JP3202414B2 - スケールの溶解方法 - Google Patents
スケールの溶解方法Info
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- Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は金属の表面から金属の酸
化物を含むスケールを除去する方法に関する。
化物を含むスケールを除去する方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来の一般的なスケール除去剤は塩酸、
硫酸等の無機酸とクエン酸、ヒドロキシ酢酸等の有機酸
に大別することができる。無機酸、有機酸とも金属の素
地の腐食を抑制するため、あるいは酸化物の溶解促進な
どのため、種々の助剤を添加することで構成されてい
る。一般に云えることは無機酸のコストは低く、酸化鉄
などの溶解力が大きいという特徴を有する反面、被洗浄
金属材種によっては水素脆性、過酸洗の恐れがあり、中
和工程が難かしく、強酸性であるため取扱上の危険とガ
ス、ミストの発生で環境を汚染するなどの問題を有して
いる。これらの問題点を避けるため、有機酸による洗浄
が行われている。しかしながら常温域での酸化鉄などの
溶解力が低いため、７０℃以上に加熱する必要があると
ともに、コストが高いことなどの欠点があるが、洗浄す
る構成金属材料に緩やかな作用をもつこと、中和工程が
容易なことなどの特徴を有している。なかでもホスホン
酸またはこの塩が弱酸性および中性域で酸化鉄を溶解す
るという特徴は極めて安全なスケール除去剤として着目
されるもので、これに関する提案が過去いくどか出され
ている。例えば、特公昭５５−５４００号公報にはホス
ホン酸に第一鉄塩を添加することによって従来の有機酸
洗浄温度よりも低温で大幅に洗浄時間を短縮することが
できること、米国特許第４８１０４０５号明細書にはホ
スホン酸に還元剤、腐食抑制剤、界面活性剤を添加すれ
ば効果的な除錆と不働態表面を得ることができること及
び特公昭５６−３４６３７号公報にはホスホン酸と炭酸
性溶液で酸化鉄を溶解し、次に溶液をアルカリ性として
金属銅を溶解することなどが提案されている。
硫酸等の無機酸とクエン酸、ヒドロキシ酢酸等の有機酸
に大別することができる。無機酸、有機酸とも金属の素
地の腐食を抑制するため、あるいは酸化物の溶解促進な
どのため、種々の助剤を添加することで構成されてい
る。一般に云えることは無機酸のコストは低く、酸化鉄
などの溶解力が大きいという特徴を有する反面、被洗浄
金属材種によっては水素脆性、過酸洗の恐れがあり、中
和工程が難かしく、強酸性であるため取扱上の危険とガ
ス、ミストの発生で環境を汚染するなどの問題を有して
いる。これらの問題点を避けるため、有機酸による洗浄
が行われている。しかしながら常温域での酸化鉄などの
溶解力が低いため、７０℃以上に加熱する必要があると
ともに、コストが高いことなどの欠点があるが、洗浄す
る構成金属材料に緩やかな作用をもつこと、中和工程が
容易なことなどの特徴を有している。なかでもホスホン
酸またはこの塩が弱酸性および中性域で酸化鉄を溶解す
るという特徴は極めて安全なスケール除去剤として着目
されるもので、これに関する提案が過去いくどか出され
ている。例えば、特公昭５５−５４００号公報にはホス
ホン酸に第一鉄塩を添加することによって従来の有機酸
洗浄温度よりも低温で大幅に洗浄時間を短縮することが
できること、米国特許第４８１０４０５号明細書にはホ
スホン酸に還元剤、腐食抑制剤、界面活性剤を添加すれ
ば効果的な除錆と不働態表面を得ることができること及
び特公昭５６−３４６３７号公報にはホスホン酸と炭酸
性溶液で酸化鉄を溶解し、次に溶液をアルカリ性として
金属銅を溶解することなどが提案されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】従来法のように、ホス
ホン酸及び／又はホスホン酸塩を主成分とする洗浄剤を
中性域（ｐＨ：５〜９）で使用し、金属の表面から金属
の酸化物を含むスケールを除去する場合は、洗浄液が金
属の酸化物を含むスケールを通して金属表面素地と直接
接触することによりスケールの溶解が促進される。した
がって、洗浄液と金属表面素地とがスケールによって完
全に遮断されている系では、鉄などの金属酸化物を含む
スケールの溶解速度が極端に低下するため、実用的では
ない。
ホン酸及び／又はホスホン酸塩を主成分とする洗浄剤を
中性域（ｐＨ：５〜９）で使用し、金属の表面から金属
の酸化物を含むスケールを除去する場合は、洗浄液が金
属の酸化物を含むスケールを通して金属表面素地と直接
接触することによりスケールの溶解が促進される。した
がって、洗浄液と金属表面素地とがスケールによって完
全に遮断されている系では、鉄などの金属酸化物を含む
スケールの溶解速度が極端に低下するため、実用的では
ない。
【０００４】本発明は上記技術水準に鑑み、ホスホン酸
及び／又はホスホン酸塩を主成分とする洗浄剤によるス
ケール溶解方法の不具合を解消しうるスケール除去方法
を提供しようとするものである。
及び／又はホスホン酸塩を主成分とする洗浄剤によるス
ケール溶解方法の不具合を解消しうるスケール除去方法
を提供しようとするものである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明はホスホン酸及び
／又はホスホン酸塩を主成分とする洗浄剤を中性域（ｐ
Ｈ：５〜９）で使用し、金属表面に付着した金属酸化物
を含むスケールを除去する方法において、鉄の粉または
粒を洗浄液中に分散混入させることを特徴とするスケー
ルの溶解方法である。
／又はホスホン酸塩を主成分とする洗浄剤を中性域（ｐ
Ｈ：５〜９）で使用し、金属表面に付着した金属酸化物
を含むスケールを除去する方法において、鉄の粉または
粒を洗浄液中に分散混入させることを特徴とするスケー
ルの溶解方法である。
【０００６】本発明で使用されるホスホン酸は例えば１
−ヒドロキシエチリデン−１，１−ジホスホン酸、エチ
レンジアミン−３−ホスホン酸、トリアミノメチルホス
ホン酸などの有機ホスホン酸類およびまたはこれらのナ
トリウム、カリウム、アンモニウムなどの水溶性塩であ
る。
−ヒドロキシエチリデン−１，１−ジホスホン酸、エチ
レンジアミン−３−ホスホン酸、トリアミノメチルホス
ホン酸などの有機ホスホン酸類およびまたはこれらのナ
トリウム、カリウム、アンモニウムなどの水溶性塩であ
る。
【０００７】
【作用】ホスホン酸及び／又はホスホン酸塩を主成分と
する洗浄剤を中性域（ｐＨ：５〜９）で使用し、金属の
表面から金属酸化物を含むスケールを除去する場合にお
いて、金属表面素地の果す役割は非常に大きいと考えら
れるが、その作用機構は明確ではない。いずれにしても
良好な洗浄効果を得るためには、洗浄液と金属表面素地
が直接接触する環境が必要である。したがって洗浄液
（洗浄系統）中に鉄の粉あるいは粒を分散、混合するこ
とにより洗浄液と金属表面素地が直接接触する環境を形
成することが必要である。また、循環ポンプ等を用いて
洗浄系統を流動状態にすると鉄の粉あるいは粒によって
金属表面のスケールが物理的に破壊され洗浄液と金属表
面素地とが直接接触する部分が形成されるので、特に好
ましい方法である。
する洗浄剤を中性域（ｐＨ：５〜９）で使用し、金属の
表面から金属酸化物を含むスケールを除去する場合にお
いて、金属表面素地の果す役割は非常に大きいと考えら
れるが、その作用機構は明確ではない。いずれにしても
良好な洗浄効果を得るためには、洗浄液と金属表面素地
が直接接触する環境が必要である。したがって洗浄液
（洗浄系統）中に鉄の粉あるいは粒を分散、混合するこ
とにより洗浄液と金属表面素地が直接接触する環境を形
成することが必要である。また、循環ポンプ等を用いて
洗浄系統を流動状態にすると鉄の粉あるいは粒によって
金属表面のスケールが物理的に破壊され洗浄液と金属表
面素地とが直接接触する部分が形成されるので、特に好
ましい方法である。
【０００８】
【実施例】外径：５０ｍｍの水道配管（内面には錆コブ
が発生し、厚いスケールが付着している）の直管部を５
００ｍｍの長さに切断したテストチューブを対象に、図
１に示すスケール溶解試験装置（流速：１ｍ／ｓ、常
温）を用いて、各種の試験液について約１０時間の溶解
試験を行なった。なお、図１中、１は循環タンク、２は
循環ポンプ、３はテストチューブ、４はプラスチック配
管を示す。
が発生し、厚いスケールが付着している）の直管部を５
００ｍｍの長さに切断したテストチューブを対象に、図
１に示すスケール溶解試験装置（流速：１ｍ／ｓ、常
温）を用いて、各種の試験液について約１０時間の溶解
試験を行なった。なお、図１中、１は循環タンク、２は
循環ポンプ、３はテストチューブ、４はプラスチック配
管を示す。
【０００９】試験液（１−ヒドロキシエチリデン−１，
１−ジホスホン酸）の組成と試験結果を下記表１にまと
めたが、鉄粉を併用したものはいずれも管内面スケール
を完全に除去できたが、鉄粉を併用しないものについて
は管内面スケール殆んど除去できなかった。
１−ジホスホン酸）の組成と試験結果を下記表１にまと
めたが、鉄粉を併用したものはいずれも管内面スケール
を完全に除去できたが、鉄粉を併用しないものについて
は管内面スケール殆んど除去できなかった。
【００１０】
【表１】
【００１１】
【発明の効果】本発明により、ホスホン酸及び／又はホ
スホン酸塩を主成分とする洗浄剤を中性域（ｐＨ：５〜
９）で使用し、金属の表面から金属酸化物を含むスケー
ルを除去する場合鉄の粉または粒を洗浄系統中に分散混
入させることによりスケール溶解力を向上させ、洗浄時
間を大幅に短縮することができる。
スホン酸塩を主成分とする洗浄剤を中性域（ｐＨ：５〜
９）で使用し、金属の表面から金属酸化物を含むスケー
ルを除去する場合鉄の粉または粒を洗浄系統中に分散混
入させることによりスケール溶解力を向上させ、洗浄時
間を大幅に短縮することができる。
【図１】本発明方法の効果を立証するスケール溶解試験
装置の説明図。
装置の説明図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塚原 千幸人 長崎県長崎市深堀町五丁目717番１号 三菱重工業株式会社長崎研究所内 (72)発明者 坂西 彰博 長崎県長崎市深堀町五丁目717番１号 三菱重工業株式会社長崎研究所内 (72)発明者 牧浦 秀治 長崎県長崎市飽の浦町１番１号 三菱重 工業株式会社長崎造船所内 (72)発明者 福岡 重範 奈良県奈良市西九条町５丁目２番地の５ 共栄社化学株式会社奈良研究所内 (72)発明者 手塚 秀樹 奈良県奈良市西九条町５丁目２番地の５ 共栄社化学株式会社奈良研究所内 (56)参考文献 特開 昭62−205293（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) C23G 1/24
Claims (1)
- 【請求項１】 ホスホン酸及び／又はホスホン酸塩を主
成分とする洗浄剤を中性域で使用し、金属表面に付着し
た金属酸化物を含むスケールを除去する方法において、
鉄の粉または粒を洗浄液中に分散混入させることを特徴
とするスケールの溶解方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14175893A JP3202414B2 (ja) | 1993-06-14 | 1993-06-14 | スケールの溶解方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14175893A JP3202414B2 (ja) | 1993-06-14 | 1993-06-14 | スケールの溶解方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06346261A JPH06346261A (ja) | 1994-12-20 |
| JP3202414B2 true JP3202414B2 (ja) | 2001-08-27 |
Family
ID=15299511
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP14175893A Expired - Lifetime JP3202414B2 (ja) | 1993-06-14 | 1993-06-14 | スケールの溶解方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3202414B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006071104A (ja) * | 1997-07-02 | 2006-03-16 | Nsk Ltd | 転がり軸受 |
| JP2007132520A (ja) * | 1997-07-02 | 2007-05-31 | Nsk Ltd | 転がり軸受 |
| JP6964406B2 (ja) * | 2016-12-12 | 2021-11-10 | 日本パーカライジング株式会社 | 酸化膜除去剤、酸化膜除去方法、表面処理方法及び酸化膜を除去した金属材料の製造方法 |
| JP2018095914A (ja) * | 2016-12-13 | 2018-06-21 | 三菱日立パワーシステムズ株式会社 | 洗浄方法および洗浄装置 |
-
1993
- 1993-06-14 JP JP14175893A patent/JP3202414B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH06346261A (ja) | 1994-12-20 |
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