JP3196132B2 - 液晶ディスプレイ基板の製造方法、半導体結晶の評価方法、半導体結晶薄膜の製造方法及び半導体結晶薄膜の製造装置 - Google Patents

液晶ディスプレイ基板の製造方法、半導体結晶の評価方法、半導体結晶薄膜の製造方法及び半導体結晶薄膜の製造装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶ディスプレイ基板
の製造方法、その装置、半導体結晶の評価方法、半導体
結晶薄膜の製造方法及び半導体結晶薄膜の製造装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】TFT(薄膜トランジスタ)を用いたL
CD(液晶ディスプレイ)は非常に優れた高画質を提供
してくれるものとして注目されている。この種のLCD
基板は、図18に示すようにガラス基板1a上にTFT
1bを形成すると共に、例えばそのドレイン電極に電気
的に接続した画素電極1cを、当該TFT1bと隙間を
介して配置し、このように組み合わされた画素ユニット
Uを多数配列してなるものであり、例えば一辺が数百μ
m程度の角形の画素ユニットUが数十万個配列されてい
る。
【0003】そして画素ユニットUが形成されたガラス
基板上に間隙を介して各画素ユニットUに共通な透明電
極1dを対向して配列し、前記間隙に液晶1eを封入す
ることによって図19の模式図に示すように画素部10
が形成される。更にこの画素部10の外側のガラス基板
1a上に、パッケージ化された駆動回路部をなすICチ
ップ11を画素部10の周縁に沿って複数配列されると
共に、各ICチップ11の端子が画素部10の各画素ユ
ニットUに対応する走査電極配線であるゲート配線及び
ドレイン配線に接続されることによりLCD基板が構成
される。
【0004】このようなLCD基板の従来の製造方法に
ついては、先ずガラス基板1a上に例えばプラズマCV
Dにより水素化非晶質(アモルファス)シリコン膜を形
成した後、この膜上に成膜やエッチングなどの処理を行
って、多数のTFTとこれに電気的に接続された画素電
極並びに走査電極と、を形成して多数の画素ユニットU
を構成した後、パッケージ化されたICチップ11をガ
ラス基板1aに取り付け、更にICチップ11と、画素
ユニットに形成された走査電極配線との位置合わせ並び
に接続を行った後、液晶1eの封入を行うようにしてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで上述のような
TFT−LCDは大面積化、高カラー表示品質が強く望
まれており、ゲート駆動回路部(ゲートドライバ)から
の配線、ソース駆動回路部(ソースドライバ)からの配
線が例えば夫々400本、1920本に及ぶものもあ
り、このため駆動回路部11とTFT液晶画素部の各走
査電極とを電気的に接続するための両者の夫々の位置合
わせ作業が非常に工数を要し、LCDの高価格化の要因
の一つになっている。
【0006】そこで同一のガラス基板上に成膜処理を行
って駆動回路部のスイッチング素子を形成すると共に駆
動回路部と画素部との配線も同時に行うことが技術的に
解決されれば、駆動回路部を形成する工程にて同時に駆
動回路部と走査電極配線との接続を行うことができるの
で、ICチップをガラス基板上に貼り付ける工程並びに
両者の間の配線作業が不要になり、非常に有効な方法で
ある。
【0007】ここで画素ユニットのTFTについては、
その画素を映像として表示するという機能上から、それ
程高速性が要求されないので、半導体層として非晶質シ
リコンを用いることができるが、駆動回路部について
は、高速スイッチング動作を要求される回路を搭載する
という必要上から動作速度が前記TFTよりも可なり早
くなければならないので、即ちICチップと同等の性能
を有するものでなければならないので、半導体層として
は非晶質シリコンよりも電界効果移動度(mobili
ty)の大きい多結晶シリコンを用いることが必要であ
る。
【0008】一方多結晶シリコン(ポリシリコン)を得
るためには例えば減圧CVDにより600℃程度以上に
加熱して成膜処理を行わなければならないが、低価格の
ガラス基板は熱歪点が600℃程度であって、600℃
もの高温に耐え得るガラス基板は高価格であることか
ら、結局LCD価格が高くなってしまう。
【0009】このようなことから先ず例えばプラズマC
VDにより温度約300℃の雰囲気でガラス基板上に大
面積の水素化非晶質シリコン膜(以下「a−Si:H
膜」という)を形成し、次いでこのa−Si:H膜に対
してレーザ光を照射して局部的に例えば表面温度が12
00℃程度となるように加熱し、これによりa−Si:
H膜を多結晶化して多結晶シリコン膜を生成し、これを
半導体層として駆動回路部を形成する方法が検討されて
いる。
【0010】この方法によればa−Si:H膜の形成工
程時の加熱温度が低いので低温による品質の良い膜が大
型ガラス基板上に得られ、またレーザ光による加熱処
理、即ちレーザアニールは瞬間的に(例えばKrFの場
合23nsec)非晶質シリコン膜を加熱して多結晶化
するので、ガラス基板まで熱が伝わらず、従ってガラス
基板としては大きな耐熱性が要求されないので安価な材
質を使用することができ、大面積透過形液晶ディスプレ
イの製造が可能となる。
【0011】ところでa−Si:H膜をレーザ光により
多結晶化する方法は、レーザ光の照射時にa−Si:H
膜中から水素が放出されるので、水素放出に伴う膜の損
傷を避ける必要があり、このためレーザ光の照射エネル
ギーの大きさや照射方法などについて種々の研究がされ
ている。ここで本発明者は、画素領域の周囲に沿ってレ
ーザ光を照射するにあたり、レーザ光をa−Si:H膜
の表面にパルス状に照射して、多結晶化された駆動回路
部領域を画素領域の周囲に沿って帯状に形成し、当該駆
動回路部領域に駆動回路部を配列して形成する方法を検
討している。
【0012】しかしながらこの方法は次のような問題が
ある。即ち図20は、レ−ザ光のパルスの移動とその照
射領域における電界効果移動度との関係を示す図であ
り、レ−ザ光の強度分布は照射面方向に対しては均一で
あり、それと直交する方向に対しては台形状である。図
20(a)に示すようにレーザ光のパルス同士(パルス
照射領域同士)の重なり部分が無い場合には、パルス境
界部分において、レーザ光の照射エネルギーが実質的に
供給されないのでa−Si:Hのままである。ここで多
結晶シリコン及びa−Si:Hの電界効果移動度(mo
bility)は夫々例えば30〜600cm2 /V・
s、0.3〜1cm2 /V・sであり、多結晶シリコン
の電界効果移動度はa−Si:Hよりも2桁以上大きい
ので、このようなa−Si:Hの領域が多結晶シリコン
の領域に存在すると駆動回路部を構成する半導体素子の
ばらつきが大きい。
【0013】また図20(b)に示すようにレーザ光の
パルスの重なる部分が存在する場合にも以下の理由で電
界効果移動度がばらつく。即ち図20(b)のように第
1照射領域にてa−Si:H膜が多結晶化された後第2
照射領域を多結晶化すると、両領域にレーザ光が2度照
射された範囲が生じ、このため、レ−ザ光の横モ−ド
(レ−ザパワ−断面)が均一であっても、多結晶シリコ
ン及びa−Si:Hの融点が夫々1414℃、1000
℃であり、これらの融点が異なるため、図10(b)の
電界効果移動度の図からわかるように、レ−ザ光の照射
領域の継目で電界効果移動度を均一にすることが困難だ
からである。
【0014】本発明は、このような事情のもとになされ
たものであり、その目的は、駆動回路部の性能が低下す
ることのないLCD基板の製造方法、及びその方法を実
施するのに適した装置を提供することにある。
【0015】本発明の他の目的は、半導体の結晶化状態
を簡便かつ低コストでリアルタイムに評価することので
きる半導体結晶の評価方法を提供することにある。
【0016】本発明の更に他の目的は、半導体の結晶化
状態を簡便かつ低コストでリアルタイムに評価し、製品
の歩留まりを向上させることのできる半導体薄膜の製造
方法及びその製造装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、基板
上に、画素領域内に配置された複数のスイッチング素子
と、このスイッチング素子を駆動する複数の駆動回路部
とを備えた液晶ディスプレイ基板を製造する方法におい
て、前記基板上に、水素化非晶質シリコン膜を成膜する
工程と、レーザ光のパルスを、水素化非晶質シリコン膜
が多結晶化するに必要なエネルギ−以下のエネルギ−で
小さいエネルギ−から段階的にエネルギ−を大きくして
断続的に前記水素化非晶質シリコン膜に照射し、このよ
うにして膜中の水素を徐々に放出させる工程と、 この工
程の後、レーザ光のパルスを、水素化非晶質シリコン膜
が多結晶化するに必要なエネルギ−以上のエネルギ−で
前記水素化非晶質シリコン膜に照射して多結晶シリコン
の島状領域を形成する工程と、前記多結晶シリコンの島
状領域内に、この領域の多結晶シリコンを半導体領域と
する駆動回路部を形成する工程と、水素化非晶質シリコ
ン膜の一部を半導体領域とし、前記駆動回路部に電気的
に接続したスイッチング素子を画素領域内に形成する工
程と、を具備することを特徴とする。
【0018】請求項2の発明は、基板上に、画素領域内
に配置されたスイッチング素子と、このスイッチング素
子を駆動するシフトレジスタとを備えた液晶ディスプレ
イ基板を製造する方法において、前記基板上に、水素化
非晶質シリコン膜を成膜する工程と、レーザ光のパルス
を、水素化非晶質シリコン膜が多結晶化するに必要なエ
ネルギ−以下のエネルギ−で小さいエネルギ−から段階
的にエネルギ−を大きくして断続的に前記水素化非晶質
シリコン膜に照射し、このようにして膜中の水素を徐々
に放出させる工程と、 この工程の後、レーザ光のパルス
を、水素化非晶質シリコン膜が多結晶化するに必要なエ
ネルギ−以上のエネルギ−で前記水素化非晶質シリコン
膜に照射して多結晶シリコンの島状領域を形成する工程
と、前記レーザ光のパルスの照射領域内に前記シフトレ
ジスタを分割して生成する工程と、これら分割されたシ
フトレジスタ間、及びシフトレジスタとスイッチング素
子とを電気的に接続するための配線層を形成する工程
と、を含み、前記シフトレジスタの少なくともトランジ
スタは、レ−ザ光のパルスの照射領域内に配置されてい
ることを特徴とする。
【0019】請求項3の発明は、半導体の結晶化状態を
評価するための方法であって、最適な結晶化状態にある
基準半導体結晶材料に光を照射し、その反射光を分光検
出して、その検出値より取得した前記基準半導体結晶材
料のバンドギャップ分光反射率分布に関する第1の情報
を予め記憶する工程と、評価対象である半導体の評価領
に光を照射し、その反射光を分光検出し、その検出値
より前記評価領域のバンドギャップ分光反射率分布に関
する第2の情報を取得する工程と、前記第1の情報と前
記第2の情報とを比較し、その近似度により前記半導体
の結晶化状態を評価する工程とを具備することを特徴と
する。
【0020】請求項4の発明は、被処理体のアモルファ
ス領域をレーザアニール処理により結晶化し、その結晶
化状態を評価しながら、半導体結晶薄膜を製造するため
の方法であって、最適な結晶化状態にある基準半導体結
晶薄膜に光を照射し、その反射光を分光検出して、その
検出値より取得した前記基準半導体結晶薄膜のバンドギ
ャップ分光反射率分布に関する第1の情報を予め記憶す
る工程と、前記レーザアニール処理を実行しながら、前
記被処理体の評価領域からの反射光を分光検出し、その
検出値から前記被処理体のレーザ照射領域のバンドギャ
ップ分光反射率分布に関する第2の情報を取得する工程
と、前記第1の情報と前記第2の情報とを比較し、その
近似度が所定の範囲に収まるように、レーザ照射エネル
ギーを調節する工程とを具備することを特徴とする。
【0021】請求項5の発明は、処理室と、この処理室
内に半導体結晶薄膜を有する被処理体を支持する手段
と、前記半導体結晶薄膜にレーザ光を照射することによ
り薄膜にアニール処理を施すレーザ照射手段と、最適な
結晶化状態にある基準半導体結晶薄膜に関するバンドギ
ャップ分光反射率分布に関する第1の情報を予め記憶す
るための記憶手段と、前記照射手段から前記被処理体
の処理面に照射され、その処理面から反射された反射光
を分光検出し、前記被処理面のレーザ照射領域のバンド
ギャップ分光反射率分布に関する第2の情報を取得する
ための分光検出手段と、前記分光検出手段により取得さ
れた前記第2の情報を、前記記憶手段に格納された前記
第1の情報と比較し評価するための比較評価手段と、前
記比較評価手段から出力される評価信号に基づいて、前
記第1の情報と前記第2の情報との近似度が所定の範囲
に収まるように、前記レーザ照射手段のレーザ照射エネ
ルギーを調節するためのレーザ照射エネルギー調節手段
と、を備えたことを特徴とする。
【0022】請求項6の発明は、基板上に、非晶質半導
体膜を成膜する工程と、前記非晶質半導体膜にレーザ光
のパルスを断続的に照射して、この照射領域を多結晶化
して非晶質半導体膜内に多結晶島状領域を形成する工程
と、前記多結晶島状領域内に、この領域の多結晶を半導
体領域とする駆動回路部を形成する工程と、非晶質半導
体膜の一部を半導体領域とし、前記駆動回路部に電気的
に接続したスイッチング素子を画素領域内に形成する工
程と、最適な結晶化状態にある基準半導体結晶材料に光
を照射し、その反射光を分光検出して、その検出値より
取得した前記基準半導体結晶材料のバンドギャップ分光
反射率分布に関する第1の情報を予め記憶する工程と、
前記多結晶島状領域を形成する工程において、非晶質半
導体膜に照射した光の反射光を分光検出し、その検出値
より前記評価領域のバンドギャップ分光反射率分布に関
する第2の情報を取得する工程と、前記第1の情報と前
記第2の情報とを比較し、その近似度により前記半導体
の結晶化状態を評価する工程と、を具備することを特徴
とする。
【0023】
【作用】請求項1、2の発明によれば、非晶質半導体膜
に島状にレーザ光のパルスを照射して多結晶化し、その
照射領域内に駆動回路部の少なくとも半導体素子を形成
しているため、照射領域の全体が均一に良好に多結晶化
されており、従っていずれの駆動回路部もばらつきが生
じず良好な性能が得られる。
【0024】また請求項3の発明によれば、特殊でかつ
高価な光学系を使用せずに、非晶質半導体の結晶化状態
を、簡便かつ低コストな方法でリアルタイムに評価する
ことができる。また上記の評価方法を用いた半導体結晶
薄膜の製造方法(請求項4の発明)及び装置(請求項
5、6の発明)によれば、レーザアニール方法により非
晶質半導体の結晶化処理を実施しながら非晶質半導体の
結晶化状態を、低コストな方法出でリアルタイムで評価
し、その評価結果に基づいて結晶化処理をリアルタイム
でフィードバック制御することができるので、製品の歩
留まりを改善しスループットを向上させることが可能で
ある。
【0025】
【実施例】以下本発明の実施例について説明すると、本
発明の実施例では先ず図1(a)に示すように光透過性
の基板例えばガラス基板1上に減圧CVDにより非晶質
半導体膜である非晶質シリコン膜2を成膜する。この工
程を減圧CVD法で行う場合には、例えばモノシラン
(SiH4 )ガスやジシランガス(Si2 H6 )を反応
ガスとして用い、例えば基板温度450℃〜520℃、
圧力数Torrの反応条件で非晶質半導体膜が成膜され
る。
【0026】次いで図1(b)に示すようにレーザ光照
射部3により例えば一辺が数ミリの角形のビーム断面形
状を有するレーザ光を、前記非晶質シリコン膜2におけ
る周縁部に縦の一辺及び横の一辺に沿って断続的に照射
する。この結果島状、例えば方形状の照射領域21が、
相互間隔dが例えば数ミリ程度となるように形成され
る。この照射領域では、照射条件を後述するように適当
に選定することにより非晶質シリコンが多結晶化(ポリ
化)されて多結晶シリコン(ポリシリコン)に変わる。
【0027】レーザ光の照射については、例えばエキシ
マレーザにより非晶質シリコン膜が多結晶化するに十分
なパワー密度(単位面積当りの照射エネルギー)のレー
ザ光のパルスを例えば1パルスずつ当てるようにすれば
よいが、その前に前記パワー密度よりも小さなパワー密
度のパルスを1パルスあるいは複数パルス照射ようにし
てもよい。なおエキシマレーザとしてはKrF(パルス
幅23nsec)やXeCl(パルス幅25nsec)
などを用いることができる。
【0028】その後図1(c)及び図2Aに示すように
非晶質シリコン膜2のレーザ光照射領域21蒸着膜2の
レーザ光照射領域21をエッチング並びに/もしくは領
域21上(多結晶シリコン領域内)に所定の成膜処理、
エッチング工程を繰り返して、既知の構成の半導体素子
(スイッチング素子)、例えばLSIよりなる駆動回路
部4を形成する。これら駆動回路部4は、後述のTFT
のゲート電極を駆動するように図2中縦に並ぶゲート用
駆動回路部41とTFTのソース電極を駆動するように
横に並ぶソース用駆動回路部42とに分けられている。
【0029】この実施例では、縦に一列に並ぶゲ−ト用
駆動回路部41の群によってゲ−ト用のシフトレジスタ
が構成され、横に一列に並ぶソ−ス用駆動回路部42の
群によってソ−ス用のシフトレジスタが構成されてい
る。即ち図2Bに示すようにゲ−ト用のシフトレジスタ
(ソース用のシフトレジスタも同じ)は互いに島状に分
離した複数のシフトレジスタ部からなり、各島領域(照
射領域21)内に複数のトランジスタよりなる前記スイ
ッチング素子が形成され、これら島領域内のシフトレジ
スタ部は、配線層40により隣り合うもの相互が電気的
に接続されている。これら配線層40は、前記トランジ
スタもしくはTFTの製造時に、これらの製造工程で一
緒に形成され得る。例えば、駆動回路部4間の多結晶シ
リコン領域21の部分並びにこれに部分間の間の非晶質
シリコンの部分上にシリコン酸化膜のような絶縁膜を介
して、アルミや銅のような導電膜を形成し、これを選択
エッチングすることにより形成され得る。なお、符号5
1は後述のゲートバスラインやソースバスラインなどの
配線層を示し、この例では画素領域50に接続されてい
る。
【0030】更に非晶質シリコン膜2の画素領域50内
に所定の成膜処理、エッチングを繰り返して行うことに
より、スイッチング素子であるTFT(Thin Fi
lmTransistor)5が画素数に対応する数だ
け縦横にマトリックス状に配列して形成される。このT
FT5と駆動回路部4との電気的接続は、この実施例で
は、例えばTFT5を生成する工程において、成膜処
理、リングラフィー、及びエッチングを繰り返してゲー
ト電極、ソース電極の形成と同時にゲートバスラインや
ソースバスラインなどの例えばアルミニウムからなる配
線層51(図5B参照)を形成することによって行うこ
とができる(前記配線層40も同工程で形成され得
る)。これら配線層40、51は、駆動回路部4の半導
体素子の電極の形成と同時に形成してもよいし、駆動回
路部4及びTFT5の電極を同時に形成しかつこの電極
形成時に同時に形成してもよく、あるいはTFT5及び
駆動回路部4を生成した後に形成してもよい。
【0031】また駆動回路部4をなす半導体素子及びT
FT5はプレナー型や逆スタッガ型など種々のデバイス
のタイプを選択することができ、従って非晶質シリコン
膜2や多結晶シリコン領域21を使用して駆動回路部4
及びTFT5を生成するためにはデバイスのタイプによ
っては電極などが非晶質シリコン膜2の下に位置する場
合もある。そしてまた上述の例では駆動回路部4を生成
した後にTFT5を生成しているが、TFT5を先に生
成してもよいし、あるいは駆動回路部4とTFT5の一
部を同時に生成してもよい。このようにしてLCD基板
10が製造され、このLCD基板10に透明基板が貼り
合わされた後液晶を封入してLCDパネルが構成される
こととなる。
【0032】上述の実施例では、基板の周縁に沿って非
晶質シリコン膜2に島状にレーザ光のパルスを照射し
て、即ち、島のディメンションと同じディメンションの
断面のレーザ光を照射して多数のレーザ光照射領域21
(島領域)を形成し、これにより各島領域を多結晶化し
ているため、そのレーザ光の照射領域21内はレーザ光
の照射エネルギーが均一であり、従ってレーザ光の照射
エネルギーを適切な大きさにすることによりいずれの島
領域についてもその領域内は均一に良好に多結晶化され
る。このためその領域の上につまり多結晶シリコン膜の
上に成膜処理、エッチングを繰り返して形成した駆動回
路部4をなす半導体素子、即ち多結晶シリコンを半導体
層とした半導体素子はいずれも良好な性能を有するもの
になり、この結果LCD基板の製造にあたり非晶質シリ
コン膜を利用した駆動回路部の生成と駆動回路部及びT
FTの成膜処理による配線とを実現できるので、LCD
基板の製造が容易になる。
【0033】以上において非晶質シリコン膜2の成膜方
法については、減圧CVDに限らずプラズマCVDによ
り成膜してもよく、この場合例えばモノシランガスと水
素ガスとを用い、例えば反応温度180℃〜300℃、
圧力0.8Torrの条件で成膜することができる。こ
こでプラズマCVDを利用する場合には非晶質シリコン
膜中に水素が取り込まれてa−Si:H膜(水素化非晶
質シリコン膜)が成膜されることになるので、レーザ光
照射工程では、レーザアニール時における水素の急激な
放出に伴う膜の損傷を抑えるために例えば次のようにし
てレーザ光を照射することが望ましい。
【0034】即ちレーザ光の出力エネルギーをa−S
i:H膜が多結晶化するに必要なエネルギー以下のエネ
ルギーではじめは小さくしておいて1パルスあるいは複
数パルス照射し、次いでネルギーを順次大きくして夫々
例えば1パルスあるいは複数パルス照射し、このように
してa−Si:H膜中の水素を徐々に放出した後最後に
多結晶化するに必要なエネルギー以上のエネルギーで例
えば1パルス照射することにより当該照射領域を多結晶
化する。続いて別の領域に対して同様にしてレーザ光を
照射して、こうして多結晶シリコン領域を島状に形成す
る。なお各エネルギー毎にレーザ光のパルスを複数パル
ス照射する場合には、水素の放出量を監視してその量が
各パルス毎にあまり変わらなくなってから、エネルギー
を次の大きな値に設定して同様の工程を行うことが望ま
しい。
【0035】このような方法によれば、小さいエネルギ
ーに対応した水素から大きいエネルギーに対応した水素
へと順次放出されていくので、a−Si:H膜中の水素
が段階的に放出され、a−Si:H膜を多結晶化するた
めに必要な大きなエネルギーを加えたときには既に膜中
の水素の含有量は少ないので、これら水素が一気に放出
されても膜を損傷させることがない。
【0036】次に前記非晶質シリコン膜2にレーザ光を
照射して多結晶化するために用いるレーザアニール装置
及び監視装置並びにこれらの使用方法に関して詳述す
る。この装置は、図3及び図4に示すように空気圧を利
用した空気支持機構6を装置の基台として用いており、
この空気支持機構6は、剛性のある材質例えば金属より
なる支持プレート61が空気圧により浮上した状態でエ
アーサスペンションにより支持され、常に水平になるよ
うに空気圧が制御されている。前記支持プレート61上
には、中空の支持台62を介して、処理室例えばアルミ
ニウム製の気密な円筒状の真空チャンバ63が載置して
固定されており、この真空チャンバ63内には、上述の
ようにガラス基板上に非晶質シリコン膜をつけた基板2
0を、被処理面が下向きになるように保持するための、
載置台64が配置されている。64aはガラス基板の周
縁を保持する保持部、64bは支持ロッドである。
【0037】更にこの真空チャンバ63には、例えば図
示しない真空ポンプに接続された排気管65が連結され
ると共に、前記基板20上の非晶質シリコン膜から発生
した水素の発生量を測定するための質量分析計66が設
置されており、更に基板20を真空チャンバと外部(大
気雰囲気)との間で搬出入するためのゲートバルブG
(図4では図示せず)が設けられている。そして前記真
空チャンバ63の、基板と対向する底壁には後述のレー
ザ光が透過できるように例えば合成石英ガラス製の窓6
7が形成されている。
【0038】前記真空チャンバ63の下方側における支
持プレート61上には、中に反射鏡7a(図5参照)が
配置されたレーザ光照射部7及びこのレーザ光照射部7
を水平方向例えばX方向、Y方向に移動させるための移
動機構70が配置されている。この移動機構70は、例
えば支持プレート61にX方向に設置されたレール71
に沿って移動するX移動部72と、このX移動部72上
にY方向に設置されたレール73に沿って移動するY移
動部74とから構成され、Y移動部74上に前記レーザ
光照射部7が搭載されている。
【0039】前記空気支持機構6の側方には、図5に示
すように、エキシマレーザ光発振源92が、レーザ光射
出口を反射鏡7aに向けて配設されている。このエキシ
マレーザ92と反射鏡7との間には光学系ビームホモジ
ェナイザー93が、レーザ源92から射出されたレーザ
光を所定のディメンションのビームに成形して反射鏡に
入射させるように設けられている。この好ましい実施例
において、レーザ源としては、波長248nmのレーザ
光を23nsecのパルス幅で発するKrFレーザや2
5nsecのパルス幅で発するXeClレーザものが使
用されており、また、ビームホモジェナイザー93は、
入射したレーザ光を広角度に拡散する拡散部材と、この
拡散光を所定の範囲に集光する魚眼レンズとより構成さ
れた、既知のものである。このレーザ源92はこれに接
続されたレーザ電源91により駆動される。このレーザ
電源91のレーザ源駆動信号は、CPU90により制御
される。このCPU90には、移動機構70を駆動させ
るための駆動情報、レーザ電源の制御情報、後述する半
導体結晶の評価のためのバンドギャップ分光反射率分布
に関する基準情報等、この装置を作動させるために必要
な情報が記憶されたメモリー94が接続されている。図
中、符号86は、支持機構6の外側に配置され、基板2
0からの反射光を受光して、シリコン膜の分光特性を検
知する分光器を示す。
【0040】次に上述の装置を用いて非晶質シリコン膜
2を多結晶化する方法について述べる。先ずゲートバル
ブGを開いて図示しない搬送機構により、前記基板20
を真空チャンバ63内の載置台64に、被処理面を下側
に向けて載置し、その後ゲートバルブGを閉じてから図
示しない真空ポンプにより排気管65を介して真空チャ
ンバ63内を例えば圧力2.5×10−7Torrの真
空雰囲気まで真空引きする。しかる後、CPU90の制
御のもとで、移動機構70を介してレーザ光照射部7を
間欠的に水平方向(X並びにY方向)に移動させ、ま
た、エキシマレーザ光発振源よりレーザ光を照射部7に
向けて発振させる。この結果、伝送されたレーザ光はレ
ーザ光照射部7の反射鏡7aにより、垂直に上方に反射
され透明窓67を通って基板20の非晶質シリコン膜に
入射し、この照射領域を多結晶化する。このときの、C
PU20のレーザ電源への制御信号は、メモリー94に
記憶された、移動機構70の移動時間、停止時間、移動
距離、移動方向等に応じて設定され、非晶質シリコン膜
にレーザ光が照射される、島状の照射領域間の距離、全
体の長さ、方向等が決定される。照射領域は、例えば、
0.65cm×0.65cmの矩形状に設定され、これ
は、入射レーザ光の断面と実質的に等しく、これは前記
ビームホモジェナイザー93により決定される。従っ
て、CPU90へのデータの設定並びにビームホモジェ
ナイザー93の交換もしくは変更により、任意のディメ
ンションの照射領域、即ち、多結晶シリコン領域が、任
意の間隔で任意の方向に形成され得る。また、CPU9
0の制御のもとで各照射領域に、後述するような多数回
の同一エネルギーもしくは異なるエネルギーでのレーザ
光の照射が果たされ得る。
【0041】例えば、各照射領域にレーザ光を1度照射
して多結晶化する場合には、例えばパルス幅が23ns
ecのレーザ光パルスを1パルス照射し、次いで移動機
構70を駆動してその照射領域から所定間隔離れた領域
に同様に照射し、こうして移動機構70を制御すること
によりレーザ光を基板20の周縁部に沿って縦及び横に
島状に照射することができる。
【0042】ここで非晶質シリコン膜としてプラズマC
VDによりガラス基板上にa−Si:H膜を成膜した場
合、このa−Si:H膜にレーザ光を照射するにあたっ
て照射エネルギーを段階的に大きくしていくことが望ま
しいことを既に述べたが、その方法の利点を確認するた
めに行った実験結果を図6、図7に示す。図中縦軸は質
量分析計の出力電流(水素放出量に対応する)、横軸は
レーザ光の照射エネルギー密度であり、この実験ではa
−Si:H膜を6個の領域に分割し、各領域1〜6毎に
表1に示すようにレーザ光の照射エネルギー(発振側)
を段階的に大きくして水素放出量を調べている。
【0043】
【表1】ただし図5、図6はa−Si:H膜の膜厚が夫
々500オングストローム、300オングストロームで
あり、20Hz、10Hzとはレ−ザのパルスの周波数
である。またレ−ザ発振源から基板までの光路長は23
0mm、ビ−ムサイズは0.65cm×0.65cm、
真空チャンバ内の圧力は図6の場合1.0×10−7T
orr、図7の場合2.0×10−7Torrである。
この実験結果からわかるように段階的に照射エネルギー
を大きくすることにより水素放出量が急激に増えないの
で、水素放出に伴う膜の損傷が抑えられる。
【0044】上述したように1つの照射領域にエネルギ
ーの異なるレーザ光を複数回照射するのに代えて、エネ
ルギーの等しいレーザ光を多数回非晶質シリコンに照射
することも有意義である。これは、非晶質シリコンの同
一部分に、好ましくは溶融温度以下のエネルギーのレー
ザ光を多数回照射することにより、グレインサイズが大
きくなると共に配向性が高くなって、非晶質シリコンが
(111)面が照射面となるシリコン単結晶に近付い
て、移動度が多結晶シリコンよりも早くなるためであ
る。この場合には、以下のような条件の範囲内で行うの
が望ましい。
【0045】 1.非晶質シリコン膜の厚さ 300〜1500オングストローム より好ましくは500〜1000オングストローム 非晶質シリコン膜の厚さが、この範囲以下だと、半導体
膜として不適当であり、以上だと、配向し難い。
【0046】 1.基板(非晶質シリコン膜)の加熱温度 常温〜400℃ これ以上の温度だと、非晶質シリコンが軟化してしま
う。
【0047】 1.照射回数(ショット数) 30〜1000回 ショット数が、この範囲以下だと、効果が少なく、以上
だと時間が係り過ぎたり、形成された膜に欠陥ができや
すい等、実用的でない。
【0048】図8Aないし図8Cにショット数が32
と、128と1024の場合の夫々の積分強度分布をゴ
ニオメータで測定した場合の測定結果を示す。この測定
に際しての条件は、非晶質シリコンはPRCVDで形成
し、その厚さは700A゜;膜の温度は400℃;レー
ザ光源は前記実施例のものを使用;電圧は40KV;管
電流は30mAであった。この測定結果から理解できる
ように、ショット数が32(図8(a))の場合は2
8.632位置における強度ピーク値は、他の位置の強
度に比してそれほど高くないが、ショット数が大きくな
ればなるほど、28.632位置での強度ピーク値が高
くなることが理解できる。28.632位置での強度ピ
ーク値が高くなればなるほど(111)面を有するシリ
コン単結晶に近ずくことは、この分野で良くしられてい
ることとして理解できる。
【0049】次に、図5及び図9を参照して、前記非晶
質シリコンの多結晶シリコン化及び、多結晶シリコンの
結晶性評価方法を説明する。
【0050】レーザ光照射処理を行う場合には、ステッ
プS1において、本発明に基づく制御プログラムが組み
込まれたメモリー94からの信号を基準としたCPU2
0からの指令によりレーザ電源91がオンにされ、エキ
シマレーザ源92よりホモジェナイザ93を介してレー
ザがレーザ反射鏡7aに伝送され、さらにそこでレーザ
が上記基板20の下面の被処理体、即ち、非晶質シリコ
ン膜内の所望の領域に向かって方向付けられると共に、
移動機構70を適当に駆動することにより、上記所望の
領域の非晶質シリコン膜に順次レーザが走査照射され
る。
【0051】次にステップS2において、上記基板20
の非晶質シリコンに照射され、所望のアモルファスシリ
コン領域に対してレーザアニール処理を施して多結晶シ
リコン化を果たしたレーザの反射光を、分光器86によ
り分光検出する。
【0052】次にステップS3において、被処理体の半
導体結晶領域において反射されたバンドギャップの分光
反射率分布が、予め記憶されている基準半導体結晶材料
に関するバンドギャップ分光反射率分布と比較される。
後述するように、所望の半導体結晶状態を示す試料は、
ある程度定まった分光反射率分布を示すことが知られて
いるので、その基準分光反射率分布と分光検出された被
処理体の分光反射率分布とを比較し、その近似度によ
り、被処理体の結晶化状態、すなわちレーザアニール処
理の進捗状況を判断することができる。
【0053】比較の結果、被処理体の結晶化状態が基準
に到達していないと判断された場合には、CPU90は
レーザ照射エネルギーを強化するための指令信号をシス
テムに対して送り、ステップS4においてレーザ照射エ
ネルギーが調節される。なお、通常は、前述したよう
に、レーザ照射エネルギーは徐々に大きくしていくこと
が好ましい。
【0054】レーザ照射エネルギーの調整方法として
は、エキシマレーザ源22の出力を変更する方法、ま
た、スポット照射である場合にはレーザ照射間隔を変更
する方法、あるいは、反射鏡7aをXY方向に駆動する
駆動機構70の移動速度を調整する方法などがあり、こ
れらの方法を単独で、あるいは組み合わせて採用し、レ
ーザ照射エネルギーを所望の値に調整することが可能で
ある。
【0055】上記ステップS4からの指示により、レー
ザ照射(ステップ−S1)、分光検出(ステップ−S
2)及び結晶状態評価(ステップ−S3)のシーケンス
が、被処理体の結晶化状態がメモリー94に記憶されて
いる基準に到達するまで反復される。上記ステップS3
において、被処理体の結晶化状態が基準に到達したもの
と判断された場合には、ステップS5に進み、上記駆動
機構70が駆動され、次の照射領域に対してレーザが走
査照射される。このようにして、上記ステップS1から
上記ステップS5までのシーケンスが、ステップS6に
おいて、全ての被処理領域に対してレーザアニール処理
が完了したと判断されるまで反復される。以上のよう
に、本発明に関連する半導体結晶状態の評価方法を用い
た多結晶半導体薄膜の製造方法又は装置によれば、ラマ
ン分光計などの特殊かつ高価な装置を用いずに、半導体
の結晶化状態の特徴が顕著に現れる分光反射率分布によ
り結晶化状態を判断し、リアルタイムでレーザ照射エネ
ルギーをフィードバック制御することが可能なので、容
易かつ低コストにレーザアニール処理を実行することが
可能であり、しかも高い歩留まりとスループットでTF
T液晶ディスプレイを製造することが可能になる。
【0056】上記のようなシーケンスにより半導体結晶
薄膜の製造工程が終了すると、上記真空チャンバ63内
を大気圧に戻した後、ゲートバルブGを開放し、上記基
板20を、図示しない搬送機構により外部に取り出し、
成膜処理ステーションやリソグラフィステーションなど
を含む半導体処理ステーションにおいて後続の成膜処理
を行う。この成膜処理においては、同一の基板上でLC
D基板の画素部領域と駆動部領域において、それぞれ所
定パターンのマスクを用い、画素ユニットの一部をなす
TFTと駆動部のスイッチング素子とを同時に一体形成
する。また、この工程において、画素部と駆動部とを結
ぶ走査電極配線も同時に形成する。そのため、従来のL
CD基板製造工程では必要であった、煩雑な駆動部用L
SIチップの実装工程や配線工程を省略することが可能
である。
【0057】次に、本発明に関連する半導体結晶の評価
方法及び装置を実施するにあたり基準とする半導体のバ
ンドギャップのレーザ反射率分布について説明する。
【0058】シリコン結晶のエネルギー帯は、周知の通
り、図10に示すような構造を有しており、そのバンド
ギャップは、Γ点において約3.43eV,X点におい
て約4.40eVの幅を有している。上記のようなバン
ドギャップ構造を有し、膜厚が500オングストローム
の基準半導体結晶に、例えば、矩形ビームで、その寸法
が0.65(cm)×0.65(cm)=0.43(c
m2 )を、光学透過率が75%の透過窓を介して、例え
ば400mjのレーザエネルギーを有するレーザを照射
することが可能である。
【0059】上記のような条件のレーザを基準半導体結
晶に照射した場合のバンドギャップ分光反射率分布を図
11に示す。図示のように、基準半導体結晶のバンドギ
ャップ分光反射率分布には、284nm付近と364n
m付近の2箇所にピーク値が存在しており、それぞれの
ピーク値はシリコン結晶の第1ブリルアンゾーンにおけ
る特殊点のうちのX点及びΓ点に相当するものである。
【0060】なお、参考までにアモルファスシリコンの
バンドギャップ分光反射率分布を図12に示す。図示の
ように、アモルファスシリコンのバンドギャップ分光反
射率分布は、ピーク値を持たない、左下がりの分布を示
すことが知られている。
【0061】以上のように、図11及び図12を対比す
れば容易に理解できるように、基準半導体結晶のバンド
ギャップ分光反射率分布の輪郭形状には、固有な形状が
見られるので、かかるバンドギャップ分光反射率分布に
関する第1の情報を基準情報として、メモリー94に予
め記憶しておき、被処理体のアニール処理時にリアルタ
イムで分光器86により取得されるバンドギャップ分光
反射率分布に関する第2の情報とを分光器86に備えら
れた比較器により、公知の方法で比較することにより、
被処理体の結晶化状態をリアルタイムで知ることができ
る。
【0062】例えば、レーザ源22より伝送されたレー
ザ照射エネルギーが、例えば200mjといったよう
に、被処理体の結晶化を進めるには不十分な値である場
合には、被処理体からの反射光から検出されるバンドギ
ャップ分光反射率分布は、図13に示すように、ピーク
値のはっきりしない右上がりの曲線的輪郭形状のものと
なる。これに対して、レーザ源22より伝送されたレー
ザ照射エネルギーが、例えば600mjといったよう
に、半導体の検出化にとっては強すぎる値である場合に
は、被処理体からの反射光から検出されるバンドギャッ
プ分光反射率分布は、図14に示すように、膜全体にダ
メージが生じ、分光反射分布全体が下方にシフトした輪
郭形状のものとなる。なお、かかる現象は、表面に酸化
シリコンが形成された結果生じたものと考えられる。
【0063】従って、図13に示すようなバンドギャッ
プ分光反射率分布が分光検出された場合には、図11に
示すような基準分布に接近するように、徐々にレーザ照
射エネルギーを大きくするようにリアルタイムでシステ
ムをフィードバック制御することができる。それによ
り、図14に示すような膜ダメージが生じる前に、レー
ザ照射エネルギーを制御することが好ましい。また、仮
に、図14に示すようなバンドギャップ分光反射率分布
が分光検出された場合には、不良品としてそのサンプル
を摘出するように構成することが可能である。
【0064】ただし、既に説明したように、通常はレー
ザ照射エネルギーは徐々に大きくしていくように、すな
わち図13に示す分布から図11に示す分布に接近させ
るように制御することが好ましい。というのも、いきな
り必要以上のレーザ照射エネルギーを印加した場合に
は、アモルファスシリコン膜中に含まれる水素が一気に
噴出してシリコン膜を損傷するおそれがあり、そのサン
プルは不良品となるからである。
【0065】また、基準反射率分布と被処理体の反射率
分布との比較は、かかる分析方法の特性上、完全一致は
あり得ないので、ある程度のあいまいさを許容して、そ
れらの近似度を見る手法により行われる。例えば、X点
(約284nm)及びΓ点(約364nm)におけるピ
ーク値に関して比較を行う場合には、±20nm程度の
誤差を許容することが可能である。また、図形認識分野
において周知の技法を用いて、上記分光反射率分布の輪
郭形状を追跡処理し、そのデータをある許容度をもたせ
て比較することにより、被処理体の結晶化状態を評価す
ることも可能である。
【0066】以上において本発明では、レーザ光の照射
方法が上述の実施例に限定されるものではなく、例えば
ある照射エネルギーで1パルスずつ島状に照射した後、
これら照射領域に対してより大きな照射エネルギーで同
様に順次照射するなどの方法を用いてもよい。
【0067】またレーザ光の照射方法は、例えば多数の
レーザ光ビームが間隔をおいて一列に並ぶように光学系
を構成してこれらレーザ光ビームを同時に非晶質シリコ
ン膜に照射し、これにより島状の多数の他結晶領域を同
時に形成するようにしてもよい。更にはまた図15
(a)に示すように断面形状が例えば数ミリ×100ミ
リ程度の帯状のレーザ光をレーザ光照射部3から非晶質
半導体膜2に照射してもよいし、あるいはまた図15
(b)に示すように断面形状がL時形のレーザ光を照射
してもよい。即ち本発明においてレーザ光のパルスを島
状に照射するとは、複数の島状の照射領域を形成する場
合及び1個の島状の照射領域を形成する場合のいずれも
相当するものであり、その形状、大きさは適宜光学系を
設計することにより選定すればよい。
【0068】そして図15(a)、(b)に示すように
広い照射領域51を形成してそこに複数の駆動回路部例
えばゲートドライバ、あるいはソースドライバの全部を
形成すれば、光学系の設計が容易であり、またレーザ光
の照射領域の位置とリソグラフィーのマスクマスクパタ
ーンとの対応がとりやすいし、更にスループットが高く
なるなどの利点があるので好ましい。
【0069】なお本発明では、画素電極への電圧のオン
オフ制御を行うスイッチング素子としてはTFTに限ら
れるものではないし、非晶質半導体膜を多結晶化して多
結晶化された膜の上にスイッチング素子を生成してもよ
い。
【0070】次にレーザアニールによりLCD基板を量
産する場合に好適な製造装置の一例について図16を参
照しながら説明する。この製造装置は、複数の処理装置
や基板の搬入、搬出部をひとつのシステムに体系的にま
とめたものであり、全体として液晶ディスプレイ基板の
製造工程における複数のプロセスをこの装置内において
実施できるように構成されている。図中入出力領域30
7に含まれるローディング部(基板搬入部)及びアンロ
ーディング部(基板搬出部)は、夫々カセット303、
306を外部との間で搬入及び搬出する部位であり、例
えばカセットステージが配置されている。ここでカセッ
トとは、例えば25枚の被処理基板を収納するための容
器であり、このカセット303、306は各被処理基板
302、305が水平に間隔を置いて上下に配列される
ようにステージに載置される。
【0071】前記入出力領域307にはZ軸のまわりに
回動自在にかつXステージ314に沿って被処理基板を
搬送する、上下2段の搬送アーム311、312を備え
た第1の搬送手段313が設けられており、上段の搬送
アーム311は、カセット303より処理前の被処理基
板302を取り出して後述の処理ユニット内の搬送手段
322に受け渡すために用いられ、また下段の搬送アー
ム312は、処理後の被処理基板305をカセット30
6内に受け渡すために用いられる。前記Xステージ31
4は、ローディング部とアンローディング部の間にY方
向に伸びるYステージ315沿って、カセット303、
305の並びの間を移動するように構成される。Xステ
ージ311の上には、処理部において被処理基板が所定
の向きに載置されるように被処理基板の向き及び中心位
置を合わせるための位置合わせ手段316が設けられて
いる。
【0072】入出力領域307に隣接する処理部300
内には、X方向に伸びる搬送路325に沿って移動する
第2の搬送手段322が設けられている。この搬送路3
25は後述の各処理装置に対して共通のものであり、前
記搬送手段322は、移動ステージ324上に、Y方向
に進退自在、Z軸方向(鉛直方向)に移動自在及びZ軸
のまわりに回動(θ方向に回転)自在な搬送アーム32
3が設けられて構成されている。搬送路325の両側に
は複数の処理装置、例えば予備加熱装置319、成膜装
置320、冷却装置321、レーザアニール装置318
及び冷却装置317が設けられている。前記搬送手段3
22は、これら処理装置と前記位置合わせ手段316と
の間で被処理基板の受け渡しを行うためのものである。
【0073】また前記入出力部307及び処理部300
は、不活性ガス例えばN2 ガスにより大気圧あるいは大
気圧以上の雰囲気とされている。このようなガス雰囲気
とすることにより真空チャックを使用できるため、前記
搬送アーム311、312、323及び位置合わせ手段
316の回転ステージには真空チャックが設けられて、
被処理基板を吸着できるようになっている。
【0074】図16に示す装置の作用について述べる
と、例えば表面が清浄化された被処理基板例えばソーダ
ガラス基板302を25枚収納したカセット303が入
出力部307内に移載され、次いで搬送アーム311に
よりカセット303から被処理基板302が取り出され
る。この被処理基板302は位置合わせ手段316で位
置合わせされた後搬送手段322を介して予備加熱装置
319に搬送され、ここでアモルファスシリコンの成膜
温度600℃に近い温度例えば350〜400℃に予備
加熱される。この予備加熱は、次工程で速やかに成膜が
行われかつ欠陥の少ない良好な膜質のアモルファスシリ
コン膜を得るために行われる。次いで被処理基板は成膜
装置320に搬送され、成膜装置320では予定の真空
度まで排気した後、プロセスガスを供給すると共に例え
ば高周波電力を利用してプラズマを発生させ、例えば約
600℃に加熱された被処理基板上に、例えば300〜
1500オングストロームの厚さのアモルファスシリコ
ン膜を得る。なお成膜装置320には、例えば図示しな
いロードロック室が接続され、このロードロック室を介
して被処理基板の搬出入が行われる。 さらに被処理基
板は冷却装置321で例えば400℃あるいはそれ以下
の温度に冷却された後、レーザアニール装置318内に
て、既述した如く被処理基板上のアモルファスシリコン
膜の所定領域毎にレーザビームのパルスが例えば30〜
1000回照射され、島状にポリシリコン膜の領域が形
成されるその後被処理基板は冷却部317で例えば10
0℃あるいはそれ以下の温度に冷却された後、搬送手段
322から位置合わせ手段316及び搬送アーム312
を介してカセット305内に搬送される。
【0075】このような装置によれば、1つの装置内に
一連の処理装置が配置され、しかも共通の搬送路325
の両側に複数の処理装置を配置しているため、処理装置
を増加するだけで、プロセス数の増加や被処理基板の増
加に容易に対応することができる。また複数のプロセス
の任意の組み合わせを、複数の処理装置間における被処
理基板の搬送ルートを変更することで容易に対応するこ
とが可能である。なお複数の処理装置は、各々異なる処
理をおこなう処理装置であってもよいし、あるいは同一
の処理を行う処理装置であってもよい。
【0076】また製造装置内の搬送路などは不活性ガス
雰囲気とされているので自然酸化膜の成長や膜質の改変
が抑制されるし、表面清浄工程を追加しなくて済む。ま
た大気圧またはそれ以上のガス雰囲気中で被処理基板が
搬送されるので搬送アームなどに真空チャックを利用す
ることができ、従って位置ずれの少ない確実な保持と高
速搬送を行うことができ、しかも安価に構成できる。
【0077】以上において、上述のように製造装置内を
不活性ガス雰囲気とするための装置構成の一例について
図17を参照しながら述べると、ハウジング402はク
リーンルーム内に設置され、先述のようなカセットを収
納するローディング部、アンローディング部や、各処理
装置及び共通の搬送手段の搬送領域などが収納されてい
る。
【0078】ハウジング402の外部には、不活性ガス
例えばN2 ガスのガス供給源403が設けられており、
このガス供給源にはマスフローコントローラ404及び
バルブを介装したガス管404が接続されている。この
ガス管404の出口は、ハウジング402の上の複数の
ガス供給口407に連通しており、各ガス供給口407
の下方側には、夫々ファン408を介して、ハウジング
402の天井部をなすパーティクル除去用のフィルタ4
09が配設されている。なおフィルタ409とファン4
08の上下の位置は逆であってもよい。
【0079】またハウジング402の底面411には多
数の穴412が形成されており、その下方側にはファン
413が設けられていて、ハウジング402内のN2 ガ
スを下方側の空間400に排気するようになっている。
この空間400には排気口414を介して工場の外へ排
気する排気手段415が接続される一方、吸い込み口4
16を介して、途中ファン417を備えた送気管418
が連通している。この送気管418の吐出側は前記ガス
供給口7に連通している。従って新しいN2 ガスがハウ
ジング402内に補充され、ほぼ垂直な下向きの層流が
形成されつつ循環することとなる。またこの実施例の排
気制御系には圧力コントローラ420が設けられ、この
圧力コントローラ420は、ハウジング402内に取り
付けられた、ガス圧を検出する圧力検出部419の出力
値及び設定圧力値にもとづいて前記流量制御部405及
び排気手段415を制御して、ハウジング402内の圧
力が所定値となるようにつまり圧力が高過ぎることなく
かつ低過ぎることのないように調整している。
【0080】そしてハウジング402には、カセットを
ローディングまたはアンローディングするためのドア4
30が設けられている。ハウジング402内の圧力は、
常に外部よりも高い圧力に設定されており、このためド
ア430を開いてカセットを搬出入する場合に、外部か
らハウジング402内への外気の侵入つまりパーティク
ルの侵入を抑えることができる。
【0081】
【発明の効果】以上説明したように請求項1、2の発明
によれば、非晶質半導体膜に島状にレーザ光のパルスを
照射して多結晶化し、その照射領域内に駆動回路部の少
なくとも半導体素子を形成しているため、照射領域の全
体が均一に良好に多結晶化されており、従っていずれの
駆動回路部もばらつきが生じず良好な性能が得られる。
この結果LCD基板の製造にあたり非晶質半導体膜を利
用した駆動回路部の生成と駆動回路部及び画素領域内の
スイッチング素子の成膜処理による配線とを実現できる
ので、画素領域と駆動領域とを同一プロセスで実現し、
LCD基板の製造が容易かつ低コストになる。
【0082】また請求項3の発明によれば、特殊でかつ
高価な光学系を使用せずに、非晶質半導体の結晶化状態
を、簡便かつ低コストな方法でリアルタイムに評価する
ことができる。また上記の評価方法を用いた半導体結晶
薄膜の製造方法(請求項4の発明)及び装置(請求項
5、6の発明)によれば、レーザアニール方法により非
晶質半導体の結晶化処理を実施しながら非晶質半導体の
結晶化状態を、低コストな方法出でリアルタイムで評価
し、その評価結果に基づいて結晶化処理をリアルタイム
でフィードバック制御することができるので、製品の歩
留まりを改善しスループットを向上させることが可能で
ある。
【0083】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る液晶ディスプレイ基板
の製造方法の工程を示す斜視図である。
【図2A】レーザ光照射領域と駆動回路部形成領域との
関係を示す平面図である。
【図2B】駆動回路部及び配線の一部を示す平面図であ
る。
【図3】本発明の実施例に用いられるレーザアニール装
置の一例を示す縦断側面図である。
【図4】本発明の実施例に用いられるレーザアニール装
置を示す斜視図である。
【図5】同装置のレーザ射出部及び半導体結晶の評価部
を示すブロック図である。
【図6】水素化非晶質シリコン成膜処理におけるレーザ
光照射エネルギー密度と水素放出量との関係を示す特性
図である。
【図7】水素化非晶質シリコン成膜処理におけるレーザ
光照射エネルギー密度と水素放出量との関係を示す特性
図である。
【図8】レーザのショット回数と多結晶の単結晶化との
関係を説明する線図である。
【図9】本発明の実施例にかかる半導体の評価方法を説
明するためのフローチャートである。
【図10】シリコン結晶のエネルギー帯構造を示す構造
図である。
【図11】基準半導体結晶のバンドギャップ分光反射率
分布を示すグラフである。
【図12】アモルファスシリコンのバンドギャップ分光
反射率分布を示すグラフである。
【図13】レーザ照射エネルギーが不十分な場合のバン
ドギャップ分光反射率分布を示すグラフである。
【図14】レーザ照射エネルギーが過剰な場合のバンド
ギャップ分光反射率分布を示すグラフである。
【図15】夫々本発明の他の実施例に係るレーザ光の照
射領域を示す説明図である。
【図16】本発明の実施例に係る液晶ディスプレイ基板
の製造装置を示す平面図である。
【図17】本発明の他の実施例に係る液晶ディスプレイ
基板の製造装置を示す断面図である。
【図18】液晶ディスプレイ基板の構造を模式的に示す
構成図である。
【図19】液晶パネルを示す斜視図である。
【図20】従来方法におけるレーザ光のパルスの重なり
の状態と電界効率移動度との関係を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 非晶質シリコン膜 3 レーザ光照射部 4、41、42 駆動回路部 5 TFT 50 画素領域 63 真空チャンバ 7 レーザ光照射部 70 移動機構 313 第1の搬送手段 322 第2の搬送手段 325 搬送路 317〜321 処理装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−247543(JP,A) 特開 平1−212465(JP,A) 特開 平5−275336(JP,A) 特開 平2−295111(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1368 H01L 21/336 H01L 29/786

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、画素領域内に配置された複数
    のスイッチング素子と、このスイッチング素子を駆動す
    る複数の駆動回路部とを備えた液晶ディスプレイ基板を
    製造する方法において、 前記基板上に、水素化非晶質シリコン膜を成膜する工程
    と、 レーザ光のパルスを、水素化非晶質シリコン膜が多結晶
    化するに必要なエネルギ−以下のエネルギ−で小さいエ
    ネルギ−から段階的にエネルギ−を大きくして断続的に
    前記水素化非晶質シリコン膜に照射し、このようにして
    膜中の水素を徐々に放出させる工程と、 この工程の後、レーザ光のパルスを、水素化非晶質シリ
    コン膜が多結晶化するに必要なエネルギ−以上のエネル
    ギ−で前記水素化非晶質シリコン膜に照射して多結晶シ
    リコンの島状領域を形成する工程と、 前記多結晶シリコンの島状領域内に、この領域の多結晶
    シリコンを半導体領域とする駆動回路部を形成する工程
    と、 水素化非晶質シリコン膜の一部を半導体領域とし、前記
    駆動回路部に電気的に接続したスイッチング素子を画素
    領域内に形成する工程と、 を具備する液晶ディスプレイ基板の製造方法。
  2. 【請求項2】 基板上に、画素領域内に配置されたスイ
    ッチング素子と、このスイッチング素子を駆動するシフ
    トレジスタとを備えた液晶ディスプレイ基板を製造する
    方法において、 前記基板上に、水素化非晶質シリコン膜を成膜する工程
    と、 レーザ光のパルスを、水素化非晶質シリコン膜が多結晶
    化するに必要なエネルギ−以下のエネルギ−で小さいエ
    ネルギ−から段階的にエネルギ−を大きくして断続的に
    前記水素化非晶質シリコン膜に照射し、このようにして
    膜中の水素を徐々に放出させる工程と、 この工程の後、レーザ光のパルスを、水素化非晶質シリ
    コン膜が多結晶化するに必要なエネルギ−以上のエネル
    ギ−で前記水素化非晶質シリコン膜に照射して多結晶シ
    リコンの島状領域を形成する工程と、 前記レーザ光のパルスの照射領域内に前記シフトレジス
    タを分割して生成する工程と、 これら分割されたシフトレジスタ間、及びシフトレジス
    タとスイッチング素子とを電気的に接続するための配線
    層を形成する工程と、 を含み、 前記シフトレジスタの少なくともトランジスタは、レ−
    ザ光のパルスの照射領域内に配置されていることを特徴
    とする液晶ディスプレイ基板の製造方法。
  3. 【請求項3】 半導体の結晶化状態を評価するための方
    法であって、 最適な結晶化状態にある基準半導体結晶材料に光を照射
    、その反射光を分光検出して、その検出値より取得し
    た前記基準半導体結晶材料のバンドギャップ分光反射率
    分布に関する第1の情報を予め記憶する工程と、 評価対象である半導体の評価領域に光を照射し、その反
    射光を分光検出し、その検出値より前記評価領域のバン
    ドギャップ分光反射率分布に関する第2の情報を取得す
    る工程と、 前記第1の情報と前記第2の情報とを比較し、その近似
    度により前記半導体の結晶化状態を評価する工程とを具
    備する半導体結晶の評価方法。
  4. 【請求項4】 被処理体のアモルファス領域をレーザア
    ニール処理により結晶化し、その結晶化状態を評価しな
    がら、半導体結晶薄膜を製造するための方法であって、 最適な結晶化状態にある基準半導体結晶薄膜に光を照射
    、その反射光を分光検出して、その検出値より取得し
    た前記基準半導体結晶薄膜のバンドギャップ分光反射率
    分布に関する第1の情報を予め記憶する工程と、 前記レーザアニール処理を実行しながら、前記被処理体
    の評価領域からの反射光を分光検出し、その検出値から
    前記被処理体のレーザ照射領域のバンドギャップ分光反
    射率分布に関する第2の情報を取得する工程と、 前記第1の情報と前記第2の情報とを比較し、その近似
    度が所定の範囲に収まるように、レーザ照射エネルギー
    を調節する工程とを具備する、半導体結晶薄膜の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 処理室と、 この処理室内に半導体結晶薄膜を有する被処理体を支持
    する手段と、 前記半導体結晶薄膜にレーザ光を照射することにより薄
    膜にアニール処理を施すレーザ照射手段と、 最適な結晶化状態にある基準半導体結晶薄膜に関するバ
    ンドギャップ分光反射率分布に関する第1の情報を予め
    記憶するための記憶手段と、前記レーザ照射手段 から前記被処理体の処理面に照射さ
    れ、その処理面から反射された反射光を分光検出し、前
    記被処理面のレーザ照射領域のバンドギャップ分光反射
    率分布に関する第2の情報を取得するための分光検出手
    段と、前記分光 検出手段により取得された前記第2の情報を、
    前記記憶手段に格納された前記第1の情報と比較し評価
    するための比較評価手段と、 前記比較評価手段から出力される評価信号に基づいて、
    前記第1の情報と前記第2の情報との近似度が所定の範
    囲に収まるように、前記レーザ照射手段のレーザ照射エ
    ネルギーを調節するためのレーザ照射エネルギー調節手
    段と、 を備えたことを特徴とする、半導体結晶薄膜の製造装
    置。
  6. 【請求項6】 基板上に、非晶質半導体膜を成膜する工
    程と、 前記非晶質半導体膜にレーザ光のパルスを断続的に照射
    して、この照射領域を多結晶化して非晶質半導体膜内に
    多結晶島状領域を形成する工程と、 前記多結晶島状領域内に、この領域の多結晶を半導体領
    域とする駆動回路部を形成する工程と、 非晶質半導体膜の一部を半導体領域とし、前記駆動回路
    部に電気的に接続したスイッチング素子を画素領域内に
    形成する工程と、 最適な結晶化状態にある基準半導体結晶材料に光を照射
    し、その反射光を分光検出して、その検出値より取得し
    た前記基準半導体結晶材料のバンドギャップ分光反射率
    分布に関する第1の情報を予め記憶する工程と、 前記多結晶島状領域を形成する工程において、非晶質半
    導体膜に照射した光の反射光を分光検出し、その検出値
    より前記評価領域のバンドギャップ分光反射率分布に関
    する第2の情報を取得する工程と、 前記第1の情報と前記第2の情報とを比較し、その近似
    度により前記半導体の結晶化状態を評価する工程と、を
    具備する液晶ディスプレイ基板の製造方法。
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