JP3203032B2 - 据込みプレスを運転するための方法 - Google Patents

据込みプレスを運転するための方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、ストローク偏心体によ
り互いに接近するように、また互いに離間するように可
動な据込みプレスのプレス工具の間で、連続鋳造装置で
鋳造された熱いスラブの側方をプレスすることによりス
ラブの幅を低減し、その間に場合によってはスラブをロ
ーラテーブル上で据込みプレスを経て移動させる様式
の、据込みプレスを運転するための方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】連続鋳造された熱いスラブの幅を低減す
るための据込みプレスは公知である。これらの据込みプ
レスは、できるだけ僅かなスラブ幅で、できるだけ広汎
な圧延プログラムを実施するのに適用される。種々の幅
のスラブを製造するために、連続鋳造装置における調節
可能な鋳型のこのスラブに対する適合は極めて緩慢に行
われ、極めて手間を要する。更に重い垂直ロールスタン
ドのロール間で、連続鋳造された熱いスラブを側方で据
え込むことは、多くの場合予期した結果を得られないと
いうことが分かった。その理由は、技術的な理由からス
ラブ材料が、据込み圧延の際にスラブの縁部領域におい
て丸く隆起し、かつ平鋼圧延の際に圧延されたビレット
の前方端で舌状の領域が、そして圧延されたビレットの
端部で燕尾状の領域が形成されるからである。
【０００３】据込みプレスのプレス工具の間で熱いスラ
ブを側方で据え込むには、スラブ材料がずっとスラブ中
央まで圧縮され、それにより据込み圧延の際に生ずる縁
部の隆起がほぼ完全に無くなり、特にスラブ端部に、従
ってまた熱間圧延されたビレットの端部における燕尾体
の形成が、垂直ロールスタンドでの据込み圧延の場合よ
りも明らかに僅かであるという長所がある。据込みプレ
スにより圧縮されたスラブは結果的にほぼ長方形の断面
を有している。良好に形成されたスラブ端部および良好
に形成されたスラブ断面によって、続いて行われる圧延
ラインにおいて、従来よりクロップの形成が僅かであ
り、そのことは全体の圧延装置の生産率を高める。更に
プレス工具の作用距離が比較的大きいので据込みにより
最適に形成されたスラブ縁部が保証される。このように
して、例えばヨーロッパ特許公開第０ ４００ ３８５
号明細書（日本国特開平３−１３２２１号公報）から公
知の据込みプレスにあっては、ただ一度の通板だけで、
連続鋳造された熱いスラブは３００ｍｍ程度まで幅が低
減される、即ち据込みプレスは熱間圧延機の手前におけ
る高効率の変形段をなす。
【０００４】被圧延材の幅、特に上記ヨーロッパ特許公
開第０ ４００ ３８５号明細書（図１）による熱間幅
広ストリップ粗圧延ラインにおけるスラブ幅を低減する
ための据込みプレスは、スラブ縁部に対して両側に設け
られ、互いに向かい合うプレス工具１を収容している工
具担持体２を備えている。各プレス工具用の減速装置と
してクランク駆動装置３により作動されるガイドロッド
システム４が設けられ、このガイドロッドシステムは実
質的に低減が行われる方向に運動可能である。クランク
駆動装置はクランクハウジング５内に設けられており、
このハウジングはプレスフレーム６内でスラブ幅に関し
て調節可能に設けられている。プレス工具を収容する工
具担持体には、実質的にスラブ移送装置８の方向に作用
する送り駆動装置９が設けられている。送り駆動装置は
油圧式ピストン−シリンダーユニットとして形成されて
おり、距離／時間の関数に応じて走行可能であり、所望
の送り値に依存したプレス工具の移動されるスラブとの
同期化を可能にする。即ち、プレス工具の送り値を、ス
ラブのプレスを経る連続的な通板速度に、最適に適合さ
せることが可能である。送り速度０を予備選択した場
合、据込みプレスは自動的にストップ・アンド・ゴー駆
動へと移行する。このストップ・アンド・ゴー駆動のた
めには前送りを必要としない。即ち据込みプレスの間、
スラブはローラテーブル上にとどまっている。スラブ
は、プレス工具がスラブ縁部から戻し運動されて、始め
て更に先へと送られる。
【０００５】ドイツ連邦共和国特許公開第２５ ３１
５９１号明細書から連続鋳造されたスラブの側方据込み
用の据込みプレスが知られており、その際スラブは据込
みプレス内で相互に移動された圧力工具で繰返し加工さ
れ、各工具は常にスラブ長さの所定の個所に当接され、
また工具はスラブの連続的な送りに自由に追従できる。
工具はこの公知の据込みプレスにあっては、比較的ゆっ
くりとした作業工程と比較的速い空転工程を行うように
操作される。据込みプレスの処理率を或る限界内で可変
に保つために、プレス工具の上記のような間欠的な運動
が公知のものとして前提される。据込みプレスの処理効
率のはっきりとした傾斜状の高まりはこれによっては達
せられない。駆動効率がそれ相応に上昇されればその限
りではない。
【０００６】ドイツ連邦共和国特許公開第３９ ００
６６８号明細書による他のスラブ据込みプレスにあって
は、偏心体軸により相互に駆動される据込み工具は、プ
レスフレーム内に摺動可能に案内されるプレス工具担持
体内に設けられる。プレスフレームは工具に対して回転
対称的(klappsymmetrisch)に設けられた２つのプレスフ
レーム半割体に分割され、これら半割体は４つの互いに
平行にかつ据込み方向を指向しているコラムを介して相
互に結合されている。これらコラムには据込み進捗の間
に工作物を歩進的に送ったり、据込み工程で工具を保持
したりするための装置が設けられている。従って、この
据込みプレスはストップ・アンド・ゴー作動で作業を行
うのでなければならない。その際工作物の送り距離は、
工具の歩進的な送りのため装置の加圧媒体シリンダーの
ピストン距離を変えることによって調節可能である。こ
の据込みプレスの処理率が駆動出力を変えずにどんな手
段で上昇され得るかは、この明細書には述べられていな
い。
【０００７】据込みプレスにおいて一定なスラブ形状を
製造するための全く別の方法がヨーロッパ特許第０ １
５７ ５７５号明細書において提案されている。据込み
プレスのプレス工具がスラブの後端の近くにある時に
は、スラブの後端を予備成形するため、スラブはプレス
工具の斜めの出側領域を経て送られ、引続いてスラブは
引き戻され、スラブの残っている領域がプレス工具の斜
めの入側領域によってプレスされる。これによりスラブ
の後端には一種の舌状体が生じ、それによりスラブの後
端における魚尾状体の形成は避けられる。これに関連し
て据込みプレスの生産向上については全く述べられてい
ない。
【０００８】更に他のヨーロッパ特許公開第０ ２７０
２４５号明細書によれば、据込みプレスによるストッ
プ・アンド・ゴー作業でスラブ形状が製造される。この
スラブ形状は前端にも後端にも舌状の広がりを有してい
る。この様に形成されたスラブが引続いて熱間圧延機で
ストリップに圧延される場合、ストリップの始端と終端
は直接コイルに巻上げられる。その際相応の材料損失を
伴うクロップの切断は不必要である。できるだけ簡単な
方法で据込みプレスの処理率を上昇させる手段はこの明
細書には開示されていない。
【０００９】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
のような据込みプレスの運転様式を拡張し、特に据込む
べきスラブの生産率および処理率を簡単な手段で高める
ことであり、しかもこの場合、プレス工具を作動するク
ランク駆動装置用の主駆動装置或いはプレス工具担持体
用の油圧式送り駆動装置の出力を高める必要はない。
【００１０】
【課題を解決するための手段】この課題は本発明によ
り、特許請求の範囲の請求項１の特徴部に記載した構成
により解決される。本発明による方法の他の有利な構成
は、特許請求の範囲の請求項２から４に記載した。
【００１１】請求項１による方法によれば、スラブは、
プレス工具がスラブ縁部と接触していない時間相におい
て、所定の通板速度から加速され、この所定の通板速度
に再び減速される。
【００１２】この手段により驚く程簡単な方法で、据込
みプレスの処理効率、即ち据込まれたスラブの生産を直
接５０％まで上昇させることができ、据込みプレスの現
存する構造を変える必要はなく、ストローク偏心体の主
駆動装置用の駆動出力、即ちプレス工具と共に工具担持
体が動かされるクランク駆動装置の出力を高める必要も
なく、また工具担持体に取付いているピストン−シリン
ダー−ユニットの出力を変える必要もない。
【００１３】本発明の実施形態の提案により、スラブは
据込みストローク偏心体の約０O から１８０O の回転角
度で駆動可能なローラテーブルローラの所定の通板速度
で移動され、そしてスラブは約１８０O から３６０O の
回転角度で駆動ローラによって急加速され、再び減速さ
れる。その際スラブが据込みストローク偏心体の約１８
０O から３６０O の回転角度でほぼ所定の通板速度の２
倍から４倍の速度に加速され、引続いてこの所定の通板
速度に減速されるのが有利である。即ち、据込み相の間
プレス工具がスラブ縁部に当接し、スラブの通板速度と
同期されている据込み相に引続いて、空転相−即ち、プ
レス工具がスラブ縁部と接触していない時間相−ではス
ラブは駆動装置ローラを用いて短期間に高い通板速度に
加速され、即座に元の通板速度に制動される。
【００１４】 更に、据込みプレスのできるだけ簡単な
効率上昇のため、本発明により、据込みストローク偏心
体の約１８０°から３６０°の回転角度にあって、スラ
ブは１８０°以下の据込み角度の等しい２倍の距離を送
られる。
【００１５】
【実施例】本発明を、据込みプレスによるスラブの通板
速度に関するグラフ（図２）を用いて詳細に説明する： グラフの縦座標には、クランク駆動装置のストローク偏
心体の３６０O の角度回転に関連して、スラブの通板速
度８が示されており、この駆動装置によりプレス工具は
側方でスラブ縁部に対して、またスラブ材料内へ押し込
まれる。プレス工具がスラブと接触する時間相で、しか
もクランク駆動装置のストローク偏心体の０O から１８
０O の通板速度以内の約９０O の回転角度の間で、スラ
ブは所定の通板速度１ｙで据込みプレスのローラテーブ
ル上を搬送される。次にプレス工具がスラブ縁部と接触
しない時間相で、即ちクランク駆動装置のストローク偏
心体の約１８０O から３６０O の回転角度で、駆動装置
ローラ１０（図１）により、スラブは短時間で３倍の通
板速度３ｘに急加速され、そして最大速度に達した後、
即座に再び制動され、３６０O の回転角度の終わりまで
にスラブの元の所定の通板速度１ｙに達する。スラブの
加速相及び減速相で進んだ距離はこのいわゆる“空転
相”で、いわゆる“据込み相”において同じ単位時間中
にスラブが進む距離（１ｘ）のほぼ２倍となっており、
この据込み相中にスラブはクランク駆動装置の偏心体に
より動かされたプレス工具によって据え込まれる。
【００１６】従って本発明の意味でスラブが、プレス工
具がスラブ縁部と接触しない時間相において所定の通板
速度から急加速され、この所定の通板速度に再び減速さ
れると、直ちに生産性の向上が達成可能となり、据込み
プレスにおける構造的な処置を行う必要はなく、また据
込みプレスのクランク駆動装置用又はその油圧式送り装
置用の主駆動装置の出力を高める必要はない。グラフに
示されたいわゆる“空転相”におけるスラブの加速と減
速は、その都度実際に或る運転条件に最適に適合し得る
別の経過を採っても良い。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の方法に適用する公知の据込みプレスの
平面断面図を示す。
【図２】本発明による方法を示すスラブの送り距離に対
するスラブの速度を示すグラフである。
【符号の説明】
１ プレス工具 ２ 工具担持体 ３ クランク駆動装置 ４ ガイドロッドシステム ５ クランクハウジング ６ プレスフレーム ７ スラブ ８ スラブ搬送方向 ９ 送り駆動装置 １０ 駆動ロール
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平４−266403（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−81006（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−52106（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−52104（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−170504（ＪＰ，Ａ) 特開 昭56−4304（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−133101（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−96301（ＪＰ，Ａ) 特開 昭59−101201（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−13221（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) B21B 15/00 B21B 1/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 ストローク偏心体により互いに接近する
    ように、また互いに離間するように可動な据込みプレス
    のプレス工具の間で、連続鋳造装置で鋳造された熱いス
    ラブの側方をプレスすることによりスラブの幅を低減
    し、その間に場合によってはスラブをローラテーブル上
    で据込みプレスを経て移動させる様式の、据込みプレス
    を運転するための方法において、スラブを、プレス工具
    がスラブ縁部と接触していない時間相において、所定の
    通板速度から加速し、この所定の通板速度に再び減速す
    ることを特徴とする方法。
  2. 【請求項２】 据込みストローク偏心体の０O から１８
    ０O の回転角度で、スラブを駆動可能なローラテーブル
    ローラを用いて所定の通板速度で移動させること、およ
    び１８０O から３６０O の回転角度でスラブを駆動ロー
    ラにより加速し、再び減速することを特徴とする請求項
    １に記載の方法。
  3. 【請求項３】 据込みストローク偏心体のほぼ１８０O
    から３６０O の回転角度で、スラブをほぼ所定の通板速
    度の２倍から４倍の速度に加速し、引続いて所定の通板
    速度に減速することを特徴とする請求項１又は請求項２
    に記載の方法。
  4. 【請求項４】 据込みストローク偏心体の約１８０°か
    ら３６０°の回転角度にあって、スラブを１８０°以下
    の据込み角度の等しい２倍の距離を送ることを特徴とす
    る請求項１から３までのいずれか一つに記載の方法。
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