JP3193267B2 - 液晶素子およびその製造方法 - Google Patents

液晶素子およびその製造方法

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JP3193267B2
JP3193267B2 JP14925695A JP14925695A JP3193267B2 JP 3193267 B2 JP3193267 B2 JP 3193267B2 JP 14925695 A JP14925695 A JP 14925695A JP 14925695 A JP14925695 A JP 14925695A JP 3193267 B2 JP3193267 B2 JP 3193267B2
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亘 堀江
正之 岡本
基裕 山原
誠 塩見
信明 山田
修一 神崎
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多人数で見る携帯情報
端末、パーソーナルコンピュータ、ワードプロセッサ、
アミューズメント機器、テレビジョン装置などの平面デ
ィスプレイ、シャッタ効果を利用した表示板、窓、扉、
壁などに用いることができる液晶素子およびその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電気光学効果を利用した液晶表示
素子などの液晶素子としてネマティック液晶を用いたT
N(ツイスティッドネマティック)型、STN(スーパ
ーツイスティッドネマティック)型などが実用化されて
いる。これらは偏光板を要し、配向処理を必要とするも
のである。これらの液晶表示素子などの液晶素子は初期
配向状態においてプレチルト角を有しており、図22
(b)に示すようにセルに電圧を印加した時に液晶分子
が同方向に立ち上がる。このため、異なる視角Aおよび
視覚Bから観察者がセルを観察した場合、液晶分子の見
かけ上の屈折率が変化して表示のコントラストが変化
し、さらに、中間調状態では視角によりコントラストの
反転現象などが生じるなど、表示品位が著しく低下す
る。
【0003】一方、偏光板を要さず液晶の散乱を利用し
たものとしては、動的散乱(DS)効果および相転移
(PC)効果などがある。
【0004】最近、偏光板を要さず、しかも配向処理を
不要としたものとして、液晶の複屈折を利用し、透明ま
たは白濁状態を電気的にコントロールする方法が提案さ
れている。この方法は、基本的には液晶分子の常光屈折
率と支持媒体の屈折率とを一致させ、電圧を印加して液
晶分子の配向が揃うときに透明状態を表示し、電圧無印
加時には液晶分子の配向の乱れによる光散乱状態の白濁
状態を表示するものである。
【0005】このような方法として、特表昭58−50
1631号公報には液晶をポリマーカプセルに包含させ
る方法が開示され、特表昭61−502128号公報に
は液晶と光硬化性樹脂または熱硬化性樹脂とを混合して
樹脂を硬化させることにより液晶を析出させて樹脂中に
液晶滴を形成させる方法が開示されている。これらは高
分子分散型液晶表示素子と称されている。
【0006】また、偏光板を用いて液晶セルの視角特性
を改善する方法として、特開平4−338923号公報
および特開平4−212928号公報には上記高分子分
散型液晶表示素子を直交偏光板中に挟んだ素子が開示さ
れている。この素子は、視野角特性を改善する効果が大
きいが、原理的に散乱による偏光解消を利用しているた
めに明るさがTNモードに比べて1/2と低く、利用価
値が低い。
【0007】さらに、特開平5−27242号公報に
は、液晶分子の配向状態を高分子の壁や突起物で乱して
ランダムドメインを作製し、視野角特性を改善する方法
が開示されている。しかし、この方法ではドメインがラ
ンダムで、かつ、絵素部分にも高分子材料が入り込むの
で電圧無印加時の光線透過率が低い。また、液晶ドメイ
ン間のディスクリネーションラインがランダムに発生
し、電圧印加時においても消滅しないので電圧印加時の
黒レベルが低い。これらの理由により、この液晶表示素
子などの液晶素子はコントラストが低いものになる。
【0008】また、本発明者等は、特開平6−3010
15号公報や特願平5−199285号において、図2
2(a)に示すように液晶分子を放射状または同心円状
(タンジェンシャル状)などの軸対称状に配向させるこ
とにより視角特性を著しく改善した液晶表示素子を提案
している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記の液晶表示素子な
どの液晶素子では、視角特性を著しく改善することがで
きるが、基板上のレジストの残渣や基板上の傷など、不
確定な要因の影響によるものと思われる配向状態の乱れ
が観測される。この場合、液晶分子の配向の対称軸が傾
き、また、軸位置がずれた図23の偏光顕微鏡写真のよ
うな配向状態図となる。この場合、視角を変化させて液
晶素子を観察すると、1絵素内で視角方向(黒く見える
部分)となる領域の面積が多くなり、他の絵素と平均的
な透過率に差が生じて全体的に表示のざらつきとして観
察される。したがって、この液晶素子においては、液晶
分子の配向の対称軸を厳密に制御する必要がある。
【0010】さらに、製造上より容易に軸対称の配向状
態を作製するために、この配向状態を安定化させること
が必要になってくる。この軸対称配向を乱す原因として
基板上の表面自由エネルギーの不均一性が挙げられる。
【0011】本発明は、上記従来の問題を解決するもの
で、液晶分子の配向を軸対称状にすることにより視角依
存性を改善でき、その対称軸を制御して表示のざらつき
を低減することができる液晶素子およびその製造方法を
提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の液晶素子は、対
向する一対の電極基板間に、高分子壁と該高分子壁に囲
まれた液晶領域とが挟持された液晶素子において、該一
対の電極基板の少なくとも一方の該液晶領域側表面に凹
部および凸部の少なくとも一方が設けられ、該液晶領域
内で液晶分子が該凹部および凸部の少なくとも一方の近
傍を該電極基板に垂直な軸部として軸対称状に配向して
おり、前記一対の基板の少なくとも一方の液晶領域側表
面に、該液晶領域を囲むように第1の壁が設けられて、
該第1の壁の高さHと前記凸部の高さhとがH>hであ
り、そのことによって上記目的が達成される。
【0013】また、本発明の液晶素子は、対向する一対
の電極基板間に、高分子壁と該高分子壁に囲まれた液晶
領域とが挟持された液晶素子において、該一対の電極基
板の少なくとも一方の該液晶領域側表面に柱部が設けら
れ、該液晶領域内で液晶分子が該柱部近傍を該電極基板
に垂直な軸部として軸対称状に配向しており、前記液晶
分子の対称軸付近に、前記一対の電極基板の電極間距離
が互いに異なる領域が存在しており、そのことによって
上記目的が達成される。
【0014】さらに、本発明の液晶素子は、対向する一
対の電極基板間に、高分子壁と該高分子壁に囲まれた液
晶領域とが挟持された液晶素子において、該一対の電極
基板の少なくとも一方の電極基板の該液晶領域側表面に
凹部および凸部の少なくとも一方が設けられ、該液晶領
域内で液晶分子が該凹部および凸部の少なくとも一方の
近傍を該電極基板に垂直な軸部として軸対称状に配向し
ており、該一対の電極基板のうち少なくとも一方の電極
基板の対向側表面が平坦化された樹脂部が設けられてお
り、さらに、前記一対の基板の少なくとも一方の液晶領
域側表面に、該液晶領域または液晶ドメインを囲むよう
に第1の壁が設けられ、該第1の壁の高さHと前記凸部
の高さhとがH>hであり、そのことによって上記目的
が達成される。
【0015】さらに、本発明の液晶素子は、対向する一
対の電極基板間に、高分子壁と該高分子壁に囲まれた液
晶領域とが挟持された液晶素子において、該一対の電極
基板の少なくとも一方の電極基板の該液晶領域側表面に
柱部が設けられ、該液晶領域内で液晶分子が該柱部近傍
を該電極基板に垂直な軸部として軸対称状に配向してお
り、該一対の電極基板の少なくとも一方の電極基板対向
側表面に平坦化された樹脂部が設けられており、さら
に、前記液晶分子の対称軸付近に、前記一対の電極基板
の電極間距離が互いに異なる領域が存在しており、その
ことによって上記目的が達成される。
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】前記液晶領域が絵素を分断する複数の液晶
ドメインからなり、該複数の液晶ドメインの外周部に高
分子壁が形成されてもよい。
【0020】
【0021】
【0022】前記液晶分子の対称軸付近に、前記一対の
電極基板の電極間距離が互いに異なる領域が存在しても
よい。
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】さらに、本発明の液晶素子の製造方法は、
一対の電極基板の少なくとも一方に第1の壁を形成する
と共に、該第1の壁に囲まれた領域の略中央部に、垂直
配向性材料よりなる凹部および凸部の少なくとも一方を
形成し、両電極基板を対向させてセルを作製する工程
と、 該セル中に、少なくとも液晶と硬化性樹脂とを含
む混合物を注入する工程と、該混合物の均一化温度まで
該混合物を加熱後、露光により硬化性樹脂を硬化させて
から徐冷する工程とを含み、そのことによって上記目的
が達成される。
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】さらに、本発明の液晶素子の製造方法は、
対向する一対の電極基板間に、高分子壁と該高分子壁に
囲まれた液晶領域とが挟持された液晶素子の製造方法で
あって、前記一対の電極基板の少なくとも一方は、基板
の表面に複数のカラーフィルター部を形成する工程と、
該カラーフィルター部の間に凸状壁を形成する工程と、
該複数のカラーフィルター部と該凸状壁とを覆うオーバ
ーコート層を形成し、該複数のカラーフィルター部の液
晶領域側に凹部を形成する工程と、を含む製造方法によ
って製造され、そのことによって上記目的が達成され
る。
【0035】
【0036】
【作用】本発明においては、一対の電極基板の少なくと
も一方の媒体側表面に、凹部および凸部のうちの一方も
しくは両方、あるいは柱部が形成されている。この基板
間隙に、少なくとも液晶と硬化性樹脂とを含む混合物を
注入して液晶と硬化性樹脂(高分子)とを相分離させる
と、凹部において液晶が析出し、または凸部を取り囲む
ように液晶領域が発達する。よって、この凹部近傍また
は凸部近傍、または柱部近傍を基板に垂直な軸として、
液晶分子が放射状または同心円状などの軸対称状に配向
される。したがって、凹部および凸部の形成を制御する
ことにより、対称軸の位置を制御して均一な配向状態を
得ることができる。ここで、均一な配向状態とは、各絵
素毎に同じ位置関係で対称軸が存在し、その対称軸に対
して液晶分子が軸対称状に配向していることを示す。
【0037】また、電極基板の対向側表面を平坦化する
ことによって、液晶滴内の液晶分子の配向を乱す原因を
排除してその配向を上記凹部または凸部に限定すること
が可能となる。また、この平坦化された電極基板に、例
えば絵素毎に設けられたカラーフィルター部を有するカ
ラーフィルターを含む場合には、このカラーフィルター
部の間隙は、凹部となっているので、セル厚の厚い部分
に液晶が析出し、液晶滴内の液晶分子の配向が、この凹
部で乱されて軸対称になりにくいが、この凹部を樹脂で
埋めてカラーフィルター部の間を平坦化することによっ
て、液晶の出現場所をカラーフィルター部の対向側の上
記凹部または凸部に限定することが可能となる。また、
この平坦化された電極基板に、例えばアクティブ駆動素
子を含む場合には、このアクティブ駆動素子およびアク
ティブ駆動素子の配線部分が多重積層されて段部が付い
ており、液晶滴内の液晶分子の配向が、この段部で乱さ
れて軸対称になりにくいが、この段部を樹脂で埋めて平
坦化することによって、液晶の出現場所を上記凹部また
は凸部に限定することが可能となる。
【0038】また、絵素に対応して設けられたカラーフ
ィルター部の液晶層側の面に、凹部(例えば、すり鉢
状)を設けることによって、液晶分子を軸対称状に配向
させることができる。隣接するカラーフィルター部の間
に凸状壁を形成し、カラーフィルター部と凸状壁とを覆
うオーバーコート層を設けることによって、凹部を有す
るカラーフィルターを作製することができる。凸部を形
成する材料に、黒色の染料等を混入することによって、
凸状壁に遮光性を付与することができる。また、レジス
トなどの感光性を有する材料を用いることによって、リ
ソグラフィ技術を用いて、簡便な方法で、凸状壁を形成
することができる。
【0039】上記凹部または/および凸部が垂直配向性
膜または垂直配向性材料で形成されていれば、軸対称配
向の軸制御をより確実に安定化して行うことが可能とな
って好ましい。
【0040】上記液晶領域は、単一の液晶ドメインで覆
われていてもよく、1つの絵素を分断する複数の液晶ド
メインが形成されていてもよい。高分子壁は、各液晶領
域の外周または各液晶ドメインの外周に設けることがで
き、それによって絵素を囲んで、または絵素を分断して
液晶ドメインを形成することができる。
【0041】この高分子壁を黒色などの有色の添加剤に
より着色させると、ディスクリネーションラインを見え
難くすることができる。
【0042】このようにして形成される液晶分子の配向
の対称軸付近を中心として、凹凸を軸対称的にまたは連
続的に、もしくは軸対称的かつ連続的に形成してもよ
い。この場合、凹凸の中央部付近を軸対称状の軸とし
て、軸位置が揃った配向状態とすることができる。
【0043】上記凹部または凸部は電極上に形成しても
よいが、基板そのものに凹凸を形成して、その上に電極
を形成してもよい。その場合、電極間距離が互いに異な
る領域を設けることができる。また、凹凸上に配向膜を
形成して凹凸を有する配向膜を形成してもよい。これら
の場合、配向を安定させる効果がある。
【0044】上記一対の基板の少なくとも一方の媒体側
表面に第1の壁を設けると、第1の壁内の表面張力が他
の部分と異ならせることができるので、ホトレジストを
用いないでも液晶分子の配向を軸対称状に安定化させる
ことができる。その場合、凸部の高さが第1の壁の高さ
よりも大きいと、凸部上に高分子柱が形成されて液晶分
子の配向状態が乱れる恐れがある。
【0045】液晶と硬化性樹脂とを少なくとも含む混合
物は、混合物の均一化温度(均一に相溶する温度)以上
の温度で硬化性樹脂を硬化させて液晶と高分子とを相分
離させてもよく、混合物の均一化温度まで加熱後、徐冷
して液晶と硬化性樹脂とに相分離させてから硬化性樹脂
を硬化させてもよい。
【0046】相分離の時に電圧または磁場あるいはその
両方を印加すると、液晶分子の配向の対称軸を基板に対
して垂直方向に揃えることができる。
【0047】また、本発明においては、一対の電極基板
の少なくとも一方の媒体側表面に、軸対称状の配向軸を
有する高分子からなる配向膜が形成されている。液晶分
子の配向軸(配向方向)は、その配向膜の高分子の配向
軸にほぼ一致するので、液晶分子が基板に垂直な軸を対
称軸として放射状または同心円状などの軸対称状に配向
される。
【0048】このような配向膜は、第1の壁に囲まれた
領域内で2種類以上の高分子材料を含む混合材料を相分
離させることにより形成できる。
【0049】さらに、アクティブ駆動素子のゲート駆動
信号電圧がソース駆動信号電圧に同期しており、かつゲ
ート駆動信号電圧のパルス幅は該ソース駆動信号電圧の
周期の2分の1以下で電圧を印加しながら樹脂を硬化す
るようにすれば、絵素電極と同じ基板上のゲート配線と
の間にある電位差が緩和され、液晶分子がゲート配線の
電位の影響を受けて軸対称配向が乱れてしまうようなこ
とはなくなる。
【0050】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0051】(実施例1)図1は、本発明の一実施例で
ある液晶表示素子の1絵素分を示す断面図である。図1
において、ガラスなどからなる一方の透明基板1上にイ
ンジウム・スズ酸化物(ITO)などからなる絵素電極
3が設けられている。この絵素電極3の中央部にレジス
トなどからなる凸部4が設けられ、各絵素を囲むように
レジストなどからなる第1の壁5が設けられている。ま
た、ガラスなどからなる他方の透明基板2上にもITO
などからなる対向電極6が設けられている。
【0052】これら透明基板1、2の間には、図2に示
すような高分子壁7により囲まれた液晶領域8が各絵素
に対応してそれぞれ形成されている。これら各液晶領域
8(絵素内)において、液晶分子は、凸部4近傍を基板
に垂直な軸として放射状に配向しており、均一な配向状
態となっている。
【0053】このように液晶領域8内で、液晶分子が、
凸部4により意図的に軸対称状(例えば放射状または同
心円状または渦巻き状など)に配置され、かつ、実質的
にモノドメインとされていることにより、視角特性を改
善すると共に、表示のざらつき、特に中間調における表
示のざらつきを低減することができる。
【0054】(ドメイン内の液晶分子の配向状態)上記
液晶表示素子を偏光顕微鏡で観察すると、図2に示すよ
うに、高分子壁7内に形成された液晶領域8において、
偏光板の偏光軸方向に十字型の消光模様11が観察され
た。これは、液晶分子が液晶領域8の中央部の中央ディ
スクリネーション点12を中心として軸対称状(例えば
放射状または同心円状または渦巻き状など)に配列して
液晶領域8がモノドメインとなっていることを示す。
【0055】このような配向状態の液晶表示素子におい
ては、電圧印加時にディスクリネーションラインが液晶
ドメインの周囲に形成され、液晶ドメインの内部に形成
されることは無い。したがって、絵素外部に意図的にデ
ィスクリネーションラインを形成することが可能であ
る。さらに、ディスクリネーションラインまたはディス
クリネーション点を遮光層下に形成することにより、液
晶表示素子の黒レベルを向上させてコントラストを改善
することができる。この場合、有色の添加剤(例えば黒
色)を高分子壁7に含ませることによりディスクリネー
ションラインを見え難くくしてもよく、凸部4や第1の
壁5に有色の添加剤(例えば黒色)を含ませてもよい。
さらに、高分子壁7に液晶性重合材料を添加することに
より、ディスクリネーションラインが全く発生しない配
向状態とすることもできる。このような配向状態を有す
る液晶素子に表示電圧を印加すると、例えば図22
(a)に示すように、基板1、2に対して垂直な方向に
平行になるように液晶分子9が立ち上がってくる。この
とき、液晶分子9は、初期配向である放射状または同心
円状のいずれかの方向に沿って立ち上がるので、液晶表
示素子の各方向から見た見掛け上の屈折率が均質化さ
れ、視角特性を改善することができる。
【0056】(絵素内のドメイン数)各絵素内の液晶ド
メイン数は、できるだけ少ないことが望ましい。1絵素
内に多数のドメインが存在すると、ドメイン間にディス
クリネーションラインが発生して表示の黒レベルが低下
する。よって、図2に示すように、液晶領域8内で液晶
分子が軸対称状に配列した単一のドメインで絵素13が
覆われているのが望ましい。この場合、電圧を印加した
時にディスクリネーションラインがドメインの外周上に
形成されるので、絵素13部分にディスクリネーション
ラインが入り込むことが殆どない。
【0057】また、図3に示すように、長方形の絵素1
3を有する液晶表示素子の場合、液晶分子が軸対称状に
配列しているドメイン14が2個以上集まった液晶領域
8とすることができる。このような液晶表示素子におい
ても、図2のように液晶領域8がモノドメインである液
晶表示素子と同様に視角特性を優れたものにできる。こ
の場合、高分子壁7または第1の壁5を長方形の絵素1
3内に形成して絵素を分断することもできる。
【0058】さらに、図3の液晶表示素子の場合、絵素
13内の2つのドメイン14a、14bの境界に形成さ
れるディスクリネーションラインの方向を偏光板の偏光
軸と一致させることにより、電圧印加時にディスクリネ
ーションラインを見え難くすることができる。
【0059】また、絵素13内の2つのドメイン14
a、14bの境界に形成されるディスクリネーションラ
インを隠すように、絵素内にブラックマスク(BM)を
形成してもよい。
【0060】このように絵素を複数の液晶領域8または
液晶ドメイン14で分断して使用する場合、各液晶領域
8または液晶ドメイン14内に液晶分子の配向軸を揃え
る手段を設ける必要がある。
【0061】(液晶分子を軸対称状に均一配向させる方
法:その1)一対の基板の少なくとも一方に凹部または
凸部またはその両方をパターン形成することにより、対
称軸の位置を制御して液晶分子を軸対称状に配向させる
ことができる。
【0062】この方法では、第1の壁5をパターン形成
し、第1の壁に囲まれた領域の略中央部に凹部または凸
部またはその両方を形成してセルギャップの異なる領域
を形成する。そのセル中に、少なくとも液晶と硬化性樹
脂とを含む混合物を注入する。絵素内で対称軸となる領
域のセルギャップが異なる領域(絵素周辺に形成される
第1の壁5は除く)が存在すると、重合反応または温度
降下により液晶と硬化性樹脂(または高分子)とが相分
離して液晶が析出してくる。この時の液晶の析出の仕方
は、以下の〜の場合により異なる。
【0063】相分離時に絵素内で対称軸となる領域の
セルギャップが薄い場合(凸部が形成されている場
合):重合反応または温度降下により液晶と硬化性樹脂
(または高分子)とを相分離させる場合、図1に示すよ
うに基板1上に凸部4が存在すると、その凸部4が析出
核の働きをして凸部付近を取り囲むように液晶領域8が
発達する。よって、基板に垂直な軸に対して放射状また
は同心円状に液晶分子が配向して軸対称状の配向が得ら
れると共に、対称軸と凸部4とを一致させることができ
る。よって、この凸部4の形成位置により、液晶分子の
配向の対称軸位置を制御することができ、絵素内で液晶
分子を軸対称状に配向させることができる。
【0064】この凸部4の高さはセルギャップの1/2
以下であり、かつ、液晶領域8を囲うように絵素13周
辺に設ける第1の壁5よりも低くするのが望ましい。こ
の凸部4が高すぎると凸部4上に高分子柱が形成され、
この高分子柱が大きい場合には配向状態を乱すこともあ
る。
【0065】また、この凸部4の大きさは、液晶析出の
核となる程度であればよい。小さいほど好ましく、例え
ば30μm以下であるのが好ましい。凸部4が大きすぎ
ると凸部4上に高分子柱が形成されて電圧降下を起こ
し、コントラスト低下の原因となる。
【0066】さらに、この凸部4の材質は、本発明では
特に限定しないが、レジストなどの有機材料やSi
2、Al23、ITOなどの無機材料を使用すること
ができる。レジスト材料を用いると、凸部4の形成を簡
単に行うことができる。また、透明導電膜であるITO
は、図4(a)および(b)に示すように、凸部4を有
する基板1上にITO膜からなる絵素電極3を形成する
ことにより凸部とすることができる。さらに、図5に示
すように、凸部4を有する基板1上に配向膜16を形成
して配向膜を凸部としてもよい。また、このような凸部
(凸部4および絵素電極、配向膜などの凸部)を液晶分
子配向の対称軸の中心にするためには、垂直配向性を有
する材料を使用するのが望ましい。このような材料とし
ては、例えばFまたはSi系添加剤を加えたレジスト材
料を用いることができ、特に表面自由エネルギーが35
mN/m以下であるものが望ましい。さらに、絵素周辺
に形成する第1の壁5と上記凸部とを異なる材料により
形成すると、配向安定性を増す場合がある。
【0067】この凸部4の形状は、本発明では特に限定
しないが、円形、方形、長方形、楕円形、星形、十字型
などとすることができる。また、この凸部4は、垂直方
向に同一な形状である必要はなく、図6に示すように傾
斜を有するものであってもよい。
【0068】相分離時に絵素内で対称軸となる領域の
セルギャップが厚い場合(凹部が形成されている場
合):重合反応または温度降下により液晶と硬化性樹脂
(または高分子)とを相分離させる場合(特に温度降下
による場合)、図7に示すように基板1上に凹部15が
存在すると、相分離してきた液晶は、凹部15で表面エ
ネルギーが最小の球形になって安定化する。その結果、
凹部15で液晶が析出し、凹部15付近を取り囲むよう
に液晶領域8が発達する。よって、基板に垂直な軸に対
して放射状または同心円状に液晶分子が配向して軸対称
状の配向が得られると共に、対称軸と凹部15とを一致
させることができる。よって、この凹部15の形成位置
により、液晶分子の配向の対称軸を制御することがで
き、絵素内で液晶分子を軸対称状に配向させることがで
きる。
【0069】この凹部15の深さは、本発明では特に限
定しないが、レジスト20などの有機材料を用いる場
合、できるだけ浅い方が電圧降下が少なく、コントラス
ト低下の原因と成りにくいので望ましい。
【0070】また、この凹部15の大きさは、絵素の大
きさにより異なるが、ある程度大きな領域、例えば絵素
の面積の40%程度であるのが望ましい。
【0071】さらに、この凹部15の材質は、本発明で
は特に限定しないが、レジスト20などの有機材料やS
iO2、Al23、ITOなどの無機材料を使用するこ
とができる。
【0072】さらに、この凹部15の形状は、本発明で
は特に限定しないが、円形、方形、長方形、楕円形、星
形、十字型などとすることができる。また、凹部15
は、垂直方向に同一な形状である必要はなく、図8に示
すように傾斜部を有する凹部15であってもよい。
【0073】絵素内でセルギャップが厚い部分と薄い
部分とが形成されている場合(凹部および凸部の両方が
形成されている場合):重合反応または温度降下により
液晶と硬化性樹脂(または高分子)とを相分離させる場
合、図9に示すように基板1上に凸部4および凹部15
の両方が存在すると、凹部15で液晶が析出し、かつ、
中央部の凸部4付近を取り囲むように液晶領域8が発達
する。よって、中央部の凸部4を対称軸として、さらに
軸対称の位置を揃えることができ、ざらつきを低減する
ことができる。
【0074】この場合、図9に示すように凹凸部を軸対
称的に形成してもよく、図5に示すように連続的な凹凸
部を形成してもよい。
【0075】また、基板上の凹部15および凸部4の表
面は、平滑面と同じ高さでもよく、異なっていてもよ
い。
【0076】両方の基板の関係 上記〜においては、一方の基板に凹部15、凸部4
および第1の壁5のうち少なくとも凹部15または凸部
4を形成したが、図10(a)および図10(b)に示
すように、一方の基板1上に絵素周辺に設ける第1の壁
5を形成し、他方の基板2上または両基板1、2上に凹
部15または凸部4を形成してもよい。また、一方の基
板1上に凹部15および凸部4のうち少なくともいずれ
かを設ける場合、図11、図12および図5に示すよう
に、対向基板2上に配向膜17を形成することにより、
対向電極6やパッシベーション膜(図示せず)の凹凸を
平坦化し、または表面エネルギーを均一化できる。よっ
て、液晶と硬化性樹脂(または高分子)との相分離時に
液晶の析出場所を上記凹部および凸部に限定することが
できる。
【0077】対向基板側にカラーフィルターを含む場
合 凹部または凸部を形成した基板の対向側に絵素に対応し
た複数のカラーフィルター部を有するカラーフィルター
を含む場合、このカラーフィルター部との間隙は、凹部
となっているので、液晶と高分子材料(または硬化性樹
脂)の相分離時に、セル厚の厚い部分に液晶が析出する
ために、液晶滴内の液晶分子の配向が、この凹部で乱さ
れて軸対称になりにくい。この部分をレジスト樹脂で埋
めてカラーフィルター部間を平坦化することによって、
液晶と高分子材料(または硬化性樹脂)の相分離時に、
液晶滴内の液晶分子の配向を乱す原因を排除することが
でき、液晶の出現場所をカラーフィルター部の対向側の
上記凹部または凸部に限定することが可能となる。
【0078】対向基板側にアクティブ駆動素子を含む
場合 この平坦化された電極基板に、例えばアクティブ駆動素
子を含む場合には、このアクティブ駆動素子およびアク
ティブ駆動素子の配線部分が多重積層されて段部が付い
ており、液晶滴内の液晶分子の配向が、この段部で乱さ
れて軸対称になりにくいが、この段部を樹脂で埋めて平
坦化することによって、液晶の出現場所を上記凹部また
は凸部に限定することが可能となる。
【0079】(凹部、凸部および第1の壁の形成方法)
上記凹部、凸部および第1の壁は、以下のようにして作
製することができる。 レジスト材料を用いる方法:図1に示すような凸部4
を有する基板1を作製する場合には、まず、図13
(a)の基板1に、レジストを塗布して露光および現像
することにより絵素中央部に凸部4を形成する(図13
(b))。次に、図13(c)に示すように、レジスト
を塗布して露光および現像することにより絵素周辺に第
1の壁5を形成する。この場合、凸部4と第1の壁5と
は同一の材料を用いて形成してもよい。同様にして凹部
についても形成することができる。
【0080】また、第1の壁5の形成後に、基板1上に
配向膜材料またはレジスト材料を塗布して固化すると、
第1の壁5の影響で第1の壁5付近の配向膜またはレジ
ストが厚くなる。よって、図10(b)に示すように、
絵素中央部が薄く、第1の壁5にかけて連続的に厚みが
増したすり鉢状の凹部15が得られる。
【0081】基板そのものに加工する方法:プラスチ
ック基板を用いた場合には、エンボス加工などにより基
板そのものに凹凸を形成して凹部、凸部または第1の壁
を作製することができる。また、凹部または凸部が形成
された基板表面上に透明電極や配向膜を形成すると、図
4(a)、(b)および図5に示すような凹部または凸
部を作製することができる。
【0082】無機材料を用いる方法:SiO2、Al2
3、ITOなどの無機材料を基板上に成膜し、マスク
を用いてパターニングすることにより、凹部、凸部また
は第1の壁を形成することができる。
【0083】(凹部または凸部を形成した基板の対向側
にカラーフィルターを含む場合のカラーフィルター側の
基板(以下、カラーフィルター基板という)の作製方
法)図24は本発明におけるカラーフィルタ基板にレジ
ストパターンを形成した平面図、図25は図24のC
C’断面図である。図24および図25において、ガラ
ス基板31上に遮光膜32を形成し、絵素領域をパター
ニングして透光部とするとともに絵素領域以外の部分に
遮光膜32を残す。この透光部に、R,G,Bのカラー
フィルター部33を形成する。このカラーフィルター部
33が形成されたカラーフィルター基板にレジスト樹脂
34を塗布する。このカラーフィルター部33上のレジ
スト樹脂34を剥離する。このようにして、カラーフィ
ルター部33間の凹部をレジスト樹脂34によって埋め
て平坦化する。このように、カラーフィルター基板のカ
ラーフィルター部33以外の領域をレジスト樹脂34で
埋めて平坦化することで、液晶滴内の液晶分子の配向を
乱す原因を排除してその配向を上記凹部または凸部に限
定することが可能となる。
【0084】(凹部または凸部を作製する材料)上記レ
ジストの材料としては、通常のホトレジスト材料を使用
することができる。また、この凹部15、凸部4および
第1の壁5は、セル内に最終的に残して使用するので、
耐熱性に優れた感光性ポリイミドを使用するのが望まし
い。さらに、レジスト材料を使用する場合、絵素内のレ
ジスト(例えば、図9の凹部15の周辺20および凸部
4)上に液晶材料が残存してコントラストを低下する原
因となるので、遮光性を有するレジスト材料を用いるの
が望ましい。例えば、レジスト材料中に有色色素を混入
したカラーレジストなどを用いることができる。
【0085】また、図26に示す軸対称配向モデルか
ら、軸対称の配向の対称軸41付近では液晶分子42が
垂直に配向していることに着目し、軸対称配向がより容
易に形成できるようにするために、絵素中央部付近を積
極的に垂直配向状態にすることが考えられる。このこと
から、上記凹部15または凸部4が垂直配向性材料で形
成することが考えられる。この凹部15または凸部4を
作製する材料として垂直配向性を出現させる材料につい
ては、垂直配向性ポリイミドに感光性を持たせた有機
物、SiO2など無機膜の斜方蒸着などを利用すること
ができる。さらに、垂直配向膜上に、絵素中心部のみ開
けて水平配向膜を塗布することによっても目標を達成す
ることができる。この場合、絵素中心部は垂直配向膜が
現れた状態となっている。
【0086】(液晶分子を軸対称状に均一配向させる方
法:その2)上記一方の基板として、図14(a)に示
すような軸対称状の配向軸を有する高分子からなる配向
膜16aが形成されたものを用いると、配向膜16aの
配向軸と液晶分子の配向軸とがほぼ一致した状態で液晶
分子を軸対称状に配向させることができる。
【0087】(軸対称状の配向膜の作製方法)図14
(b)に示すように、第1の壁5作製後、基板1a上に
2種類の異なる高分子材料を含む混合材料を塗布して相
分離させると、2種類の高分子材料が放射状または同心
円状などの軸対称状に相分離して、軸対称状の配向軸を
有する配向膜16aが得られる。
【0088】この基板1aを用いてセルを作製し、液晶
と硬化性樹脂との混合物を注入して液晶と高分子(また
は硬化性樹脂)との相分離を重合または温度降下により
起こさせると、配向膜16aの配向軸と液晶分子の配向
軸とがほぼ一致した状態で液晶分子が軸対称状に配向す
る。
【0089】(高分子壁の作製方法)高分子壁に囲まれ
た液晶領域の作製は、以下のようにして行うことができ
る。 少なくとも液晶と硬化性樹脂とを含む混合物をセル中
に注入し、混合物の均一化温度以上の温度で硬化させる
ことにより液晶と高分子とを相分離させて高分子壁に囲
まれた液晶領域を作製する方法。
【0090】少なくとも液晶と硬化性樹脂とを含む混
合物をセル中に注入し、混合物の均一化温度以上に加熱
してから徐冷して液晶と硬化性樹脂とを相分離させてか
ら、硬化性樹脂を硬化させて高分子壁に囲まれた液晶領
域を作製する方法。
【0091】上記およびにおいて、光硬化性樹脂を
用いた場合には、紫外線(または可視光)の照射により
樹脂を硬化させることができる。
【0092】また、いずれの場合でも、上述した凹部ま
たは凸部または配向膜が形成されているので、ホトマス
クにより照射強度分布を生じさせない場合でも液晶の析
出部分を制御でき、液晶領域と高分子壁との形成領域を
制御することができる。
【0093】(高分子材料の配向制御方法) 重合性液晶材料の添加:液晶分子を電圧印加時の配向
方向に有効に揃えるためには、硬化性樹脂と液晶との混
合物に、液晶性を発現する官能基またはそれに類する官
能基を分子内に有する液晶性光硬化性樹脂などの重合性
液晶材料を添加するのが望ましい。さらに、液晶と硬化
性樹脂の混合物をセル中で相分離させるとき、場合によ
っては、垂直配向性を持つ垂直配向性材料からなる凸部
などの島の上に、硬化性樹脂が析出し垂直配向性を阻害
することが考えられるため、析出しても島上の垂直配向
性を液晶相に伝達できるように、その硬化性樹脂内に液
晶性を出現させそうな官能基を有する硬化性樹脂を添加
することが好ましい。
【0094】相分離時に電圧または磁場を印加する方
法:液晶分子の軸対称状の配向は、絵素内で形成するこ
とが重要であり、配向の対称軸が基板に対して大きくず
れた配向状態の発生を抑制する必要がある。本発明者ら
の検討によれば、少なくとも液晶と硬化性樹脂とを含む
混合物に電圧または磁場またはその両方を印加しながら
液晶と高分子(または硬化性樹脂)を相分離させること
により、液晶領域の軸対称配向の軸を基板に対して垂直
方向に揃えることができる。この現象は、垂直配向性材
料からなる凸部などの垂直配向性の島を用いて行うこと
により、軸対称配向の軸制御をより確実に安定して行う
ことが可能となって好ましい。特に、図15に示すよう
に、液晶が均一相19から出現する時の小さなドロップ
レット状態の時に効果が大きく、液晶領域8が絵素全体
を覆うまで成長する前に電圧または磁場を弱めてもよ
い。この電圧および磁場の強度は、液晶の閾値(TNセ
ルで評価した値)よりも大きければよく、周期的に強度
変化するものを用いてもよい。
【0095】また、基板にアクティブ素子、例えば、T
FT(薄膜トランジスタ)を含む場合について説明す
る。
【0096】図27は本発明におけるアクティブ素子付
き基板の平面図、図28は図27のAA’断面図であ
る。
【0097】図27および図28において、絵素電極に
は、アクティブ駆動素子としてのTFT43のドレイン
電極が接続されているので、絵素電極に電圧を印加する
ためには、ゲート配線44に接続されるゲート電極に適
当な電圧を印加することによって、ソース配線45と絵
素電極の間、即ち、TFT43のソース・ドレイン間を
導通状態にしなければならない。したがって、絵素上の
液晶と樹脂の混合物に電圧を印加しながら相分離をしよ
うとすると、絵素電極(ドレイン電極)と同じ基板上の
ゲート配線44との間に、電位差があるため、液晶分子
がゲート配線44の電位の影響を受けて軸対称配向が乱
れてしまう。
【0098】本発明者らは、ゲート電極に印加する電圧
のタイミング、時間、大きさを適切に制御することによ
って、液晶分子の軸対称配向を乱さない効果を見いだし
た。即ち、絵素電極と同じ基板上のゲート配線44との
間にある電位差をできるかぎり解消するようにするた
め、セルの絵素電極に印加する電圧は、硬化性樹脂の硬
化時に、アクティブ駆動素子のゲート駆動信号電圧が、
アクティブ駆動素子のソース駆動信号電圧に同期し、か
つゲート駆動信号電圧のパルス幅はソース駆動信号電圧
の周期の2分の1以下とする。
【0099】(硬化性樹脂)本発明に使用される硬化性
樹脂としては、光硬化性樹脂などを用いることができ
る。この光硬化性樹脂としては、例えば、炭素原子数が
3以上の長鎖アルキル基またはベンゼン環を有するアク
リル酸およびアクリル酸エステルなどが挙げられる。さ
らに具体的には、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ス
テアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸イソアミ
ル、n−ブチルメタクリレート、n−ラウリルメタクリ
レート、トリデシルメタクリレート、2−エチルヘキシ
ルアクリレート、n−ステアリルメタアクリレート、シ
クロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレー
ト、2−フェノキシエチルメタクリレート、イソボルニ
ルアクリレート、イソボルニルメタクリレートなどがあ
る。さらにポリマーの物理的強度を高めるために2官能
基以上の多官能性樹脂が好ましく、例えば、ビスフェノ
ールAジメタクリレート、ビスフェノールAジアクリレ
ート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,
6−ヘキサンジオールジメタクリレート、トリメチロー
ルプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパ
ントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラア
クリレート、ネオペンチルジアクリレート、R−684
などがある。さらに、液晶と硬化性樹脂との相分離を明
確にするためには、これらのモノマーをハロゲン化、特
に塩素化、およびフッ素化した樹脂がより好ましく、例
えば、2,2,3,4,4,4−ヘキサフロロブチルメ
タクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサクロロ
ブチルメタクリレート、2,2,3,3−テトラフロロ
プロピルメタクリレート、2,2,3,3−テトラフロ
ロプロピルメタクリレート、パーフロロオクチルエチル
メタクリレート、パークロロオクチルエチルメタクリレ
ート、パーフロロオクチルエチルアクリレート、パーク
ロロオクチルエチルアクリレートなどが挙げられる。
【0100】(光重合抑制剤)液晶滴(液晶ドロップレ
ット)、即ち液晶領域8の形状を大きくするためには、
上記混合物に硬化性樹脂以外に重合反応を抑制する化合
物を添加するのが望ましい。例えばラジカル生成後に共
鳴系でラジカルを安定化するようなモノマーおよび化合
物などであり、具体的にはスチレン、p−クロルスチレ
ン、p−フェニルスチレン、p−メチルスチレンなどの
スチレンの誘導体、ニトロベンゼンなどの重合禁止剤な
どが使用できる。
【0101】(光重合開始剤)上記混合物には、さらに
光開始剤を添加してもよい。この光開始剤としては、例
えばIrgacure184、651、907(チバガ
イギー製)、Darocure1173、1116、2
959(E,Merck製)などが使用できる。また、
保持率を向上させるために可視光で重合できるような増
感剤などを使用してもよい。
【0102】これらの重合開始剤の添加量は、個々の化
合物の反応性により異なるので、本発明では特に限定し
ないが、液晶と硬化性樹脂(後述する液晶性重合材料を
含む)との混合物に対して0.01〜5%であるのが好
ましい。0.01%未満では重合反応が十分に起こらな
い。また5%を越えると、液晶と高分子との相分離速度
が早すぎて制御が困難となる。よって、液晶ドロップレ
ットが小さくなって駆動電圧が高くなり、さらに、基板
上の配向制御力が弱くなる。また、絵素内に液晶領域が
少なくなり、さらに、ホトマスクを用いて照射強度分布
を設けた場合には、遮光部(絵素外)に液晶ドロップレ
ットが形成されてしまうので、表示のコントラストが低
下する。
【0103】(液晶材料)液晶については、常温付近で
液晶状態を示す有機物混合体であって、ネマチック液晶
(2周波駆動用液晶、Δε<0の液晶を含む)または、
コレステリック液晶(時に可視光に選択反射特性を有す
る液晶)、またはスメクチック液晶、強誘電性液晶、デ
スコチック液晶などが含まれる。これらの液晶は混合し
て用いてもよく、特にコレステリック液晶(カイラル
剤)が添加されたネマチック液晶が特性上好ましい。
【0104】さらに、加工時に光重合反応を伴うため、
耐化学反応性に優れた液晶材料が好ましい。例えば、化
合物中、フッ素原子などの官能基を有する液晶材料であ
り、具体的にはZLI−4801−000、ZLI−4
801−001、ZLI−4792、ZLI−4427
(メルク社製)などが挙げられる。
【0105】(重合性液晶材料)上記液晶と硬化性樹脂
との混合物に、重合性官能基を有する液晶性化合物(以
下、重合性液晶材料と称する、単体で液晶性を発現する
必要はない)を混合すると、高分子壁中の高分子が電圧
印加時に有効に液晶分子の配向方向を揃えるようにする
ことができ、また、液晶領域の周辺部に発生するディス
クリネーションラインを抑制することができる。
【0106】これらの液晶材料と重合性液晶材料とを選
択する場合、それぞれの液晶性を発現する部分が類似し
ていることが望ましい。特に、化学的環境が特異なF、
Cl系液晶材料については、重合性液晶材料についても
F、Cl系液晶材料であることが好ましい。
【0107】使用可能な重合性液晶材料とは、次の化学
式(1)で示されるような化合物などである。
【0108】A−B−LC (1) この化学式(1)中のAは重合性官能基を示し、CH2
=CH−、CH2=CH−COO−、CH2=CCH3
COO−、下記の(化1)などの不飽和結合、または歪
みを持ったヘテロ環構造を持った官能基を示す。
【0109】
【化1】
【0110】また、化学式(1)中のBは、重合性官能
基と液晶性化合物とを結ぶ連結基であり、具体的にはア
ルキル鎖(−(CH2n−)、エステル結合(−COO
−)、エーテル結合(−O−)、ポリエチレングリコー
ル鎖(−CH2CH2O−)、およびこれらの結合基を組
み合わせた結合基である。重合性液晶材料を液晶材料と
混合した時に液晶性を示すことが好ましいので、重合性
官能基Aから液晶性化合物LCの剛直部まで6箇所以上
の結合を有する長さを持つ連結基Bが特に好ましい。ま
た、化学式(1)中のLCは液晶性化合物を示し、次の
化学式(2)で示される化合物またはコレステロール環
およびその誘導体などである。
【0111】D−E−G (2) 上記化学式(2)中のGは、液晶の誘電率異方性などを
発現させる極性基であり、−CN、−OCH3、−C
l、−OCF3、−OCCl3、−H、−R(Rはアルキ
ル基)などの官能基を有するベンゼン環、シクロヘキサ
ン環、パラジフェニル環、フェニルシクロヘキサン環な
どがである。また、化学式(2)中のEは、D、Gを連
結する官能基で、単結合、−CH2−、−CH2CH
2−、−O−、−C≡C−、−CH=CH−などであ
る。さらに、化学式(2)中のDは、化学式(1)中の
Bと結合する官能基であり、かつ、液晶分子の誘電率異
方性、屈折率異方性の大きさを左右する部分であり、具
体的には、パラフェニル環、1,10−ジフェニル環、
1,4−シクロヘキサン環、1,10−フェニルシクロ
ヘキサン環などである。
【0112】(液晶と重合性材料との混合比)液晶と重
合性材料(硬化性樹脂および重合性液晶材料を含む)を
混合する重量比は、絵素サイズにより異なるが、液晶材
料:重合性材料が50:50〜97:3が好ましく、さ
らに好ましくは、70:30〜90:10である。液晶
材料が50%を下回ると高分子壁の効果が高まりセルの
駆動電圧が著しく上昇して実用性を失う。また、液晶材
料が97%を上回ると高分子壁の物理的強度が低下して
安定した性能が得られない。また、重合性液晶材料と液
晶性を有さない重合性材料との重量比は、上記重量比の
範囲内で重合性液晶材料が0.5%以上あればよい。
【0113】(駆動方法)作製されたセルは、単純マト
リックス駆動、TFT(Thin Film Transistor)または
MIM(Metal Insulator Metal)素子などによるアク
ティブ駆動などの駆動法で駆動でき、本発明では特に限
定しない。
【0114】(基板材料)基板材料としては、可視光が
透過する透明固体であればいずれも用いることができ、
ガラス、石英、プラスチック、高分子フィルムなどを用
いることができる。特に、プラスチック基板の場合、表
面の凹凸をエンボス加工などにより形成するのが可能で
あるので適している。さらに、これらの基板を2種組み
合わせて異種基板でセルを作製することもでき、また、
同種異種を問わず厚みの異なった基板を2枚組み合わせ
て使用してもよい。
【0115】以下、本発明の具体例および比較例ついて
説明する。
【0116】(具体例1)図11に示すように、ガラス
基板(1.1mm厚み)1、2上にITO(酸化インジ
ュウムおよび酸化スズの混合物、500オングストロー
ム)からなる透明電極3、6が形成された基板を用い、
一方の基板1上に、レジスト材料(OMR83:東京応
化社製)を用いて絵素中央部に凸部4を、絵素周辺部に
第1の壁5を形成した。この時、レジスト下にはMo薄
膜による遮光層を設けて第1基板とした。
【0117】また、他方の基板2上にAL4552(日
本合成ゴム社製)を塗布し、ラビング処理を行わずに配
向膜17を形成して第2基板とした。
【0118】この両基板を、6μmのスペーサーにより
セル厚を保たせて貼り合わせ、セルを作製した。
【0119】作製したセル中に、光硬化性樹脂としてR
−684(日本化薬社製)0.1g、光重合抑制剤とし
てp−フェニルスチレン0.1g、下記した(化2)の
化合物0.06g、液晶材料としてZLI−4792
(メルク社製:S−811を0.4重量%含有)3.7
4g、および光開始剤Irgacure651を0.0
25g混合した混合物を注入した。
【0120】
【化2】
【0121】その後、温度を混合物の均一化温度以上の
110℃に保ち、かつ、透明電極3、6間に実効電圧が
2.5Vで60Hzの電圧を印加しながら、第1の基板
1側から高圧水銀ランプ下10mW/cm2の所で5分
間紫外線を照射して樹脂を硬化させた。その後、5時間
かけて40℃まで徐冷し、さらに室温(25℃)まで戻
してから、紫外線照射を行って樹脂を完全に硬化させ
た。
【0122】この状態のセルを偏光顕微鏡で観察したと
ころ、図2に示すように、高分子7に囲まれた液晶領域
8が、1区画毎にモノドメイン状態で、かつ、レジスト
からなる凸部4に相当する部分12を対称軸として液晶
分子が軸対称状に配向していた。また、偏光軸を互いに
直交させた2枚の偏光板を固定して作製したセルを回転
させたところ、液晶領域の消光模様11の位置が一定で
周りの高分子壁7のみが回転しているように観察され
た。このことから、液晶領域8全体に渡って軸対称状の
配向が得られていることが分かる。
【0123】作製したセルの両面に偏光軸を互いに直交
させて2枚の偏光板を貼り合わせて液晶表示素子を作製
した。
【0124】作製した液晶表示素子を、電圧を印加しな
がら偏光顕微鏡で観察したところ、電圧印加時において
もディスクリネーションラインが発生せず、全体が黒く
なっていくことが確認された。
【0125】作製した液晶表示素子の電気光学特性およ
びざらつきの評価について以下の表1および図16に示
す。また、後述する比較例1および比較例2の電気光学
特性についても表1に同時に示した。比較例1のざらつ
きの評価については図17に示す。尚、電気光学特性
は、偏光軸と互いに平行にした2枚の偏光板をブランク
(透過率100%)として示した。また、表1中、中間
調における反転現象は、○印:反転現象が起こらない状
態、×印:容易に反転現象を観察できる状態、△印:辛
うじて反転現象が観察される状態として示した。
【0126】
【表1】
【0127】図16および図17に示すように、本具体
例1の液晶表示素子は、比較例1のTNセルに見られる
ような反転現象が生じず、電圧飽和時の広視角方向での
透過率の増加も生じなかった。さらに、表1に示すよう
に、本具体例1の液晶表示素子は、中間調においてもざ
らつきが観察されなかった。
【0128】(比較例1)具体例1と同様のガラス基板
1、2上にITOからなる透明電極3、6が形成された
基板を用い、両基板上に配向膜を形成してラビング処理
を行った。この両基板を、配向膜の配向方向が互いに直
交するように6μmのスペーサーによりセル厚を保たせ
て貼り合わせ、セルを作製した。
【0129】作製したセル中に、具体例1で用いた液晶
材料ZLI−4792(メルク社製:S−811を0.
4重量%含有)を注入し、セルの両面に偏光軸を互いに
直交させて2枚の偏光板を貼り合わせて液晶表示素子を
作製した。
【0130】作製した液晶表示素子の電気光学特性およ
びざらつきの評価については上記表1および図17に示
した。
【0131】(具体例2)この具体例2では、図12に
示すように絵素中央部に凹部15が形成された基板1を
用いた以外は具体例1と同様にセルを作製し、具体例1
と同様の混合物を注入した。
【0132】作製したセルの透明電極3、6間に実効電
圧が2.5Vで60Hzの電圧を印加しながら、一旦、
混合物の均一化温度以上に加熱し、その後徐冷して液晶
を析出させた。液晶析出後、電圧印加を停止して液晶相
が絵素に対応した領域にほぼ広がった時に紫外線を照射
して樹脂を硬化させた。
【0133】作製した液晶表示素子は、液晶領域内で液
晶分子が凹部15を中心とした軸対称状の配向をしてお
り、中間調においてもざらつきが観察されなかった。
【0134】(具体例3)この具体例3では、図18に
示すように絵素中央部に凸部4、その周辺に凹部15が
形成された基板1を用いた以外は具体例1と同様に液晶
表示素子を作製した。
【0135】作製した液晶表示素子は、液晶領域内で液
晶分子が凸部4を中心とした軸対称状の配向をしてお
り、中間調においてもざらつきが観察されなかった。
【0136】(具体例4)この具体例4では、図5に示
すように凸部4および第1の壁5上に配向膜16がスピ
ンコートされた基板1を用いた以外は具体例1と同様に
セルを作製し、具体例1と同様の混合物を注入した。樹
脂の硬化は具体例2と同様にして行った。このセルにつ
いて降温時の相分離過程を観察すると、セル厚の厚い領
域(凹部15)から液晶相が出現し、液晶分子の配向の
対称軸がセル厚の厚い領域に位置して、軸対称状の軸位
置が中央部の凸部4に意図的に制御された液晶滴が成長
してくるのが確認された。このようにセル厚の厚い領域
に液晶滴が出現すると、セル厚が薄い領域に比べて球形
に近い形状になるので、比較的界面エネルギーが小さく
なって安定化されると考えられる。したがって、液晶相
はセル厚が最大の領域から発生することになり、液晶分
子の配向の対称軸についても位置が限定される。
【0137】作製した液晶表示素子は、液晶領域内で液
晶分子が凸部4を中心とした軸対称状の配向をしてお
り、中間調においてもざらつきが観察されなかった。
【0138】(具体例5)この具体例5では、図19に
示すような長絵素13に対して、絵素を分割して黒色レ
ジスト(CFPR−BK510S:東京応化社製)を用
いて第1の壁21aおよび凸部21bを形成した基板1
を用いた以外は具体例1と同様に液晶表示素子を作製し
た。
【0139】作製したセルを偏光顕微鏡で観察したとこ
ろ、各絵素に2つの液晶ドメインが形成され、各液晶ド
メインがモノドメイン状態で、かつ、凸部21bに相当
する部分を対称軸として液晶分子が軸対称状に配向して
いた。
【0140】作製した液晶表示素子は、液晶ドメイン内
で液晶分子が凸部21bを中心とした軸対称状の配向を
しており、中間調においてもざらつきが観察されなかっ
た。
【0141】(比較例2)この比較例2では、図20に
示すように絵素中央部が平坦な基板を用いた以外は具体
例1と同様にセルを作製し、具体例1と同様の混合物を
具体例1と同様に硬化させて液晶表示素子を作製した。
【0142】作製したセルを偏光顕微鏡で観察したとこ
ろ、ほとんどの液晶領域内の液晶分子が軸対称状に配向
していたが、図21(a)に示すように対称軸の軸位置
18がずれているものや、図21(b)に示すように対
称軸が形成されていない液晶領域8が一部観察された。
また、電圧印加時、特に中間調においては、ざらつきが
顕著に観察されなかった。
【0143】(具体例6)この具体例6では、基板1上
に図14(a)に示すような軸対称状の配向軸を有する
配向膜16aを形成した基板1aを用いて具体例1と同
様に液晶表示素子を作製した。配向膜16aの作製は以
下のようにして行った。
【0144】図14(b)に示すように、基板1a上に
第1の壁5作製後、2種類の異なる高分子材料(ポリイ
ミドなど)を含む混合材料22を塗布し、乾燥して相分
離させ、焼成することにより作製した。
【0145】このようにして作製した基板上では、各絵
素毎に2種類の高分子材料が軸対称状に相分離して、軸
対称状の配向軸を有する配向膜16aが得られた。この
ような基板より作製したセル中に、具体例1と同様な液
晶材料と硬化性樹脂材料を含む混合物を注入し、同様の
加工条件で軸対称状に液晶分子が配向した液晶表示素子
を作製した。
【0146】作製した液晶表示素子を偏光顕微鏡で観察
したところ、液晶領域内で配向膜16aの配向軸と液晶
分子の配向軸とがほぼ一致した状態で軸対称状の配向を
しており、中間調においてもざらつきがほとんど観察さ
れなかった。
【0147】(具体例7)この具体例7は、安定化して
配向軸を軸対称状にするために、絵素部中央に設けられ
る凸部が垂直配向性材料で形成されている場合である。
【0148】ガラス基板(1.1mm厚み)上にITO
(酸化インジュウムおよび酸化スズの混合物、厚さ50
0オングストローム)を透明電極として有する基板を使
用した。図29に示すように、この基板51上に、絵素
部中央に島状の垂直配向性レジスト(JALS204に
硬化性材料を添加したレジスト)を用いて凸部52を形
成し、この垂直配向性の凸部52を囲むように、レジス
ト材料(OMR83:東京応化社製)を用いて絵素部外
に第1の壁53を形成した。このとき、レジスト下に
は、Mo薄膜による遮光層を設けて第1基板とした。
【0149】また、他方の基板54上に、AL4552
(日本合成ゴム社製)を塗布し、これにラビング処理を
行わずに配向膜55を形成して第2基板とした。
【0150】これら両基板を用いて、5μmのスペーサ
によりセル厚を保たせることによりセルを構成した。こ
のセル中に、R−684(日本化薬社製)が0.1g、
p−フェニルスチレンが0.1g、上記した(化2)の
化合物が0.06g、液晶材料としてZLI−4792
(メルク社製:S−811を0.4重量%含有)が3.
74g、および光開始剤Irgacure651が0.
02g混合した混合物を作製して注入を行った。
【0151】その後、110℃に温度を保って、一度室
温まで冷却し、透明電極間に実効電圧5V:60Hzの
電圧を印加しながら、再度60℃〜50℃に加熱し、こ
の温度で電圧のON−OFFを行って軸対称配向に揃え
た。さらに、この状態から7時間かけて30℃の温度ま
で冷却した。
【0152】この状態で、各絵素の配向状態が軸対称状
になっており、凸部に垂直配向性材料を用いた本具体例
7のセルが、軸対称性配向の安定性を向上させる効果が
あることがわかる。この状態において、第1基板側から
高圧水銀ランプ下2mW/cm2の所で20分間紫外線
光を照射して樹脂を硬化させた。
【0153】この状態から温度を室温以下に下げて、液
晶と未反応の光硬化性樹脂の分離を進めてさらに紫外線
照射してもよい。
【0154】このようにして作製した液晶セルを、偏光
顕微鏡で観察したところ、一区画毎に、図30に示すよ
うにモノドメイン状態で、かつ、レジストの島(垂直配
向性材よりなる凸部)を中心に液晶分子が軸対称状に配
向していた。また、ほとんどの液晶領域において軸対称
状配向を達成した。
【0155】また、作製した液晶セルの上下に互いに直
交する2枚の偏光板を張り合わせて高分子壁に囲まれた
液晶領域を有する液晶表示素子を作製した。また、作製
した液晶セルを電圧印加しながら、偏光顕微鏡で観察し
たところ、電圧印加時においてもディスクリネーション
ラインが発生せず全体に黒くなっていくことが観察され
た。さらに、作製した液晶セルの電気光学特性およびざ
らつきの評価については下記の(表2)に示している。
下記の(表2)から本具体例7の液晶セルは、TNセル
で見られるような反転現象は見られず、電圧飽和時の広
視角方向での透過率の増加も見られない。本測定では、
偏光軸を互いに平行にした2枚の偏光板をブランク(透
過率100%)として測定した。さらに、中間調におい
てもざらつきは観察されなかった。
【0156】
【表2】
【0157】ただし、この(表2)において、中間調に
おける反転現象の項目では、○印が反転現象が起こらな
い状態を示している。
【0158】(具体例8)この具体例8は、具体例7の
液晶セルを製造する方法として高温露光−徐冷法を用い
た場合である。
【0159】上記具体例7と同様のセルに液晶材料と光
硬化性樹脂材料を含む混合物を注入し、このセルを混合
物の均一化温度である110℃に加熱した。その後、1
10℃の温度を保って、透明電極間に実効電圧2.5
V:60Hzの電圧を印加しながら、第1基板側から高
圧水銀ランプ下10mW/cm2の所で4分間紫外線光
を照射して硬化性樹脂を硬化させた。さらにその後、5
0℃〜60℃で電圧のON(液晶が動作する電圧以上)
−OFFを繰り返し、さらに、2時間かけて30℃の温
度まで冷却し、さらに、室温(25℃)に戻してからさ
らに同じ紫外線照射装置で硬化性樹脂の硬化を完璧なも
のにした。
【0160】このようにして作製した液晶セルの電気光
学特性およびざらつきの評価については上記(表2)に
示している。
【0161】(具体例9)この具体例9は、絵素部中央
に設けられる垂直配向性凸部の島が上下基板両面に設け
られている場合である。
【0162】図31に示すように、上記具体例7の第1
基板と同様に垂直配向性の凸部57である島を設け、こ
の第1基板の島の部分の位置に合わせて、第1基板に対
向する第2基板の配向膜上にも垂直配向性の凸部58で
ある島を設けた。このようにして、具体例7と同様に液
晶セルを作製した。作製した液晶セルを用いた液晶表示
素子は、液晶領域内で、液晶分子が軸対称状に安定して
配向をしており、中間調においてもざらつき現象は見ら
れなかった。
【0163】このようにして作製した液晶セルの電気光
学特性およびざらつきの評価については上記(表2)に
示している。
【0164】したがって、上記具体例7〜9では、1絵
素内に液晶分子が絵素の中心部を中心に軸対称状に配向
した液晶表示素子であり、液晶分子が全方位的に配向す
るために、従来の液晶表示素子で問題となっていた視角
方向によるコントラストの悪化を改善することができ
る。さらに、絵素の中央部に垂直性の島を形成すること
により軸対称性が安定化し、各絵素内の軸対称状配向の
軸の位置を明確に決定することができ、視角を変化させ
たときに見られるざらつきを低減することができ、均一
でコントラストの高い広視角液晶素子を提供することが
できる。
【0165】なお、上記具体例7〜9では絵素の中央部
に垂直配向性の島である凸部を設けた場合に付いて説明
したが、この凸部は凹部であってもよく、また、両方が
組み合わされていても良い。
【0166】(具体例10)この具体例10は、安定し
て配向軸を軸対称状にする凹部または凸部を有する基板
にアクティブ駆動素子を含み、その対向基板にカラーフ
ィルター基板を用い、相分離時にソース信号、ゲート信
号および対向電圧のタイミング電圧を印加する場合であ
る。
【0167】図27および図28に示すように、ガラス
基板46上にCrを蒸着パターニングしてゲート配線4
4を形成した。次に、プラズマCVD装置で、ゲート絶
縁膜となるように、アモルファスシリコン膜を堆積し、
レーザーアニールによって、アモルファスシリコンを多
結晶化した。この多結晶化シリコンを島状にパターニン
グして半導体層とした。この上にPをドープしたアモル
ファスシリコンをプラズマCVDで堆積し、半導体層を
覆うようにパターニングした。さらに、ITOを蒸着し
てパターニングし、絵素電極とした。さらに、Cr、A
lを蒸着して、所定の形状にパターニングした。さら
に、Al、Cr、Pドープアモルファスシリコンの順に
エッチングして、ソース・ドレイン電極とした。さら
に、窒化シリコン膜をプラズマCVDで堆積して保護膜
とした。基板の周辺部の保護膜をエッチングし電極取り
出し部を形成し、TFT基板とした。この基板にレジス
ト材料(OMR83)をスピンコートで塗布の後、絵素
電極領域が遮光部分で、絵素中心の直径10μmの領域
が透過部となる遮光マスクを、レジストを塗布した基板
に重ねて、マスク側から紫外線光を照射し、未硬化の部
分をエッチングすることによって、絵素電極以外の領域
の壁47と絵素電極の中心部に直径10μmのレジスト
の島パターンである凸部48を形成した。
【0168】このように、この第1基板の液晶領域側表
面に島パターンの凸部(または凹部)が設けられ、液晶
領域内で液晶分子が凸部近傍を基板に垂直な軸部として
軸対称状に配向可能となる。
【0169】また、第2基板は、図24および図25に
示すように、上記第1基板の絵素に対応した領域の間隙
に遮光膜32を形成し、次いで、絵素領域に樹脂層を設
け、規則的にRGBに着色したカラーフィルター部33
とした。この第2基板に、レジスト材料(OMR83)
をスピンコートで塗布し、カラーフィルター部33以外
の領域が透光部となる遮光マスクをこの基板に重ねて、
マスク側から紫外線光を照射し、未硬化の部分をエッチ
ングすることによって、カラーフィルター部33以外の
領域をレジスト樹脂34で埋めて平坦化した。つまり、
第2基板にカラーフィルター部33が設けられ、このカ
ラーフィルター部33を形成した基板31の絵素領域以
外の凹部がレジスト樹脂34で埋められて平坦化され
る。
【0170】このように、絵素内で液晶分子が軸対称状
に配向可能な液晶表示素子において、少なくとも一方の
基板(具体例10の場合は第2基板)が平坦化されてい
る。このようにして、作製した第1基板と第2基板を、
6μmのスペーサーによってセル厚を確保することによ
ってセルを作製した。これら第1基板と第2基板は、指
定の場所を電気的に接続するために、指定場所は、レジ
ストを形成しておらず、ITO電極になっており、カー
ボンペースト(TU−100−5S;アサヒ化学製)で
電気的に接続した。作製したセルに、具体例1で用いた
ものと同様の、液晶材料と硬化性樹脂材料を含む混合物
を注入した。この注入されたセルを、110℃に保っ
て、かつ、ソース電極、ゲート電極、対向電極に図32
に示す信号電圧を対向電極の電位を基準にして、ソース
電極に周波数60Hz、±2.5V、デューティ1/2
の矩形波、ゲート電極にソース電極と同期させて周波数
120Hz、+10Vの時間範囲が60μs、その他の
時間範囲は、−16Vの矩形波を印加しながら、第1基
板側から高圧水銀ランプの光強度10mW/cm2で紫
外線光を照射して硬化性樹脂を硬化させた。その後、5
時間をかけて40℃まで冷却し、さらに、室温(25
℃)に戻してからさらに同じ紫外線照射装置で硬化性樹
脂の硬化を完璧にした。
【0171】このようにして作製した液晶セルを、偏光
顕微鏡で観察したところ、絵素毎に、図2に示すように
モノドメイン状態で、かつ、レジストの島を中心に液晶
分子が軸対称状に配向していた。ほとんどの液晶領域に
おいて軸対称状配向を達成した。その証拠は、互いに直
交する2枚の偏光板を固定し、作製した液晶セルを回転
させたところ、液晶領域のシュリーレン模様の位置が一
定で、周りの高分子壁だけが回転しているように観察さ
れたことによるものである。
【0172】さらに、作製した液晶セルの上下に互いに
直交する2枚の偏光板を張り合わせて、高分子壁に囲ま
れた液晶表示素子を作製した。また、作製した液晶セル
を電圧印加しながら、偏光顕微鏡で観察したところ、電
圧印加時においてもディスクリネーションラインが発生
せず全体に黒くなっていくことが観察された。この液晶
セルは、TNセル(比較例1)で見られるような反転現
象は見られず、電圧飽和時の広視角方向での透過率の増
加も見られない。本測定では、偏光軸を互いに平行にし
た2枚の偏光板をブランク(透過率100%)として測
定した。さらに、中間調においてもざらつきは、観察さ
れなかった。
【0173】したがって、凹部または凸部を形成した基
板とカラーフィルターとの間隙は、カラーフィルター部
の間が凹部となっているので、液晶と硬化性樹脂の相分
離時に、セル厚の厚い部分に液晶が析出するために、液
晶滴内の液晶分子の配向が、この凹部で乱されて軸対称
になりにくい。この部分をレジストで埋めてカラーフィ
ルターを平坦化することによって、液晶と硬化性樹脂の
相分離時に、液晶滴内の液晶分子の配向を乱す原因を排
除することができて、液晶の出現場所をカラーフィルタ
ーの対向側の凸部に限定することができる。また、アク
ティブ駆動素子およびアクティブ駆動素子の配線部分が
多重積層されて段部が付いており、液晶滴内の液晶分子
の配向が、この段部で乱されて軸対称になりにくいが、
この段部を樹脂で埋めて平坦化することによって、液晶
の出現場所を上記凹部または凸部に限定することが可能
となる。
【0174】また、アクティブ駆動素子のゲート駆動信
号電圧がソース駆動信号電圧に同期しており、かつゲー
ト駆動信号電圧の周期がソース駆動信号電圧の周期の1
/2で、ゲート駆動信号電圧のパルス幅がソース駆動信
号電圧の周期の2分の1以下で電圧を印加しながら樹脂
を硬化する。絵素電極の近傍にはゲート信号配線があ
り、ゲート信号電圧の電位が絵素電極近傍の電位に影響
を与えている。ソース駆動信号電圧が絵素電極に印加さ
れている時間に比べてゲートに印加される信号電圧の時
間が短くなると絵素電極近傍の電位に影響が少なくな
る。従って、絵素電極と同じ基板上のゲート配線との間
にある電位差が緩和され、液晶分子がゲート配線の電位
の影響を受けて軸対称配向が乱れてしまうようなことは
なくなる。
【0175】以上のように、各絵素内の軸対称状配向の
軸の位置を明確に決定することができ、視角を変化させ
たときに見られるざらつきを低減することができ、均一
でコントラストの高い広視角液晶素子を提供することが
できる。
【0176】(実施例2)本実施例においては、液晶分
子の配向の対称軸の位置を制御するための凹部をカラー
フィルター部に簡便に形成する方法について説明する。
【0177】(カラーフィルター基板の作製方法)図3
3(a)〜(e)を参照しながら、本実施例のカラーフ
ィルター基板60の製造工程を説明する。
【0178】まず、図33(a)に示すように、基板6
2上にカラーフィルター63を形成する。カラーフィル
ター63は、赤(R)、緑(G)、及び青(B)にそれ
ぞれ対応するカラーフィルター部63a、63b及び6
3cを有している。カラーフィルター部63a、63b
及び63cのそれぞれは、絵素に対応するように形成さ
れる。本発明では、カラーフィルター63を形成する方
法は特に限定されず、電着法、フィルム張り付け法、印
刷法、カラーレジスト法などが使用され得る。次に、図
33(b)に示すように、基板62上に、レジスト64
を塗布する。その後、図33(c)に示すように、絵素
外(カラーフィルター部以外の領域)にレジストが残る
ように露光、現像を行う。作製された基板62上のレジ
ストからなる凸状壁65は、絵素部分(カラーフィルタ
ー部)よりも液晶層側に突き出ていることが重要であ
る。
【0179】図33(d)に示すように、この凸状壁6
5を有する基板62上に、薄いオーバーコート層66を
形成する。レジストからなる凸状壁65の為に、液状の
オーバーコート剤の表面張力(メニスカス)により、カ
ラーフィルター部63a、63b及び63c上に、凹部
(すり鉢状の)が形成される。さらに、図33(e)に
示すように、基板62上に形成されたオーバーコート層
66上に、透明電極67を形成する。必要に応じて、透
明電極67上に絶縁層や配向膜を形成してもよい。この
ようにして、カラーフィルター基板60が得られる。
【0180】(オーバーコート材)凹部を作製する材料
としては、通常のオーバーコート材料を使用できる。本
発明では、オーバーコート層は、その上に透明電極を形
成し、液晶セル内に最終的に残して使用される。従っ
て、耐熱性に優れたポリイミド、エポキシアクリレート
などをオバーコート材として使用することが好ましい。
【0181】(絵素内のドメイン数)絵素内のドメイン
数は、出来るだけ少ないことが好ましい。一絵素内に多
数のドメインが存在すると、ドメイン間にディスクリネ
ーションラインが形成され黒レベルを低下させる。ドメ
イン内で液晶分子が軸対称状に配列している単一のドメ
インで絵素部分が覆われていることが好ましい。この場
合、電圧印加時にディスクリネーションラインがドメイ
ンの外周上に形成されるので、絵素部分にディスクリネ
ーションラインが入り込むことがほとんど起こらない。
【0182】また、図3に示すように、長方形の絵素1
3を有するカラー液晶表示素子を本実施例に従って作製
する場合、ドメイン内で液晶分子が軸対称状に配列して
いる単一の液晶ドメイン14が少なくとも2個集まった
液晶領域8を形成してもよい。この場合、絵素13内の
2つの液晶ドメイン14に対応するように2つのカラー
フィルター部を形成する。その後、図33(a)〜
(e)の工程に従って、絵素13内の2つの液晶ドメイ
ン14に対応して、液晶分子の配向の対称軸の位置を制
御する凹部を形成することができる。また、凸状壁65
を形成する材料に遮光性を付与することによって、凸状
壁65をブラックマスク(BM)として機能させること
もできる。
【0183】(基板材料)基板62の材料としては、可
視光を透過する透明固体であればよく、ガラス、石英、
プラスチックなどを用いることができる。
【0184】(具体例11、比較例3、4) (1)カラーフィルター基板の作製 カラーフィルター基板60の作製(具体例11) 図33(a)〜(e)に示した方法に従って、カラーフ
ィルター基板60を作製する。
【0185】ガラス基板62(1.1mm厚)上にカラ
ーレジストを使用し、R、G、Bに対応したカラーフィ
ルター部63a、63b及び63cを各絵素に形成す
る。この基板62上に、レジスト64(V259PA:
新日鉄化学(株)社製)を塗布し、絵素外にレジストが
残るように露光及び現像を行う。作製された基板上のレ
ジストからなる凸状壁65は、絵素部分より、約1μm
突き出るように調整する。この凸状壁65を有する基板
62上に、薄いオーバーコート層66(V259=新日
鉄化学(株)社製)を形成し、すり鉢状の凹部を形成す
る。さらに、この基板62上に、透明電極67(ITO
(酸化インジュウムおよび酸化スズの混合物、厚さ50
nm))を形成し、さらに、その上に絶縁膜(Si
2)を形成する。
【0186】カラーフィルター基板70の作製(比較
例3) 図34に示すカラーフィルター基板70を以下のように
して作製する。上記の具体例11用のカラーフィルター
基板60と同様に、ガラス基板62上にカラーフィルタ
ー63を形成した後、その上にオーバーコート層66を
厚く形成する。オーバーコート層66の表面を研磨し、
平らな表面を有するカラーフィルター70を作製する。
このオーバーコート層66の上に、透明電極67を形成
することによって、カラーフィルター基板70を作製し
た。
【0187】カラーフィルター基板80の作製(比較
例4) 図35に示す従来例のカラーフィルター基板80を以下
のように作製した。カラーフィルター基板80は、隣接
するカラーフィルター部63の間に凹部を有する。
【0188】まず、上記カラーフィルター基板60と同
様に、ガラス62上に基板カラーフィルター部63を形
成する。隣接するカラーフィルター63の間をレジスト
材料で埋めることなく、その上にオーバーコート層66
を薄く形成した。オーバーコート層66は薄いので、カ
ラーフィルター部63の間に凹部が形成される。このオ
ーバーコート層66の上に、透明電極67を形成するこ
とによって、カラーフィルター基板80を作製した。
【0189】(2)TFT基板の作製 TFTを有する基板(TFT基板)上の絵素の周囲に、
レジスト材料(OMR83:東京応化社製)を用いてレ
ジスト壁を形成した。このレジスト壁内には、セル厚を
一定に保つためのビーズが、レジスト壁の外にビーズ表
面が出ないように混入されている。
【0190】(3)TFTセル作製(貼り合わせ) 上記のようにして作製したカラーフィルター基板60、
70及び80とTFT基板を使用して、それぞれ具体例
11、比較例3及び比較例4の液晶セルを作製した。
【0191】(4)軸対称配向の作製 R−684(日本化薬社製)0.1gとp−フエニルス
チレン0.1gと(化2)で表される化合物0.06
g、さらに液晶材料ZLI−4792(メルク社製:S
−811を0.4重量%含有)3.74gと光開始剤I
rgacure651を0.02g混合し、紫外線硬化
性樹脂と液晶の混合物を得た。得られた混合物を上記の
液晶セル中に注入をした。
【0192】その後、100℃に温度を保ってセル内の
混合物を均一状態(相溶状態)にしてから、温度を低下
することによって相分離を起こした。相分離した液晶相
が絵素全体に広がってから、温度を上昇させ、液晶領域
の大きさが絵素の1/4程度になった状態で、電極間に
実効電圧5V:60Hzの電圧を印加し、その後、徐々
に電圧を降下させた。この状態で、液晶領域内の液晶分
子の配向は、軸対称な配向状態となった。
【0193】具体例11、比較例3及び比較例4のそれ
ぞれの、液晶相が析出するとき様子を図36(a)〜
(c)に示す。液晶領域はセル厚の厚い部分に集まる傾
向にあるので、具体例11では、図36(a)に示すよ
うに絵素の中央に液晶領域が形成される。比較例3で
は、図36(b)に示すように絵素内ではあるが、液晶
領域が形成される位置が定まらず、絵素毎にランダムな
位置に液晶領域が形成される。比較例4では、絵素外に
液晶領域が集まりやすく、液晶領域が部分的に絵素にか
かっている状態となった。
【0194】さらに、その後、室温まで温度を下げ、T
FT基板側から高圧水銀ランプを用いて、2mW/cm
2の紫外線を30分間照射して、紫外線硬化性樹脂を硬
化させた。
【0195】得られたセルを偏光顕微鏡で観察した結果
を図37(a)〜(c)に示す。具体例11では、図3
7(a)に示すように、液晶分子の配向の対称軸の位置
が全て絵素について、絵素の中央部に制御されている。
比較例3では、数%の絵素において、液晶分子の軸対称
配向の対称軸が大きくずれているものが観測された。こ
のような配向状態の違いの結果、具体例11では、ざら
つきは観察されず、良好な表示品質が得られた。比較例
3では、中間調状態で、かつ、視角を倒したときに、ざ
らつきが観測された。比較例4では、液晶分子が軸対称
配向している絵素の数が全体の絵素の30%程度しかな
く、非常にざらついた表示となった。
【0196】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、液晶領域
内の液晶分子が軸対称状に配向しているので、従来の液
晶表示素子において問題となっていたコントラスト変化
を改善することができる。また、各絵素内の対称軸位置
を制御することができ、基板に垂直な対称軸とすること
ができるので、視角を変化させた時に見られるざらつき
を低減することができ、均一でコントラストの高い広視
角の液晶表示素子を得ることができる。さらに、ディス
クリネーションラインを絵素外に形成し、または見え難
くすることができるので、表示品位を向上させることが
できる。
【0197】また、絵素の中央部に垂直配向性の島であ
る凹部や凸部を形成することにより、軸対称性が安定化
し、各絵素内の軸対称状配向の軸の位置を明確に決定す
ることができ、視角を変化させたときに見られるざらつ
きを低減することができ、均一でコントラストの高い広
視角液晶素子を提供することができる。
【0198】さらに、電極基板の対向側表面を平坦化す
ることによって、液晶滴内の液晶分子の配向を乱す原因
を排除してその配向を凹部または凸部に限定することが
できる。例えば電極基板にカラーフィルターを含む場合
には、カラーフィルター間の凹部を樹脂で埋めてカラー
フィルター間を平坦化することによって、液晶の出現場
所をカラーフィルターの対向側の上記凹部または凸部に
限定することができる。また、例えば電極基板にアクテ
ィブ駆動素子を含む場合には、このアクティブ駆動素子
およびアクティブ駆動素子の配線部分が多重積層されて
段部が付いており、この段部を樹脂で埋めて平坦化する
ことによって、液晶の出現場所を上記凹部または凸部に
限定することができる。したがって、各絵素内の軸対称
状配向の軸の位置を明確に決定することができ、視角を
変化させたときに見られるざらつきを低減することがで
き、均一でコントラストの高い広視角液晶素子を提供す
ることができる。
【0199】さらに、本発明による液晶表示素子は、絵
素毎に設けられたカラーフィルター部に凹部を有するの
で、液晶分子が絵素の中心部を中心に軸対称状に配向す
る。カラーフィルター部に凹部を形成することによっ
て、各絵素内の液晶分子の軸対称状配向の軸の位置を均
一に制御することができるので、視角を変化させたとき
に見られるざらつきを低減することができ、均一でコン
トラストの高い広視角液晶表示装置を提供することがで
きる。さらに、本発明によるとカラーフィルター部を通
常のカラーフィルター部の製造工程と同じ工程で製造で
きるので、コストパフォーマンスに優れている。
【0200】さらに、アクティブ駆動素子のゲート駆動
信号電圧がソース駆動信号電圧に同期しており、かつゲ
ート駆動信号電圧のパルス幅はソース駆動信号電圧の周
期の2分の1以下である電圧を印加しながら樹脂を硬化
するようにすれば、絵素電極と同じ基板上のゲート配線
との間にある電位差が緩和され、液晶分子がゲート配線
の電位の影響を受けて軸対称配向が乱れてしまうような
従来の問題を解消することができる。したがって、各絵
素内の軸対称状配向の軸の位置を明確に決定することが
でき、視角を変化させたときに見られるざらつきを低減
することができ、均一でコントラストの高い広視角液晶
素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶表示素子の一実施例を示す断面図
である。
【図2】本発明の一実施例である液晶表示素子の偏光顕
微鏡による観察図である。
【図3】本発明の他の実施例である液晶表示素子の偏光
顕微鏡による観察図である。
【図4】(a)および(b)は、本発明の液晶表示素子
の他の実施例を示す断面図である。
【図5】具体例4の液晶セルを示す断面図である。
【図6】本発明の液晶表示素子の他の実施例を示す断面
図である。
【図7】本発明の液晶表示素子の他の実施例を示す断面
図である。
【図8】本発明の液晶表示素子の他の実施例を示す断面
図である。
【図9】本発明の液晶表示素子の他の実施例を示す断面
図である。
【図10】(a)および(b)は、本発明の液晶表示素
子の他の実施例を示す断面図である。
【図11】実施例1の液晶セルを示す断面図である。
【図12】具体例2の液晶セルを示す断面図である。
【図13】図3の液晶表示素子における一方の基板の作
製過程を示す断面図である。
【図14】(a)は具体例6の液晶セルを示す平面図で
あり、(b)は液晶セルの作製過程を示す断面図であ
る。
【図15】均一相から液晶相が析出してくる状態を示す
模式図である。
【図16】具体例1の液晶表示素子の電気光学特性を示
す図である。
【図17】比較例1の液晶表示素子の電気光学特性を示
す図である。
【図18】具体例3の液晶セルを示す断面図である。
【図19】具体例5の液晶セルを示す平面図である。
【図20】比較例2の液晶セルを示す断面図である。
【図21】(a)および(b)は、比較例2の液晶セル
の偏光顕微鏡による観察図である。
【図22】(a)および(b)は、広視角モードおよび
TNモードの液晶表示素子の視角によるコントラスト変
化を説明するための図である。
【図23】液晶分子の配向の対称軸のずれによるざらつ
きを説明するための図である。
【図24】本発明におけるカラーフィルタ基板にレジス
トパターンを形成した平面図である。
【図25】図24のCC’断面図である。
【図26】本発明のモードにおける軸対称配向モデルを
示す断面モデル図である。
【図27】本発明におけるアクティブ素子付き基板にレ
ジストパターンを形成した平面図である。
【図28】図27のAA’断面図である。
【図29】具体例7の液晶セルを示す断面図である。
【図30】具体例7の液晶セルの偏光顕微鏡による観察
図である
【図31】具体例9の液晶セルを示す断面図である。
【図32】相分離時に具体例10の液晶表示素子の絵素
電極に印加するソース信号、ゲート信号および対向電圧
のタイミング図である。
【図33】本発明のカラーフィルター基板の作製工程を
示す図である。
【図34】表面を平坦化したカラーフィルター基板の断
面図(比較例3)である。
【図35】従来のカラーフィルター基板の断面図(比較
例4)である。
【図36】具体例11、比較例3、4の液晶セル作製過
程での液晶領域の形成位置を示す模式図である。
【図37】具体例11、比較例3、4の液晶セルを偏光
顕微鏡観察結果を示すモデル図である。
【符号の説明】
1、1a、2 透明基板 3 絵素電極 4 凸部 5 第1の壁 6 対向電極 7 高分子壁 8 液晶領域 9 液晶分子 10 ディスクリネーションライン 11 消光模様 12 中央ディスクリネーション点 13 絵素 14 液晶ドメイン 15 凹部 16、16a、17 配向膜 18 配向の対称軸 19 硬化性樹脂と液晶との混合相 20 レジスト膜 21a 黒色レジスト 31、46、51、54 ガラス基板 32 遮光膜 33 カラーフィルター部 34 レジスト樹脂 41 配向の対称軸 42 液晶分子 43 TFT 44 ゲート配線 45 ソース配線 47 絵素電極以外の領域の壁 48、52、57、58 凸部 53 第1の壁 55 配向膜
フロントページの続き (72)発明者 塩見 誠 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 山田 信明 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 神崎 修一 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−194636(JP,A) 特開 平6−214218(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1339 500 G02F 1/1335 505 G02F 1/1337 500

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向する一対の電極基板間に、高分子壁
    と該高分子壁に囲まれた液晶領域とが挟持された液晶素
    子において、 該一対の電極基板の少なくとも一方の該液晶領域側表面
    に凹部および凸部の少なくとも一方が設けられ、該液晶
    領域内で液晶分子が該凹部および凸部の少なくとも一方
    の近傍を該電極基板に垂直な軸部として軸対称状に配向
    しており、 前記一対の基板の少なくとも一方の液晶領域側表面に、
    該液晶領域を囲むように第1の壁が設けられて、該第1
    の壁の高さHと前記凸部の高さhとがH>hである、液
    晶素子。
  2. 【請求項2】 対向する一対の電極基板間に、高分子壁
    と該高分子壁に囲まれた液晶領域とが挟持された液晶素
    子において、 該一対の電極基板の少なくとも一方の該液晶領域側表面
    に柱部が設けられ、該液晶領域内で液晶分子が該柱部近
    傍を該電極基板に垂直な軸部として軸対称状に配向して
    おり、 前記液晶分子の対称軸付近に、前記一対の電極基板の電
    極間距離が互いに異なる領域が存在する、液晶素子。
  3. 【請求項3】 対向する一対の電極基板間に、高分子壁
    と該高分子壁に囲まれた液晶領域とが挟持された液晶素
    子において、 該一対の電極基板の少なくとも一方の電極基板の該液晶
    領域側表面に凹部および凸部の少なくとも一方が設けら
    れ、該液晶領域内で液晶分子が該凹部および凸部の少な
    くとも一方の近傍を該電極基板に垂直な軸部として軸対
    称状に配向しており、 該一対の電極基板のうち少なくとも一方の電極基板の対
    向側表面が平坦化された樹脂部が設けられており、 さらに、前記一対の基板の少なくとも一方の液晶領域側
    表面に、該液晶領域または液晶ドメインを囲むように第
    1の壁が設けられ、該第1の壁の高さHと前記凸部の高
    さhとがH>hである、液晶素子。
  4. 【請求項4】 対向する一対の電極基板間に、高分子壁
    と該高分子壁に囲まれた液晶領域とが挟持された液晶素
    子において、 該一対の電極基板の少なくとも一方の電極基板の該液晶
    領域側表面に柱部が設けられ、該液晶領域内で液晶分子
    が該柱部近傍を該電極基板に垂直な軸部として軸対称状
    に配向しており、 該一対の電極基板の少なくとも一方の電極基板対向側表
    面に平坦化された樹脂部が設けられており、 さらに、前記液晶分子の対称軸付近に、前記一対の電極
    基板の電極間距離が互いに異なる領域が存在する、液晶
    素子。
  5. 【請求項5】 前記液晶領域が絵素を分断する複数の液
    晶ドメインからなり、該複数の液晶ドメインの外周部に
    高分子壁が形成されている請求項1から4のうちいずれ
    かに記載の液晶素子。
  6. 【請求項6】 前記液晶分子の対称軸付近に、前記一対
    の電極基板の電極間距離が互いに異なる領域が存在する
    請求項1または3に記載の液晶素子。
  7. 【請求項7】 一対の電極基板の少なくとも一方に第1
    の壁を形成すると共に、該第1の壁に囲まれた領域の略
    中央部に、垂直配向性材料よりなる凹部および凸部の少
    なくとも一方を形成し、両電極基板を対向させてセルを
    作製する工程と、 該セル中に、少なくとも液晶と硬化性樹脂とを含む混合
    物を注入する工程と、 該混合物の均一化温度まで該混合物を加熱後、露光によ
    り硬化性樹脂を硬化させてから徐冷する工程とを含む液
    晶素子の製造方法。
  8. 【請求項8】 対向する一対の電極基板間に、高分子壁
    と該高分子壁に囲まれた液晶領域とが挟持された液晶素
    子の製造方法であって、前記一対の電極基板の少なくと
    も一方は、 基板の表面に複数のカラーフィルター部を形成する工程
    と、 該カラーフィルター部の間に凸状壁を形成する工程と、 該複数のカラーフィルター部と該凸状壁とを覆うオーバ
    ーコート層を形成し、該複数のカラーフィルター部の液
    晶領域側に凹部を形成する工程と、 を含む液晶素子の製造方法。
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