JP3170700B2 - 皮膚老化防止用化粧料 - Google Patents

皮膚老化防止用化粧料

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化粧料に関し、更に詳
細には、優れた皮膚老化防止作用、肌荒れ改善作用等を
有する皮膚老化防止用化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、肌荒れ改善や皮膚老化防止のため
に用いられてきた薬効成分としては、アラントイン、ア
ロエ抽出物、人参抽出物、胎盤抽出物、牛血液除蛋白物
及び発酵代謝物等が知られている。しかしながら、これ
らの薬効成分を含む化粧料では、十分な効果を得ること
ができず、より優れた作用を有する化粧料の開発が望ま
れていた。
【0003】一方、エゴマ油は、ω−3系高度不飽和脂
肪酸の一種であるα−リノレン酸を高度に含有してお
り、肌に塗布した場合、潤いを与え、肌のかさつきを防
ぐ効果が知られている。また、このα−リノレン酸は、
体内においてエイコサペンタエン酸やドコサヘキサエン
酸に代謝される。これらのω−3系高度不飽和脂肪酸
は、現在、制ガン効果やアレルギー反応をおこすロイコ
トリエンの産生を減少させ−る効果があることがわか
り、注目を集めている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、エゴマ
油の有する上記作用に着目し、これを化粧料、特に肌荒
れ改善作用を有する化粧料に配合することを試みた。し
かし、エゴマ油を単独に配合した場合の肌荒れ改善作用
は十分なものとはいえず、また他の基剤等の影響によ
り、これの本来有する効果が十分に発揮され得ないのが
実情であった。
【0005】更に、より高い効果を得る目的で、エゴマ
油を高濃度で配合した場合の作用効果にも限界があり、
逆に、これら化合物自体の有する特有の色や臭いの発生
により、配合量や剤型等製品面における制限も生じてく
るといった問題もあった。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記実情に鑑み、本発明
者等は、エゴマ油の有する作用を十分に引き出すべく鋭
意研究を行った。そしてその結果、これらと特定の化合
物とを組合せることにより、優れた皮膚老化防止効果、
肌荒れ改善効果が安定且つ相乗的に発揮されることを見
出し本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明は、エゴマ油と、センブ
リエキス、カンファ、ニコチン酸もしくはその誘導体、
ニンニクエキス、セファランチン及びトウガラシチンキ
から選ばれる成分の一種または二種以上とを含有する皮
膚老化防止用化粧料を提供するものである。
【0008】エゴマ油は、シソ科に属するエゴマの果実
より通常用いられる方法により分離、精製されたもので
あり、方法は特に限定されない。また、主成分であるα
−リノレン酸を更に濃縮して含量を高めたものや、ある
いはこれらの他の成分を調合した油脂組成物も含まれ
る。
【0009】エゴマ油は、そのまま本発明の化粧料に配
合しても、また、更に水蒸気蒸留、活性炭処理、酸性白
土処理等によって精製したものを利用しても良い。
【0010】本発明の化粧料におけるエゴマ油の含有量
は、0.0001〜10重量%(以下単に「%」で示
す)であり、より好ましくは、0.01〜5%である。
含有量が0.0001%未満であると十分な効果が得ら
れないことがあり、また、10%を超えて配合してもそ
れ以上の効果の増大は見られず、かえって着色、臭いの
発生や、剤型によっては沈殿が生じる等、製品面での問
題が生じる場合がある。
【0011】一方、本発明において他の必須成分である
センブリエキス、カンファ、ニコチン酸もしくはその誘
導体、ニンニクエキス、セファランチン及びトウガラシ
チンキなどの成分(以下、「第二成分」と総称する)
は、いずれも、従来から化粧料に配合されている成分で
ある。これらの第二成分のうち、センブリエキス、カン
ファ、ニンニクエキス、セファランチン及びトウガラシ
チンキは天然物中から抽出により得られる物質である。
【0012】すなわち、センブリエキスは、センブリ
〔Swertia japonicaMakino(G
entia neceae)〕の開花期の全草からエタ
ノール、精製水、またはこれらの混液で抽出して得られ
るエキスであり、カンファは、クスノキ〔Cinnam
omum camphora Linne(Laura
ceae)〕より得られるテルペンケトンもしくは同物
質の合成品である。
【0013】また、ニンニクエキスは、ニンニク(Al
lium scordoplasmL.またはAlli
um sativum L.)の鱗茎から精製水、無水
エタノール、プロピレングリコール、1,3−ブチレン
グリコールまたはこれらの混液にて抽出して得られるエ
キスである。
【0014】更に、セファランチンは、ツヅラフジ科の
植物タマサキツヅラフジ(Stephaura cep
harantha Hayata)の根より抽出して得
られるものである。更にまた、トウガラシチンキは、ト
ウガラシ[Capsicum annuum Linn
e(Solanaceae)]またはその変種の果実を
エタノールで浸出して得られるチンキ剤である。なお、
いずれの場合も抽出方法、精製処理方法については特に
制約はない。
【0015】一方、ニコチン酸及びその誘導体は、ビタ
ミンBの一種であり、牛肝臓または米糠等から抽出して
得られるものでも合成によって得られるものでも良く、
ニコチン酸の他、ニコチン酸アミド、ニコチン酸DL−
α−トコフェロール、ニコチン酸メチル等のニコチン酸
誘導体が例示される。
【0016】これら第二成分の本発明化粧料中の含有量
は、一般には乾燥固形分として、0.0001〜5%、
好ましくは0.001〜3%である。これら成分の含有
量が0.0001%より少ない場合は、十分な効果が得
られないことがあり、また、5%を超えて配合しても効
果がほぼ一定となり、その増大は見られない。
【0017】更に、本発明の化粧料には、本発明の効果
を損なわない範囲で、前記必須成分の他に、通常の化粧
料に用いられる水性成分、粉体、界面活性剤、油剤、保
湿剤、アルコール類、pH調整剤、防腐剤、色素、酸化
防止剤、紫外線吸収剤、増粘剤、香料、美容成分等を必
要に応じて適宜配合することができる。
【0018】本発明の皮膚老化防止化粧料は、必須成分
である前述のエゴマ油と、センブリエキス、カンファ、
ニコチン酸もしくはその誘導体、ニンニクエキス、セフ
ァランチン及びトウガラシチンキから選ばれる成分の一
種または二種以上とを配合し、常法に従って製造するこ
とができ、乳液、クリーム、化粧水、美容液、クレンジ
ング、パック、洗浄料、ファンデーション等として適用
することができる。
【0019】
【実施例】次に、実施例を挙げ本発明を更に詳しく説明
するが、本発明はこれらになんら制約されるものではな
い。
【0020】実施例1〜4 クリーム 下記表1に示す組成のクリームを製造し、肌荒れ改善効
果を調べた。この結果も表1に示す。なお、クリームの
製法及び評価方法は次のとおりである。
【0021】
【表1】
【0022】(製法) A.成分(8)、(10)〜(14)を加熱混合し、7
0℃に保つ。 B.成分(1)〜(7)及び(9)を加熱混合し、70
℃に保つ。 C.上記Bを先のAに加えて混合し、均一に乳化する。 D.上記C冷却後、(15)を加え、均一に混合してク
リームを得た。
【0023】(評価方法)健常な男性135名をパネル
とし、1群15名として、顔面半分に実施例1〜4また
は比較例1〜5のクリームを、他の反面に比較例6のク
リームを、それぞれ1日1回、2週間塗布した。2週間
後、顔面皮膚レプリカを採取し、下記に示す基準により
評価した。得られた実施例1〜4、比較例1〜5のクリ
ーム塗布部位のレプリカのスコアから比較例6のクリー
ム塗布部位のレプリカのスコアを引いた値を肌荒れ改善
度とした。なお、パネルには、試験開始前のスコアが1
または2の男性を選んだ。
【0024】 肌状態スコア: スコア 状態 1 肌の皮溝が不鮮明であり、角質のはがれが認められる。 2 肌の皮溝がやや不鮮明であるかまたは一方向性が強い。 3 肌の皮溝は認められるが、浅いかまたは一方向性がやや強い。 4 肌の皮溝が認められるかまたはやや網目状である。 5 肌の皮溝がはっきり認められるかまたはきれいな網目状である。
【0025】以上の結果から、エゴマ油と第二成分とを
配合した本発明化粧料は、エゴマ油または第二成分を単
独で配合した場合に比べて、顕著な肌荒れ改善効果を奏
することが明らかである。
【0026】実施例5〜6 クリーム 表2に示す組成及び下記製法でクリームを調製し、下記
方法でその皮膚老化防止作用を調べた。
【0027】
【表2】
【0028】(製法) A.成分(9)〜(11)及び(13)を加熱混合し、
70℃に保つ。 B.成分(1)〜(8)を加熱混合し、70℃に保つ。 C.上記Bを先のAに加えて混合し、均一に乳化する。 D.上記Cを冷却後、成分(12)を加え、均一に混合
してクリームを得た。
【0029】(評価方法)26〜52才の女性15名を
パネルとし、毎日朝と夜の2回、12週間にわたって洗
顔後に被験クリームの適量を顔面に塗布した。塗布によ
る美肌効果及び皮膚老化防止効果を下記の基準によって
評価した。
【0030】美肌効果: 評価 内容 有効 肌のくすみが見立たなくなった。 やや有効 肌のくすみがやや目立たなくなった。 無効 使用前と変化なし。
【0031】皮膚老化防止効果: 評価 内容 有効 肌のはり、つやが改善された。 やや有効 肌のはり、つやがやや改善された。 無効 使用前と変化なし。
【0032】(結果)結果を表3に示す。
【0033】
【表3】
【0034】表3の結果、明きらかな如く、実施例5及
び6のクリームは肌の「つや」、「はり」の喪失・「く
すみ」等の発生の防止、改善に有効であり、皮膚老化防
止効果が認められた。
【0035】 実施例7 化粧水 (処方) (重量%) (1)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.) 1.0 (2)エチルアルコール 10.0 (3)防腐剤 0.1 (4)香料 適量 (5)エゴマ油 1.0 (6)センブリエキス 0.5 (7)ソルビトール(70%水溶液) 3.0 (8)ピロリドンカルボン酸ナトリウム 3.0 (9)精製水 残量
【0036】(製法) A.成分(1)〜(5)を加熱、混合溶解する。 B.成分(6)〜(9)を加熱、混合溶解する。 C.上記AとBを混合して均一とし、化粧水を得た。
【0037】 実施例8 乳液 (処方) (重量%) (1)ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート 1.0 (10E.O.) (2)ポリオキシエチレンソルビットテトラオレエート 0.5 (60E.O.) (3)グリセリンモノステアレート 1.0 (4)ステアリン酸 0.5 (5)ベヘニルアルコール 0.5 (6)精製アボガド油 4.0 (7)トリ2−エチルヘキサン酸グリセリン 4.0 (8)防腐剤 0.1 (9)エゴマ油 1.0 (10)ウィッチヘーゼルエキス 0.1 (11)キサンタンガム(2%水溶液) 7.0 (12)1,3−ブチレングリコール 5.0 (13)カンファ 1.0 (14)セファランチン 1.0 (15)精製水 残量 (16)香料 適量
【0038】(製法) A.成分(10)〜(15)を加熱混合して、70℃に
保つ。 B.成分(1)〜(9)を加熱混合し、70℃に保つ。 C.上記Bを先のAに加え混合し、均一に乳化する。 D.上記Cを冷却後、(16)を加え、均一に混合して
乳液を得た。
【0039】 実施例9 軟膏 (処方) (重量%) (1)ステアリン酸 18.0 (2)セタノール 4.0 (3)トリエタノールアミン 2.0 (4)グリセリン 5.0 (5)エゴマ油 2.0 (6)ニンニクエキス 1.0 (7)精製水 残量
【0040】(製法) A.成分(3)〜(4)及び(7)の一部を加熱混合
し、75℃に保つ。 B.成分(1)〜(2)及び(5)を加熱混合し、75
℃に保つ。 C.上記Aを先のBに徐々に加える。 D.上記Cを冷却しながら(7)の残部で溶解した
(6)を加え、軟膏を得た。
【0041】
【発明の効果】以上詳述した如く、本発明により、安定
で優れた皮膚老化防止効果、肌荒れ改善効果を有する化
粧料が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−22811(JP,A) 特開 昭60−209508(JP,A) 特開 昭52−105224(JP,A) 特開 昭63−277604(JP,A) 特開 平4−169526(JP,A) 特開 平1−313412(JP,A) 特開 昭63−135309(JP,A) 特開 昭63−174911(JP,A) 特開 平1−238518(JP,A) 特開 平2−167104(JP,A) 特開 平2−289692(JP,A) 特開 平4−248896(JP,A) 特開 平2−208390(JP,A) 特開 平3−130042(JP,A) 特開 平6−93284(JP,A) 特開 平5−310537(JP,A) 特開 平6−293652(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 7/00 - 7/50 A61K 35/78 CA(STN) WPI(DIALOG)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エゴマ油と、センブリエキス、カンフ
    ァ、ニコチン酸もしくはその誘導体、ニンニクエキス、
    セファランチン及びトウガラシチンキから選ばれる成分
    の一種または二種以上とを含有する皮膚老化防止用化粧
    料。
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