JP2976751B2 - 気化器温度制御装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は液体燃料を気化する気化
器の温度制御装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の気化器温度制御装置は、
図４に示すように運転スイッチ５１を投入すると燃焼制
御部５２が気化器温度制御部５３を介して気化器のヒー
タ５５に通電を開始し、気化器温度が所定温度に達した
との信号が気化温度検出部５６から入力されると前記燃
焼制御部５２がバーナファン５７と電磁ポンプ５８を駆
動して着火動作に入り、燃焼を開始するようになってい
る。そして、運転スイッチ５１をＯＦＦすると前記燃焼
制御部５２がバーナファン５７を所定時間駆動し続けて
気化器の温度を冷却するようになっている。

【０００３】また、最近は運転スイッチ５１とは別に短
時間着火スイッチ５９を設け、この短時間着火スイッチ
５９をＯＮしておけば運転中か否かにかかわらず気化ヒ
ータ５５に通電して前記気化器を着火温度よりは低い保
温温度に保持し、運転スイッチ５１を投入したとき短時
間で着火動作に入れるようになっている。

【０００４】

【発明が解決しょうとする課題】しかしながら、上記短
時間で着火させることができる従来のものは、着火まで
の待ち時間が短くなるので好評ではあるが、運転を停止
させて気化器の温度を冷却しているときも短時間着火ス
イッチ５９をＯＮしている時には気化ヒータ５５に通電
され、気化器を冷却するポストパージ時間が長くなると
ともに、気化ヒータへの通電により無駄な電力を消費す
るという課題があった。

【０００５】本発明はこのような課題に鑑みてなしたも
ので、経済性の向上とポストパージ時間の短縮を目的と
したものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、液体燃料の気化器を加熱する気化ヒータと、
前記気化器に燃料を供給する電磁ポンプと、運転スイッ
チの操作によって前記気化ヒータに通電して気化器を加
熱するとともに、予め設定されている通常着火温度まで
達すると電磁ポンプを駆動してバーナの燃焼を開始させ
る燃焼制御部と、運転スイッチのＯＮ−ＯＦＦに関係な
く前記気化ヒータへの通電を制御して気化器を前記通常
着火温度より低い温度で保温する保温モードを設定する
モード設定部と、このモード設定部に保温モードを指示
する短時間着火スイッチと、前記運転スイッチのＯＦＦ
時に上記保温モードを所定時間強制的に解除するモード
解除部と、前記短時間着火スイッチの指示で保温モード
を設定するモード設定部の出力に基づいて前記気化ヒー
タへの通電を制御するとともに、モード解除部からの出
力に基づいて気化ヒータへの通電を一時的に停止させる
気化温度制御部とを設けた構成としてある。

【０００７】

【作用】本発明は上記構成によって、運転停止時は保温
モードであっても所定時間は気化ヒータへの通電が停止
されるので気化器の冷却は短時間で終了させることがで
きるとともに、その間の電力消費も抑えることができ
る。

【０００８】

【実施例】以下本発明の実施例を図１〜図３を用いて説
明すると、１は運転スイッチ、２はこの運転スイッチ１
からの信号に基づいて燃焼を制御する燃焼制御部で、あ
らかじめ定められたシーケンスにしたがって気化ヒータ
３へ通電し気化器の予熱を開始するとともに、その温度
があらかじめ定められている着火温度に達するとバーナ
ファン４を駆動し、その所定時間後に電磁ポンプ５を駆
動して着火させ、以後図示しない温度設定部と室温設定
部からの信号に基づいて燃焼制御するようになってい
る。

【０００９】６は短時間着火スイッチ、７はこの短時間
着火スイッチ６のＯＮによって保温モードを設定するモ
ード設定部、８は前記運転スイッチ１のＯＦＦによって
動作するモード解除部で、運転スイッチＯＦＦから所定
時間、即ちポストパージに要する時間だけ上記モード設
定部７による保温モードを強制的に解除するようになっ
ている。９は気化ヒータ３への通電を制御する気化器温
度制御部で、前記モード設定部７からの信号に基づい
て、保温モード時は気化器が通常着火温度よりも低い保
温温度に維持されるよう気化ヒータ３への通電を制御す
るとともに、モード解除部８からの出力によって保温モ
ードを解除している時には気化ヒータ３への通電を停止
するようになっており、燃焼制御部２及び気化温度検出
部１０からの出力によっても制御するようになってい
る。

【００１０】図３はこの実施例を採用した燃焼装置を示
し、１２が気化器、１３は気化器１２からの気化ガスを
燃焼させるバーナ部、１４は電磁ポンプ５からの燃料を
供給するノズルで、気化器内にその先端部を臨ませてあ
る。１５はバーナファン４からの燃焼用空気が供給され
るスロートで、ポストファン時に上記ノズル１４を冷却
するようになっている。１６は気化温度検出部１１のセ
ンサ、１７は温風供給用の対流用送風機、１８は温風の
向きを変更する可変翼であり、３が気化ヒータである。

【００１１】上記構成において、次に保温モードに設定
されている状態での運転スイッチＯＦＦ時における気化
器温度の制御動作を図２を用いて説明する。まず運転ス
イッチ１がＯＦＦされるとポストパージ用のタイマーが
駆動されるとともにバーナファンの駆動が継続される。
そしてこれと同時にモード解除部８が保温モードの解除
指令を出して気化器温度制御部９は気化ヒータ３への通
電を停止する。

【００１２】そして所定時間が経過すると燃焼制御部２
はバーナファン４を停止させ、モード解除部８はその動
作を停止して保温モードに復帰し、気化ヒータ３への通
電が再開される。なお、上記保温モードの解除は気化器
の温度を検出してその温度が所定温度に低下するまでと
してもよいし、ポストパージ時に対流用送風機も併せて
駆動し続けるようにしてもよい。

【００１３】一方、図３に示すような気化式の燃焼装置
は、運転を停止した時に気化器１２内に臨んでいるノズ
ル１４先端で静止した燃料が高温でタールとして付着す
る現象が起こりやすい。それを防止するために、ポスト
パージのための燃焼用空気をノズル１４の周囲に送風し
て冷却するようにしているが、この期間に気化器の予熱
動作が重なると、冷却動作と加熱動作が重なり、結果と
して冷却作用を打ち消すことになって、タール付着の防
止効果を下げるし、また、本来されるべき冷却が充分に
行なわれないために、ノズル１４先端の燃料が熱膨張を
おこして高温のままの気化器にこぼれ落ちてしまい、そ
れが気化して未燃ガスとなって不快な臭気の増加を招く
ということが従来のものではあった。しかしながら上記
した実施例の構成によればこのような問題も解消でき
る。

【００１４】

【発明の効果】以上実施例の説明で明らかなように本発
明によれば、運転スイッチＯＦＦ時には保温モードを解
除して気化ヒータへの通電を停止させるので、気化器を
短時間で所定温度まで冷却することができるとともに、
無駄な電力消費を抑えることができ、経済性が大幅に向
上する。また、燃焼空気供給用のスロート内に燃料供給
用のノズルを設けたものにあってはノズルの温度をも急
速に冷却させることができ、ノズル温度がなかなか下が
らないことによって生じる臭気やノズル詰まりを極力少
なくすることもできるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例における気化器温度制御装置
のブロック図

【図２】同装置の動作を示すフローチャート図

【図３】同装置に用いたバーナの断面図

【図４】従来の気化器温度制御装置を示すブロック図

【符号の説明】

１ 運転スイッチ ２ 燃焼制御部 ３ 気化ヒータ ６ 短時間着火スイッチ ７ モード設定部 ８ モード解除部 １０ 気化器温度制御部

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】液体燃料の気化器を加熱する気化ヒータ
   と、前記気化器に燃料を供給する電磁ポンプと、運転ス
   イッチの操作によって前記気化ヒータに通電して気化器
   を加熱するとともに、予め設定されている通常着火温度
   まで達すると電磁ポンプを駆動してバーナの燃焼を開始
   させる燃焼制御部と、運転スイッチのＯＮ−ＯＦＦに関
   係なく前記気化ヒータへの通電を制御して気化器を前記
   通常着火温度より低い温度で保温する保温モードを設定
   するモード設定部と、このモード設定部に保温モードを
   指示する短時間着火スイッチと、前記運転スイッチのＯ
   ＦＦ時に上記保温モードを所定時間強制的に解除するモ
   ード解除部と、前記短時間着火スイッチの指示で保温モ
   ードを設定するモード設定部の出力に基づいて前記気化
   ヒータへの通電を制御するとともに、モード解除部から
   の出力に基づいて気化ヒータへの通電を一時的に停止さ
   せる気化温度制御部とからなる気化器温度制御装置。