JP3193850B2 - Xyインサーキットテスタのテストポイント決定方法 - Google Patents

Xyインサーキットテスタのテストポイント決定方法

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JP3193850B2 JP23224895A JP23224895A JP3193850B2 JP 3193850 B2 JP3193850 B2 JP 3193850B2 JP 23224895 A JP23224895 A JP 23224895A JP 23224895 A JP23224895 A JP 23224895A JP 3193850 B2 JP3193850 B2 JP 3193850B2
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  • Testing Of Short-Circuits, Discontinuities, Leakage, Or Incorrect Line Connections (AREA)
  • Tests Of Electronic Circuits (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プリント基板のテスト
を行なうXYインサーキットテスタに関するもので、特
にショート・テストにおいて検査すべきネット対の抽出
際して、ショート発生の可能性がある調査箇所のみを
抽出するXYインサーキットテスタのテストポイント決
定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子部品を実装したプリント基板の動作
テストを自動的に行なう手段の1つとして、インサーキ
ットテスタが知られている。インサーキットテスタは、
プリント基板上の電子部品のリード・ピンなどにテスタ
のプローブを接触させて、このプローブからテスト・パ
ターンを供給することで動作テストを行なう仕組みにな
っている。
【0003】しかし、このようなテスト方法はプローブ
を設置する治具を使うため、プリント基板が変わるごと
に費用と時間を費やして新たな治具を製作する必要があ
る。したがって、少量生産品や試作品のテストには適さ
ず、プリント基板の設計変更に対しても治具の改造が必
要となってくる。この点を改善するものとして、移動可
能なプローブを用いるXYインサーキットテスタがあ
り、プリント基板に応じて位置データを変えるだけで、
プローブの接触位置を自由に変更できる。しかしこのテ
スタはICなどのテストができず、主にアナログ基板の
抵抗コンデンサを測定するものであった。
【0004】また、LSIなど高機能部品の普及により
複雑なテスト・パターンが必要とされるなど、動作テス
トが複雑となってきた。そして、部品の信頼性が向上し
てきたため、部品自体をテストする必要性も低下してき
た。むしろ、高機能化して面積あたりの部品ピン数が増
えたものが使われるようになってきたことや、実装密度
の高いプリント基板が要求されるようになってきたこと
により、部品をハンダ付けする際のショートの方が問題
となってきている。
【0005】そのため、XYインサーキットテスタのプ
ローブをプリント基板にあて、その2点間の抵抗値を測
定することでショートの有無を検出する方法がある。こ
の方法では短時間でのテストを実現するために、特にシ
ョートしそうな2点を厳選する必要がある。
【0006】そこで従来の技術では、図21のフローチ
ャートに示したように、多数の部品ピンを持ったピン間
隔の狭いLSIなどについて、その隣接する部品ピンど
うしのショートのみをテストしていた。すなわち、プリ
ント基板のLSIリードをデジタイズするなり、実装デ
ータ・ファイルから得るなりしたデータで、同一部品の
隣接する部品ピンの位置P1とP2とを選択し(21
a)、テストデータとして登録し(21b)、そのよう
な処理をその部品のすべての部品ピンについて繰り返し
(21c)、同様にすべての部品について繰り返す(2
1d)ことでテストポイントを決定していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように従来の技術
では、ショートしそうな部分を人間が指示しており、プ
ローブ接触を行なう場所はそのポイントを使っていた。
したがって、他の部品や配線ビアとの間、プリント・パ
ターンが接近した部分など、テストしていない点でのシ
ョートの可能性があり、充分なテストとはいえなかっ
た。かと言って、設計情報として持つあらゆる点に対し
て、すべての組合せを対象とすると、テストに必要な時
間が極端に増大することになってしまう。そこで接近し
ているポイント対をもれなく捜し、それが属する配線ネ
ット対を特定し、そのそれぞれをテスト対象位置として
指定してやるという手間のかかる作業が必要であった。
【0008】
【0009】本発明は、ショート・テストの必要な配線
ネット対をもれなく抽出するとともに、不必要な箇所は
テスト対象としないことでテストに要する時間を短くお
さえることを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の概要を示
すフローチャートであり、同図においてP1ないしP2
は、実装データ・ファイル中の調査位置のうちで不特定
の2点を示す。本発明のテストポイント決定方法は、以
下の各処理により構成される。配線ネット名、部品ピン
や配線ビアの位置情報などを含む実装設計情報に基づい
て、処理手段にて座標値の順でソートした座標ファイル
を作り、近接する第1の検査位置と第2の検査位置とを
位置情報により選択し、それぞれの検査位置が属する配
線ネットが異なるかどうかを前記配線ネット名により調
べ、異なる場合はそれら2つの配線ネットの組合せを選
択された配線ネット対として登録し、同様にして位置情
報すべての組合せについて、以上の処理を繰り返す。
【0011】
【0012】ここで配線ネットとは、プリント基板上に
プリント・パターンにより形成される回路網の一部であ
り、連続するプリント・パターンにより連結されている
部分をいう。配線ネットに属する調査位置とは、その配
線ネットに接続されるべき部品の部品ピンの位置や、配
線ネットに含まれる配線ビアの位置、配線ネットを構成
するプリント・パターンにおいては、その形状を近似す
る折れ線の角など、実装設計情報中で座標により指定さ
れる位置のことである。ただしプリント・パターンは、
そのライン上のすべての位置と他の調査位置の接近を調
査する。また、プローブ接触候補位置とは、調査位置の
うちプローブを接触させ得る位置、たとえばパッドやラ
ンドの位置のことで、安定した接触を得られないほど狭
いLSI部品リードの小さいパッドなどは対象から除か
れる。
【0013】
【作用】まず、実装データ・ファイル中の各調査位置に
関するレコードを、その座標値の順に並べ変えることに
より座標ファイルを作る。座標ファイル中では、Y座標
の値が同じである調査位置のレコードがグループになっ
て1か所にまとまり、同様にY座標値が1だけ異なるレ
コードも、そのグループと連続した位置にまとまって別
のグループを構成する。このことは、座標が近接した調
査位置どうしのレコードは、座標ファイル上でも近接し
た位置に記録されることを意味する。
【0014】次に、第1の調査位置としてP1を選択
し、それに近接する第2の調査位置P2を座標ファイル
上での位置関係を元に選択する。P1とP2とのレコー
ドからそれぞれが属する配線ネット名を調べ、これら2
点が同一の配線ネットに属していないことを確認する。
配線ネット名がネットaおよびネットbと異なっていた
場合、異なるネットどうしが少なくともP1とP2との
間で近接しているのであるから、ネットaとネットbと
の間でのショート・テストが必要である。
【0015】テスト対象となる配線ネットの対が決まっ
たなら、それぞれの配線ネットに属するプローブ接触候
補位置の組合せの中から、任意のものをテストポイント
対として登録する。
【0016】
【0017】
【実施例】図3ないし図20を用いて、本発明の実施例
を説明する。図3は本発明のハードウェア構成を、図4
はショート発生部分をそれぞれ示す図。図5は実装デー
タ・ファイル、図6は禁止領域ファイルの構成を示す
図。図7は、部品ピンのテストポイントを示す図。図8
ないし図12は、その他のファイルやテーブルの構成を
示す図で、図8はネットリスト・ファイル、図9は座標
ファイル、図10はテストネット管理テーブル、図11
はテストデータ・ファイル、図12はネット探索テーブ
ルを、それぞれ示す図である。
【0018】図13ないし図20は、本発明の各段階に
おけるフローチャートを示す図である。図13は前処
理、図14は禁止領域追加処理、図15は接触可否判断
処理のためのもの。図16はネットリスト・ファイル完
成、図17は座標ファイルの作成を示すもの。図18は
接近点検出処理、図19はテストポイントの作成、図2
0はネットb側対応候補作成に関するフローチャートで
ある。
【0019】図3は、本発明が適用されるシステム全体
のハードウェア構成を示すものである。本発明の前提と
なるコンピュータ設計支援(以下CADと略す)システ
ム31は、実装設計情報であるCADデータ34を作成
する。コンピュータ32は、受け取ったCADデータ3
4を、CADシステム31とは独立した状態で加工し
て、テストすべき配線ネット対を決定する。また、その
決定に基づいて実際にプローブを接触させるべきテスト
ポイントを決定する。XYインサーキットテスタ33
は、コンピュータ32によって作成された制御データ3
5に基づいて、プローブを位置制御し、ショート・テス
トを実行する。
【0020】図4を用いて、本発明においてショート・
テストの対象とした部分につき説明する。図で41はL
SIパッケージ、42はそのLSIの部品ピンである。
43は、プリント基板上に設けられた配線ビア、44は
プリント・パターンを示している。これらの部品ピン、
配線ビア、プリント・パターンが近接して配置されてい
る場合、そこをショート発生の可能性がある箇所45と
してテストの対象とする。LSIの隣接する2本の部品
ピンの間45aは、従来技術でもテストを行なっていた
部分である。45bは配線ビアどうしが近接する場合、
45cは、プリント・パターンどうしが近接する場合で
ある。それ以外の組合せとして、部品ピンと配線ビアの
近接45d、部品ピンとプリント・パターンの近接45
e、配線ビアとプリント・パターンの近接45fが、テ
ストの対象となる。
【0021】図5に、実装データ・ファイルの構成を示
す。実装データ・ファイルの各レコードは、名称51、
座標52、搭載面53、寸法54、ネット名55の5つ
の項目からなる。ここでネット名とは、そのレコードに
示された部品ピン等が属する配線ネットの名称で、「R
eset」や「Clock」のようにその配線ネットを
流れる信号の名称をそのまま使うか、信号名称がない場
合などには「P0001」のように自動生成した名称を
使用する。レコードの種類としては、部品そのもの、部
品ピン、配線ビア、プリント・パターンの4種類があ
る。
【0022】部品に関するレコードの場合、「部品1
1」として図5に例示したように、名称51には、その
プリント基板において1つの部品を特定することのでき
る部品名称、座標52にはプリント基板上でのその部品
の基準ピンの座標(X11,Y11)が記録されてい
る。搭載面53のS11は、プリント基板上でその部品
が搭載されている面の番号である。寸法54は、部品の
向きや形状を表す情報をコード化し、外形情報F11と
したものである。対象が部品である場合には特定の配線
ネットのみには属さないレコードであることを示すた
め、ネット名55としては所定のデータを格納する(図
5では「−−−」で表している)。
【0023】部品ピンに関するデータは、図5の例では
「部品ピン22」と略記したが、実際には「部品11の
ピン22」といったように、部品名称とピン名とを組み
合わせたものが名称51として与えられる。座標52と
しては、その部品ピンの位置を示す座標(X22,Y2
2)が、すなわちその部品ピンが半田付けされるランド
部またはパッド部の中心の座標が格納される。寸法54
には、ランド部の直径かパッド部の短い方の辺の長さ
が、D22として記録される。
【0024】配線ビアに関するデータには、名称51と
して形状を表すビア名「配線ビア33」が与えられてい
る。座標52には、配線ビアの中心座標(X33,Y3
3)が、搭載面53には配線ビアが貫通している面のう
ち最も外側に位置する2つの面の番号S33aとS33
bとが、寸法54には配線ビアの直径がD33として記
録される。
【0025】プリント・パターンに関するデータでは、
各プリント・パターンを折れ線で近似してデータが作ら
れる。図5では「パターン44」と書かれているが、実
際にはプリント・パターンであることを示す所定のデー
タが、名称51として与えられる。座標52には、近似
した直線の始点(X44a,Y44a)と終点(X44
b,Y44b)の座標が格納され、寸法54としてはプ
リント・パターンの太さを表すコードなどがW44とし
て記録される。
【0026】図6に、禁止領域ファイルの構成を示す。
(a) は部品面側のデータ、(b) は半田面側のデータであ
る。このファイルは、プリント基板面上に部品が実装さ
れているためにプローブが接触できない領域を、プロー
ブ・ポイントの候補から除外するのに使われる。各レコ
ードは部品名61と部品パッケージ領域62の2つの項
目からなり、部品パッケージ領域62は矩形の禁止領域
を表す2点の座標の対として記録される。
【0027】図7では、SMT部品を例にテストポイン
トのオフセットについて説明する。(a) はSMT部品を
上から見た場合の平面図、(b) はその一部である部品ピ
ン1本を拡大した図。71はSMT部品、72はその部
品ピンである。
【0028】(a) において、73は部品の中心軸で、部
品の中心を通り直交する2本が存在する。これらの中心
軸と平行で、より多くの部品ピンの座標を通る線がピン
並びライン74である。図7では、SMT部品71の紙
面上下でそれぞれ8本の部品ピンの位置を通る2つの水
平なピン並びライン74が示されている。垂直方向では
2つの部品ピン位置しか含まれないため、ピン並びライ
ン74とはみなされない。
【0029】(b) において、75は部品ピン72が半田
付けされるパッドで、その中心位置がCAD座標76に
なる。実装データ・ファイル上の部品ピンの座標として
は、このCAD座標76が使われる。ところがこの点に
は部品ピン72が存在するため、プローブを安定して接
触させることが困難である。そこで接触位置を紙面上方
にオフセットし、充分な面積を持つ平坦なパッド75上
の点をテストポイント77とする。
【0030】図示してはいないが、挿入部品の場合も同
様のオフセットが必要である。実装データ・ファイル上
の座標どおりの位置にオフセットなしでプローブを立て
た場合、部品ピンの先端の細い部分で不安定な接触をと
ることになる。それよりはその部品ピンが半田付けされ
るランド部にオフセットして、そこをテストポイントと
した方が安定した接触が得られる。
【0031】図8にネットリスト・ファイルの例を示
す。(a) はネットリスト・ファイルそのもの、(b) はネ
ットリスト管理テーブルを示す図である。ネットリスト
・ファイルは、実装データ・ファイルをネット名55に
基づいてソートしたもので、実装データ・ファイルと同
一の項目を含む。ただし、プリント・パターンのデータ
については、プローブ接触候補位置としないため除外さ
れている。
【0032】(a) においては、ネット名81を先頭に、
名称82ないし接触可否86の項目が並んでいる。接触
可否86というのは、その点が図6の禁止領域ファイル
で示された領域内にあるかどうかを表す情報である。ネ
ット名81でソートしてあるためネットリスト・ファイ
ルの各レコードは、同一の配線ネットに属するものごと
にまとまって配置されている。ネットaに属する部品ピ
ン11、配線ビア12に関するレコードが、ファイル内
位置1ないし2に格納されている。ネットbに関して
は、部品ピン21ないし部品ピン22の2つのレコード
が記録される。
【0033】(b) においては、ネットリスト・ファイル
のレコードについて、各配線ネットのネット名81、そ
の配線ネットに属するレコードのうち最初に出てくるも
ののファイル内位置87、その配線ネットに属するレコ
ードの総数を表すデータ数88という情報をテーブルに
まとめている。
【0034】図9に、ある調査位置に近接する他の調査
位置を探し出すための座標ファイルを示す。このファイ
ルは、ネットリスト・ファイルのレコードを座標値に従
ってソートしたものを元に作られる。(a) は部品面側と
半田面側とに分かれた座標ファイル、(b) はそれに対応
して部品面側と半田面側とに分かれた座標ファイル管理
テーブルである。
【0035】(a) において、各レコードは座標91のY
座標の値およびX座標の値に従い、ソートされている。
すなわち、Y座標の値の順にレコードが並び変えられ、
Y座標の値が同じものについてはX座標の順に並べられ
る。ここで、プリント・パターンのデータについては、
近似した直線の始点のみ注目することで、部品ピンなど
の場合と同様に座標値によるソートが可能となってい
る。
【0036】その他の情報92とあるところには、実際
にはネットリスト・ファイルの名称82、ネット名8
1、寸法85の情報が格納される。その他の情報92と
は、これらの情報をまとめて略記したものである。
【0037】半田面側座標ファイルは、部品面側座標フ
ァイルと同じ構造であり、同様のデータが格納されてい
る。
【0038】(b) の座標ファイル管理テーブルは、Y座
標先頭値93とファイル内位置94からなり、座標ファ
イル中で同一のY座標値を持つレコードのグループ1つ
に対して1つのエントリを持つ。Y座標先頭値93に
は、その同一のY座標値が格納される。ファイル内位置
94には、そのグループのうち最初のレコードのファイ
ル内位置が格納される。図の例では、Y座標先頭値93
がY0のレコードが部品面側座標ファイルの1番目から
格納され、Y1のレコードは4つめのレコードからであ
ることを表す。また、半田面側座標ファイルのレコード
は、Y座標先頭値93がY2でファイル内位置94が1
から格納されている。
【0039】図10にテストネット管理テーブルの構成
を示す。このテーブルは、ショート・テストが必要と判
断された配線ネットの対を記録するもので、ネット名A
101およびネット名B102からなる。図の例では、
ネットaとネットbとの間でテストが必要であり、ネッ
トaとネットcとの間でもテストが必要であることを示
している。
【0040】図11はテストデータ・ファイルの構成を
示す図である。このファイルは、XYインサーキットテ
スタでのプローブの移動制御データを作る元になるもの
である。ネット名A111およびネット名B114は、
テストネット管理テーブルのネット名A101およびネ
ット名B102と同様のものである。接触座標A112
とは、ネット名A111側の配線ネットに属する選択さ
れたテストポイントの座標であり、部品識別A113
は、そのテストポイントが挿入部品やSMT部品の部品
ピンであるか、その他のものかを区別するためのデータ
である。接触座標B115および部品識別B116は、
ネット名B114側配線ネットのテストポイントの座標
および識別データである。
【0041】図12に、ネット探索テーブルの例を示
す。このテーブルは、ショート・テストが必要とされた
2つの配線ネットに属するプローブ接触候補位置のすべ
ての組合せを網羅して、テストポイントとして最適の2
点を求めるためのものである。2つの配線ネットを図8
で例示したネットaおよびネットbであるとしたときの
例で、(a) はネットa側探索テーブルを示し、(b) はネ
ットb側探索テーブルを示している。
【0042】(a) において、名称121は図8のネット
リスト・ファイルの名称82と同じものであり、その他
の情報122とあるところには、実際にはネットリスト
・ファイルの座標83、搭載面84、寸法85、接触可
否86の情報が格納されている。その他の情報122と
は、これらの情報をまとめて略記したものである。評価
A123は、その点の寸法が安定した接触を可能とする
のに充分な大きさか、およびその点のプローブ接触可否
を評価した値である。
【0043】(b) において、名称121ないしその他の
情報122は、ネットa側探索テーブルと同様のもので
ある。評価B124は、ネットb側の各点のプローブ接
触可否および寸法を元にした評価である。総合評価12
5は、評価A123と評価B124の値、および2点間
の距離が充分に離れているかなど相互の位置関係に基づ
く評価を総合して決定される。
【0044】ここでまず、ネットaの部品ピン11との
組合せによる評価が総合評価125に書き込まれる。す
なわち、部品ピンの評価A123である評価11と部品
ピン21の評価B124である評価21と相互のピン間
隔とを考慮した評価が総合評価125に評価211とし
て書き込まれ、評価11と部品ピン22の評価B124
である評価22と相互のピン間隔とを考慮した評価が評
価221として書き込まれる。それで最も総合評価12
5の高いプローブ接触候補位置の対が、その総合評価の
値とともに保存される。
【0045】次にネットaの配線ビア12との組合せに
よる評価が、総合評価125に上書きされる。このよう
にして総合評価が最も高いプローブ接触候補位置の対が
決定される。
【0046】図13以降では、以上説明した各ファイル
・テーブルを使った処理について説明する。まず図13
では、前処理のフローチャートを示す。前処理は禁止領
域ファイル作成131、座標オフセット算出132、ネ
ットリスト・ファイル作成133の3つの工程からな
る。禁止領域ファイル作成131は、処理13aと処理
13bとからなる。座標オフセット算出132は、処理
13cないし処理13fからなる。ネットリスト・ファ
イル作成133には、処理13gないし処理13hの工
程がある。
【0047】まず、禁止領域ファイル作成131につい
て説明する。処理13aでは、実装データ・ファイルか
ら部品パッケージの輪郭情報をメモリー内のパッケージ
輪郭テーブルに読み込む。処理13bでは、部品パッケ
ージ輪郭情報により図6に示すような禁止領域ファイル
を作成する。
【0048】次に、座標オフセット算出132の処理に
ついて説明する。処理13cでは、各部品パッケージに
対して中心軸を作成して、パッケージ輪郭テーブルにセ
ットする。処理13dにおいては、部品毎に部品ピンの
データを読み込み、ピン並びラインを作成する。処理1
3eでは、ピン並びラインと平行するパッケージ中心軸
の関係から、部品の外側に向かうようにオフセット方向
を決める。処理13fでは、パッドの寸法とオフセット
方向によりプローブ・ポイントの座標を算出して、部品
ピンの座標を変更する。
【0049】最後に、ネットリスト・ファイル作成13
3について説明する。処理13gでは、部品ピンのデー
タからネットリスト・ファイルを作成する。処理13h
においては、配線ビアのデータをネットリスト・ファイ
ルに追加する。
【0050】図14に、禁止領域追加処理のフローチャ
ートを示す。図13の禁止領域ファイル作成131で
は、実装データ・ファイルの部品データから禁止領域を
自動的に算出する処理について説明した。だが実際のプ
リント基板の場合には、改造配線や金具が存在するため
に、プローブを立てられない領域がこのほかにも存在す
る。そのため実際のショート・テストにあたっては、汎
用の図形ソフトを援用するなどして、そのような禁止領
域を追加設定する必要がある。
【0051】処理14aにおいて、図13で作成した禁
止領域ファイルを、汎用図形ソフトで読み込む。処理1
4bで図形を表示して部品実装状況を見、処理14cで
は表示された図形の上に改造配線・金具による禁止領域
を入力する。処理14dで、修正された図形のデータを
元に、禁止領域ファイルを完成させる。
【0052】図15に、接触可否判断処理のフローチャ
ートを示す。処理15aにおいて、図14で完成した禁
止領域ファイルを読み込み、制御テーブルにセットす
る。処理15bにおいて、ネットリスト・ファイルから
1行読み込む。処理15cにおいて、座標が禁止領域内
の場合には「0」、領域外ならば「1」をテーブルに書
き込む。処理15dでは、接触可否の項目を追加したネ
ットリスト・ファイルを作成する。処理15eにおい
て、ネットリスト・ファイルのデータを全行読み込んだ
か判断し、最終行まで処理済みであれば終了し、そうで
なければ処理15bに戻り、次の1行を読み込む。
【0053】図16に、ネットリスト・ファイル完成の
フローチャートを示す。処理16aでは、図15で接触
可否の情報を付加したネットリスト・ファイルを、ネッ
ト名81に従ってソートする。
【0054】図17に座標ファイルの作成のフローチャ
ートを示す。処理17aにおいて、実装データ・ファイ
ルを図9に示したフォーマットに変更し、座標順にソー
トして座標ファイルを作成する。
【0055】図18に、接近点検出処理のフローチャー
トを示す。処理18aでは、ネットリスト・ファイルを
読み込み、ネットリスト管理テーブルを作成する。処理
18bでは、座標ファイルを読み込み、座標ファイル管
理テーブルを作成する。処理18cでは、座標ファイル
から第1の調査位置P1を選択し、そのレコードを読み
込む。処理18dでは、P1の近傍の点を座標ファイル
に従って選択し、第2の調査位置P2とする。処理18
eでは、P1とP2とが属する配線ネットが同一でない
かを調べ、異なるなら処理18fに進み、同一なら処理
18gへ進む。処理18fでは、それぞれの配線ネット
に属するテストポイントを作成する。処理18gでは、
すべてのP2を調べたか判断し、すべて調査済みなら処
理18hへ進み、そうでないなら処理18dへ戻り、次
のP2を選択する。処理18hでは、すべてのP1を調
べたか判断して、すべて調査済みなら終了し、そうでな
いなら処理18cへ戻り、次のP1を選択する。
【0056】図19に、テストポイントの作成のフロー
チャートを示す。ここで、図18の処理18eで判断さ
れた2つの配線ネットの名称が、ネットaとネットbで
あったとする。処理19aでは、このネットaとネット
bとの組合せが、すでにテストネット管理テーブルに登
録済みではないか判断する。登録済みの場合、同じ配線
ネット間で再度テストする必要はないので、テストポイ
ントの作成処理を終了する。登録されていなかった場合
は、処理19bにおいてネットaおよびネットbについ
てのネット探索テーブルを作成する。処理19cでは、
ネットa側の候補位置を1つ選択し、この点をP3とす
る。処理19dでは、ネットb側の対応候補を作成す
る。処理19eでは、すべてのP3について調べたか判
断し、すべて調査済みならば処理19fへ進み、そうで
なければ処理19cへ戻って次のP3を選択する。
【0057】処理19fでは、最も総合評価の高いP3
とP4との組合せを抽出する。処理19gでは、ネット
aおよびネットbをテストネット管理テーブルに登録す
る。処理19hでは、選択されたP3およびP4に関し
て、総合評価の値が所定の基準値に達しているか判断
し、達していれば処理19iでテストデータ・ファイル
に登録し、達していなければ処理19jでエラー処理を
行なう。
【0058】図20に、ネットb側対応候補作成のフロ
ーチャートを示す。処理20aで、ネットb探索テーブ
ルの総合評価の部分をクリアする。処理20bでは、ネ
ットb探索テーブルからネットbに属する候補位置P4
を1つ選択する。処理20cでは、P3とP4との搭載
面の一致を調査し評価する。処理20dでは、2点間の
距離を調査し評価する。処理20eでは、ネットb探索
テーブルに総合評価を書き込む。処理20fでは、すべ
てのP4について調べたか判断し、すべて調査済みなら
ば対応候補作成処理をおわり、そうでないなら処理20
bへ戻り次のP4を選択する。処理20gでは、総合評
価の最も高いP4と対応するP3、および総合評価値を
記録する。すでにこのルーチンを通り総合評価値が記録
されていれば、総合評価値を比較し大であれば入れ換え
る。
【0059】
【発明の効果】以上の説明のとおり、本発明のテストポ
イント決定方法では、実装設計情報を元にショート発生
の可能性がある箇所を探し出すため、必要な場所はもれ
なく抽出できる。その一方で、近接する箇所を持たない
配線ネットどうしは対象として登録されないため、テス
ト時間は必要最小限度に制限できる。
【0060】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概要フローチャートを示す図。
【図2】本発明のテストポイント決定のフローチャート
を示す図。
【図3】本発明のハードウェア構成を示す図。
【図4】ショート発生部分を示す図。
【図5】実装データ・ファイルを示す図。
【図6】禁止領域ファイルを示す図。
【図7】部品ピンのテストポイントを示す図。
【図8】ネットリスト・ファイルを示す図。
【図9】座標ファイルを示す図。
【図10】テストネット管理テーブルを示す図。
【図11】テストデータ・ファイルを示す図。
【図12】ネット探索テーブルを示す図。
【図13】前処理のフローチャートを示す図。
【図14】禁止領域追加処理のフローチャートを示す
図。
【図15】接触可否判断処理のフローチャートを示す
図。
【図16】ネットリスト・ファイル完成のフローチャー
トを示す図。
【図17】座標ファイルの作成のフローチャートを示す
図。
【図18】接近点検出処理のフローチャートを示す図。
【図19】テストポイントの作成のフローチャートを示
す図。
【図20】ネットb側対応候補作成のフローチャートを
示す図。
【図21】従来技術の概要フローチャートを示す図。
【符号の説明】
31 CADシステム 32 コンピュータ 33 インサーキットテスタ 41 LSIパッケージ 42 部品ピン 43 配線ビア 44 プリント・パターン 45 ショート発生の可能性がある箇所

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プリント基板上の異なる配線ネットへ立
    てた複数のプローブ間の導通状態を測定することで、該
    異なる配線ネット間のショートの有無を確認するXYイ
    ンサーキットテスタのテストポイント決定方法におい
    て、 前記プリント基板上のプリント・パターンの接続関係を
    示す配線ネット名、電子部品のリード・ピンや配線ビア
    の位置情報、該プリント基板上の該電子部品の搭載状
    態を示す実装設計情報としてあらかじめ記録手段に記録
    しておき、 処理手段にて、前記実装設計情報を前記位置情報として
    含まれる座標値の順でソートした座標ファイルを作り
    (1a)、 前記座標ファイルに含まれる前記位置情報により第1の
    調査位置を選択するとともに、前記座標ファイルの情報
    により該第1の調査位置とショート発生の可能性がある
    近接する調査位置があればそれを第2の調査位置として
    選択し(1b)、 前記第1の調査位置が属する第1の配線ネットと、前記
    第2の調査位置が属する第2の配線ネットとが、異なる
    かどうかを前記配線ネット名により調べ(1c)、 前記第1の配線ネットと前記第2の配線ネットとが異な
    る場合、該第1の配線ネットと該第2の配線ネットとの
    組合せ一つを選択された配線ネット対として登録し(1
    d)、 同様にして位置情報すべての組合せについて、前記選択
    された配線ネット対の登録処理(1bないし1d)を繰
    り返(1e)、ショート障害が発生しうる近接する調査箇所のネット間
    のみを抽出する、 ことを特徴とするXYインサーキットテスタのテストポ
    イント決定方法。
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