JP3203657U - 椅子 - Google Patents

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直樹 山浦
直樹 山浦
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Abstract

【課題】 回転可能な座部に対し固定となる上枠部を座部より上側に設けて、椅子に対し座る際や立ち上がる際に上枠部で使用者の身体を支えられる状況を生じさせ、座る動作や立ち上がる動作の安全性を高められる椅子を提供する。【解決手段】 脚部11に対し座部12が回転可能な椅子1の上部に、使用者が肘掛けや背もたれとして使用できるL字状の上枠部13を設け、回転する座部12に対し上枠部13を固定状態で保持することから、椅子上での使用者の向きを座部12ごと回転させて変化させ、椅子1に対し座ったり立ち上がる動作を、使用者が行いやすい向きで行えるようにしつつ、使用者が椅子に対し座ったり立ち上がったりする際の身体を支える補助具として上枠部13を使用でき、座る際や立ち上がる際などで身体が安定する姿勢をとりにくい状況でも、上枠部13を用いて身体を確実に支えて、安全に各動作を行える。【選択図】 図1

Description

本考案は、座部を回転可能として、着座した使用者の身体の向きを変えられる椅子に関する。
椅子がテーブルや机の側にその正面をテーブルや机に向けて置かれている場合、椅子の使用者が椅子に座る際や椅子から立ち上がる際には、テーブルや机に対し椅子を後方に引いて、使用者が椅子に対し座ったり立ち上がったりするためのスペースを生じさせる必要がある。
こうした一般的な構造の従来の椅子に対し、別の種類の椅子として、脚にキャスターが付いたものや、固定状態の脚に対し座部分が回転するものがあった。こうした椅子では、使用者が椅子に座ってテーブルや机に正対する場合と、椅子に対し座ったり椅子から立ち上がったりする場合とのそれぞれの移行を、椅子を移動あるいは回転させることで、容易に変えることができるという特長がある。
こうした従来の椅子のうち、座部分が回転するものの一例として、実開昭63−178543号公報に開示されるものがある。
実開昭63−178543号公報
前記特許文献に示される従来の椅子は、固定状態の脚に対し座台と背もたれが回転可能である。この種の椅子の場合、テーブルや机の側で、使用者が椅子に対し座ったり椅子から立ち上がる場合と、椅子に座ってテーブルや机に正対している場合とで、座の回転により使用者の向きを変えるようにして、従来の一般的な構造の椅子のようにテーブルや机に対し椅子を引くような作業を伴うことなく、椅子に対し使用者が座ったり立ち上がる動作を十分な動作スペースを伴ってスムーズに行えると共に、テーブルや机に正対して適切に座る状態を実現できる。
一方、従来の一般的な構造の椅子の場合、椅子における肘掛けや背もたれは、使用者が椅子に座る際や椅子から立ち上がる際に、身体の安定を維持する補助具として用いることができる。特に、体重を支える筋力が不足している高齢者や妊娠している人、あるいは身体の不自由な人にとって、椅子に座る途中や椅子から立ち上がる途中など、人が姿勢を変える途中の、人が脚で完全に身体を支えていない不安定な姿勢は、それを続けることが困難であり、これらの人が、椅子に座る際や椅子から立ち上がる際には、椅子の肘掛けや背もたれを手で握ったり身体の一部を載せて体重を預けるなどして、身体の安定を確保した上で、椅子に対し座ったり立ち上がる動作を行うことが欠かせないものとなっている。
これに対し、脚にキャスターが付いた椅子や、固定状態の脚に対し座や背もたれが回転する椅子は、上記のような、椅子に座る際や椅子から立ち上がる際に、身体の安定を確保しながら座ったり立ち上がる動作を行う必要のある人にとっては、椅子の背もたれ等を手で握ったりしてもこれらが固定されず動くことで、身体の安定を確保できず、他に身体を支えるものがない状況では、使用が難しいという課題を有していた。
本考案は前記課題を解消するためになされたもので、回転可能な座部に対し固定となる上枠部を座部より上側に設けて、椅子に対し座る際や立ち上がる際に上枠部で使用者の身体を支えられる状況を生じさせ、座る動作や立ち上がる動作の安全性を高められる椅子を提供することを目的とする。
本考案に係る椅子は、座部が脚部に対し回転可能な椅子において、連続するL字状をなす部材として形成され、平面視で座部に対し直交する二方向でそれぞれ隣接する配置として、座部より上方に固定配設され、椅子最上部をなす上枠部を備え、当該上枠部が、座部の回転中心に対し、上枠部のL字状をなして直交する二つの各辺部がそれぞれ等間隔をなす配置とされ、且つ、着座状態の使用者が腕の肘から先の部分を載置可能となる高さ位置に設けられ、使用者の着座状態で一方の辺部が肘掛けをなすと共に、他方の辺部が背もたれ上端部をなすものである。
このように本考案によれば、脚部に対し座部が回転可能な椅子の上部に、使用者が肘掛けや背もたれとして使用できるL字状の上枠部を設け、回転する座部に対し上枠部を固定状態で保持することにより、椅子上での使用者の向きを座部ごと回転させて変化させ、椅子に対し座ったり椅子から立ち上がる動作を、こうした動作を使用者が行いやすい向きで行えるようにしつつ、使用者が椅子に対し座ったり立ち上がったりする際の身体を支える手がかりとして上枠部を使用でき、座る際や立ち上がる際などで身体が安定する姿勢を使用者がとりにくい状況でも、上枠部を用いて身体を確実に支えて、安全に座ったり立ち上がったりすることができる。また、椅子への着座状態では上枠部が背もたれと肘掛けの役割を共に果たして、通常の椅子同様に着座状態の使用者を安全に支持できる。さらに、例えばテーブルや机の側で、椅子に対し座ったり椅子から立ち上がる動作時と、椅子に座ってテーブルや机に正対している時とで、座部の回転により使用者の向きを変えることができ、この場合、一般的な椅子のようにテーブルや机に対し椅子を前後に動かす位置調整作業を伴うことなく、椅子に対し使用者が座ったり立ち上がる動作を十分な動作スペースを伴ってスムーズに行える状態と、テーブルや机に正対して適切に座る状態とをいずれも無理なく両立できる。
また、本考案に係る椅子は必要に応じて、前記座部が、座部における使用者の着座可能範囲の中心位置を座部の回転中心より前方となるようにして配設されるものである。
このように本考案によれば、座部が、座部における使用者の着座範囲の中心位置を座部の回転中心より前方となるようにして配設されて、座部上に座った使用者が座部の回転に伴って向きを変える際に、使用者も椅子の前方寄りで動くことにより、座部の回転に基づく使用者の動き量を多くすることができ、例えば使用者がテーブルや机に対し横向きで椅子に座ってから、座部回転で向きを変えてテーブルや机に正対しつつ近付いて座った状態となるまでの動作や、逆に正面側のテーブルや机に対し近付いて座っている状態から、テーブルや机に対し横向きとなる位置まで座部回転により向きを変え、さらに椅子から立ち上がるまでの動作を、それぞれ速やかに進行させられる。
また、本考案に係る椅子は必要に応じて、前記上枠部の両端部に、平面視で座部のある側に突出形成される突出部を有するものである。
このように本考案によれば、前記上枠部の端部が、平面視で座部のある内側に突出する突出部を形成されてなり、使用者の着座状態で、上枠部の肘掛けとなる辺側から離れるように使用者が横に動いた場合に、上枠部の背もたれとなる辺側における先端の突出部が使用者の身体側部に接して、使用者の身体が椅子外方へ向かって動きにくい状態とすることにより、使用者が座部に対し座ったり立ち上がる動きを大きく妨げないようにしつつ、着座状態で肘掛けがない部位でも使用者の身体を支持可能として、使用者の身体の不要な移動を抑止し、椅子からの転倒を防止できる。
また、本考案に係る椅子は必要に応じて、前記脚部が、上枠部のL字状をなす直交する二辺の各端部位置と二辺の連結位置の計三箇所の下方に椅子設置面との接触部をそれぞれ有する、三本脚支持状態とされ、前記座部が、使用者の着座状態における使用者と座部の合成重量についての重心位置を、平面視で脚部における前記椅子設置面との三つの接触部をそれぞれ頂点とする仮想三角形領域の内側に位置させる配置として配設されるものである。
このように本考案によれば、脚部が三本脚支持構造とされると共に、この脚部に対し、使用者の着座状態での座部重心位置が、平面視で椅子設置面と脚部との三つの接触部をそれぞれ頂点とする仮想三角形領域の内側に位置するよう座部を設け、座部に使用者の荷重が加わっても、脚部による支持が不安定な状態には変化させないことにより、着座状態の使用者を椅子として安定して支える状態を確保しつつ、簡略な構造にできると共に、脚部を必要最小限にできる分、使用者の足下のスペースを広くして、脚が不自由な使用者でも、座部回転に伴う身体の動きに追随させて脚をスムーズに動かせる。
本考案の第1の実施形態に係る椅子の斜視図である。 本考案の第1の実施形態に係る椅子の正面図である。 本考案の第1の実施形態に係る椅子の背面図である。 本考案の第1の実施形態に係る椅子の平面図である。 本考案の第1の実施形態に係る椅子の底面図である。 本考案の第1の実施形態に係る椅子の左側面図である。 本考案の第1の実施形態に係る椅子の右側面図である。 本考案の第1の実施形態に係る椅子における座部の未組付け状態説明図である。 本考案の第1の実施形態に係る椅子の使用状態説明図である。 本考案の第2の実施形態に係る椅子の平面図である。 本考案の第2の実施形態に係る椅子の正面図である。 本考案の第2の実施形態に係る椅子の底面図である。 本考案の第3の実施形態に係る椅子の座部及び足載せ部の回転状態説明図である。
(本考案の第1の実施形態)
以下、本考案の第1の実施形態に係る椅子を前記図1ないし図9に基づいて説明する。
前記各図において本実施形態に係る椅子1は、四本脚構造とされる脚部11と、脚部11に対し回転可能に配設される座部12と、連続するL字状をなす部材として形成され、座部12より上方に固定配設される上枠部13を備える構成である。
前記脚部11は、互いに離隔した四箇所でそれぞれ下端部を床などの椅子設置面に対し接触させる四本脚構造とされる構成である。脚部11における四本の各脚11a、11b、11c、11dは、これらの下端部を頂点とする仮想四角形における二つの対角線が直交するように配置され、対角線の両端に位置して対をなす二つの脚の間にはそれぞれ上下二箇所に補強材11e、11fが横架される。このうち、上側の補強材11eの交差部分には、座部取付用の基礎部11gが設けられる。
また、四本の各脚のうち、常に座部12の前端寄りに位置する脚11dを除く三本の脚11a、11b、11cは、その上部を、座部12より上方に延伸され、上端を上枠部13と連結されて、上枠部13を支える三つの支柱13a、13b、13cとされる構成である。一方、常に座部12の前端寄りに位置する脚11dは、その上端部が座部12より下側に位置する。また、この脚11dは、前記仮想四角形における二つの対角線の交差位置からの距離が、他の脚より短く、脚として椅子1の中心から外方への進出量を抑えた配置構成とされて、使用者の足が座部の回転に伴って移動する際にこの脚11dに接触しにくくする仕組みである。
前記座部12は、脚部11の基礎部11gに回転用の軸受部12aを介して取り付けられ、脚部11に対し垂直軸回りに約90°の範囲で回転可能に配設される構成である。
座部12の構造自体は、板状の基部上に座面をなすクッション部を設け、上側全体を着座可能範囲とした公知の構成であり、詳細な説明を省略する。ただし、座部12の平面視形状は、座部の前後方向寸法を左右方向寸法より大きくしたものとなっており、座部12はその中心より後端寄りの所定位置を中心として回転可能となるようにして、軸受部12aを介して脚部11の基礎部11gに取り付けられる。すなわち、座部12の中心位置は座部12の回転中心より座部前端寄りに位置している。ただし、この座部12の配置は、使用者の着座状態か否かに関わりなく、座部の重心が脚部11の各脚11a、11b、11c、11dの下端部を頂点とする仮想四角形領域内に常に位置するようにされて、設置された椅子に使用者が座っても、椅子が倒れやすくなるなど不安定な状態にならない仕組みとされる。
なお、この座部12は、脚部11に対し上下動可能に取り付けたり、脚部11自体の高さを調整可能として、使用者に合わせて座面高さを調整できるようにしてもかまわない。
前記上枠部13は、連続するL字状をなす部材として形成され、平面視で座部12に対し直交する二方向でそれぞれ隣接する配置として、座部12より上方に固定配設され、椅子1の最上部をなす構成である。
上枠部13は、座部12の回転中心に対し、上枠部13のL字状をなす直交する二つの各辺部が等間隔をなす配置とされる。そして、上枠部13は、着座状態の使用者が腕の肘から先の部分を載置可能となる高さ位置に設けられる。この上枠部13のL字状をなす直交する二つの各辺部は、使用者の着座状態で一方の辺部が肘掛けをなすと共に、他方の辺部が背もたれ上端部をなす構成である。
この上枠部13は、脚部11の三本の脚11a、11b、11cと一体の各支柱13a、13b、13c上端に連結されて固定状態で配設される構成であるが、これに限られるものではなく、上枠部が椅子最上部に位置するものであれば、上枠部を各支柱に対し上下方向位置調整可能で、且つ調整後は位置固定状態を維持可能な構成としたり、上枠部が連結される各支柱自体の長さを調整可能な構成として、上枠部の高さを所望の位置に調整した上で固定できるようにしてもかまわない。
上枠部13の下側には、上枠部13と同様にL字状配置とされる弾性体14が配設される。弾性体14は上側ほど座部側へ膨出した略山型の断面形状とされ、着座状態の使用者の身体に弾性変形しつつ当接可能となる。弾性体14の座部側と反対側の部分は、各支柱13a、13b、13c間に嵌り込んで、椅子使用中に容易には外れない構造とされる。この弾性体14が、着座した使用者の背面側に位置する場合に、背もたれの一部として機能する仕組みである。
弾性体14と上枠部13との間には、手を挿入可能な隙間が介在するようにされており、椅子を持ち運ぶ際等に上枠部13の下に手を掛けることができるため、椅子を適切且つ安全に取り扱うことが可能となる。
また、上枠部13の端部には、平面視で座部12のある内側に向けて、使用者が座部12に対し座ったり立ち上がる動きを大きく妨げない程度の突出量として突出する形状の突出部13dが形成される。さらに、弾性体14の端部にも、同様に平面視で座部12のある内側に向けて、使用者が座部12に対し座ったり立ち上がる動きを大きく妨げない程度の突出量として突出する形状の突出部14aが形成される。着座状態で使用者側方の上枠部13による肘掛けがない側では、上枠部13と弾性体14の各端部の突出部13d、14aが使用者の身体の側方を支持でき、使用者の身体の不要な移動を抑えることとなる。
次に、本実施形態に係る椅子の使用状態について説明する。前提として、椅子1はテーブル50の側に設置され、使用者が最終的にテーブル50に対し正面を向いた着座状態で用いられるものとする。そして、テーブル50を正面に見る状態での椅子1の左側において、使用者が椅子1に座ったり椅子1から立ち上がれるようにする場合は、上枠部13が椅子1のテーブル50から離れた側と椅子1右側にそれぞれ位置するように椅子1を設置する。逆に、椅子1の右側において椅子1に座ったり椅子1から立ち上がれるようにする場合は、上枠部が椅子のテーブルから離れた側と椅子左側にそれぞれ位置するように椅子1を設置する。
使用者が新たにテーブル50を正面とする向きで着座するために椅子1を使用する場合は、まず、椅子1の座部12の前後方向をテーブル50に対し横向きとした状態で使用者が椅子1に座る。この時、使用者が座る際の支えとして上枠部13に手や腕を付けて力をかけたりしても、固定状態の上枠部13は動かず、適切に使用者を支えられる。
使用者が座部12に座ったら、使用者又は介助者が使用者の身体ごと座部12を脚部11など椅子の他部に対し回転させて、使用者を、テーブル50を正面とする向きに移行させる(図9参照)。
この時、座部12が、座部の中心位置を座部12の回転中心より前方となるように配設されていることで、座部の回転による座部上の使用者の移動量を多くすることができ、テーブル50に対し横向きで椅子1に座ってから、テーブル50に対し正面を向いて適切な間隔で近付いて座る状態となるまでの動作を無理なく速やかに進行させられる。
使用者がテーブル50に対し正面を向いて椅子1に座っている状態では、身体の背面側に位置する上枠部13や弾性体14を背もたれとして用いると共に、身体の側方にある上枠部13を肘掛けとして用いることができる。この着座状態では上枠部13が背もたれの一部と肘掛けの役割を共に果たすことで、通常の椅子と同様に着座状態の使用者を安全に支持できる。
一方、使用者側方の上枠部13による肘掛けがない側では、上枠部13の背もたれとなる辺側における端部の突出部13d及びその下方の弾性体14の突出部14aが、使用者の身体の側方に位置しており、着座状態で上枠部13の肘掛けとなる辺側から離れるように使用者が横に動くと、前記突出部13d、14aが使用者の身体側部に接して、使用者の身体のさらに椅子外方へ向かう動きを起きにくくする。こうして、椅子1の肘掛けがない側でも、使用者の身体の不要な移動を抑えることができ、使用者が誤って横にずれて椅子1から転倒する事態を避けられる。
使用者が椅子1に座り、身体の向きを変える一連の動作の過程において、椅子1の固定された上枠部13及び弾性体14が使用者の側方から後方にかけて存在する状態が維持される。このため、座る際は上枠部13に手をついて身体を安定して支えられる状態を維持しながら座部12上に座ることができ、座部12に座ってから身体の向きを変える際も、手や腕を上枠部13に付けたり弾性体14に身体を寄せて身体を支持しながら座部12と共に身体を回転させることができる。仮に、座る際や身体の向きを変える際にバランスを崩しても、使用者は椅子1の上枠部13や弾性体14に寄りかかることができ、椅子1から転倒することはなく、安全を確保できる。
なお、座部12は、上枠部13及び弾性体14を座部12の後方と側方に位置させる状態を超えて回転しないよう、座部の回転範囲が制限されていることで、座部12が過剰に回転して座部12の側端部が弾性体14や支柱13a、13cに接触し、これらに悪影響を与える事態を防止できる。
続いて、使用者がテーブル50を正面とする向きでの椅子1への着座状態から立ち上がる場合は、まず、使用者自身又は介助者が身体ごと座部12を前記と逆向きに回転させて、使用者をテーブル50が正面に位置する状態からテーブル50に対し横向きとなる状態まで移行させる。
この場合も、座部12が、座部の中心位置を座部12の回転中心より前方となるように配設されていることで、座部の回転による移動量を多くすることができ、正面のテーブル50に対し近付いて座っている状態から、テーブル50に対し横向きとなり、椅子1から立ち上がろうとするまでの動作を速やかに進行させられる。
使用者及び椅子1の座部12をテーブル50に対し横向きとした状態で、使用者は椅子1から立ち上がり、椅子1から離れることとなる。この時、使用者が立ち上がる際の支えとして上枠部13に手や腕を付けて力を加えたりしても、固定状態の上枠部13は動かず、適切に使用者を支えられる。
上記の使用者がテーブル50に対し身体の向きを変え、椅子1から立ち上がる一連の動作の過程においても、椅子1の固定された上枠部13及び弾性体14が使用者の側方から背面にかけて存在する状態が維持されており、座部12ごと身体の向きを変える際は、手や腕を上枠部13に付けたり弾性体14に身体を寄せて身体(上半身)を支持しながら座部12と共に身体を回転させることができる。そして、椅子1から立ち上がる際は上枠部13に手をついて身体を安定して支えられる状態を維持しながら立ち上がることができる。仮に、身体の向きを変える際や立ち上がる際にバランスを崩しても、使用者は椅子1の上枠部13や弾性体14に寄りかかることができ、椅子1から転倒することはなく、安全を確保できる。
このように、本実施形態に係る椅子は、脚部11に対し座部12が回転可能な椅子1の上部に、使用者が肘掛けや背もたれとして使用できるL字状の上枠部13を設け、回転する座部12に対し上枠部13を固定状態で保持することから、椅子1上での使用者の向きを座部12ごと回転させて変化させ、椅子1に対し座ったり椅子1から立ち上がる動作を、こうした動作を使用者が行いやすい向きで行えるようにしつつ、使用者が椅子1に対し座ったり立ち上がったりする際の身体を支える手がかりとして上枠部13を使用でき、座る際や立ち上がる際などで身体が安定する姿勢を使用者がとりにくい状況でも、使用者は上枠部13を用いて身体を確実に支えて、安全に座ったり立ち上がったりすることができる。
また、テーブル50の側で、椅子1に対し座ったり立ち上がる動作時と、椅子1に座ってテーブル50に正対している時とで、座部12の回転により使用者の向きを変えることができることで、従来の一般的な椅子のようにテーブルに対し椅子を前後に動かす位置調整作業を伴うことなく、椅子1に対し使用者が座ったり立ち上がる動作を十分な動作スペースを伴ってスムーズに行える状態と、使用者がテーブル50に正対して適切に座る状態とをいずれも無理なく両立できる。
(本考案の第2の実施形態)
なお、前記第1の実施形態に係る椅子1において、座部12を支える脚部11は四本脚構造をなす構成としているが、これに限らず、第2の実施形態として、図10ないし図12に示すように、椅子2の脚部21が、互いに離隔した三箇所でそれぞれ下端部を床などの椅子設置面に対し接触させる三本脚構造とされる構成とすることもできる。
詳細には、脚部21における三本の各脚21a、21b、21cは、上枠部23のL字状をなす直交する二辺の各端部位置と二辺の連結位置の計三箇所の下方にそれぞれ配置され、下端部を床などの椅子設置面に対し接触させる構成である。一方、三本の脚21a、21b、21cは、その上部を、座部22より上方に延伸され、上端を上枠部23と連結されて、上枠部23を支える三つの支柱23a、23b、23cとされる構成である。
この場合、座部22は、使用者の着座状態における使用者と座部の合成重量についての重心位置を、平面視で脚部21における三本の各脚21a、21b、21cの椅子設置面との接触部分をそれぞれ頂点とする仮想三角形領域の内側に位置させる配置として配設される。
これにより、座部22に使用者の荷重が加わっても脚部21による支持が不安定な状態に変化せず、着座状態の使用者を椅子として安定して支える状態を確保しつつ、簡略な構造にできると共に、脚部を必要最小限にできる分、使用者の足下のスペースを広くして、脚が不自由な使用者でも、座部回転に伴う身体の動きに追随させて脚をスムーズに動かせる。
(本考案の第3の実施形態)
また、前記第1の実施形態に係る椅子1においては、座部12より下方には脚部11のみ設けられる構成としているが、これに限らず、第3の実施形態として、図13に示すように、椅子3における座部32より下側で、平面視で座部32の回転中心と同じ位置を中心に回転可能とし、且つ前記回転中心位置を基準として座部32より外方に一部を突出させる配置として脚部31又は座部32に配設され、座部32に着座した使用者の足を載置可能とされる足載せ部35を備える構成とすることもできる。
この足載せ部35は、従来の一般的な椅子の足載せ部同様、座部32に座った状態で床などの椅子設置面に足が届かない使用者の場合に、これに足を載せることで、足をぶらつかせずに適切に支持して足の疲労を防止できる。その他、足載せ部35が座部32と共に回転する場合は、脚の不自由な使用者が足を足載せ部35に載せておくことで、座部32ごと身体を回転させるのに合わせて、身体と共に脚をスムーズに回転移動させて所望の向きとすることができ、介助を受けつつの椅子に対し座ったり立ち上がる動作をより能率よく進められる。
1、2、3 椅子
11、21、31 脚部
11a、11b 脚
11c、11d 脚
11e、11f 補強材
11g 基礎部
12、22、32 座部
12a 軸受部
13、23 上枠部
13a、13b 支柱
13c 支柱
13d 突出部
14 弾性体
14a 突出部
21a、21b 脚
21c 脚
23a、23b 支柱
23c 支柱
35 足載せ部
50 テーブル

Claims (4)

  1. 座部が脚部に対し回転可能な椅子において、
    連続するL字状をなす部材として形成され、平面視で座部に対し直交する二方向でそれぞれ隣接する配置として、座部より上方に固定配設され、椅子最上部をなす上枠部を備え、
    当該上枠部が、座部の回転中心に対し、上枠部のL字状をなして直交する二つの各辺部がそれぞれ等間隔をなす配置とされ、且つ、着座状態の使用者が腕の肘から先の部分を載置可能となる高さ位置に設けられ、使用者の着座状態で一方の辺部が肘掛けをなすと共に、他方の辺部が背もたれ上端部をなすことを
    特徴とする椅子。
  2. 前記請求項1に記載の椅子において、
    前記座部が、座部における使用者の着座可能範囲の中心位置を座部の回転中心より前方となるようにして配設されることを
    特徴とする椅子。
  3. 前記請求項1又は2に記載の椅子において、
    前記上枠部の両端部に、平面視で座部のある側に突出形成される突出部を有することを
    特徴とする椅子。
  4. 前記請求項1ないし3のいずれかに記載の椅子において、
    前記脚部が、上枠部のL字状をなす直交する二辺の各端部位置と二辺の連結位置の計三箇所の下方に椅子設置面との接触部をそれぞれ有する、三本脚支持状態とされ、
    前記座部が、使用者の着座状態における使用者と座部の合成重量についての重心位置を、平面視で脚部における前記椅子設置面との三つの接触部をそれぞれ頂点とする仮想三角形領域の内側に位置させる配置として配設されることを
    特徴とする椅子。
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