JP3201131B2 - 重合反応缶内温度の制御方法 - Google Patents

重合反応缶内温度の制御方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は還流凝縮器を付設した重
合反応缶を用いて行う揮発性液状単量体の重合反応温度
の制御方法に関し、詳しくは還流凝縮器の機能低下を防
止しつつ反応熱を除去して反応温度を制御する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、重合反応の生産性を上げるため重
合反応缶が大型化されてきた。重合反応缶の大型化は一
バッチ当りの単量体仕込量は増大するが、反応熱除去の
ためのジャケット伝熱面積は相対的に減少する。そこ
で、反応時間を延さないため除熱の改良法として還流凝
縮器の活用が行われるようになった。
【0003】しかし、重合反応が進行するに伴い、非凝
縮性気体が還流凝縮器内に蓄積して還流冷却器の総括伝
熱係数が低下すること、重合反応系から揮発した単量体
気体に泡が同伴して還流凝縮器内をふさぐこと、などの
ため効果的に熱を除去できなくなるという問題があっ
た。なお、前記非凝縮性気体の発生源は、重合反応缶脱
気後の残存空気、単量体、水蒸気、各成分中に溶存して
いる窒素や空気、ラジカル開始剤の分解などで生じる炭
酸ガスや窒素などである。
【0004】前者の問題に対しては、(イ)非凝縮性気
体を含む未反応単量体の一部を間欠的に系外に放出する
と共に還流凝縮器の除熱量を制御変数として重合反応缶
内温度を制御する方法(特公平4−81601号)、
(ロ)発生した非凝縮性気体の一部を重合反応缶、還流
凝縮器に戻し、除熱量を微調整できるようにする方法
(特公平5−74601号)、(ハ)非凝縮ガスの少な
くとも1部を還流冷却器への蒸気の供給路へ導入可能と
し、冷却剤流量および非凝縮ガスの蒸気の供給路への導
入量によって制御する方法(特公平5−42442
号)、(ニ)凝縮器へ不活性ガスをわざわざ導入し、こ
の不活性ガスは導入口より上部もしくは上流側に設けた
排出ラインより不活性ガスを凝縮器外に排出することに
よる方法(特開平5−17504号)などが提案されて
いる。
【0005】後者の問題に対しては、(イ)凝縮器の冷
却水側に冷却水および熱水または蒸気を用い、これを調
節して重合器内の発泡を抑制する方法(特開昭57−2
12212号)、(ロ)予め重合系内に非凝縮ガスを導
入して重合を開始させ、その後、前記非凝縮ガスを重合
系外にパージする方法(特公平6−6607号)などが
提案されている。
【0006】しかしながら、これらの方法は前述の二つ
の問題点を同時に解消しようというものではなく、ま
た、これらの方法では制御系が複雑で現実に系を安定的
に制御することが難かしい。一方、非凝縮性気体の放出
に伴う揮発性単量体の回収工程の負荷の増大や生産性の
点から考えて還流凝縮器の除熱能力を低下させない範囲
で効率よく行うことが望まれる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は還流凝縮器の
非凝縮性気体を必要最小限放出して還流凝縮器の除熱安
定性を向上させ、重合反応温度を安定に制御する方法を
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、還流凝縮器を
付設した重合反応缶を用いて揮発性液状単量体の重合反
応を行うに際し、還流凝縮器頂部の気相温度と重合反応
缶内部の温度との間に1〜10℃、好ましくは2〜4℃
の温度差が生じたとき、還流凝縮器内部に蓄積した非凝
縮性気体を系外に排出することを特徴とする重合反応缶
内温度の制御方法に関する。
【0009】本発明は、要するに還流凝縮器頂部の温度
変化を検知して、還流凝縮器頂部にたまった非凝縮性ガ
スを系外に排出することにより、還流凝縮器の本来の機
能を発揮させ、もって重合系全体の温度コントロールを
正確に行うものである。ガス抜きを行う条件である前記
還流凝縮器頂部の気相温度と重合反応缶内部の温度との
間の温度差を1℃未満に設定すると頻繁にガス抜きを行
うことになり、その結果ガス抜きにさいし同伴して排出
される反応性単量体の量が全体として増大するので好ま
しくない。また、温度差が余り大きくなると、還流凝縮
器の除熱能力が低下するので、せいぜい10℃が限度で
ある。
【0010】還流凝縮器での除熱は冷却水と揮発性液体
単量体の気化気体との間の凝縮潜熱の授受により行われ
るが、重合反応缶上部の気相部には揮発性液体単量体の
気化気体の他に種々の非凝縮性気体が存在するので、こ
れにより還流凝縮器の伝熱抵抗が増加し、著しく除熱能
力が低下する。
【0011】還流凝縮器は本来、還流凝縮器頂部と底部
の気相部温度は同一である。しかしながら、(1)非凝
縮性気体の濃度増加、蓄積により重合反応缶気相部の温
暖気体の侵入ができなくなる、(2)また、還流凝縮器
の除熱能力の低下により、揮発性液体単量体などの凝縮
が減少し、単量体の凝縮熱の発生が少なくなる、(3)
一方、還流凝縮器頂部は冷却水による冷却あるいは外気
温による冷却により冷やされる、などの理由により還流
凝縮器頂部は温度低下を起す。すなわち非凝縮性気体濃
度と還流凝縮器除熱量は密接に関係があり、さらに還流
凝縮器頂部温度とも関係があるということである。よっ
て、この関係を利用すれば煩雑な除熱量計算を行うこと
なく、気相温度の実測により還流凝縮器能力を知ること
ができる。
【0012】本発明において、具体的な還流凝縮器から
のガス抜き方法としては、還流凝縮器気相設定温度条件
によりガス抜きする方法、さらには還流凝縮器気相温度
挙動とガス抜き効果の最適条件をあらかじめ設定してお
くことによるプログラム制御の方法などがある。
【0013】還流凝縮器の除熱能力は重合反応缶ジャケ
ットの除熱能力よりも大きくすることができるほど強力
である反面、重合温度制御性に難点がある。これは還流
凝縮器で除熱量を微少変化させることが難しいこと、迅
速な応答性が悪いことなどである。このことからみて、
還流凝縮器の除熱は反応初期の過度期を除きほぼ一定と
し、重合温度の制御は重合反応缶ジャケットによる除熱
で行うことで安定制御を行うことが好ましい。
【0014】重合反応の重合反応缶ジャケットを利用し
た除熱による安定制御は、例えばつぎのような条件範囲
内で行うことができる。 「重合反応缶ジャケットの冷却水のバルブ開度」が小
さいときは、発熱量が少ないので還流凝縮器の冷却水は
通水しないでよい(図6,7および表1参照)。 重合の開始にともなって「重合反応缶ジャケットの冷
却水のバルブ開度」が一定割合で増大し、この値がある
一定値以上になった段階(f1〜f2)で還流凝縮器の冷
却水量を一次関数的に漸減させる。但し、開度0の場合
は固定する(図6,7および表1参照)。 「重合反応缶ジャケットの冷却水のバルブ開度」が中
位の一定域(f2〜f3)にあるときは還流凝縮器の冷却
水のバルブ開度をその時の開度に固定する(図6,7お
よび表1参照)。 「重合反応缶ジャケットの冷却水のバルブ開度」があ
る一定値(f3)以上の場合は還流凝縮器の冷却水のバ
ルブ開度がある一定値(Fc:例えば70%)に達する
までは漸増し、その一定値(Fc)に達した以後はその
開度に保つ(図6,7および表1参照)。
【0015】
【表1】
【0016】本発明は、大気圧以上で反応を行う液相重
合反応に適用することが好ましく、例えば、ブタジエ
ン、イソプレン、ブテン−1、ヘキセン−1、プロピレ
ン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、無水マ
レイン酸、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニ
トリル、メタクリロニトリル、エチルアクリレート、ブ
チルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート等の単量
体の単独重合又はこれらの組合せの共重合にあたり、乳
化重合、微細懸濁重合又は懸濁重合の形において、本発
明を採用することができる。
【0017】一般に乳化重合や微細懸濁重合では、ラウ
リル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ステア
リン酸ナトリウム等のアニオン界面活性剤又は/及びポ
リオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレ
ンアルキルアリルエーテル、オキシエチレンオキシプロ
ピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、グリセリン脂肪酸エステル等のノニオン界面活性剤
が単量体の乳化、可溶化や微小重合体粒子の分散安定化
のために用いられる。又、懸濁重合においては部分鹸化
ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシ
プロピルセルロース、ゼラチン、ポリビニルピロリド
ン、スチレン−無水マレイン酸共重合体等の水溶性高分
子が単量体液滴の分散の目的で使用される。これらの界
面活性剤や分散剤が重合反応の媒体の水に溶解されてい
るため、揮発性液状単量体が急激に気化すると発泡を引
き起こし易い。
【0018】つまり、重合反応によっては還流凝縮器で
の除熱速度が大きすぎると揮発性液状単量体の急速な揮
発をひき起こし、これに伴って発泡を生じさせ、急激に
還流凝縮器に泡沫が入って伝熱の抵抗になり、また重合
体による閉塞が起こり全く除熱しなくなってしまうこと
があるため、発泡防止のための処置を行う必要がある。
おおむね、この時点は重合転化率が50%を越えた後で
発生する。
【0019】発泡防止の処置方法として、発泡時には還
流凝縮器の除熱量を減少させることにより除熱不能状態
を回避することができる。
【0020】このとき、発泡を検知する方法としては発
泡検知機を設置することによる他、還流凝縮器の冷却水
出口の水温下降速度により発泡を検知することができ
る。発泡検知と同時に還流凝縮器冷却水流量を低下させ
ることが好ましい。また、還流凝縮器の冷却水出口温度
がなお低下する場合には、さらに還流凝縮器冷却水流量
を低下させる。こうして発泡を抑える範囲内において自
動調節することが好ましい。
【0021】還流冷却器の冷却水出口温度の下降速度が
大きいと、泡が還流凝縮器に侵入してくる。ある一定の
大きさの下降速度になったら還流凝縮器の冷却水量を低
減することにより下降速度を低減させ、又は冷却水出口
温度を上昇に転じせしめ、還流凝縮器を円滑に機能させ
ることができる。発泡させない限界の大きさの下降速度
は重合反応缶と還流冷却器の伝熱面積比や仕込み処方に
よって異なるので、予備的に検討して定めることが好ま
しい。一般的には、0.2℃/min以上の大きさの下
降速度になると発泡が起き易い。
【0022】図1は重合反応缶と還流凝縮器の重合温度
制御方法の一例である。図中の1は重合反応缶、2は還
流凝縮器、3は非凝縮性気体(揮発性媒体含む)排出自
動弁、4および5は冷却水調節自動弁、TIC1は還流
凝縮器頂部温度調節計、TIC2は重合反応缶内温度調
節計、TIC3は還流凝縮器冷却水出口温度調節計をそ
れぞれ示している。重合温度の制御は重合反応缶内温度
調節計TIC2により行い、還流凝縮器冷却水調節自動
弁4の開閉は、例えば重合反応の発熱パターンに合わせ
て徐々に除熱を大きくし、やがて一定に設定された割合
の除熱を行う。
【0023】還流凝縮器での熱除去は、反応初期では小
さい負荷に留める必要がある。それは一般に重合反応の
初期は反応速度が小さく発熱量も小さいので、この時期
に還流凝縮器で多量の熱除去を行うと単量体の気化量が
多くなって発泡するからである。従って、反応の前半は
還流凝縮器の冷却水量は少量から開始して徐々に増加し
て所定の流量に到達させる方法を採ることが好ましい。
この所定流量到達時点は反応処方により異なるが重合転
化率の25〜50%の範囲内である。反応前半の還流凝
縮器の冷却水量を漸増させる方法としては、重合反応缶
ジャケット冷却水量を関数として調節する方法が好まし
い。
【0024】本発明の態様を以下に列挙する。 (1) 還流凝縮器を付設した重合反応缶を用いて揮発
性液状単量体の重合反応を行うに際し、還流凝縮器頂部
の気相温度と重合反応缶内部の温度との間に1〜10℃
の温度差が生じたとき、還流凝縮器内部に蓄積した非凝
縮性気体を系外に排出することを特徴とする重合反応缶
内温度の制御方法。 (2) 還流凝縮器を付設した重合反応缶を用いて揮発
性液状単量体の重合反応を行うに際し、重合反応缶ジャ
ケットの冷却水量の関数として還流凝縮器の冷却水量を
制御し、かつ還流凝縮器頂部の気相温度と重合反応缶内
部の温度との間に1〜10℃の温度差が生じたとき、還
流凝縮器内部に蓄積した非凝縮性気体を系外に排出する
ことを特徴とする重合反応缶内温度の制御方法。 (3) 前記所定の温度差が2〜4℃である(1)また
は(2)記載の重合反応缶温度の制御方法。 (4) 重合転化率が50%以上になったとき、発泡検
知器により、および/または還流凝縮器の冷却水出口温
度の下降速度の変化により、発泡を検知し、還流凝縮器
の冷却水流量を抑制することにより発泡を抑える
(1)、(2)または(3)記載の重合反応缶内の温度
制御方法。
【0025】
【実施例】以下に実施例および比較例を示し、具体的に
本発明を説明するが、これにより本発明を限定するもの
ではない。
【0026】実施例1 内容積20m3の耐圧重合反応缶の気相部に伝熱面積4
0m2の還流凝縮器を設置したポリ塩化ビニル製造設備
とは別に、同容積の耐圧混合機にイオン交換水8300
kg、塩化ビニルモノマー9700kg、油溶性重合開
始剤ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート
4.55kg、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
30%水溶液160kg、ラウリルアルコール100k
gを仕込んで予備混合し、ホモジナイザーにより均質化
処理した溶液を前記重合反応缶に仕込み、内温46.5
℃まで撹拌しながら重合反応缶ジャケットにより加温し
て重合反応を開始させた。反応開始直後は発熱量が少な
いため還流凝縮器での除熱は行わず、1時間目から還流
凝縮器での除熱を開始した。還流冷却器への通水量は重
合反応缶ジャケット冷却水量を設定値として制御して増
加させ、5時間目で一定通水量とした。還流凝縮器の気
相部温度を温度調節計により重合温度より2℃以上低下
しないように還流凝縮器気相部からガス抜きを行った。
即ち、気相部温度が重合温度より2℃低下した時点で1
〜5時間目迄は図2に示すような時期に計13回、その
都度1分間ガス抜きし、5〜11.5時間目迄は図2に
示すような時期に計6回、その都度15秒間ガス抜きし
た。放出ガス速度は2.6Kg/分であった。還流凝縮
器の冷却水(6℃)の水量は1時間目から徐々に上げ、
6.3時間目以後は一定流量で通水することにより還流
凝縮器での除熱量は190±30Mcal/hrで一定
とした。11時間45分後重合転化率が87.5%とな
った時点で重合反応缶を冷却して反応を終了した。重合
反応缶内温度は非定常の反応開始1時間半までを除き4
6.5±0.3℃で安定していた。(図2参照)
【0027】実施例2 還流凝縮器への冷却水通水に関し、1時間目からの漸増
量及び5時間目からの一定量共に10%増しにした他は
実施例1と同様に重合反応を実施し、還流凝縮器での除
熱量は220±30Mcal/hrに推移した。ガス抜
きの時期と回数は図3に示した。10時間15分の時点
で還流凝縮器冷却水出口温度の下降速度が発泡検知プロ
グラムの設定値である0.4℃/minとなったので還
流冷却器への冷却水通水量を低減し、還流凝縮器での除
熱量は190±30Mcal/hrに低下させたが円滑
に除熱を行うことができた。12時間50分で、重合転
化率が88.0%となった時点で重合反応缶を冷却して
反応を終了した。重合反応缶内温度は非定常の反応開始
1時間半までを除き46.5±0.3℃で安定してい
た。(図3参照)
【0028】実施例3 実施例2と同様に重合反応を開始させた後、反応開始1
時間目から発泡検知プログラムを用いないで、図5に示
すようにガス抜きを行いつつ還流凝縮器での除熱を実施
した。反応終了1時間前に還流凝縮器の冷却水出口温度
が急激に低下し、発泡のため還流凝縮器が除熱能力が低
下してきた。(なお、還流凝縮器の冷却水流量は徐々に
増加させ、設定流量に到達した後、一定流量で通水し
た。)このため、還流凝縮器での除熱量の減少により重
合終了前のわずかの時間、重合温度が約0.5℃上昇し
た。(図4参照)
【0029】比較例1 実施例1と同様に重合反応を開始させた後、反応開始1
時間目から還流凝縮器での除熱を実施した。還流凝縮器
のガス抜きは図4に示すように還流凝縮器の除熱量が低
下した時点で行った結果、重合温度が上昇し、以後ハン
チングが生じた。なお、還流凝縮器の冷却水流量は実施
例1と同様徐々に増加させ、設定流量に到達した後、一
定流量で通水した。(図5参照)
【0030】
【効果】本発明は、還流凝縮器内の非凝縮性気体を必要
最小限だけ放出し、還流凝縮器が一定量の熱を安定して
除去できるようにすることに成功した。また、発泡防止
手段との併用により、一層還流凝縮器の機能を安定化さ
せることができた。これにより、重合反応缶の温度制御
が高い精度で達成することができた。さらに発泡防止に
より還流凝縮器のクリーニング頻度が減少することによ
り、重合生産性の向上とクリーニング費用の削減が可能
となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は重合反応缶と還流凝縮器の重合温度制御
系の略図である。
【図2】図2は実施例1の実施方法での重合温度、還流
凝縮器冷却水出口温度、還流凝縮器頂部温度の変化を表
すグラフである。
【図3】図3は実施例2の実施方法での重合温度、還流
凝縮器冷却水出口温度の変化を表すグラフである。
【図4】図4は実施例3の実施方法での重合温度、還流
凝縮器冷却水出口温度の変化を表すグラフである。
【図5】図5は比較例1の実施方法での重合温度、還流
凝縮器冷却水出口温度の変化を表すグラフである。
【図6】図6は重合反応缶ジャケット冷却水量と時間と
の関係を表すグラフである。
【図7】図7は還流凝縮器の冷却水冷却水量と時間との
関係を表すグラフである。
【符号の説明】
1 重合反応缶 2 還流凝縮器 3 非凝縮性気体(揮発性媒体含む)排出自動弁 4 還流凝縮器冷却水調節自動弁 5 重合反応缶ジャケット冷却水調節自動弁 6 還流凝縮器頂部 TIC1 還流凝縮器頂部温度調節計 TIC2 重合反応缶内温度調節計 TIC3 還流凝縮器冷却水出口温度調節計

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 還流凝縮器を付設した重合反応缶を用い
    て揮発性液状単量体の重合反応を行うに際し、還流凝縮
    器頂部の気相温度と重合反応缶内部の温度との間に1〜
    10℃の温度差が生じたとき、還流凝縮器内部に蓄積し
    た非凝縮性気体を系外に排出することを特徴とする重合
    反応缶内温度の制御方法。
  2. 【請求項2】 還流凝縮器を付設した重合反応缶を用い
    て揮発性液状単量体の重合反応を行うに際し、重合反応
    缶ジャケットの冷却水量の関数として還流凝縮器の冷却
    水量を制御し、かつ還流凝縮器頂部の気相温度と重合反
    応缶内部の温度との間に1〜10℃の温度差が生じたと
    き、還流凝縮器内部に蓄積した非凝縮性気体を系外に排
    出することを特徴とする重合反応缶内温度の制御方法。
  3. 【請求項3】 重合転化率が50%以上になったとき、
    発泡検知器により、および/または還流凝縮器の冷却水
    出口温度の下降速度の変化により、発泡を検知し、還流
    凝縮器の冷却水流量を抑制することにより発泡を抑える
    請求項1または2記載の重合反応缶内温度の制御方法。
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