効率的にシステム同定を行なう方法
が、「昭和59年電子通信学会通信部門全国大会予稿
集、No.595」(以下、「文献4」)に記載されて
いる。この方法は、平坦遅延と実質的な波形応答から成
るインパルス応答に対して実質的な波形応答に対応する
位置の係数だけをフィルタ出力計算に用いて、演算量を
減らしている。以下、文献4に記載された方法について
簡単に説明する。
【0011】図10は、文献4に記載されたエコー・キ
ャンセラを示したブロック図である。図7に示したエコ
ー・キャンセラとの相違点は、図7が各タップ回路10
1 ,1002 ,………,100N から出て制御回路1
01を経た後、各タップ回路1001 ,1002 ,……
…,100N に戻る閉回路を有する点及び各タップ回路
701 ,702 ,………,70N と各タップ回路100
1 ,1002 ,………,100N の構成である。制御回
路101は、各タップ回路1001 ,1002 ,……
…,100N から得た係数値を用いて、どの係数に対す
る演算を停止するかを決定し、その情報を制御信号とし
て各タップ回路1001 ,1002 ,………,100N
に供給する。制御回路101から供給された信号により
各タップ回路1001 ,1002 ,………,100N
不要な係数に対する演算を停止する。
【0012】図11に、タップ回路100i のブロック
図を示す。図8に示したタップ回路70i との違いは、
入力信号801がセレクタ110を介して係数発生回路
82に供給されている点及び係数発生回路82で発生さ
れた係数がセレクタ111を介して乗算器83に供給さ
れている点である。セレクタ111は係数発生回路82
の出力又は零を選択して乗算器83に供給する。セレク
タ110は入力信号801又は零を選択して係数発生回
路82に供給する。セレクタ110,111は共に制御
回路101から各タップ係数に供給される制御信号11
5によって、零を選択する。従って、セレクタ110が
零を選択したときには係数発生回路82へ供給される信
号が、セレクタ111が零を選択したときには乗算器8
3における被乗数が零になり、係数更新量及び対応する
タップ回路出力は零となる。セレクタ110,111は
制御信号115が0のときに零を選択して出力する。次
に制御回路101について説明する。
【0013】図12は、制御回路101のブロック図で
ある。制御回路101には、アダプティブ・フィルタの
Nタップからタップ係数の値及びタップ番号が供給され
る。制御回路101は、対応するタップ番号が、制御回
路内に記憶されているタップ番号と一致するタップ係数
値について最小値を検出し、その最小値に対応したタッ
プ番号の代りに制御回路内に記憶されている待ち行列の
先頭の値を新たなタップ番号として置換することにより
新規なタップ番号の組を構成し、アダプティブ・フィル
タのNタップに供給する。制御回路101への入力信号
125は各タップ回路1001 ,1002 ,………,1
00N から出て制御回路101に供給される信号、出力
信号126は制御回路101から各タップ回路100
1 ,1002 ,………,100N に供給される制御信号
である。従って、図中では1本の線で表示されている
が、入力信号125及び出力信号126はN多重信号で
ある。入力信号125はまず絶対値回路121に供給さ
れて絶対値化され、最小値検出回路122に伝達され
る。最小値検出回路122はこれらの絶対値信号成分の
うち最小のものを検出し、対応するタップ番号を先入れ
先出し回路(FIFO)123と記憶装置124へ伝達
する。FIFO123は、最小値検出回路122から信
号が供給されたときに、その時点で記憶しているサンプ
ル値のうちで最も速く入力された1サンプルを記憶装置
124へ伝達する。記憶装置124にはフィルタリング
演算の対象となるNタップの番号各々に対応して0又は
1が記憶されており、FIFO123から信号が伝達さ
れたときにそのタップ番号に対応した値を0から1に変
更する。一方、最小値検出回路122から記憶装置12
4に供給されたタップ番号に対応した値は1から0に変
更される。従って、記憶装置124内の0と1の総数は
それぞれ一定で、1の総数Mが係数を割当てる実効タッ
プ数、0の数N−Mが係数を割当てないタップ数とな
る。以上の操作で得られた0及び1の並びから構成され
た信号は記憶装置124から出力信号126として出力
された後、各タップ回路1001 ,1002 ,………,
100N に供給される。出力信号126のi番めの数値
(0又は1)は、タップ回路100i の制御信号とな
る。タップ回路100i は出力信号126のi番目の数
値を第11図の制御信号115として、セレクタ11
0,111を制御する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】図11を用いて説明し
たように、文献4に記載された方法では、制御信号11
5として0が供給されたときにセレクタ111の出力と
して零が出力される。従って、係数発生回路82は実質
的に使用されず、無駄になる。さらに、図12の記憶装
置124の初期値として等間隔で有効タップ数に等しい
数の1を配置し、FIFO123すなわち待ち行列の初
期値として記憶装置124で0が割当てられたタップ番
号を小さい方から順に配置する。このような初期値を用
いた場合、平坦遅延が長いインパルス応答を近似する
と、波形応答部に対応するタップ番号がFIFO123
の中で出力に近い位置に移動し、記憶装置124に供給
されてタップ割当てされるまで、長時間を要する。従っ
て、収束時間が長くなるという問題を有する。
【0015】本発明の目的は、ハードウェア規模が小さ
く、収束時間の短いアダプティブ・フィルタを提供する
ことにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、1サンプル周
期ずつ遅延された複数の入力信号サンプルを、適応的に
変化する複数の被乗数と適応的に組合せて乗算を行な
い、該乗算に用いられない被乗数のアドレスを待ち行列
に格納し、前記乗算結果の総和をもって出力とするアダ
プティブ・フィルタで未知システムを近似する際に、前
記入力サンプルと前記被乗数との組合せを固定した状態
で前記被乗数の更新を行ない、前記複数の被乗数の絶対
値の最大値を監視し、ある特定の被乗数が予め定められ
た頻度で前記最大値として検知されたときには、前記被
乗数の更新を行ない、前記待ち行列内の先頭の値が前記
最大値の位置から予め定められた値の範囲内にない場合
には該先頭の値を前記待ち行列の最後尾に格納して新た
な待ち行列先頭の値に対して位置の評価を行ない、前記
予め定められた値の範囲内にある新たな待ち行列先頭の
値を得るまでこの操作を繰返し、該先頭の値であるアド
レスに対応する前記被乗数を乗算に用いるように設定
し、前記被乗数の絶対値の最小値を検出し、該最小値に
対応する被乗数のアドレスを前記待ち行列の最後尾に格
納して乗算対象から除き、該新規被乗数の設定と最小値
アドレスの待ち行列格納を予め定められた回数に達する
まで繰返し、また前記入力サンプル徒被乗数の組合せを
固定した状態で被乗数を予め定められた回数更新する間
にある特定の被乗数が予め定められた頻度で前記最大値
として検知されないときには、前記入力サンプルと前記
被乗数との組合せを変更し、さらに前記被乗数を予め定
められた回数更新する間にある特定の被乗数が予め定め
られた頻度で前記最大値として検知されるまで、前記入
力サンプルと前記被乗数との組合せの変更を行なうこと
を特徴とする。
【0017】また、本発明は、入力サンプルと被乗数と
の組合せを固定した状態で行なう被乗数の更新に対して
は予め定められた第1の定数を用い、組合が適応的に変
化する状態で行なう被乗数の更新には予め定められた第
2の定数を用いることを特徴とする。
【0018】さらに、本発明は、ある特定の被乗数が予
め定められた頻度で前記最大値として検知された場合に
は、最大値が他の被乗数に対して十分大きいと検知され
たときは被乗数の更新及び被乗数と待ち行列内の値に対
応した被乗数の入替えを行ない、十分大きいと判断され
なかったときには、入力サンプルと被乗数との組合せの
変更を行なうことを特徴とする。
【0019】
【作用】本発明のアダプティブ・フィルタでは、限られ
た数のタップ係数を逐次切替えて異なるタップに割当て
ることにより、ハードウェア規模を削減することができ
る。また、本発明のアダプティブ・フィルタでは、限ら
れた数のタップをインパルス応答の実質的な波形応答部
に割当てる際に、まず大まかな波形応答部の位置を推定
し、推定された位置の近傍にタップを集中させた後、推
定された波形応答部近傍に限定したタップ位置入替えを
行なうことにより、収束時間を短縮することができる。
特に、予め定められた時間以内に波形応答部の位置を推
定出来なかったときは、タップ割当ての初期値を変更し
て再推定を行なう。波形応答部の位置を推定した場合で
も、推定位置が妥当であると判定されなかったときに
は、タップ割当ての初期値を更新して再推定を行なう。
さらに、本発明のアダプティブ・フィルタは、波形応答
部位置の推定では小さいステップ・サイズを用いて安定
な位置推定を行ない、推定された波形応答部近傍に限定
したタップ位置入替えでは大きいステップ・サイズを用
いて高速収束を行ない、収束時間を短縮することができ
る。
【0020】
【実施例】次に図面を参照して本発明について詳細に説
明する。図1は、本発明の一実施例を示すブロック図で
ある。同図において、図10と同一の参照番号を付与さ
れた機能ブロックは図10と同一の機能を有するものと
する。図1と図10の相違点は、各タップ回路100
1 ,1002 ,………,100N が遅延素子列101
102 ,………,10N 、マトリクススイッチ14、及
び係数回路111 ,112 ,………,11M で置き換え
られている点にある。これに伴って、制御回路13は、
その出力でマトリクススイッチ14を制御する。
【0021】図1において、遅延素子101 に供給され
た入力信号は、1クロック毎に遅延素子102 ,……
…,10N へ逐次伝達される。遅延素子列101 ,10
2 ,………,10N はマトリクススイッチ14を介して
M個の係数回路111,112 ,………,11M と接続
されている。但し、N>Mである。マトリクススイッチ
14は、制御回路13の出力により選択されたM個の遅
延素子列10i とM個の係数回路11i を逐次適応的に
接続する。
【0022】第i番めの係数回路11i の構成を図2に
示す。図2は基本的に図8のタップ回路に等しく、唯一
の違いは遅延素子81を有しないことである。図2の入
力信号20は図1の遅延素子10i の出力信号に対応す
る。その他の信号21,25,23は図8の801,8
03,802に対応し、それぞれ減算器3の出力である
差信号、加算器12へ供給される信号、ステップ・サイ
ズである。係数発生回路22,乗算器24は図8の係数
発生回路82、乗算器83と全く同じ動作をする。
【0023】図3に制御回路13の一具体例を示す。図
3の入力信号300はM個の係数回路111 ,112
………,11Mから供給される係数値、出力信号301
はマトリクススイッチ14の制御信号である。入力信号
300として供給された係数値は絶対値回路31で絶対
値化されて、最大値検出回路32及び最小値検出回路3
3へ伝達される。最大値検出回路32では入力信号のう
ち最大のものを検出し、対応するタップ番号を遅延素子
34と一致検出回路36、判定回路37及び記憶装置3
9へ供給する。遅延素子34は入力信号を1サンプル周
期遅延させた後に一致検出回路36へ伝達する。一致検
出回路36は、最大値検出回路32から直接供給された
信号及び遅延素子34を介して供給された信号の一致を
調べる。これは、現在の最大係数に対応したタップ番号
と1サンプル周期前の最大係数に対応したタップ番号の
一致を調べることに等しい。一致検出回路36は、前記
2入力が一致したときは1を、不一致のときは0を出力
する。カウンタ38はこの1または0を一致検出回路3
6から受けて、1をカウントする。1が連続するときは
カウンタ38はカウントアップを続けて、1の連続が予
め定められた値に達したときに、その出力を0から1に
変更する。また、0が検出されたときは、カウンタをリ
セットする。
【0024】カウンタ38の出力信号は遅延素子51、
一致検出回路52及びセレクタ53へ供給されており、
セレクタ53はこの出力信号が0のときに遅延素子54
の出力を、1のとき記憶装置39の出力を選択して出力
信号301として出力する。出力信号301は遅延素子
54を介して1サンプル周期遅延された後、セレクタ5
3に帰還される。従って、どのタップに係数を割当てる
かを表す制御信号301は、カウンタ38の出力が0の
ときは1サンプル周期前の値で係数割当てタップは変化
せず、1のときは記憶装置39から新たに供給される値
で係数割当てタップが変化することになる。一致検出回
路52は、カウンタ38の出力を遅延素子51で1サン
プル周期遅延させた信号とカウンタ38の出力の一致を
調べ、一致するときには1を,そうでないときには0を
記憶装置39に伝達する。
【0025】最小値検出回路33では入力信号のうち最
小のものを検出し、対応するタップ番号をFIFO35
と記憶装置39へ供給する。FIFO35は、最小値検
出回路33から信号が供給されたときに、その時点で記
憶しているサンプル値のうちで最も早く入力された1サ
ンプルを判定回路37へ伝達する。判定回路37ではF
IFO35から供給された信号と最大値検出回路32か
ら供給された信号との差を求め、その絶対値を予め定め
られたしきい値と比較する。絶対値が該しきい値より大
きいときには、FIFO35から供給された信号をその
ままFIFO35へ帰還する。該しきい値より小さいと
きには、記憶装置39に伝達する。記憶装置39にはフ
ィルタリング演算の対象となるNタップの番号各々に対
応して0又は1が記憶されており、判定回路37から信
号が伝達されたときにそのタップ番号に対応した値を0
から1に変更する。一方、最小値検出回路33から記憶
装置39に供給されたタップ番号に対応した値は1から
0に変更される。従って、記憶装置39内の0と1の総
数はそれぞれ一定である。さらに、一致検出回路52か
ら記憶装置39へ供給される信号が1のときには、記憶
装置39は最大値検出回路32から供給されるタップ番
号の前後にM個の1を配置する。1の配置方法の一例と
しては、前記タップ番号を中心として前後に等配分し、
かつ1が連続するように配置することができる。この操
作により、有効タップを推定された波形応答部の近傍へ
集中して配置する。以上の操作で得られた0及び1の並
びから構成された信号は記憶装置39からセレクタ53
に伝達される。セレクタ53は既に説明したように、記
憶装置39から供給された信号と遅延素子54から供給
された信号のいずれかをカウンタ38の出力で制御して
切替える。
【0026】カウンタ38はまた1の連続回数そのもの
を比較回路55へ供給する。比較回路55は通常0を出
力しているが、カウンタ38から供給された1の連続回
数と予め定められたしきい値Nthとを比較して、連続回
数がNthに等しくなったときには1を出力する。比較回
路55の出力は、FIFO35と記憶装置39に供給さ
れると同時にカウンタ38に帰還されており、カウンタ
38は比較回路55から供給される信号が1の時にリセ
ットされる。また、比較回路55の出力が1のときに、
FIFO35と記憶装置39はそれぞれデータ変換回路
60とシフト回路59の出力を用いて、保持する内容の
一括書換えを行う。
【0027】記憶装置58には記憶装置の初期値として
タップ数Nに等しい1と0の並びが格納されている。こ
のとき、M個の1は、1と0の総数Nに対して等間隔に
配置されている。シフト回路59は、記憶装置58から
供給されたデータに対してシフトを施した後、記憶装置
39とデータ変換回路60へ供給し、さらに記憶装置5
8へもシフトされたデータを帰還する。シフト量は任意
に設定できるが、1例として初期値として等間隔配置さ
れた1の間隔の1/2を初期値として設定することが出
来る。シフト量は、1回シフトを行なう毎に1/2さ
れ、シフト量の変更はシフト量が1(1サンプル)に等
しくなるまで反復される。シフト回路59におけるシフ
ト量は記憶装置58から供給される。
【0028】以上の説明から明らかなように、図3のカ
ウンタ38の出力が0のときにはM個の係数回路11
1 ,112 ,………,11M の割当てられるタップ番号
は不変で、初期割当ての状態を維持する。タップ係数値
の振幅の成長具合を監視することにより、実質的な波形
応答部を推定することが出来る。カウンタ38の出力が
1になると実質的な波形応答部が推定できたことを意味
するので、M個の係数回路111 ,112 ,………,1
M の割当てられるタップ番号を推定された波形応答部
の近傍に集中させ、より細かく係数の割当てを行なう。
【0029】図4は本発明の他の実施例を示すブロック
図である。図4は係数回路111 ,112 ,………,1
M に供給されるステップ・サイズμ1 がステップ・サ
イズμ1 とμ2 及びセレクタ42で置き換えられている
点で図1と異なる。これに伴って制御回路13は制御回
路41で置き換えられている。図4に示した実施例にお
いては、セレクタ42が制御回路41からの制御信号に
従ってステップ・サイズμ1 とμ2 を選択して、係数回
路111 ,112 ,………,11M に供給する。図5は
図4に示した制御回路41のブロック図である。図5と
図3は、カウンタ38の出力を制御信号302として出
力する点で異なる。セレクタ42は、制御回路41から
供給される制御信号302が0のときはμ1 を、1のと
きはμ2 を選択する。制御信号302が0のうちは係数
を安定して成長させて正しい波形応答部を推定し、制御
信号302が1になった後は係数を高速で最適値に収束
させるために、通常μ1 ≦μ2 に設定する。
【0030】図6に制御回路13の他の具体例を示す。
図6と図5の制御回路の違いは、カウンタ38によって
最大係数が検出されても、その最大値が他の係数の絶対
値よりも十分大きくない限り、タップ配置を集中させ
ず、引続いて波形応答部の推定を続ける点である。この
ために、比較回路56、AND回路61、OR回路57
を有する。
【0031】比較回路56は絶対値回路31と最大値検
出回路32から出力を受け、最大値と他係数との値を比
較する。比較は様々な基準で行なうことができるが、例
えば最大係数値cmax と2番目に大きい係数cjとの比
が予め定められたしきい値より大きい場合は、cmax
十分大きいとすることができる。比較回路56は、c
max が十分大きいときに0を、十分大きくないときに1
を出力して、AND回路61に伝達する。一方、AND
回路61にはカウンタ38の出力も供給されており、両
者の出力が1のとき、すなわち最大係数を与えるタップ
番号が予め定められた回数連続したが、その最大値が十
分大きくないときに1を、それ以外の場合は0を出力す
る。AND回路61の出力は比較回路55の出力と共に
OR回路57に供給されており、どちらかの入力が1の
時は1を出力する。従って、OR回路57の出力が1と
なるのは、予め定められた回数の係数更新で波形応答部
が推定できなかったとき、または推定されても係数最大
値が他の係数に比べて十分大きくない場合である。この
ときOR回路57の出力によってFIFO35と記憶装
置39は保持する内容の一括書換えを行ない、新たな初
期値から波形応答部の推定を開始する。
【0032】図3,5,6におけるカウンタ38の動作
として一致検出回路36からの信号が予め定められた回
数だけ連続するかを判定する場合を例にとって説明して
きたが、連続の代りに予め定められた確率に達するかを
判定する場合についても全く同様に説明できる。また、
これまでLMSアルゴリズムを仮定してきたが、LMS
特有の構成は図9に示した係数発生回路だけである。従
って、LIMを初めとする他のアルゴリズムにも本発明
を適用することができる。本発明の応用に関しても、エ
コー・キャンセラを例にとって説明してきたが、平坦遅
延と波形応答の組合せで表すことのできるインパルス応
答を有するシステムには、全て適用することができる。
【0033】
【発明の効果】以上詳細に述べたように、本発明によれ
ば、限られた数のタップ係数を逐次切替えて異なるタッ
プに割当てることにより、ハードウェア規模を削減する
ことができる。また、本発明のアダプティブ・フィルタ
は、限られた数のタップをインパルス応答の実質的な波
形応答部に割当てる際に、まず大まかな波形応答部の位
置を推定し、推定された位置の近傍にタップを集中させ
た後、推定された波形応答部近傍に限定したタップ位置
入替えを行なうことにより、収束時間を短縮することが
できる。
【0034】さらに、本発明のアダプティブ・フィルタ
は、波形応答部位置の推定では小さいステップ・サイズ
を用いて安定な位置推定を行ない、推定された波形応答
部近傍に限定したタップ位置入替えでは大きいステップ
・サイズを用いて高速収束を行ない、収束時間を短縮す
ることができる。タップ初期配置がインパルス応答の振
幅の小さいタップであっても、予め定められた時間の後
には初期値を変更して波形応答部の探索を開始するの
で、波形応答部の位置推定を速く確実に行なうことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すブロック図。
【図2】図1のタップ回路の詳細を示す図。
【図3】図1の制御回路の一具体例を示すブロック図。
【図4】本発明の他の実施例を示すブロック図。
【図5】図4の制御回路の一具体例を示すブロック図。
【図6】図4の制御回路の他の具体例を示すブロック
図。
【図7】従来のアダプティブ・フィルタをエコー・キャ
ンセラに適用した例を示すブロック図。
【図8】図7におけるタップ回路の詳細を示すブロック
図。
【図9】図8における係数発生回路の詳細を示すブロッ
ク図。
【図10】従来のアダプティブ・フィルタをエコー・キ
ャンセラに適用した別の例を示すブロック図。
【図11】図10におけるタップ回路の詳細を示すブロ
ック図。
【図12】図10の制御回路の詳細を示すブロック図。
【符号の説明】 1 入力端子 2 2線−4線変換回路 3 減算器 4 出力端子 10i (1≦i≦N) 遅延素子 11i (1≦i≦M) タップ回路 13 制御回路 14 マトリクススイッチ 41 制御回路 42 セレクタ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−258511(JP,A) 特開 平3−266516(JP,A) 特開 平4−234212(JP,A) 特開 平4−245810(JP,A) 米国特許5245561(US,A) 米国特許4727424(US,A) 欧州特許出願公開492647(EP,A) 1990年電子情報通信学会春季全国大会 講演論文集A−177 P.1−177「適応 FIRフィルタのタップ位置制御アルゴ リズムとエコーキャンセラーへの応用」 電子通信学会技術研究報告CS84− 103 P.25−30「(1984/11/29) 「タップ選択形エコーキャンセラにおけ るタップ位置制御法に関する検討」 東京大学工学部総合試験所年報第44巻 (1985)P.155−160「タップの位置を 適応制御するエコーキャンセラ」 1991年電子情報通信学会春季全国大会 講演論文集A−206 P.1−206「A FAST CONVERGENCE A LGORITHM FOR COARS ELY−LOCATED−TAP AD APTIVE FIR FILTERS BASED ON CYCLIC R EFRESHMENT OF THE INITIAL CONDITION, 分散タップ配置適応FIRフィルタにお ける周期的初期値変更を用いた高速アル ゴリズム」

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1サンプル周期ずつ遅延された複数の入
    力信号サンプルを、適応的に変化する複数の被乗数と適
    応的に組合せて乗算を行ない該乗算に用いられない被乗
    数のアドレスを待ち行列に格納し、前記乗算結果の総和
    をもって出力とするアダプティブ・フィルタで未知シス
    テムを近似する際に、ある初期条件のもとで未知システ
    ムの平坦遅延を推定し、該推定された平坦遅延にほぼ相
    当する遅延を受けた複数の前記入力信号サンプルと前記
    被乗数を前記乗算のために組合せ、該組合せを一定の制
    限のもとで変化させながら被乗数値を更新し、前記平坦
    遅延の推定にあたっては、予め定められた繰返し回数内
    に推定が完了しないか又は推定が完了しても推定値の信
    頼度が予め定められた値に達しない場合には、新たな前
    記組合せの初期値をもって遅延推定を行ない、それ以外
    の場合には被乗数の更新及び被乗数と待ち行列内の値に
    対応した被乗数の入替えを行なうことを特徴とするアダ
    プティブ・フィルタによる未知システム近似の方法。
  2. 【請求項2】 平坦遅延の推定は、入力信号サンプルと
    被乗数との組合せをある初期値に固定した状態で前記被
    乗数の更新を行ない、前記複数の被乗数の絶対値の最大
    値を監視し、ある特定の被乗数が予め定められた頻度で
    前記最大値として検知されたことをもって行なうことを
    特徴とする請求項1に記載のアダプティブ・フィルタに
    よる未知システム近似の方法。
  3. 【請求項3】 平坦遅延推定後の被乗数更新は、待ち行
    列内の先頭の値が被乗数最大値の位置から予め定められ
    た範囲内にない場合には該先頭の値を前記待ち行列の最
    後尾に格納して新たな待ち行列先頭の値に対して位置の
    評価を行ない、前記予め定められた範囲内にある新たな
    待ち行列先頭の値を得るまでこの操作を繰返し、該先頭
    の値であるアドレスに対応する前記被乗数を乗算に用い
    るように設定し、前記被乗数の絶対値の最小値を検出
    し、該最小値に対応する被乗数のアドレスを前記待ち行
    列の最後尾に格納して乗算対象から除き、該新規被乗数
    の設定と最小値アドレスの待ち行列格納を予め定められ
    た回数に達するまで繰返して行なうことを特徴とする請
    求項1又は2に記載のアダプティブ・フィルタによる未
    知システム近似の方法。
  4. 【請求項4】 平坦遅延の推定における推定完了の判定
    は、被乗数を入力サンプルと被乗数の組合せを固定した
    状態で予め定められた回数更新する間にある特定の被乗
    数が予め定められた頻度で最大値として検知されること
    によって行なうことを特徴とする請求項1,2又は3に
    記載のアダプティブ・フィルタによる未知システム近似
    の方法。
  5. 【請求項5】 推定値の信頼度は被乗数最大値の他に被
    乗数に対する大きさをもって決定することを特徴とする
    請求項1,2,3又は4に記載のアダプティブ・フィル
    タによる未知システム近似の方法。
  6. 【請求項6】 被乗数の更新は、遅延された複数の入力
    信号サンプルとアダプティブ・フィルタ出力を用いて外
    部で計算される誤差信号を乗算して第1の乗算結果を
    得、該第1の乗算結果と予め定められた第1の定数を乗
    算して第2の乗算結果を得、該第2の乗算結果と遅延さ
    れた第2の乗算結果を加算して加算結果を得、該加算結
    果を1サンプル周期遅延させた後前記加算に使用し、前
    記加算結果を更新された前記被乗数として用いることを
    特徴とする請求項1,2,3,4又は5に記載のアダプ
    ティブ・フィルタによる未知システム近似の方法。
  7. 【請求項7】 平坦遅延の推定に対しては第1の定数を
    用い、平坦遅延推定後の被乗数更新には予め定められた
    第2の定数を用いることを特徴とする請求項6に記載の
    アダプティブ・フィルタによる未知システム近似の方
    法。
  8. 【請求項8】 特定の被乗数が予め定められた回数連続
    して最大値として検出されることをもって定められた頻
    度とすることを特徴とする請求項4,5,6又は7に記
    載のアダプティブ・フィルタによる未知システム近似の
    方法。
  9. 【請求項9】 特定の被乗数が予め定められた確率を超
    えて最大値として検出されることをもって定められた頻
    度とすることを特徴とする請求項4,5,6又は7に記
    載のアダプティブ・フィルタによる未知システム近似の
    方法。
  10. 【請求項10】 入力信号を1サンプル周期遅延させる
    複数の遅延素子の縦続接続からなる遅延素子列と、該遅
    延素子列を構成する各遅延素子出力の一部と該一部の遅
    延素子出力に対応した係数との乗算を行う複数の係数回
    路と、前記一部の遅延素子出力と複数の係数回路との接
    続関係を決定するマトリクス・スイッチと、前記複数の
    係数回路の出力の総和をとる加算器と、前記複数の係数
    回路の出力を受け、前記マトリクス・スイッチに対する
    制御信号を発生する制御回路とを少なくとも具備し、前
    記係数回路は、係数発生回路と、該係数発生回路の出力
    又は零のうちいずれかを選択する第1のセレクタと、該
    第1のセレクタの出力と前記各遅延素子の出力とを乗算
    して出力とする乗算器と、外部より供給される誤差信号
    又は零のうちいずれかを選択して前記係数発生回路に伝
    達する第2のセレクタとから構成され、制御回路は、前
    記係数発生回路出力を受けてそれらの絶対値のうち最大
    値及び最小値を検出する最大・最小値検出回路と、該最
    大値が予め定められた回数だけ連続して同じ値となるこ
    とを検出する最大値連続検出回路と、前記最大・最小値
    検出回路から得られる最小値を受けてスタックの最深部
    に格納すると同時に最浅部の値を出力し、さらに前記最
    大値連続検出回路の出力に応じてスタックの内容を全て
    書き換える先入れ先出し回路と、該先入れ先出し回路の
    出力と前記最大値を受け、前記先入れ先出し回路の出力
    と前記最大値との差が予め定められたしきい値以上であ
    る場合には前記先入れ先出し回路の出力を前記先入れ先
    出し回路へ帰還し、それ以外の場合はそのまま出力する
    判定回路と、該判定回路の出力と前記最小値を受けて記
    憶内容を逐次書き換え、前記最大値が予め定められた回
    数だけ連続して同じ値となるか又は予め定められた時間
    が経過するかのうち早い方の時刻に記憶内容を全て書き
    換える第1の記憶装置と、前記第1の記憶装置をリセッ
    トするためのデータを記憶する第2の記憶装置と、該第
    2の記憶装置出力を受けて全ての1であるビットを同量
    シフトした後前記第1の記憶装置に記憶内容全書き換え
    のために供給すると同時にシフト量を変更するシフト回
    路と、該シフト回路の出力を受けて全ビットを反転し、
    1であるビット番号を前記先入れ先出し回路に供給する
    データ変換回路とから構成され、前記第1の記憶装置か
    ら読み出されたデータによって前記第1及び第2のセレ
    クタが制御されることを特徴とするアダプティブ・フィ
    ルタによる未知システム近似装置。
  11. 【請求項11】 係数発生回路は、各遅延素子の出力と
    外部より供給される誤差信号を乗算する第1の乗算器
    と、該第1の乗算器の出力と予め定められた第2の定数
    を乗算する第2の乗算器と、該第2の乗算器の出力と後
    述の第4の遅延素子出力を加算する加算器と、該加算器
    出力を1サンプル周期遅延させた後、前記加算器に帰還
    する第4の遅延素子とから構成され、該遅延素子出力を
    係数値として出力することを特徴とする請求項10に記
    載のアダプティブ・フィルタによる未知システム近似装
    置。
  12. 【請求項12】 予め定められた第2の定数と予め定め
    られた第3の定数を切り換える第4のセレクタを有し、
    該第4のセレクタ出力を前記第1の乗算器出力と乗算
    し、前記最大値が予め定められた回数だけ連続して同じ
    値となったことを検出して前記第4のセレクタ出力を前
    記第2の定数から前記第3の定数に切り換えることを特
    徴とする請求項11記載のアダプティブ・フィルタによ
    る未知システム近似装置。
  13. 【請求項13】 前記最大値が予め定められた回数だけ
    連続して同じ値となり、かつ前記最大値と前記係数の比
    の値が予め定められた第4の定数よりも小さいこと、及
    びこの装置が動作を開始してから予め定められた時間が
    経過したことを検出する検知回路を有し、該検知回路で
    前記最大値と前記係数の比の値が予め定めれられた第4
    の定数よりも小さいこと又はこの装置が動作を開始して
    から予め定められた時間が経過したことのいずれかを検
    出したときに、前記先入れ先出し回路と前記第1の記憶
    装置を制御して前記データ変換回路と前記シフト回路か
    らそれぞれ供給されるデータによって記憶内容を書き換
    えることを特徴とする請求項0、11又は12に記載
    のアダプティブ・フィルタによる未知システム近似装
    置。
  14. 【請求項14】 第1の記憶装置は、前記最大値が予
    め定められた確率で同じ値となるか又は予め定められた
    時間が経過するかのうち早い方の時刻に記憶内容を全て
    書き換えることを特徴とする請求項10、11、12又
    は13記載のアダプティブ・フィルタによる未知システ
    ム近似装置。
  15. 【請求項15】 カウンタは一致回路出力が一致と判定
    する確率を観測し、該確率が予め定められた値を超えな
    いときにはリセットする事を特徴とする請求項10,1
    1,12又は13に記載のアダプティブ・フィルタによ
    る未知システム近似装置。
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