JP3199360B2 - 融雪機のバーナーの安全装置 - Google Patents

融雪機のバーナーの安全装置

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JP3199360B2 JP19486197A JP19486197A JP3199360B2 JP 3199360 B2 JP3199360 B2 JP 3199360B2 JP 19486197 A JP19486197 A JP 19486197A JP 19486197 A JP19486197 A JP 19486197A JP 3199360 B2 JP3199360 B2 JP 3199360B2
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義之 加賀
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積雪地の雪の処理
のための融雪機で、その融雪に使用するバーナーの起動
の安全装置に関する。
【0002】
【従来の技術】このような融雪にバーナーを使用する融
雪機としては、実公平5−40097号に示されるよう
に、バーナー枠にバーナーを設け、融雪室にバーナーと
連通する融雪筒(炉体)を設け、融雪室にシャワーパイ
プ(散水装置)を設けたものは知られている。そして、
バーナーにより燃料を燃焼させて高温熱風を融雪筒に送
風し、融雪筒は上面の排風口から熱風を排出し、融雪筒
の上に投雪して融雪を行うものである。
【0003】このシャワーパイプ(散水装置)は、ポン
プ室に一定量の融雪水が溜まると排水し、一定以下に融
雪水が減ると停止する自動水中ポンプと連通されてい
る。またこのバーナーは、操作ボックスの作業スイッチ
を入れると雪が融雪室に投入されたことを検知するセン
サーにより点火される。また、バーナーの排気を煙筒に
より直接外気に排出せず、融雪室に排出して融雪に有効
利用するもので、熱効率が良い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような融雪機で
は、雪が融雪室に投入されたことを検知するセンサーを
避けて大量に融雪室に投雪すると、融雪筒(炉体)上面
の排風口を塞ぎ排気の通路が断たれ、バーナーの不着火
や不完全燃焼を起こすことがある。バーナーが不着火を
起こすと融雪筒内に燃料が溜まり、再着火の際に爆発す
る危険がある。
【0005】また、シャワーパイプ(散水装置)からの
散水はある程度の融雪が進んでポンプ室に一定量の融雪
水が溜まってから開始されるため、融雪筒(炉体)の投
雪された部分は冷却され、投雪されなかった部分は過熱
し、融雪筒に局部的な応力が働き寿命を著しく縮めると
いう問題が生じていた。
【0006】そのため、操作手順を散水後にバーナーを
点火するよう決めることも考えられるが、起動操作の煩
雑化は過ちをおかしやすい。
【0007】そこで本発明は、バーナーの着火前に融雪
室に投雪しても散水により排気の通路が確保され、炉体
を均一に冷却して寿命を長期に保ち、起動操作の過ちを
防止する融雪機のバーナーの安全装置を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の融雪機
のバーナーの安全装置は、バーナー室2にバーナー21を
設け、融雪室3にバーナー21と連通する炉体22を設け、
炉体22の炉体排気口23から融雪室3内に排気し、融雪室
3に散水装置30を設けた融雪機において、散水装置30は
所定量貯留された融雪水Wを炉体22に向けて散水し、散
水装置30を作動させないとバーナー21が着火起動しない
ものである。
【0009】請求項2の発明の融雪機のバーナーの安全
装置は、操作ボックス13に散水装置30を作動させる散水
スイッチ41とバーナー21を起動点火させる燃焼スイッチ
42を設け、散水スイッチ41を入れて散水装置30を作動さ
せないと燃焼スイッチ42を入操作してもバーナー21が着
火起動しないものである。
【0010】
【発明の実施の形態】請求項1の発明では、散水装置30
は所定量貯留された融雪水Wを炉体22に向けて散水し、
散水装置30を作動させないとバーナー21が着火起動しな
いので、バーナー21の着火前に融雪室3に投雪しても、
融雪室3内の雪には散水装置30の散水による孔隙で排気
通路が確保される。また、バーナー21の着火起動の前に
散水装置30による冷却のための炉体22に向けての散水が
開始され、バーナー21が着火起動しても炉体22の表面に
は局部過熱が無く全体に低く抑えられる。
【0011】請求項2の発明では、操作ボックス13に散
水装置30を作動させる散水スイッチ41とバーナー21を起
動点火させる燃焼スイッチ42を設け、散水スイッチ41を
入れて散水装置30を作動させないと燃焼スイッチ42を入
操作してもバーナー21が着火起動しないので、融雪作業
者が操作を過っても散水装置30の作動後でなければバー
ナー21が着火起動しない。
【0012】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説
明する。
【0013】図1に示す融雪機は埋設型のもので、地面
E下に埋設される上面開口の箱状の本体槽1と、本体槽
1に隔壁5,6で区画されたバーナー室2と融雪室3お
よびポンプ室4を順に設ける。
【0014】バーナー室2上面の地面Eに開口する部分
に螺子止された方形のバーナー室蓋11を設け、バーナー
室蓋11はメンテナンス時以外は開閉できないようにす
る。バーナー室蓋11の一隅に開閉自在な操作ボックス蓋
12を設け、操作ボックス蓋12は閉めるとバーナー室蓋11
とほぼ一体になるよう形成され、開けると操作ボックス
13と吸気筒14が出現する。
【0015】操作ボックス13には、バーナー21を着火起
動させる燃焼スイッチ42と散水装置30としての水中ポン
プ31を作動させる散水スイッチ41が設けられる。その燃
焼スイッチ42の燃焼入スイッチ42a を押すことによりバ
ーナー21の点火をし、燃焼切スイッチ42b を押すことに
より消火する。また、散水スイッチ41の散水入スイッチ
41a を押すことにより水中ポンプ31が作動運転し、散水
切スイッチ41b を押すことにより停止する。
【0016】なお、燃焼入スイッチ42a を押しても散水
入スイッチ41a が入って無ければバーナー21に通電しな
いよう直列に電気回路が形成されている。そのため、散
水切スイッチ41b を押すと燃焼入スイッチ42a が入って
いてもバーナー21は消火する。
【0017】融雪室3上面の地面Eに開口する部分に開
閉自在な左右一対の方形の融雪室蓋15,16を設け、一対
の融雪室蓋15,16の間に融雪室蓋15,16が不用意に閉じ
たり作業者が足を踏み外さないための接近防止枠17を設
ける。
【0018】ポンプ室4上面の地面Eに開口する部分に
開閉自在な方形のポンプ室蓋18を設け、ポンプ室蓋18は
ポンプ室4内に設けたゴミ受けネットを掃除するときな
どに開けられるようになっているが、融雪作業時には閉
めておく。
【0019】これら開閉自在な操作ボックス蓋12と融雪
室蓋15,16およびポンプ室蓋18は、非使用時には無用の
危険を防ぐため施錠して開閉できないようにする。
【0020】バーナー室2内の隔壁5にバーナー21を設
け、バーナー21には本体槽1外から灯油を送油する送油
管が連結され、吸気筒14から供給される空気により燃焼
させ、燃焼ガスは隔壁5に設けた孔から融雪室3方向に
吐出される。なお、隔壁5は融雪室3の雪や融雪水Wが
バーナー室2に侵入しないよう他の部分は密閉される。
【0021】融雪室3中央に隔壁5から略円筒形状の長
い炉体22を設け、炉体22は融雪室3の容積の略半分の容
積が有り、水平方向から下向きに傾斜させ、バーナー室
2の反対側に炉体排気口23を設ける。
【0022】炉体22はバーナー21と連通してバーナー21
からの燃焼ガスを完全燃焼させて炉体排気口23から融雪
室3内に下向きに排出するとともに、放熱して融雪室3
に投入される雪を溶かし、融雪室3にたまった融雪水W
の温度を上げる。なお、融雪室3の融雪水Wは炉体22の
下側約1/3が浸り散水装置30に必要な所定量を貯留す
るよう規定水位Lが定められ、その規定水位Lを超えた
融雪水Wは排水口7から自然流出する。また、炉体排気
口23からの排気も融雪室3内を循環して雪を溶かして逸
散する。
【0023】散水装置30は、水中ポンプ31と散水パイプ
32および散水反射板杆33からなる。
【0024】ポンプ室4に水中ポンプ31を設け、融雪室
3とポンプ室4の間の隔壁6の下側の一隅に連通孔を設
け、融雪室3の融雪水Wがゴミ受けネットを通って水中
ポンプ31に供給される。水中ポンプ31はこの融雪水Wを
散水パイプ32に供給したり、シーズンが終わった非使用
時期に本体槽1から排水する。
【0025】融雪室3内上部の周囲に炉体22をとりまく
形で平面視略Uの字状の散水パイプ32を設け、散水パイ
プ32には複数の吐出口が設けられ水中ポンプ31に連結さ
れる。炉体22の両側面に位置する散水パイプ32の上方に
一対の散水反射板杆33を設ける。散水反射板杆33は散水
パイプ32から吐出される融雪水Wを融雪室3中央方向の
炉体22に向けて案内して散水する。
【0026】一対の散水反射板杆33の上に、その間に渡
る格子状の転落防止ネット34を設ける。
【0027】隔壁5の上部には空焚き防止のための温度
センサー51が設けられ、温度センサー51が所定温度以上
を検出すると操作ボックス13の運転ランプ47が消え水位
・過熱異常ランプ50が点灯しバーナー21が停止する。異
常が取り除かれ操作ボックス13の水位・過熱リセットス
イッチ44を押すとバーナー21は点火可能状態になる。
【0028】バーナー21には灯油切れや異常燃焼を監視
する火炎監視センサー52が設けられ、火炎監視センサー
52がバーナー21の異常を検出すると操作ボックス13の運
転ランプ47が消え不着火ランプ49が点灯しバーナー21が
停止する。異常が取り除かれ操作ボックス13のバーナー
リセットボタン45を押すとバーナー21が点火する。
【0029】ポンプ室4の壁面の規定水位Lより高い位
置にポンプ室4の融雪水Wの水位を検出する水位センサ
ー53が設けられ、排水口7が詰まって水位センサー53が
ポンプ室4の異常高水位を検出すると操作ボックス13の
運転ランプ47が消え水位・過熱異常ランプ50が点灯しバ
ーナー21が停止する。異常が取り除かれ操作ボックス13
の水位・過熱リセットスイッチ44を押すとバーナー21は
点火可能状態になる。
【0030】融雪室3の隔壁5には規定水位Lより低い
位置に融雪水Wの異常水温(摂氏40度以上)を検出す
る水温センサー54が設けられ、融雪室3への雪の投入が
無く融雪水Wの水温が上昇し水温センサー54が異常水温
を検出すると操作ボックス13の運転ランプ47が点灯した
ままバーナー21が停止する。融雪水Wの水温が設定以下
となるとバーナー21が自動点火する。
【0031】操作ボックス13の43はヒータースイッチ、
46は電源ランプ、48はヒーターランプである。
【0032】つぎに、使用方法とともに作動を説明す
る。
【0033】まず、操作ボックス蓋12と融雪室蓋15,16
を開け、シーズンの初めのときのみ融雪室3に所定量の
水を注水し、操作ボックス13の散水入スイッチ41a を押
すことにより水中ポンプ31を作動させてから燃焼入スイ
ッチ42a を押すことによりバーナー21を点火する。
【0034】このとき、散水装置30は所定量貯留された
融雪水Wを炉体22に向けて散水し、散水装置30を作動さ
せないとバーナー21が着火起動しないので、バーナー21
の着火前に融雪室3に投雪しても、融雪室3内の雪には
散水装置30の散水による孔隙で炉体排気口23からの排気
通路が確保されるため、バーナー21着火時の排気の詰ま
りによる失火や爆発の危険がない。
【0035】また、バーナー21の着火起動の前に散水装
置30による冷却のための炉体22に向けての散水が開始さ
れ、バーナー21が着火起動しても炉体22の表面には局部
過熱がないため、熱応力による炉体22の変形・歪み・溶
接剥離などの損傷がない。またさらに、炉体22の表面温
度が全体に低く抑えられるため、過熱による酸化や熱応
力による毀損がなく耐久性が向上する。
【0036】また、操作ボックス13に散水装置30を作動
させる散水スイッチ41とバーナー21を着火起動させる燃
焼スイッチ42を設け、散水入スイッチ41a を押して散水
装置30の水中ポンプ31を作動させないと燃焼入スイッチ
42a を押してもバーナー21が着火起動しないので、融雪
作業者が操作を過っても散水装置30の作動後でなければ
バーナー21が着火起動しないため、誤使用による危険が
防止される。
【0037】融雪室3に雪を投入すると、炉体22からの
放熱と炉体22からの排気および散水パイプ32の吐出口か
らの散水により融雪され、規定水位Lを超えた融雪水W
は排水口7から自然流出する。
【0038】このとき、融雪室3への雪の投入は、融雪
室3内の雪には散水装置30の散水による孔隙で炉体排気
口23からの排気通路が確保されるため、バーナー21の着
火前か着火後かを問わず、いつでも始められる。
【0039】また、バーナー21の着火起動の前に炉体22
に向けての散水が開始され、炉体22の表面温度が全体に
低く抑えられるため、炉体22その他熱影響を受ける部分
を全体に冷却するため、火傷を負う危険がなく安全に融
雪作業が行える。
【0040】なお、燃焼中に停電した場合、バーナー2
1、水中ポンプ31が停止し、消火する。停電中は雪の投
入は直ちに停止する。通電再開後、安全のため散水入ス
イッチ41a 、燃焼入スイッチ42a 、の各操作ボタンを押
すことにより、再点火可能となる。
【0041】融雪作業が終われば、操作ボックス13の燃
焼切スイッチ42b を押すことによりバーナー21を消火
し、散水切スイッチ41b を押すことにより水中ポンプ31
の作動を停止し、操作ボックス蓋12と融雪室蓋15,16を
閉じ施錠する。なお、シーズンが終わったときのみ融雪
室3とポンプ室4の水を抜くため、水中ポンプ31と散水
パイプ32の間のバルブを切り替え水中ポンプ31を作動さ
せて排水する。
【0042】以上の実施例では、散水装置30を作動させ
ないとバーナー21が着火起動しないものとして散水スイ
ッチ41と燃焼スイッチ42を設ける例を示したが、起動ス
イッチを入れることにより適切な間隔をおいて所定の作
動を決められた手順で正確に起動させるよう、シーケン
サなどにより制御するようにしても良い。
【0043】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、散水装置は所
定量貯留された融雪水を炉体に向けて散水し、散水装置
を作動させないとバーナーが着火起動しないので、バー
ナーの着火前に融雪室に投雪しても、融雪室内の雪には
散水装置の散水による孔隙で炉体排気口からの排気通路
が確保されるため、バーナー着火時の排気の詰まりによ
る失火や爆発の危険がない。
【0044】また、バーナーの着火起動の前に散水装置
による冷却のための炉体に向けての散水が開始され、バ
ーナーが着火起動しても炉体の表面には局部過熱がない
ため、熱応力による炉体の変形・歪み・溶接剥離などの
損傷がない。またさらに、炉体の表面温度が全体に低く
抑えられるため、過熱による酸化や熱応力による毀損が
なく耐久性が向上する。
【0045】また、融雪室への雪の投入は、融雪室内の
雪には散水装置の散水による孔隙で炉体排気口からの排
気通路が確保されるため、バーナーの着火前か着火後か
を問わず、いつでも始められる。
【0046】また、バーナーの着火起動の前に炉体に向
けての散水が開始され、炉体の表面温度が全体に低く抑
えられるため、炉体その他熱影響を受ける部分を全体に
冷却するため、火傷を負う危険がなく安全に融雪作業が
行える。
【0047】請求項2の発明によれば、操作ボックスに
散水装置を作動させる散水スイッチとバーナーを起動点
火させる燃焼スイッチを設け、散水スイッチを入れて散
水装置を作動させないと燃焼スイッチを入操作してもバ
ーナーが着火起動しないので、融雪作業者が操作を過っ
ても散水装置の作動後でなければバーナーが着火起動し
ないため、誤使用による危険が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 融雪機のバーナーの安全装置の一実施例を示
す一部を切り欠いた正面図である。
【図2】 図1の蓋他を取り除いた平面図である
【図3】 図1の一部を切り欠いた側面図である。
【図4】 図1の操作ボックスの蓋を取り除いた図であ
る。
【符合の説明】
2 バーナー室 3 融雪室 13 操作ボックス 21 バーナー 22 炉体 23 炉体排気口 30 散水装置 41 散水スイッチ 42 燃焼スイッチ W 融雪水

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バーナー室にバーナーを設け、融雪室に
    バーナーと連通する炉体を設け、炉体の炉体排気口から
    融雪室内に排気し、融雪室に散水装置を設けた融雪機に
    おいて、散水装置は所定量貯留された融雪水を炉体に向
    けて散水し、散水装置を作動させないとバーナーが着火
    起動しない融雪機のバーナーの安全装置。
  2. 【請求項2】 操作ボックスに散水装置を作動させる散
    水スイッチとバーナーを起動点火させる燃焼スイッチを
    設け、散水スイッチを入れて散水装置を作動させないと
    燃焼スイッチを入操作してもバーナーが着火起動しない
    請求項1記載の融雪機のバーナーの安全装置。
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