JP3195082B2 - 金属部材の曲げ加工装置 - Google Patents

金属部材の曲げ加工装置

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JP3195082B2 JP33748792A JP33748792A JP3195082B2 JP 3195082 B2 JP3195082 B2 JP 3195082B2 JP 33748792 A JP33748792 A JP 33748792A JP 33748792 A JP33748792 A JP 33748792A JP 3195082 B2 JP3195082 B2 JP 3195082B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミ型材等の金属部
材をプッシャにより押して曲げ加工する金属部材の曲げ
加工装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の自動車では、車体の軽量化のた
め、そのフレーム材としてアルミニウム合金あるいはマ
グネシウム合金等の軽合金の引き出し材あるいは押し出
し材が使用されている。このような金属部材は車体のフ
レーム材として使用される場合、曲げ加工装置によって
所定の形状に曲げ加工されている。
【0003】この種の曲げ加工装置としては、特開平3
−66419号公報に開示されているように、固定ダイ
と、三次元方向に移動可能な可動ジャイロダイとを備
え、上記の金属部材を固定ダイと可動ジャイロダイとに
通し、金属部材における固定ダイから可動ジャイロダイ
とは反対側に突出している部分、即ち金属部材における
上流側端部を押しながら可動ジャイロダイを移動させ、
金属部材を固定ダイ内と可動ジャイロダイ内とを強制的
に移動させることにより所定形状に曲げ加工するものが
知られている。
【0004】しかしながら、上記の曲げ加工装置での曲
げ加工においては、金属部材の変形抵抗が大きいため、
図6に示すように、例えば方形の管状をなす金属部材5
1を固定ダイ52と可動ジャイロダイ53とに通し、プ
ッシャ54によって金属部材51の上流側端部を押した
場合、金属部材51が降伏点の低いアルミニウム材料か
らなるものであると、プッシャ54と固定ダイ52との
間が塑性変形し、座屈部51aが発生し易いものとなっ
ている。
【0005】一方、特開昭58−93516号公報に
は、従来タイプのベンダにおいて、案内ロールからの出
口部近傍における金属部材の外周に、金属部材を高周波
誘導加熱する高周波加熱コイルを設けた構成が開示され
ている。従って、図7に示すように、上記の高周波加熱
コイル55を前述の曲げ加工装置に備えることが考えら
れ、このような構成によれば、金属部材の曲げ加工部が
加熱されてこの部分の変形抵抗が低下するので、固定ダ
イ53とプッシャ54との間における上記の座屈部51
aの発生を抑制することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の構成
では、金属部材51を先ず一方向に曲げ、その後、その
上流側部位を反対の方向に曲げる場合、即ち金属部材5
1をほぼS字形に曲げる場合、所望の湾曲形状を得るこ
とができないという問題点を有している。
【0007】即ち、上記のような曲げ加工は、先ず、図
8の(a)に示す金属部材51が直線状の状態から、同
図の(b)に示すように、可動ジャイロダイ53を一方
向へ回転移動させて、金属部材51を先ず一方向へ曲
げ、次に、同図の(c)に示すように、可動ジャイロダ
イ53を固定ダイ52と並ぶ初期位置に一旦戻し、その
後、同図の(d)に示すように、可動ジャイロダイ53
を反対の方向へ回転移動させて金属部材51を反対方向
へ曲げることにより行っている。この場合、同図の
(c)に示すように、可動ジャイロダイ53を初期位置
に戻して、金属部材51の曲げ戻しを行うとき、金属部
材51における固定ダイ52と可動ジャイロダイ53と
の間の部位は、同図の(b)に示すように曲げられた状
態から、同図の(c)に二点鎖線で示す直線状態に戻る
ことができない。従って、その後、同図の(d)に示す
ように、反対方向への曲げを行ったときに、所望の湾曲
形状を得ることができないことになる。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の金属部
材の曲げ加工装置は、上記の課題を解決するために、固
定ダイの上流側にプッシャを備えるとともに、固定ダイ
の下流側に可動ダイ、例えば可動ジャイロダイを備え、
上記のプッシャにより金属部材、例えば金属管をその後
端部側から固定ダイ方向へ押し出しながら可動ダイを移
動させて曲げ加工を行う金属部材の曲げ加工装置におい
て、上記の固定ダイ出口部の金属部材を加熱する第1加
熱手段と、可動ダイ入口部の金属部材を加熱する第2加
熱手段とを備えるとともに、これら第1加熱手段と第2
加熱手段との作動を制御する加熱制御手段を備え、この
加熱制御手段は、上記の可動ダイが初期位置から一方向
へ移動することにより金属部材の所定部位が一方向へ曲
げられ、次に、可動ダイが上記の一方向の位置から初期
位置へ戻ることより金属部材における一方向への曲げ加
工部の部分的な曲げ戻しが行われ、その後、可動ダイが
所定方向、例えば上記の一方向あるいはその他の方向へ
移動することにより金属部材の一方向への曲げ加工部の
上流側が所定方向に曲げられる曲げ加工の際、金属部材
が上記のように一方向へ曲げられるとき、およびこの一
方向への曲げ加工部の上流側が所定方向へ曲げられると
きに、少なくとも第1加熱手段が作動し、金属部材にお
ける上記の一方向への曲げ加工部の部分的な曲げ戻しが
行われるときに、第2加熱手段のみが作動するように制
御するものであることを特徴としている。
【0009】請求項2の発明の金属部材の曲げ加工装置
は、上記の課題を解決するために、請求項1に記載の金
属部材の曲げ加工装置において、加熱制御手段が、可動
ダイによる金属部材の曲げ加工の曲率に応じた温度に金
属部材が加熱されるように制御するものであることを特
徴としている。
【0010】請求項3の発明の金属部材の曲げ加工装置
は、上記の課題を解決するために、請求項1に記載の金
属部材の曲げ加工装置において、第1加熱手段および第
2加熱手段が、金属部材の曲げ加工部における内面側と
外面側とを異なる温度に加熱し得るものからなり、加熱
制御手段が、可動ダイによる金属部材の曲げ方向に基づ
いて、金属部材の曲げ加工部における内面側の温度が外
面側の温度よりも低くなるように制御するものであるこ
とを特徴としている。
【0011】
【作用】請求項1の構成によれば、可動ダイが初期位置
から一方向へ移動することにより金属部材の所定部位が
一方向へ曲げられるとき、および可動ダイが所定方向、
例えば上記の一方向あるいはその他の方向へ移動するこ
とにより金属部材の一方向への曲げ加工部の上流側が所
定方向に曲げられるときには、加熱制御手段の制御によ
り、少なくとも固定ダイ出口部の金属部材が加熱される
ので、曲げ加工部の変形抵抗が低下し、固定ダイとプッ
シャとの間において座屈部を生じることなく曲げ加工を
行うことができる。
【0012】また、可動ダイが上記の一方向の位置から
初期位置へ戻ることにより金属部材における一方向への
曲げ加工部の部分的な曲げ戻しが行われるときには、可
動ダイ入口部の金属部材のみが加熱されるので、金属部
材における固定ダイと可動ダイとの間の部位を直線状に
戻すことができる。従って、上記のように金属部材をさ
らに所定方向へ曲げたときには、その部位を良好な湾曲
形状に形成することができ、金属部材の所定部位を一方
向に曲げ、さらにその上流側を所定方向に曲げる曲げ加
工において、金属部材を所望の形状に加工することがで
きる。
【0013】請求項2の構成よれば、請求項1の構成に
よる作用に加えて、加熱制御手段により可動ダイによる
金属部材の曲げ加工の曲率に応じた温度に金属部材が加
熱されるように加熱手段が制御されるので、金属部材に
対しての過度の加熱による曲げ加工部での座屈の発生、
および加熱不足による曲げ加工部での割れの発生を防止
することができ、加熱温度を常に一定に設定している場
合と比較して、良好な曲げ加工が可能となる。
【0014】請求項3の構成によれば、請求項1の構成
による作用に加えて、加熱制御手段は、金属部材の曲げ
加工部における内面側と外面側とを異なる温度に加熱し
得るものからなり、加熱制御手段は、可動ダイによる金
属部材の曲げ方向に基づいて、金属部材の曲げ加工部に
おける内面側の温度が外面側の温度よりも低くなるよう
に第1加熱手段および第2加熱手段を制御するので、金
属部材における曲げの内面側での座屈の発生と曲げの外
面側での割れの発生とを防止することができ、金属部材
における曲げの内面側と外面側とを同一の温度に加熱し
ている場合と比較して、良好な曲げ加工が可能となる。
【0015】即ち、例えば金属部材における曲げの内面
側と外面側とを同一の温度に加熱している場合、曲げの
外面側での割れを防止し得る温度に曲げ加工部を加熱す
れば、曲げの内面側では降伏点が低下し過ぎて座屈を生
じる一方、曲げの内面側での座屈を防止し得る温度に抑
えて曲げ加工部を加熱すれば、曲げの外面側では十分な
延びが生じず、割れが発生する。従って、金属部材にお
ける曲げの内面側と外面側とに対して上記のような温度
制御を行えば、曲げ加工部において座屈および割れを生
じることなく、良好な曲げ加工が可能となる。
【0016】
【実施例】
〔実施例1〕本発明の一実施例を図1ないし図3に基づ
いて以下に説明する。本実施例の曲げ加工装置は、図1
に示すように、アルミニウム合金の押し出し材である金
属部材としての方形の金属管1の曲げ加工を行うものと
なっている。この曲げ加工装置は、固定ダイ2、この固
定ダイ2の前方、即ち金属管1の押し出し方向における
下流側に設けられた可動ダイとしての可動ジャイロダイ
3、および固定ダイ2の上流側に設けられたプッシャ4
を備えている。
【0017】上記の固定ダイ2は所定位置に固定され、
可動ジャイロダイ3は金属管1の曲げ方向に応じて上下
左右および回転方向、即ち三次元方向に駆動されるよう
になっている。また、プッシャ4は、断面が金属管1と
ほぼ同形の管状をなし、金属管1の上流側端部を押し
て、固定ダイ2と可動ジャイロダイ3とに挿通されてい
る金属管1を下流側へ押し出すものとなっている。
【0018】さらに、本曲げ加工装置は、上記の固定ダ
イ2の出口部における金属管1の外周に高周波加熱コイ
ル5を備え、可動ジャイロダイ3の入口部における金属
管1の外周に高周波加熱コイル6を備えている。これら
高周波加熱コイル5・6は、金属管1を高周波誘導加熱
するものであり、図2に示すように、切換えスイッチ7
を介して高周波発振器8と接続されている。そして、上
記の高周波加熱コイル5と高周波発振器8により第1加
熱手段が構成され、高周波加熱コイル6と高周波発振器
8とにより第2加熱手段が構成されている。
【0019】また、上記の切換えスイッチ7の切り換え
動作および高周波発振器8の作動は、可動ジャイロダイ
3の図示しない駆動装置を制御するジャイロダイ駆動制
御装置10から出力される駆動制御信号に基づいて、加
熱制御装置9により制御される。即ち、この加熱制御装
置9は、可動ジャイロダイ3による曲げ加工が行われる
際に、高周波発振器8を作動させるとともに、高周波発
振器8の出力が所定の高周波加熱コイル5または高周波
加熱コイル6に供給されるように切換えスイッチ7に切
り換え動作を行わせるものとなっている。そして、上記
の切換えスイッチ7および加熱制御装置9により加熱制
御手段が構成されている。
【0020】上記の構成において、本曲げ加工装置によ
り金属管1の所定部位を一方向に曲げ、その上流側を反
対方向に曲げる加工、即ち金属管1をほぼS字形に曲げ
る加工を行う際には、先ず図3の(a)に示すように、
金属管1を固定ダイ2側から固定ダイ2と可動ジャイロ
ダイ3とに挿通させる。
【0021】次に、プッシャ4にて金属管1を一定速度
で押し出しながら、加熱制御装置9の制御により、高周
波発振器8を作動させ、切換えスイッチ7を高周波加熱
コイル5側に切り換えて、金属管1における固定ダイ2
の出口部を加熱する。この状態で、図3の(a)に示す
状態から同図の(b)に示すように、可動ジャイロダイ
3を一方向へ回転させながら移動させ、金属管1を一方
向に曲げる。
【0022】次に、切換えスイッチ7を高周波加熱コイ
ル6側に切り換えて、金属管1における可動ジャイロダ
イ3の入口部を加熱し、上記の状態から同図の(c)に
示すように、可動ジャイロダイ3を元の初期位置に戻
し、金属管1における固定ダイ2と可動ジャイロダイ3
との間の部位の曲げ戻しを行う。
【0023】次に、切換えスイッチ7を再び高周波加熱
コイル5に切り換えて、金属管1における固定ダイ2の
出口部を加熱し、可動ジャイロダイ3を上記の方向とは
反対の方向へ回転させながら移動させ、金属管1を反対
方向に曲げる。これによって金属管1に対するほぼS字
形の曲げ加工が終了する。
【0024】尚、上記の図3の(a)に示す状態から同
図の(b)に示す状態への曲げ加工、および同図の
(c)に示す状態から同図の(d)に示す状態への曲げ
加工の際には、高周波加熱コイル5に加えて高周波加熱
コイル6を作動させてもよい。この場合、切換えスイッ
チ7は、高周波発振器8の出力が高周波加熱コイル5お
よび高周波加熱コイル6の両方に供給される状態と、高
周波加熱コイル6のみに供給される状態とに切り換える
ものとなる。
【0025】上記の曲げ加工において、図3の(a)に
示す状態から同図の(b)に示す状態に金属管1を曲げ
る際、および同図の(c)に示す状態から同図の(d)
に示す状態に金属管1を曲げる際には、高周波加熱コイ
ル5によって金属管1における固定ダイ2の出口部が加
熱され、この曲げ加工部の変形抵抗が低下するので、固
定ダイ2とプッシャ4との間で金属管1に座屈を生じる
ことなく、曲げ加工を行うことができる。
【0026】また、図3の(b)に示す状態から同図の
(c)に示す状態に金属管1における固定ダイ2と可動
ジャイロダイ3との間の部位の曲げ戻しを行う際には、
高周波加熱コイル6によって金属管1における可動ジャ
イロダイ3の入口部が加熱されるので、金属管1におけ
る固定ダイ2と可動ジャイロダイ3との間の部位を直線
状に戻すことができる。従って、同図の(d)に示すよ
うに、金属管1をさらに反対方向へ曲げたときには、そ
の部位を良好な湾曲形状に形成することができ、金属管
1を適切にほぼS字形に曲げ加工することができる。
【0027】〔実施例2〕本発明の他の実施例を図1、
図4および図5に基づいて以下に説明する。尚、説明の
便宜上、前記の実施例の図面に示した手段と同一の機能
を有する手段には同一の符号を付記し、その説明を省略
する。
【0028】本実施例の曲げ加工装置は、図1に示した
構成において、高周波加熱コイル5に代えて、図4に示
すように、高周波加熱コイル21a〜21dを備えると
ともに、高周波加熱コイル6に代えて、上記の高周波加
熱コイル21a〜21dと同様に配された高周波加熱コ
イル22a〜22dを備えている。これら高周波加熱コ
イル21a〜21d・22a〜22dは、断面が方形を
なす金属管1の4面に個別に対応している。
【0029】図5に示すように、上記の高周波加熱コイ
ル21a・22aは、切換えスイッチ23aを介して高
周波発振器24aと接続され、高周波加熱コイル21b
・22bは、切換えスイッチ23bを介して高周波発振
器24bと接続され、高周波加熱コイル21c・22c
は、切換えスイッチ23cを介して高周波発振器24c
と接続され、高周波加熱コイル21d・22dは、切換
えスイッチ23dを介して高周波発振器24dと接続さ
れている。そして、上記の高周波加熱コイル21a〜2
1dと高周波発振器24a〜24dとにより第1加熱手
段が構成され、高周波加熱コイル22a〜22dと高周
波発振器24a〜24dとにより第2加熱手段が構成さ
れている。
【0030】また、上記の切換えスイッチ23a〜23
dの切り換え動作および高周波発振器24a〜24dの
作動は、ジャイロダイ駆動制御装置10から出力される
駆動制御信号に基づいて、加熱制御手段としての加熱制
御装置25により制御される。そして、上記の切換えス
イッチ23a〜23dおよび加熱制御装置25により加
熱制御手段が構成されている。
【0031】上記の加熱制御装置25は、可動ジャイロ
ダイ3による曲げ加工が行われる際に、高周波発振器2
4a〜24dを作動させるとともに、高周波発振器24
a〜24dの出力が所定の高周波加熱コイル21a〜2
1dまたは高周波加熱コイル22a〜22dに供給され
るように切換えスイッチ23a〜23dに切り換え動作
を行わせるものとなっている。加熱制御装置25の制御
による上記の切換えスイッチ23a〜23dの切り換え
動作は、前述の切換えスイッチ7の動作に対応し、高周
波加熱コイル5が作動する前記のタイミングで高周波加
熱コイル21a〜21dを作動させ、高周波加熱コイル
6が作動する前記のタイミングで高周波加熱コイル22
a〜22dを作動させるものとなっている。
【0032】即ち、図3において、高周波加熱コイル5
を高周波加熱コイル21a〜21dに置き換え、高周波
加熱コイル6を高周波加熱コイル22a〜22dに置き
換えて説明すれば、同図の(a)に示す状態から同図の
(b)に示す曲げを行うときには、高周波加熱コイル2
1a〜21dがON、高周波加熱コイル22a〜22d
がOFFとなり、同図の(b)に示す状態から同図の
(c)に示す曲げ戻しを行うときには、高周波加熱コイ
ル21a〜21dがOFF、高周波加熱コイル22a〜
22dがONとなる。また、同図の(c)に示す状態か
ら同図の(d)に示す曲げを行うときには、高周波加熱
コイル21a〜21dがON、高周波加熱コイル22a
〜22dがOFFとなる。
【0033】また、加熱制御装置25は、上記の駆動制
御信号によって示される金属管1の曲げ加工の曲率に基
づいて、金属管1に対する曲げ加工の曲率が小さい場合
には、金属管1に対する加熱温度が相対的に低くなり、
金属管1に対する曲げ加工の曲率が大きい場合には、金
属管1に対する加熱温度が相対的に高くなるように、高
周波発振器24a〜24dを制御する。また、曲げ加工
部の長さに応じて加熱時間も制御する。
【0034】上記のような曲げ加工の曲率に応じた制御
により、金属管1に対しての過度の加熱による曲げ加工
部での座屈の発生、および加熱不足による曲げ加工部で
の割れの発生を防止することができ、加熱温度を常に一
定に設定している場合と比較して、良好な曲げ加工が可
能となる。
【0035】尚、上記のように、各高周波加熱コイル2
1a〜21dおよび各高周波加熱コイル22a〜22d
に同一の加熱動作を行わせる場合は、図1に示したよう
に、高周波加熱コイル21a〜21dに対応する1個の
高周波加熱コイル5と高周波加熱コイル22a〜22d
に対応する1個の高周波加熱コイル6を備えるととも
に、これらに対応する1個の切換えスイッチおよび1個
の高周波発振器を備えた構成、即ち図1および図2に示
した構成でも対応可能である。
【0036】また、加熱制御装置25は、上記の駆動制
御信号によって示される金属管1の曲げ方向に基づい
て、金属管1の曲げの外面側と内面側とで加熱温度が異
なるように、即ち曲げの外面側では相対的に高温とな
り、曲げの内面側では相対的に低温となるように制御す
る。このような曲げ方向に応じた温度制御により、金属
管1における曲げの内面側での座屈の発生と曲げの外面
側での割れの発生とを防止することができ、良好な曲げ
加工が可能となる。
【0037】即ち、例えば金属管1における曲げの内面
側と外面側とを同一の温度に加熱している場合、曲げの
外面側での割れを防止し得る温度に曲げ加工部を加熱す
れば、曲げの内面側では座屈を生じる。これは、曲げ加
工の際に曲げの内面側が縮む動作を行う上において降伏
点が低下し過ぎるためである。一方、曲げの内面側での
座屈を防止し得る温度に抑えて曲げ加工部を加熱すれ
ば、曲げの外面側では十分な延びが生じず、割れが発生
する。従って、金属管1における曲げの内面側と外面側
とに対して上記のような温度制御を行えば、曲げ加工部
において座屈および割れを生じることなく、良好な曲げ
加工が可能となる。
【0038】尚、以上の実施例において、本曲げ加工装
置は、金属管1を一方向に曲げた後、その上流側を反対
方向に曲げるものとしているが、これに限定されること
なく、金属管1を一方向に曲げた後、その上流側を所定
方向、即ち同じ一方向またはその他の方向に曲げるもの
であってもよく、この場合にも、同様に良好な曲げ加工
を行うことができる。
【0039】また、上記の加熱手段は、高周波加熱コイ
ルと高周波発振器とからなるものとしているが、これに
限定されることなく、金属管1の所定領域を加熱可能な
周知の加熱技術を適用することができる。
【0040】また、本曲げ加工装置は、方形の閉断面を
有する金属部材を加工するものとなっているが、固定ダ
イ2、可動ジャイロダイ3および高周波加熱コイル5・
6・21a〜21d・22a〜22dの形状を加工する
金属部材の形状に応じて選定することにより、その他、
円形の閉断面、あるいはコ字形の開断面もくしはL字形
の開断面等を有する金属部材の加工にも適用可能であ
る。
【0041】
【発明の効果】請求項1の発明の金属部材の曲げ加工装
置は、以上のように、固定ダイ出口部の金属部材を加熱
する第1加熱手段と、可動ダイ入口部の金属部材を加熱
する第2加熱手段とを備えるとともに、これら第1加熱
手段と第2加熱手段との作動を制御する加熱制御手段を
備え、この加熱制御手段は、可動ダイが初期位置から一
方向へ移動することにより金属部材の所定部位が一方向
へ曲げられ、次に、可動ダイが上記の一方向の位置から
初期位置へ戻ることより金属部材における一方向への曲
げ加工部の部分的な曲げ戻しが行われ、その後、可動ダ
イが所定方向へ移動することにより金属部材の一方向へ
の曲げ加工部の上流側が所定方向に曲げられる曲げ加工
の際、金属部材が上記のように一方向へ曲げられると
き、およびこの一方向への曲げ加工部の上流側が所定方
向へ曲げられるときに、少なくとも第1加熱手段が作動
し、金属部材における上記の一方向への曲げ加工部の部
分的な曲げ戻しが行われるときに、第2加熱手段のみが
作動するように制御する構成である。
【0042】これにより、金属部材における一方向への
曲げ加工部の部分的な曲げ戻しが行われるときには、金
属部材における固定ダイと可動ダイとの間の部位を直線
状に戻すことができ、その後、金属部材をさらに所定方
向へ曲げたときには、その部位を良好な湾曲形状に形成
することができる。従って、金属部材の所定部位を一方
向に曲げ、さらにその上流側を所定方向に曲げる曲げ加
工において、金属部材を所望の形状に曲げ加工すること
ができるという効果を奏する。
【0043】請求項2の発明の金属部材の曲げ加工装置
は、以上のように、請求項1の発明の金属部材の曲げ加
工装置において、加熱制御手段が、可動ダイによる金属
部材の曲げ加工の曲率に応じた温度に金属部材が加熱さ
れるように制御する構成である。
【0044】これにより、請求項1の発明の効果に加え
て、金属部材に対しての過度の加熱による曲げ加工部で
の座屈の発生、および加熱不足による曲げ加工部での割
れの発生を防止することができ、加熱温度を常に一定に
設定している場合と比較して、良好な曲げ加工が可能で
あるという効果を奏する。
【0045】請求項3の発明の金属部材の曲げ加工装置
は、以上のように、請求項1の発明の金属部材の曲げ加
工装置において、第1加熱手段および第2加熱手段が、
金属部材の曲げ加工部における内面側と外面側とを異な
る温度に加熱し得るものからなり、加熱制御手段が、可
動ダイによる金属部材の曲げ方向に基づいて、金属部材
の曲げ加工部における内面側の温度が外面側の温度より
も低くなるように制御する構成である。
【0046】これにより、請求項1の発明の効果に加え
て、金属部材における曲げの内面側での座屈の発生と曲
げの外面側での割れの発生とを防止することができ、金
属部材における曲げの内面側と外面側とを同一の温度に
加熱している場合と比較して、良好な曲げ加工が可能で
あるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す金属部材の曲げ加工装
置の斜視図である。
【図2】図1に示した各高周波加熱コイルによる加熱動
作を制御する構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示した曲げ加工装置による金属管の曲げ
加工動作を示す説明図である。
【図4】本発明の他の実施例を示すものであって、金属
管に対する高周波加熱コイルの配設状態の説明図であ
る。
【図5】図4に示した各高周波加熱コイルによる加熱動
作を制御する構成を示すブロック図である。
【図6】従来の曲げ加工装置による曲げ加工において、
金属部材に座屈部が発生した状態を示す斜視図である。
【図7】金属管に対する加熱機能を備えたものとして考
えられる金属部材の曲げ加工装置の斜視図である。
【図8】図7に示した曲げ加工装置による金属管の曲げ
加工動作を示す説明図である。
【符号の説明】
1 金属管(金属部材) 2 固定ダイ 3 可動ジャイロダイ(可動ダイ) 4 プッシャ 5 高周波加熱コイル(第1加熱手段) 6 高周波加熱コイル(第2加熱手段) 7 切換えスイッチ(加熱制御手段) 8 高周波発振器(第1加熱手段、第2加熱
手段) 9 加熱制御装置(加熱制御手段) 21a〜21d 高周波加熱コイル(第1加熱手段) 22a〜22d 高周波加熱コイル(第2加熱手段) 23a〜23d 切換えスイッチ(加熱制御手段) 24a〜24d 高周波発振器(第1加熱手段、第2加
熱手段) 25 加熱制御装置(加熱制御手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西口 勝也 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−200928(JP,A) 特開 平3−258417(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21D 7/08 B21D 7/16

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定ダイの上流側にプッシャを備えるとと
    もに、固定ダイの下流側に可動ダイを備え、上記のプッ
    シャにより金属部材をその後端部側から固定ダイ方向へ
    押し出しながら可動ダイを移動させて曲げ加工を行う金
    属部材の曲げ加工装置において、 上記の固定ダイ出口部の金属部材を加熱する第1加熱手
    段と、可動ダイ入口部の金属部材を加熱する第2加熱手
    段とを備えるとともに、これら第1加熱手段と第2加熱
    手段との作動を制御する加熱制御手段を備え、この加熱
    制御手段は、上記の可動ダイが初期位置から一方向へ移
    動することにより金属部材の所定部位が一方向へ曲げら
    れ、次に、可動ダイが上記の一方向の位置から初期位置
    へ戻ることより金属部材における一方向への曲げ加工部
    の部分的な曲げ戻しが行われ、その後、可動ダイが所定
    方向へ移動することにより金属部材の一方向への曲げ加
    工部の上流側が所定方向に曲げられる曲げ加工の際、金
    属部材が上記のように一方向へ曲げられるとき、および
    この一方向への曲げ加工部の上流側が所定方向へ曲げら
    れるときに、少なくとも第1加熱手段が作動し、金属部
    材における上記の一方向への曲げ加工部の部分的な曲げ
    戻しが行われるときに、第2加熱手段のみが作動するよ
    うに制御するものであることを特徴とする金属部材の曲
    げ加工装置。
  2. 【請求項2】上記の加熱制御手段は、可動ダイによる金
    属部材の曲げ加工の曲率に応じた温度に金属部材が加熱
    されるように制御するものであることを特徴とする請求
    項1に記載の金属部材の曲げ加工装置。
  3. 【請求項3】上記の第1加熱手段および第2加熱手段
    は、金属部材の曲げ加工部における内面側と外面側とを
    異なる温度に加熱し得るものからなり、上記の加熱制御
    手段は、可動ダイによる金属部材の曲げ方向に基づい
    て、金属部材の曲げ加工部における内面側の温度が外面
    側の温度よりも低くなるように制御するものであること
    を特徴とする請求項1に記載の金属部材の曲げ加工装
    置。
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