JP3691171B2 - 燃焼機のヒータ通電装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体燃料を気化して燃焼させる石油ファンヒータ、温風暖房機、給湯機などの燃焼機に関し、更に詳しくは、燃焼機の気化器に取り付けた予熱用ヒータの通電装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の燃焼機では、気化器の周囲にこれを余熱するヒータを取り付け、予め燃焼開始前に気化器を予熱しておいて、着火の際に気化器に噴霧される液体燃料を気化し易くすることで、着火性の改善が図られている。
【0003】
そして、制御用のマイクロコンピュータ(以下マイコンと呼ぶ)が気化器に取り付けたバーナサーミスタの検出温度を常時監視し、気化器の温度が適切に維持されるように前記ヒータの通電をオン/オフすると共に、この検出温度が所定の高温レベルを越えた場合、バーナ部の異常加熱と判断してヒータ通電を停止するといったマイコン制御による安全機構が設けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、マイコンによる制御の場合は、何等かの原因でマイコンが暴走してしまうと全ての制御が不能になり、その結果燃焼機では、ヒータが連続通電されてバーナ部が異常加熱してしまうといった危険性がある。また、バイメタルサーモスイッチなどを用いて異常加熱の際、ヒータ通電を直接切断するといった安全機構が設けられているが、このようなスイッチは即断性の面より不十分であるため、高温検出が遅れて機器の耐久性を低下させるといった欠点がある。
【0005】
本発明の目的は、上記欠点を解消し、マイコン暴走時にも対処可能で、且つ高温検知性に優れた信頼性の高い燃焼機のヒータ通電装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明では、点火器と、予熱用のヒータが取り付けられた気化器と、この気化器の温度を検出するバーナサーミスタと、前記バーナサーミスタの検出温度に基づいて前記気化器の温度を制御するマイクロコンピュータと、このマイクロコンピュータからの指令に基づいて前記ヒータの通電をオン/オフするスイッチ回路と、前記ヒータの連続通電可能時間より短いタイマ作動時間を有し、そのタイマ作動出力により前記スイッチ回路をオフするタイマ回路を備え、前記タイマ回路は、抵抗およびコンデンサによる充電回路を有し、その入力は前記マイクロコンピュータにおいて前記充電回路の充電時間より短いパルス信号を発生する前記点火器の駆動用出力ポートに接続されていることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図1、図2および図3に基づいて説明する。
【0009】
図1は本発明が適用された燃焼機の構成を示す図、図2は図1に示す燃焼機の動作タイミングチャート、図3は図1に示す燃焼機のヒータ通電装置の一実施形態を示す回路図である。
【0010】
先ず、図1により燃焼機の概略構成について説明すれば、燃焼機1は気化器2を備え、この気化器2の周囲に予熱用のヒータ3が取り付けられている。また、気化器2の上側にバーナヘッド5が載置されており、このバーナヘッド5の上方に点火器7およびフレームロッド6が配設されている。さらに、気化器2の下部に気化器2に燃焼用空気を供給するための燃焼ファン9が付設されていると共に、燃料用ポンプ13を併設した給油管10を介して燃料タンク12が接続されている。また、気化器2にはバーナサーミスタ14が取り付けられており、このバーナサーミスタ14および前記ヒータ3が運転制御部15に接続されている。
【0011】
前記運転制御部15にはマイクロコンピュータ4(以下マイコン4と呼ぶ)が搭載されており、前記した点火器7、燃料ポンプ13、ヒータ3、燃焼ファン9等がこのマイコン4により適切に制御されて機器の燃焼運転が行われる。
【0012】
次に、上記構成による燃焼機1の燃焼制御動作を図2に基づいて説明する。
【0013】
先ず、運転スイッチが操作されると、マイコン4は予熱用のヒータ3の通電をオンして気化器2の予熱を開始する。気化器2に取り付けたバーナサーミスタ14の抵抗値変化が電圧変化として運転制御部15に入力され、マイコン4はこれを検知して予熱によるの気化器2の温度上昇を監視する。気化器2の温度が液体燃料(石油燃料)の好適な気化温度に達すると、マイコン4は燃焼ファン9を起動してプリパージを実行し、終了後、点火器7と燃料ポンプ13を作動させて燃焼運転を開始する。即ち、燃料ポンプ13が作動すると燃料タンク12の液体燃料は給油管10を通して気化器2内へ噴霧し、ヒータ3による予熱で暖められて気化する。この気化ガスは燃焼ファン9からの空気と混合させられ、混合ガスとなってバーナヘッド5から噴出し、点火器7の放電火花で着火する。
【0014】
燃焼運転中は前記運転制御部15のヒータ通電装置によって前記気化器2が異常加熱しないように常時監視されつつ、安全な燃焼運転が行われる。
【0015】
即ち、本発明の特徴とするところは、前記ヒータ通電装置による安全機構であって、その動作を図3によって説明する。
【0016】
図3において、4は前記気化器2の温度を制御するマイコンで、その電源端子P0 に制御電源VDDが接続されている。このマイコン4の出力ポートP1 は前記点火器7の駆動用出力であって、この出力ポートP1 の“H”出力により、トランジスタQ1 がオンされてリレーK1 が作動し、その接点K1 を介して点火器7に交流100Vが通電されて火花放電する。点火器7の通電時間(図2のT2 )はマイコン4によって制御されており、通常は数十秒間である。
【0017】
出力ポートP2 は前記ヒータ3の通電を制御するスイッチ回路17の駆動出力であり、この出力ポートP2 の“H”出力により、前記スイッチ回路17のトランジスタQ2 がオンされてリレーK2 が作動し、その接点k2を介してヒータ3に交流100Vが通電されて気化器2の予熱が開始される。この予熱期間(図2のT1 )は前記バーナ部5が熱で溶解しないで連続通電に耐える得る時間であり、通常は数分間となっている。
【0018】
P3 はマイコン4のA/D入力ポートであって、この入力ポートP3 に前記バーナサーミスタ14が接続されている。
【0019】
ところで、前記マイコン4の出力ポートP1 には、トランジスタQ1 の他に破線で囲まれたタイマ回路8が接続されている。このタイマ回路8は抵抗R2 とコンデンサC1 による充電回路と抵抗R3 とダイオードD1 による放電回路と波形整形用のインバータ回路IC1 とで構成されており、そのタイマ作動出力16がダイオードD2 を介して前記スイッチ回路17の入力に接続されている。
【0020】
上記回路構成によれば、燃焼運転中に前記ヒータ3の通電を制御するマイコン4が何等かの原因で暴走(図2の破線で示すようにマイコン4の全出力ポートに制御電源VDDが出力されてしまう)してヒータ3が連続通電状態となったとしても、この暴走によるマイコン4の出力ポートP1 の“H”継続により、抵抗R2 を通してコンデンサC1 が充電され、その充電電圧がインバータ回路IC1 のスレッシュホールドレベルを越えてタイマ作動出力16を“L”レベルとし、ダイオードD3 を介して接続されたランジスタQ2 を強制的にオフとするため、リレーK2 の接点k2が復旧して、ヒータ3の連続通電が解除される。
【0021】
しかも、抵抗R2 とコンデンサC1 による充電時間は、通常のヒータ3の連続通電可能時間より十分短く設定されているため、マイコン4の暴走時にヒータ3が異常に加熱されることはなく、上述したバーナ部5の溶解を確実に防止できる。また、通常運転時、前記タイマ回路8に入力される信号、即ち点火器7の駆動用出力期間は数十秒間であり、タイマ回路8はその充電時間以内で必ずリセットされる(タイマ回路8の入力が“L”となって充電が停止すると共に、それまでの充電電圧が前記ダイオードD1 、抵抗R3 による放電回路を介して放電される)ため作動出力16が発生することはない。従って、正常運転中に前記タイマ回路8によってヒータ通電が中断されることはない。
【0022】
このように、前記タイマ回路8の入力を本動作に好適なタイミングを有する既存のポート出力信号を流用することで、回路構成も簡略化できる。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、ヒータの通常の連続通電可能時間よりも短いタイマ値を有し、且つマイコンの制御にあずからないタイマ回路を用い、そのタイマ出力によって前記ヒータの通電を停止するようにしたので、マイコンが何等かの原因で暴走し、制御不能になったとしても、ヒータの連続通電は強制的に中断されるため、過熱によるバーナ部の劣化や溶解は確実に防止されるようになり、機器の信頼性や安全性が一層向上することになる。
【0024】
また、本発明によれば、前記タイマ回路の入力として既存のマイコンポート出力信号を流用することにより、マイコンの出力ポートを節約できると共に、ヒータ通電装置の回路構成も簡略化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された燃焼機の構成を示すである。
【図2】同、燃焼機の動作タイミングチャートである。
【図3】同、燃焼機のヒータ通電装置の一実施形態を示す回路図である。
【符号の説明】
1 燃焼機
2 気化器
3 ヒータ
4 マイクロコンピュータ
8 タイマ回路
14 バーナサーミスタ
17 スイッチ回路
C1 コンデンサ
R2 抵抗
Claims (1)
- 点火器と、予熱用のヒータが取り付けられた気化器と、この気化器の温度を検出するバーナサーミスタと、前記バーナサーミスタの検出温度に基づいて前記気化器の温度を制御するマイクロコンピュータと、このマイクロコンピュータからの指令に基づいて前記ヒータの通電をオン/オフするスイッチ回路と、前記ヒータの連続通電可能時間より短いタイマ作動時間を有し、そのタイマ作動出力により前記スイッチ回路をオフするタイマ回路を備え、
前記タイマ回路は、抵抗およびコンデンサによる充電回路を有し、その入力は前記マイクロコンピュータにおいて前記充電回路の充電時間より短いパルス信号を発生する前記点火器の駆動用出力ポートに接続されていることを特徴とする燃焼機のヒータ通電装置。
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- 1996-09-02 JP JP23169196A patent/JP3691171B2/ja not_active Expired - Fee Related
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