JP2986132B2 - 多結晶半導体薄膜の製造方法及びレ−ザアニ−ル装置 - Google Patents
多結晶半導体薄膜の製造方法及びレ−ザアニ−ル装置Info
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- JP2986132B2 JP2986132B2 JP4102012A JP10201292A JP2986132B2 JP 2986132 B2 JP2986132 B2 JP 2986132B2 JP 4102012 A JP4102012 A JP 4102012A JP 10201292 A JP10201292 A JP 10201292A JP 2986132 B2 JP2986132 B2 JP 2986132B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多結晶半導体薄膜の製
造方法及びレーザアニール装置に関する。
造方法及びレーザアニール装置に関する。
【0002】
【従来の技術】TFT(薄膜トランシジスタ)を用いた
LCD(液晶ディスプレイ)は非常に優れた高画質を提
供してくれるものとして注目されている。
LCD(液晶ディスプレイ)は非常に優れた高画質を提
供してくれるものとして注目されている。
【0003】この種のLCD基板は、図13に模式的に
示すようにガラス基板1a上にTFT1bを形成すると
共に、例えばそのドレイン電極に電気的に接続した画素
電極1cを、当該TFT1bと隙間を介して配置し、こ
のように組み合わされた画素ユニットUを多数配列して
なるものであり、例えば一辺が数百μm程度の角形の画
素ユニットUが数十万個配列されている。そしてこのよ
うなLCD基板上に間隙を介して各画素ユニットUに共
通な透明電極1dを対向して配列し、前記間隙に液晶1
eを封入することによって図14の模式図に示すように
画素部10が形成される。更にこの画素部10の外側の
ガラス基板1a上に、パッケージ化されたICチップ1
1を画素部10の周縁に沿って複数配列してドライバ部
12が形成されると共に、各ICチップ11の端子を画
素部10の各画素ユニットUに対応する走査電極配線で
あるゲート配線及びドレイン配線に接続することにより
LCDが構成される。
示すようにガラス基板1a上にTFT1bを形成すると
共に、例えばそのドレイン電極に電気的に接続した画素
電極1cを、当該TFT1bと隙間を介して配置し、こ
のように組み合わされた画素ユニットUを多数配列して
なるものであり、例えば一辺が数百μm程度の角形の画
素ユニットUが数十万個配列されている。そしてこのよ
うなLCD基板上に間隙を介して各画素ユニットUに共
通な透明電極1dを対向して配列し、前記間隙に液晶1
eを封入することによって図14の模式図に示すように
画素部10が形成される。更にこの画素部10の外側の
ガラス基板1a上に、パッケージ化されたICチップ1
1を画素部10の周縁に沿って複数配列してドライバ部
12が形成されると共に、各ICチップ11の端子を画
素部10の各画素ユニットUに対応する走査電極配線で
あるゲート配線及びドレイン配線に接続することにより
LCDが構成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで上述のような
TFT−LCDは大面積化、高カラー表示品質が強く望
まれており、例えばゲートドライバからの配線、ソ−ス
ドライバからの配線が夫々400本、1920本に及ぶ
ものもあり、このためドライバ部11とTFT液晶画素
部の各走査電極各走査電極配線との配線作業が非常に工
数を要し、LCDの高価格化の要因の一つになってい
る。
TFT−LCDは大面積化、高カラー表示品質が強く望
まれており、例えばゲートドライバからの配線、ソ−ス
ドライバからの配線が夫々400本、1920本に及ぶ
ものもあり、このためドライバ部11とTFT液晶画素
部の各走査電極各走査電極配線との配線作業が非常に工
数を要し、LCDの高価格化の要因の一つになってい
る。
【0005】そこで同一の基板において、ガラス基板上
に成膜処理を行ってドライバ部のスイッチング素子を形
成またドライバ部と画素部の配線も同時に行うことが技
術的に解決されれば、ドライバ部を形成する工程にて同
時にドライバ部と走査電極配線との接続を行うことがで
きるので、ICチップをガラス基板上に貼り付ける場合
のような煩わしい配線作業が不要になり、非常に有効な
方法である。
に成膜処理を行ってドライバ部のスイッチング素子を形
成またドライバ部と画素部の配線も同時に行うことが技
術的に解決されれば、ドライバ部を形成する工程にて同
時にドライバ部と走査電極配線との接続を行うことがで
きるので、ICチップをガラス基板上に貼り付ける場合
のような煩わしい配線作業が不要になり、非常に有効な
方法である。
【0006】ここで画素ユニットのTFTについては、
その画素を映像として表示するという機能上から、それ
程高速性が要求されないので、半導体層として非晶質シ
リコンを用いることができるが、ドライバ部について
は、高速スイッチング動作を要求される回路を搭載する
という必要上から動作速度が前記TFTよりも可なり早
くなければならないので、半導体層としては非晶質シリ
コンよりも電界効果移動度の大きい多結晶シリコンを用
いることが必要である。一方多結晶シリコン(ポリシリ
コン)を得るためには例えば減圧CVDにより600℃
程度以上に加熱して成膜処理を行わなければならない
が、低価格のガラス基板は熱歪点が600℃程度であっ
て、600℃程度もの高温に耐え得るガラス基板は高価
格であることから、結局LCDの価格が高くなってしま
い、低ガラス基板は熱歪点が600程度である。
その画素を映像として表示するという機能上から、それ
程高速性が要求されないので、半導体層として非晶質シ
リコンを用いることができるが、ドライバ部について
は、高速スイッチング動作を要求される回路を搭載する
という必要上から動作速度が前記TFTよりも可なり早
くなければならないので、半導体層としては非晶質シリ
コンよりも電界効果移動度の大きい多結晶シリコンを用
いることが必要である。一方多結晶シリコン(ポリシリ
コン)を得るためには例えば減圧CVDにより600℃
程度以上に加熱して成膜処理を行わなければならない
が、低価格のガラス基板は熱歪点が600℃程度であっ
て、600℃程度もの高温に耐え得るガラス基板は高価
格であることから、結局LCDの価格が高くなってしま
い、低ガラス基板は熱歪点が600程度である。
【0007】このようなことから先ずプラズマCVDに
より温度約300℃の雰囲気でガラス基板上に大面積の
水素化非晶質(アモルファス)シリコン膜を形成し、次
いでこの非晶質シリコン膜に対してレーザ光を照射して
局部的に例えば表面温度が1200℃程度となるように
加熱し、これにより非晶質シリコン膜を多結晶化して多
結晶シリコン膜を生成し、これを半導体層としてスイッ
チング素子を形成する多結晶半導体薄膜の製造方法が求
められていた。この方法によれば非晶質シリコン膜の形
成工程時の加熱温度が低いので低温による品質の良い大
型ガラス基板上の膜が得られ、またレ−ザ光による加熱
処理、即ちレーザアニールは瞬間的に非晶質シリコン膜
を加熱して多結晶化するので、ガラス基板はそれ程高温
にならず、従ってガラス基板としては大きな耐熱性が要
求されないので安価な材質を使用することができ、大面
積透過形液晶ディスプレイの製造が可能となる。
より温度約300℃の雰囲気でガラス基板上に大面積の
水素化非晶質(アモルファス)シリコン膜を形成し、次
いでこの非晶質シリコン膜に対してレーザ光を照射して
局部的に例えば表面温度が1200℃程度となるように
加熱し、これにより非晶質シリコン膜を多結晶化して多
結晶シリコン膜を生成し、これを半導体層としてスイッ
チング素子を形成する多結晶半導体薄膜の製造方法が求
められていた。この方法によれば非晶質シリコン膜の形
成工程時の加熱温度が低いので低温による品質の良い大
型ガラス基板上の膜が得られ、またレ−ザ光による加熱
処理、即ちレーザアニールは瞬間的に非晶質シリコン膜
を加熱して多結晶化するので、ガラス基板はそれ程高温
にならず、従ってガラス基板としては大きな耐熱性が要
求されないので安価な材質を使用することができ、大面
積透過形液晶ディスプレイの製造が可能となる。
【0008】しかしながらプラズマCVDにより生成さ
れた水素化非晶質シリコン膜中には可成り多くの水素が
含まれているため、レーザ光により非晶質シリコンを多
結晶化するために必要なエネルギーを加えると、水素が
非晶質シリコン膜から一気に噴出してこの膜が損傷して
まう。このようなことから耐熱性の小さい安価なガラス
基板を用い、このガラス基板上に非晶質シリコン膜を形
成した後多結晶化する技術は、実用化に至っておらず、
結局LCDのドライバ部は、パッケージ化されたICを
LCD基板上に貼り付ける形で実装し、面倒なドライバ
部と画素部の配線作業を行っているのが実情である。
れた水素化非晶質シリコン膜中には可成り多くの水素が
含まれているため、レーザ光により非晶質シリコンを多
結晶化するために必要なエネルギーを加えると、水素が
非晶質シリコン膜から一気に噴出してこの膜が損傷して
まう。このようなことから耐熱性の小さい安価なガラス
基板を用い、このガラス基板上に非晶質シリコン膜を形
成した後多結晶化する技術は、実用化に至っておらず、
結局LCDのドライバ部は、パッケージ化されたICを
LCD基板上に貼り付ける形で実装し、面倒なドライバ
部と画素部の配線作業を行っているのが実情である。
【0009】本発明は、このような事情のもとになされ
たものであり、その目的は、水素を含む非晶質半導体薄
膜を損傷することなく前記薄膜中の水素を放出すること
のできる多結晶半導体薄膜の製造方法を提供することに
ある。
たものであり、その目的は、水素を含む非晶質半導体薄
膜を損傷することなく前記薄膜中の水素を放出すること
のできる多結晶半導体薄膜の製造方法を提供することに
ある。
【0010】本発明の他の目的は、このような方法を実
施するのに好適なレーザアニール装置を提供することに
ある。
施するのに好適なレーザアニール装置を提供することに
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、水素
化非晶質半導体薄膜をレーザ光の照射により多結晶化し
製造する方法において、水素化非晶質半導体薄膜から放
出される水素の量を監視しながら、レーザ光の照射エネ
ルギーを順次大きくして水素化非晶質半導体薄膜中の水
素を段階的に放出させることを特徴とする。
化非晶質半導体薄膜をレーザ光の照射により多結晶化し
製造する方法において、水素化非晶質半導体薄膜から放
出される水素の量を監視しながら、レーザ光の照射エネ
ルギーを順次大きくして水素化非晶質半導体薄膜中の水
素を段階的に放出させることを特徴とする。
【0012】請求項2の発明は、被処理体の表面の水素
化非晶質半導体薄膜をレーザアニールする装置におい
て、レーザ光を透過するための窓が形成され、被処理体
を載置する載置部が設けられた処理室と、この処理室の
下方側に設けられ、前記窓を介して被処理体の被処理面
にレーザ光を照射するためのレーザ光照射部と、このレ
ーザ光照射部と前記被処理体とを相対的に移動させるた
めの移動機構と、 水素化非晶質半導体薄膜から放出さ
れる水素の量を監視する手段と、を備え、 前記レーザ
光照射部により被処理体の同一領域を複数回走査照射
し、各走査照射時における水素の量の監視結果に基づい
てレーザ光照射部から照射されるレ−ザ光の照射エネル
ギ−を順次大きくして水素化非晶質半導体薄膜中の水素
を段階的に放出させることを特徴とする。
化非晶質半導体薄膜をレーザアニールする装置におい
て、レーザ光を透過するための窓が形成され、被処理体
を載置する載置部が設けられた処理室と、この処理室の
下方側に設けられ、前記窓を介して被処理体の被処理面
にレーザ光を照射するためのレーザ光照射部と、このレ
ーザ光照射部と前記被処理体とを相対的に移動させるた
めの移動機構と、 水素化非晶質半導体薄膜から放出さ
れる水素の量を監視する手段と、を備え、 前記レーザ
光照射部により被処理体の同一領域を複数回走査照射
し、各走査照射時における水素の量の監視結果に基づい
てレーザ光照射部から照射されるレ−ザ光の照射エネル
ギ−を順次大きくして水素化非晶質半導体薄膜中の水素
を段階的に放出させることを特徴とする。
【0013】
【作用】レーザ光の照射エネルギーを順次大きくしてい
くことにより水素化非晶質半導体薄膜中の水素が一気に
噴き出すことなく段階的に放出される。従って例えば水
素化非晶質半導体薄膜に対して多結晶化に必要なエネル
ギーよりも小さい照射エネルギーでレーザ光を照射し、
水素の放出量を監視しながら、照射エネルギーを順次大
きくしていくことにより前記薄膜を損傷させることなく
多結晶化することができる。
くことにより水素化非晶質半導体薄膜中の水素が一気に
噴き出すことなく段階的に放出される。従って例えば水
素化非晶質半導体薄膜に対して多結晶化に必要なエネル
ギーよりも小さい照射エネルギーでレーザ光を照射し、
水素の放出量を監視しながら、照射エネルギーを順次大
きくしていくことにより前記薄膜を損傷させることなく
多結晶化することができる。
【0014】またこのような多結晶半導体製造を行う場
合に処理室の下方側からレーザ光を照射するようにすれ
ば、照射レ−ザ光と被処理体とを相対的に移動せしめる
移動機構を支面に固定できるので、その移動精度を高く
保つことができる。
合に処理室の下方側からレーザ光を照射するようにすれ
ば、照射レ−ザ光と被処理体とを相対的に移動せしめる
移動機構を支面に固定できるので、その移動精度を高く
保つことができる。
【0015】
【実施例】図1、図2は夫々本発明の実施例に係る多結
晶半導体薄膜の製造装置の縦断側面図及び一部を切欠し
た外観斜視図である。この実施例では、空気圧を利用し
た空気支持機構2を装置の基台として用いており、この
空気支持機構2は、剛性のある材質例えば金属よりなる
支持プレート21が空気圧により浮上した状態でエア−
サスペンションにより支持され、常に水平になるように
空気圧が制御されている。
晶半導体薄膜の製造装置の縦断側面図及び一部を切欠し
た外観斜視図である。この実施例では、空気圧を利用し
た空気支持機構2を装置の基台として用いており、この
空気支持機構2は、剛性のある材質例えば金属よりなる
支持プレート21が空気圧により浮上した状態でエア−
サスペンションにより支持され、常に水平になるように
空気圧が制御されている。
【0016】前記支持プレート21上には、支持台22
を介して、処理室、例えばアルミニウム製の気密な円筒
状の真空チャンバ3が載置して固定されており、この真
空チャンバ3内には、被処理体例えばガラス基板上に水
素化非晶質シリコン(以下「a−Si:H」という。)
膜を付けた基板4を、被処理面が下向きになるように保
持するための、載置台31が配置されている。更にこの
真空チャンバ3には、例えば図示しない真空ポンプに接
続された排気管32が連結されると共に、後述するよう
に前記基板4上のa−Si:H膜から発生した水素の発
生量を測定するための質量分析計5が設置されており、
更に基板4を真空チャンバ3と外部(大気雰囲気)との
間で搬出入するためのゲートバルブG(図2では図示せ
ず)が設けられている。そして前記真空チャンバ3の底
壁には後述のレーザ光が透過できるように例えば合成石
英ガラス製の窓33が形成されている。
を介して、処理室、例えばアルミニウム製の気密な円筒
状の真空チャンバ3が載置して固定されており、この真
空チャンバ3内には、被処理体例えばガラス基板上に水
素化非晶質シリコン(以下「a−Si:H」という。)
膜を付けた基板4を、被処理面が下向きになるように保
持するための、載置台31が配置されている。更にこの
真空チャンバ3には、例えば図示しない真空ポンプに接
続された排気管32が連結されると共に、後述するよう
に前記基板4上のa−Si:H膜から発生した水素の発
生量を測定するための質量分析計5が設置されており、
更に基板4を真空チャンバ3と外部(大気雰囲気)との
間で搬出入するためのゲートバルブG(図2では図示せ
ず)が設けられている。そして前記真空チャンバ3の底
壁には後述のレーザ光が透過できるように例えば合成石
英ガラス製の窓33が形成されている。
【0017】前記真空チャンバ3の下方側における支持
プレート21上には、レーザ光照射部6及びこのレーザ
光照射部6を水平方向例えばX方向、Y方向に移動させ
るための移動機構7が配置されている。この移動機構7
は、例えば支持プレート21にX方向に設置されたレー
ル71に沿って移動するX移動部72と、このX移動部
72上にY方向に設置されたレール73に沿って移動す
るY移動部74とから構成され、Y移動部74上に前記
レーザ光照射部6が搭載されている。
プレート21上には、レーザ光照射部6及びこのレーザ
光照射部6を水平方向例えばX方向、Y方向に移動させ
るための移動機構7が配置されている。この移動機構7
は、例えば支持プレート21にX方向に設置されたレー
ル71に沿って移動するX移動部72と、このX移動部
72上にY方向に設置されたレール73に沿って移動す
るY移動部74とから構成され、Y移動部74上に前記
レーザ光照射部6が搭載されている。
【0018】前記レーザ光照射部6は、図示しない例え
ばエキシマレーザ光発振源より光学系ビ−ムホモナイザ
−を介して伝送された波長248nmのレーザ光をZ方
向に即ち真空チャンバ3の底面に向けて照射するための
ものであり、移動機構7によりX方向、Y方向に移動し
て例えば前記基板4の被処理面を走査照射する。前記光
学系ビ−ムホモナイザ−を経由したレ−ザ光は、レ−ザ
ビ−ム内の強度分布を走査方向に対しては均一に、かつ
それと直行する方向に対しては台形状とし、このレ−ザ
光を用いて前記被処理面を走査しながらレ−ザ照射する
ことができる。この方法により大面積の前記基板4に対
して均一なレ−ザ照射の走査を行うことができる。
ばエキシマレーザ光発振源より光学系ビ−ムホモナイザ
−を介して伝送された波長248nmのレーザ光をZ方
向に即ち真空チャンバ3の底面に向けて照射するための
ものであり、移動機構7によりX方向、Y方向に移動し
て例えば前記基板4の被処理面を走査照射する。前記光
学系ビ−ムホモナイザ−を経由したレ−ザ光は、レ−ザ
ビ−ム内の強度分布を走査方向に対しては均一に、かつ
それと直行する方向に対しては台形状とし、このレ−ザ
光を用いて前記被処理面を走査しながらレ−ザ照射する
ことができる。この方法により大面積の前記基板4に対
して均一なレ−ザ照射の走査を行うことができる。
【0019】次に上述の装置を用いて被処理体に対して
多結晶半導体薄膜の製造を行う方法について述べる。先
ず被処理体として、LCDの製造プロセス途中の水素化
非晶質半導体薄膜を付けたガラス基板を用い、この基板
は、画素部の領域においては、非晶質シリコンTFT生
成のためにプラズマCVDによりa−Si:H膜が表面
に形成され、またドライバ部の領域においては、同じプ
ラズマCVDにより所定のパターンでa−Si:H膜が
表面に形成されている。
多結晶半導体薄膜の製造を行う方法について述べる。先
ず被処理体として、LCDの製造プロセス途中の水素化
非晶質半導体薄膜を付けたガラス基板を用い、この基板
は、画素部の領域においては、非晶質シリコンTFT生
成のためにプラズマCVDによりa−Si:H膜が表面
に形成され、またドライバ部の領域においては、同じプ
ラズマCVDにより所定のパターンでa−Si:H膜が
表面に形成されている。
【0020】先ずゲートバルブGを開いて図示しない搬
送機構により前記基板4を真空チャンバ3内の載置台3
1に、被処理面を下側に向けて載置し、その後ゲートバ
ルブGを閉じてから図示しない真空ポンプにより排気管
32を介して真空チャンバ3内を例えば圧力2.5×1
0−7Torrの真空雰囲気まで真空引きする。しかる
後図示しないエキシマレーザ光発振源より伝送されたレ
ーザ光をレーザ光照射部6を介して、前記基板4上のド
ライバ部の領域におけるa−Si:H膜に、移動機構6
を駆動して走査照射する。
送機構により前記基板4を真空チャンバ3内の載置台3
1に、被処理面を下側に向けて載置し、その後ゲートバ
ルブGを閉じてから図示しない真空ポンプにより排気管
32を介して真空チャンバ3内を例えば圧力2.5×1
0−7Torrの真空雰囲気まで真空引きする。しかる
後図示しないエキシマレーザ光発振源より伝送されたレ
ーザ光をレーザ光照射部6を介して、前記基板4上のド
ライバ部の領域におけるa−Si:H膜に、移動機構6
を駆動して走査照射する。
【0021】レーザ光をa−Si:H膜に照射する方法
については、レーザ光の出力エネルギーを、a−Si:
H膜が多結晶化するに必要なエネルギー以下のエネルギ
ーではじめは小さくしておいて、一定のエネルギーで例
えば160mJ(ただしビームサイズが0.9cm×
0.9cm、全光学系の透過率が70%であるから膜表
面のエネルギー密度は138mJ/cm2である。)で
複数回走査照射すると共に、質量分析計で水素の量を監
視し、水素の量が1回前の走査時における量とあまり変
わらなくなった後、出力エネルギーを例えば200mJ
(エネルギー密度は173mJ/cm2である。)と少
し大きくしてそのエネルギーで複数回走査照射して同様
に水素の量を監視し、更にエネルギーを例えば240m
J(エネルギー密度は207mJ/cm2である。)と
より大きくして同様の工程を行い、順次エネルギーを大
きくしてこのような工程を繰り返し、これによりa−S
i:H膜中の水素を徐々に放出させ、その後レーザ光を
多結晶化するに十分なエネルギーでa−Si:H膜に照
射して当該a−Si:H膜を多結晶化シリコン膜に変え
る。なおこの場合レーザ光の出力エネルギーを変えずに
ビームを絞ってレーザ光の照射エネルギー(被処理面の
単位面積あたりのエネルギー)を変えてもよい。
については、レーザ光の出力エネルギーを、a−Si:
H膜が多結晶化するに必要なエネルギー以下のエネルギ
ーではじめは小さくしておいて、一定のエネルギーで例
えば160mJ(ただしビームサイズが0.9cm×
0.9cm、全光学系の透過率が70%であるから膜表
面のエネルギー密度は138mJ/cm2である。)で
複数回走査照射すると共に、質量分析計で水素の量を監
視し、水素の量が1回前の走査時における量とあまり変
わらなくなった後、出力エネルギーを例えば200mJ
(エネルギー密度は173mJ/cm2である。)と少
し大きくしてそのエネルギーで複数回走査照射して同様
に水素の量を監視し、更にエネルギーを例えば240m
J(エネルギー密度は207mJ/cm2である。)と
より大きくして同様の工程を行い、順次エネルギーを大
きくしてこのような工程を繰り返し、これによりa−S
i:H膜中の水素を徐々に放出させ、その後レーザ光を
多結晶化するに十分なエネルギーでa−Si:H膜に照
射して当該a−Si:H膜を多結晶化シリコン膜に変え
る。なおこの場合レーザ光の出力エネルギーを変えずに
ビームを絞ってレーザ光の照射エネルギー(被処理面の
単位面積あたりのエネルギー)を変えてもよい。
【0022】図3はこのようなレーザアニールの様子を
模式的に示す模式図であり、81はガラス基板(ただし
TFTの一部が膜付けされている。)、82は画素部に
おけるTFTを形成するためのa−Si:H膜、83は
ドライバ部を形成するためのa−Si:H膜である。
模式的に示す模式図であり、81はガラス基板(ただし
TFTの一部が膜付けされている。)、82は画素部に
おけるTFTを形成するためのa−Si:H膜、83は
ドライバ部を形成するためのa−Si:H膜である。
【0023】このような実施例によれば、先ずレーザ光
により小さいエネルギーをa−Si:H膜に照射するこ
とによりそのエネルギーに見合った水素が放出し、同じ
エネルギーのレーザ光により複数回走査照射することに
より、当該エネルギーに見合った水素が走査回数に応じ
て段階的に少なくなっていき、やがてほとんどが放出さ
れてしまう。そしてレーザ光のエネルギーを前回の照射
エネルギ−よりも少し高くして同様の工程を行うことに
より更に高いエネルギーに見合った水素が走査照射の回
数に応じて段階的に発生すると共に少なくなっていき、
こうしてレーザ光の照射エネルギーを大きくしていくこ
とにより、小さいエネルギーに対応した水素から大きい
エネルギーに対応した水素へと順次放出されていく。
により小さいエネルギーをa−Si:H膜に照射するこ
とによりそのエネルギーに見合った水素が放出し、同じ
エネルギーのレーザ光により複数回走査照射することに
より、当該エネルギーに見合った水素が走査回数に応じ
て段階的に少なくなっていき、やがてほとんどが放出さ
れてしまう。そしてレーザ光のエネルギーを前回の照射
エネルギ−よりも少し高くして同様の工程を行うことに
より更に高いエネルギーに見合った水素が走査照射の回
数に応じて段階的に発生すると共に少なくなっていき、
こうしてレーザ光の照射エネルギーを大きくしていくこ
とにより、小さいエネルギーに対応した水素から大きい
エネルギーに対応した水素へと順次放出されていく。
【0024】従ってa−Si:H膜中の水素が段階的に
放出され、しかもその水素の量を監視しながら高いエネ
ルギーの照射へと移っていくので、実質的に膜を損傷さ
せることがなく、含有水素の大部分を放出してしまいa
−Si:H膜を多結晶化するために大きなエネルギーを
加えたときには既に膜中の水素の含有量は少ないので、
これら水素が一気に放出されても膜を損傷させることが
ない。これに対し、a−Si:H膜を多結晶化するのに
十分なエネルギ−を持つレーザ光をa−Si:H膜に照
射すると、一度に含有水素を放出し爆発してしまうの
で、これらが一気に噴き出すことにより膜が損傷してし
まう。
放出され、しかもその水素の量を監視しながら高いエネ
ルギーの照射へと移っていくので、実質的に膜を損傷さ
せることがなく、含有水素の大部分を放出してしまいa
−Si:H膜を多結晶化するために大きなエネルギーを
加えたときには既に膜中の水素の含有量は少ないので、
これら水素が一気に放出されても膜を損傷させることが
ない。これに対し、a−Si:H膜を多結晶化するのに
十分なエネルギ−を持つレーザ光をa−Si:H膜に照
射すると、一度に含有水素を放出し爆発してしまうの
で、これらが一気に噴き出すことにより膜が損傷してし
まう。
【0025】以上の工程においてレ−ザ光の照射エネル
ギ−を大きくしても水素発生量が予め定められた量以下
しかもはや発生しない段階に至るにあたり、始めて前記
a−Si:H膜を多結晶化するのに必要なエネルギ−を
持つレ−ザ光の照射を行う工程を実施する。
ギ−を大きくしても水素発生量が予め定められた量以下
しかもはや発生しない段階に至るにあたり、始めて前記
a−Si:H膜を多結晶化するのに必要なエネルギ−を
持つレ−ザ光の照射を行う工程を実施する。
【0026】なおレーザ光の出力エネルギーの設定の仕
方、走査照射回数などについては、例えば予め被処理体
の種類毎に種々の照射パターンを実施すると共に質量分
析器5により水素放出量を検出して、その結果にもとづ
いて設定してもよい。なお水素ガスの量を検出するため
には質量分析器以外の測定手段を用いてもよい。
方、走査照射回数などについては、例えば予め被処理体
の種類毎に種々の照射パターンを実施すると共に質量分
析器5により水素放出量を検出して、その結果にもとづ
いて設定してもよい。なお水素ガスの量を検出するため
には質量分析器以外の測定手段を用いてもよい。
【0027】こうして多結晶半導体薄膜の製造の工程が
終了すると、真空チャンバ3内を大気圧に戻した後、ゲ
ートバルブGを開いて、前記基板4を図示しない搬送機
構により外部に取り出し、成膜処理ステーションやリン
グラフィステーションを含む半導体処理ステーションに
て当該基板に対して成膜処理を行う。この成膜処理にお
いては、同一の基板上でLCD基板の画素部領域とドラ
イバ部領域にて夫々所定パターンのマスクを用い、画素
ユニットの一部をなすTFTとドライバ部のスイッチン
グ素子を同時に形成する。またこの工程の中で画素部と
ドライバ部とを結ぶ走査電極配線についても同時に形成
され、従ってパッケージ化されたICをドライバ部とし
てガラス基板上に貼り付けていたときのような面倒な配
線作業が不要になる。
終了すると、真空チャンバ3内を大気圧に戻した後、ゲ
ートバルブGを開いて、前記基板4を図示しない搬送機
構により外部に取り出し、成膜処理ステーションやリン
グラフィステーションを含む半導体処理ステーションに
て当該基板に対して成膜処理を行う。この成膜処理にお
いては、同一の基板上でLCD基板の画素部領域とドラ
イバ部領域にて夫々所定パターンのマスクを用い、画素
ユニットの一部をなすTFTとドライバ部のスイッチン
グ素子を同時に形成する。またこの工程の中で画素部と
ドライバ部とを結ぶ走査電極配線についても同時に形成
され、従ってパッケージ化されたICをドライバ部とし
てガラス基板上に貼り付けていたときのような面倒な配
線作業が不要になる。
【0028】また上述実施例の装置では、真空チャンバ
3の外側でしかも下方側にレーザ光照射部6を配置し、
被処理基板の被処理面を下向きにして下方側からレーザ
光を照射するようにしているため、移動機構を空中に架
設することなく支持プレート21上に固定すればよいの
で移動機構を安定して移動させることができ、レーザ光
照射部6の移動路の精度を高く保つことができる。
3の外側でしかも下方側にレーザ光照射部6を配置し、
被処理基板の被処理面を下向きにして下方側からレーザ
光を照射するようにしているため、移動機構を空中に架
設することなく支持プレート21上に固定すればよいの
で移動機構を安定して移動させることができ、レーザ光
照射部6の移動路の精度を高く保つことができる。
【0029】そして支持プレート21は空気圧の制御に
より水平に維持されており、またこの支持プレート21
上に真空チャンバ3を支持しているため、前記移動路及
びLCD基板4を共に高い精度で水平に設定できるので
双方を正確に設定でき、レーザ光の走査照射を高精度に
行うことができる。また支持プレート21としては、必
ずしも空気圧などで水平に制御されていなくても、外部
からの振動が伝わらないような構造のものであってもよ
い。
より水平に維持されており、またこの支持プレート21
上に真空チャンバ3を支持しているため、前記移動路及
びLCD基板4を共に高い精度で水平に設定できるので
双方を正確に設定でき、レーザ光の走査照射を高精度に
行うことができる。また支持プレート21としては、必
ずしも空気圧などで水平に制御されていなくても、外部
からの振動が伝わらないような構造のものであってもよ
い。
【0030】ここでa−Si:H膜に対してレーザアニ
ールを行うにあたり、レーザ光の照射パターンを以下の
ように種々変えて、a−Si:H膜から放出された水素
の量を質量分析器5により検出し、a−Si:H膜の状
態を観察する試験を行った。 (パターン1) ガラス基板上にプラズマCVDにより膜厚1000オン
グストロームのa−Si:H膜を形成した試験基板を、
図1に示す装置の真空チャンバ3内に配置して真空チャ
ンバ3内の圧力を2.5×10−7Torrに設定し、
次のようにしてレーザアニールを行った。
ールを行うにあたり、レーザ光の照射パターンを以下の
ように種々変えて、a−Si:H膜から放出された水素
の量を質量分析器5により検出し、a−Si:H膜の状
態を観察する試験を行った。 (パターン1) ガラス基板上にプラズマCVDにより膜厚1000オン
グストロームのa−Si:H膜を形成した試験基板を、
図1に示す装置の真空チャンバ3内に配置して真空チャ
ンバ3内の圧力を2.5×10−7Torrに設定し、
次のようにしてレーザアニールを行った。
【0031】先ずa−Si:H膜の走査領域を図4
(a)に示すように5つの領域A〜Eに分割し、エキシ
マレーザ光発振源を用いて、その全面に120mJの出
力エネルギーで、ビームサイズを0.9cm×0.9c
mとしてレーザ光を所定回数だけ重ねて照射したとこ
ろ、出力エネルギーと重ね回数と水素放出量との関係は
図5に示す通りであった。なおこの場合の全光学系の透
過率は70%である。ただし図5中縦軸は、質量分析器
における水素(H2)に対応した出力電流値であり、実
際には各領域毎に3分割して夫々同様の処理を行い、3
回の処理における出力電流値の平均値を求めている。ま
た重ね回数とは、各領域の一端から他端まで走査照射す
るプロセスを1回の走査と呼ぶとすると、同じ領域につ
いて何回目の走査であるかという意味である。なおこの
実験においては、a−Si:H膜の損傷は見られなかっ
た。各領域の間における出力電流のばらつきは実験誤差
によるものと思われる。
(a)に示すように5つの領域A〜Eに分割し、エキシ
マレーザ光発振源を用いて、その全面に120mJの出
力エネルギーで、ビームサイズを0.9cm×0.9c
mとしてレーザ光を所定回数だけ重ねて照射したとこ
ろ、出力エネルギーと重ね回数と水素放出量との関係は
図5に示す通りであった。なおこの場合の全光学系の透
過率は70%である。ただし図5中縦軸は、質量分析器
における水素(H2)に対応した出力電流値であり、実
際には各領域毎に3分割して夫々同様の処理を行い、3
回の処理における出力電流値の平均値を求めている。ま
た重ね回数とは、各領域の一端から他端まで走査照射す
るプロセスを1回の走査と呼ぶとすると、同じ領域につ
いて何回目の走査であるかという意味である。なおこの
実験においては、a−Si:H膜の損傷は見られなかっ
た。各領域の間における出力電流のばらつきは実験誤差
によるものと思われる。
【0032】(パターン2) パターン1の実験の後、領域A〜Eに対して夫々160
mJ、200mJ、240mJ、280mJ、340m
Jの出力エネルギーでレーザ光を所定回数だけ重ねて照
射したところ、出力エネルギーと重ね回数と水素放出量
との関係は図6に示す通りであった。この実験において
もa−Si:H膜の損傷は見られなかった。
mJ、200mJ、240mJ、280mJ、340m
Jの出力エネルギーでレーザ光を所定回数だけ重ねて照
射したところ、出力エネルギーと重ね回数と水素放出量
との関係は図6に示す通りであった。この実験において
もa−Si:H膜の損傷は見られなかった。
【0033】(パターン3) パターン1と同様の実験を行ったが、ここではa−S
i:H膜の同じ走査領域に対してレーザ光の出力エネル
ギーを120mJ、160mJ、220mJ、280m
J、340mJ、450mJと何回も重ね合わせて順次
大きくしている。結果は図7に示す通りである。この実
験においてもa−Si:H膜の損傷は見られなかった。
i:H膜の同じ走査領域に対してレーザ光の出力エネル
ギーを120mJ、160mJ、220mJ、280m
J、340mJ、450mJと何回も重ね合わせて順次
大きくしている。結果は図7に示す通りである。この実
験においてもa−Si:H膜の損傷は見られなかった。
【0034】(パターン4) パターン1と同様にa−Si:H膜の走査領域を5つの
領域に分割し、夫々出力エネルギー110mJ、160
mJ、200mJ、240mJ、280mJのレーザ光
を照射したところ図8に示す結果が得られた。この実験
においては、出力エネルギー200mJ以上のレーザ光
を照射した領域については膜の損傷が見られた。
領域に分割し、夫々出力エネルギー110mJ、160
mJ、200mJ、240mJ、280mJのレーザ光
を照射したところ図8に示す結果が得られた。この実験
においては、出力エネルギー200mJ以上のレーザ光
を照射した領域については膜の損傷が見られた。
【0035】(パターン5) パターン3と同様にして、a−Si:H膜の同じ走査領
域に対してレーザ光の出力エネルギーを120mJ、1
60mJ、340mJ、450mJと順次大きくしてい
る。結果は図9に示す通りである。この実験において
は、出力エネルギーが340mJまでは膜の損傷は見ら
れなかったが、出力エネルギーが450mJのときに膜
の損傷が見られた。
域に対してレーザ光の出力エネルギーを120mJ、1
60mJ、340mJ、450mJと順次大きくしてい
る。結果は図9に示す通りである。この実験において
は、出力エネルギーが340mJまでは膜の損傷は見ら
れなかったが、出力エネルギーが450mJのときに膜
の損傷が見られた。
【0036】(パターン6) パターン5と同様にして、a−Si:H膜の同じ走査領
域に対してレーザ光の出力エネルギーを120mJ、4
50mJと順次大きくしたところ図10に示す結果が得
られ、出力エネルギーが450mJのときに膜の損傷が
見られた。
域に対してレーザ光の出力エネルギーを120mJ、4
50mJと順次大きくしたところ図10に示す結果が得
られ、出力エネルギーが450mJのときに膜の損傷が
見られた。
【0037】(パターン7) パターン3と同様にして、図11に示すように120m
Jから480mJの間でa−Si:H膜の同じ走査領域
に対してレーザ光の出力エネルギーを順次大きくしたと
ころ膜の損傷は見られなかった。ただしレーザビームサ
イズは0.65cm×0.65cm、全光学系の透過率
は70%である。なおレーザ光を480mJで照射する
ことによりa−Si:H膜は多結晶化しており、このこ
とはX線解析装置により確認している。レーザ光の出力
エネルギーが480mJのときには、照射エネルギー密
度は781.4mJ/cm2であり、a−Si:H膜に
おける波長=248mでの光吸収率が30%であるため
a−Si:H膜の吸収エネルギー密度は234.4mJ
/cm2である。
Jから480mJの間でa−Si:H膜の同じ走査領域
に対してレーザ光の出力エネルギーを順次大きくしたと
ころ膜の損傷は見られなかった。ただしレーザビームサ
イズは0.65cm×0.65cm、全光学系の透過率
は70%である。なおレーザ光を480mJで照射する
ことによりa−Si:H膜は多結晶化しており、このこ
とはX線解析装置により確認している。レーザ光の出力
エネルギーが480mJのときには、照射エネルギー密
度は781.4mJ/cm2であり、a−Si:H膜に
おける波長=248mでの光吸収率が30%であるため
a−Si:H膜の吸収エネルギー密度は234.4mJ
/cm2である。
【0038】(パターン8) パターン3と同様にして、a−Si:H膜の同じ走査領
域に対してレーザ光の出力エネルギーを120mJ、2
20mJ、400mJ、480mJ(レーザビームサイ
ズは0.65cm×0.65cm、全光学系の透過率は
70%である。)と順次大きくし、また同様にa−S
i:H膜の別の走査領域に対してレーザ光の出力エネル
ギーを160mJ、280mJ、380mJ、480m
Jと順次大きくしたところ図12に示す結果が得られ
た。ただし斜線をいれたポイントの出力電流値は25A
を越えている。この実験ではいずれも膜の損傷が見られ
た。
域に対してレーザ光の出力エネルギーを120mJ、2
20mJ、400mJ、480mJ(レーザビームサイ
ズは0.65cm×0.65cm、全光学系の透過率は
70%である。)と順次大きくし、また同様にa−S
i:H膜の別の走査領域に対してレーザ光の出力エネル
ギーを160mJ、280mJ、380mJ、480m
Jと順次大きくしたところ図12に示す結果が得られ
た。ただし斜線をいれたポイントの出力電流値は25A
を越えている。この実験ではいずれも膜の損傷が見られ
た。
【0039】以上の結果から最初から大きなエネルギー
をa−Si:H膜に与えると内部の水素が一気に噴き出
して膜が損傷し、また最初に与えるエネルギーが小さく
てもその後急激に大きなエネルギーを加えたときにやは
り同様に膜が損傷するが、最初小さいエネルギーを与
え、その後段階的にエネルギーを大きくしていけば膜が
損傷しないことが理解される。このことは、レーザ光の
照射エネルギーを段階的に大きくしていくことにより、
膜中の水素が徐々に放出され、放出による衝撃が小さい
ので膜の損傷に至らないものと推察される。
をa−Si:H膜に与えると内部の水素が一気に噴き出
して膜が損傷し、また最初に与えるエネルギーが小さく
てもその後急激に大きなエネルギーを加えたときにやは
り同様に膜が損傷するが、最初小さいエネルギーを与
え、その後段階的にエネルギーを大きくしていけば膜が
損傷しないことが理解される。このことは、レーザ光の
照射エネルギーを段階的に大きくしていくことにより、
膜中の水素が徐々に放出され、放出による衝撃が小さい
ので膜の損傷に至らないものと推察される。
【0040】以上において本発明は、LCD基板のドラ
イバ部を形成するためにa−Si:H膜を多結晶化する
ことに限らず、他の基板に形成されたa−Si:H膜を
多結晶化して多結晶シリコンTFTなどを形成する場合
に適用してもよい。
イバ部を形成するためにa−Si:H膜を多結晶化する
ことに限らず、他の基板に形成されたa−Si:H膜を
多結晶化して多結晶シリコンTFTなどを形成する場合
に適用してもよい。
【0041】更にまたレーザ光の照射エネルギーを大き
くしていくにあたっては、非晶質半導体薄膜内の水素を
段階的に放出することができればよく、例えばエネルギ
ーを段階的に大きくしていくと共に各エネルギーの走査
回数を1回としてもよい。
くしていくにあたっては、非晶質半導体薄膜内の水素を
段階的に放出することができればよく、例えばエネルギ
ーを段階的に大きくしていくと共に各エネルギーの走査
回数を1回としてもよい。
【0042】本発明装置は、水素化非晶質半導体薄膜を
多結晶化することに限定されるものではなく、また被処
理体の被処理面を上に向けて、窓を透過したレーザ光を
ミラーなどを用いて被処理面に導くようにしてもよいし
あるいは処理室の側面に窓を配置すると共に、レーザ光
照射部よりのレーザ光を当該窓に向けて反射するように
ミラーを窓の横に設けてもよい。
多結晶化することに限定されるものではなく、また被処
理体の被処理面を上に向けて、窓を透過したレーザ光を
ミラーなどを用いて被処理面に導くようにしてもよいし
あるいは処理室の側面に窓を配置すると共に、レーザ光
照射部よりのレーザ光を当該窓に向けて反射するように
ミラーを窓の横に設けてもよい。
【0043】なお、本発明の実施例において水素放出量
をモニタしつつ、多結晶半導体薄膜を製造する方法につ
いて述べたが、予め同一薄膜の同一サイズの基板につ
き、レ−ザ照射強度・回数・水素放出量の関係を導き出
した後、水素放出量のモニタに換えて前記関係より導き
出される習熟則より、水素放出量のモニタを行うことな
く多結晶半導体薄膜を製造することは本発明の趣旨に沿
うものである。
をモニタしつつ、多結晶半導体薄膜を製造する方法につ
いて述べたが、予め同一薄膜の同一サイズの基板につ
き、レ−ザ照射強度・回数・水素放出量の関係を導き出
した後、水素放出量のモニタに換えて前記関係より導き
出される習熟則より、水素放出量のモニタを行うことな
く多結晶半導体薄膜を製造することは本発明の趣旨に沿
うものである。
【0044】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、レーザ光の照
射エネルギーを順次大きくしていくため、水素化非晶質
半導体薄膜に含まれる水素が多量に一度に放出されない
ので、水素の放出による前記薄膜の損傷を防止すること
ができ、また水素化非晶質半導体薄膜から放出される水
素の量を監視しながらレーザ光の照射エネルギー設定し
ているので、確実に水素の放出終了時を知ることができ
る。
射エネルギーを順次大きくしていくため、水素化非晶質
半導体薄膜に含まれる水素が多量に一度に放出されない
ので、水素の放出による前記薄膜の損傷を防止すること
ができ、また水素化非晶質半導体薄膜から放出される水
素の量を監視しながらレーザ光の照射エネルギー設定し
ているので、確実に水素の放出終了時を知ることができ
る。
【0045】また請求項2の発明によれば、処理室の下
方側からレーザ光を照射するようにしているため、レー
ザ光照射部の移動機構を支面に固定できるので、装置構
成が簡単な上、レーザ光照射部を精度よく移動させるこ
とができ、結局水素化非晶質半導体薄膜の製造を高精度
で行うことができる。
方側からレーザ光を照射するようにしているため、レー
ザ光照射部の移動機構を支面に固定できるので、装置構
成が簡単な上、レーザ光照射部を精度よく移動させるこ
とができ、結局水素化非晶質半導体薄膜の製造を高精度
で行うことができる。
【図1】本発明の実施例に係る装置を示す縦断側面図で
ある。
ある。
【図2】本発明の実施例に係る装置の外観を示す斜視図
である。
である。
【図3】レーザアニールの一例を模式的に示す説明図で
ある。
ある。
【図4】a−Si:H膜の走査照射領域の一例を示す説
明図である。
明図である。
【図5】レーザ光の照射設定パターンと水素の放出量と
の関係を示す特性図である。
の関係を示す特性図である。
【図6】レーザ光の照射設定パターンと水素の放出量と
の関係を示す特性図である。
の関係を示す特性図である。
【図7】レーザ光の照射設定パターンと水素の放出量と
の関係を示す特性図である。
の関係を示す特性図である。
【図8】レーザ光の照射設定パターンと水素の放出量と
の関係を示す特性図である。
の関係を示す特性図である。
【図9】レーザ光の照射設定パターンと水素の放出量と
の関係を示す特性図である。
の関係を示す特性図である。
【図10】レーザ光の照射設定パターンと水素の放出量
との関係を示す特性図である。
との関係を示す特性図である。
【図11】レーザ光の照射設定パターンと水素の放出量
との関係を示す特性図である。
との関係を示す特性図である。
【図12】レーザ光の照射設定パターンと水素の放出量
との関係を示す特性図である。
との関係を示す特性図である。
【図13】LCD基板を模式的に示す説明図である。
【図14】LCDの外観を示す斜視図である。
2 空気支持機構 21 支持プレート 3 真空チャンバ 4 LCD基板 5 質量分析器 6 レーザ光照射部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 27/12 H01L 29/78 627G 29/786 (56)参考文献 特開 平2−177422(JP,A) 特開 平2−295111(JP,A) 特開 昭64−76715(JP,A) 特開 平1−276623(JP,A) 特開 平4−102311(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 21/20 H01L 21/268
Claims (2)
- 【請求項1】 水素化非晶質半導体薄膜をレーザ光の照
射により多結晶化し製造する方法において、 水素化非晶質半導体薄膜から放出される水素の量を監視
しながら、レーザ光の照射エネルギーを順次大きくして
水素化非晶質半導体薄膜中の水素を段階的に放出させる
ことを特徴とする多結晶半導体薄膜の製造方法。 - 【請求項2】 被処理体の表面の水素化非晶質半導体薄
膜をレーザアニールする装置において、 レーザ光を透過するための窓が形成され、被処理体を載
置する載置部が設けられた処理室と、 この処理室の下方側に設けられ、前記窓を介して被処理
体の被処理面にレーザ光を照射するためのレーザ光照射
部と、 このレーザ光照射部と前記被処理体とを相対的に移動さ
せるための移動機構と、水素化非晶質半導体薄膜から放出される水素の量を監視
する手段と、を備え、 前記レーザ光照射部により被処理体の同一領域を複数回
走査照射し、各走査照射時における水素の量の監視結果
に基づいてレーザ光照射部から照射されるレ−ザ光の照
射エネルギ−を順次大きくして水素化非晶質半導体薄膜
中の水素を段階的に放出させる ことを特徴とするレーザ
アニール装置。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4102012A JP2986132B2 (ja) | 1992-03-27 | 1992-03-27 | 多結晶半導体薄膜の製造方法及びレ−ザアニ−ル装置 |
US08/038,621 US5372836A (en) | 1992-03-27 | 1993-03-26 | Method of forming polycrystalling silicon film in process of manufacturing LCD |
KR1019930004900A KR100196196B1 (ko) | 1992-03-27 | 1993-03-27 | Lcd의 제조프로세서에 있어서의 폴리크리스탈 실리콘막의 형성방법 |
US08/764,205 USRE36371E (en) | 1992-03-27 | 1996-12-13 | Method of forming polycrystalline silicon film in process of manufacturing LCD |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4102012A JP2986132B2 (ja) | 1992-03-27 | 1992-03-27 | 多結晶半導体薄膜の製造方法及びレ−ザアニ−ル装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05275336A JPH05275336A (ja) | 1993-10-22 |
JP2986132B2 true JP2986132B2 (ja) | 1999-12-06 |
Family
ID=14315856
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4102012A Expired - Fee Related JP2986132B2 (ja) | 1992-03-27 | 1992-03-27 | 多結晶半導体薄膜の製造方法及びレ−ザアニ−ル装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2986132B2 (ja) |
Families Citing this family (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3778456B2 (ja) * | 1995-02-21 | 2006-05-24 | 株式会社半導体エネルギー研究所 | 絶縁ゲイト型薄膜半導体装置の作製方法 |
US6027960A (en) | 1995-10-25 | 2000-02-22 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Laser annealing method and laser annealing device |
US6391690B2 (en) | 1995-12-14 | 2002-05-21 | Seiko Epson Corporation | Thin film semiconductor device and method for producing the same |
JP3349355B2 (ja) * | 1996-08-19 | 2002-11-25 | 三洋電機株式会社 | 半導体膜のレーザーアニール方法 |
US7087504B2 (en) | 2001-05-18 | 2006-08-08 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Method of manufacturing a semiconductor device by irradiating with a laser beam |
US6844523B2 (en) | 2001-09-07 | 2005-01-18 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Laser apparatus, laser irradiation method, manufacturing method for a semiconductor device, semiconductor device and electronic equipment |
US7589032B2 (en) | 2001-09-10 | 2009-09-15 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Laser apparatus, laser irradiation method, semiconductor manufacturing method, semiconductor device, and electronic equipment |
JP2005327925A (ja) * | 2004-05-14 | 2005-11-24 | Dainippon Printing Co Ltd | 多結晶シリコン膜の製造方法 |
TWI624862B (zh) | 2012-06-11 | 2018-05-21 | 應用材料股份有限公司 | 在脈衝式雷射退火中使用紅外線干涉技術之熔化深度測定 |
-
1992
- 1992-03-27 JP JP4102012A patent/JP2986132B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH05275336A (ja) | 1993-10-22 |
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