JP3197093B2 - カチオン電着塗装方法 - Google Patents

カチオン電着塗装方法

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JP3197093B2
JP3197093B2 JP04055693A JP4055693A JP3197093B2 JP 3197093 B2 JP3197093 B2 JP 3197093B2 JP 04055693 A JP04055693 A JP 04055693A JP 4055693 A JP4055693 A JP 4055693A JP 3197093 B2 JP3197093 B2 JP 3197093B2
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cationic
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栄作 中谷
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カチオン電着塗装方法
に関し、詳しくは自動車ボディなど構造の複雑な被塗物
に対して、機能の異なる2種類のカチオン電着塗料を2
コート2ベークすることによって一般外板部の高耐候性
と袋状構造体部などのつきまわり性とを両立せしめるカ
チオン電着塗装方法に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】カチオン電着塗装は、被塗
物を陰極とし、電着浴中で被塗物と対極との間に電圧を
印加することにより被塗物の表面に電着塗膜を形成する
方法であり、焼付け過程における熱流動により、平滑性
のすぐれた塗膜を得るものである。カチオン電着塗料と
しては一般にエポキシ樹脂からなるカチオン電着塗料が
用いられているが、エポキシ樹脂からなるカチオン電着
塗料はつきまわり性や防食性に優れるが耐候性が劣って
いる。他方、アクリル樹脂からなるカチオン電着塗料は
耐候性に優れるが、構造の複雑な被塗物に対しつきまわ
り性が劣っており、未塗装部が残るため防食性が得られ
にくい。
【0003】近年、塗装工程の短縮化、省資源化が望ま
れる中、自動車ボディの塗装系では中塗塗装を省略し、
直接電着塗膜上に上塗塗装を施せるよう該電着塗膜に対
し益々高耐候性の要求が高まってきている。しかしなが
ら、前述のようにつきまわり性と耐候性を高度に両立さ
せることは難しく、実際に自動車ボディの袋状構造体内
部(以下、「袋部」と略称する)のように十分なつきま
わりが必要とされる構造を有する被塗物ではつきまわり
性が優先され、耐候性を十分に満足させるに至っていな
い。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記不具
合を解消すべく鋭意検討した結果、1回目の電着塗装に
おいて耐候性に非常に優れる電着塗料を塗装し焼き付け
て袋部など複雑構造部以外の一般部の高耐候性を確保
し、2回目の電着塗装においてつきまわり性の良い電着
塗料を塗装し焼き付けることによって1回目の焼付け後
未塗装状態となっている袋部などの部位に十分につきま
わることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち本発明は、複雑な構造を有する被
塗物に、水酸基を含有するカチオン電着性ビニル系共重
合体を主成分とするカチオン電着塗料(A)を塗装し焼
き付けた後、カチオン電着性エポキシ樹脂を主成分とす
るカチオン電着塗料(B)を塗装し焼き付けることを特
徴とするカチオン電着塗装方法を提供するものである。
【0006】本発明においてカチオン電着塗料(A)
は、1回目に電着塗装する電着塗料であり、水酸基を含
有するカチオン電着性ビニル系共重合体を主成分とする
ものである。
【0007】上記カチオン電着性ビニル系共重合体とし
ては、従来公知のものが使用でき、例えばアミノ基含有
モノマーと水酸基含有モノマー及びその他のビニルモノ
マーとを共重合してなるものがまず挙げられる。
【0008】該アミノ基含有モノマーとしては、アミノ
基含有アクリル系モノマーが好ましく、例えばアミノエ
チル(メタ)アクリレート、N−tertブチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレート、N,N−ジプロピルアミノエ
チル(メタ)アクリレート、N,N−ジブチルアミノエ
チル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプ
ロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノ
ブチル(メタ)アクリレートなどのアミノアルキルアク
リル酸エステルまたはメタクリル酸エステル類;N,N
−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,
N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、
N,N−ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリル
アミドなどのアミノアルキルアクリルアミドまたはメタ
クリルアミド類が挙げられる。これらはそれぞれ単独で
又は2種以上組合せて使用することができる。かかるア
ミノ基含有モノマーは全モノマー量の3〜20重量%、
好ましくは5〜18重量%の範囲で使用されるのが適当
である。
【0009】上記水酸基含有モノマーとしては、例えば
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレートなどのアクリル酸またはメ
タクリル酸のC18 のヒドロキシアルキルエステルが
好ましく使用できる。
【0010】上記その他のビニルモノマーとしては、上
記アミノ基含有モノマーや水酸基含有モノマーと共重合
可能なモノマーであれば特に制限はなく、例えばメチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
n−ブチル(メタ)アクリレート、iso −ブチル(メ
タ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレー
ト、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチル
ヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アク
リレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどのアク
リル酸またはメタクリル酸のC124のアルキル又はシ
クロアルキルエステル;スチレン、ビニルトルエン、α
−メチルスチレン、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、
(メタ)アクリロニトリル、ビニルプロピオネート、
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)ア
クリルアミド、ベオバモノマー(シェル化学製品)など
のビニルモノマーが挙げられ、それぞれ単独で又は2種
以上組合せて使用することができる。これらのモノマー
は所望する電着塗料の性質及びそれより形成される塗膜
の要求性能に応じて適宜選択できる。
【0011】以上の如きモノマー類からなる共重合体の
製造は従来公知の方法で行なうことができ、一般には溶
液重合法に従って行なわれる。
【0012】また前記カチオン電着性ビニル系共重合体
として、グリシジル基含有モノマーと水酸基含有モノマ
ー及びこれらと共重合可能でグリシジル基と反応しない
その他のビニルモノマーとの共重合体にアミンを付加し
てなるものも挙げられる。
【0013】上記グリシジル基含有モノマーとしては、
グリシジル(メタ)アクリレート、ビニルシクロヘキセ
ンモノエポキシド、N−グリシジルアクリルアミド、ア
リルグリシジルエーテルなどが挙げられる。かかるグリ
シジル基含有モノマーは、全モノマー量の5〜50重量
%、好ましくは10〜40重量%の範囲で使用されるの
が適当である。
【0014】水酸基含有モノマー及びこれらと共重合可
能でグリシジル基と反応しないその他のビニルモノマー
は、前述のものが同様に使用できる。またかかるモノマ
ー類からなる共重合体の製造も、従来公知の方法で行な
うことができる。
【0015】上記のとおり得られるグリシジル基含有共
重合体とアミンとの付加反応は、従来公知の方法に従っ
て行なうことができ、例えば該共重合体溶液に第2級ア
ミンを加え約50〜120℃の温度で約1〜20時間反
応せしめる方法などが挙げられる。使用されるアミンと
しては、プロピルアミン、ブチルアミン、ジメチルアミ
ン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミンなどのア
ルキルアミン類;ジエタノールアミン、ジイソプロパノ
ールアミン、N−メチルエタノールアミンなどのアルカ
ノールアミン類;ピペリジン、モルホリン、N−メチル
ピペラジンなどが挙げられる。かかるアミンの使用量は
通常グリシジル基1モル当たり約0.1〜1モルの範囲
が適当である。
【0016】以上の如くして得られるカチオン電着性ビ
ニル系共重合体の水酸基価は、特に制限されるものでは
ないが、通常30〜200、好ましくは50〜150の
範囲が適当である。該水酸基価が30未満では得られる
塗膜の硬化性が劣りやすく、また200を越えると耐候
性や防食性が劣る傾向がみられる。
【0017】また該カチオン電着性ビニル系共重合体の
分子量は、通常約5,000〜100,000、好まし
くは10,000〜50,000の範囲が適当である。
【0018】上記カチオン電着性ビニル系共重合体は、
酢酸、プロピオン酸、乳酸、ヒドロキシ酢酸などの有機
酸によって中和され水分散能が付与されることができ
る。また該共重合体は、ブロックポリイソシアネート化
合物又はメラミン樹脂などの架橋剤を用いて硬化させる
ことができる。かかるブロックポリイソシアネート化合
物は、各々ポリイソシアネート化合物とイソシアネート
ブロック剤(例えば、アルコール系化合物、オキシム系
化合物、フェノール系化合物など)との付加反応生成物
であり、このポリイソシアネート化合物としては、例え
ば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシア
ネート、フェニレンジイソシアネート、ビス(イソシア
ナトメチル)シクロヘキサン、テトラメチレンジイソシ
アネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレン
ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの
芳香族、脂環式族、脂肪族のポリイソシアネート化合物
およびこれらのポリイソシアネート化合物の過剰量にエ
チレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロ
ールプロパン、ヘキサントリオール、ヒマシ油などの低
分子活性水素含有化合物を反応させて得られる末端イソ
シアネート含有化合物が挙げられる。さらに上記カチオ
ン電着性ビニル系共重合体には、他のカチオン電着性樹
脂として従来公知のアミン付加エポキシ樹脂を、少量併
用することが防食性の点から望ましい。
【0019】上記カチオン電着塗料(A)は、必要に応
じて通常の塗料添加物、例えば、カーボンブラック、チ
タン白、ベンガラのような着色顔料;クレー、タルク、
炭酸カルシウムのような体質顔料;クロム酸ストロンチ
ウム、クロム酸鉛、ケイ酸鉛などの防錆顔料;或はさら
に他の添加剤を配合することができる。他の添加剤とし
ては、例えば、分散助剤(非イオン系界面活性剤);塗
面のハジキ防止剤(アクリル樹脂、フッ素樹脂、シリコ
ン樹脂など);硬化促進剤(例えば鉛、ビスマス、スズ
などの金属の塩);有機溶剤等が挙げられる。また、カ
チオン電着塗料(A)は、必要に応じて導電性カーボン
(グラファイト等)、金属性粉末などの導電性粉末を配
合してもよく、その場合には、カチオン電着塗料(A)
により形成される塗膜が、20℃・20V では1×10
7 〜1013Ω・cmの範囲の体積固有電気抵抗値(膜厚2
5μm)を有することが好ましく、これにより1回目の電
着塗膜と2回目の電着塗膜との境界部の塗膜形成を十分
行なえるものである。
【0020】上記カチオン電着塗料(A)は、適宜脱イ
オン水で希釈して固形分濃度が約5〜25重量%、pHが
約5.5〜8の範囲内になるように調整することができ
る。
【0021】上記カチオン電着塗料(A)を用いて被塗
物に電着塗装を行なう方法及び装置としては、従来から
カチオン電着塗装において使用されているそれ自体既知
の方法及び装置を使用することができる。その際、非塗
物をカソードし、アノードとしてはステンレス#316
板、フェライト金属板などを用いるのが好ましい。用い
うる電着塗装条件は特に制限されるものではないが、一
般的には、浴温:15〜35℃(好ましくは20〜30
℃)、電圧:100〜400V(好ましくは200〜3
00V)、電流密度:0.01〜3A/dm2 、通電時間:
30秒〜10分、極面積比(A/C):6/1〜1/
6、極間距離:10〜100cm、撹拌状態で電着するこ
とが望ましい。
【0022】カチオン電着塗料(A)による電着塗膜の
膜厚(乾燥状態)は10〜90μm、好ましくは20〜
70μm の範囲であることが好ましい。
【0023】被塗物上に形成された電着塗膜は、脱イオ
ン水等で洗浄後、約100〜200℃、好ましくは10
0〜180℃で焼き付けて硬化させることができる。か
かる硬化は、該塗膜上に2回目の電着塗装による塗料が
塗着しない程度でさしつかえない。
【0024】本発明においてカチオン電着塗料(B)
は、2回目に電着塗装する電着塗料であり、カチオン電
着性エポキシ樹脂を主成分とするものである。2回目の
電着塗装を行なった場合、1回目の電着塗装においてつ
きまわらなかった袋部や焼付け時の熱流動により素地が
露出したエッジ部等の未塗装部分に選択的に電着塗膜が
形成される。これは1回目の電着塗装により形成された
塗膜部分は露出した素地に比べて電気抵抗値が高いの
で、該塗膜部分には2回目の電着塗装によって2回目の
電着塗膜は形成されないためである。1回目の電着塗装
及び焼き付けによって未塗装部近傍等に形成される極薄
膜部分では、実際には、膜自体が連続層でなく、細孔を
有した状態で素地が露出していると推定でき、ここも未
塗装部分とみなすことができ、2回目の電着塗装によっ
て選択的に電着塗膜が形成される。
【0025】上記カチオン電着性エポキシ樹脂として
は、アミン付加エポキシ樹脂が挙げられ、該アミン付加
エポキシ樹脂は、電着塗料において通常使用されている
ポリアミン樹脂、例えば、(i)ポリエポキシド化合物
と1級モノ−及びポリアミン、2級モノ−及びポリアミ
ン又は1、2級混合ポリアミンとの付加物(例えば米国
特許第3,984,299号明細書参照);(ii)ポリ
エポキシド化合物とケチミン化された1級アミノ基を有
する2級モノ−及びポリアミンとの付加物(例えば米国
特許第4,017,438号明細書参照);(iii)ポリ
エポキシド化合物とケチミン化された1級アミノ基を有
するヒドロキシ化合物とのエーテル化により得られる反
応物(例えば特開昭59−43013号公報参照)など
を包含しうる。
【0026】上記ポリアミン樹脂の製造に使用されるポ
リエポキシド化合物は、エポキシ基を1分子中に2個以
上有する化合物であり、一般に少なくとも200、好ま
しくは400〜4,000、更に好ましくは800〜
2,000の範囲内の数平均分子量を有するものが適し
ており、特にポリフェノール化合物とエピクロルヒドリ
ンとの反応によって得られるものが好ましい。該ポリエ
ポキシド化合物の形成のために用いうるポリフェノール
化合物としては、例えばビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−2,2−プロパン、4,4´−ジヒドロキシベン
ゾフェノン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1
−エタン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−1,1
−イソブタン、ビス(4−ヒドロキシ−tert−ブチル−
フェニル)−2,2−プロパン、ビス(2−ヒドロキシ
ナフチル)メタン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、
ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、テトラ
(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,2,2−エタ
ン、4,4´−ジヒドロキシジフェニルスルホン、フェ
ノールノボラック、クレゾールノボラック等が挙げられ
る。
【0027】該ポリエポキシド化合物はポリオール、ポ
リエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリ
アシドアミン、ポリカルボン酸、ポリイソシアネート化
合物などと一部反応させたものであってもよく、更にま
た、ε−カプロラクトン、アクリルモノマーなどをグラ
フト重合させたものであってもよい。
【0028】上記アミン付加エポキシ樹脂は、必要に応
じて、アルコール類などでブロックしたポリイソシアネ
ート化合物又はメラミン樹脂等の架橋剤を用いて硬化さ
せることができる。
【0029】また、上記架橋剤を使用しないで硬化させ
ることが可能な自己架橋タイプのアミン付加エポキシ樹
脂を使用することができ、例えばポリエポキシ物質にβ
−ヒドロキシアルキルカルバメート基を導入した樹脂
(例えば特開昭59−155470号公報参照);エス
テル交換反応によって硬化しうるタイプの樹脂(例えば
特開昭55−80436号公報参照);基体樹脂中にブ
ロックイソシアネート基を導入した樹脂などを用いるこ
ともできる。
【0030】さらにカチオン電着塗料(B)には、エッ
ジ防食性が強く要求される場合にゲル化微粒子及び/又
は顔料等の粒子状成分を配合せしめることができ、特に
ゲル化微粒子が好適である。
【0031】上記ゲル化微粒子としては、粒子内の架橋
反応によりゲル化された微粒子重合体であれば特に制限
なく従来公知のものが使用でき、例えばアルコキシシラ
ン基とカチオン性基とを含有するアクリル共重合体を水
分散化し、粒子内架橋せしめたもの(特願昭62−54
141号公報参照);アルコキシシラン基と水酸基およ
びカチオン性基を有する内部架橋ゲル化微粒子(特開平
2−47173号公報参照);アルコキシシラン基とウ
レタン結合と水酸基およびカチオン性基を有する内部架
橋ゲル化微粒子(特開平3−62860号公報参照)な
どが挙げられる。
【0032】さらに上記ゲル化微粒子として、特に加水
分解性アルコキシシラン基を含有するエポキシ樹脂アミ
ン付加物を水分散化し、且つ粒子内架橋せしめてなるカ
チオン電着性ゲル化微粒子が、防食性の点から好適に使
用できる。以下、該ゲル化微粒子について説明する。
【0033】上記「加水分解性アルコキシシラン基を含
有するエポキシ樹脂アミン付加物」は、エポキシ樹脂ア
ミン付加物へ加水分解性アルコキシシラン基を導入した
ものであって、カチオン性基、特に酸で中和されたアミ
ノ基を水分散基として水中において安定に分散し、かつ
該アルコキシシラン基の加水分解によって生成したシラ
ノール基がシラノール基同志、およびヒドロキシル基が
ある場合にはそのヒドロキシル基とも縮合して粒子内架
橋が行われ、ゲル化することが可能な付加物を指称した
ものである。
【0034】該ゲル化微粒子の構成成分であるエポキシ
樹脂アミン付加物は、前記カチオン電着性エポキシ樹脂
のところで説明した如き、ポリアミン樹脂などが包含さ
れる。
【0035】加水分解性アルコキシシラン基の該エポキ
シ樹脂アミン付加物への導入方法は、特に制限されるも
のではなく、それ自体既知の方法から導入すべき加水分
解性アルコキシシラン基の種類等に応じて任意に選ぶこ
とができるが、水可溶性塩類など電着塗装に悪影響を及
ぼす副生成物を生じない方法を採用することが好まし
く、例えば次のような方法を例示することができる。
【0036】(1)アルコキシシラン基含有アミン化合
物を基体樹脂中のエポキシ基に付加する方法:ここで使
用しうるアミン化合物としては次式のものが例示され
る。
【0037】
【化1】
【0038】(2)アルコキシシラン基含有メルカプタ
ンを基体樹脂中のエポキシ基に付加する方法:ここで使
用しうるメルカプタンとしては次式のものが例示され
る。
【0039】
【化2】
【0040】(3)アルコキシシラン基含有エポキシ化
合物を基体樹脂中のアミノ基に付加する方法:ここで使
用しうるエポキシ化合物としては次式のものが例示され
る。
【0041】
【化3】
【0042】(4)アルコキシシラン基含有イソシアネ
ート化合物を基体樹脂中の水酸基、アミノ基に付加する
方法:ここで使用しうるイソシアネート化合物としては
次式のものが例示される。
【0043】
【化4】
【0044】上記に述べた各式において、Rとしては次
のものを例示しうる:(i)メチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基、ヘキシル基などのアルコール残基;
(ii)メトキシエチル基、エトキシエチル基、メトキシ
プロピル基などのエーテルアルコール残基;(iii)アセ
トキシエチル基などのエステルアルコール残基;(iv)
シクロヘキシル基、ベンジル基などのシクロアルキル又
はアラルキルアルコール残基;(v)オキシムアルコー
ル残基などが挙げられる。
【0045】前記式中のRは炭素数の小さなもの程加水
分解しやすいが、安定性に劣るので、炭素数2〜7程度
がバランス上有利である。また、炭素数2以下のものと
7以上のものとを組み合わせてバランスさせてもよい。
【0046】上記の加水分解性アルコキシシラン基を含
有するエポキシ樹脂アミン付加物の水分散化は、それ自
体既知の方法に従って行なうことができる。例えば、上
記の加水分解性アルコキシシラン基を含有するエポキシ
樹脂アミン付加物を、存在するアミノ基に対して約0.
1〜1当量の酸、例えばギ酸、酢酸、乳酸、ヒドロキシ
酢酸などの水溶性カルボン酸などで中和し、その後、固
形分濃度が約40重量%以下になるようにして水中に分
散することによって行なうことができる。
【0047】かくして得られる加水分解性アルコキシシ
ラン基を含有するエポキシ樹脂アミン付加物の分散粒子
は次いで粒子内架橋させることができる。粒子内架橋
は、該分散物を単に長期間貯蔵することによってもある
程度進行する可能性があるが、有利には、該水分散化物
を約50℃以上の温度に加熱することにより粒子内架橋
を促進するのが望ましい。あるいはまた、上記加水分解
性アルコキシシラン基を含有するエポキシ樹脂アミン付
加物の水分散化に際して、該樹脂溶液中または水媒体中
にオクチル酸錫、オクチル酸亜鉛、オクチル酸ジルコニ
ウム、ジブチル錫ジラウレートなどのシラノール基縮合
触媒を加えて、該触媒の存在下で水分散化を行なうこと
によって、水分散化と同時に粒子内架橋を行なうことも
できる。
【0048】このようにして製造されるゲル化微粒子水
分散液は、通常約10〜40重量%、好ましくは15〜
30重量%の樹脂固形分含量を有することができる。ま
た、分散粒子の粒径は、一般に0.5μm 以下、好まし
くは0.01〜0.3μm 、より好ましくは0.05〜
0.2μm の範囲内にあることができる。粒径の調整は
加水分解性アルコキシシラン基を含有するエポキシ樹脂
アミン付加物中のカチオン性基の量を調節することによ
って行なうことができ、それによって容易に所望の範囲
内の粒径を得ることができる。
【0049】該カチオン電着塗料(B)において、上記
ゲル化微粒子を配合する場合には、該配合量が全樹脂固
形分(カチオン電着性エポキシ樹脂とゲル化微粒子の合
計)に対し、3〜50重量%、好ましくは7〜35重量
%であることが適当である。また必要に応じて、他の粒
子状成分としてチタン白、カーボンブラック、ベンガ
ラ、黄鉛などの着色顔料;タルク、炭酸カルシウム、マ
イカ、クレー、シリカなどの体質顔料;クロム酸ストロ
ンチウム、クロム酸鉛、ケイ酸鉛などの防錆顔料等を併
用してもよい。
【0050】さらに粒子状成分としてゲル化微粒子を使
用せずに顔料のみを配合する場合には、上記の如き顔料
を通常配合量より多くすることもできるが、吸油量10
0以上の顔料、例えば無水二酸化珪素、含水無定形二酸
化珪素などの二酸化珪素系顔料およびカーボン系顔料な
どを全顔料分中5重量%以上配合することが適当であ
る。
【0051】かくして得られるカチオン電着塗料(B)
は、適宜脱イオン水で希釈して固形分濃度が約3〜25
重量%、好ましくは5〜20重量%、pHが約5.5〜8
の範囲内になるように調整するのが適当である。
【0052】本発明において、前記カチオン電着塗料
(A)によりすでに一般部に電着塗膜が形成された被塗
物における袋部、エッジ部等未塗装部分に塗膜形成する
ために、上記カチオン電着塗料(B)を用いて電着塗装
を行なう方法及び装置は、前記カチオン電着塗料(A)
で使用される方法及び装置と同様に使用することができ
る。そのうち、通電時間などについては、前記カチオン
電着塗料(A)において必要とする時間の1/4〜1/
2でも十分に、被塗物の未塗装部分にカチオン電着塗料
(B)による電着塗膜を形成することができる。かくし
てカチオン電着塗料(A)及びカチオン電着塗料(B)
により形成される電着塗膜には必要に応じて中塗り及び
上塗り塗料を適宜塗り重ねて仕上げることができる。
【0053】本発明において、複雑な構造を有する被塗
物は自動車ボディのように袋部やエッジ部などを有する
ものであり、防錆性の点から防錆処理鋼板からなるもの
が好適である。該鋼板としては、溶融亜鉛めっき鋼板、
電気亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛・鉄二層めっき鋼板、有
機複合めっき鋼板、冷延鋼板などの基材を、必要によっ
てアルカリ脱脂等表面を清浄化した後、リン酸塩化成処
理、クロメート化成処理などの前処理を行なったもの等
が挙げられる。
【0054】
【発明の効果】本発明の方法に従い、第1回目及び第2
回目の電着塗装を行なうと、第1回目に塗装した電着塗
膜がつきまわらなかった袋部や、焼付け時の熱流動によ
り形成されなかったエッジ部等の未塗装部分に選択的
に、第2回目に塗装した電着塗膜が形成され、よって本
発明の方法を用いれば、複雑な構造を有する被塗物に対
し、一般部の高耐候性、仕上り性が十分得られた上で、
袋部やエッジ部のつきまわり性、防食性を確保すること
ができ、被塗物の部位ごとに必要な性能を高水準で満足
させることが可能となる。
【0055】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるも
のではない。実施例および比較例において、「部」およ
び「%」はそれぞれ「重量部」および「重量%」を示
す。
【0056】ビニル系共重合体溶液の製造例 製造例1 n−ブチルアルコール27部及びイソプロピルアルコー
ル27部を反応容器に入れ、加熱して90℃にした。こ
の中にスチレン30部、2−エチルヘキシルメタクリレ
ート35部、2−ヒドロキシエチルアクリレート20
部、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート15
部、アゾビスイソブチロニトリル3.5部の混合物を約
2時間かけて滴下した。反応は窒素注入下で行なった。
反応温度を90℃に保ち、更に4時間反応を行なって固
形分65%のビニル系共重合体溶液(I)を得た。
【0057】製造例2 n−ブチルアルコール20部及びイソプロピルアルコー
ル20部を反応容器に入れ、加熱して90℃にした。こ
の中にメチルメタクリレート15部、n−ブチルアクリ
レート30部、スチレン20部、グリシジルメタクリレ
ート20部、ヒドロキシプロピルメタクリレート15
部、アゾビスイソブチロニトリル3部の混合物を、約2
時間かけて滴下した。反応は窒素注入下で行なった。反
応温度を90℃に保ち、更に4時間反応を行なって、共
重合体溶液を得た。次にこの共重合体溶液にジエタノー
ルアミン9部及びイソプロピルアルコール14部を加
え、90℃で3時間反応を行ない固形分65%のビニル
系共重合体溶液(II)を得た。
【0058】カチオン電着塗料(A)の作成 作成例1 前記製造例で得られたビニル系共重合体溶液(I)12
3部(固形分80部)に酢酸4.8部を加えさらに脱イ
オン水を加えて水分散液を製造し、これに60%ポリエ
ステル変性エポキシ樹脂水分散液15部を加えて撹拌混
合し、さらに4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネ
ートのエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエ
ーテルジブロック物6.4部、イソホロンジイソシアネ
ートのメチルエチルケトオキシムジブロック物23部、
ジブチル錫ジラウレート1部及びポリプロピレングリコ
ール4000 0.5部を加えて均一に混合し、撹拌し
ながら脱イオン水を加えて不揮発分32%のクリヤエマ
ルジョンを得た。該クリヤエマルジョン320部に表1
に示す固形分43%の顔料ペースト(P−1)95.3
部を撹拌しながら加え、脱イオン水で希釈して固形分2
0%のカチオン電着塗料(A−1)を得た。
【0059】作成例2 前記製造例で得られたビニル系共重合体溶液(II)13
8.5部(固形分90部)に酢酸3.0部を加えさらに
脱イオン水を加えて水分散液を製造し、これに作成例1
と同様に4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート
のジブロック物、イソホロンジイソシアネートのジブロ
ック物、ジブチル錫ジラウレート及びポリプロピレング
リコール4000を作成例1と同量加えて均一に混合
し、撹拌しながら脱イオン水を加えて不揮発分32%の
クリヤエマルジョンを得た。該クリヤエマルジョンを用
いて作成例1と同様の操作により固形分20%のカチオ
ン電着塗料(A−2)を得た。
【0060】ゲル化微粒子の製造例 製造例3 温度計、撹拌機、還流冷却器及び窒素ガス吹き込み口を
取り付けた反応容器に、窒素ガス吹き込み下でエポン8
28EL(注1)1,045部、ビスフェノールA17
1部及びジエタノールアミン52.2部を仕込んで12
0℃に加熱し、エポキシ当量(注2)が理論値(31
7)に達するまで反応させた。その後80℃まで冷却
し、KBE−903(注3)221部とジエタノールア
ミン157.5部を加え、3級アミン価(注4)が理論
値(102)に達するまで反応させた。その後エチレン
グリコールモノブチルエーテル706部で希釈し、数平
均分子量約1,650の加水分解性アルコキシシラン基
を含有するエポキシ樹脂アミン付加物の固形分70%の
エチレングリコールモノブチルエーテル溶液を得た。
【0061】21フラスコに、上記で得た加水分解性ア
ルコキシシラン基を含有するエポキシ樹脂アミン付加物
100部および10%酢酸11部を加えて30℃で5分
間撹拌した後、脱イオン水239部を強く撹拌しながら
約30分間かけて滴下し、50℃に昇温して約3時間撹
拌を行なった。かくして、固形分20%の乳白色の粒子
内架橋したゲル化微粒子分散液(G−)が得られ、こ
の微粒子のエチレングリコールモノブチルエーテル中で
の平均粒子径は0.15μm であった。
【0062】(注1)エポキシ当量約190を持つビス
フェノールAのジグリシジルエーテル(油化シェル
(株)製) (注2)JIS−K−7236に準拠。但し、アミノ基
もエポキシ基として合算する。 (注3)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン(信越
化学(株)製) (注4)無水酢酸でアセチル化した後、クリスタルバイ
オレットを指示薬として過塩素酸で滴定。
【0063】製造例4 製造例1と同様な反応装置に窒素ガス吹き込み下でエポ
ン828EL950部、ビスフェノールA342部及び
アミンA(注5)96.5部を仕込んで160℃に加熱
し、エポキシ当量が理論値(694)に達するまで反応
させた。その後、100℃まで冷却し、アミンA(後添
加)193部及びアミンB(注6)159部を加え、3
級アミン価が理論値(97)に達するまで反応させた。
その後、100℃で脱イオン水36部を加えて脱ケチミ
ン化反応を行ない、続いて、同じく100℃にてKBE
−402(注7)496部を加えてエポキシ基がなくな
るまで反応させた。その後エチレングリコールモノブチ
ルエーテル486部で希釈し、数平均分子量1,900
の加水分解性アルコキシシラン基を含有するエポキシ樹
脂アミン付加物の固形分70%の溶液を得た。
【0064】21フラスコに、上記で得た加水分解性ア
ルコキシシラン基を含有するエポキシ樹脂アミン付加物
100部および10%酢酸11部を加えて30℃で5分
間撹拌した後、脱イオン水239部を強く撹拌しながら
約30分かけて滴下し、50℃に昇温して約3時間撹拌
を行なった。かくして、固形分20%、エチレングリコ
ールモノブチルエーテル中での平均粒子径0.15μm
の乳白色の粒子内架橋したゲル化微粒子分散液(G−
)が得られた。
【0065】(注5)有効成分74%のモノエタノール
アミンとメチルイソブチルケトンとのケチミンのメチル
イソブチルケトン溶液 (注6)有効成分84%のジエチレントリアミンのメチ
ルイソブチルケトンジケチミンのメチルイソブチルケト
ン溶液 (注7)γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシ
ラン(信越化学(株)製)。
【0066】製造例5 撹拌装置、温度計、冷却管及び加熱マントルを備えた1
リットルフラスコに、脱イオン水3,507.5部及び
ラテムルK−180(花王株式会社製、25%水溶液)
80部を入れ、撹拌しながら90℃まで昇温した。これ
に重合開始剤であるVA−086(和光純薬工業株式会
社製)12.5部を脱イオン水500部に溶解した水溶
液混合物の20パーセントを加えた。15分後に下記モ
ノマー混合物の5パーセントを加えた。 スチレン 430部 n−ブチルアクリレート 440部 1,6−ヘキサンジオールジアクリレート 40部 2−ヒドロキシエチルアクリレート 40部 KBM−503(注8) 50部 (注8)γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン(信越化学工業社製)
【0067】ついで、さらに30分間撹拌した後、残り
のモノマー混合物及び重合開始剤水溶液の滴下を開始し
た。モノマー混合物は3時間で、重合開始剤水溶液は
3、5時間でそれぞれ供給し、重合温度を90℃に保っ
た。重合開始剤水溶液の滴下終了後も30分間加熱して
90℃に保った後室温に冷却し、濾布を用いて濾過し取
り出した。かくして固形分20%、平均粒子径0.07
μm のゲル化微粒子(G−)分散液を得た。(特開平
2−47173号公報参照)
【0068】カチオン電着塗料(B)の作成 ポリアミド変性エポキシ樹脂および完全ブロックしたジ
イソシアネートからなる固形分35%のカチオン電着用
クリヤーエマルジョン(関西ペイント社製、商品名、エ
レクロン9450)に表2に示す固形分43%の顔料ペ
ースト(P−2)及び/又は固形分20%のゲル化微粒
子分散液(G−)〜(G−)を表2に示す配合で撹
拌しながら加え、脱イオン水で希釈して固形分20%の
カチオン電着塗料(B−1)〜(B−4)を得た。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】実施例及び比較例 上記で得たカチオン電着塗料(A−1)または(A−
2)を1回目の電着塗料とし、表3に示す条件で電着塗
装し、袋部、エッジ部以外の一般部の膜厚が50μm(乾
燥膜厚)の電着塗膜を形成した。次いで塗膜を水洗し、
170℃で20分間焼付けた(ただし、実施例4のみ、
120℃で10分間焼付けた。)。さらに該塗装板を表
4に示す組合せでカチオン電着塗料(B−1)〜(B−
4)を用いて表3に示す条件で電着塗装して、水洗後、
170℃で20分間焼付けて塗装板を得た。この塗装板
の性能試験結果を表4に示す。尚、比較例1は電着塗料
(A−1)のみ、比較例2、3は電着塗料(B−1)、
(B−2)のみでそれぞれ電着塗装を行なった。
【0072】
【表3】
【0073】
【表4】
【0074】表4中の(注9)〜(注13)は下記のと
おりである。 (注9)仕上がり性:電着塗膜の表面粗度を表面粗度計
サーフテストNo. 402(三豊社製)にて測定を行なっ
た。(測定条件λc=0.8mm)数値はRa値:μで示
した。
【0075】(注10)耐候性:塗装板をサンシャイン
ウェザオメーター(光量1,100K・Joule/m2・hr)で1
00時間及び500時間促進暴露し、暴露前(初期)と
の光沢(60度鏡面反射率)変化率(%)を調べた。光
沢測定にはデジタル光沢計GM−26D型(発売元:村
上色彩研究所)を用いた。光沢保持率(%)は次式より
もとめた。 光沢保持率=(100時間又は500時間暴露後の光沢
測定値/暴露前の光沢測定値)×100
【0076】(注11)エッジ防食性:被塗物に電着
塗装したものについてJIS−Z−2371に従って塩
水噴霧試験を行ない、240時間後の打ち抜きしたバリ
部に発生した錆点の数を測定し、その個数で評価した。
【0077】(注12)防食性:被塗物に電着塗装し
たものについて、一般部で素地に達するように電着塗膜
にナイフでクロスカットキズを入れ、これをJIS−Z
−2371に従って840時間塩水噴霧試験を行ない、
ナイフ傷からの錆、フクレ巾(mm)を測定した。
【0078】(注13)袋部塗装性:袋部塗装性試験用
被塗物を電着浴中に浸漬深さが90mm、対極との距離
が110mmとなるように、かつ8mmφの穴の開いた面が
対極に面するように浸漬し、前記のとおり電着塗装し
た。該被塗物の平行に配置された4枚の鋼板のうちの
穴の開いていない鋼板の、箱状体における内面に相当す
る部分の電着塗膜の膜厚を、箱状体を形成している穴の
開いた鋼板のうちの対極に最も近い鋼板の、箱状体にお
ける外面に相当する部分の電着塗膜の膜厚に対する比率
(%)で表わした。比率の高いものほど袋部塗装性は良
好である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C25D 13/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複雑な構造を有する被塗物に、水酸基を
    含有するカチオン電着性ビニル系共重合体を主成分とす
    るカチオン電着塗料(A)を塗装し焼き付けた後、カチ
    オン電着性エポキシ樹脂を主成分とするカチオン電着塗
    料(B)を塗装し焼き付けることを特徴とするカチオン
    電着塗装方法。
  2. 【請求項2】 前記カチオン電着塗料(B)が、ゲル化
    微粒子及び/又は顔料を含有してなる請求項1記載のカ
    チオン電着塗装方法。
  3. 【請求項3】 前記ゲル化微粒子が、加水分解性アルコ
    キシシラン基を含有するエポキシ樹脂アミン付加物を水
    分散化し粒子内架橋せしめてなるカチオン電着性ゲル化
    微粒子である請求項2記載のカチオン電着塗装方法。
  4. 【請求項4】 前記被塗物が防錆処理鋼板からなる請求
    項1、2及び3記載のカチオン電着塗装方法。
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