JP3200590B2 - 電子レンジ調理用調味料 - Google Patents

電子レンジ調理用調味料

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JP3200590B2
JP3200590B2 JP14103198A JP14103198A JP3200590B2 JP 3200590 B2 JP3200590 B2 JP 3200590B2 JP 14103198 A JP14103198 A JP 14103198A JP 14103198 A JP14103198 A JP 14103198A JP 3200590 B2 JP3200590 B2 JP 3200590B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、肉、魚等の材料に
添加して電子レンジで調理するのに有用な電子レンジ調
理用調味料に関するものであり、更に詳しくは、一般
に、電子レンジ調理の欠点とされていた調理時における
当該材料からの離水、肉汁等の遊離を防ぎ、やわらかな
食感と材料本来の旨味を保つようにすると共に、調理食
品の表面に通常の油揚げ等で加熱調理したものと同等の
こんがりとした外観を付与することが可能であり、しか
も、その特性により調理時における操作性を顕著に改善
することが可能な電子レンジ調理用調味料に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、食産業へのハイテク技術の導入
と、それを中心とした革新的な調理技術の発展に伴い、
種々の調理技術及び調理器具が実用化され普及する中
で、安全で、しかも簡便さを有する電子レンジの普及と
マイクロ波加熱による調理技術の発展はめざましいもの
があり、家庭用及び業務用の両者において、各種の電子
レンジ調理製品の研究及び開発競争が活発化する傾向に
ある。
【0003】このように、電子レンジによる調理技術及
び関連製品の研究及び開発が活発化する中で、電子レン
ジ調理用食品関連製品も広汎な分野に及びつつあり、従
来、もっぱら、一般的な冷凍食品の解凍や食品の迅速加
熱調理を中心として利用されてきた電子レンジ及びマイ
クロ波加熱技術も、専用の電子レンジ調理用食品が開発
されるに及んで、その応用領域が飛躍的に拡大化されつ
つあり、例えば、電子レンジ調理用食品の種類も、当初
に開発された電子レンジ調理用ケーキプレミックスか
ら、現在では、天ぷら製品、フライ食品、スナック類、
畜肉及び魚介類製品、揚げ物製品等に至るまで、きわめ
て幅広い食品の製品化が行われており、当該分野におい
ては、これまでに多種多様の製品及び加工技術の開発例
が報告されている。
【0004】このような、各種の電子レンジ調理用食品
の中にあって、とりわけ、本発明者らが開発目標として
きた肉、魚等の材料を中心とした電子レンジ調理用食
品、及びそれと関連する食品について、これまでの開発
例をいくつか例示的にあげると、その代表的なものとし
て、以下のようなものがあげられる。
【0005】すなわち、まず、フライ食品に関するもの
として、従来、各種の製品及び製法が提案されており、
例えば、油ちょうした直後のフライ食品と同様の食感が
得られる電子レンジ調理用フライ食品に関するものとし
て、熱凝固性を有する起泡剤で含気させた小麦粉、水、
調味料からなるバッターに食品素材を浸漬した後、パン
粉を付着させて油ちょうし、凍結することを特徴とする
電子レンジ調理用冷凍フライ食品の製造方法(特開昭6
4−60334号公報)、また、解凍後離水がほとんど
なく長時間保存しても品質低下のないフライ食品に関す
るものとして、中種に生澱粉等からなるバッター液を付
け、ころもがけした後マイクロ波加熱することを特徴と
するフライ食品ころも材の製造法(特開昭59−162
844号公報)、また、通常のできたてのフライ同様の
食感、風味、クリスピー感等を実現することを目的とす
る電子レンジ用フライ様食品を提供するものとして、食
品基材の外側に、少なくともバッター層、第1ブレッダ
ー層、エマルジョン層及び第2ブレッダー層がこの順に
形成されていることを特徴とする電子レンジ用フライ食
品(特開平2−16937号公報)、等が提案されてい
る。
【0006】また、電子レンジ調理用天ぷら製品に関す
るものとして、例えば、粉末状小麦蛋白、粉末状乳蛋白
濃縮物、コーンフラワー、コーンスターチのうち少なく
とも3品を含むことを特徴とする天ぷら用打粉配合品
(特開平4−187058号公報)、等が提案されてい
る。
【0007】また、唐揚げ製品に関するものとして、例
えば、電子レンジで加熱調理するのみで油揚げをしたの
と同様の外観及び食感を有する食品を提供することを目
的とするものとして、ナッツ類の粗砕物等の難水和性粒
状物質と、卵白粉、小麦蛋白質粉末等の高蛋白質粉末
と、穀粉及び/又は澱粉類と、着色料とを含有すること
を特徴とする唐揚げ用ミックス粉(特開昭63−233
751号公報)、また、揚げあがりの外観が好ましく、
肉の臭みや揚げ衣の臭みの無い唐揚げ用ミックス粉を得
ることを目的とするものとして、単糖類、カゼイン、乾
燥卵白、アミノ酸、粉砕した茶の葉、粉末醤油を含むこ
とを特徴とする唐揚げ用ミックス粉(特開平4−187
059号公報)、等が提案されている。
【0008】更に、通常のフライパン等で加熱調理した
焼き物と同等の焼き色をした魚介類の調理食品を得るこ
とを目的とするものとして、調理もしくは未調理の魚介
類又はその加工品を和紙等で包んで加熱調理する際に、
これら魚介類又はその加工品の水分を、加熱時にドリッ
プが出ない程度に調整してから、その表面にキシロー
ス、グルコース等の糖類を含む塗布液を塗布し、その
後、前記和紙等を介して電子レンジにより魚介類又はそ
の加工品を誘電加熱することを特徴とする魚介類の調理
製造方法(特開昭63−296667号公報)、等が提
案されている。その他、油ちょう後、電子レンジによる
再加熱を経て揚げ物、天ぷら及びフライ食品特有の衣の
食感、外観を維持できる揚げ物用衣材、天ぷら用衣材及
びフライ食品用衣材(特開平7−67565号公報、特
開平9−173001号公報及び特開平9−20601
6号公報)が提案されている。
【0009】上記のように、肉、魚等の材料を対象とす
る電子レンジ調理用食品の開発例は、多岐に及んでお
り、これらの中には、例えば、冷凍揚げ物製品を解凍、
加熱して通常の揚げ物製品に遜色のない製品を得ること
を目的としたいわゆる一般的な電子レンジ解凍及び加熱
に関するもののみならず、例えば、電子レンジ調理によ
り、通常の揚げ物製品、焼き物製品と同等の外観、風
味、食感等を付与することを目的としたものも提案され
ているが、後者にあっても、例えば、前記した唐揚げ用
ミックス粉の例にみるように、特定の製品を対象とした
特定の組成のものに限られており、しかも、その改善目
標も、製品の外観、風味、食感等を中心としたものにほ
とんど限られており、従って、従来の開発例をみても、
本発明が一つの目標としている調理時における操作性の
改善、調理器具、及び包装袋等への付着性の改善等の問
題について言及しているものは、全く見当たらないとい
うのが実情であった。
【0010】このように、従来、電子レンジ調理用食品
が種々開発されているものの、いずれも、特定の製品を
対象とした個別的な技術に関するもの、食感、風味、物
性面での改善を中心としたもの等がほとんどであり、と
りわけ、肉、魚等の材料を用いた焼成製品、唐揚げ様製
品であって、通常の加熱、焼成調理を施した製品と同等
の加熱、焼成効果を製品に付与することが可能な電子レ
ンジ調理加工技術については、その開発例が限られてお
り、しかも、従来の肉、魚等の材料を使用した製品にお
いては、実際の調理にその前処理を含めて手間と時間を
要する等の問題点を有するものが多く、従って、前記し
たような製品の外観、風味、食感等を通常の調理製品と
同等のものになし得るだけではなく、電子レンジ調理の
本来の目標である調理時における操作性を改善し、簡
便、かつ迅速に調理することが可能な電子レンジ調理用
素材、製品、及び加工技術を開発することが当業界にお
いて強く要請されている状況にあった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】このような状況を踏ま
え、本発明者らは、前記したような従来の問題点を解決
すると共に、肉、魚等の材料からなる調理製品を電子レ
ンジで調理するだけで、通常の加熱、焼成調理手段によ
り製造した製品と同等の外観、風味、食感等を有するの
みならず、当該調理時における操作性を改善し、電子レ
ンジ調理技術が本来目標としている簡便性、迅速性をそ
のまま生かした形で調理することが可能な新しい調理素
材、製品及び調理技術を開発することを目標として鋭意
研究を積み重ねる中で、その成分特性によって、製品の
表面部における電波吸収力を高めその加熱効率を向上さ
せることが可能であること、同時に、調理時の操作性を
顕著に改善し得る特定の組成及び特性からなる電子レン
ジ調理用調味料を使用することによって、所期の目的を
達成し得ること、等の知見を得て、先に、特許出願(特
開平7−227241号公報)をした。本発明者らは、
上記特許出願を踏まえて、更に研究を進める中で、食塩
を含む調味料を均一に食材にまぶすことが重要であるこ
と、及び上記調味料を均一に食材にまぶす方法として、
加工澱粉の配合が重要であること等を見い出し、本発明
を完成するに至った。
【0012】すなわち、本発明は、肉、魚等の材料に添
加して電子レンジで調理することにより、従来、電子レ
ンジ調理の欠点であるとされていた当該材料からの離
水、肉汁等の遊離を確実に防ぎ、やわらかな食感と材料
本来の旨味を保つようにすることができる電子レンジ調
理用調味料を提供することを目的とするものである。ま
た、本発明は、食材表面部分の電波吸収力を高め、肉、
魚等の材料を電子レンジで調理することにより、通常の
油揚げ等で加熱調理したものと同等のこんがりとした外
観を付与することができる電子レンジ調理用調味料を提
供することを目的とするものである。また、本発明は、
肉、魚等の材料の表面のころもを、卵白、アルブミン、
小麦粉等の熱凝固性蛋白を使用した場合よりもしっかり
と保持することを可能にすると共に、材料からの離水、
肉汁等の遊離を確実に防ぐことが可能な電子レンジ調理
用調味料を提供することを目的とするものである。更
に、本発明は、材料個々に対し均等に調味料の粉をまぶ
すことができ、しかも、その粉が調理器具、その他に付
着するのを防止するのに顕著な効果があり、手で材料に
調味料をまぶしてから電子レンジで加熱するまでの調理
作業をきわめてスムーズ、かつ簡便に行うことができる
と共に、材料を均一に焼き上げることができると云う優
れた特性を有する電子レンジ調理用調味料を提供するこ
とを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明は、次の(1)〜(6)の技術的手段からな
る。 (1)食塩とアミノ酸又は食塩とアミノ酸を含有する粉
末醤油、及び加工澱粉を含有してなることを特徴とする
電子レンジ調理用調味料。 (2)食塩とアミノ酸又は食塩とアミノ酸を含有する粉
末醤油、澱粉類及び/又は穀類、及び加工澱粉を含有し
てなることを特徴とする電子レンジ調理用調味料。 (3)食塩とアミノ酸又は食塩とアミノ酸を含有する粉
末醤油、澱粉類及び/又は穀類、熱凝固性ゲル化剤、及
び加工澱粉を含有してなることを特徴とする電子レンジ
調理用調味料。 (4)澱粉類及び/又は穀類が、馬鈴薯澱粉及び/又は
コーンフレークである前記(2)又は(3)記載の電子
レンジ調理用調味料。 (5)熱凝固性ゲル化剤が、カードラン、卵白粉、熱凝
固性乳蛋白から選ばれた1以上である前記(3)記載の
電子レンジ調理用調味料。 (6)加工澱粉が、リン酸架橋澱粉である前記(1)〜
(3)のいずれか1に記載の電子レンジ調理用調味料。
【0014】
【発明の実施の形態】続いて、本発明について、更に詳
細に説明する。本発明は、前記したように、食塩とアミ
ノ酸又は食塩とアミノ酸を含有する粉末醤油、及び加工
澱粉、更には、澱粉類及び/又は穀類を含有してなるこ
とを特徴とする電子レンジ調理用調味料に関するもので
あり、とりわけ、肉、魚等の材料に添加して電子レンジ
で調理するのに有用な電子レンジ調理用調味料製品に関
するものである。この場合、最終製品としては、いわゆ
る肉又は魚をそのまま焼成した焼成製品、照り焼き様製
品、ころもを付加して焼成した唐揚げ様製品等、更に具
体的に云えば、鳥の唐揚げ、焼き鳥、ブリの照り焼き、
さばの龍田揚げ等の製品が代表的なものとして例示され
るが、これらに限らず、これらと同等又は類似のもので
あれば、その種類を問わず対象とすることができる。従
って、本発明で云うところの肉、魚等の材料も、畜肉、
魚介類をはじめ、それと同等又は類似のものであれば、
その種類及び形態を問わず対象とされる。
【0015】次に、本発明の電子レンジ調理用調味料の
必須成分であるところの食塩とアミノ酸又は食塩とアミ
ノ酸を含有する粉末醤油の後者としては、液状醤油の粉
末加工品等の如く、当該食塩とアミノ酸を含有するもの
であれば、特に限られるものではなく、その種類を問わ
ず使用することができる。また、本発明で云うところの
当該粉末醤油は、同効の合成品をも含むものとして定義
される。上記必須成分の配合量は調理に用いる肉、魚等
の材料の量に応じて任意に定め得るが、例えば、本発明
の電子レンジ調理用調味料中に塩分が2〜20重量%、
より好ましくは3〜10重量%の割合で含まれるように
することが望ましい。
【0016】本発明で用いる加工澱粉としては、食品用
加工澱粉が好ましく、例えば、アセチル澱粉などのエス
テル化澱粉、アジピン酸架橋アセチル澱粉やリン酸架橋
アセチル澱粉などのエステル化澱粉に架橋処理したも
の、ヒドロキシプロピル澱粉などのエーテル化澱粉、リ
ン酸架橋などの架橋処理澱粉、及びリン酸架橋ヒドロキ
シプロピル澱粉などのエーテル化澱粉に架橋処理したも
のが挙げられ、α化した澱粉であることが好ましい。こ
れらのうち、特にリン酸架橋澱粉が好ましい。また、本
発明で使用される熱凝固性ゲル化剤としては、カードラ
ン、卵白粉、熱凝固性乳蛋白、等が使用される。カード
ランは、一般に、β−1,3−グルコシド結合を主体と
する加熱凝固性多糖類として知られているものであり、
例えば、アルカリゲネス属、アクロバクテリウム属の菌
等が生産するものとして知られている通常のカードラン
の粉末、顆粒製品等を使用することができる。
【0017】更に、本発明の1態様として配合される澱
粉類及び/又は穀類としては、いわゆる唐揚げのころも
材として使用される通常の澱粉類、穀類であればその種
類を問わず使用することができ、例えば、コーンスター
チ、馬鈴薯澱粉、甘薯澱粉、コーンフレーク、小麦粉、
米上新粉、白玉粉等があげられる。
【0018】本発明の電子レンジ調理用調味料は、前記
した適宜の形態に予め加工した肉、魚等の材料に直接添
加する形で使用されるが、その場合、当該調味料を簡
便、かつ迅速にその表面部に均一に付着させると共に、
調理器具等、その他への付着を確実に抑制し、調理時に
おける操作性を顕著に改善することを可能とするため
に、当該調味料中に、必須成分として前記加工澱粉を配
合することが重要である。また、前記した如く、調理時
の操作性を向上せしめるために、本発明の電子レンジ調
理用調味料は、その形態としては、粉末状、顆粒状等の
形態に加工して使用されるが、この場合、粉末状と同等
又は類似のものであれば適宜採用することができる。
【0019】本発明の電子レンジ調理用調味料は、第1
の態様として、前記したような食塩とアミノ酸又は食塩
とアミノ酸を含有する粉末醤油、及び加工澱粉を原料中
に配合することにより製造されるが、その場合の原料配
合は、食塩2〜20部とアミノ酸0.1〜5部又は食塩
とアミノ酸を含有する粉末醤油を5〜40部、加工澱粉
を5〜80部、とすることが好適なものとしてあげられ
る。また、本発明の電子レンジ調理用調味料は、第2の
態様として、前記したような食塩とアミノ酸又は食塩と
アミノ酸を含有する粉末醤油、加工澱粉、及び澱粉及び
/又は穀類を原料中に配合することにより製造される
が、その場合の原料配合は、食塩2〜20部とアミノ酸
0.1〜5部又は食塩とアミノ酸を含有する粉末醤油を
5〜40部、加工澱粉を3〜50部、澱粉及び/又は穀
類を2〜50部、とすることが好適なものとしてあげら
れる。更に、本発明の電子レンジ調理用調味料は、熱凝
固性ゲル化剤を配合することができる。その他、必要に
応じて、糖類、香辛料、調味材、カラメル等を配合する
ことができる。
【0020】これらの場合、原料配合の具体的方法は、
通常の粉体混合装置、例えば、V型ミキサー、リボンミ
キサー等により一括混合する方法等が例示されるが、こ
れに限らず、これらを順次配合してもよく、また、前記
した基本原料成分に加え、他の原料成分を付加してもよ
い。このようにして製造される本発明の電子レンジ調理
用調味料は、前記した適宜の形態の肉、魚等の材料に適
宜の手段で添加し、その表面部に均一に付着させるよう
にして使用されるが、この場合、例えば、肉又は魚のス
ライス片を本発明の電子レンジ調理用調味料と共に例え
ば、ビニール包装袋等の適宜の包装袋中に収納し、全体
を軽く振るようにすれば簡便、かつ迅速に当該スライス
片の表面に当該調味料を均一に付着させることができ
る。このように、本発明の電子レンジ調理用調味料は、
適宜の包装袋と組み合わせて使用し得る点で、包装袋へ
の付着性の問題があってその実現化が困難であった従来
の製品にない長所を有する。
【0021】このようにして材料の表面に本発明の電子
レンジ調理用調味料を添加した後、電子レンジで調理す
ることにより、従来、電子レンジ調理の欠点とされてい
た当該材料からの離水、肉汁等の遊離が確実に防止され
ると共に、通常の油揚げやフライパン等で加熱調理した
ものと同等のこんがりとした外観を付与することがで
き、これによって、やわらかな食感と材料本来の旨味を
保つようにすることができる。尚、この場合、本発明の
電子レンジ調理用調味料は、電子レンジと同等のマイク
ロ波加熱調理装置であれば、その種類を問わず使用し得
るものであることは云うまでもない。
【0022】以上のように、本発明の電子レンジ調理用
調味料は、最終製品の外観、風味、食感等を通常の加
熱、調理手段で調理したものと同等のレベルで付与する
ことが可能であるが、それだけではなく、従来のものと
比較して、材料表面に調味料を均一に付着させる前処理
操作がきわめて簡便、かつ迅速に行えるようになり、そ
の調理時における操作性が顕著に改善され、電子レンジ
調理技術が本来目標としているところの簡便、かつ迅速
な調理を確実に実現化することを可能にしたと云う点
で、従来の製品にみられない格別な特徴を有するもので
ある。
【0023】尚、このような効果をもたらす本発明の電
子レンジ調理用調味料の特性及び作用について更に説明
すると、電子レンジで加熱した際に、マイクロ波による
材料内部から表面部への加熱と共に、材料の表面に均一
に付着させた食塩とアミノ酸又は食塩とアミノ酸を含有
する粉末醤油が材料表面部の電波吸収力を高め、それに
よって、材料表面部から内部への加熱状態をも得ること
ができ、加熱効率を向上することができるため、材料全
体を均一に、かつ迅速に加熱することができるようにな
ると共に、食材表面全体を均一にまぶすことで、電波の
食材中心部への集中を防ぐことができ、これによって、
食材からの離水、肉汁等の遊離が防止され、ふっくらと
していてやわらかな食感に仕上がり、また、材料本来の
旨味を保つことができるようになるものと考えられる。
【0024】また、加工澱粉は、サラサラとして流動性
を調味料に付与することができ、濡れた食材に触れても
低粘度を保持して「ままこ」の形成を防止することがで
きる。また、澱粉類及び/又は穀類は、ころも形成機能
を有するものとして使用されるが、前記した各成分と併
用する形で当該ころもを付着させた場合は、単独使用の
場合と比較して、いわゆる唐揚げ様の製品を簡便、かつ
迅速に得ることができる。
【0025】また、熱凝固性ゲル化剤は、ころもの保
持、離水防止に有用であり、とりわけ、カードランが優
れているが、これと卵白粉を併用することで、更にころ
もの保持、離水防止効果が向上する。カードランは、加
熱前においては水に溶けず、加熱することにより熱水に
溶ける性質を有すると共に、また、ゲル化により材料全
体の結着性を高める作用を有する。この場合、熱凝固性
ゲル化剤であるカードランが70〜100℃(常法によ
る電子レンジ調理では表面温度が100℃以上とはなら
ない。)と云う温度でゲル化して、材料表面のころも
を、通常の熱凝固性蛋白(卵白、アルブミン、小麦粉
等)よりもしっかりと保持すると共に、材料からの離
水、肉汁等の遊離を防ぐ作用を有する。
【0026】更に、当該結着性のみならず、本発明者ら
の知見によれば、当該カードランを配合した場合、本発
明の電子レンジ調理用調味料の調理時における調理器
具、包装袋等への付着を抑制し、調理時の操作性を顕著
に改善する特性が得られることが分った。従って、本発
明の電子レンジ調理用調味料を使用すれば、当該調味料
を適宜の包装袋と組み合わせてなる簡便な形の使用形態
で製品化することが可能となる。また、糖類は、糖とア
ミノ酸及び糖単独による褐変が生起することにより製品
の表面に照りを付与すると共に、若干の電波吸収作用を
も有する。その他、風味付けとして、胡椒、ジンジャー
等の香辛料、グルタミン酸ナトリウム、ガーリックパウ
ダー(特に、ローストしたものが好ましい)、オニオン
パウダー、肉類・魚介類のパウダー品等の調味材、色付
けとして、カラメル等を適宜配合することができる。
【0027】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明するが、本発明は当該実施例のみに限定されるもので
はない。 実施例1 (1)以下の原料を混合して、本発明の電子レンジ調理
用調味料を調製した。 粉末醤油(塩分34%) 13重量部 馬鈴薯澱粉 6重量部 コーンフレーク粉砕物 18重量部 加工澱粉(α化リン酸架橋澱粉) 21重量部 グラニュー糖 18重量部 カードラン 11重量部 乾燥卵白 6重量部 香辛料 3重量部 カラメル 2重量部 グルタミン酸ナトリウム 2重量部 100重量部 (塩分4.59%)
【0028】(2)約3cm角の大きさに切った生の豚
もも肉13個、前記で得られた調味料15gをビニール
性透明包装袋中に収納し、当該包装袋中に空気を入れて
膨らませ、全体をよく振るようにして、当該調味料を豚
もも肉の表面にまんべんなくまぶすようにして付着させ
た。 (3)当該調味料を付着させた豚もも肉をビニール性透
明包装袋から別途皿上に移し替え、その上にキッチンペ
ーパーを載せて電子レンジ(500W)にて1分間加熱
調理して唐揚げ様豚もも肉を得た。
【0029】比較例 (1)加工澱粉27重量部に代えて、通常の小麦粉27
重量部を用いる以外は、実施例1と同様にして粉末状の
電子レンジ調理用調味料を調製した。 (2)〜(3)その他は実施例1と同様にした。
【0030】比較試験 実施例1、比較例で得られた加熱調理後の角13個の豚
もも肉について、その表面部における誘電損をHP85
070A誘電体測定用プローブキット(ヒューレット・
パッカード社製、米国)により測定した。その結果を図
1に示す。尚、図1中「e’’」は誘電損を表し、この
e’’の誘電損は、エネルギーが熱に変わってしまう程
度(加熱のされ易さ)を表すものとして示される。この
図1から明らかなように、実施例1で得られた13個の
豚もも肉のうち12個が、e’’が21より高い値を示
すのに対し、比較例で得られた13個の豚もも肉のうち
9個についてはe’’が21より低い値を示している。
ここで、e’’が21より高い値を示す豚もも肉は、そ
の表面に対して、食塩とアミノ酸を含有する粉末醤油の
含まれている調味料が均一にまぶさっているため、この
部分の電波吸収力が高められており、一方、21より低
い値を示す豚もも肉(特に19より低い値を示すもの)
は、その表面に対して、食塩とアミノ酸を含有する粉末
醤油の含まれている調味料が均一にまぶせられていない
ため、この部分の電波吸収力が比較的低くなっているも
のと考えられる。また、これらを食したところ、e’’
が21より高い値を示したものについては、やわらかな
食感を有し、噛むと豚もも肉内部から肉汁が染み出てき
てジューシー感があり豚もも肉本来の旨味が良好に保た
れていた。一方、e’’が21より低い値を示したもの
(特に19より低い値を示したもの)は、ゴリゴリとし
た食感で噛み切り難く、豚もも肉内部からの肉汁の染み
出しがなくパサパサとしていてジューシー感がなく豚も
も肉本来の旨味が保たれていなかった。
【0031】実施例2 酢豚の調理 (酢豚用調味料の調製) (1)実施例1と同様の粉末状の電子レンジ調理用調味
料を調製した。 (2)以下の原料を混合加熱して、酢豚用ソースを調製
した。 トマトケチャップ 6重量部 トマトペースト 4重量部 果汁 2重量部 砂糖 20重量部 グルタミン酸ナトリウム 2重量部 馬鈴薯澱粉 3重量部 肉エキス 4重量部 食酢 13重量部 水 46重量部 100重量部
【0032】(調理) (1)人参50gを電子レンジ(500W)にて1分間
加熱した。 (2)約2cm角の大きさに切った豚肩ロース肉200
g、粉末状の電子レンジ調理用調味料14gをビニール
性透明包装袋中に収納し、当該包装袋中に空気を入れて
膨らませ、全体をよく振るようにして、当該調味料を豚
肩ロース肉の表面にまんべんなくまぶすようにして付着
させた。 (3)豚肩ロース肉をビニール性透明包装袋から別途皿
上に移し替え、その上にキッチンペーパーを載せて電子
レンジ(500W)にて3分間加熱した。(4)油をひ
いたフライパンで玉葱200gを炒め、次いでピーマン
60g、しいたけ25g及び・で加熱した人参を加えて
更に炒め、これに・で得た豚ロース肉及び酢豚用ソース
140gを加えて酢豚に仕上げた。 得られた酢豚は、豚肩ロース肉がこんがりとした外観と
やわらかな食感を有し、噛むと内部から肉汁が染み出て
きてジューシー感があり豚肩ロース肉本来の旨味が良好
に保たれており、ソースの風味と調和して良好な食味を
呈するものであった。
【0033】
【発明の効果】以上詳述したとおり、本発明は、食塩と
アミノ酸又は食塩とアミノ酸を含有する粉末醤油、加工
澱粉、更には、澱粉及び/又は穀粉を含有してなること
を特徴とする電子レンジ調理用調味料に関するものであ
り、本発明によれば、肉、魚等の材料に上記調味料を添
加して電子レンジで調理することにより、電子レンジ調
理の欠点である材料からの離水、肉汁等の遊離を防ぎ、
やわらかな食感と材料本来の旨味を保つようにすること
ができる。
【0034】また、通常の油揚げ等で加熱調理したもの
と同等のこんがりとした外観を付与することができる。
更に、例えば、包装袋中で、材料個々に対し均等に調味
料の粉を簡便、かつ迅速にまぶすことができ、しかも、
その粉が調理器具、包装袋、その他に付着しにくいた
め、手で材料に調味料をまぶしてから電子レンジで加熱
するまでの調理作業をスムーズ、かつ簡便に行うことが
できると共に、材料を均一に焼き上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子レンジ調理後の食材の表面部における誘電
損(加熱され易さ)を示す説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 速水 良一 大阪府東大阪市御厨栄町1丁目5番7号 ハウス食品株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−231763(JP,A) 特開 平7−227241(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/22 - 1/237

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 食塩とアミノ酸又は食塩とアミノ酸を含
    有する粉末醤油、及び加工澱粉を含有してなることを特
    徴とする電子レンジ調理用調味料。
  2. 【請求項2】 食塩とアミノ酸又は食塩とアミノ酸を含
    有する粉末醤油、澱粉類及び/又は穀類、及び加工澱粉
    を含有してなることを特徴とする電子レンジ調理用調味
    料。
  3. 【請求項3】 食塩とアミノ酸又は食塩とアミノ酸を含
    有する粉末醤油、澱粉類及び/又は穀類、熱凝固性ゲル
    化剤、及び加工澱粉を含有してなることを特徴とする電
    子レンジ調理用調味料。
  4. 【請求項4】 澱粉類及び/又は穀類が、馬鈴薯澱粉及
    び/又はコーンフレークである請求項2又は請求項3記
    載の電子レンジ調理用調味料。
  5. 【請求項5】 熱凝固性ゲル化剤が、カードラン、卵白
    粉、熱凝固性乳蛋白から選ばれた1以上である請求項3
    記載の電子レンジ調理用調味料。
  6. 【請求項6】 加工澱粉が、リン酸架橋澱粉である請求
    項1〜3のいずれか1に記載の電子レンジ調理用調味
    料。
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KR102059297B1 (ko) * 2019-06-25 2019-12-26 (주) 앤앤컴퍼니 벽천분수와 그리너리월을 구비한 피트니스 센터 시스템

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