JP3197936B2 - 化粧料 - Google Patents

化粧料

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JP3197936B2
JP3197936B2 JP10848192A JP10848192A JP3197936B2 JP 3197936 B2 JP3197936 B2 JP 3197936B2 JP 10848192 A JP10848192 A JP 10848192A JP 10848192 A JP10848192 A JP 10848192A JP 3197936 B2 JP3197936 B2 JP 3197936B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化粧料に関し、更に詳
細には、優れた肌荒れ改善作用を有する化粧料に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、肌荒れ改善のために用いられてき
た薬効成分としては、アラントイン、アロエ抽出物、人
参抽出物、胎盤抽出物、牛血液除蛋白物、発酵代謝物等
が知られている。しかしながら、これらの薬効成分を含
む化粧料では、十分な効果を得ることができず、より優
れた作用を有する化粧料の開発が望まれていた。
【0003】一方、抗炎症作用、抗アレルギー作用
(「油化学」,37, p9, (1988)、「油化学」,40,
p203, (1991))等を有する化合物として、エイコサ
ペンタエン酸(以下、「EPA」と略称する)及びドコ
サヘキサエン酸(以下、「DHA」と略称する)を含有
する油脂が注目されている。 このEPAやDHAは魚
油中に多く含まれており、血栓防止活性や、動脈硬化防
止活性などの薬理効果を有することが古くから知られて
いた。 また、近年では、局所投与した場合、血管運動
および血管拡張効果があることが見出された(特開平2
−48528号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、EPA
やDHAの有する上記作用に着目し、これを化粧料、特
に肌あれ改善作用を有する化粧料に配合することを試み
た。 しかし、EPAやDHAもしくはこれを含有する
油脂類を単独に配合した場合の肌荒れ改善作用は十分な
ものとはいえず、また他の基剤等の影響により、これら
の本来有する効果が十分に発揮され得ないのが実情であ
った。
【0005】さらに、より高い効果を得る目的でEPA
及び/またはDHAもしくはこれを含有する油脂類を高
濃度で配合した場合の作用効果にも限界があり、逆に、
これら化合物自体の有する特有の色や臭いの発生により
配合量や剤型等製品面における制限も生じてくるといっ
た問題もあった。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記実情に鑑み、本発明
者等は、EPA及び/またはDHAもしくはこれを含有
する油脂類の有する作用を十分に引き出すべく鋭意研究
を行った。 そしてその結果、これらと特定の化合物と
を組合せることにより、優れた肌荒れ改善効果が安定且
つ相乗的に発揮されることを見出し本発明を完成した。
【0007】すなわち本発明は、EPA及び/またはD
HAもしくはこれを含有する油脂類と、ヒアルロン酸も
しくはその塩、コラーゲンおよびエラスチンから選ばれ
る化合物の一種または二種以上とを含有する化粧料を提
供するものである。
【0008】EPA及び/またはDHAは、前記したよ
うに魚油、例えば、イワシ油、サンマ油、ニシン油、サ
バ油、タラ油等の中に多く含まれる不飽和脂肪酸であ
る。例えば、イワシ油はEPAを約16%、DHAを約
8.4%、サンマ油はEPAを約4.9%、DHAを約1
0.5%、サバ油はEPAを約8.1%、DHAを約1
0.6%、タラ油はEPAを約13.3%、DHAを約1
3.7%それぞれ含んでいる。
【0009】本発明において用いるEPA及び/または
DHAもしくはこれを含有する油脂類は、魚油から常法
により分離、精製したものを利用しても良いが、単に魚
油を抽出することにより得られる、EPA及び/または
DHAを含有する油脂を利用しても良い。魚油を抽出す
る方法は特に限定されず、臨界ガス抽出法、分子蒸留
法、液体クロマトグラフ法等の油脂を抽出する方法とし
て公知の方法を採用することができる。
【0010】EPA及び/またはDHAを含有する油脂
は、そのまま本発明の化粧料に配合しても、また、更に
水蒸気蒸留、活性炭処理、酸性白土処理等によって精製
したものを利用しても良い。
【0011】本発明の化粧料におけるEPA及び/また
はDHAの含有量は、0.0001〜10重量%(以下
単に「%」で示す)であり、より好ましくは0.01〜
5%である。 EPA及び/またはDHAの純度の低い
油脂を利用する場合は、EPA及び/またはDHAの含
有量として上記範囲内であれば良い。
【0012】EPA及び/またはDHAの含有量が0.
0001%より少ないと十分な効果が得られないことが
あり、また、10%を越えて配合してもそれ以上の効果
の増大は見られず、かえって着色、臭いの発生や、剤型
によっては沈澱が生じる等、製品面での問題が生じる場
合がある。
【0013】一方、本発明において他の必須成分である
ヒアルロン酸もしくはその塩、コラーゲン及びエラスチ
ンはいずれも皮膚の構成成分であり、従来化粧料に配合
されている成分である。
【0014】これらの各成分は、その起源について特に
制限はなく、動物由来、微生物由来、合成品のいずれで
あっても良い。 また、天然起源の場合の抽出方法、精
製処理方法についても特に制約はない。
【0015】本発明において、使用されるヒアルロン酸
もしくはその塩の例としては、臍帯、鶏のトサカ、動物
の皮膚、眼球ガラス帯や、微生物の培養物を抽出処理に
付して得られる分子量10万〜300万のものおよびこ
れらのナトリウム、カリウム、塩基性アミノ酸塩等が挙
げられ、また、コラーゲンの例としては、牛または豚の
皮膚組織を抽出処理に付すか、またはこれを加水分解す
ることにより得られる可溶性コラーゲンまたはこれに更
にサクシニル化等の処理を行ったもの等が挙げられる。
更に、エラスチンの例としては、牛の項靭帯より精製
したエラスチンを加水分解して得られる分子量1万〜5
00万の可溶性エラスチン等が挙げられる。
【0016】これら化合物の本発明化粧料中の含有量
は、一般には0.0001〜5%、好ましくは0.001
〜3%である。これら化合物の含有量が0.0001%
より少ない場合は、十分な効果が得られないことがあ
り、また、5%を超えて配合しても効果がほぼ一定とな
り、その増大は見られない。
【0017】本発明の化粧料は、常法に従い、必須成分
であるEPA及び/またはDHAもしくはこれを含有す
る油脂類と、ヒアルロン酸もしくはその塩、コラーゲン
及びエラスチンの一種あるいは二種以上とを通常の化粧
料として知られる種々の形態の基剤に配合して調製する
ことができる。
【0018】化粧料の形態の例としては、特に限定され
ず、例えば、乳液、クリーム、化粧水、パック、分散
液、洗浄料等の化粧品とすることができ、化粧料の基剤
としては、これら化粧料の形態に応じた基剤、例えば、
精製水、低級アルコール類、多価アルコール類、油脂
類、界面活性剤、各種美容成分、紫外線吸収剤、増粘
剤、色素、防腐剤、香料等を用いることができる。
【0019】
【実施例】次に、実施例を挙げ本発明を更に詳しく説明
するが、本発明はこれらになんら制約されるものではな
い。
【0020】実 施 例 1〜2 乳 液 :表1に示す組成および下記製法で乳液を調
製し、下記方法でその肌荒れ改善作用を調べた。 この
結果を表2に示す。
【0021】 ( 組 成 ) 表 1 ──────────────────────────────────── 実 施 例 比 較 例 成 分 (%) ─────────────────────── 1 2 1 2 3 4 ──────────────────────────────────── (1) スクワラン 5.0 5.0 5.0 5.0 5.0 5.0 (2) ワセリン 2.0 2.0 2.0 2.0 2.0 2.0 (3) ミツロウ 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 (4) ソルビタンセスキ 0.8 0.8 0.8 0.8 0.8 0.8 オレイン酸エステル (5) ポリオキシエチレン オレイルエーテル 1.2 1.2 1.2 1.2 1.2 1.2 (20E.O.) (6) 1,3−ブチレン 5.0 5.0 5.0 5.0 5.0 5.0 グリコール (7) EPA* 0.1 0.1 0.1 − − − (8) ヒアルロン酸** 0.01 − − 0.01 − − (9) コラーゲン*** − 0.01 − − 0.01 − (10)エチルアルコール 5.0 5.0 5.0 5.0 5.0 5.0 (11)防 腐 剤 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 (12)香 料 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 (13)キサンタンガム 20.0 20.0 20.0 20.0 20.0 20.0 (2%水溶液) (14)精 製 水 残 量 残 量 残 量 残 量 残 量 残 量 ──────────────────────────────────── * 栗田工業(株)製 ** バイオヒアルロン酸液[日光ケミカルズ(株)
製] *** アテロコラーゲンSS[(株)高研製]
【0022】( 製 法 ) A. 成分(6)、(8)〜(10)及び(14)を加熱混合し、70℃
に保つ。 B. 成分(1)〜(5)、(7)、(11)及び(12)を加熱混合し、
70℃に保つ。 C. 上記Bを先のAに加えて混合し、成分(13)を加えて
均一に乳化し、30℃まで冷却して乳液を得る。
【0023】( 試 験 方 法 )23〜30才の女性3
0名をパネルとし、スキーに行く前日の肌状態をミクロ
スコープカメラで観察し、下記基準によりそのスコアを
求めた。 スキーから帰って1日たった後にも同様に肌
状態のスコアを求めた。 更にその後は、7日間にわた
って毎日、朝と夜の2回洗顔後に被験乳液を塗布した。
そして、スキーの3、5および7日後に前記と同様肌
状態のスコアを求めた。
【0024】 肌状態スコア: [スコア] [ 状 態 ] 1 肌の皮溝が不鮮明であり、角質のはがれが認められる。 2 肌の皮溝がやや不鮮明であるかまたは一方向性が強い。 3 肌の皮溝は認められるが、浅いかまたは一方向性が強い。 4 肌の皮溝が認められるかまたはやや網目状である。 5 肌の皮溝がはっきり認められるかまたはきれいな網目状である。
【0025】 ( 結 果 ) 表 2 ─────────────────────────────────── 被 験 乳 液 前 日 1日後 3日後 5日後 7日後 ─────────────────────────────────── 実施例 1 3.32 1.94 2.50 3.01 3.90 2 3.30 1.80 2.42 2.94 3.70 比 較 例 1 3.50 1.95 2.20 2.60 3.05 2 3.29 1.94 2.12 2.30 2.50 3 3.42 2.02 2.16 2.30 2.47 4 3.25 1.95 2.08 2.15 2.30 ───────────────────────────────────
【0026】表2の結果から明らかな如く、EPAとヒ
アルロン酸を組合せた実施例1及びEPAとコラーゲン
を組合せた実施例2は、それぞれを単独で配合した比較
品1〜3及びこれらを含まない比較品4と比べ、顕著な
肌荒れ改善効果を示すものであった。
【0027】実 施 例 3〜4 ク リ ー ム :表3に示す組成および下記製法でクリー
ムを調製し、その美肌効果を調べた。この結果を表4に
示す。
【0028】 * Serdary Research Lab. Inc.製 ** ヒアルロン酸Q-3-AQ[キューピー(株)製] *** エラーシャン[三省製薬(株)製]
【0029】( 製 法 ) A. 成分(1)〜(7)、(8)、(11)および(12)を混合し、加
熱して70℃に保つ。 B. 成分(9)、(10)および(13)を混合し、加熱して70
℃に保つ。 C. AにBを加え、混合した後、冷却してクリームを得
た。
【0030】( 試 験 方 法 )26〜52才の女性1
5名をパネルとし、毎日朝と夜の2回、12週間にわた
って洗顔後に被験クリームの適量を顔面に塗布した。
塗布による美肌効果を下の基準によって評価した。
【0031】美肌効果: [評 価] [ 内 容 ] 有 効 肌のくすみが目立たなくなった。 やや有効 肌のくすみがあまり目立たなくなった。 無 効 使用前と変化なし。
【0032】 表4の結果より明らかな如く、実施例3及び4のクリー
ムは肌の「くすみ」等の発生の防止、改善に有効であ
り、美肌効果が認められた。
【0033】実 施 例 5 化 粧 水 : <処方> (%) (1)グリセリン 5.0 (2)1,3−ブチレングリコール 6.5 (3)ポリオキシエチレンソルビタン 1.2 モノラウリン酸エステル(20E.O.) (4)エチルアルコール 8.0 (5)EPA* 1.0 (6)コラーゲン** 0.5 (7)防 腐 剤 適 量 (8)香 料 適 量 (9)精 製 水 残 量 * 栗田工業(株)製 ** アテロコラーゲンSS[(株)高研製]
【0034】(製 法) A. 成分(3)、(4)、(5)、(7)及び(8)を
混合溶解する。 B. 成分(1)、(2)、(6)及び(9)を混合溶解
する。 C. 上記AとBを混合して均一とし、化粧水を得た。
【0035】実 施 例 6 パ ッ ク: <処方> (%) (1)ポリビニルアルコール 20.0 (2)エチルアルコール 20.0 (3)グリセリン 5.0 (4)カオリン 6.0 (5)イワシ抽出油脂 0.05 (6)ヒアルロン酸* 0.01 (7)防 腐 剤 0.2 (8)香 料 0.05 (9)精 製 水 残 量 *バイオヒアルロン酸液[日光ケミカルズ(株)製]
【0036】(製 法) A. 成分(1)、(3)、(4)、(6)及び(9)を
混合し、70℃に加熱し、撹拌する。 B. 成分(2)、(5)、(7)及び(8)を混合す
る。 C. 上記Bを先のAに加え、混合した後、冷却してパッ
クを得た。
【0037】実 施 例 7 洗 浄 料 : <処方> (%) (1) ステアリン酸 10.0 (2) パルミチン酸 8.0 (3) ミリスチン酸 12.0 (4) ラウリン酸 4.0 (5) オレイルアルコール 1.5 (6) 精製ラノリン 1.0 (7) 香 料 0.1 (8) 防 腐 剤 0.2 (9) グリセリン 18.0 (10)水酸化カリウム 6.0 (11)サンマ抽出油脂 0.5 (12)ヒアルロン酸* 0.05 (13)精 製 水 残 量 * バイオヒアルロン酸液[日光ケミカルズ(株)製]
【0038】(製 法) A. 成分(9)、(10)及び(13)を混合し、70
℃に加熱する。 B. 成分(1)〜(6)、(8)及び(11)を混合
し、70℃に加熱する。 C. 上記Bを先のAに加え、暫く70℃に保ち、けん化
反応が終了後、50℃まで冷却し、(7)及び(12)
を加え、冷却して洗浄料を得た。
【0039】
【発明の効果】本発明により、EPA及び/またはDH
Aもしくはこれを含有する油脂類を配合し、安定で優れ
た肌荒れ改善効果を有する化粧料が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−48528(JP,A) 特開 平2−36111(JP,A) 特開 昭63−14707(JP,A) 特公 昭46−13275(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 7/00 - 7/50

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エイコサペンタエン酸及び/またはドコ
    サヘキサエン酸もしくはこれを含有する油脂類と、ヒア
    ルロン酸もしくはその塩、コラーゲンおよびエラスチン
    から選ばれる化合物の一種または二種以上とを含有する
    化粧料。
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