JPH09292608A - カラーフィルタ基板及びその製造方法並びに液晶表示装置 - Google Patents

カラーフィルタ基板及びその製造方法並びに液晶表示装置

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JPH09292608A
JPH09292608A JP10723796A JP10723796A JPH09292608A JP H09292608 A JPH09292608 A JP H09292608A JP 10723796 A JP10723796 A JP 10723796A JP 10723796 A JP10723796 A JP 10723796A JP H09292608 A JPH09292608 A JP H09292608A
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liquid crystal
color filter
layer
substrate
display device
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JP10723796A
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English (en)
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Nobukazu Nagae
伸和 長江
Nobuaki Yamada
信明 山田
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Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カラーフィルタ2赤(R)、緑(G)青
(B)の各絵素の濡れ性が各々異なっていても、その上
に形成する平滑層5の被覆むらを無くして、各絵素の表
面形状を同一にしたものを得られるようにすること。 【解決手段】 カラーフィルタ2表面上に、各絵素の濡
れ性を均一にするためにスパッタなどの乾式めっき法に
より均一層4を形成しておき、その上に平滑層5を形成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多人数で見る携帯
情報端末、パソコン、ワープロ、アミューズメント機
器、テレビなどの平面ディスプレイ、シャッタ効果を利
用した表示板、窓、扉、壁などに用いる液晶表示装置並
びに該装置に用いるカラーフィルタ基板及びその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電気光学効果を利用した液晶表示
装置としてネマティック液晶を用いたTN(ツイスティ
ッドネマティック)型、STN(スーパーツイスティッ
ドネマティック)型などが実用化されている。これら
は、偏光板を要し、配向処理を必要とするものである。
これらの液晶表示装置は、初期配向状態においてプレチ
ルトがついており、図10(e)に示すとおり、電圧印
加時に液晶分子が同方向に立ち上がってくる。このた
め、異なる視角A及び視角Bから観察者が液晶表示装置
を観察した場合、見かけ上の屈折率が変化して表示のコ
ントラストが変化し、さらに、中間調状態では視角によ
りコントラストの反転現象などが生じるなど、表示品位
が著しく低下する。
【0003】最近、偏光板を要さず、しかも配向処理を
不要としたものとして、液晶の複屈折率を利用し、透明
または白濁状態を電気的にコントロールする方法が提案
されている。この方法は、基本的には液晶分子の常光屈
折率と支持媒体の屈折率とを一致させ、電圧を印加して
液晶分子の配向が揃うときに透明状態を表示し、電圧無
印加時には液晶分子の配向の乱れによる光散乱状態の白
濁状態を表示するものである。
【0004】このような方法としては、液晶をポリマー
カプセルに包含させる方法が開示され(特表昭58−5
01631公報)、液晶と光硬化性樹脂または熱硬化性
樹脂とを混合して樹脂を硬化させることにより液晶を析
出させて樹脂中に液晶滴を形成させる方法が提案されて
いる(特表昭61−502128公報)。これらは高分
子分散型液晶表示装置と称されている。
【0005】また、偏光板を用いて液晶表示装置の視角
特性を改善する方法として、上記高分子分散型液晶表示
装置を直交偏光板中に挟んだ液晶表示装置が提案されて
いる(特開平4−338923号公報及び特開平4−2
12928号公報)。この液晶表示装置は、視角特性を
改善する効果が大きいが、原理的に散乱による偏光解消
を利用しているために明るさがTNモードに比べて1/
2と低い。
【0006】さらに、液晶分子の配向状態を高分子の壁
や突起物で乱してランダムドメインを作製し、視角特性
を改善する方法が提案されている(特開平5−2724
2号公報)。しかし、この方法ではドメインがランダム
で、かつ、絵素部分にも高分子材料が入り込むので電圧
無印加時の光線透過率が低い。また、液晶ドメイン間の
ディスクリネーションラインがランダムに発生し、電圧
印加時においても消滅しないので電圧印加時の黒レベル
が悪い。これらの理由により、この液晶表示装置はコン
トラストが低いものになる。
【0007】また、本発明者らは、図10(b)に示す
ように液晶分子を放射状または同心円状(タンジェンシ
ャル状)などの軸対称状に配列させることにより視角特
性を著しく改善した液晶表示装置を提案している(特開
平6−301015号公報)。
【0008】さらに、カラー液晶表示装置としては、液
晶表示装置にカラーフィルタを使用したものが実用化さ
れている。これは、いずれか一方の透明電極基板に光の
三原色に対応する赤(R)、緑(G)、青(B)の三色
のカラーフィルタをマトリクス状に配列した各絵素にそ
れぞれ設けており、これらRGB各絵素を透過してくる
3色の光量を液晶のシャッタ効果により調節して視覚上
加色することにより所望の色を表示するものである。
【0009】カラー液晶表示装置のカラーフィルタ基板
としては、透明基板上にR、G、Bの絵素をマトリクス
状に配列し、R、G、Bの絵素の間にブラックマトリク
ス層を形成し、さらにITO(Indium Tin
Oxide)などの透明電極を形成したものが用いられ
ている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前記の液晶表示装置で
は、視角特性を著しく改善することができるが、基板上
のレジスト残渣や基板上の傷など、不確定な要因の影響
によるものと思われる配向状態の乱れが観測される。こ
こで、液晶分子の軸対称配向の対称軸が傾き、また、軸
位置がずれた場合、図11(b)の偏光顕微鏡観察によ
る概念図に示すような配向状態図となる。この場合、視
角を変化させて観察すると、図12(b)に示すように
1絵素内で視角方向(黒く見える部分)となる領域の面
積が多くなり、他の絵素と平均的な透過率に差が生じて
全体的に表示のざらつきとして観察される。したがっ
て、この液晶表示装置においては、液晶分子の軸対称配
向の対称軸を厳密に制御する必要がある。
【0011】また、前記の液晶表示装置とカラーフィル
タ基板を組み合わせたカラー液晶表示装置では、カラー
フィルタ層表面の凹凸及びカラーフィルタ層とそれに隣
接するブラックマトリクス層の間の段差など、カラーフ
ィルタ基板に起因するとみられる配向状態の乱れが観測
される。この場合も、液晶分子の軸対称配向の対称軸が
傾き、また、軸位置がずれた場合、図11(b)の偏光
顕微鏡観察による概念図に示すような配向状態図とな
る。
【0012】このカラーフィルタ基板に起因するカラー
フィルタ表面の凹凸及びカラーフィルタ層とそれに隣接
するブラックマトリクス層の間の段差など、問題を解消
するものとして、図13に示すカラーフィルタ基板が知
られている。これらは、基板上に形成されたカラーフィ
ルタ層2及びブラックマトリクス層16上に、平滑層用
の透明樹脂材料を塗布し、スピンナなどにより基板を回
転させて均一に被膜した後、被膜を硬化して平滑層5を
形成し、その上にITOなどの透明電極6を形成したも
のである。なお、この平滑層5は、液晶層に接する表面
形状を平坦にし、さらにカラーフィルタ層を保護する機
能を有するものである。
【0013】しかしながら、この平滑層5を形成したカ
ラーフィルタ基板を用いたカラー液晶表示装置におい
て、一部の液晶表示装置の表示がざらつくことがあっ
た。これは、図14に示すように同色のカラーフィルタ
層2上の平滑層5が被膜されてないことによるものであ
る。ここで、平滑層5が被膜されてないところで液晶分
子の軸対称配向の対称軸が傾き、また、軸位置がずれた
場合、図11(b)の偏光顕微鏡観察による概念図に示
すような配向状態図となる。この場合に、視角を変化さ
せて観察すると、図12(b)に示すように1絵素内で
視角方向(黒く見える部分)となる領域の面積が多くな
り、他の絵素と平均的な透過率に差が生じて全体的に表
示のざらつきとして観察される。したがって、このカラ
ー液晶表示装置においても、液晶分子の配向の対称軸を
厳密に制御するため、カラーフィルタ層2上の平滑層5
の被膜むらをなくす必要がある。
【0014】図14に示すように同一色のカラーフィル
タ層2上の平滑層5が被膜されていないのは、カラーフ
ィルタに対する平滑層用の樹脂材料の濡れ性が悪いため
によるものである。すなわち、平滑層用の樹脂材料をカ
ラーフィルタ上に塗布して、スピンナなどにより基板を
回転することにより樹脂材料を均一にする際、カラーフ
ィルタが樹脂材料をはじくことによる。
【0015】一般に、カラーフィルタなどの固体に対す
る樹脂材料などの液体の濡れ性の影響因子は、固体材料
については化学組成、化学構造、表面自由エネルギ、表
面状態などで、液体材料については化学組成、化学構
造、表面自由エネルギ、粘弾性などである。これらの影
響因子のなかで表面自由エネルギが重要である。表面自
由エネルギの本質は物質の引っ張り合う力だからであ
る。
【0016】図15は液体の固体に対する濡れ性に関係
の深い接触角について説明したものである。すなわち液
体表面と固体表面の接触角θSLが液体の表面自由エネル
ギγLと固体の表面自由エネルギγsとのなす角度により
表されることを示す。
【0017】図16の接触角と液体及び固体の表面自由
エネルギの関係は、一般式
【0018】
【数1】
【0019】で表される。なお、γSLは液体と固体間の
界面自由エネルギである。一般に、接触角が大きくなる
につれて、固体表面は液体に濡れにくくなり、接触角が
θSL>90゜になると、固体表面は液体に濡れない。言
い換えると、固体の表面自由エネルギが液体の表面自由
エネルギより小さくなると、固体表面は液体に濡れにく
くなるということになる。
【0020】本発明者らは、カラーフィルタと平滑層用
の樹脂材料の間においても、液体と固体の濡れ性の関係
が適用できることを見いだすに至った。すなわち、カラ
ーフィルタR、G、Bはそれぞれの顔料材料が異なるた
めにそれぞれの表面自由エネルギが異なる。さらにカラ
ーフィルタを基板へ形成する際のプロセスに起因して、
カラーフィルタR、G、Bはそれぞれ表面状態が異な
る。よって、カラーフィルタR、G、Bはそれぞれ濡れ
性が異なることになる。濡れ性に影響する特定の条件が
重なり合った場合に、特定の色のカラーフィルタの濡れ
性がその他のカラーフィルタの濡れ性より悪くなること
がある。つまり、特定の色のみのカラーフィルタの表面
自由エネルギが、樹脂材料の表面自由エネルギより小さ
くなると、樹脂材料は濡れにくくなり、特定の色のカラ
ーフィルタ上のみに樹脂が被膜されないことになる。例
えば、カラーフィルタ上に平滑層用の樹脂材料が被膜さ
れなかった際の表面自由エネルギはそれぞれRが30m
N/m、Gが45mN/m、Bが50mN/m、平滑層
用の樹脂材料が38mN/mであった。すなわち、この
場合、Rのみの表面自由エネルギが平滑層用の樹脂材料
より小さくなっており、実際にRのみ平滑層用の樹脂材
料が被覆されなかった。なお、表面自由エネルギの測定
は市販の測定装置により行った。
【0021】本発明は、上記問題点を解決するもので、
液晶分子の配向を軸対称状にすることにより視角を改善
でき、その対称軸の位置を制御し、高分子に囲まれた液
晶領域を実質的にモノドメインにすることにより、表示
のざらつきを低減することができ、さらにカラーフィル
タ基板の平滑層の被覆むらを無くすことにより表示のざ
らつきを低減することができる液晶表示装置並びにカラ
ーフィルタ基板及びその製造方法を提供することを目的
とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明のカラーフィルタ
基板は、透明基板上にカラーフィルタ層、平滑層、透明
電極を設けたカラーフィルタ基板において、前記カラー
フィルタ層と前記平滑層の間に均一層を設けたことによ
り、上記目的が達成される。
【0023】均一層は、カラーフィルタR、G、B各々
の表面において表面自由エネルギが異なっている状態
を、同一の表面自由エネルギの状態にするものである。
均一層の上に平滑層用の樹脂材料を塗布して、スピンナ
などにより基板を回転して、樹脂材料を均一に被覆する
際、平滑層用の樹脂材料ははじかれず、均一な厚みをも
って広がることになる。したがって、均一層を設けるこ
とにより、その上に形成する平滑層をむら無く形成でき
る。
【0024】前記カラーフィルタは、複数の絵素に対応
した複数のカラーフィルタ部を有し、かつ前記透明電極
の表面形状は、一絵素ごとに凹形状を有することによ
り、上記目的が達成される。
【0025】一絵素ごとに凹形状を有することにより、
液晶分子を軸対称に配向させる液晶表示装置において
は、凹形状の一番くぼんだところが、軸対称の対称軸に
なるように位置制御を確実に、安定して行うことができ
る。
【0026】ここで、一絵素ごとに凹形状を有すると
は、一絵素に少なくとも一つの凹形状を有することを意
味し、2絵素以上を1単位にして、1個の凹形状を構成
するものではない。
【0027】前記均一層は、透光性膜にすることによ
り、上記目的が達成される。
【0028】透光性膜は、光をほぼすべて透過すること
ができるので好ましい。
【0029】本発明の液晶表示装置は、対向する一対の
電極基板間に、高分子壁と該高分子壁に囲まれた液晶領
域とを挟持し、該液晶領域で液晶分子が軸対称状に配向
している液晶表示装置において、前記一対の電極基板の
うち少なくとも一方の電極基板は、カラーフィルタ層、
均一層、平滑層、透明電極を順次設けたことにより、上
記目的が達成される。
【0030】少なくとも一方の電極基板は、カラーフィ
ルタ層と平滑層の間に均一層を設けているので、平滑層
の被覆むらがなくなる。よって、この基板間隙に、少な
くとも液晶と硬化性樹脂とを含む混合物を注入して、液
晶と硬化性樹脂とを相分離させる際に、すべての絵素に
おいて同一過程で液晶領域が発達する。したがって、す
べての絵素で同一でしかも液晶分子の軸対称配向が安定
したものを得ることができる。
【0031】さらに、一対の電極基板の少なくとも一方
は、前記高分子壁と該高分子壁に囲まれた液晶領域ごと
に、一つの凹形状を前記液晶領域側表面に有することに
より、上記目的が達成される。
【0032】少なくとも一方の電極基板の少なくとも一
方の媒体側表面に、高分子と高分子壁に囲まれた液晶領
域ごとに一つの凹形状を設けている。よって、この基板
間隙に、少なくとも液晶と硬化性樹脂とを含む混合物を
注入して、液晶と硬化性樹脂とを相分離させると、凹形
状の一番くぼんだところを基板に垂直な軸として、液晶
分子が放射状または同心円状などの軸対称状に配向され
る。したがって、凹形状の形成を制御することにより、
対称軸の位置を制御して、均一な配向状態を得ることが
できる。ここで、均一な配向状態とは、各絵素ごとに同
じ位置関係で対称軸が存在し、その対称軸に対して液晶
分子が軸対称状に配向していることを示す。
【0033】前記高分子壁と該高分子壁に囲まれた液晶
領域は、絵素ごとに設けることにより、上記目的が達成
される。
【0034】高分子と高分子壁に囲まれた液晶領域が絵
素ごとに設けらている。よって、絵素単位で液晶は軸対
称状に配向する。したがって、この一つの絵素を通過す
る光は、全方位で同一の状態で出力することができる。
【0035】ここで、絵素ごととは、一つの絵素内に高
分子と高分子壁に囲まれた液晶領域を少なくとも一つ有
することを意味し、2絵素以上を1単位にして、高分子
と高分子壁に囲まれた液晶領域を構成するものでない。
【0036】均一層を透光性膜にすることにより、光を
ほぼすべて透過することができるのでより好ましい。
【0037】本発明のカラーフィルタ基板の製造方法
は、平滑層を形成する工程を含むカラーフィルタ基板の
製造方法において、前記平滑層を形成する工程は、均一
層を形成する工程が行われた後に行うことにより、上記
目的が達成される。
【0038】均一層を形成する工程の後に平滑層を形成
する工程を行うので、均一層の上に平滑層用の樹脂材料
を塗布して、スピンナなどにより回転して、平滑層用の
樹脂材料を均一に被覆する際、平滑層用の樹脂材料はは
じかれず、均一な厚みをもって広がる。したがって、全
絵素にわたって同一状態の平滑層を形成することができ
る。
【0039】前記均一層を形成する工程は、乾式めっき
法により形成することにより、上記目的が達成される。
【0040】乾式めっき法により、均一層材料を蒸発ま
たは気化状態にして、カラーフィルタ上に凝着させるの
で、カラーフィルタ表面で均一層材料ははじかれずに均
一な表面状態にすることができる。
【0041】ここで、乾式めっき法とは、真空蒸着、ス
パッタリング、CVD(Chemical Vapor
Deposition)、イオンプレーティングなど
で、薄膜作製材料を一旦気化状態にし、基板上に膜を形
成するものである。この場合、薄膜作製材料と基板表面
との濡れ性の影響がなくなる。
【0042】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について以下
に説明する。
【0043】(カラーフィルタ基板の作製方法)図1は
本発明の一形態であるカラーフィルタ基板を示す断面図
である。また図2(a)〜(e)は図1に示すカラーフ
ィルタ基板の製造工程を説明する工程図である。
【0044】以下、図2(a)〜(e)を参照しながら
説明する。
【0045】まず、図2(a)に示すように、透明基板
1上にカラーフィルタ2を形成する。カラーフィルタ2
は、赤(R)、緑(G)、及び青(B)にそれぞれ対応
するカラーフィルタ部2a、2b、及び2cを有してい
る。カラーフィルタ部2a、2b、及び2cのそれぞれ
は、絵素に対応するように形成される。本発明では、カ
ラーフィルタ2を形成する方法は特に限定されず、電着
法、フィルム張り付け法、印刷法、染色法、顔料分散
法、カラーレジスト法などが使用され得る。
【0046】次に、図2(b)に示すように、透明基板
1上に、レジスト7を塗布する。その後図2(c)に示
すように、絵素外(カラーフィルタ部以外の領域)にレ
ジストが残るように露光、現像を行う。作製された透明
基板1上のレジストからなる凸状壁3は、絵素部分(カ
ラーフィルタ部2)よりも液晶層側に突き出ていること
が重要である。
【0047】図2(d)に示すように、凸状壁3を有す
る基板上に、均一層4を形成する。本発明において均一
層4は、スパッタリング、蒸着など乾式めっき法により
透明材料を成膜する。
【0048】図2(e)に示すように、この均一層4が
形成された凸状壁3の為に、液状の平滑層用の材料の表
面張力(メニスカス)により、カラーフィルタ部2a、
2b、及び2c上に、凹形状(すり鉢状の)の平滑層5
が形成される。さらに、基板上に形成された平滑層5上
に、透明電極6を形成する。必要に応じて、透明電極6
上に絶縁膜や配向膜を形成してもよい。このようにし
て、カラーフィルタ基板が得られる。
【0049】(均一層)カラーフィルタ2(R、G、
B)形成後、薄膜作製材料を、一旦、気化状態にし、基
板上に膜形成する方法であればよく、スパッタリング、
蒸着、イオンプレーティング、CVDなどの乾式めっき
法が適応できる。用いられる材料としては、透明無機膜
または透明有機膜が使用できる。さらに、液晶表示装置
の明るさ、コントラスト、表示品位などの観点から、S
iO2、ITO、PPS(ポリフェニレンスルフィド)
が好ましい。
【0050】均一層4は、カラーフィルタR、G、B上
での表面自由エネルギを均一にする。さらに、カラーフ
ィルタR、G、Bの表面形状についてもそろえることが
可能になる。したがって、カラーフィルタR、G、B上
での濡れ性をそろえることができる。また、カラーフィ
ルタ層を保護する機能も有する。
【0051】(平滑層)凹形状を作製する材料として
は、通常の平滑層用の材料を使用できる。本発明では、
平滑層5は、その上に透明電極を形成し、液晶表示装置
の基板間に最終的に残して使用される。したがって、耐
熱性に優れたポリイミド、エポキシアクリレートなどを
平滑層用の材料として使用することが好ましい。
【0052】(対向側基板の作製)対向側基板は、ガラ
スなどからなる透明基板上にITOなどからなる絵素電
極が設けられている。また、各絵素を囲むようにレジス
トなどからなる壁が設けられている。このレジスト壁内
には、セル厚を一定に保つためのスペーサがレジスト壁
の外にスペーサ表面が出ないように混入されている。
【0053】(液晶表示装置の作製)前記のようにして
作製されたカラーフィルタ基板と対向側基板を貼り合わ
せる。その中に、少なくとも液晶と硬化性樹脂とを含む
混合物を注入して、液晶表示装置を作製する。
【0054】(液晶分子を軸対称状に均一配向させる方
法)重合反応または温度降下により液晶と硬化性樹脂
(または高分子)とを相分離させる場合(特に温度降下
による)、基板上に凹形状が存在すると、相分離してき
た液晶は、凹形状の一番くぼんだところで、表面エネル
ギが最小の球形となって安定化する。その結果、凹形状
の一番くぼんだところで、液晶が析出し、液晶領域が発
達する。よって、基板に垂直な軸に対して放射状または
同心円状に液晶分子が配向して軸対称状の配向が得られ
るとともに、対称軸と凹形状の一番くぼんだところを一
致させることができる。よって、凹形状の形成により、
液晶分子の配向の対称軸を制御することができ、絵素内
で液晶分子を軸対称状に配向させることができる。
【0055】(高分子壁の作製方法)高分子壁に囲まれ
た液晶領域の作製は、以下のようにして行うことができ
る。 少なくとも液晶と硬化性樹脂とを含む混合物を一対の
基板間に注入し、混合物の均一化温度以上の温度で硬化
させることにより液晶と高分子とを相分離させて高分子
壁に囲まれた液晶領域を作製する。
【0056】少なくとも液晶と硬化性樹脂とを含む混
合物を一対の基板間に注入し、混合物の均一化温度以上
に加熱してから徐冷して液晶と硬化性樹脂とを相分離さ
せてから、硬化性樹脂を硬化させて高分子壁に囲まれた
液晶領域を作製する。
【0057】前記及びにおいて、光硬化性樹脂を用
いた場合には、紫外線(または可視光)の照射により樹
脂を硬化させることができる。
【0058】(高分子材料の配向制御法) 重合性材料の添加 液晶分子を電圧印加時の配向方向に有効に揃えるために
は、硬化性樹脂と液晶との混合物に、液晶性を発現する
官能基またはそれに類する官能基を分子内に有する液晶
性光硬化性樹脂などの重合性液晶材料を添加するのが望
ましい。
【0059】相分離時に電圧または磁場を印加する方
法 液晶分子の軸対称状の配向は、絵素内で形成することが
重要であり、配向の対称軸が基板に対して大きくくずれ
た配向状態の発生を抑制する必要がある。本発明者らの
検討によれば、少なくとも液晶と硬化性樹脂とを含む混
合物に電圧または磁場またはその両方を印加しながら液
晶と高分子(または硬化性樹脂)を相分離させることに
より、液晶領域の軸対称配向の軸を基板に対して垂直方
向にそろえることができる。特に、図8に示すように、
液晶が均一相18から出現する時の小さなドロップレッ
ト状態の時に効果が大きく、液晶領域19が絵素全体を
覆うまで成長する前に電圧または磁場を弱めてもよい。
この電圧及び磁場の強度は、液晶の閾値(TN液晶表示
装置で評価した値)よりも大きければよく、周期的に強
度変化するものを用いてもよい。
【0060】(ドメイン内の液晶分子の配向状態)本発
明の液晶表示装置内の液晶ドメインは、図11(a)の
偏光顕微鏡観察による概念図に示すように、偏光板の偏
光軸方向に十字に消光模様13が観察され、このこと
は、液晶分子が中央部のディスクリネーション点を中心
に軸対称状に配列していることを表している。
【0061】このような配向状態の液晶表示装置におい
ては、電圧印加時にディスクリネーションラインが液晶
ドメインの周囲に形成され、液晶ドメインの内部に形成
されることは無い。したがって、絵素外部に意図的にデ
ィスクリネーションラインを形成することが可能であ
る。さらに、ディスクリネーションラインを遮光層下に
形成することにより、液晶表示装置の黒レベルを向上さ
せてコントラストを改善することができる。
【0062】このような配列をもった液晶表示装置に電
圧を印加させると液晶の分子が基板面に対して垂直方向
に立ち上がってくる。このとき、液晶分子の立ち上がり
方が初期配向の軸対称状に沿って起きるために、全方向
で見かけ上の屈折率が均質化されているために視角特性
が改善される。
【0063】(絵素内のドメイン数)各絵素内のドメイ
ン数は、出来るだけ少ないことが望ましい。一絵素内に
多数のドメインが存在すると、ドメイン間にディスクリ
ネーションラインが形成され黒レベルを低下させる。よ
って、ドメイン内で液晶分子が軸対称状に配列している
単一のドメインで絵素部分が覆われていることが好まし
い。この場合、電圧印加時にディスクリネーションライ
ンがドメインの外周上に形成されるので、絵素部分にデ
ィスクリネーションラインが入り込むことがほとんど無
い。
【0064】また、図9に示すように長方形の絵素20
を有するカラー液晶表示装置を本実施の形態に従って作
製する場合、ドメイン内で液晶分子が軸対称状に配列し
ている単一のドメイン21が少なくとも2個集まって液
晶領域14を形成してもよい。この場合、長方形の絵素
20内にBM(ブラックマトリクス)を形成することに
なり、このBMまたはBM上のレジスト材料を使用して
本発明を実施することができる。
【0065】これら絵素を複数の液晶領域で分断して使
用する場合、それぞれの液晶領域内に、それぞれ液晶の
配向軸を揃える手段を設置しておくために、軸対称配向
を取る分断した絵素ごとにすり鉢状に表面形状を作製す
る。
【0066】(硬化性樹脂)本発明に使用される硬化性
樹脂としては、光硬化性樹脂などを用いることができ
る。この光硬化性樹脂としては、例えば、炭素原子数が
3以上の長鎖アルキル基またはベンゼン環を有するアク
リル酸及びアクリル酸エステルなどが挙げられる。さら
に具体的には、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ステ
アリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸イソアミル、
n−ブチルメタクリレート、n−ラウリルメタクリレー
ト、トリデシルメタクリレート、2−エチルヘキシルア
クリレート、n−ステアリルメタクリレート、シクロヘ
キシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、2−
フェエノキシエチルメタクリレート、イソボルニルアク
リレート、イソボルニルメタクリレートなどがある。さ
らにポリマーの物理的強度を高めるために2官能基以上
の多官能性樹脂が好ましく、例えば、ビスフェノールA
ジメタクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、
1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘ
キサンジオールメタクリレート、トリメチロールプロパ
ントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリア
クリレート、R−684などがある。さらに、液晶と硬
化性樹脂との相分離を明確にするためには、これらのモ
ノマーをハロゲン化、特に塩素化、及びフッ素化した樹
脂がより好ましく、例えば、2,2,3,4,4,4−
ヘキサフロロブチルメタクリレート、2,2,3,4,
4,4−ヘキサクロロブチルメタクリレート、2,2,
3,3−テトラフロロプロピルメタクリレート、2,
2,3,3−テトラフロロプロピルメタクリレート、パ
ーフロロオクチルエチルメタクリレート、パークロロオ
クチルエチルメタクリレート、パーフロロオクチルエチ
ルアクリレート、パークロロオクチルエチルアクリレー
トなどが挙げられる。
【0067】(光重合抑制剤)液晶滴(液晶ドロップレ
ット)、すなわち液晶領域の形状を大きくするために
は、前記混合物に硬化性樹脂以外に重合反応を抑制する
化合物を添加するのが望ましい。例えば、ラジカル生成
後に共鳴系でラジカルを安定化するようなモノマー及び
化合物などであり、具体的にはスチレン、p−クロルス
チレン、p−フェニルスチレン、p−メチルスチレンな
どのスチレンの誘導体、ニトロベンゼンなどの重合禁止
剤などが使用できる。
【0068】(光重合開始剤)前記混合物には、さらに
光重合開始剤を添加してもよい。この光重合開始剤とし
ては、例えばIrgacure184、651、907
(チバガイギー製)、Darocure1173、11
16、2959(E.Merck製)などが使用でき
る。また、保持率を向上させるために可視光で重合でき
るような増感剤などを使用してもよい。
【0069】これらの重合開始剤の添加量は、個々の化
合物の反応性により異なるので、本発明では特に限定し
ないが、液晶と硬化性樹脂(後述する液晶性重合材料を
含む)との混合物に対して0.01〜5%であるのが好
ましい。0.01%未満では重合反応が十分に起こらな
い。また5%を越えると、液晶と高分子との相分離速度
が早すぎて制御が困難となる。よって、液晶ドロップレ
ットが小さくなって駆動電圧が高くなり、さらに、基板
上の配向制御力が弱くなる。また、絵素内に液晶領域が
少なくなり、さらに、ホトマスクを用いて照射強度分布
を設けた場合には、遮光部(絵素外)に液晶ドロップレ
ットが形成されてしまうので、表示のコントラストが低
下する。
【0070】(液晶材料)液晶材料については、常温付
近で液晶状態を示す有機物混合体であって、ネマチック
液晶(2周波駆動用液晶、Δε<0の液晶を含む)また
は、コレステリック液晶(特に可視光に選択反射特性を
有する液晶)、またはスメクチック液晶、強誘電性液
晶、デスコチック液晶などが含まれる。これらの液晶材
料は混合して用いてもよく、特にコレステリック液晶
(カイラル剤)が添加されたネマチック液晶が特性上好
ましい。
【0071】さらに、加工時に光重合反応を伴うため、
耐化学反応性に優れた液晶材料が好ましい。例えば、化
合物中、フッ素原子などの官能基を有する液晶材料であ
り、具体的にはZLI−4801−000、ZLI−4
801−001、ZLI−4792、ZLI−4427
(メルク社製)などが挙げられる。
【0072】(重合性液晶材料)前記液晶と硬化性樹脂
との混合物に、重合性官能基を有する液晶性化合物(以
下、重合性液晶材料と称する、単体で液晶性を発現する
必要はない)を混合すると、高分子壁中の高分子が電圧
印加時に有効に液晶分子の配向方向を揃えるようにする
ことができ、また、液晶領域の周辺部に発生するディス
クリネーションラインを抑制することができる。
【0073】これらの液晶材料と重合性液晶材料とを選
択する場合、それぞれの液晶性を発現する部分が類似し
ていることが望ましい。特に、化学的環境が特異なF、
Cl系液晶材料については、重合性液晶材料についても
F、Cl系液晶材料であることが好ましい。
【0074】使用可能な重合性液晶材料とは、次の化学
式(1)で示されるような化合物などである。
【0075】A−B−LC (1) この化学式(1)中のAは重合性官能基を示し、CH2
=CH−、CH2=CH−COO−、CH2=CCH3
COO−、下記の化学式などの不飽和結合、または歪み
を持ったヘテロ環構造を持った官能基を示す。
【0076】
【化1】
【0077】また、化学式(1)中のBは、重合性官能
基と液晶性化合物とを結ぶ連結基であり、具体的にはア
ルキル鎖(−(CH2n−)、エステル結合(−COO
−)、エーテル結合(−O−)、ポリエチレングリコー
ル鎖(−CH2CH2O−)、及びこれらの結合基を組み
合わせた結合基である。重合性液晶材料を液晶材料と混
合した時に液晶性を示すことが好ましいので、重合性官
能基Aから液晶性化合物LCの剛直部まで6箇所以上の
結合を有する長さをもつ連結基Bが特に好ましい。ま
た、化学式(1)中のLCは液晶性化合物を示し、次の
化学式(2)で示される化合物またはコレステロール環
及びその誘導体などである。
【0078】D−E−G (2) 前記化学式(2)中のGは、液晶の誘電率異方性などを
発現させる極性基であり、−CN、−OCH3、−C
l、−OCF3、−OCCl3、−H、−R(Rはアルキ
ル基)などの官能基を有するベンゼン環、シクロヘキサ
ン環、パラジフェニル環、フェニルシクロヘキサン環、
などがある。また、化学式(2)中のEは、D、Gを連
結する官能基で、単結合、−CH2−、−CH2CH
2−、−O−、−C≡C−、−CH=CH−などであ
る。さらに、化学式(2)中のDは、化学式(1)中の
Bと結合する官能基であり、かつ、液晶分子の誘電率異
方性、屈折率異方性の大きさを左右する部分であり、具
体的には、パラフェニル環、1,10−ジフェニル環、
1,4−シクロヘキサン環、1,10−フェニルシクロ
ヘキサン環などである。
【0079】(液晶と重合性材料との混合比)液晶と重
合性材料(硬化性樹脂及び重合性液晶材料を含む)を混
合する重量比は、絵素サイズにより異なるが、液晶材
料:重合性材料が50:50〜97:3が好ましく、さ
らに好ましくは、70:30〜90:10である。液晶
材料が50%を下回ると高分子壁の効果が高まり液晶表
示装置の駆動電圧が著しく上昇して実用性を失う。ま
た、液晶材料が97%を上回ると高分子壁の物理的強度
が低下して安定した性能が得られない。また、重合性液
晶材料と液晶性を有さない重合性材料との重量比は、前
記重量比の範囲内で重合性液晶材料が0.5%以上あれ
ばよい。
【0080】(駆動方法)作製された液晶表示装置は、
単純マトリクス駆動、TFT(Thin Film T
ransistor)またはMIM(Metal In
sulatorMetal)素子などによるアクティブ
駆動などの駆動法で駆動でき、本発明では特に限定しな
い。
【0081】(基板材料)基板材料としては、可視光が
透過する透明固体であればいずれも用いることができ、
ガラス、石英、プラスチック、高分子フィルムなどを用
いることができる。これらの基板を2種組み合わせて異
種基板で液晶表示装置を作製することもでき、また、同
種異種を問わず厚みの異なった基板を2枚組み合わせて
使用してもよい。
【0082】なお、カラーフィルタ基板の表面を本発明
の均一層を用いて平坦にし、対向基板に凹形状を設ける
構成にしても、前記に示す表示特性と同様の効果を得る
ことができる。
【0083】また、選択的に同一色のカラーフィルタの
絵素部に均一層を形成することにより、その他の色の絵
素に濡れ性を近づけることによっても、前記に示す表示
特性と同様の効果を得ることができる。選択的に同一色
のカラーフィルタの絵素部に均一層を形成する手段とし
て、マスクを覆い成膜する方法などにより行うことがで
きる。
【0084】
【実施例】次に実施例によってこの発明をさらに具体的
に説明する。
【0085】(実施例1)マトリクス状に配列するカラ
ーフィルタ2(R、G、B)と対応するように絵素電極
が配置されたTFT基板上に4.0μmのスペーサ10
を散布した後、ネガ型レジスト(OMR83(東京応化
社製))を塗布した後、図3に示すような遮光部8と透
光部9により構成されたパターンを有するホトマスクを
用いて露光、現像し、レジスト11を形成した。さら
に、その上から前記レジストを塗布し、図4に示すよう
な遮光部8a(図3の遮光部8より面積が小さい)と透
光部9a(図3の透光部9より面積が大きい)により構
成されたホトマスクを用いて露光、現像し、レジスト1
2を形成し、図5(a)(b)に示すようなパターンを
TFT基板上に得た。このレジスト12により、スペー
サ10表面がレジスト壁から絵素側方向に向かって外側
に出ないようにした。カラーフィルタは透光部に着色顔
料を電着させることで、遮光部に黒色ネガ型レジストを
塗布した後、露光、現像し、その後、基板表面にSiO
2 を蒸着させて、全体の表面張力を一定にした。その上
にV−259PA(新日鉄化学社製)を塗布し、180
℃で焼成した後、基板上にITOをスパッタにより成膜
し、図1に示すような断面を有するCF(カラーフィル
タ)基板を得た。TFT基板にガラスファイバ(径4.
5μm)を混合したシール剤(ストラクトボンドXN−
21S)を印刷し、CF基板と貼り合わせた。次に、R
−684(日本化薬社製)0.1gとp−フェニルスチ
レン0.1gと下記の化学式に示す化合物10.06g
さらに液晶材料ZLI−4792(メルク社製:S−8
11を0.4重量%含有)3.74gと光重合開始剤I
rugacure651を0.02gからなる混合物を
作製し、TFT基板とCF基板を貼り合わせた基板間
に、注入を行った。
【0086】
【化2】
【0087】その後、温度を110℃に保って、かつ、
透明電極間に実効電圧2.5V(周波数60Hz)の電
圧を印加しながら、TFT基板側から高圧水銀ランプ下
10mW/cm2 のところで5分間紫外線を照射して樹
脂を硬化させた(徐冷中も電圧を印加した状態を保っ
た)。その後、3時間かけて30℃まで冷却し、30℃
で2.5mW/cm2 の強度で紫外線を20分間照射
し、配向を固定させた。
【0088】作製した液晶表示装置を偏光顕微鏡で観察
したところ、図6に示すように各絵素ごとに軸対称配向
していた。また、配向軸の位置は各絵素において均一で
あり、目視において画面全体でざらつきは全く観察され
なかった。
【0089】(実施例2)実施例1のSiO2 に変え
て、ITOをスパッタリングにより形成し、その後、同
様にCF(カラーフィルタ)基板を作製し、さらに、実
施例1と同じ液晶と硬化性樹脂の混合物をTFT基板と
CF基板により構成された基板中に注入した。その後、
均一状態まで温度を上昇させ、さらに、室温で3mW/
cm2 (365nm)の紫外線で重合性樹脂を硬化させ
た。作製した液晶表示装置は、実施例1同様に軸対称配
向状態となっており、目視においても視角特性が広く、
ざらつきのない高い表示品位を有する液晶表示装置であ
った。
【0090】(実施例3)実施例2のITOにかえて、
CVD法により、PPS(ポリフェニレンスルフィド)
膜を基板上に形成し、TFT基板とCF基板により構成
された基板中に、実施例1と同じ液晶と硬化性樹脂の混
合物を注入した。さらに、実施例1と同様に液晶領域を
軸対称配向にして、液晶表示装置を作製した。作製した
液晶表示装置は実施例1と同様に、軸対称配向となって
おり、ざらつきのない高い表示品位を有する液晶表示装
置であった。
【0091】(比較例1)マトリクス状に配列するカラ
ーフィルタR、G、Bと対応するように絵素電極が配置
されたTFT基板上に4.0μmのスペーサを散布した
後、ネガ型レジストOMR83(東京応化社製)を塗布
した後、図3に示すようなパターンを有するホトマスク
を用いて露光、現像し、レジスト11を形成した。さら
に、その上から前記レジストを塗布し、図4に示すよう
なパターンを有するホトマスクを用いて露光、現像し、
レジスト12を形成し、図5(a)に示すようなパター
ンをTFT基板上に得た。カラーフィルタ基板は、透光
部に顔料を電着させることで、遮光部に黒色ネガ型レジ
ストを塗布した後、露光、現像することで形成した。そ
の後、実施例1と同様の平滑層用の樹脂材料を用いてC
F基板表面を平滑化した。図16に示す様にカラーフィ
ルタB、Gの部分は画素中央が凹んだ構造が形成されて
いたが、カラーフィルタRの部分は平滑層用の樹脂材料
が乗っていなかったため、ほぼ電着したままの形状であ
った。この基板上にITOをスパッタリングにより成膜
し、基板を貼り合わせた。そして、実施例1と同じ液晶
と硬化性樹脂材料の混合物材料をTFT基板とCF基板
により構成された基板間に注入し、実施例1と同様に軸
対称操作を行い、紫外光を照射し、配向を固定した。作
製した液晶表示装置を偏光顕微鏡下で観察したところ、
図17に示す様にカラーフィルタB、Gにおいて配向軸
の中心は絵素の中心に一致していたが、カラーフィルタ
Rの配向軸の位置は各々でばらばらであった。そのた
め、表示部にざらつきが生じ、表示品位が実施例1〜3
に比べ劣ってしまった。
【0092】(実施例4)実施例1のCF基板におい
て、ブラックマトリクス16とカラーフィルタR、G、
B部分の高さを同じにしてCF基板を作製し、その上か
ら透明なネガ型レジストを塗布し、図4に示すホトマス
クを用いて露光、現像し、ブラックマトリクス16の上
に透明な樹脂層17を得た。この上に実施例1と同様に
SiO2 を成膜した後、平滑層用の樹脂材料V−259
PAを塗布し、絵素部の平滑層5を形成した。さらにI
TOをスパッタリングにて成膜し、電極層を形成し、図
7に示す様な断面を有するCF(カラーフィルタ)基板
を得た。その後、実施例1と同様に、液晶表示装置を作
製した。偏光顕微鏡にてこの液晶表示装置を観察したと
ころ、実施例1と同様に、絵素中心に軸対称配向の配向
軸が位置していた。また、液晶表示装置は全体的にざら
つきのない高品位の表示が得られた。ブラックマトリク
ス16の上に透明な樹脂層17を設けたことにより、斜
め方向から基板を見た場合、カラーフィルタから液晶層
側に突き出た部分で表示部分がさえぎられることがない
ので、さらに表示品位の良い液晶表示装置が得られた。
【0093】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、液晶領域
内の液晶分子が軸対称状に配向しているので、従来の液
晶表示装置において問題となっていたコントラスト変化
を改善することができる。また、各絵素内の対称軸位置
を制御することができ、基板に垂直な対称軸とすること
ができるので、視角を変化させた時に見られるざらつき
を低減することができ、均一でコントラストの高い広視
角の液晶表示装置を得ることができる。さらに、ディス
クリネーションラインを絵素外に形成し、または見え難
くすることができるので、表示品位を向上させることが
できる。
【0094】また、絵素に凹形状を形成することによ
り、軸対称性が安定し、各絵素内の軸対称状配向の軸の
位置を明確に決定することができ、視角を変化させた時
に見られるざらつきを低減することができ、均一でコン
トラストの高い広視角液晶表示装置を提供することがで
きる。
【0095】さらに、本発明のカラーフィルタ基板は、
カラーフィルタ層と平滑層の間に均一層を設けているの
で、各絵素ごとに平滑層をむら無く同一の表面形状にす
ることができる。
【0096】さらに、本発明による液晶表示装置は、絵
素ごとに設けられたカラーフィルタ部に凹形状を有する
ので、液晶分子が絵素の中心部を中心に軸対称状に配向
する。カラーフィルタ部に凹形状を形成することによっ
て、各絵素内の液晶分子の軸対称配向の軸の位置を均一
に制御することができるので、視角を変化させたとき見
られるざらつきを低減することができ、均一でコントラ
ストの高い広視角液晶表示装置を提供することができ
る。
【0097】さらに、本発明によるとカラーフィルタ部
を通常のカラーフィルタ部の製造工程とほぼ同じ工程で
製造できるので、コストパフォーマンスに優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカラーフィルタ基板の断面図である。
【図2】本発明のカラーフィルタ基板の作製工程を示す
図である。
【図3】実施例1で用いたホトマスクのパターン図であ
る。
【図4】実施例1で用いたホトマスクのパターン図であ
る。
【図5】(a)は実施例1で作製したTFT基板の平面
図、(b)はA−A'断面図である。
【図6】実施例1で作製した液晶表示装置の偏光顕微鏡
観察による概念図である。
【図7】実施例4で作製したカラーフィルタ基板の断面
図である。
【図8】均一相から液晶が析出してくる状態を示す模式
図である。
【図9】長絵素における軸対称配向の作製例を示す図で
ある。
【図10】TN及び広視角モードの視角によるコントラ
スト変化の説明図である。
【図11】軸対称配向表示モードの液晶表示装置の正面
からの偏光顕微鏡観察による概念図であって、(a)は
軸ずれなしの場合で、(b)は軸ずれありの場合であ
る。
【図12】軸対称配向表示モードの液晶表示装置を前後
に傾けた時の偏光顕微鏡観察による概念図であって、
(a)は軸ずれなしの場合で、(b)は軸ずれありの場
合である。
【図13】従来のカラーフィルタ基板を示す断面図であ
る。
【図14】従来のカラーフィルタの平滑層の被覆むらを
示す図である。
【図15】接触角を説明する図である。
【図16】比較例1で作製したカラーフィルタ基板の断
面図である。
【図17】比較例1で作製したTFT液晶表示装置の偏
光顕微鏡観察による概念図である。
【符号の説明】
1、1a 透明基板 2 カラーフィルタ 3 凸状壁 4 均一層 5 平滑層 6 透明電極 7 レジスト 8、8a 遮光部 9、9a 透光部 10 スペーサ 11 1回目の露光、現像後のレジスト 12 2回目の露光、現像後のレジスト 13 消光模様 14、19 液晶領域 15 高分子壁 16 ブラックマトリクス 17 透明な樹脂層 18 均一相 20 長方形の絵素 21 液晶ドメイン 22 液晶分子 23 ディスクリネーションライン

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板上にカラーフィルタ層、平滑
    層、透明電極を順次設けたカラーフィルタ基板におい
    て、 前記カラーフィルタ層と前記平滑層の間に均一層を設け
    たことを特徴とするカラーフィルタ基板。
  2. 【請求項2】 前記カラーフィルタ層は複数の絵素に対
    応した複数のカラーフィルタ部を有し、かつ前記透明電
    極の表面形状は一絵素ごとに凹形状を有することを特徴
    とする請求項1記載のカラーフィルタ基板。
  3. 【請求項3】 対向する一対の電極基板間に、高分子壁
    と該高分子壁に囲まれた液晶領域とを挟持し、該液晶領
    域で液晶分子が軸対称状に配向している液晶表示装置に
    おいて、 前記一対の電極基板のうち少なくとも一方の電極基板
    は、カラーフィルタ層、均一層、平滑層、透明電極を順
    次設けたことを特徴とする液晶表示装置。
  4. 【請求項4】 一対の電極基板の少なくとも一方は、前
    記高分子壁と該高分子壁に囲まれた液晶領域ごとに、一
    つの凹形状を前記液晶領域側表面に有することを特徴と
    する請求項3記載の液晶表示装置。
  5. 【請求項5】 平滑層を形成する工程を含むカラーフィ
    ルタ基板の製造方法において、 前記平滑層を形成する工程は、均一層を形成する工程が
    行われた後に行うことを特徴とするカラーフィルタ基板
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記均一層を形成する工程は、乾式めっ
    き法により形成することを特徴とする請求項5記載のカ
    ラーフィルタ基板の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002069876A (ja) * 2000-08-22 2002-03-08 Nippon Paper Industries Co Ltd 古紙の脱墨方法
KR100437596B1 (ko) * 2001-04-18 2004-06-26 비오이 하이디스 테크놀로지 주식회사 컬러 필터 기판 제조방법
JP2014240955A (ja) * 2013-05-13 2014-12-25 日東電工株式会社 ハードコートフィルム、偏光板及び画像表示装置

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