以下、本考案の実施例を添付した図面を参照して詳しく説明する。
本考案の第1実施例による歯車システム100は、互いに異なる二つの駆動ユニットの特性を合成して多様な出力を出すことができるシステムである。このような歯車システム100は、状況によって出力特性の変化が必要な多様な分野で活用されることができる。即ち、一つの歯車システム100を通じて高速−低トルクの出力、または低速−高トルクの出力を自由自在に変換することができる。
本考案の第1実施例による歯車システム100は、第1歯車部110、第2歯車部120、そして第3歯車部130を含む。特に、その中で二つの歯車部が駆動力が入力される入力パーツになり、残りの一つの歯車部が駆動力の合力が出力される出力パーツになる。
さらに詳しい説明のために、図1及び図2を提示する。図1は、本考案の第1実施例による歯車システムの概略的な様子を示した斜視図であり、図2は、図1の歯車システムを概略的に示した分解斜視図である。
第1歯車部110と第2歯車部120とは、互いに噛み合って回るように位置する。そして、第3歯車部130は、第1歯車部110または第2歯車部120のうち少なくとも一つと噛み合って回るように形成される。
以下の実施例では、第1歯車部乃至第3歯車部110、120、130を遊星歯車の太陽歯車、キャリアに連結された遊星歯車、そして輪歯車で例示する。即ち、本考案の第1実施例による歯車システム100に、太陽歯車、キャリア、遊星歯車及び輪歯車からなる遊星歯車ユニットが使用されると例示する。しかし、二つの歯車部に入力パーツになる他の形状の歯車が用いられてもよいことは当然である。以下は、遊星歯車ユニットが使用されると例示して説明する。
第1歯車部110は、太陽歯車111、及び太陽歯車111と連結されて駆動力を太陽歯車111に伝達するか、太陽歯車111から駆動力の伝達を受ける太陽歯車軸112を含む。第2歯車部120は、キャリア122と、キャリア122の一側上に安着された状態で自転することができる少なくとも一つ以上の遊星歯車121、及びキャリア122の他側に連結形成されて駆動力を伝達するキャリア軸123を含む。
太陽歯車111は、遊星歯車121の間に介在してそれぞれが互いに噛み合って回る形状をとる。従って、一般的に、太陽歯車111の回転方向と遊星歯車121の回転方向とは反対になる。そして、第2歯車部120は、キャリア122の回転によって遊星歯車121の自転及び公転を可能にする。
第3歯車部130は輪歯車になる。このような輪歯車は、リング状の内部に内接歯車が形成されるように形成することが好ましい。輪歯車で例示される第3歯車部130は、第2歯車部120の遊星歯車の外側に外接して噛み合うように位置する。従って、第2歯車部120の回転によって第3歯車部130が回転する。
このような相互の噛み合いによってそれぞれの歯車部の回転が互いに影響を受けて、入力された力が合成して出力される。
この時、第1歯車部乃至第3歯車部110、120、130のうち二つの歯車部が入力パーツになる。即ち、駆動ユニットから駆動力の伝達を受ける歯車部が二つになる。
さらに具体的な説明のために、図3乃至図5を提示する。図3乃至図5は、二つの入力特性を利用した遊星歯車システムの入出力関係を概略的に示した斜視図である。
図3を参考すると、第1歯車部110及び第2歯車部120が入力パーツになり、前記二つの歯車部110、120を通じて駆動力が入力In1、In2される。このように入力された駆動力の合力が第3歯車部130を通じて出力Outされる。従って、第1歯車部110及び第2歯車部120の歯車特性を調節するか、このような歯車部110、120に伝達される駆動力の特性を調節しながら、多様な出力を第3歯車部130を通じて発生させることができる。
図4を参考すると、第1歯車部110及び第3歯車部130が入力パーツになって駆動力を入力In1、In2し、第2歯車部120が出力パーツになって合力を出力Outする。また、図5を参考すると、第2歯車部120及び第3歯車部130が入力パーツになって駆動力を入力In1、In2し、第1歯車部110が出力パーツになって合力を出力Outする。このように入出力パーツにあたる歯車部は、歯車システムが適用される対象の特性及び製作方法などによって変わってもよく、力の伝達原理は、上記で説明した通りである。
以下は、太陽歯車111を含む第1歯車部110、及び遊星歯車121とキャリア122とを含む第2歯車部120が入力パーツになり、輪歯車で例示される第3歯車部130が出力パーツになる例を基準として説明する。
第1歯車部110及び第2歯車部120は、互いに異なる駆動源140からそれぞれの駆動力の伝達を受けることが好ましい。この時、駆動源は、第1駆動ユニット141及び第2駆動ユニット142を含む。このような駆動源140は、駆動力を伝達することができるモータ、ポンプ、シリンダー等の多様な駆動力伝達ユニットが使用されてもよい。以下の実施例では、モータが使用されることで例示する。
第1駆動ユニット141は、第1歯車部110に駆動力を入力する。この時、第1駆動ユニットの回転によって第1連結歯車113が回転し、これにより、太陽歯車軸112が回転しながら太陽歯車111が回転する。
これと同様に、第2駆動ユニット142は、第2連結歯車124を通じて第2歯車部120に駆動力を入力する。
第1駆動ユニット141及び第2駆動ユニット142は、互いに異なる出力を有することが好ましい。例えば、モータで例示される第1駆動ユニット141及び第2駆動ユニット142は、互いに異なる容量を有するか、互いに異なる減速比を有することが好ましい。
さらに詳しくは、第1駆動ユニット141は、最大駆動速度は低いが、最大駆動トルクは高い特性(低速−高トルク)を有するように設定し、第2駆動ユニット142は、最大駆動速度は高いが、最大駆動トルクは低い特性(高速−低トルク)を有するように設定する。即ち、第1駆動ユニット141と第2駆動ユニット142との特性を互いに反対に設定する。従って、それぞれの駆動力の特性を調節して第3歯車部130に出力される駆動合力の特性を制御することができる。
一方、第1駆動ユニット141または第2駆動ユニット142のうち少なくとも一つは、ウォーム歯車143、144を通じて駆動力を入力する。このようなウォーム歯車143、144は、それぞれ第1連結歯車113及び第2連結歯車124と連結される。このようなウォーム歯車143、144を通じて二つの入力間の干渉による駆動ユニットのバックドライブを防止することができる。即ち、二つのモータを使用する場合に低い減速伝達比を有するモータは、高い減速伝達比を有するモータの駆動によってバックドライブが発生し得る。従って、二つのモータの減速伝達比の差が大きい場合は、ウォーム歯車143、144をさらに追加してバックドライブを防止することができる。
その他に、駆動力が入力に伝達される時に、平歯車、傘歯車、ベルト駆動などの一般的な全ての動力伝達システムを使用することができる。
第1駆動ユニット141及び第2駆動ユニット142から駆動力の入力を受けて、第1歯車部110及び第2歯車部120が駆動力を合成し、このように合成された駆動力は、第3歯車部130を通じて出力される。第3歯車部130の回転によって第3連結歯車131が回転し、これと噛み合った出力歯車132が回転しながら出力軸133を通じて駆動力が出力される。従って、出力軸133と連結された多様なロボット、機械システムなどを駆動することができる。
一方、図示していないが、駆動ユニットの駆動速度及び角度を測定するために、それぞれの駆動ユニットの出力軸にエンコーダを取り付けてもよい。また、それぞれの歯車と軸との間には軸受が具備されてもよく、遊星歯車ユニットの位置は、固定されるが、回転は自由にすることが好ましい。
一例によると、歯車システム100は、第1駆動力が伝達される第1歯車部110、第2駆動力が伝達される第2歯車部120、そして前記第1駆動力及び第2駆動力との合力を出力する第3歯車部130からなる歯車モジュール形態である。この時、第1駆動力及び第2駆動力は、互いに異なる出力特性を有することが好ましい。
このようなモジュール化により、大きさ、重さ、生産費用を減らすことができ、大量生産が可能である。このような歯車モジュールは、必要に応じて、多様な駆動ユニット(モータ等)を連結して使用してもよい。または、特定歯車比を有するモータを含んで一体でモジュール化してもよい。歯車モジュールは、連結される駆動ユニットのバックドライブを防止するために、ウォーム歯車をさらに含んでもよい。
前記のような構成を有する二つの入力特性を利用した遊星歯車システム100の作動及び制御方法を説明するために、図6乃至図8を提示する。
図6及び図7は、本考案の第1実施例による歯車システム100の力の合成原理を説明するために概略的に示した図面であり、図8は、歯車システム100の作動による合成されたトルク−速度グラフである。
図6を参考すると、第1駆動ユニット141及び第2駆動ユニット142は、それぞれ第1回転角速度θ1及び第2回転角速度θ2を有し、第1歯車比r1及び第2歯車比r2を有する。この時、第1駆動ユニット141または第2駆動ユニット142には、減速歯車145、146がさらに含まれてもよい。
第1歯車部110の太陽歯車111の歯数をzaといい、輪歯車で例示される第3歯車部130の歯数をzcという。この時、駆動ユニット141、142の回転力が入力パーツである歯車部110、120に入力In1、In2で伝達される過程で、歯車比と歯数を調節して多様な出力Out特性を生成することができる。
図7の(a)は、第1駆動ユニット141のみを駆動させ、第2駆動ユニット142は停止した状態を概略的に示す。これを参考すると、第1駆動ユニット141が一定角度Δθ1回転し、第2駆動ユニットは回転しない。第1駆動ユニット141の回転によって太陽歯車111が特定方向に回転するようになり、これによって第3歯車部130が特定出力角度Δθoutを有する。
第1駆動ユニット141の回転角度に対する第3歯車部130の微小出力角度は、以下の通りである。
前記数1の微小出力角度を速度に変換すれば、以下のような式が得られる。
従って、第1駆動ユニット141の回転角速度と第1及び第3歯車部110、130の歯車歯数とによって出力特性が決定される。
図7の(b)は、第2駆動ユニット142のみを駆動させ、第1駆動ユニット141は停止した状態を概略的に示す。これを参考すると、第2駆動ユニット142が一定角度 Δθ2回転し、第1駆動ユニットは回転しない。第2駆動ユニット142の回転によって遊星歯車121が特定方向に回転するようになり、これによって第3歯車部130が特定出力角度Δθoutを有する。
第2駆動ユニット142の回転角度に対する第3歯車部130の微小出力角度は、以下の通りである。
前記数3の微小出力角度を速度に変換すれば、以下のような式が得られる。
従って、第2駆動ユニット142の回転角速度と第2及び第3歯車部120、130の歯車歯数によって出力特性が決定される。
図7の(c)は、第1及び第2駆動ユニット141、142の両方とも駆動する場合を示す。この場合、二つの駆動ユニット141、142の入力に対する出力速度式は、以下の通りである。
前記数5を利用すれば、二つのモータ特性を合成して出力を得ることができる。このような二つのモータ特性を合成したグラフを図8を通じて確認することができる。
図8のグラフ(a)は、高い減速比特性により、最大駆動速度は低いが、最大駆動トルクは高いモータのトルク−速度グラフである。そして、グラフ(b)は、低い減速比特性により、最大駆動速度は高いが、最大駆動トルクは低いモータのトルク−速度グラフである。
結局、第1駆動ユニット141が高い減速比特性を有し、第2駆動ユニット142が低い減速比特性を有する場合は、二つの入力を合成して、グラフ(c)のように、高速度−低トルクまたは低速度−高トルクの出力を全て生成することができる。
即ち、1個の駆動ユニット(例えば、1個のモータ)を使用する場合は、グラフ(a)またはグラフ(b)のように、高い速度または高いトルクのある一特性のみを表すしかない。しかし、二つの駆動ユニットを通じた二つの互いに異なる入力特性を合成することにより、高い速度を有するか、高いトルクを有するという全ての場合が可能になった。グラフ(c)は、自動車のような変速歯車を使用する場合、2段変速歯車の特性グラフと類似した形態を示すが、本考案による歯車システム100の場合、2個の小型モータのみを使用してこのような特性結果を得ることができる。
一般的なロボットの駆動は、低い負荷では速い速度(高速度−低トルク)、高い負荷では低い速度(低速度−高トルク)で駆動されるため、通常、グラフ(c)のような領域のみで主に動作する。従って、自動車の変速歯車システムのように、複雑でかつ大型の歯車システムや、高容量のモータを使用する必要がなく、小型モータの二つのみを利用してこれらの特性を適切に合成することにより歯車変速効果を出すことで、小型ロボットシステムに効率的に適用されることができる歯車システムを提供することができる。
このように二つの入力特性が合成された出力特性は、それぞれの駆動ユニットの特性及び回転力を入力パーツに伝達する過程で、歯車比及び歯車の歯数などによって多様な特性を有することができる。
また、2段変速歯車と類似した効果及び特性を得ることで、負荷(または、駆動トルク)によって最適の(効率的な)速度で駆動されることで、電流の消費を少なくすることができる。即ち、高いトルクで駆動する場合は、高い歯車減速効果(低速−高トルク)を有する一つの駆動ユニットのみを駆動して、第1歯車部110または第2歯車部120のうち一つの歯車部のみを通じて駆動力を入力する制御方法を通じて、駆動トルクに比べて低い電流を使用することができる。それだけでなく、速い速度が必要な場合は、高速−低トルク特性を有する駆動ユニットのみを駆動するか、二つの駆動ユニットを全て駆動して第1歯車部110及び第2歯車部120に同時に駆動力を入力する制御方法を通じて、速い速度を有する出力を提供することができる。
一方、歯車システムが高速−中トルクで駆動する場合、即ち、高速−低トルクを有する駆動ユニットの最大トルクより小さいトルク領域で駆動する場合は、二つの駆動ユニットの電流を同一に使用するように制御することが好ましい。従って、二つの駆動ユニットが同時に同一のトルクを生成する。このように、二つの駆動ユニット(モータ)が同一のトルクを生成するようにして、可能な範囲内で同一の力を出すために二つのモータが同一の力を出すことが、エネルギー効率の側面で好ましい。
前記のような制御方法によって、モータの過負荷などによる多くの電流の消耗を防止することができる。
このような歯車システム100または歯車モジュールは、多様な小型ロボット、装置、システムに採用されることができる。また、回転型タイヤ駆動や関節駆動などの多様な力または速度で回転するシステムが必要な多様な分野に適用されることができる。
一方、以下では、本考案の第2実施例による歯車システムに対して詳述し、前述した第1実施例の歯車システムと同一の部分に対しては、その説明を省略する。
図9は、本考案の第2実施例による歯車システムの一つの駆動ユニットにバックドライブを防止するための構成が取り付けられた状態を概略的に示した図面である。
図示のように、本実施例の歯車システム200は、前述した第1実施例の歯車システム100(図1参照)と違って、バックドライブを防止することができるウォーム歯車143、144(図2参照)が適用されず、他の構成が適用されるので、エネルギー効率をさらに向上させることができる。
前述したように、高トルクを出力にすることができる第1駆動ユニット241のモータを駆動して高いトルクを出力する場合、相対的に低トルクを出力にする第2駆動ユニット242のモータが自ら回転するバックドライブが発生し得る。すると、高トルク特性が出力に出ないこともある。
従って、このような現象を防止するために、第2駆動ユニット242のモータに逆電流を印加してバックドライブを抑制するか、または図9に示すように、別途の構成を第2駆動ユニット242のモータに取り付けることができる。
ここで、第2駆動ユニット242のモータに取り付けることができる構成243としては、ブレーキタイプの電子ブレーキ、または機械的な作動によってブレーキングをする機械ブレーキが適用されてもよく、また、軸受タイプのワンウェイ(one−way)軸受またはクラッチ軸受が適用されてもよい。
加えると、電子ブレーキは、電子力を利用して制動する方式が適用されるブレーキであり、このような作動によってバックドライブを防止することができる。そして、ワンウェイ軸受及びクラッチ軸受は、一方向のみに回転力を提供し、他方向への回転は一般軸受のように自由に回転する特性がある。従って、ワンウェイ軸受を固定部位(回転が起きない部分)と第2駆動ユニット242とに取り付けることで、一方向にはモータの回転力を遊星歯車システム200に伝達し、第2駆動ユニット242を駆動しない場合、第1駆動ユニット241のみを駆動する時に逆方向への回転(バックドライブ)を防止することができる。
このように、本考案の第2実施例の場合、相対的に低トルク出力を有する第2駆動ユニット242に別途のブレーキまたは軸受のような構成243を取り付けることで、バックドライブが発生することを阻止することができ、他の歯車に比べて(一般的な平歯車など)に比べて優れたエネルギー効率が得られる。
一方、以下では、本考案の第3実施例による歯車システムに対して詳述し、前述した実施例の歯車システムと同一の部分に対しては、その説明を省略する。
図10は、本考案の第3実施例による歯車システムの一つの駆動ユニットにバックドライブを防止するためのフライホイールが取り付けられた状態を概略的に示した図面である。
図示のように、本実施例の歯車システム300は、バックドライブを防止するために、回転慣性の大きいフライホイール343が第2駆動ユニット342のモータに取り付けられる。このようなフライホイール343は、現在の運動現象を維持する傾向があるため、高トルクを有する第1駆動ユニット341のモータの回転が出力パーツである第3歯車部330に伝達される過程で、低トルクを有する第2駆動ユニット342に結合された第2歯車部320がバックドライブする現象を減少または防止することができる。従って、このようなフライホイール343が適用される場合、別途のブレーキがなくても逆電流のみを印加することで、バックドライブを防止することができる。
フライホイール343の特性を利用してバックドライブを阻止する方法についてさらに説明すると、一般的に、フライホイール343は、大きい回転慣性を有するため、例えば自動車の場合、エンジンの回転力を維持する用途で使用される。従って、一般的なモータシステム(モータ1個によって駆動軸を駆動するシステム)において、フライホイールが結合されれば、それほど慣性が追加されて、モータの速度変換特性が悪くなり得る。
しかし、本実施例のモータシステム、即ち、歯車システム300は、二つのモータを利用して一つの出力を作り出すため、瞬間的な加速及び急激な速度変化は、加減速の特性に優れたモータ、即ち、第1駆動ユニット341のモータを利用し、加減速の特性が低いモータ、即ち、第2駆動ユニット342のモータは、1回加速させた後、急激に速度を変化させず一定の速度を維持しながら、第1駆動ユニット341のモータの速度変化を利用して全体的な出力速度を調節することができ、これにより、高速走行中に発生する高速モータの急激な速度変化によるエネルギー損失を減らすことができる。
また、本実施例の歯車システム300は、2個の入力が一つの出力として出る冗長性のあるシステムであるため、二つの駆動ユニット341、342のモータを特定の速度で制御することで、最終出力が発生しないようにすることもできる。加えると、フライホイール343が取り付けられた第2駆動ユニット342のモータを加速させる時に、実際の出力に負荷が発生されずフライホイール343のみを加速させることができ、これにより、フライホイール343が取り付けられた第2駆動ユニット342のモータの加速がより容易になり、一度加速されたフライホイール343の回転力を利用して実際負荷を駆動する時に、停止状態で駆動されるより電流消耗を少なくすることができる。このような電流消耗によってエネルギー効率は高くなり、また停止状態で加速のための必要トルクが小さくなることで、小容量のモータを適用することができる。
一方、以下では、本考案の第4実施例による歯車システムに対して詳述し、前述した実施例の歯車システムと同一の部分に対しては、その説明を省略する。
図11は、本考案の第4実施例による歯車システムにおいて、駆動力を入力するための一つの駆動源が手動入力に適用された状態を示した図面である。
図示のように、本実施例の場合、第2歯車部420に駆動ユニットが結合されるのではなく、第2歯車部420には、作業者の手動動作によって加えられる駆動力が入力される。自転車のペダル構造に例えて説明すると、第2歯車部420に加えられる駆動力は、自転車のペダルのような手動装置442によって加えられる。
このような構成により、手動装置442だけで出力軸を駆動することができ、第1駆動ユニット441のモータ、そして手動装置442を同時に使用して、第3歯車部430、即ち、出力軸を駆動することもできる。
ここで、手動装置442による駆動力の入力時に、第1駆動ユニット441のモータが出力軸を反対方向に回転させるための方向に回転すれば、実際の手動入力に対する出力軸の速度が減少されるため、歯車比の変換効果を発生させることができる。従って、特定の領域内で無限変速歯車のような機能を発生させることができる。
一方、以下では、本考案の第5実施例による歯車システムに対して詳述し、前述した実施例の歯車システムと同一の部分に対しては、その説明を省略する。
図12は、本考案の第5実施例による歯車システムに差動歯車が適用された状態を示した図面である。
図示のように、本実施例の歯車システム500は、二つの歯車部によって発生する2個の入力が一つの歯車部を通じて出力を発生する差動歯車システムであり、第1歯車部510及び第2歯車部520のそれぞれは、相互対応する差動サイド歯車511、521を含み、第3歯車部530は、第1歯車部510及び第2歯車部520の差動サイド歯車511、521の間に結合される一対の差動ピニオン歯車531が結合される輪歯車532を含む。また、輪歯車532は、駆動軸550の駆動ピニオン歯車551と噛合い結合されて、輪歯車532の回転を通じて駆動軸550を回転させる。
ここで、第1歯車部510の差動サイド歯車511、第2歯車部520の差動サイド歯車521が駆動源からそれぞれの駆動力の伝達を受ける入力パーツになり、第3歯車部530がそれぞれの駆動力が合成された合力を出力に出す出力パーツになる。但し、これに限らず、3個の歯車部510、520、530が選択的に2個の入力パーツ及び1個の出力パーツになることができることは当然である。
このような差動歯車システム500は、前述した第1実施例の遊星歯車システム100(図1参照)と同様に、3個の回転軸と内部に具備される1個の軸とを有するため、2個の回転軸を入力にし、一つの回転軸を出力にすれば、2個の入力が1個の出力に合成されることができる。
このように、前述した実施例で提示される2個のモータ特性を合成する方法は、製作方法または使用目的によって遊星歯車または差動歯車に適用されるが、これに限らず、3個の駆動軸と内部に1個の軸とが存在する全ての歯車システムに適用することができることは当然である。
一方、前述した歯車モジュール、即ち、2個の入力が一つの出力に生成される歯車モジュールは、運送装置に具備されて使用されてもよい。さらに具体的に説明すると、運送装置は、互いに異なる入力特性が伝達可能な第1歯車部及び第2歯車部、そしてこれらの合力が出力に生成される第3歯車部を有する歯車モジュールと、第1歯車部または第2歯車部に伝達される駆動力を選択的に制御して第3歯車部に出力される駆動力を制御する制御部とを含んでもよい。
このような運送装置は、少なくとも一つの歯車部が電気で駆動される電気自転車であってもよい。このような電気自転車の場合、第1歯車部に入力される第1駆動力は、使用者が調節して入力することができる手動入力であってもよく、第2歯車部に入力される第2駆動力は、電気供給によって生成される駆動力であってもよい。従って、平地または丘などの場所によって、第1歯車部または第2歯車部を選択的に駆動させることができ、エネルギー効率を高めることができる。例えば、丘などを上がる時に、手動入力による第1歯車部を使用するより、電気供給によって駆動される第2歯車部を使用することが好ましい。この時、第2歯車部としては、低速−高トルク特性を有するモータが使用されることができる。
但し、歯車モジュールが適用される運送装置は、電気自転車に限らず、他の運送装置または移動手段に適用されてもよいことは当然である。また、駆動力を入力する2個の歯車部のうち一つの歯車部が手動入力のための歯車部であり、他の一つの歯車部が電気供給によって駆動力を入力する歯車部であると説明したが、これに限らず、2個の歯車部が全て手動入力で駆動される歯車部として構成されてもよく、2個の歯車部が電気供給によって駆動力を生成する歯車部として構成されても良い。
一方、前述した歯車システム、即ち、第1歯車部及び第2歯車部が駆動源からそれぞれの駆動力を受けて入力パーツになり、第3歯車部がそれぞれの駆動力が合算された合力を出す出力パーツになる歯車システムも、運送装置に具備されて使用されることができる。加えると、運送装置は、このような歯車部を含む歯車システムと、歯車部のうち選択された歯車部に伝達される駆動力をそれぞれ制御して出力を制御する制御部とを含んでもよい。
運送装置は、例えば、入力パーツである第1歯車部及び第2歯車部のうち少なくとも一つの歯車部が電気で駆動される電気自転車であってもよい。電気自転車の場合、第1歯車部に入力される駆動力は、使用者が調節することができる手動入力であってもよく、第2歯車部に入力される駆動力は、電気供給によって生成される駆動力であってもよい。従って、第1歯車部または第2歯車部を選択的に駆動させることができ、エネルギー効率を高めることができる。例えば、丘などを上がる時に、手動入力による第1歯車部を使用するより、電気供給によって駆動される第2歯車部を使用することができる。この時、第2歯車部としては、低速−高トルク特性を有するモータが使用されることができる。
但し、ここでも同様に、前述した歯車システムが適用可能な運送手段は、電気自転車に限らず、他の運送装置に適用されることができることは当然である。また、第1歯車部及び第2歯車部に入力される駆動力は、それぞれ異なる手動入力であってもよく、または全て電気供給によって発生する駆動力であってもよい。
以上のように、本考案は、限られた実施例と図面によって説明されたが、本考案は、前記の実施例に限らず、本考案が属する分野で通常の知識を持った者なら、このような記載から多様な修正及び変形が可能である。
従って、本考案の範囲は、説明された実施例に限って定められてはならず、後述する実用新案登録請求の範囲だけでなく、この実用新案登録請求の範囲と均等なものなどによって定められるべきである。