JP3024899B2 - 電子レンジ調理用調味料 - Google Patents

電子レンジ調理用調味料

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JP3024899B2
JP3024899B2 JP6045089A JP4508994A JP3024899B2 JP 3024899 B2 JP3024899 B2 JP 3024899B2 JP 6045089 A JP6045089 A JP 6045089A JP 4508994 A JP4508994 A JP 4508994A JP 3024899 B2 JP3024899 B2 JP 3024899B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、肉、魚等の材料に添加
して電子レンジで調理するのに有用な電子レンジ調理用
調味料に関するものであり、更に詳しくは、一般に、電
子レンジ調理の欠点とされていた調理時における当該材
料からの離水、肉汁等の遊離を防ぎ、やわらかな食感と
材料本来の旨味を保つようにすると共に、調理食品の表
面に通常のフライパン等で加熱調理したものと同等のこ
んがりとしたこげめと照りを付与することが可能であ
り、しかも、その特性により調理時における操作性を顕
著に改善することが可能な電子レンジ調理用調味料に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、食産業へのハイテク技術の導入
と、それを中心とした革新的な調理技術の発展に伴い、
種々の調理技術及び調理器具が実用化され普及する中
で、安全で、しかも簡便さを有する電子レンジの普及と
マイクロ波加熱による調理技術の発展はめざましいもの
があり、家庭用及び業務用の両者において、各種の電子
レンジ調理製品の研究及び開発競争が活発化する傾向に
ある。
【0003】このように、電子レンジによる調理技術及
び関連製品の研究及び開発が活発化する中で、電子レン
ジ調理用食品関連製品も広汎な分野に及びつつあり、従
来、もっぱら、一般的な冷凍食品の解凍や食品の迅速加
熱調理を中心として利用されてきた電子レンジ及びマイ
クロ波加熱技術も、専用の電子レンジ調理用食品が開発
されるに及んで、その応用領域が飛躍的に拡大化されつ
つあり、例えば、電子レンジ調理用食品の種類も、当初
に開発された電子レンジ調理用ケーキプレミックスか
ら、現在では、天ぷら製品、フライ食品、スナック類、
畜肉及び魚介類製品、揚げ物製品等に至るまで、きわめ
て幅広い食品の製品化が行われており、当該分野におい
ては、これまでに多種多様の製品及び加工技術の開発例
が報告されている。
【0004】このような、各種の電子レンジ調理用食品
の中にあって、とりわけ、本発明者らが開発目標として
きた肉、魚等の材料を中心とした電子レンジ調理用食
品、及びそれと関連する食品について、これまでの開発
例をいくつか例示的にあげると、その代表的なものとし
て、以下のようなものがあげられる。
【0005】すなわち、まず、フライ食品に関するもの
として、従来、各種の製品及び製法が提案されており、
例えば、油ちょうした直後のフライ食品と同様の食感が
得られる電子レンジ調理用フライ食品に関するものとし
て、熱凝固性を有する起泡剤で含気させた小麦粉、水、
調味料からなるバッターに食品素材を浸漬した後、パン
粉を付着させて油ちょうし、凍結することを特徴とする
電子レンジ調理用冷凍フライ食品の製造方法(特開昭6
4−60334号公報)、また、解凍後離水がほとんど
なく長時間保存しても品質低下のないフライ食品に関す
るものとして、中種に生澱粉等からなるバッター液を付
け、ころもがけした後マイクロ波加熱することを特徴と
するフライ食品ころも材の製造法(特開昭59−162
844号公報)、また、通常のできたてのフライ同様の
食感、風味、クリスピー感等を実現することを目的とす
る電子レンジ用フライ様食品を提供するものとして、食
品基材の外側に、少なくともバッター層、第1ブレッダ
ー層、エマルジョン層及び第2ブレッダー層がこの順に
形成されていることを特徴とする電子レンジ用フライ食
品(特開平2−16937号公報)、等が提案されてい
る。
【0006】また、電子レンジ調理用天ぷら製品に関す
るものとして、例えば、粉末状小麦蛋白、粉末状乳蛋白
濃縮物、コーンフラワー、コーンスターチのうち少なく
とも3品を含むことを特徴とする天ぷら用打粉配合品
(特開平4−187058号公報)、等が提案されてい
る。
【0007】また、唐揚げ製品に関するものとして、例
えば、電子レンジで加熱調理するのみで油揚げをしたの
と同様の外観及び食感を有する食品を提供することを目
的とするものとして、ナッツ類の粗砕物等の難水和性粒
状物質と、卵白粉、小麦蛋白質粉末等の高蛋白質粉末
と、穀粉及び/又は澱粉類と、着色料とを含有すること
を特徴とする唐揚げ用ミックス粉(特開昭63−233
751号公報)、また、揚げあがりの外観が好ましく、
肉の臭みや揚げ衣の臭みの無い唐揚げ用ミックス粉を得
ることを目的とするものとして、単糖類、カゼイン、乾
燥卵白、アミノ酸、粉砕した茶の葉、粉末醤油を含むこ
とを特徴とする唐揚げ用ミックス粉(特開平4−187
059号公報)、等が提案されている。
【0008】更に、通常のフライパン等で加熱調理した
焼き物と同等の焼き色をした魚介類の調理食品を得るこ
とを目的とするものとして、調理もしくは未調理の魚介
類又はその加工品を和紙等で包んで加熱調理する際に、
これら魚介類又はその加工品の水分を、加熱時にドリッ
プが出ない程度に調整してから、その表面にキシロー
ス、グルコース等の糖類を含む塗布液を塗布し、その
後、前記和紙等を介して電子レンジにより魚介類又はそ
の加工品を誘電加熱することを特徴とする魚介類の調理
製造方法(特開昭63−296667号公報)、等が提
案されている。
【0009】このように、肉、魚等の材料を対象とする
電子レンジ調理用食品の開発例は、多岐に及んでおり、
これらの中には、例えば、冷凍揚げ物製品を解凍、加熱
して通常の揚げ物製品に遜色のない製品を得ることを目
的としたいわゆる一般的な電子レンジ解凍及び加熱に関
するもののみならず、例えば、電子レンジ調理により、
通常の揚げ物製品、焼き物製品と同等の外観、風味、食
感等を付与することを目的としたものも提案されている
が、後者にあっても、例えば、前記した唐揚げ用ミック
ス粉の例にみるように、特定の製品を対象とした特定の
組成のものに限られており、しかも、その改善目標も、
製品の外観、風味、食感等を中心としたものにほとんど
限られており、従って、従来の開発例をみても、本発明
が一つの目標としている調理時における操作性の改善、
調理器具、及び包装袋等への付着性の改善等の問題につ
いて言及しているものは、全く見当たらないというのが
実情であった。
【0010】一方、後記するように、本発明において必
須成分として使用しているカードランについては、従
来、一般に、食品のゲル化剤として、各種食品のゲル化
性、テクスチャー等の物性面での改善を目的として種々
の製品の開発に利用されており、その開発例も多岐に及
んでいるが、その中にあって、その代表的なものをいく
つか例示すると、例えば、水産煉製品の表面に薄く、し
っかりした皮膜を形成するものとして、カードランのゲ
ル状膜で被覆してなる水産煉製品(特開平2−7996
1号公報)、また、焼き魚、揚げフライ等の食品の表面
を常温凝固膜で被覆した保存食品を提供するものとし
て、カードランの分散液を食品に付着し、加熱雰囲気で
カードランを熱凝固させて、食品の表面をカードランで
被覆することを特徴とする常温凝固膜で被覆した保存食
品(特開平3−61454号公報)、等が提案されてい
る。
【0011】また、カードランの有する各種機能を電子
レンジ加熱調理食品に利用するものとして、カードラン
を含有してなるゼリー類、あん・菓子類、即席麺類、卵
加工品等の電子レンジ加熱調理用食品(特開平2−41
1号公報)、また、電子レンジによる加熱ムラのない品
質良好なホットゼリーなどの調理食品を提供するものと
して、加熱用容器にカードランを収納してなる電子レン
ジ加熱調理用食品(特開平2−124066号公報)、
等が提案されている。
【0012】しかしながら、これらのものは、そのほと
んどがカードランの有するゲル化性、テクスチャー改良
性、結着性、保水性、加熱凝固性等の機能をそのまま利
用したものに限られており、当該カードランについて
も、本発明が一つの目標としている調理時における操作
性の改善、調理器具、及び包装袋等への付着性の改善等
の問題について言及しているものは、全く見当たらない
というのが実情であった。
【0013】このように、従来、電子レンジ調理用食品
が種々開発されているものの、いずれも、特定の製品を
対象とした個別的な技術に関するもの、食感、風味、物
性面での改善を中心としたもの等がほとんどであり、と
りわけ、肉、魚等の材料を用いた焼成製品、唐揚げ様製
品であって、通常の加熱、焼成調理を施した製品と同等
の加熱、焼成効果を製品に付与することが可能な電子レ
ンジ調理加工技術については、その開発例が限られてお
り、しかも、従来の肉、魚等の材料を使用した製品にお
いては、実際の調理にその前処理を含めて手間と時間を
要する等の問題点を有するものが多く、従って、前記し
たような製品の外観、風味、食感等を通常の調理製品と
同等のものになし得るだけではなく、電子レンジ調理の
本来の目標である調理時における操作性を改善し、簡
便、かつ迅速に調理することが可能な電子レンジ調理用
素材、製品、及び加工技術を開発することが当業界にお
いて強く要請されている状況にあった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】このような状況を踏ま
え、本発明者らは、前記したような従来の問題点を解決
すると共に、肉、魚等の材料からなる調理製品を電子レ
ンジで調理するだけで、通常の加熱、焼成調理手段によ
り製造した製品と同等の外観、風味、食感等を有するの
みならず、当該調理時における操作性を改善し、電子レ
ンジ調理技術が本来目標としている簡便性、迅速性をそ
のまま生かした形で調理することが可能な新しい調理素
材、製品及び調理技術を開発することを目標として鋭意
研究を積み重ねた結果、その成分特性によって、製品の
表面部における電波吸収力を高めその加熱効率を向上さ
せることが可能であると同時に、調理時の操作性を顕著
に改善し得る特定の組成及び特性からなる電子レンジ調
理用調味料を使用することによって、所期の目的を達成
し得ることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0015】すなわち、本発明は、肉、魚等の材料に添
加して電子レンジで調理することにより、従来、電子レ
ンジ調理の欠点であるとされていた当該材料からの離
水、肉汁等の遊離を確実に防ぎ、やわらかな食感と材料
本来の旨味を保つようにすることができる電子レンジ調
理用調味料を提供することを目的とするものである。
【0016】また、本発明は、肉、魚等の材料を電子レ
ンジで調理することにより、通常のフライパン等で加熱
調理したものと同等のこんがりとしたこげめと照りを付
与することができる電子レンジ調理用調味料を提供する
ことを目的とするものである。
【0017】また、本発明は、肉、魚等の材料の表面の
ころもを、卵白、アルブミン、小麦粉等の熱凝固性蛋白
を使用した場合よりもしっかりと保持することを可能に
すると共に、材料からの離水、肉汁等の遊離を確実に防
ぐことが可能な電子レンジ調理用調味料を提供すること
を目的とするものである。
【0018】更に、本発明は、材料個々に対し均等に調
味料の粉をまぶすことができ、しかも、その粉が調理器
具、その他に付着するのを防止するのに顕著な効果があ
り、手で材料に調味料をまぶしてから電子レンジで加熱
するまでの調理作業をきわめてスムーズ、かつ簡便に行
うことができると共に、材料を均一に焼き上げることが
できると云う優れた特性を有する電子レンジ調理用調味
料を提供することを目的とするものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るための本発明は、次の(1)〜(2)の技術的手段か
らなる。 (1)食塩とアミノ酸又は食塩とアミノ酸を含有する粉
末醤油、糖類、及びカードランを含有し、これらの配合
を、食塩4.16〜28部とアミノ酸0.18〜1.2
部又は食塩とアミノ酸を含有する粉末醤油13〜79
部、糖類7〜36部、及びカードラン4〜27部として
なる、電子レンジによる加熱、焼成効率を向上させる作
用を有することを特徴とする電子レンジ調理用調味料
【0020】(2)食塩とアミノ酸又は食塩とアミノ酸
を含有する粉末醤油、糖類、カードランを含有し、更
に、澱粉類穀類の1種以上を含有してなり、電子レン
ジによる加熱、焼成効率を向上させる作用を有すること
を特徴とする電子レンジ調理用調味粉末
【0021】続いて、本発明について、更に詳細に説明
する。本発明は、前記したように、食塩とアミノ酸又は
食塩とアミノ酸を含有する粉末醤油、糖類、及びカード
ラン、更には、澱粉類及び/又は穀類を含有してなるこ
とを特徴とする電子レンジ調理用調味料に関するもので
あり、とりわけ、肉、魚等の材料に添加して電子レンジ
で調理するのに有用な電子レンジ調理用調味料製品に関
するものであって、この場合、最終製品としては、いわ
ゆる肉又は魚をそのまま焼成した焼成製品、照り焼き様
製品、ころもを付加して焼成した唐揚げ様製品等、更に
具体的に云えば、焼き鳥、ブリの照り焼き、さばの龍田
揚げ等の製品が代表的なものとして例示されるが、これ
に限らず、これらと同等又は類似のものであれば、その
種類を問わず対象とすることができる。従って、本発明
で云うところの肉、魚等の材料も、畜肉、魚介類をはじ
め、それと同等又は類似のものであれば、その種類及び
形態を問わず対象とされる。
【0022】次に、本発明の電子レンジ調理用調味料の
必須成分であるところの食塩とアミノ酸又は食塩とアミ
ノ酸を含有する粉末醤油の後者としては、液状醤油の粉
末加工品等の如く、当該食塩とアミノ酸を含有するもの
であれば、特に限られるものではなく、その種類を問わ
ず使用することができる。また、本発明で云うところの
当該粉末醤油は、同効の合成品をも含むものとして定義
される。また、糖類としては、単糖類、2糖類、3糖
類、オリゴ糖、糖アルコール、等の単独又は併用したも
のが例示されるが、好適には、グルコース、フラクトー
ス、蔗糖、麦芽糖、水飴加水分解物、オリゴ糖、等が使
用される。
【0023】また、本発明で使用されるカードランは、
一般に、β−1,3−グルコシド結合を主体とする加熱
凝固性多糖類として知られているものであり、例えば、
アルカリゲネス属、アクロバクテリウム属の菌等が生産
するものとして知られている通常のカードランの粉末、
顆粒製品等を使用することができる。
【0024】更に、本発明の1態様として配合される澱
粉類及び/又は穀類としては、いわゆる唐揚げのころも
材として使用される通常の澱粉類、穀類であればその種
類を問わず使用することができ、例えば、コーンスター
チ、馬鈴薯澱粉、甘薯澱粉、小麦粉、米上新粉、白玉粉
等があげられる。
【0025】本発明の電子レンジ調理用調味料は、前記
した適宜の形態に予め加工した肉、魚等の材料に直接添
加する形で使用されるが、その場合、当該調味料を簡
便、かつ迅速にその表面部に均一に付着させると共に、
調理器具等、その他への付着を確実に抑制し、調理時に
おける操作性を顕著に改善することを可能とするため
に、当該調味料中に、必須成分として前記カードランを
配合することが重要であり、例えば、カラギナン、ジェ
ランガム等、他の類似の加熱凝固性ゲル化剤を使用して
もこのような効果は得られず、所期の目的を達成するこ
とはできない。
【0026】また、前記した如く、調理時の操作性を向
上せしめるために、本発明の電子レンジ調理用調味料
は、その形態としては、粉末状、顆粒状等の形態に加工
して使用されるが、この場合、粉末状と同等又は類似の
ものであれば適宜採用することができる。
【0027】本発明の電子レンジ調理用調味料は、第1
の態様として、前記したような食塩とアミノ酸又は食塩
とアミノ酸を含有する粉末醤油、糖類、及びカードラン
を原料中に配合することにより製造されるが、その場合
の原料配合は、食塩4.16〜28部とアミノ酸0.1
8〜1.2部又は食塩とアミノ酸を含有する粉末醤油を
13〜79部、糖類を7〜36部、カードランを4〜2
7部、とすることが好適なものとしてあげられる。
【0028】また、本発明の電子レンジ調理用調味料
は、第2の態様として、前記したような食塩とアミノ酸
又は食塩とアミノ酸を含有する粉末醤油、糖類、カード
ラン、及び澱粉及び/又は穀類を原料中に配合すること
により製造されるが、その場合の原料配合は、食塩3.
3〜12部とアミノ酸0.13〜1.11部又は食塩と
アミノ酸を含有する粉末醤油を9〜33.3部、糖類を
11〜36部、カードランを1.5〜21部、澱粉及び
/又は穀類を36〜75部、とすることが好適なものと
してあげられる。
【0029】これらの場合、原料配合の具体的方法は、
通常の粉体混合装置、例えば、V型ミキサー、リボンミ
キサー等により一括混合する方法等が例示されるが、こ
れに限らず、これらを順次配合してもよく、また、前記
した基本原料成分に加え、他の原料成分を付加してもよ
い。このようにして製造される本発明の電子レンジ調理
用調味料は、前記した適宜の形態の肉、魚等の材料に適
宜の手段で添加し、その表面部に均一に付着させるよう
にして使用されるが、この場合、例えば、肉又は魚のス
ライス片を本発明の電子レンジ調理用調味料と共に例え
ば、ビニール包装袋等の適宜の包装袋中に収納し、全体
を軽く振るようにすれば簡便、かつ迅速に当該スライス
片の表面に当該調味料を均一に付着させることができ
る。このように、本発明の電子レンジ調理用調味料は、
適宜の包装袋と組み合わせて使用し得る点で、包装袋へ
の付着性の問題があってその実現化が困難であった従来
の製品にない長所を有する。
【0030】このようにして材料の表面に本発明の電子
レンジ調理用調味料を添加した後、電子レンジで調理す
ることにより、従来、電子レンジ調理の欠点とされてい
た当該材料からの離水、肉汁等の遊離が確実に防止され
ると共に、通常のフライパン等で加熱調理したものと同
等のこんがりとしたこげめと照りを付与することがで
き、これによって、やわらかな食感と材料本来の旨味を
保つようにすることができる。尚、この場合、本発明の
電子レンジ調理用調味料は、電子レンジと同等のマイク
ロ波加熱調理装置であれば、その種類を問わず使用し得
るものであることは云うまでもない。
【0031】以上のように、本発明の電子レンジ調理用
調味料は、最終製品の外観、風味、食感等を通常の加
熱、調理手段で調理したものと同等のレベルで付与する
ことが可能であるが、それだけではなく、従来のものと
比較して、材料表面に調味料を均一に付着させる前処理
操作がきわめて簡便、かつ迅速に行えるようになり、そ
の調理時における操作性が顕著に改善され、電子レンジ
調理技術が本来目標としているところの簡便、かつ迅速
な調理を確実に実現化することを可能にしたと云う点
で、従来の製品にみられない格別な特徴を有するもので
ある。
【0032】尚、このような効果をもたらす本発明の電
子レンジ調理用調味料の特性及び作用について更に説明
すると、電子レンジで加熱した際に、マイクロ波による
材料内部から表面部への加熱と共に、材料の表面に均一
に付着させた食塩とアミノ酸が材料表面部の電波吸収力
を高め、それによって、材料表面部から内部への加熱状
態をも得ることができ、加熱効率を向上することができ
るため、材料全体を均一に、かつ迅速に加熱することが
できるようになる。
【0033】また、糖類は、糖とアミノ酸及び糖単独に
よる褐変が生起することにより製品の表面に照りを付与
すると共に、若干の電波吸収作用をも有する。また、澱
粉類及び/又は穀類は、ころも形成機能を有するものと
して使用されるが、前記した各成分と併用する形で当該
ころもを付着させた場合は、単独使用の場合と比較し
て、いわゆる唐揚げ様の製品を簡便、かつ迅速に得るこ
とができる。
【0034】更に、カードランは、加熱前においては水
に溶けず、加熱することにより熱水に溶ける性質を有す
ると共に、また、ゲル化により材料全体の結着性を高め
る作用を有する。この場合、熱凝固性ゲル化剤であるカ
ードランが70〜100℃(常法による電子レンジ調理
では表面温度が100℃以上とはならない。)と云う温
度でゲル化して、材料表面のころもを、通常の熱凝固性
蛋白(卵白、アルブミン、小麦粉等)よりもしっかりと
保持すると共に、材料からの離水、肉汁等の遊離を防ぐ
作用を有する。
【0035】更に、本発明においては、当該結着性のみ
ならず、本発明者らの知見によれば、当該カードランを
配合した場合、本発明の電子レンジ調理用調味料の調理
時における調理器具、包装袋等への付着を抑制し、調理
時の操作性を顕著に改善する特性が得られることが分っ
た。従って、本発明の電子レンジ調理用調味料を使用す
れば、当該調味料を適宜の包装袋と組み合わせてなる簡
便な形の使用形態で製品化することが可能となる。
【0036】試験例 次に、試験例により本発明の電子レンジ調理用調味料の
作用効果について具体的に検証した結果を示す。 (1)食塩とアミノ酸、及び各種食品等の材料の電子レ
ンジによる誘電率(加熱のされ易さ等)の測定 食塩とアミノ酸(MSG)、及び各種食品等の材料の電
子レンジによる加熱のされ易さを、物質に電界が印加さ
れたときに蓄えられる電気エネルギーと発熱などによっ
て失われる電気エネルギーの大小を表す誘電率を測定す
ることにより調べた。
【0037】表1は、誘電率をHP85070A誘電体
測定用プローブキット(ヒューレット・パッカード社
製、米国)により、周波数が2450MHzのマイクロ
波で上記材料を加熱した場合における当該材料にまわり
込む電界の反射量を測定することで誘電率を求めた結果
を示したものである。表中、e’は、比誘電率を、e”
は、比誘電損を、また、tanδは、誘電損失角を、そ
れぞれ表す。この場合、e’の比誘電率は、エネルギー
を蓄える力(電気の取り込み易さ)を、e”の比誘電損
は、エネルギーが熱に変わってしまう程度(加熱のされ
易さ)を、また、tanδの誘電損失角は、エネルギー
損失の少なさ(大きいほど熱に変わりやすい)を、それ
ぞれ表わすものとして示される。その結果、表1に示さ
れるように、食塩とアミノ酸を含有する濃口醤油(HK
P)、食塩水(10%)、アミノ酸(MSG)水溶液
(5%)が高い比誘電率を有することが分かった。
【0038】
【表1】
【0039】(2)各種材料の誘電率、誘電損の分布 各種食品(肉類、野菜、果物)と水、空気、及び本発明
の電子レンジ調理用調味料について、誘電率、誘電損の
分布を測定した結果を図1に示す。図1に示されるよう
に、本発明の電子レンジ調理用調味料は、他の各種食
品、及び水、空気と比較して、高い比誘電損、及び比誘
電率を有するものであることが分かった。
【0040】(3)本発明の電子レンジ調理用調味料に
よる比誘電損(加熱のされ易さ)向上効果の測定 本発明の電子レンジ調理用調味料(調味粉末)を用いて
食品材料の豚モモ赤身を処理した場合の比誘電損を測定
した結果を、無処理の場合と比較して、図2に示す。図
2に示されるように、本発明の電子レンジ調理用調味料
(調味粉末)により処理することにより比誘電損が顕著
に向上され、いわゆる加熱され易さを向上させる作用効
果があることが確認された。
【0041】(4)付着ロス比較試験 本発明の電子レンジ調理用調味料に関し、調理器具、包
装袋、その他に付着しにくく、優れた操作特性を付与せ
しめるカードランの付着性改善効果について、他の増粘
多糖類との比較において、以下の方法により検討した。
すなわち、ポリ袋にカードラン、キサンタンガム、ジェ
ランガムを添加し、他の原料配合は実施例2と同様に調
製した調味料をそれぞれ用意し、ポリ袋に調理する材料
を入れたものを3種用意して、上記調味料各々をそれぞ
れポリ袋中に収納し、全体をかるく振るようにして調味
料を材料に付着させた。
【0042】その後、ポリ袋中から材料を取り出して材
料に付着しきれずにポリ袋中に残った調味料を計測し、
カードランを添加した調味料のポリ袋中の残存量(逸散
程度)を1として他の調味料の残存量と比較した。ま
た、ポリ袋中から材料を取り出して電子レンジ調理がで
きるように、材料を皿に乗せた場合の皿への調味料の付
着量を1として他の調味料の皿への付着量と比較した。
なお、これらの残存量、及び付着量は、これらの重量を
計測することにより算出した。
【0043】その結果、図3に示されるように、他の増
粘多糖類と比較して、ポリ袋への付着程度、皿への付着
程度のいずれについても、カードランの付着ロス、すな
わち逸散程度は低いものであり、本発明の電子レンジ調
理用調味料におけるカードランの有する付着性改善効果
が優れたものであることが確認された。
【0044】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明するが、本発明は当該実施例のみに限定されるもので
はない。 実施例1 (1)原料配合 食塩13.5gとアミノ酸0.6gを含有する粉末醤油
42g、蔗糖からなる粉末形態の糖類7g、顆粒形態の
カードラン4.2gを混和して、本発明の粉末状の電子
レンジ調理用調味料を調製した。
【0045】(2)電子レンジによる魚の照り焼き様製
品の調理 上記のようにして調製した電子レンジ調理用調味料7.
5g、ブリの切り身100g、をビニール製の透明包装
袋中に収納し、全体をよく振るようにして、当該調味料
をブリの切り身の表面にまんべんなくまぶすようにして
均一に付着させた。次いで、切り身を取り出し、皿状容
器にいれ、ラップをして、そのまま電子レンジ(500
W)にて表面温度70〜100℃で2分間加熱調理する
ことにより、通常のフライパン等で加熱調理したような
こんがりとしたこげめと照りを有する照り焼き様製品が
得られた。
【0046】実施例2 (1)原料配合 食塩5.5gとアミノ酸0.25gを含有する粉末醤油
17g、蔗糖からなる粉末形態の糖類24g、粉末形態
のカードラン9g、馬鈴薯からなる澱粉7.93g、小
麦粉37gを混和して、本発明の粉末状の電子レンジ調
理用調味料を調製した。
【0047】(2)電子レンジによる唐揚げ様製品の調
理 上記のようにして調製した電子レンジ調理用調味料7〜
10g、豚肉の切り身100g、をビニール製の透明包
装袋中に収納し、全体をよく振るようにして、当該調味
料を鶏肉の切り身の表面にまんべんなくまぶすようにし
て均一に付着させた。次いで、切り身を取り出し、皿状
容器にいれ、ラップをして、そのまま電子レンジ(50
0W)にて表面温度70〜100℃で2分間加熱調理す
ることにより、通常のフライパン等で加熱調理したよう
なこんがりとしたこげめと照りを有する唐揚げ様製品が
得られた。
【0048】(3)酢豚の調理 上記のようにして調理した豚肉の唐揚げ様製品をいった
ん皿状容器に取り出し、これに別途調製した酢豚用具入
りソースをかけて全体を軽く混ぜた後、ラップをしない
で、更に電子レンジ(500W)で2分間加熱して酢豚
に仕上げた。
【0049】
【発明の効果】以上詳述したとおり、本発明は、食塩と
アミノ酸又は食塩とアミノ酸を含有する粉末醤油、糖
類、カードラン、更には、澱粉及び/又は穀粉を含有し
てなることを特徴とする電子レンジ調理用調味料に関す
るものであり、本発明によれば、肉、魚等の材料に上記
調味料を添加して電子レンジで調理することにより、電
子レンジ調理の欠点である材料からの離水、肉汁等の遊
離を防ぎ、やわらかな食感と材料本来の旨味を保つよう
にすることができる。
【0050】また、通常のフライパン等で加熱調理した
ものと同等のこんがりとしたこげめと照りを付与するこ
とができる。更に、例えば、包装袋中で、材料個々に対
し均等に調味料の粉を簡便、かつ迅速にまぶすことがで
き、しかも、その粉が調理器具、包装袋、その他に付着
しにくいため、手で材料に調味料をまぶしてから電子レ
ンジで加熱するまでの調理作業をスムーズ、かつ簡便に
行うことができると共に、材料を均一に焼き上げること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】各種食品の誘電率・誘電損の分布を示す説明図
である。
【図2】本発明の電子レンジ調理用調味料(調味粉末)
処理による比誘電損(加熱され易さ)向上効果を示す説
明図である。
【図3】カードランと他の増粘多糖類での付着ロス比較
試験の結果を示す説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森岡 万里子 大阪府東大阪市御厨栄町1丁目5番7号 ハウス食品株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−166058(JP,A) 特開 平1−101870(JP,A) 特開 平6−14738(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/22 - 1/237 A23L 1/24

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 食塩とアミノ酸又は食塩とアミノ酸を含
    有する粉末醤油、糖類、及びカードランを含有し、これ
    らの配合を、食塩4.16〜28部とアミノ酸0.18
    〜1.2部又は食塩とアミノ酸を含有する粉末醤油13
    〜79部、糖類7〜36部、及びカードラン4〜27部
    としてなる、電子レンジによる加熱、焼成効率を向上さ
    せる作用を有することを特徴とする電子レンジ調理用調
    味粉末。
  2. 【請求項2】 食塩とアミノ酸又は食塩とアミノ酸を含
    有する粉末醤油、糖類、カードランを含有し、更に、澱
    粉類と穀類の1種以上を含有してなり、電子レンジによ
    る加熱、焼成効率を向上させる作用を有することを特徴
    とする電子レンジ調理用調味粉末。
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