JP3198335B2 - 多機能製剤化合物及びその使用法 - Google Patents

多機能製剤化合物及びその使用法

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JP3198335B2 JP50760291A JP50760291A JP3198335B2 JP 3198335 B2 JP3198335 B2 JP 3198335B2 JP 50760291 A JP50760291 A JP 50760291A JP 50760291 A JP50760291 A JP 50760291A JP 3198335 B2 JP3198335 B2 JP 3198335B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は、生物活性の独自かつ予想外の組み合わせを
有する、新奇な多機能製剤化合物に関する。より詳しく
は、この組成物は、化学的架橋で結合された生物活性を
有する少なくとも2個の化学的部分から形成されてい
る。各化学的部分は、構造的には、薬理活性、例えば免
疫活性調節作用、神経学的活性調節作用、心臓血管活性
調節作用、抗菌活性およびその他の治療特性を有する非
常に多様な生物活性化合物のいずれかに類似している。
この多機能化合物は、薬理活性のこのような組み合わせ
を特有の投与量依存的かつ支援的な形で示し、適度に有
効な量の個別的製剤組成物の投与によって、従来は利用
不可能であった治療法および組合わせ治療法を実施し、
かつ規定することを可能にする。
発明の背景 薬剤活性および生物活性を有する化合物を修飾して、
それらの機能特性を変化させ、または強化することは当
技術において公知である。典型的には、従来の技術によ
る努力は、選択的な物理的特性、例えば強化された水溶
性を有する担体分子を生物活性化合物に化学的に付着さ
せた、担体結合薬剤の製造に向けられている。例えば、
ジェイコブソン(Jacobson)とその同僚は、担体結合薬
剤の企図に対する「機能性コンジナー」アプローチと称
される取り組み方を開発した[ジェイコブソン(Jacobs
on,K.A.):「アデソシン受容体」、クーパー(Cooper,
D.M.F.)およびロンドス(Londos,C.)編、リセプター
・バイオロジー・アンド・メソドロジー(Receptor Bio
logy and Methodology)、第11巻(1988年)1〜26ペー
ジ、ヴェンター(Venter,J.C.)およびハリソン(Harri
son,L.C.)編、アラン・リス社(ニューヨーク)]。こ
のアプローチは、充分明確に定義された薬剤分子を薬剤
の特定の受容体部位でのその結合能力を保持させるよう
にして、非感受性の位置で修飾することが必要である。
化学的に機能性を持たせた薬剤コンジナーを製造するた
めに、彼らは化学的官能基の導入によって薬剤分子を修
飾し、次いで、共有結合によってこの官能基を担体分子
に付着させることができた。これにより、一部分(薬理
担体:pharmacophore)がその生物活性に寄与し、第二の
部分、すなわち担体がその選択的物理特性、例えば強化
された受容体付着または水溶性を付与する、二官能性分
子が製造された。このアプローチを利用して、カテコー
ルアミン、アデノシン受容体の作用薬および拮抗薬、な
らびにムスカリン性薬剤を用いた機能性コンジナー化合
物が調製された。
ところが、生物学的機構、例えば受容体への選択的リ
ガンドの結合と、心臓血管系、中枢神経系および免疫系
のような一見多様である生理系におけるそれらに関連し
た機能とに対する理解の最近の深まりは、そのような一
見多様である化学系を重大な、または損傷性の副作用な
しに選択的に治療し、または調節すると思われる特性を
示す生物活性化合物を企図するための代替的方法を発見
しようとする努力を鼓舞することになった。例えば、ア
デノシン受容体は心臓血管系、中枢神経系および免疫系
で発見されている。したがって、アデノシン類似体の開
発は、それらに付随する生物活性を調節または修飾する
際に有効であろうと初めは考えられた。しかし、アデノ
シン受容体の偏在的分布は、当初は無関係であると考え
られた生体系に重大かつ損傷性の副作用を生起させ、そ
れによって、アデノシン類似体の治療的有用性を著しく
減殺することになった。
同様な相互関係はまた、哺乳類の免疫系および神経系
に存在することも発見されている。過去数十年にわたっ
て、多くの研究者が哺乳類の免疫系と、全身的な健康を
維持する上でのその重要性との全般的な理解にかなりの
量の細目を追加した。より近年では、神経系の研究にお
いて同様な細目が判明している。ますます多くの情報が
これらの一見無関係な研究分野で発達するにつれて、こ
の2つの生理系間の数多くの密接な機能上の平行関係が
現れ始めた。例えば、これらの生理系は、ともに情報の
蓄積に関与し、また細胞間の信号の伝達に可溶性の化学
物質を利用している。さらに、天然の内在性物質、例え
ばホルモンや伝達物質は、どちらの生理系の細胞に対し
ても活性がある。はるかに重要なことに、2つの生理系
に共通のいくつかの機能は、神経細胞と免疫細胞の両表
面の類似の化学構造またはマーカーに依拠している。エ
イズウイルスの標的となるCD4受容体はT4リンパ級にも
ニューロンにも存在するとの最近の発見は、神経系と免
疫系との間の密接な関係の一層劇的な実例のひとつであ
る。
免疫学および神経学という分野間に古典的に押し付け
られた障壁をさらに横断すると、アルツハイマー病の理
解の最近の深まりは、この神経学上の疾患に免疫学的要
素の存在する可能性があることを含意している。アルツ
ハイマー病に見られる欠損の解剖学特異性と生化学的特
異性との双方が、老人斑の形成に寄与するニューロン、
グリアもしくはシナプス性の成分の二次的な関与を伴う
脳血管自体に対する免疫学的攻撃によって、あるいは特
定のニューロン、グリアもしくはシナプス性の成分に対
する免疫性攻撃に付随する血管の免疫介在性妥協によっ
て説明できるのではないかという意見が出されている
[アッペル(Appel,S.H.)、ニューロバイオロジー・ア
ンド・エイジング(Neurobiol.Aging)、第7巻(1986
年)512ページ]。
加えて、神経学上の疾患における免疫学的要素に関す
る情況証拠も、加齢中の集団における、より具体的には
アルツハイマー病におけるサプレッサー細胞の機能の変
化によって[マクドナルド(McDonald)ら、クリニカル
・アンド・エクスペリメンタル・イミュノロジー(Cli
n.Exp.Immunol.)、第49巻(1982年)123〜128ページ;
ミラー(Miller.A.E.):アナルス・オブ・ニューロロ
ジー(Ann.Neurol.)、第10巻(1981年)506〜510ペー
ジ、ステファンソン(Stefansson,K.):[加齢の臨床
神経学」、アルバート(Albert,M.L.)編、1984年、76
〜94ページ、オックスフォード大学出版局]、アルツハ
イマー病の大家系における第6染色体のHLA領域および
第14染色体のGM座の関与によって[ワイトカンプ(Weit
kamp,L.R.m)、アメリカン・ジャーナル・オブ・ヒュー
マン・ジェネティックス(Am.J.Hum.Genet.)、第35巻
(1983年)443〜453ページ]、および、アルツハイマー
型老年性痴呆症(SDAT)に症状が似ている疾病であるダ
ウン症候群における免疫学的諸元の変化によって与えら
れる。
神経免疫学という揺藍期の分野の科学者たちは、脳細
胞(ニューロン)の機能における欠陥は、免疫系の細胞
(例えば、末梢血管の免疫細胞)の受容体における、そ
れと平行する欠陥または機能不全として付随的に認めら
れる可能性があるとの仮説を唱えている。この仮説が妥
当であることは、ニューロンでのHIV感染という前述の
発見によって最近明らかにされた。この神経免疫学的理
論は、ほとんどすべての神経精神疾患は、主として遺伝
的素質、知的態度、および(または)自然環境に対する
抵抗力のような因子によるのであって、細胞機能の欠陥
または不全にはよらないものと以前は考えられていたこ
とから、重大な影響力を有するに至った。同様に、免疫
系は、感染症や癌から退行性の疾病、例えばアルツハイ
マー病、関節炎および加齢までの範囲にわたる数多くの
疾病に関与しているものの、認識に関する機能性とのそ
の関係は従来は理解されていなかった。
これらの多様な生理系の間の化学的相関関係は、つい
最近まで認められなかったため、従来の技術による医学
的治療法および医薬品は、ほぼ専ら個々の系のみの治療
に集中されていた。したがって、製剤化合物は、現在で
は関連する身体系であることが知られている系での望ま
しくない相互作用を回避するという理念のもとに、心臓
欠陥系なり免疫系なり、あるいは中枢神経系なりの治療
もしくは調節を目的として開発されてきた。製薬学や医
学の分野では、最近の努力は、他を圧する最大量が免疫
系のみに対して払われている。当技術においては、ヨー
ロッパ特許公開第0 126 813号公報[サイモン(Simon)
ら]、米国特許第4,221,909号明細書[サイモンら]、
同第4,211,794号明細書[クラスカ(Kraska)]および
同第4,221,910号明細書[ザイナー−ソローラ(Giner−
Sorolla)]に記載されているものなど数多くの免疫活
性調節剤および抗ウイルス剤が開示されている。侵入す
る生物、例えば細菌を直接攻撃または破壊する抗生物質
とは異なり、免疫活性調節剤、より具体的には免疫強化
剤は、感染の効果に対する身体自身の防衛機構を強化す
る助けとなる化合物である。免疫活性調節剤は、抑制さ
れた免疫機能の回復または亢進した免疫機能の抑制のい
ずれかに働く。
エイズという流行病は、少なからぬ資材と関心とを免
疫系の欠陥および機能不全の研究に集中させているが、
細菌の神経組織におけるHIV感染の発見を除いては、多
機能製剤化合物、例えば神経免疫薬剤その他の、心臓血
管活性化合物による免疫活性調節作用や、抗菌活性化合
物による免疫活性調節作用のような機能的に関連する相
互支援的な治療活性を示す化合物の開発には、比較的僅
かな研究が行われているにすぎない。
上記により、機能的に関連し、相互支援的な治療に働
く少なくとも2種類の独立した薬理活性を有する多機能
製剤化合物を開示することが、本発明の主目的である。
生物活性を示す化学的部分、例えば免疫活性調節性薬
理担体、神経性薬理担体、心臓血管性薬理担体、抗菌性
薬理担体その他と対合した多機能製剤化合物を提供する
ことは、本発明の追加的な目的である。
独立した化学的部分の個々の薬理作用とは量的または
性格的に、あるいはその双方ともに異なる、組み合わさ
れた薬理活性を生起させる生物活性を示す化学的部分を
組み合わせた多機能製剤化合物を提供することは、本発
明の更に追加的な目的である。
中枢神経系と免疫系の双方に共通する欠陥または機能
不全に関して薬理活性を示す、特定の神経学的活性を示
す免疫活性調節化合物を開示することも、本発明の更に
追加的な目的である。これらの特定の化合物は、神経免
疫学的状態、例えばアルツハイマー病、エイズ、記憶、
免疫機能の治療はもとより、加齢の効果の治療にも特に
効果的であると思われる。
発明の要約 これらおよびその他の目的は、少なくとも1個の化学
的架橋基で結合された、生物活性を有する少なくとも2
個の化学的部分を組み合わせた、本発明の多機能製剤組
成物によって達成される。結合された化学的部分は、独
立した薬理活性を有する生物活性分子の薬理学的に適切
ないかなる組み合わせであることも可能である。例え
ば、本発明の教示するところによれば、免疫活性調節部
分を神経作用部分と対合させた生物活性化合物を製造す
ることが可能である。同様に、本発明の対象範囲内の他
の対合、例えば心臓血管活性を有する部分を抗菌活性そ
の他を有する化学的部分と組み合わせることも可能であ
る。
本発明の多機能製剤化合物は、プロピオン酸、酪酸ま
たはそれらの誘導体のような化学的架橋基によって結合
された明確な生物活性を有する化学的部分から形成する
ことが好ましい。アミド結合またはペプチド結合のよう
な生体内分解の可能な化学的架橋基が好適であるが、そ
れは、所望の場合は個々の化学構造部分が独立に機能す
るのを可能にする公知の蛋白質分解酵素によって、かか
る架橋基は容易に加水分解されるであろうと考えられる
からである。しかし、ここで強調すべきことは、個々の
化学的部分は、処理される細胞の、隣接または構造的に
近接した受容体部位と相互に結合されたままであり、し
たがって同時にそれらと作用し合い、かつ本発明の教示
の範囲内に留まることである。
本発明の多機能化合物は、これを配合して、有効濃度
の特定の化合物および製薬上許容され得る担体を組み込
んだ新規な製剤組成物とすることができる。次いで、こ
れらの製剤組成物を活用して、本発明の対象範囲内の治
療方法を実行することができ、上記のとおり製造された
有効量の製剤組成物は、アルツハイマー病、神経免疫学
上の疾患、神経心臓血管系疾患その他のような状態に罹
患した哺乳類である患者に経口的に、または注射によっ
て投与されるのである。
本発明の多機能製剤化合物のその他の目的および利点
は、それらのより充分な理解と並んで、好適なその例示
的実施態様に関する下記の詳細な説明の考察から当業者
に与えられものと思われる。
例示的実施態様の詳細な説明 広義の観点においては、本発明の多機能製剤化合物
は、少なくとも1個の化学的架橋基によって結合された
少なくとも2個の生物活性に富む化学的部分から形成さ
れる。化学的部分、すなわち薬理担体の各々は、多機能
化合物の特性に対するそれ自体の生物活性に寄与する。
これらの生物活性としては、免疫学的活性もしくは免疫
活性調節作用、神経学的活性、心臓血管活性、または抗
菌活性が含まれるであろうが、生物活性の別の組み合わ
せも、本発明の範囲内にあると考えられる。例えば、特
定の形式の生物活性分子の活性を示す化学構造の中核か
ら、あるいはこれに代えて、選択的な薬剤コンジナーも
しくは他の生物活性化合物から化学的部分の各々を形成
させることが可能である。このように、従来の技術によ
る担体結合薬剤とは異なり、本発明の化合物は、それぞ
れの生物活性に加えて、担体としても機能できるいくつ
もの生物活性薬理担体から形成される。より意義深いこ
とであるが、本発明の化合物は、その量もしくは性格、
またはその双方がそれぞれの薬理担体の個々の活性と異
なる、独自の薬理活性を示すことが意外にも見出され
た。
本発明の教示するところによれば、ある化学的架橋基
を用いて、個々の薬理担体を共有結合で結合させるのが
好ましい。好ましくは、この架橋基は、単独もしくは多
数のアミドまたはペプチド様の結合のような生体内分解
の可能な結合を包有する。このようにして、本発明の化
合物の化学構造部分が、この化学的架橋基の加水分解に
つれて独立に機能することが可能となる。本発明の教示
による例示される架橋基は、プロピオン酸および酪酸、
またはプロパンアミドのようなそれらの誘導体である。
かかる生体内分解の可能な結合が体内に存在する公知の
蛋白質分解酵素によって加水分解されて、かかる独立し
た機能を生起させるものと考えられたのであるが、これ
らの化合物に関しては、全く予想外の生物活性が認めら
れたことから、現在では、各化合物のそれぞれの化学的
部分は結合されたままである可能性があると提案されて
いる。その結果、これらの結合された、生物活性を有す
る化学的部分は、個々の細胞の隣接または構造的に近接
した受容体部位と同時的に作用し合うことが可能である
ものと考えられる。より詳しくは、本発明の化合物の独
特の投与量依存的な活性、相乗的な生物学的特性および
多様な特異的生物学的効果は、化学結合基の異なる生体
内分解では説明できない非凡かつ予想外の相互作用の機
構を示している。
本発明を実施するための例示的な薬理担体は、下記の
治療上の分類群に属する生物活性を示す化学的部分から
選択することが可能である:鎮痛、駆虫、抗潰瘍、抗
菌、抗生物、鎮痙、抗真菌、抗高血圧、抗マラリア、抗
腫瘍、関節炎、気管支拡張、心臓血管、免疫、抑鬱症、
利尿、利尿性炭酸脱水酵素阻害剤、筋弛緩、神経科、神
経伝達物質、パーキンソン病、精神賦活および交感神経
興奮。しかし、当業者は、薬理担体の治療上のその他の
分類群も本発明の範囲内にあると考えられることを理解
するものと思われる。
したがって、本発明の多機能製剤化合物は、アスピリ
ン、ピペラジン、シメチジン、ラニチジン、スルファメ
トキサゾール、フルフィソキサゾール、ペニシリンG、
セファロスポリンC、テトラサイクリン、フェニトイ
ン、フルシトシン、アミノ酪酸、プリマキン、ピリメタ
ミン、メトトレキサート、ナプロキセン、イブプロフェ
ン、エピネフリン、エフェドリン、テオフィリン、カプ
トプリル、アセブトロール、フレカイニド、メキシレチ
ン、プロカインアミド、トカイニド、カルニチン、クロ
ルジアゼポキシド、デシプラミン、マプロチリン、メプ
ロバメート、ノルトリプチリン、プロトリプチリン、ト
ラニルシプロミン、アミロリド、トリアムテレン、エタ
クリン酸、アセタゾラミド、カプトプリル、プラゾシ
ン、バクロフェン、ヒポキサンチン、5−ヒドロキシト
リプタミン、レボドーパ、メタンフェタミン、メチルフ
ェニデート、ペモリン、デキストロアンフェタミン、ド
ーパミン、または構造的に類似の生物活性化合物などの
化学的架橋結合による組み合わせから形成することが可
能である。
本発明の範囲内で、免疫特性、神経特性、心臓血管特
性および抗菌特性をはじめとする非常に多様な生物活性
を有する化学的部分の組み合わせが可能であるが、本発
明の下記の例示的実施態様は、結合された免疫活性調節
性薬理担体と神経性薬理担体とから形成される。上記の
とおり、免疫活性と神経活性とを有する生物活性化学的
化合物を結合させる原理は、中枢神経系と免疫系との間
の、各系の細胞上に存在する類似の関連する表面指標の
存在による機能的関係に基づく。更に、脳細胞の機能に
おける欠陥は、末梢血免疫細胞の機能における欠陥に付
随して認められる。
したがって、本発明の教示によれば、免疫細胞と神経
細胞の双方における機能的欠陥を矯正するように企図さ
れた化合物を製造することが特に望ましい。当業者は理
解すると思われるとおり、アルツハイマー病において、
またHIV感染の神経学的側面に関連して、いずれも特定
の神経および免疫関係の欠陥または機能不全が知られて
いることから、これらの症候または状態が本発明の例示
的実施態様の主たる標的である。同様に、精神分裂病
や、加齢に伴う神経免疫学関係の機能不全という疾病も
これらの実施態様の標的である。強調すべきであるの
は、下記の非制約的実施例は、本発明の例示であって、
決して本発明の範囲を神経免疫学関係の化合物に限定す
るものではないことである。
本発明の教示による神経免疫関係特性を示す例示的な
多機能製剤化合物は、免疫活性を有する第一の化学的生
物活性部分と、神経活性を有する第二の化学的生物活性
部分とから形成することが可能である。例示的な化学的
免疫性部分は、ヒポキサンチン、すなわちプリン−6
(1H)−オンであって、本明細書での説明を目的として
AIT−001として特定される。本発明の化合物にヒポキサ
ンチンを用いることに付加される利点は、血液脳関門を
通過することが知られている唯一のプリンであるイノシ
ン酸とのそれの構造的関係である。このように、免疫関
係化合物としてのその生物活性に加えて、ヒポキサンチ
ンは、この多機能製剤化合物を脳などの特定の標的器官
へと送達する分子の担体または照準部分としても機能す
る。本発明の教示によれば、ヒポキサンチンは、プロピ
オン酸または酪酸などの化学的架橋基によって、広範囲
の化学的神経活性部分に結合されて、下記の例示的化合
物が製造される(これらに対する構造式は付録Aに掲載
されている)。
AIT化合物 AIT−0026: 3−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)プロピオ
ン酸エチルエステル AIT−0027: 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9
−イル)プロピオン酸エチルエステル AIT−0029: 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9
−イル)−N−[(1−エチル−ピロリジン−2−イ
ル)メチル]プロパンアミド AIT−0031: 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9
−イル)−N−[2−(4−モルホリニル)エチル]プ
ロパンアミド AIT−0033: 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9
−イル)−N−(1−ベンジルピペリジン−4−イル)
プロパンアミド AIT−0034: 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9
−イル)−N−[3−(2−オキソピロリジン−1−イ
ル)プロピル]プロパンアミド AIT−0035: 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9
−イル)−N−[2−(1−メチルピロル−2−イル)
エチル]プロパンアミド AIT−0037: 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9
−イル)−N−[3−(1−イミダゾリル)プロピル]
プロパンアミド AIT−0043: 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9
−イル)−N−[3−(4−モルホリニル)プロピル]
プロパンアミド AIT−0044: 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9
−イル)−N−[3−(2−メチルピペリジン−1−イ
ル)プロピル]プロパンアミド AIT−0045: 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9
−イル)−N−[2−(1−メチルピロリジン−2−イ
ル)エチル]プロパンアミド AIT−0046: 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9
−イル)−N−(2−ヒドロキシエチル)プロパンアミ
ド AIT−0047: 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9
−イル)−N−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチ
ル]プロパンアミド AIT−0048: 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9
−イル)−N−{2−[(2−ヒドロキシエチル)アミ
ノ]エチル}プロパンアミド AIT−0049: 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9
−イル)−N−[2−(4−アミノスルホニルフェニ
ル)エチル]プロパンアミド AIT−0050: 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9
−イル)−N−[(2−ヒドロキシ−1−メチル−2−
フェニル)エチル]プロパンアミド AIT−0051: 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9
−イル)−N−{2−[(1−オキソエチル)アミノ]
エチル}プロパンアミド AIT−0052: 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9
−イル)−1−[1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4,
5]dec−8−イル]プロパノン AIT−0056: 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9
−イル)プロパン酸ヒドラジド AIT−0058: 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9
−イル)−N−(2−アミノエチル)プロパンアミド AIT−0059: 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9
−イル)−N−(2−ヒドロキシプロピル)プロパンア
ミド AIT−0060: 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9
−イル)−N−[(2−フラニル)メチル]プロパンア
ミド AIT−0062: 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9
−イル)−N−(2,3−ジヒドロキシプロプ−1−イ
ル)プロパンアミド AIT−0063: 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9
−イル)−N−[(2−ピリジニル)メチル]プロパン
アミド AIT−0064: 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9
−イル)−N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]プロ
パンアミド AIT−0065: 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9
−イル)−N−{2−[[2−(2−オキソピロリジン
−1−イル)−1−オキソエチル]アミノ]エチル}プ
ロパンアミド AIT−0066: 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9
−イル)−N−ピペロニルプロパンアミド AIT−0068: 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9
−イル)−N−[2−(1−ピリジニル)エチル]プロ
パンアミド AIT−0069: N,N′,N″−トリ{2−[3−(1,6−ジヒドロ−6−
オキソ−9H−プリン−9−イル)−1−オキソプロピ
ル]アミノエチル}アミン AIT−0070: 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9
−イル)−N−{[2−(1−ピリジニル)]エチル}
プロパンアミド AIT−0071: 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9
−イル)−N−[2−(2,2′−ジエタノールアミン)
エチル]プロパンアミド AIT−0072: 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9
−イル)−N−[2−(1H−インドール−3−イル)エ
チル]プロパンアミド AIT−0073: 2−[(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)メチル]
コハク酸メチルジエステル AIT−0074: 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9
−イル)−N−(3−アミノプロピル)プロパンアミド AIT−0075: 2−[(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−
9−イル)メチル]コハク酸メチルジエステル AIT−0079: 4−{[3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プ
リン−9−イル)−1−オキソプロピル]アミノ}安息
香酸エチルエステル AIT−0080: 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9
−イル)プロピオン酸 AIT−0081: 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9
−イル)プロピオン酸4−ニトロフェニルエステル AIT−0082: 4−{[3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プ
リン−9−イル)−1−オキソプロピル]アミノ}安息
香酸 AIT−0083: 4−{[3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プ
リン−9−イル)−1−オキソプロピル]アミノ}安息
香酸の1−(ジメチルアミノ)−2−プロパノールとの
化合物(1:1) AIT−0084: 4−{[3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プ
リン−9−イル)−1−オキソプロピル]アミノ}安息
香酸1−(ジメチルアミノ)−2−プロピルエステル AIT−0085: 2−{[3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プ
リン−9−イル)−1−オキソプロピル]アミノ}−3
−フェニルプロピオン酸メチルエステル AIT−0086: 2−{[3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プ
リン−9−イル)−1−オキソプロピル]アミノ}−3
−フェニルプロピオン酸 AIT−0087: 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9
−イル)−N−[2−(2−デオキシグルコピラノシ
ル)]プロパンアミド AIT−0090: 4−{[2−[[3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ
−9H−プリン−9−イル)−1−オキソプロピル]アミ
ノ]エチル]アミノ}−2−ヒドロキシ−4−オキソ−
N,N,N−トリメチル−1−ブタンアミニウム=クロリド AIT−0092: 4−{[3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プ
リン−9−イル)−1−オキソプロピル]アミノ}酪酸
メチルエステル AIT−0093: 3−{[3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プ
リン−9−イル)−1−オキソプロピル]アミノ}プロ
パンスルホン酸 AIT−0094: 1−{2−[[3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9
H−プリン−9−イル)−1−オキソプロピル]ヒドラ
ジノ]−2−オキソエチル}ピリジニウム=クロリド AIT−0095: 4−{[3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プ
リン−9−イル)−1−オキソプロピル]アミノ}−N
−[2−(ジエチルアミノ)エチル]ベンズアミド=モ
ノヒドロクロリド AIT−0096: 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9
−イル)−N−(2−オキソチアオラン−3−イル)プ
ロパンアミド AIT−0097: 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9
−イル)−N−[2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)
−2−ヒドロキシエチル]プロパンアミド AIT−0098: 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9
−イル)−1−(1−フェニル−4−オキソ−1,3,8−
トリアザスピロ[4,5]dec−8−イル)プロパノン AIT−0099: 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9
−イル)−1−(1,2,3,4−テトラヒドロ−2−アザカ
ルバゾ−2−イル)プロパノン AIT−0100: 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9
−イル)−N−[2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)
−2−ヒドロキシエチル]−N−メチルプロパンアミド AIT−0102: 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9
−イル)−1−(2−フェニルイミダゾ−1−イル)プ
ロパノン AIT−0103: 1−[3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリ
ン−9−イル)−1−オキソプロピル]−3−ピペリジ
ンカルボン酸エチルエステル AIT−0105: 4−{[3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プ
リン−9−イル)−1−オキソプロピル]アミノ}安息
香酸1−(ジメチルアミノ)−2−プロピルエステル一
塩酸塩 AIT−0106: 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9
−イル)プロピオン酸1−(ジメチルアミノ)−2−プ
ロピルエステル AIT−0110: 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9
−イル)プロピオン酸の1−(ジメチルアミノ)−2−
プロパノールとの化合物(1:1) AIT−0111: 2−{[3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プ
リン−9−イル)−1−オキソプロピル]アミノ}−2
−(5−ヒドロキシ−1H−インドール−3−イル)プロ
ピオン酸 これらの例示的な神経免疫性の多機能製剤化合物は、
下記の非制約的実施例に記載のとおりに製造することが
可能である。
実施例1 3−(1,6−ジヒドロ−6−アミノ−9H−プリン−9−
イル)プロピオン酸エチルエステル(AIT−0026)の合
成 アデニン(10.00g、74.00ミリモル)を、磁気攪拌
機、還流冷却器およびCaCl2入り乾燥管を備えた清浄で
乾燥した500ml丸底フラスコに入れる。無水エタノール
(360ml)を加え、溶液を攪拌する。この懸濁液に、ナ
トリウムの小片(約75mg)を追加する。ナトリウムが完
全に反応したときに、懸濁液に22.2g(0.222モル)のア
クリル酸エチルを加え、混合液を還流させる。還流を一
晩、約18時間継続させ、得られたライム色の均質溶液を
室温にて徐々に冷えるにまかせる。4℃で結晶を形成さ
せる。溶液はブフナーの減圧濾過を用いて濾過し、固体
を無水エーテルで洗浄する。乾燥させると、15.2g(64.
6ミリモル)の3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−
プリン−9−イル)プロピオン酸エチルエステル(AIT
−0026)が得られる。
収率:87%、融点:166〜167℃。
実施例2 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−
イル)プロピオン酸エチルエステル(AIT−0027)の合
成 3−(1,6−ジヒドロ−6−アミノ−9H−プリン−9
−イル)プロピオン酸エチルエステル(AIT−0026)(1
5.2g、64.6ミリモル)を、350mlの氷酢酸とともに500ml
丸底フラスコに入れ、攪拌して完全に溶解させる。攪拌
中に、水に溶かした(飽和させた)22.3g(0.323モル)
のNaNO2を、滴下漏斗(等圧にて)を用いて1時間にわ
たって滴加する。添加の間に褐色の気体が生じる。添加
の完了後直ちにフラスコに栓をして、溶液を室温にて24
時間攪拌する。溶媒は減圧下で除去する(約45〜50
℃)。氷冷(0℃)無水エタノールで残渣を洗浄し、濾
過する。得られた白色の固体を175mlのエタノール/水
(70/30)溶液に溶解させ、0℃にて一晩冷却する。得
られた沈澱を、磁気攪拌機のバーとともにフラスコに入
れ、活発に攪拌することによって水洗する。ブフナー減
圧濾過を用いて溶液を濾過し、得られた白色の固体を減
圧下で50℃にて乾燥させると、4.6g(19.5ミリモル)の
3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−
イル)プロピオン酸のエチルエステル(AIT−0027)が
得られる。
収率:87%、融点:197〜200℃。
実施例3 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−
イル)−N−[(1−エチルピロリジン−2−イル)メ
チル]プロパンアミド(AIT−0029)の合成 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9
−イル)プロピオン酸エチルエステル(AIT−0027)(2
50mg、1.06ミリモル)を、磁気攪拌機、還流冷却器およ
びCaCl2入り乾燥管を備えた10ml丸底フラスコに入れ
る。次いで、3mlのアセトニトリルおよび280mg(2.18ミ
リモル)の2−(アミノメチル)−1−エチルピロリジ
ンを加え、溶液を加熱して還流させる。すべてのエステ
ルが還流の際に溶解するわけではないが、反応が進行す
るにつれて、溶液は均質となる。還流を17時間継続し、
その時点で溶媒は完全に蒸発している。残渣にアセトニ
トリルを加え、冷却させる。白色の沈澱が形成される。
エーテルを加え、溶液を攪拌して沈澱を洗浄する。溶液
をブフナーの減圧濾過を用いて濾過し、沈澱をエーテル
で洗浄する。乾燥させると、300mg(0.91ミリモル)の
3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−
イル)−N−[(1−エチル−2−ピロリジニル)メチ
ル]プロパンアミド(AIT−0029)が灰白色の固体とし
て得られる。
融点:177〜180℃。
実施例4 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−
イル)−N−[2−(4−モルホリニル)エチル]プロ
パンアミド(AIT−0031)の合成 250mg(1.06ミリモル)の3−(1,6−ジヒドロ−6−
オキソ−9H−プリン−9−イル)プロピオン酸エチルエ
ステル(AIT−0027)を、磁気攪拌機、還流冷却器、CaC
l2入り乾燥管および3mlのアセトニトリルとともに10ml
丸底フラスコに入れる。次いで、280mg(2.15ミリモ
ル)の4−(2−アミノエチル)モルホリンを加える。
次いで、溶液を還流させる。還流は18時間継続する。更
に280mg(2.15ミリモル)の4−(2−アミノエチル)
モルホリンを加えると、いくらかのアセトニトリルは蒸
発して、より濃縮された溶液が得られるので、再び溶液
を28時間還流させる。暗色の粘調な残渣にいくらかのア
セトニトリル(4ml)を加え、溶液を攪拌する。白色の
沈澱が形成されるので、ブフナー濾過を用いてこれを集
める。この固体を初めアセトニトリル、次いでエーテル
で洗浄する。乾燥させると、250mgの3−(1,6−ジヒド
ロ−6−オキソ−9H−プリン−9−イル)−N−[2−
(4−モルホリニル)エチル]プロパンアミド(AIT−0
031)がわずかに灰色を帯びた白色の固体として得られ
る。
収率:74%。
実施例5 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−
イル)−N−(1−ベンジルピペリジン−4−イル)プ
ロパンアミド(AIT−0033)の合成 250mg(1.06ミリモル)の3−(1,6−ジヒドロ−6−
オキソ−9H−プリン−9−イル)プロピオン酸エチルエ
ステル(AIT−0027)を、磁気攪拌機、還流冷却器およ
びCaCl2入り乾燥管を備えた10ml丸底フラスコに加え
る。次いで、604mg(3.17ミリモル)の4−アミノ−1
−ベンジルピペリジンおよび1mlのアセトニトリルを加
え、溶液を還流させる。還流は17時間継続する。アセト
ニトリルは蒸発し、混合液を120℃にて8時間加熱する
と、暗色の粘調な油が得られる。この油に、攪拌しつつ
エーテルを投与する。溶液を濾過し、橙褐色の固体をエ
ーテルを追加して洗浄する。乾燥させると、385mgの褐
色の固体が得られる。この固体をアセトンに溶かして攪
拌し、濾過し、アセトン、次いでエーテルで洗浄する。
これによって、200mgの3−(1,6−ジヒドロ−6−オキ
ソ−9H−プリン−9−イル)−N−(1−ベンジルピペ
リジン−4−イル)プロパンアミド(AIT−0033)が黄
褐色の固体として得られる。HPLCによる分析は、生成物
が65%の純度であることを示した。
実施例6 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−
イル)−N−[3−(2−オキソピロリジン−1−イ
ル)プロピル]プロパンアミド(AIT−0034)の合成 250mg(1.06ミリモル)の3−(1,6−ジヒドロ−6−
オキソ−9H−プリン−9−イル)プロピオン酸エチルエ
ステル(AIT−0027)を、磁気攪拌機、還流冷却器およ
びCaCl2入り乾燥管を備えた10ml丸底フラスコに加え
る。452mg(3.18ミリモル)の1−(3−アミノプロピ
ル)−2−ピロリジノンおよび1mlのアセトニトリルを
加える。溶液を17時間還流すると、その時点ですべての
アセトニトリルは蒸発して、暗色の粘調な油が残る。こ
の油を、15gのシリカゲル、メタノール40%および酢酸
エチル60%の溶離液を用いたクロマトグラフィーにかけ
る。この操作によって、185gの3−(1,6−ジヒドロ−
6−オキソ−9H−プリン−9−イル)−N−[3−(2
−オキソピロリジン−1−イル)プロピル]プロパンア
ミド(AIT−0034)が純粋な白色の固体として得られ
る。収率:53%。
実施例7 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−
イル)−N−[2−(1−メチルピロル−2−イル)エ
チル]プロパンアミド(AIT−0035)の合成 250mg(1.06ミリモル)の3−(1,6−ジヒドロ−6−
オキソ−9H−プリン−9−イル)プロピオン酸エチルエ
ステル(AIT−0027)および400mg(3.22ミリモル)の2
−(2−アミノエチル)−1−メチルピロールを、10ml
入り丸底フラスコ中で110〜120℃にて3.5時間攪拌しつ
つ(溶媒無し)ともに加熱する。暗色の粘調な残渣にエ
ーテル/アセトン1:1混合液を加え、30分間活発に攪拌
する。濾過により沈澱を回収し、エーテルおよびアセト
ンで洗浄し、減圧下で乾燥させると、265mgの3−(1,6
−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−イル)−N
−[2−(1−メチルピロル−2−イル)エチル]プロ
パンアミド(AIT−0035)が灰白色の固体として得られ
る。収率:80%。
実施例8 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−
イル)−N−[3−(1−イミダゾリル)プロピル]プ
ロパンアミド(AIT−0037)の合成 250mg(1.06ミリモル)の3−(1,6−ジヒドロ−6−
オキソ−9H−プリン−9−イル)プロピオン酸エチルエ
ステル(AIT−0027)を500mg(3.99ミリモル)の1−
(3−アミノプロピル)イミダゾールとともに、10ml入
り丸底フラスコ中で120℃にて2時間、攪拌しつつ加熱
する。得られた粘調な黄色の油を、15gのシリカゲル、
メタノール40%および酢酸エチル60%の溶離液を用いた
クロマトグラフィーにかけると、溶媒を蒸発させた後に
高度に粘調な無色の油が得られる。この油を約50mlのエ
チルエーテルに溶解させ、次いで、メタノールを徐々に
加えると白色沈澱が形成される。減圧濾過を用いて沈澱
を回収し、エチルエーテルで洗浄する。この物質を乾燥
させると、200mgの3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−
9H−プリン−9−イル)−N−[3−(1−イミダゾリ
ル)プロピル]プロパンアミド(AIT−0037)が白色の
固体として得られる。収率:65%。
実施例9 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−
イル)−N−[3−(4−モルホリニル)プロピル]プ
ロパンアミド(AIT−0043)の合成 475mg(3.29ミリモル)の4−(3−アミノプロピ
ル)モルホリンを磁気攪拌バーを備えた10ml丸底フラス
コに加える。このフラスコを100〜120℃に加熱し、250m
g(1.06ミリモル)の3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ
−9H−プリン−9−イル)プロピオン酸エチルエステル
(AIT−0027)を攪拌中のフラスコに加える。加熱は2
時間継続する。この溶液を室温まで冷却し、次いで、8m
lのアセトニトリルを攪拌しつつ加える。白色の沈澱が
形成されるので、アセトニトリル中で攪拌の20分後に溶
液を濾過する。濾過したものをアセトニトリル、次いで
エーテルで洗浄する。これによって、130mgの白色の固
体が得られる。母液を換気フード内に一晩放置し、翌日
濾過すると、更に100mgの3−(1,6−ジヒドロ−6−オ
キソ−9H−プリン−9−イル)−N−[3−(4−モル
ホリニル)プロピル]プロパンアミド(AIT−0043)が
得られる。収率:65%、融点:145〜148℃。
実施例10 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−
イル)−N−[3−(2−メチルピペリジン−1−イ
ル)プロピル]プロパンアミド(AIT−0044)の合成 0.565g(3.62ミリモル)の1−(3−アミノプロピ
ル)−2−ピペコリンを磁気攪拌バーを備えた10ml丸底
フラスコに加える。このフラスコを120℃に加熱し、250
mg(1.06ミリモル)の3−(1,6−ジヒドロ−6−オキ
ソ−9H−プリン−9−イル)プロピオン酸エチルエステ
ル(AIT−0027)を加える。混合液を120℃にて2時間加
熱し、冷却する。得られた淡橙色の粘調な油に8mlのア
セトニトリルを加え、約25分間攪拌する。溶液を濾過
し、固体をアセトニトリル、次いでエーテルを洗浄す
る。これによって、254mgの3−(1,6−ジヒドロ−6−
オキソ−9H−プリン−9−イル)−N−[3−(2−メ
チルピペリジン−1−イル)プロピル]プロパンアミド
(AIT−0044)が灰白色の固体として得られる。
実施例11 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−
イル)−N−[2−(1−メチルピロリジン−2−イ
ル)エチル]プロパンアミド(AIT−0045)の合成 0.565g(4.41ミリモル)の2−(2−アミノエチル)
−1−メチルピロリジンを磁気攪拌バーを備えた10ml丸
底フラスコ中に加える。溶液を加熱し、0.250g(1.06ミ
リモル)の3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プ
リン−9−イル)プロピオン酸エチルエステル(AIT−0
027)を加え、溶液を110〜120℃にて2時間加熱する。
淡橙色の溶液を室温まで冷却し、8mlのアセトニトリル
を加え、溶液を約20分間攪拌して固体を洗浄する。ブフ
ナーによる減圧濾過を用いて溶液を濾過し、固体をアセ
トニトリル、次いでエーテルで洗浄する。乾燥させる
と、265mgの3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プ
リン−9−イル)−N−[2−(1−メチルピロリジン
−2−イル)エチル]プロパンアミド(AIT−0045)が
白色の固体として得られる。
実施例12 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−
イル)−N−(2−ヒドロキシエチル)プロパンアミド
(AIT−0046)の合成 0.500g(8.19ミリモル)のエタノールアミンを磁気攪
拌バーを備えた10ml入り丸底フラスコに入れる。このフ
ラスコを加熱し、0.250g(1.06ミリモル)の3−(1,6
−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−イル)プロ
ピオン酸エチルエステル(AIT−0027)を攪拌中の溶液
に加える。溶液を120℃にて1時間加熱する。溶液を室
温まで冷却し、8mlのアセトニトリルを加える。継続的
に攪拌すると白色の沈澱が形成される。溶液を濾過し、
固体をアセトニトリル、次いでエーテルで洗浄する。こ
の固体を100℃にて減圧下で乾燥させると、240mgの3−
(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−イ
ル)−N−(2−ヒドロキシエチル)プロパンアミド
(AIT−0046)が白色の固体として得られる。収率:90
%、融点=225〜229℃。
実施例13 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−
イル)−N−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチ
ル]プロパンアミド(AIT−0047)の合成 0.500g(8.19ミリモル)のエタノールアミンを0.250g
(1.06ミリモル)の3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ
−9H−プリン−9−イル)プロピオン酸エチルエステル
(AIT−0027)とともに、10ml入り丸底フラスコ中で120
℃にて1時間加熱する。溶液に8mlのアセトニトリルを
加え、20分間活発に攪拌する。濾過によって白色の沈澱
が得られるので、これをアセトニトリル、次いでエーテ
ルで洗浄する。乾燥させると、265mgの3−(1,6−ジヒ
ドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−イル)−N−[2
−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]プロパンアミド
(AIT−0047)が白色の固体として得られる。収率:85
%。
実施例14 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−
イル)−N−{2−[(2−ヒドロキシエチル)アミ
ノ]エチル}プロパンアミド(AIT−0048)の合成 0.500g(4.80ミリモル)の2−(2−アミノエチルア
ミノ)エタノールおよび0.250g(1.06ミリモル)の3−
(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−イ
ル)プロピオン酸エチルエステル(AIT−0027)を、10m
l入り丸底フラスコ中で120℃にて1時間攪拌しつつ加熱
する。反応溶液を、メタノール40%および酢酸エチル60
%の溶離液を用いた15gのシリカゲルカラムのクロマト
グラフィーにかける。200mlの溶媒がカラムを通過した
後、溶離液を80%メタノールおよび20%酢酸エチルに、
最終的には100%メタノールに変える。生成物を含有す
る分画を併合し、蒸発させると無色の油が得られる。こ
の油を一晩放置し、濾過すると形成された白色の固体が
得られる(120mg)。この固体をエーテルで洗浄する
と、多少吸湿性であることが判明する。収率:38%。
実施例15 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−
イル)−N−[2−(4−アミノスルホニルフェニル)
エチル]プロパンアミド(AIT−0049)の合成 0.500g(2.50ミリモル)の4−(2−アミノエチル)
ベンゼンスルホンアミドを10ml入り丸底フラスコに入れ
る。固体が熔融するまでフラスコを加熱する。温度を15
0℃に調整して、250mg(1.06ミリモル)の3−(1,6−
ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−イル)プロピ
オン酸エチルエステル(AIT−0027)を加え、混合液を
攪拌しつつ1時間加熱する。この時点で、10mlのアセト
ニトリルを加え、固形物を攪拌しつつ、へらを援用して
摩砕する。もはや塊が存在しなくなるまで(アセトニト
リルを還流しつつ)撹拌を継続する。この熱アセトニト
リル溶液を減圧を用いて速やかに濾過し、白色の固体を
アセトニトリル、次いでエーテルで洗浄する。これによ
って、280mgの3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−
プリン−9−イル)−N−[2−(4−アミノスルホニ
ルフェニル)エチル]プロパンアミド(AIT−0049)が
白色の固体として得られる。収率:68%、融点:212〜216
℃。
実施例16 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−
イル)−N−[(2−ヒドロキシ−1−メチル−2−フ
ェニル)エチル]プロパンアミド(AIT−0050)の合成 0.535g(3.54ミリモル)の(1S,2R)−(+)−ノル
エフェドリンを10ml入り丸底フェニルに入れる。フラス
コを120℃に加熱し、熔融したノルエフェドリンに250mg
(1.06ミリモル)の3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ
−9H−プリン−9−イル)プロピオン酸エチルエステル
(AIT−0027)を攪拌しつつ加える。反応は4.25時間後
に完了する。固形の塊に8mlのアセトニトリルを加え、
へらを用いて摩砕する。この溶液を45分間攪拌し、吸引
によって濾過する。白色の固体をアセトニトリル、次い
でエーテルで洗浄する。乾燥させると、210mgの3−
(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−イ
ル)−N−[(2−ヒドロキシ−1−メチル−2−フェ
ニル)エチル]プロパンアミド(AIT−0050)が白色の
固体として得られる。収率:58%、融点:210〜215℃。
実施例17 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−
イル)−N−{2−[(1−オキソエチル)アミノ]エ
チル]プロパンアミド(AIT−0051)の合成 0.516g(5.05ミリモル)のN−アセチルエチレンジア
ミンを10ml入り丸底フェニルに入れる。フラスコを120
℃に加熱し、攪拌中の溶液に0.250g(1.06ミリモル)の
3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−
イル)プロピオン酸エチルエステル(AIT−0027)を加
える。溶液を120℃にて1時間加熱する。粘調な油に8ml
のアセトニトリルを加え、攪拌する。約1mlのメタノー
ルを加え、溶液を30分間活発に攪拌する。得られた白色
の沈澱を減圧濾過を用いて回収し、アセトニトリルおよ
びエーテルで洗浄して、乾燥させると237mgの3−(1,6
−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−イル)−N
−{2−[1−オキソエチル)アミノ]エチル]プロパ
ンアミド(AIT−0051)が白色の固体として得られる。
収率:76%。
実施例18 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−
イル)−1−[1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4,5]
dec−8−イル]プロパノン(AIT−0052)の合成 0.500g(3.49ミリモル)の1,4−ジオキサ−8−アザ
スピロ[4,5]デカンを磁気攪拌バーを備えた10ml入り
丸底フラスコに入れる。アミンを110℃に加熱し、0.250
g(1.06ミリモル)の3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ
−9H−プリン−9−イル)プロピオン酸エチルエステル
(AIT−0027)を加え、溶液を4時間加熱する。反応を
停止させ、10mlのアセトニトリルを加え、へらを用いて
固体を摩砕し、溶液を30分間攪拌する。溶液を濾過し、
固体をアセトニトリルおよびエーテルで洗浄する。乾燥
させると、130mgの3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−
9H−プリン−9−イル)−1−[1,4−ジオキサ−8−
アザスピロ[4,5]dec−8−イル]プロパノン(AIT−0
052)が純粋な白色の固体として得られる。収率:37%。
実施例19 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−
イル)プロピオン酸ヒドラジド(AIT−0056)の合成 1.181g(5.00ミリモル)の3−(1,6−ジヒドロ−6
−オキソ−9H−プリン−9−イル)プロピオン酸エチル
エステル(AIT−0027)を磁気攪拌バーを備えた25ml入
り丸底フラスコに入れる。約5mlの無水エタノールを加
え、次いで、2.50g(50.00ミリモル)のヒドラジン水和
物を加え、溶液を密閉したフラスコ中で室温にて攪拌す
る。約30分後に多量の沈澱が形成されるが、溶液を一晩
放置する。減圧を用いて溶液を濾過し、白色の固形をエ
タノール、次いでエーテルで洗浄する。乾燥させると、
0.890gの3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリ
ン−9−イル)プロピオン酸ヒドラジド(AIT−0056)
が白色の固体として得られる。収率:80%) 実施例20 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−
イル)−N−(2−アミノエチル)プロパンアミド(AI
T−0058)の合成 1.500g(25.0ミリモル)のエチレンジアミンを250mg
(1.06ミリモル)の3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ
−9H−プリン−9−イル)プロピオン酸エチルエステル
(AIT−0027)とともに室温にて1時間攪拌する。溶液
に4mlのアセトニトリルおよび20mlのエーテルを攪拌し
つつ加える。濾過してエーテルで洗浄すると、これから
245mgの3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン
−9−イル)−N−(2−アミノエチル)プロパンアミ
ド(AIT−0058)がやや黄色の固体として得られる。収
率:92%、融点:215〜219℃(分解) 実施例21 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−
イル)−N−(2−ヒドロキシプロピル)プロパンアミ
ド(AIT−0059)の合成 0.500g(6.66ミリモル)のDL−1−アミノ−2−プロ
パノールおよび0.250g(1.06ミリモル)の3−(1,6−
ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−イル)プロピ
オン酸エチルエステル(AIT−0027)をともに、10ml入
り丸底フラスコ中で120℃にて1時間攪拌しつつ加熱す
る。溶液を室温まで冷却し、10mlのアセトニトリルを加
えて、溶液を攪拌する。少量(約1ml)のメタノールを
用いて溶液を飽和させ、微細な白色沈澱が出現するまで
攪拌する。溶液を濾過し、白色の固体をアセトニトリ
ル、次いでエーテルで洗浄する。乾燥させると、240mg
の3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9
−イル)−N−(2−ヒドロキシプロピル)プロパンア
ミド(AIT−0059)が白色の固体として得られる。収率:
85%、融点:212〜216℃。
実施例22 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−
イル)−N−(2−ヒドロキシプロピル)プロパンアミ
ド(AIT−0060)の合成 0.500g(5.15ミリモル)のフルフリルアミンおよび0.
250g(1.06ミリモル)の3−(1,6−ジヒドロ−6−オ
キソ−9H−プリン−9−イル)プロピオン酸エチルエス
テル(AIT−0027)を120℃にて2時間攪拌しつつ加熱す
る。溶液を室温まで冷却し、10mlのアセトニトリルを加
えて、溶液を攪拌する。沈澱を濾過によって回収し、白
色の固体をアセトニトリル、次いでエーテルで洗浄す
る。乾燥させると、170mgの3−(1,6−ジヒドロ−6−
オキソ−9H−プリン−9−イル)−N−(2−ヒドロキ
シプロピル)プロパンアミド(AIT−0060)が白色の固
体として得られる。
実施例23 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−
イル)−N−(2,3−ジヒドロキシプロプ−1−イル)
プロパンアミド(AIT−0062)の合成 0.500g(5.49ミリモル)の3−アミノ−1,2−プロパ
ンジオールを、磁気攪拌バーを備えた10ml入り丸底フラ
スコに入れる。このフラスコを110℃に加熱し、0.250g
(1.06ミリモル)の3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ
−9H−プリン−9−イル)プロピオン酸エチルエステル
(AIT−0027)を攪拌中の溶液に加える。溶液を100〜11
0℃にて1時間加熱する。フラスコを室温まで冷却し、
アセトニトリル/メタノールの1:1溶液10mlを加え、溶
液を30分間活発に攪拌する。得られた白色の沈澱をブフ
ナー漏斗による濾過を用いて回収し、272mgの3−(1,6
−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−イル)−N
−(2,3−ジヒドロキシプロプ−1−イル)プロパンア
ミド(AIT−0062)を白色の固体として得た。収率:91
%、融点:232〜235℃(分解) 実施例24 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−
イル)−N−[(2−ピリジニル)メチル]プロパンア
ミド(AIT−0063)の合成 0.500g(4.62ミリモル)の2−(アミノメチル)ピリ
ジンおよび0.250g(1.06ミリモル)の3−(1,6−ジヒ
ドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−イル)プロピオン
酸エチルエステル(AIT−0027)をともに、10ml入り丸
底フラスコ中で110℃にて90分間攪拌しつつ加熱する。
溶液は固化し、これを室温まで冷却する。10mlのアセト
ニトリルを加え、微細な白色沈澱が形成されるまで、へ
らを用いて固体を摩砕する。固体をブフナー減圧濾過を
用いて回収し、これをアセトニトリルおよびエーテルで
洗浄して237mgの3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H
−プリン−9−イル)−N−[(2−ピリジニル)メチ
ル]プロパンアミド(AIT−0063)が白色の固体として
得た。収率:84%。
実施例25 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−
イル)−N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]プロパ
ンアミド(AIT−0064)の合成 0.500g(4.30ミリモル)のN,N−ジエチルエチレンジ
アミンを磁気攪拌バーを備えた10ml入り丸底フラスコに
入れる。アミンを110℃に加熱し、0.250g(1.06ミリモ
ル)の3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン
−9−イル)プロピオン酸エチルエステル(AIT−002
7)を攪拌中の溶液に加える。溶液を110℃にて1時間加
熱し、室温まで冷却する。10mlのアセトニトリルを加
え、溶液を15分間攪拌する。濾過によって白色の沈澱が
得られ、これをアセトニトリル、次いでエーテルで洗浄
する。乾燥させると、195mgの3−(1,6−ジヒドロ−6
−オキソ−9H−プリン−9−イル)−N−[(2−ジエ
チルアミノ)エチル]プロパンアミド(AIT−0064)が
白色の固体として得られた。収率:60%。
実施例26 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−
イル)−N−{2−[[2−(2−オキソピロリジン−
1−イル)−1−オキソエチル]アミノ]エチル}プロ
パンアミド(AIT−0065)の合成 3.00g(19.09ミリモル)のメチル−2−オキソ−1−
ピロリジン=アセタートおよび11.47g(190.9ミリモ
ル)のエチレンジアミンを、50ml入り丸底フラスコ中で
室温にて20時間攪拌する。過剰なエチレンジアミンを50
℃にて減圧によって除去する。これによって0.620g(3.
35ミリモル)の、高度に粘調な帯黄色の油であるN−
(2−アミノエチル)−3−(2−オキソ−1−ピロリ
ジニル)アセトアミドが得られた。この油を磁気攪拌バ
ーを備えた10ml入り丸底フラスコに加え、140℃に加熱
する。次いで、0.250g(1.06ミリモル)の3−(1,6−
ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−イル)プロピ
オン酸エチルエステル(AIT−0027)を加える。溶液は
速やかに均質となり、温度が約120℃まで低下する。反
応を135分間継続させる。溶液に8mlの無水エーテルを加
え、白色沈澱が形成されるまでメタノールを用いて摩砕
する。溶液を減圧濾過し、白色の固体をアセトニトリル
およびエーテルで洗浄する。生成物である300mgの3−
(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−イ
ル)−N−{2−[[2−(2−オキソピロリジン−1
−イル)−1−オキソエチル]アミノ]エチル}プロパ
ンアミド(AIT−0065)は純白であり、極度に水溶性で
ある。収率:75% 実施例27 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−
イル)−N−ピペロニルプロパンアミド(AIT−0066)
の合成 0.500g(3.31ミリモル)のピペロニルアミンを磁気攪
拌バーを備えた10ml入り丸底フラスコに入れ、110℃に
加熱し、0.250g(1.06ミリモル)の3−(1,6−ジヒド
ロ−6−オキソ−9H−プリン−9−イル)プロピオン酸
エチルエステル(AIT−0027)を攪拌中のアミンに加え
る。この溶液を40分間加熱すると、その時点で反応混液
は固化している。残渣に10mlのアセトニトリルを加え、
約20分間攪拌する。ブフナー減圧濾過によって白色の沈
澱を回収し、アセトニトリル、次いでエーテルで洗浄す
る。これによって245mgの(AIT−0066)が白色の固体と
して得られた。収率:68% 実施例28 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−
イル)−N−[2−(1−ピロリジン)エチル]プロパ
ンアミド(AIT−0068)の合成 0.500g(4.38ミリモル)の1−(2−アミノエチル)
ピロリジンを0.250g(1.06ミリモル)の3−(1,6−ジ
ヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−イル)プロピオ
ン酸エチルエステル(AIT−0027)とともに、10ml入り
丸底フラスコ中で100〜110℃にて1時間攪拌しつつ加熱
する。次いで、10mlのアセトニトリルを加え、この溶液
を15分間攪拌する。得られた沈澱を減圧濾過によって回
収する。固体をアセトニトリル、次いでエーテルで洗浄
すると、275mgの3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H
−プリン−9−イル)−N−[2−(1−ピロリジニ
ル)エチル]プロパンアミド(AIT−0068)が白色の固
体として得られた。収率:85% 実施例29 N,N′,N″−トリ{2−[3−(1,6−ジヒドロ−6−オ
キソ−9H−プリン−9−イル)−1−オキソプロピル]
アミノエチル}アミンの合成 0.750g(3.17ミリモル)の3−(1,6−ジヒドロ−6
−オキソ−9H−プリン−9−イル)プロピオン酸エチル
エステル(AIT−0027)を、磁気攪拌バーを備えた25ml
入り丸底フラスコに入れる。次いで、3mlのメタノール
を、28mg(0.57ミリモル)のNaCNおよび157mg(1.07ミ
リモル)のトリス(2−アミノエチル)アミンとともに
加える。N2下で攪拌しつつ加熱還流する。還流すると、
溶液は速やかに(ほぼ15分間で)均質となる。48時間
後、更に3〜4mlのメタノールを残渣に加える。残渣の
大部分は還流に際して不溶のままであるので、更に20時
間還流する。溶液を室温まで冷却させ、20mlのアセトニ
トリルを加える。溶液から白色の固体が沈澱するので、
濾過によって回収する。固体をアセトニトリルおよびエ
ーテルで洗浄すると、57mgの灰白色の固体が得られた。
油状の残渣に更に20mlのアセトニトリルを3mlのメタノ
ールとともに加える。溶液を攪拌し、加熱還流して多量
の沈澱(灰白色)を形成させると、油状の液滴は全く含
まれなくなる。濾過し、アセトニトリルおよびエーテル
で洗浄すると、686mgの橙色の固体が得られた。この固
体標品を最小量の水に溶解させ、メタノール90%および
水10%の溶離液を用いた16gのシリカゲルによるクロマ
トグラフィーにかける。生成物を含有するすべての分画
を併合し、蒸発させる。固体の残渣にアセトニトリルを
加え、溶液を濾過する。固体をエーテルで洗浄すると、
170mgのN,N′,N″−トリ{2−[3−(1,6−ジヒドロ
−6−オキソ−9H−プリン−9−イル)−1−オキソプ
ロピル]アミノエチル}アミン(AIT−0069)が自由に
流動する非吸湿性の白色固体として得られた。収率:22
%。
実施例30 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−
イル)−N−{[2−(1−ピペリジニル)]エチル}
プロパンアミド(AIT−0070)の合成 0.500g(3.90ミリモル)の1−(2−アミノエチル)
ピペリジンを磁気攪拌バーを備えた10ml入り丸底フラス
コに加える。このアミンを100〜110℃に加熱し、0.250g
(1.06ミリモル)の3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ
−9H−プリン−9−イル)プロピオン酸エチルエステル
(AIT−0027)を攪拌中の溶液に加える。この溶液を1
時間加熱すると、その時点で溶液は固化している。これ
を室温まで冷却させ、固体に10mlのアセトニトリルを加
える。この混合物を攪拌し、ブフナー減圧濾過によって
固体を回収する。白色結晶性の固体をアセトニトリル、
次いでエーテルで洗浄すると、290mgの3−(1,6−ジヒ
ドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−イル)−N−
{[2−(1−ピペリジニル)]エチル}プロパンアミ
ド(AIT−0070)が得られた。収率:86% 実施例31 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−
イル)−N−[2−(2,2′−ジエタノールアミノ)エ
チル]プロパンアミド(AIT−0071)の合成 0.500g(3.37ミリモル)のN,N−ビス(2−ヒドロキ
シエチル)エチレンジアミンを磁気攪拌バーを備えた10
ml入り丸底フラスコに入れる。このアミンを110℃に加
熱し、0.250g(1.06ミリモル)の3−(1,6−ジヒドロ
−6−オキソ−9H−プリン−9−イル)プロピオン酸エ
チルエステル(AIT−0027)を攪拌中の溶液に加える。
溶液を1時間加熱し、室温まで冷却させる。残渣に20ml
のエーテルを加え、攪拌中の溶液にメタノールを滴加す
ると、多量の白色沈澱が形成される。もはや塊状のもの
が存在しなくなるまで溶液を攪拌する。溶液を濾過し、
純白の固体をアセトニトリルおよびエーテルで洗浄する
と、200mgの3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プ
リン−9−イル)−N−[2−(2,2−ジエタノールア
ミノ)エチル]プロパンアミド(AIT−0071)が得られ
た。収率:56%。
実施例32 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−
イル)−N−[2−(1H−インドール−3−イル)エチ
ル]プロパンアミド(AIT−0072)の合成 0.700g(4.37ミリモル)のトリプタミンを磁気攪拌バ
ーを備えた50ml入り丸底フラスコに入れる。次いで、5.
0mlのジメチルスルホキシドを加えてトリプタミンを溶
解させる。すべてのトリプタミンを溶液に投じた後、1.
0g(3.04ミリモル)の3−(1,6−ジヒドロ−6−オキ
ソ−9H−プリン−9−イル)プロピオン酸4−ニトロフ
ェニルエステル(AIT−0081)を加え、磨いたガラス栓
でフラスコを密閉する。混合液を室温にて5時間攪拌す
る。反応混液を60mlのアセトンに注入する。生成物を濾
過し、10mlのアセトンど2回洗浄し、空気中で乾燥させ
る。3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−
9−イル)−N−[2−(1H−インドール−3−イル)
エチル]プロパンアミド(AIT−0072)の収量は0.813g
であった。収率:48%(純度99.3%)、融点:204〜206
℃。
実施例33 2−[(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9
−イル)メチル]コハク酸メチルジエステル(AIT−007
3)の合成 5.00g(37.00ミリモル)のアデニンを、磁気攪拌バー
および還流冷却器を備えた110ml入り丸底フラスコに入
れる。次いで、40mgの金属ナトリウムとともに70mlの無
水メタノールを加える。ナトリウムがすべて消費される
まで、溶液を攪拌する。次いで、23.41g(0.148ミリモ
ル)のイタコン酸ジメチルを加え、溶液を加熱還流す
る。還流は2日間継続する。溶液を250ml入りフラスコ
に移し、50mlのメタノールおよび更に80mgの金属ナトリ
ウムを加える。溶液を加熱還流する。数時間後に反応を
停止させ、室温まで冷却する。ブフナー減圧濾過によっ
て固体を回収し、メタノール、次いでエーテルで洗浄す
る。乾燥させると、8.10gの2−[(1,6−ジヒドロ−6
−オキソ−9H−プリン−9−イル)メチル]コハク酸メ
チルジエステル(AIT−0073)が自由に流動する白色の
結晶性固体が得られた。収率:75%、融点:185〜187℃。
実施例34 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−
イル)−N−(3−アミノプロピル)プロパンアミド
(AIT−0074)の合成 0.250g(1.06ミリモル)の3−(1,6−ジヒドロ−6
−オキソ−9H−プリン−9−イル)プロピオン酸エチル
エステル(AIT−0027)を、磁気攪拌バーを備えた10ml
入り丸底フラスコ中の1.85g(25.0ミリモル)の1,3−ジ
アミノプロパンに加える。溶液を室温にて2時間攪拌す
る。10mlのエーテルを加え、溶液を数分間攪拌する。エ
ーテル溶液を傾瀉して、油状の残渣を残す。5mlのアセ
トニトリルおよび4mlのエーテルを加え、溶液を攪拌す
る。沈澱が形成されるまでメタノールを滴加する。溶液
を濾過し、アセトニトリルおよびエーテルで洗浄する
と、205mgの3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プ
リン−9−イル)−N−(3−アミノプロピル)プロパ
ンアミド(AIT−0074)が得られた。融点:172〜175℃、
収率:73%。
実施例35 3−[(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9
−イル)メチル]コハク酸メチルジエステル(AIT−007
5)の合成 2.00g(6.82ミリモル)の2−[(1,6−ジヒドロ−6
−オキソ−9H−プリン−9−イル)メチル]コハク酸メ
チルジエステル(AIT−0073)を、磁気攪拌バーを備え
た50ml入り丸底フラスコに入れる。次いで、10mlの氷酢
酸を加え、溶液を攪拌して均質とさせる。4mlのH2Oに溶
かした2.35g(34.10ミリモル)のNaNO2を攪拌中の溶液
に滴加する。栓をした溶液を室温にて24時間攪拌する。
1mlのH2Oに溶かした更に0.775g(11.23ミリモル)のNaN
O2を加え、溶液を更に24時間攪拌する。ロータリーエバ
ポレーターにて減圧下で酢酸を除去する。水を加え、同
様にして除去する。これを、酢酸が僅かしか、あるいは
全く残らなくなるまで再度繰り返す。半固体の残渣に10
mlのH2Oを加え、混合物を完全に溶解させる。この溶液
に、30〜40mlのアセトニトリルを用いて抽出を施し、水
相を棄却する。有機相を30mlの飽和食塩水で2回洗浄す
る。溶媒を蒸発させると、淡橙色の油が得られる。これ
に35mlのエチルエーテルを加え、メタノールで摩砕する
と、615mgの3−[(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−
プリン−9−イル)メチル]コハク酸メチルジエステル
(AIT−0075)が灰白色の固体として得られた。収率:31
%、融点:130〜135℃。
実施例36 4−{[3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリ
ン−9−イル)−1−オキソプロピル]アミノ}安息香
酸エチルエステル(AIT−0079)の合成 165mg(0.50ミリモル)の3−(1,6−ジヒドロ−6−
オキソ−9H−プリン−9−イル)プロピオン酸4−ニト
ロフェニルエステル(AIT−0081)および84mg(0.50ミ
リモル)の4−アミノ安息香酸エチルエステルを、1.5m
lのジメチルスルホキシドにともに溶かして35〜40℃に
て72時間加熱する。フラスコの底に白色の沈澱が認めら
れる。10mlのアセトンを加え、ブフナー減圧濾過によっ
て固体を回収する。固体をアセトンで2回洗浄し、乾燥
させる。これによって、53mgの4−{[3−(1,6−ジ
ヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−イル)−1−オ
キソプロピル]アミノ}安息香酸エチルエステル(AIT
−0079)が白色の固体として得られた。融点:265〜269
℃、収率:30% 実施例37 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−
イル)プロピオン酸(AIT−0080)の合成 20.00g(84.66ミリモル)の3−(1,6−ジヒドロ−6
−オキソ−9H−プリン−9−イル)プロピオン酸エチル
エステル(AIT−0027)を、磁気攪拌バーを備えた500ml
入り丸底フラスコに入れる。フラスコに150mlの水を加
え、溶液を攪拌する。攪拌中の不均質な溶液に、10.46g
(0.1854モル)のKOHペレットを加える。数分以内に溶
液は均質な淡緑色となる。溶液を室温にて35時間攪拌す
る。濃塩酸を用いて溶液を酸性化(pH≒1.0)する。沈
澱を生じた溶液を4℃にて一晩静置する。濾過によって
固体を回収し、水、メタノールおよびエーテルで順に洗
浄し、乾燥させる。17.63g(84.7ミリモル)の3−(1,
6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−イル)プ
ロピオン酸(AIT−0080)が自由に流動する白色の固体
として得られた。収率:100%。
実施例38 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−
イル)プロピオン酸4−ニトロフェニルエステル(AIT
−0081)の合成 7.00g(0.3363モル)の3−(1,6−ジヒドロ−6−オ
キソ−9H−プリン−9−イル)プロピオン酸(AIT−008
0)を磁気攪拌バーを備えた250ml入り丸底フラスコに入
れる。70mlの無水ピリジンを加え、溶液を攪拌する。得
られた不均質な溶液に、11.46g(0.4876モル)の4−ニ
トロフェニルトリフルオロメチル=アセタートを窒素気
流下で加える。溶液を30℃にて17時間攪拌する。得られ
た濃密なスラリーを室温まで冷却し、攪拌中の溶液に17
5mlの蒸留水を加える。溶液は均質となり、次いで沈澱
が形成される。混合物を冷凍庫(<0℃)に数時間入れ
る。冷凍庫から溶液を取り出し、解凍させる。濾過によ
って固体を回収し、H2O、メタノールおよびエーテルで
洗浄する。乾燥させると、10.32gの3−(1,6−ジヒド
ロ−6−オキソ−9H−プリン−9−イル)プロピオン酸
4−ニトロフェニルエステル(AIT−0081)が白色の固
体として得られた。収率:93%。
実施例39 4−{[3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリ
ン−9−イル)−1−オキソプロピル]アミノ}安息香
酸(AIT−0082)の合成 8.88g(24.99ミリモル)の4−{[3−(1,6−ジヒ
ドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−イル)−1−オキ
ソプロピル]アミノ}安息香酸エチルエステル(AIT−0
079)を180mlの水とともに、磁気攪拌バーを備えた500m
l入り丸底フラスコに入れる。攪拌中の溶液に、135mlの
0.53モルKOH(水溶液)を1時間にわたって滴加する。
溶液を室温にて3.5時間攪拌する。稀塩酸を用いて溶液
をほぼpH3.0とし、次いで、減圧濾過する。得られた微
細な白色の固体を水、次いでメタノールで洗浄する。約
45℃にて減圧下で乾燥させると、7.34g(22.4ミリモ
ル)の白色の固体である4−{[3−(1,6−ジヒドロ
−6−オキソ−9H−プリン−9−イル)−1−オキソプ
ロピル]アミノ}安息香酸(AIT−0082)が得られた。
融点:319〜321℃、収率:90%。
実施例40 4−{[3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリ
ン−9−イル)−1−オキソプロピル]アミノ}安息香
酸と1−(ジメチルアミノ)−2−プロパノールとの化
合物(1:1)(AIT−0083)の合成 7.34g(22.42ミリモル)の4−{[3−(1,6−ジヒ
ドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−イル)−1−オキ
ソプロピル]アミノ}安息香酸(AIT−0082)を磁気攪
拌バーを備えた500ml入り丸底フラスコに入れる。25ml
の水を加え、白色のスラリーを攪拌する。攪拌中のスラ
リーに18.6g(180.3ミリモル)の1−(ジメチルアミ
ノ)−2−プロパノール(AIT−1000)を加える。溶液
は速やかに均質となるので、室温にて90分間反応を継続
させる。次いで、アセトン(350ml)を加え、攪拌中の
溶液を、多量の沈澱が形成されるまでメタノールで摩砕
する。減圧濾過によって生成物を回収し、アセトンで洗
浄する。乾燥させた後、9.45g(22.0ミリモル)の4−
{[3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−
9−イル)−1−オキソプロピル]アミノ}安息香酸と
1−(ジメチルアミノ)−2−プロパノールとの化合物
(1:1)(AIT−0083)が得られた。収率:98%。
実施例41 4−{[3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリ
ン−9−イル)−1−オキソプロピル]アミノ}安息香
酸1−(ジメチルアミノ)−2−プロピルエステル(AI
T−0084)の合成 2.0g(5.78ミリモル)の4−{[3−(1,6−ジヒド
ロ−6−オキソ−9H−プリン−9−イル)−1−オキソ
プロピル]アミノ}安息香酸(AIT−0082)を、磁気攪
拌バー、還流冷却器および乾燥管を備えた100ml入り丸
底フラスコに入れる。16mlの塩化チオニルを加え、混合
物を55〜60℃にて6時間徐々に加熱する。反応混合物を
室温まで冷却させる。50mlのベンゼンを加えて結晶塊を
粉砕する。濾過によって固体を回収し、10mlのベンゼン
で2回洗浄して、フード下で2時間乾燥させる。生成物
が乾燥する間に、20mlのジメチルアミノ−2−プロパノ
ールを、磁気攪拌バーおよび乾燥管を備えた100ml入り
丸底フラスコに入れる。固形物は、攪拌状態の下で徐々
に加える。フラスコの乾燥管を交換し、攪拌を室温にて
6時間継続する。反応混合物を、300mlのアセトニトリ
ルを含有する500ml入りエーレンマイヤーフラスコに注
入する。溶液を5分間攪拌する。フラスコをパラフィン
で覆い、フード内で室温にて一晩放置する。濾過によっ
て固形物を除去し、15mlのアセトニトリルで2回洗浄
し、フード下で3時間空気乾燥させる。生成物である4
−{[3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン
−9−イル)−1−オキソプロピル]アミノ}安息香酸
1−(ジメチルアミノ)−2−プロピルエステル(AIT
−0084)の重量は830mgであった。収率:33%。
実施例42 2−{[3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリ
ン−9−イル)−1−オキソプロピル]アミノ}−3−
フェニルプロピオン酸メチルエステル(AIT−0085)の
合成 0.500g(1.519ミリモル)の3−(1,6−ジヒドロ−6
−オキソ−9H−プリン−9−イル)プロピオン酸4−ニ
トロフェニルエステル(AIT−0081)および0.328g(1.5
19ミリモル)のL−フェニルアラニンメチルエステル塩
酸塩を、磁気攪拌バーを備えた25ml入り丸底フラスコに
入れる。3mlのジメチルスルホキシドを加え、溶液を攪
拌して、室温にて可能な限り多量の固体を溶解させる。
次いで、159mg(1.571ミリモル)のトリエチルアミンを
加え、溶液を室温にて(20℃)1時間攪拌する。攪拌中
の溶液に10mlのアセトニトリルを加える。白色の沈澱が
形成されるまで、溶液をエーテルで摩砕する。溶液を濾
過して、塩酸トリエチルアミンを除去する。母液に再度
エーテルを加えて沈澱を生成させる。混合物を濾過し、
白色の固体をエチルエーテルで洗浄し、乾燥させる。こ
れによって、0.465gの白色の固体が得られた。白色の固
形物を22mlのエタノール/水9:1混合液に加え、加熱し
て化合物を溶解させる。室温まで冷却させた後、曇点の
直前までエーテルを加える。溶液を冷凍庫内に一晩放置
する。濾過してエーテルで洗浄すると、0.235gの2−
{[3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−
9−イル)−1−オキソプロピル]アミノ}−3−プロ
ピオン酸メチルエステル(AIT−0085)が白色の結晶性
物質として得られた。融点:186〜191℃。
実施例43 2−{[3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリ
ン−9−イル)−1−オキソプロピル]アミノ}−3−
フェニルプロピオン酸(AIT−0086)の合成 100mg(0.271ミリモル)の2−{[3−(1,6−ジヒ
ドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−イル)−1−オキ
ソプロピル]アミノ}−3−プロピオン酸メチルエステ
ル(AIT−0085)を、磁気攪拌バーを備えた10ml入りビ
ーカーに入れる。このビーカーに水(5ml)を加え、攪
拌を開始する。攪拌中の不均質な混合物に、100mg(1.7
9ミリモル)のKOHペレットを加える。数秒以内に反応混
合物は均質な緑色になる。攪拌を1時間継続する。濃塩
酸を用いて溶液のpHを2.0に調整する。減圧濾過によっ
て生成物を回収し、2mlの水で2回、次いで2mlのアセト
ンで2回洗浄する。生成物である2−{[3−(1,6−
ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−イル)−1−
オキソプロピル]アミノ}−3−フェニルプロピオン酸
(AIT−0086)の重量は80mgであった。収率:83%、融
点:240〜242℃。
実施例44 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−
イル)−N−[2−(2−デオキシグルコピラノシ
ル)]プロパンアミド(AIT−0087)の合成 0.300g(0.911ミリモル)の3−(1,6−ジヒドロ−6
−オキソ−9H−プリン−9−イル)プロピオン酸4−ニ
トロフェニルエステル(AIT−0081)および0.196g(0.9
11ミリモル)のD−グルコサミン塩酸塩を、磁気攪拌バ
ーおよび2mlのジメチルスルホキシドとともに10ml入り
丸底フラスコに入れる。次いで、100mg(0.988ミリモ
ル)のトリエチルアミンを加え、溶液を室温にて1時間
攪拌する(フラスコを密閉)。溶液を20℃にて1時間攪
拌し、攪拌しつつ10mlのアセトニトリルを加えることに
よって、反応混合物から生成物を沈澱させる。生成物を
減圧濾過下によって回収し、固体をアセトニトリル、次
いでエーテルで洗浄する。乾燥させると、345mgの3−
(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−イ
ル)−N−[2−(2−デオキシグルコピラノシル)]
プロパンアミド(AIT−0087)が白色の自由に流動する
固体として得られた。収率:103%。
実施例45 4−{[2−[[3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9
H−プリン−9−イル)−1−オキソプロピル]アミ
ノ]エチル]アミノ}−2−ヒドロキシ−4−オキソ−
N,N,N−トリメチル−1−ブタンアミニウム=クロリド
(AIT−0090)の合成 248mg(1.0344ミリモル)の4−[(2−アミノエチ
ル)アミノ]−2−ヒドロキシ−4−オキソ−N,N,N−
トリメチル−1−ブタンアミニウム=クロリドを磁気攪
拌バーを備えた10ml入り丸底フラスコに入れる。次い
で、2mlのジメチルスルホキシドを加え、溶液を穏やか
に加熱して、アミンの溶解を助ける。340mg(1.034ミリ
モル)の3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリ
ン−9−イル)プロピオン酸4−ニトロフェニルエステ
ル(AIT−0081)を攪拌中の溶液に加える。溶液を1時
間攪拌し、3mlのメタノールを加える。次いで、3mlのア
セトンを加え、溶液を濾過する。アセトンで固体を数回
洗浄し、乾燥させる。これによって、105mgの4−
{[2−[[3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−
プリン−9−イル)−1−オキソプロピル]アミノ]エ
チル]アミノ}−2−ヒドロキシ−4−オキソ−N,N,N
−トリメチル−1−ブタンアミニウム=クロリド(AIT
−0090)が白色の固体として得られた。融点:約260〜2
65℃(分解)、収率:33%。
実施例46 4−{[3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリ
ン−9−イル)−1−オキソプロピル]アミノ}コハク
酸メチルエステル(AIT−0092)の合成 0.300g(0.9111ミリモル)の3−(1,6−ジヒドロ−
6−オキソ−9H−プリン−9−イル)プロピオン酸4−
ニトロフェニルエステル(AIT−0081)および0.142g
(0.925ミリモル)のγ−アミノ酪酸メチルエステル塩
酸塩を、磁気攪拌バーおよび2mlのジメチルスルホキシ
ドとともに10ml入り丸底フラスコに入れる。この溶液
に、0.100g(0.988ミリモル)のトリエチルアミンを加
える。溶液は直ちに緑色に変色し、これを室温にて1時
間攪拌する。次いで、5mlのアセトンを加え、溶液を濾
過する。母液にエーテル(約35ml)を加えて生成物を沈
澱させる。濾過およびエーテルで洗浄すると、232mgの
白色固体の4−{[3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ
−9H−プリン−9−イル)−1−オキソプロピル]アミ
ノ}コハク酸メチルエステル(AIT−0092)が得られ
た。収率:83%。
実施例47 3−{[3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリ
ン−9−イル)−1−オキソプロピル]アミノ}プロパ
ンスルホン酸(AIT−0093)の合成 0.300g(0.9111ミリモル)の3−(1,6−ジヒドロ−
6−オキソ−9H−プリン−9−イル)プロピオン酸4−
ニトロフェニルエステル(AIT−0081)および0.127g
(0.9111ミリモル)の3−アミノ−1−プロパンスルホ
ン酸を、2mlのジメチルスルホキシドおよび磁気攪拌バ
ーとともに10ml入り丸底フラスコに入れる。この溶液
に、0.100g(0.988ミリモル)のトリエチルアミンを加
えると、溶液は直ちに緑色に変色する。この溶液を室温
にて5時間攪拌する。減圧下で穏やかに加熱してジメチ
ルスルホキシドを除去する。9mlのアセトンを加え、均
質になるまで溶液をメタノールで摩砕する。沈澱は形成
されない。溶液を、10mlのアセトンおよび5mlのメタノ
ールとともに50ml入り丸底フラスコに移す。曇点の直前
までエーテルを加え、フラスコを冷凍庫(<0℃)内に
一晩放置する。
実施例48 1−{2−[[3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H
−プリン−9−イル)−1−オキソプロピル]ヒドラジ
ノ]−2−オキソエチル}ピリジニウム=クロリド(AI
T−0094)の合成 0.300g(0.9111ミリモル)の3−(1,6−ジヒドロ−
6−オキソ−9H−プリン−9−イル)プロピオン酸4−
ニトロフェニルエステル(AIT−0081)および0.172(0.
9166ミリモル)のジラール試薬Pを、2mlのジメチルス
ルホキシドおよび磁気攪拌バーとともに10ml入り丸底フ
ラスコに入れる。溶液を攪拌しつつ70℃に加熱する。溶
液が暖まり始めるにつれて、固体は溶解し始め、溶液は
次第に緑色となる。約30分後に、溶液は完全に均質にな
る。溶液を70℃にて4時間反応させ、室温まで冷却させ
る。10mlのアセトニトリルを加えると、直ちに白色の沈
澱が形成される。溶液を濾過し、アセトニトリルおよび
エーテルで洗浄する。固体を乾燥させたが、大気中のH2
Oを吸収した。この吸湿性作用は、残留するジメチルス
ルホキシドまたは生成物それ自体のいずれかによるもの
であろう。
実施例49 4−{[3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリ
ン−9−イル)−1−オキソプロピル]アミノ}−N−
[2−(ジエチルアミノ)エチル]ベンズアミド一塩酸
塩(AIT−0095)の合成 0.300g(0.9111ミリモル)の3−(1,6−ジヒドロ−
6−オキソ−9H−プリン−9−イル)プロピオン酸4−
ニトロフェニルエステル(AIT−0081)を、0.250g(0.9
198ミリモル)のプロカインアミド塩酸塩とともに10ml
入り丸底フラスコに入れる。2mlのジメチルスルホキシ
ドを加え、溶液を40℃にて4日間加熱する。次いで、溶
液を40mlのアセトンに注入し、20分間活発に攪拌する。
減圧濾過によって固体を回収し、アセトンで洗浄する。
固体を5mlのエタノールとともに25ml入り丸底フラスコ
に入れ、15分間攪拌する。減圧濾過によって固体を回収
し、、エタノール、次いでエーテルで洗浄する。これに
よって、133mgの4−{[3−(1,6−ジヒドロ−6−オ
キソ−9H−プリン−9−イル)−1−オキソプロピル]
アミノ}−N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]ベン
ズアミド一塩酸塩(AIT−0095)が帯黄色の非吸湿性固
体として得られた。融点:210〜213℃(分解せず)。
実施例50 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−
イル)−N−(2−オキソチアオラン−3−イル)プロ
パンアミド(AIT−0096)の合成 0.300g(0.9111ミリモル)の3−(1,6−ジヒドロ−
6−オキソ−9H−プリン−9−イル)プロピオン酸4−
ニトロフェニルエステル(AIT−0081)および142mg(0.
9242ミリモル)のDL−ホモシステインチオラクトン塩酸
塩を、磁気攪拌バーを備えた10ml入り丸底フラスコに入
れる。次いで、100mg(0.9882ミリモル)のトリエチル
アミンを加え、溶液を室温にて3時間攪拌する(フラス
コを密閉)。攪拌中に、242mlのアセトニトリルを溶液
に加える。小量の沈澱が形成されるまで、溶液をエーテ
ルで摩砕する。この溶液を濾過し、母液を30mlのエーテ
ルで沈澱させる。濾過およびエーテルで洗浄すると、30
6mgの白色の固体が得られた。上記により得られた306mg
の物質を、磁気攪拌バーおよび5mlのアセトニトリルと
ともに10ml入り丸底フラスコに入れる。溶液を室温にて
20分間攪拌する。溶液を濾過し、固体をクロロホルムで
洗浄すると、235mgの3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ
−9H−プリン−9−イル)−N−(2−オキソチアオラ
ン−3−イル)プロパンアミド(AIT−0096)が白色の
固体として得られた。収率:84%、融点:228〜230℃(急
激) 実施例51 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−
イル)−N−[2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−
2−ヒドロキシエチル]プロパンアミド(AIT−0097)
の合成 0.300g(0.9111ミリモル)の3−(1,6−ジヒドロ−
6−オキソ−9H−プリン−9−イル)プロピオン酸4−
ニトロフェニルエステル(AIT−0081)および0.190g
(0.924ミリモル)の(R)−(−)−ノルエピネフリ
ン塩酸塩を、2mlのジメチルスルホキシドおよび磁気攪
拌バーとともに10ml入り丸底フラスコに入れる。128mg
(1.26ミリモル)のトリエチルアミンを加え、溶液を室
温にて1時間攪拌する。10mlのクロロホルムを加える
と、多数の黄色の沈澱が直ちに形成される。溶液を数分
間攪拌し、減圧によって濾過する。得らてた固体をクロ
ロホルムで洗浄し、乾燥させる。乾燥後、359mgの黄色
の固体の3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリ
ン−9−イル)−N−[2−(3,4−ジヒドロキシフェ
ニル)−2−ヒドロキシエチル]プロパンアミド(AIT
−0097)が得られた。収率:110%。
実施例52 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−
イル)−1−(1−フェニル−4−オキソ−1,3,8−ト
リアザスピロ[4,5]dec−8−イル)プロパノン(AIT
−0098)の合成 0.300g(0.9111ミリモル)の3−(1,6−ジヒドロ−
6−オキソ−9H−プリン−9−イル)プロピオン酸4−
ニトロフェニルエステル(AIT−0081)および0.212g
(0.9165ミリモル)の1−フェニル−1,3,8−トリアザ
スピロ[4,5]デカン−4−オンを、磁気攪拌バーを備
えた10ml入り丸底フラスコに入れる。2mlのジメチルス
ルホキシド(酸化バリウム上で乾燥)を加え、溶液を、
密閉したフラスコ中で室温にて20時間攪拌する。反応を
一晩進行させて、確実に完了させる。穏やかな加熱(約
45℃)を用い、減圧下で溶媒を除去する。攪拌中の残渣
(油)に10mlの酢酸エチルを加えると、多量の白色沈澱
が直ちに形成される。溶液を30分間攪拌して均質性を確
保する。濾過し、酢酸エチルで洗浄し、乾燥させると、
345mgの自由に流動する白色の固体の3−(1,6−ジヒド
ロ−6−オキソ−9H−プリン−9−イル)−1−(1−
フェニル−4−オキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4,5]
dec−8−イル)プロパノン(AIT−0098)が得られた。
収率:90%。
実施例53 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−
イル)−1−(1,2,3,4−テトラヒドロ−2−アザカル
バゾ−2−イル)プロパノン(AIT−0099)の合成 0.300g(0.9111ミリモル)の3−(1,6−ジヒドロ−
6−オキソ−9H−プリン−9−イル)プロピオン酸4−
ニトロフェニルエステル(AIT−0081)および0.157g
(0.9111ミリモル)の1,2,3,4−テトラヒドロ−9H−ピ
リド[3,4−b]インドールを、磁気攪拌バーを備えた1
0ml入り丸底フラスコに入れる。2mlのジメチルスルホキ
シド(酸化バリウム上で乾燥)を加え、溶液を室温にて
3時間攪拌する。10mlの酢酸エチルを溶液に加え、これ
を2日間冷凍庫に入れて結晶させる。結晶性物質をへら
を用いて摩砕し、減圧濾過する。アセトンおよびエーテ
ルで結晶を洗浄すると、280mgの黄褐色の固体が得られ
た。この固体を沸騰エタノールから再結晶させ、室温ま
で、次いで0℃まで一晩冷却させる。205mgの灰白色の
結晶性固体の3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−
プリン−9−イル)−1−(1,2,3,4−テトラヒドロ−
2−アザカルバゾ−2−イル)プロパノン(AIT−009
9)が得られた。収率:85%、融点:185〜190℃(分解) 実施例54 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−
イル)−N−[2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−
2−ヒドロキシエチル]−N−メチルプロパンアミド
(AIT−0100)の合成 0.300g(0.9111ミリモル)の3−(1,6−ジヒドロ−
6−オキソ−9H−プリン−9−イル)プロピオン酸4−
ニトロフェニルエステル(AIT−0081)および0.167g
(0.9111ミリモル)の(R)−(−)−ノルエピネフリ
ンを、2mlのジメチルスルホキシド(酸化バリウム上で
乾燥)および磁気攪拌バーとともに10ml入り丸底フラス
コに入れる。溶液を室温(25℃)にて攪拌するが、当初
は不均質であった。約45分後、エピネフリンがAIT−008
1との反応を開始すると、溶液はほとんど均質な黄橙色
となる。溶液を更に2時間攪拌し、パスツールピペット
内に吸引し、50mlのアセトンおよび磁気攪拌バーを含有
するフラスコに攪拌しつつ加える。多量の白色沈澱が形
成されるので、溶液を10分間撹拌する。減圧下で溶液を
濾過し、白色の固体をアセトンで洗浄する。高度の減圧
下で直ちにブフナー漏斗を取り付けて、痕跡量のジメチ
ルスルホキシドを除去する。120mgの白色の固体の3−
(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−イ
ル)−N−[2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−2
−ヒドロキシエチル]−N−メチルプロパンアミド(AI
T−0100)が得られた。収率:48%。
実施例55 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−
イル)−1−(2−フェニルイミダゾール−1−イル)
プロパノン(AIT−0102)の合成 0.300g(0.9111ミリモル)の3−(1,6−ジヒドロ−
6−オキソ−9H−プリン−9−イル)プロピオン酸4−
ニトロフェニルエステル(AIT−0081)および0.133g
(0.9111ミリモル)の2−フェニル−2−イミダゾリン
を、2mlの乾燥ジメチルスルホキシドおよび磁気攪拌バ
ーとともに10ml入り丸底フラスコに入れる。溶液を室温
にて攪拌し、合計1時間にわたって反応を進行させる。
次いで、12mlのアセトンを加える。溶液を濾過し、固体
をアセトンで洗浄する。乾燥させると、275mgの白色の
固体の3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン
−9−イル)−1−(2−フェニルイミダゾール−1−
イル)プロパノン(AIT−0102)が得られた。収率:90
%、融点:192〜197℃。
実施例56 1−[3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン
−9−イル)−1−オキソプロピル]−3−ピペリジン
カルボン酸エチルエステル(AIT−0103)の合成 0.300g(0.9111ミリモル)の3−(1,6−ジヒドロ−
6−オキソ−9H−プリン−9−イル)プロピオン酸4−
ニトロフェニルエステル(AIT−0081)を、2mlのジメチ
ルスルホキシドおよび磁気攪拌バーとともに10ml入り丸
底フラスコに入れる。150mgの(+、−)−ニペコチン
酸エチルを溶液に加える。溶液は直ちに緑色に変化する
ので、室温(25℃)にて2時間攪拌する。減圧下で穏や
かに加熱しつつ、ジメチルスルホキシドを除去する。黄
色の残渣に10mlのエーテルを加え、固体をへらで摩砕す
る。微細な白色の均質な沈澱が得られるまで、溶液を攪
拌する。溶液を濾過し、固体をエーテルで洗浄すると、
285mgの1−[3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−
プリン−9−イル)−1−オキソプロピル]−3−ピペ
リジンカルボン酸エチルエステル(AIT−0103)が白色
の固体として得られた。収率:90%、融点:171〜175℃。
実施例57 4−{[3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリ
ン−9−イル)−1−オキソプロピル]アミノ}安息香
酸1−(ジメチルアミノ)−2−プロピルエステル一塩
酸塩(AIT−0105)の合成 0.300g(0.9111ミリモル)の3−(1,6−ジヒドロ−
6−オキソ−9H−プリン−9−イル)プロピオン酸4−
ニトロフェニルエステル(AIT−0081)および0.245g
(0.9468ミリモル)の4−アミノ安息香酸1−(ジメチ
ルアミノ)−2−プロピルエステル(AIT−0104)を、2
mlの乾燥ジメチルスルホキシド、小型の磁気攪拌バーお
よび温度計とともに5ml入りフラスコに入れる。溶液を2
3時間75℃に加熱する。減圧下で加熱しつつ、ジメチル
スルホキシドを除去する。残留した暗色粘調な残渣に3m
lのアセトニトリルおよび2mlのメタノールを加える。室
温にて数分間攪拌した後、黄褐色の沈澱が形成されるの
で、溶液を濾過し、固体をアセトニトリルで洗浄する。
乾燥させると、85mgの4−{[3−(1,6−ジヒドロ−
6−オキソ−9H−プリン−9−イル)−1−オキソプロ
ピル]アミノ}安息香酸1−(ジメチルアミノ)−2−
プロピルエステル一塩酸塩(AIT−0105)が黄褐色の固
体として得られた。融点:270〜275℃。
実施例58 3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−
イル)プロピオン酸1−(ジメチルアミノ)−2−プロ
ピルエステル(AIT−0106)の合成 0.300g(1.441ミリモル)の3−(1,6−ジヒドロ−6
−オキソ−9H−プリン−9−イル)プロピオン酸(AIT
−0080)および0.305g(1.478ミリモル)のジシクロヘ
キシルカルボジイミドを、磁気攪拌バーおよび温度計を
備えた10ml入り丸底フラスコに入れる。4mlのN,N−ジメ
チルアセトアミドおよび0.168g(1.628ミリモル)の1
−ジメチルアミノ−2−プロパノールを加え、溶液を2
時間75℃に加熱する(フラスコを密閉)。溶液を室温ま
で到達させると、大量の沈澱が形成される。内容を20ml
のアセトンとともに、より大型のフラスコに移す。20ml
のエーテルを加え、溶液を冷蔵庫内で冷却する。短時間
内に結晶が形成される。濾過によって固体が得られ、こ
れをエーテルで洗浄する。408mgの3−(1,6−ジヒドロ
−6−オキソ−9H−プリン−9−イル)プロピオン酸1
−(ジメチルアミノ)−2−プロピルエステル(AIT−0
106)が白色の結晶性固体として得られた。収率:97%、
融点:280〜284℃。
実施例59 2−{[3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリ
ン−9−イル)−1−オキソプロピル]アミノ}−3−
(5−ヒドロキシ−1H−インドール−3−イル)プロピ
オン酸(AIT−0111)の合成 100mg(0.500ミリモル)のDL−5−ヒドロキシトリプ
トファンおよび3mlの乾燥ジメチルスルホキシドを、磁
気攪拌バーおよび栓を備えた25ml入り丸底フラスコに入
れる。次いで、150mg(0.456ミリモル)の3−(1,6−
ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−イル)プロピ
オン酸4−ニトロフェニルエステル(AIT−0081)を加
え、不均質な混合物を密閉したフラスコ中で室温にて2.
5時間攪拌する。混合物は完全に均質になる。反応混液
を20mlのアセトンに注入すると、濾過によって半固形の
沈澱が得られる。この粗製生成物を2mlのアセトンで2
回洗浄する。固体は10mlのアセトンに再懸濁させ、不溶
物を濾過によって除去する。アセトン溶液を蒸発させ
て、充分に乾燥させる。生成物である2−{[3−(1,
6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン−9−イル)−
1−オキソプロピル]アミノ}−3−(5−ヒドロキシ
ル−1H−インドール−3−イル)プロピオン酸(AIT−0
111)の収量は15mgであった。収率:73%(純度93%)。
上記の実施例および付録Aに示したとおり、かつ当業
者によって理解されると思われるとおり、本発明の例示
的化合物の構造は、生体分解の可能な架橋であると考え
られるものによって結合された2種類の化学構造上の部
分からなる。2種類の別個の化学的部分の各々は、特定
の形式の生物活性分子の活性を有する化学構造上の中核
を構成している。当初、これらの化合物はプロドラッグ
送達化合物として一般的に機能するものと考えられた。
生体分解の可能な物理的基質に埋設された生物活性化合
物を利用する、従来の技術によるプロドラッグ送達系と
は対照的に、本発明の化合物は、それ自体が送達系とし
て機能するよう意図された。加えて、これらの化合物
は、ヒポキサンチンという化学的中核を有することによ
って、脳血液関門を通過することが可能であるものとも
考えられた。その上、これらの化合物の生物活性を有す
る化学的部分はそれぞれ、担体賦形剤として作用するの
はもとより、それら自身独立して生物活性を有するよう
にも企図されたことから、これらの化合物は、免疫関係
の状態ばかりか神経関係の状態をも治療できるであろう
と考えられた。前述のとおり、2種類の生物活性部分を
化学的に架橋する生体分解の可能な結合は、加水分解さ
れて独立して機能することを可能にするであろうという
ことも予測された。
ところが、下記の実施例に詳述されるとおり、これら
の化合物に関しては、完全に予想外の生物活性が認めら
れ、各化合物のそれぞれの活性中心は結合されたままで
あるとの仮説が現在では立てられている。この仮説を証
明または論駁するためには、少なからぬ研究が必要であ
ると思われるものの、結合された各化合物のそれぞれの
活性中心は、治療される細胞およびニューロンの隣接ま
たは構造的に近接する受容体部位に同時的に作用し合う
ものと現在では考えられている。これらの化合物の独特
の投与量依存性の活性、生物学的特性、および多様な特
定の生物学的効果は、このような非凡かつ予想外の相互
作用機構の表れである。
より詳しく述べると、本発明の例示的化合物の生物活
性をそれらの最も近縁の化学的類似体のそれと比較する
と、完全に予想外の結果が得られた。これらの結果は、
下記の非制約的な、免疫応答、記憶機能および運動賦活
をはじめとする神経免疫活性に関する例示的生物検定な
らびにデータ表に記述されている。発表を容易にするた
め、最も近縁の類似化合物をAIT−001およびAIT−1000
として特定するが、それらはそれぞれヒポキサンチン、
および4−(アセチルアミノ)安息香酸の1−(ジメチ
ルアミノ)−2−プロパノールとの(1:1)化合物、す
なわちDIP−P−a−c−B−a(米国特許第4,221,910
号明細書に開示のとおり)である。
記憶機能に関する検定 記憶に対するAIT化合物の効果を、マウスに固有の採
餌行動戦略を利用した獲得−移動という試験の規範を用
いて評価した[オーディ(Ordy,J.M.)らニューロバイ
オロジー・オブ・エイジング、第9巻(1988年)667〜6
83ページ]。試験は、飢えた動物は、ある特定の場所に
行ってそこのすべての食物を得た後は、食物の探索を続
ける次の試行の際には別の場所に行くという事実に基づ
く。報酬の位置を取り換え、試行間の間隔を変化させる
ことによって、被験動物が、前回の試行の際にT字型迷
路の2本の腕のいずれにちょうど居合わせたかを記憶で
きるか否かを判定することが可能である。マウスは、自
由摂餌時の体重の80%となるまで絶食させておく。これ
を開始箱に入れ、30秒後に扉を開けると、動物は選んだ
地点に自由に移動できる。次いで、マウスは2個の目標
箱の1個に進入するであろう。本研究では、最初の訓練
試行の間はどちらの目標箱にも0.5ccのミルクを入れて
おく。目標箱に進入した後、扉を閉じて、被験動物の退
去を妨害することになる。動物にはミルクをすべて飲む
ことが許されている。次いで、動物を迷路から取り除
き、90秒の遅延の後に被験動物を再び開始箱に入れる。
各条件下で10回の試行を行う。50%の評点は偶然である
とみなされる。すなわち、被験動物は前回の試行の際に
いずれの箱に入っていたかを記憶していない。開始箱か
ら出発するための潜伏時間は動機付けの尺度として記録
され、走行時間(開始箱を発ってから目標箱に到達する
までの時間)は動作の尺度として、また正しい応答の数
は記憶の指標として記録される。過去の経験から、食塩
水を与えたマウス(対照群)で90秒の試行間遅延に対し
て偶然を超える評点のものは僅かしかないことが示され
ている。薬剤の投与は試行の60分前に腹腔内に行った。
この検定の結果を下記の表にまとめた。
運動活性に関する検定 自発的な運動活性に対する各種の化合物の効果を評価
するために、マウスにいずれか化合物のうち1種(0.5m
g/体重10kg)、または等量の食塩水(0.1ml/体重10kg)
を腹腔内に注射した[リッツマン(Ritzmann,R.F.)、
ウォルター(Walter,R.)、バールガバ(Bahrgava,H.
M.)およびフレクスナー(Flexner,L.B.):「麻薬で誘
発されたトーパミン受容体の過感受性のシクロ(Leu−G
ly)による阻害(Blockage of narcotic−induced dopa
mine receptor supersensitivity by cyclo(Leu−Gl
y)」、プロシーディングス・オブ・ナショナル・アカ
デミー・オブ・サイエンス・US(Proc.Nat.Acad.Sci.U
S)、第76巻(1979年)5,997〜5,998ページ]。バリメ
ックス(Varimex)活性装置(コロンバス・インストル
メンツ社、米国オハイオ州コロンバス)を用い、1時間
にわたって活性を記録し、下記の表にまとめた。
生物活性 免疫機能に関するリンパ球増殖の検定 リンパ球は、伝染病および癌から身体を保護する最も
重要な細胞である。リンパ球の機能性の測定は、身体の
健康状態の尺度として広範囲に用いられている。薬剤
の、リンパ球の機能を強化または修復する能力はそれら
の治療的効果性を示している[ツァン(Tsang,P.H.)、
タンナバラド(Tangnavarad,K.)、ソロモン(Solomon,
S.)およびベケシ(Bekesi,J.G.):「前駆症を有する
同性愛被験者、および後天性免疫不全症候群(エイズ)
の患者におけるイソプリノシンによるTおよびBリンパ
球の活性調節(Modulation of T−and B−Lymphocyte F
unctions by Isoprinosine in Homosexual Subjects wi
th Prodromata and in Patients with Acquired Immune
Deficiency Syndrome(AIDS))」、ジャーナル・オブ
・クリニカル・イミュノロジー(J.Clin.Immunol.)、
第4巻(1984年)469〜478ページ]。
防腐剤を含まぬ15単位/mlのヘパリンを含有するプラ
スチック製注射筒を用いて、志願者から末梢血(50ml)
を採血した。フィコール−ハイパーク勾配遠心分離を用
いて末梢血リンパ球を分離した[ツァン、ホランド(Ho
lland,J.F.)およびベケシ:「51Cr−白血球の接着阻害
の際の腫瘍抗原の特異的認識におけるTリンパ球の中心
的役割(Central role of T Lymphocytes in specific
recognition of tumor antigen in 15Cr−leukocyte ad
herence inhibition)」、セル・イミュノロジー(Cell
Immunol.)、第73巻(1982年)367〜375ページ]。基
本的には、50mlの血液を等体積の食塩水で希釈し、25ml
のフィコール−ハイパーク勾配にかぶせ、20℃にて45分
間、850Gで遠心分離を施した。バフィーコート境界面の
リンパ球を回収し、食塩水で2回洗浄し、20%の熱不活
化した自家組織の、または熱不活化した貯蔵したAB血漿
で強化したRPMI−1640培地に再懸濁した。
リンパ球の機能は、2種類の細胞分裂促進因子、すな
わち、Tリンパ球の機能については高度に精製した植物
凝集素[PHA:ウォルカム(Wellcome)社、英国ダートフ
ォード]に、T細胞依存性Bリンパ球の機能については
アメリカヤマゴボウの細胞分裂促進因子[PWM:ウェルカ
ム社、英国ダートフォード]に誘導される芽球化応答を
用いて測定したHadden,J.W.,Lopez,C.,O'Reilly,R.J.お
よびHadden,E.M.:Levamisole and inosiplex:Antiviral
agents with immunopotentiating action、Ann.NY Aca
d.Sci.284:139−152を参照]。単核細胞(RPMI−1640の
0.1mlあたり1x105個)を、空気中に5%のCO2を含む湿
潤化した雰囲気中、37℃の最適な刺激濃度のPHA(0.5μ
g)またはPWM(0.75μg)の存在下で、マイクロプレ
ート内に三重に培養した。対照培養物は、細胞分裂促進
因子なしに温置した。リンパ球の芽球化は、培養終了
(PHA誘導の反応については64時間、PWM誘導のそれにつ
いては96時間)の18時間前に各ウェルに1マイクロキュ
リーの[H3]トリチウムチミジン(TdR)を添加した後
のDNA合成の準位を測定することによって判定した。温
置に続いて、Marsh II型自動収穫器を用いてガラス繊維
のフィルター上に細胞を回収し、パッカード液体シンチ
レーション分光計で、取り込まれた[H3]TdRの量を測
定した。結果をリンパ球105個あたりの毎分カウント数
(cpm)で示す。培養の開始時に、各種の試験化合物を
表示された濃度で培地に取り込ませた。
次いで、結果を表3および4に、対照培養物について
はcpmで、対応する対照群と比較するときは刺激または
阻害の%で作表した。これらの結果はまた、Tリンパ球
および(または)Bリンパ球の機能の増大に対して促進
的(+)、抑制的(−)または効果なしとしても表し
た。
本発明の化合物の、従来の技術による最も近縁の化合
物と対照させた独特の投与量依存性活性を更に明らかに
するために、前述のデータは、免疫性応答および神経性
応答に基づいて下記のように要約することが可能であ
る。
上記から、上記で考察した本発明の例示的化合物は、
神経免疫関係特性の独特の投与量依存性の組み合わせを
有することが当業者には理解されるであろう。例えば、
表5に示したとおり、化合物AIT−080は、程々の投与量
(10μg/ml)でTリンパ球の増殖を強化するが、比較的
低い投与量(1μg/ml)でBリンパ球の機能を強化す
る。その上、AIT−080は比較的低い投与量(0.5mg/kg生
体内)で、運動活性はもとより記憶機能も強化した。
同じ独特の機能的特性が化合物AIT−083によって示さ
れる。比較的低い投与量(7μg/ml)では、この化合物
はTリンパ球の増殖を刺激するのみであって、Bリンパ
球の増殖に対しては効果がない。程々の投与量(1mg/kg
生体内)では、AIT−083は記憶機能に対する活性がない
が、0.5mg/kgという低投与量で記憶機能を強化した。
興味深いことに、AIT−083の活性中心成分に最も近縁
の類似物質は、同様の特性を示すものと予測されるであ
ろう。ところが、表5に明確に証明されるとおり、ヒポ
キサンチン(AIT−001)およびDIP−Pac−BA(AIT−100
0)は、個別的には、本発明の例示的化合物(AIT−082
およびAIT−083)とは質的にも性格的にも著しく異なる
活性を示す。より広義の尺度では、本発明の例示的化合
物は、それら自身の間に共通する特性を示すことも、特
に、類似の活性中心成分に生体分解されるプロドラッグ
としてそれらが機能するものとすれば、予測されるであ
ろう。例えば、AIT−110は、分解されてAIT−080および
(または)AIT−001を形成するのに対して、AIT−083
は、分解されてAIT−082および(または)AIT−080およ
び(または)AIT−001を形成する可能性がある。ところ
が、これらの予測とは正反対に、表5に要約した前述の
生物活性データは、例示的化合物は予想外に多様な特性
および活性範囲を示すことが明確に証明される。
したがって、本発明の教示によれば、適切な量の本発
明の1種類の化合物を投与することによって、(従来の
技術による最も近縁の類似化合物の予測される特性とは
正反対に)Bリンパ球および(または)Tリンパ球の機
能を、認識強化機能を伴い、または伴わずに促進するこ
とが可能である。投与量依存性特性のこのような独特の
組み合わせは、本発明の化合物をエイズ、アルツハイマ
ー病、免疫疾患、伝染病および加齢の影響などの神経免
疫関係疾患の治療に適用できるようにしている。
これらの結果を達成するための具体的な投与量、処方
および投与経路は、哺乳類である患者、および担体の内
科医の所望の各々に独特であるが、本発明の化合物に関
する前述の指針には、神経免疫関係化合物としてのそれ
らの有用性が記載されている。一般的には、神経免疫関
係の状態の治療に用いる場合、適切な投与量の本発明の
組成物を含有する適当な製剤組成物が初めに投与され、
次いで、これを変更して、哺乳類である特定の患者の治
療に最適な投与量が決定されるものと思われる。
これらの化合物は、神経免疫関係の状態の治療のため
に哺乳類である患者に単独でも、あるいは、製薬上許容
され得る担体物質、例えば不活性の固体希釈剤、水溶液
または無害な有機溶媒を用いた製剤処方物として組み合
わせても、投与することができる。所望の場合、これら
の製剤処方物は、防腐剤および安定剤その他を含むこと
もできる。
上記のように本発明の化合物の例示的実施態様を説明
した後では、本発明の各種の目的および利点が達成され
ており、それらに照らして、本発明の精神の範囲内に該
当する変更、適応および等価組成物の製造を為し得るこ
とが、いまや当業者には明らかであると信じられる。例
えば、本発明の化合物の他の異性体、類似体および同族
体を、本明細書に開示かつ記載のものと置き換えること
ができる。したがって、本発明の範囲は下記の請求範囲
によってのみ画定かつ限定される。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 473/30 A61K 31/522 CAPLUS(STN) REGISTRY(STN)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−
    プリン−9−イル)−N−[3−(2−オキソプロリジ
    ン−1−イル)]プロパンアミドを含む抗神経免疫疾患
    剤。
  2. 【請求項2】3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−
    プリン−9−イル)−N−{2−[[2−(2−オキソ
    −1−ピロリジニル)−1−オキソエチル]アミノ]エ
    チル}プロパンアミドを含む抗神経免疫疾患剤。
  3. 【請求項3】4−{[3−(1,6−ジヒドロ−6−オキ
    ソ−9H−プリン−9−イル)−1−オキソプロピル]ア
    ミノ}安息香酸を含む抗神経免疫疾患剤。
  4. 【請求項4】1−(ジメチルアミノ)−2−プロパノー
    ルと、4−{[3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H
    −プリン−9−イル)−1−オキソプロピル]アミノ}
    安息香酸を1:1の比率で含む抗神経免疫疾患剤。
  5. 【請求項5】1−(ジメチルアミノ)−2−プロパノー
    ルと、3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリン
    −9−イル)プロピオン酸を1:1の比率で含む抗神経免
    疫疾患剤。
  6. 【請求項6】3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−
    プリン−9−イル)−N−[3−(2−オキソピロリジ
    ン−1−イル)]プロパンアミドを含む抗神経免疫疾患
    剤の有効量を投与することを含むヒト以外の哺乳類の神
    経免疫疾患を治療する方法。
  7. 【請求項7】3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−
    プリン−9−イル)−N−{2−[[2−(2−オキソ
    −1−ピロリジニル)−1−オキソエチル]アミノ]エ
    チル}プロパンアミドを含む抗神経免疫疾患剤の有効量
    を投与することを含むヒト以外の哺乳類の神経免疫疾患
    を治療する方法。
  8. 【請求項8】4−{[3−(1,6−ジヒドロ−6−オキ
    ソ−9H−プリン−9−イル)−1−オキソプロピル]ア
    ミノ}安息香酸を含む抗神経免疫疾患剤の有効量を投与
    することを含むヒト以外の哺乳類の神経免疫疾患を治療
    する方法。
  9. 【請求項9】1−(ジメチルアミノ)−2−プロパノー
    ルと、4−{[3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H
    −プリン−9−イル)−1−オキソプロピル]アミノ}
    安息香酸を1:1の比率で含む抗神経免疫疾患剤の有効量
    を投与することを含むヒト以外の哺乳類の神経免疫疾患
    を治療する方法。
  10. 【請求項10】1−(ジメチルアミノ)−2−プロパノ
    ールと、3−(1,6−ジヒドロ−6−オキソ−9H−プリ
    ン−9−イル)プロピオン酸を1:1の比率で含む抗神経
    免疫疾患剤の有効量を投与することを含むヒト以外の哺
    乳類の神経免疫疾患を治療する方法。
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