JP3199105U - 二重殻構造の新設埋設タンク - Google Patents

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Abstract

【課題】補修等により埋設タンクの内側にFRP等の内殻を設置する必要がなく、タンクに生じる腐蝕や孔蝕を容易に知ることができる二重殻構造の埋設タンクを提供する。【解決手段】二重殻構造の埋設タンク1は、内殻と、外殻と、内殻と外殻間に配設された油検知線と、油検知線に接続された油検知器とを備え、内殻から漏れた油成分を検知線によって検知し、油検知器によって検知した油検知情報を信号線25を介して外部のモニタ18に通知する。【選択図】図1

Description

本考案は内部にガソリン等の油検知器を備えた二重殻構造の新設埋設タンクに関する。
今日、ガソリンスタンド等において、油貯蔵用の鋼製の地下タンクが広く使用されている。しかし、このような地下タンクは、長期間の使用により経年変化し、腐蝕や孔蝕を生じる場合があり、油漏れ等の原因となる。さらに、一旦鋼製タンクを埋設した場合、地上からタンクの腐蝕や孔蝕を点検することは困難である。
このため、例えば特許文献1はタンクの製造において高度な加工技術が不要でかつ製作の手間が掛からず、施工手間が少ない合成樹脂製の埋設タンクの提案が行われている。しかしながら、一旦ガソリン等の油漏れが発生すると、土壌汚染等の環境への影響が大きい。特に油漏れが長期間続く場合、土壌汚染のみならず地下水等への浸透が大きな社会問題となる。
そこで、地下に埋設した既存のタンクにスペーサを介装し、例えばFRPの内殻を配設し、油漏れを防止する方法が提案されている。
特開2003−261195号公報
しかしながら、既に地下に埋設した既製のタンクの内面にスペーサを介装し、例えばFRP等によって内殻を配設する作業には多くの労力を要し、費用も嵩む。また、一旦ガソリン等の油漏れが発生した地下タンクに補修を行う作業は、土壌汚染への対応も必要であり、困難な作業となる。
そこで、本考案は地下に埋設するタンクとして当初より二重殻構造の埋設タンクを使用し、更に予めガソリン等の油漏れを検知する検知器を備えた新設埋設タンクとすることによって、土壌汚染等を未然に防止し、地下水の汚染等の環境への悪影響を無くす二重殻構造の新設埋設タンクを提供するものである。
本考案は上記課題を解決するため、内殻と、外殻と、該内殻と外殻間に配設された油検知線と、該油検知線に接続された油検知器と、を備えた新設の埋設タンクであって、例えば内殻から漏れた油成分を上記検知線によって検知し、油検知器によって検知した油検知情報を外部に通知する二重殻構造の埋設タンクを提供することによって達成できる。
また、上記油検知線は、内殻の下部外周面と外殻の下部内周面間に形成された隙間に直線状に配設され、上記内殻と外殻は鋼板又はFRPで構成され、更に上記内殻と外殻間には所定間隔を保持するためのスペーサが設けられていることを特徴とする。
また、上記油検知器の出力は外部のモニタに送信され、埋設タンクの欠陥箇所の表示が行われることを特徴とする。
さらに、上記油検知器は異なる位置に複数設けられ、該複数の油検知器の出力に基づいて、上記モニタは埋設タンクの欠陥箇所の表示を行うことを特徴とする。
本考案によれば、内部にガソリン等の油検知器を備えた新設の二重殻構造の埋設タンクを使用することによって、以後補修等により埋設タンクの内側にFRP等の内殻を設置する必要がなく、タンクに生じる腐蝕や孔蝕を容易に知ることができる。したがって、油漏れに起因する土壌汚染等を未然に防止することができる。
本実施形態の新設埋設タンクの例を示す図である。 地下タンクの断面構成を示す図である。 地下タンクの底部の拡大図を示す図である。 検知器の構成を示す図である。 油漏れ検知回路の回路例を示す図である。 本実施形態の新設埋設タンクの変形例を示す図である。 油漏れ検知回路の他の回路例を示す図である。
以下、本考案の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本実施形態の新設埋設タンクの例を示す図であり、内部にガソリン等の油検知器を備えた二重殻構造の新設タンクである。尚、本例の二重殻構造の埋設タンクは、例えばガソリンスタンド等の油類を貯蔵する地下タンクを備えた場所に新設される。
同図において、地下タンク1には、例えばガソリンを入れる注油管2、地下タンク1からガソリンを吸引する給油管3、地下タンク1の通気を行う通気管4、及び地下タンク1に貯蔵されたガソリンの液面高を計測する液面計5が設置されている。また、地下タンク1は地表から所定の深さに埋設され、地下タンク1上はコンクリートが施設されている。
注油管2には地表に注油口7が設けられ、注油口7からガソリンの注油を行う。また、給油管3には地表に計量器、ポンプ等の機器類8が設けられ、地下タンク1からガソリンを吸引し、吸引するガソリンの計量を行う。また、上記注油管2にはバルブ9が設けられ、給油管3にはバルブ10が設けられている。尚、通気管4には通気口12が設けられ、地下タンク1内で発生するガスを排出する。
また、図1には事務所19に配設されたモニタ18に延びる信号線25が記載されており、この信号線25は地下タンク1に腐蝕穴や孔蝕穴が発生したことを示す情報を信号として送り、モニタ18に通知する。
図2は、地下タンク1の断面構成を示す図であり、図1に示す地下タンク1のD−D断面近傍を示す斜視図である。同図に示すように、地下タンク1は鋼板で形成された内殻14とFRP(繊維強化複合材)で形成された外殻15で構成され、内殻14と外殻15間にはスペーサ16が介装されている。
尚、FRP(繊維強化複合材)は、例えばプラスチック、金属、ゴム等を高強度繊維で補強した複合材であり、ガラス繊維複合材(GFRP (Glass fiber reinforced plastics))や炭素繊維複合材等を使用する。また、上記スペーサ16の材料もFRPを使用することによって、外殻15とスペーサ16を同じ金型を使用して一体形成することができる。
さらに、内殻14を鋼材に代えてFRPを使用することによって、内殻14と外殻15とスペーサ16全てを一体形成することも可能となる。このように構成すれば、本実施形態の新設埋設タンクの製造コストを低減することができる。
上記構成の二重殻構造の新設埋設タンクにおいては、内殻14と外殻15間に所定の隙間17が形成される。この隙間17に検知線20が配設されている。この検知線20は地下タンク1の底部に沿って配設され、地下タンク1の長手方向全長に渡って配設されている。
図3に本例の地下タンク1の底部(A部)の拡大図を示す。同図に示すように、検知線20は内殻14と外殻15間の隙間17に配設され、地下タンク1の底に溜まった水や有機溶液を後述する検知器に導く。同図に示すように、検知線20は、内殻14の下部外周面と外殻15の下部内周面間に形成された隙間17に直線状に配設されている。
検知器22は、例えば地下タンク1の底部に沿って配設された検知線20の中央部に設置する。図4は検知器22の構成を示す図である。同図に示すように、検知器22は両側のフッ素ポリマーセンサ23a、23bと、フッ素ポリマーセンサ23a、23b間に設けられた検出回路24で構成され、水や有機溶液が何れかのセンサ23a又は23bに触れると光を発生する。検出回路24はこの光を検出し、電圧変化に変換し、鋼製タンク14の腐蝕穴や孔蝕穴の存在を検知する。
一方、地下タンク1の上部には不図示の点検口が設けられ、検知器22によって検知された検知信号が信号線25を介して、この点検口を経由して事務所20内のモニタ18に送られる。
モニタ18はLED表示部やスピーカ等を備え、例えば検知器22がガソリンや油等の有機溶液を検知し、鋼製タンク1の腐蝕穴や孔蝕穴の発生を検知すると、LEDを発光し、更にスピーカから予め録音された警告音を発生する。
以上の構成の地下タンク1において、以下に内殻14の腐蝕や孔蝕による腐蝕穴や孔蝕穴の発生を検知する検知動作を説明する。
長年の使用によって地下タンク1の内殻14に劣化が生じると、内殻14の鋼板に腐蝕穴や孔蝕穴が発生し、当該箇所からガソリン(油)が浸入する。しかし、本例の二重殻構造によれば、内殻14の外周面に外殻15が覆設されており、地下タンク1(内殻14)ガソリン(油)が外部に漏れ出すことがない。したがって、ガソリン(油)漏れによる土壌の汚染等を防止できる。
例えば、鋼製タンク14の左側に発生した穴から侵入した水や有機溶液は地下タンク1(内殻14)左側底面に達し、検知線20を通ってフッ素ポリマーセンサ23aに到達する。フッ素ポリマーセンサ23aは水や有機溶液を検知すると発光し、検出回路24はこの光を検出し、電圧変化に変換し、地下タンク1の不良を検出する。
また、上記実施形態の説明では検知器22として有機溶液等を検出するフッ素ポリマーセンサを使用したが、フッ素ポリマーセンサに限らず、有機溶液や水等を検出するセンサであれば適用することができる。
例えば、図5に示す回路の分圧抵抗R3、R4の抵抗R3に並行に端子P1、P2を設け、また分圧抵抗R5、R6の抵抗R5に並行に端子P3、P4を設け、端子P1、P2を前述のフッ素ポリマーセンサ23aに代えて使用し、端子P3、P4を前述のフッ素ポリマーセンサ23bに代えて使用する。
このように構成することによって、例えば端子P1とP2間に有機溶液や水等が浸入するとトランジスタTr1のベース(B)電位が変化し、出力1から検知信号が出力され、腐蝕穴や孔蝕穴の発生を報知することができる。同様に、端子P3とP4間に有機溶液や水等が浸入するとトランジスタTr2のベース(B)電位が変化し、出力2から検知信号が出力され、腐蝕穴や孔蝕穴の発生を報知することができる。この場合も、鋼製タンク14に発生した穴が鋼製タンク14の右側であるか、又は左側であるかの検出を行なうこともできる。
また、上記実施形態の説明では地下タンク1の腐蝕や孔蝕について説明したが、例えば検知線や検知器としてガス漏れを検知することができる場合、油漏れ検知に代えて、ガス漏れ検知に使用することもできる。
図6は本例の検知器を備えた二重殻構造の新設埋設タンクの変形例を示す図である。同図に示すように、地下タンク1の下部には検知センサ33が一定間隔で設けられている。検知センサ33は、例えば半導体センサであり、ガソリン等の油成分を検知すると内部の抵抗値が変化する。
上記のように検知センサ33は内殻14と外殻15の隙間17に一定間隔で取り付けられ、各検知センサ33−1、33−2、・・には対応して信号線が接続されている。この信号線は油漏れ検知装置に接続され、各ガス検知センサ33−1、33−2、・・からの油漏れの検知信号(抵抗値変化)を通知する。
図7は油漏れ検知装置35の回路図である。同図に示すように、油漏れ防止装置35は各ガス検知センサ33−1、33−2、・・に対応してガス漏れ検知回路35−1、35−2、・・35−nで構成され、対応する検知センサ33−1、33−2、・・33−nからの検知信号に基づいて油漏れの検知を行う。
例えば、油漏れ検知回路35−1はトランジスタTr1、抵抗R1、r1、及びガス検知センサ33−1で構成され、検知センサ33−1の抵抗値と抵抗R1の抵抗値によって電源Eの電圧値Vを分割し、検知センサ33−1の抵抗値が予め設定された所定値以上に達するとトランジスタTr1のコレクタから油漏れ検知信号が出力(出力1)される。
同様に、油漏れ検知回路35−2についても、トランジスタTr2、抵抗R2、r2、及びガス検知センサ33−2で構成され、ガス検知センサ33−2の抵抗値と抵抗R2の抵抗値によって電源Eの電圧値Vを分割し、ガス検知センサ33−2の抵抗値が予め設定された所定値以上に達するとトランジスタTr2のコレクタからガス漏れ検知信号を出力(出力2)する。
以下、他の油漏れ検知回路35−3、35−4、・・35−nについても同様であり、ガス検知センサ33−3、33−4、・・33−nがガス漏れを検知すると、抵抗値が変化し、対応する油漏れ検知回路35−3、35−4、・・35−nから出力(出力3、出力4、・・出力n)を行い、油漏れを外部に報知する。
この油漏れの報知には前述と同様、LEDやスピーカが使用され、LEDを点灯させ(又はLEDを点滅させ)、スピーカから警告音を発生し、油漏れを外部に報知する。したがって、このように構成すれば地下タンク内の何れの位置から油漏れがあり、欠陥補修を容易に行うことができる。
1・・・地下タンク
2・・・注油管
3・・・給油管
4・・・通気管
5・・・液面計
7・・・注油口
8・・・機器類
9、10・・バルブ
11・・信号線
12・・通気口
14・・内殻
15・・外殻
16・・スペーサ
17・・隙間
18・・モニタ
19・・スペース
20・・信号線
22・・検知器
23a、23b・・フッ素ポリマーセンサ
24・・検知回路
25・・信号線
33、33−1、33−2、・・検知センサ
35・・油漏れ検知装置
35−1、35−2、・・油漏れ検知回路

Claims (6)

  1. 内殻と、外殻と、該内殻と外殻間に配設された油検知線と、該油検知線に接続された油検知器と、を備えた新設の埋設タンクであって、
    前記内殻から漏れた油成分を前記検知線によって検知し、前記油検知器によって検知した油検知情報を外部に通知する
    ことを特徴とする二重殻構造の埋設タンク。
  2. 前記油検知線は、前記内殻の下部外周面と前記外殻の下部内周面間に形成された隙間に直線状に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の二重殻構造の埋設タンク。
  3. 前記内殻と外殻は鋼板又はFRPで構成されていることを特徴とする請求項1、又は2に記載の二重殻構造の埋設タンク。
  4. 前記内殻と外殻間には所定間隔を保持するためのスペーサが設けられていることを特徴とする請求項1、2、又は3に記載の二重殻構造の埋設タンク。
  5. 前記油検知器の出力は外部のモニタに送信され、埋設タンクの欠陥箇所の表示が行われることを特徴とする請求項1、2、3、又は4に記載の二重殻構造の埋設タンク。
  6. 前記油検知器は異なる位置に複数設けられ、該複数の油検知器の出力に基づいて、前記モニタは埋設タンクの欠陥箇所の表示を行うことを特徴とする請求項5に記載の二重殻構造の埋設タンク。
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