JP2014240955A - ハードコートフィルム、偏光板及び画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ハードコートフィルム1は、透明フィルム2と、透明フィルム2上に設けられたハードコート層3とを有し、
ハードコート層3の表面自由エネルギーが一定値以上であり、
ハードコートフィルム1が、透明フィルム2の成分とハードコート層3の成分が混在している混在領域を有し、
混在領域の屈折率がハードコートフィルムの厚み方向に向かって連続的に変化しており、屈折率変化傾斜が一定範囲内であることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
透明フィルムと、該透明フィルム上に設けられたハードコート層と、を有するハードコートフィルムであって、
前記ハードコート層の表面自由エネルギーが30mN/m以上であり、
前記ハードコートフィルムが、前記透明フィルムの成分と前記ハードコート層の成分が混在している混在領域を有し、
前記混在領域の屈折率がハードコートフィルムの厚み方向に向かって連続的に変化しており、
式(1)に規定する屈折率変化傾斜a(μm−1)が0.003≦a≦0.018を満たす、ハードコートフィルムを提供する。
a=|nA−nB|/L・・・(1)
式(1)中、nAは前記ハードコート層固有の屈折率、nBは前記透明フィルム固有の屈折率、Lは前記混在領域の厚み(μm)を表す。
本発明のハードコートフィルムは、透明フィルムと、該透明フィルム上に設けられたハードコート層と、を有する。また、ハードコート層の表面自由エネルギーは30mN/m以上である。さらに、ハードコートフィルムは、透明フィルムの成分とハードコート層の成分が混在している混在領域を有する。混在領域の屈折率はハードコートフィルムの厚み方向に連続的に変化し、式(1)に規定する屈折率変化傾斜a(μm−1)が0.003≦a≦0.018を満たす。
a=|nA−nB|/L・・・(1)
式(1)中、nAは上記ハードコート層固有の屈折率、nBは上記透明フィルム固有の屈折率、Lは上記混在領域の厚み(μm)を表す。
(1)ハードコート層と透明フィルムとの境界(すなわち、ハードコート層形成材料を塗布した時点における透明フィルム表面)、
(2)上記境界より透明フィルム側、又は
(3)上記境界よりハードコート層側、の何れにあってもよい。
上記他方の端部は、界面を形成していてもよい。
(屈折率が厚み方向に連続的に変化)
上記のとおり、混在領域の屈折率は、ハードコートフィルムの厚み方向において連続的に変化している。
b=|nX−nY|/D・・・(2)
式(2)中、Dは2点X−Y間の厚み方向の距離(μm)を表す。
プリズムカプラではプリズムを介して薄膜中にレーザー光を導入し、その導入される光の強度が特定の入射角度においてある周期性(薄膜導波条件に合致した角度)を持って強くなる状態を検出する。
屈折率が深さ方向で連続的に変化していない薄膜において、この特定の入射角とその周期性はその薄膜の屈折率と膜厚から一義的に決まることから、得られた複数の(モードと呼ばれる)入射角から薄膜の屈折率と膜厚が算出できる。
一方で深さ方向に屈折率が変化している薄膜においては、その入射角と周期性とに薄膜導波条件からのズレが生じるために、それを解析することで薄膜の深さ方向に対する屈折率変化を定量的に求めることができる。
上記ハードコートフィルムにおいて、上記式(1)に規定する屈折率変化傾斜a(μm−1)は0.003≦a≦0.018を満たす。また、aは、0.004≦a≦0.008を満たすことがより好ましい。上記範囲内であると、ハードコートフィルムの干渉縞をより確実に抑制でき、より高い耐擦傷性が確保される。
nBは、1.33≦nB≦1.66を満たすことが好ましく、1.47≦nB≦1.55を満たすことがより好ましい。
このような範囲であれば、干渉縞がより確実に抑制できる。
nBは、1.33≦nB≦1.66を満たすことが好ましく、1.47≦nB≦1.55を満たすことがより好ましい。
このような範囲であれば、干渉縞がより確実に抑制できる。
ハードコート層の表面自由エネルギーは、30mN/m以上であり、32mN/m以上であることが好ましい。上記範囲内であると、ハードコート層上で塗工液がはじかれることなく濡れ広がりやすくなり、ハードコート層の層間充填剤への対応の自由度が一層向上し得る。また、親水化による表面改質処理をする必要が一層低下し、生産性の低下、耐擦傷性の低下という問題を一層確実に回避できる。上記表面自由エネルギーについては、液滴法により測定されることができる。ハードコート層の詳細については、3項で後述する。
上記ハードコートフィルムは、上記1項で説明した通り、界面を有していてもよい。界面は、透明フィルムの成分とハードコート層の成分とによって形成され得る。界面は、反射スペクトルの解析によって検出され得る。
上記ハードコートフィルムの態様について、より具体的に説明する。
ハードコートフィルム1は、所定形状(例えば、平面視長方形状など)に形成されていてもよい。ハードコートフィルム1の厚みとしては、例えば、20μm〜1000μmであり、好ましくは20μm〜500μmである。
上記混在領域における屈折率の連続的な変化は、透明フィルムを形成する成分がハードコート層3の表面3aに向かって減少していることによって実現され得る。本明細書において、ハードコート層の表面とは、透明フィルムに積層されたハードコート層の、ハードコート層と透明フィルムとの境界とは反対側の面を指す。
以下、透明フィルムを形成する成分(透明フィルム内に含まれるハードコート層を形成する成分を除く)を、「フィルム成分」と、ハードコート層を形成する成分(ハードコート層内に含まれる透明フィルムを形成する成分を除く)を、「ハードコート成分」とそれぞれ略記する場合がある。
ハードコートフィルムについて、界面の存在を確認する方法としては、例えば、下記測定方法に従って反射スペクトルを測定することが挙げられる。具体的には、各ハードコートフィルムの透明フィルムの裏面に、黒色アクリル板(三菱レイヨン(株)製。厚み2.0mm)を、厚み約20μmの透明なアクリル系粘着剤を介して貼り合わせる。このハードコートフィルムのハードコート層の表面の反射スペクトルを、下記の条件下で、瞬間マルチ測光システム(大塚電子(株)製、製品名「MCPD3700」)を用いて測定する。
リファレンス:AL
アルゴリズム:FFT法
計算波長:450nm〜950nm
(検出器条件)
露光時間:20ms
ランプゲイン:ノーマル
積算回数:1回
(FFT法)
検出膜厚値の範囲:0.5μm〜12.0μm
データ個数:212
膜厚分解能:24nm
ベル関数:有り
ハードコート層は、鉛筆硬度試験でH以上の硬度を有する層であることが好ましい。硬度は、JIS K 5400の鉛筆硬度試験に準じて測定された値であることが好ましい。
透明フィルムは、少なくとも可視光の光線透過率に優れ、透明性に優れるものであれば良い。透明フィルムの可視光に於ける光線透過率は、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上である。ただし、光線透過率は、フィルム厚100μmで、分光光度計(日立製作所製、製品名「U−4100型」)で測定されたスペクトルデータを基に視感度補正を行ったY値をいう。透明フィルムのヘイズ値は、好ましくは3%以下、より好ましくは1%以下である。ただし、ヘイズ値は、JIS−K7105に準じて測定された値をいう。
層間充填剤としては、公知のものが適宜用いられる。層間充填剤は、活性エネルギー線硬化性樹脂であることが好ましい。上記活性エネルギー線硬化性樹脂は、例えば、紫外線、電子線等により硬化可能な樹脂であり、具体的には、例えば、アクリル系樹脂(アクリレート、ウレタンアクリレート)、エポキシ系樹脂、シリコーン樹脂、ゴム系樹脂、キシレン系樹脂等があげられる。キシレン系樹脂は、例えば、アルキルフェノール変性タイプ、レゾール、ポリオール等の親水性のもの、または疎水性のもの等が挙げられる。なお、上記層間充填剤は、活性エネルギー線硬化性樹脂に限定されず、例えば、熱硬化性樹脂でもよい。
上記前面板としては、従来公知のものが使用できる。前面板の材質、厚み等は、例えば、画像表示装置等の用途等に応じて適宜選択できる。
本発明のハードコートフィルムは、例えば、溶媒と硬化型化合物とを含むハードコート層形成材料を、透明フィルム上に塗工し、ハードコート層形成材料を硬化させることによって得られたものであって良い。以下、ハードコートフィルムの製造方法の好ましい態様について述べる。
透明フィルムは、上記に例示したものを適宜用いることができる。好ましくは、トリアセチルセルロース等のセルロース系ポリマー製の透明フィルムが用いられる。ハードコート層形成材料は、上記に例示した溶媒及び硬化型化合物を、適宜混合することにより調製できる。
式(3);Y≧−4.274ln(X)+11.311
式(4);Y≦−4.949ln(X)+15.474
ハードコート層形成材料を塗工した後、塗膜を硬化させる前に(低分子量成分を含む硬化型化合物を重合させる前に)、塗膜を乾燥する(すなわち、溶媒を揮発させる)ことが好ましい。この場合、塗膜を乾燥している間に、溶媒を透明フィルム中に浸透させることができる。乾燥温度としては、例えば、30℃〜100℃が挙げられる。乾燥時間は、透明フィルム及び溶媒の種類、塗膜の厚みなどに応じて適宜設定される。乾燥時間は、通常、30秒〜5分である。
層間充填剤形成工程は、ハードコート層の表面に、層間充填剤を形成する工程である。層間充填剤の形成材料としては、上記例示したものを用いることができる。層間充填剤の形成材料をハードコート層の表面に塗工し、その材料を乾燥又は硬化させることにより、透明フィルムとハードコート層と層間充填剤とがこの順で積層されたハードコートフィルムが得られ得る。
前面板貼合工程は、層間充填剤の表面に、前面板を貼合する工程である。前面板の形成材料としては、上記例示したものを用いることができる。例えば、層間充填剤形成工程において、層間充填剤の形成材料をハードコート層の表面に塗工した後に、前面板の形成材料を層間充填剤の形成材料の表面に貼りつけ、その層間充填剤の形成材料を乾燥又は硬化させることにより、透明フィルムとハードコート層と層間充填剤と前面板とがこの順で積層されたハードコートフィルムが得られ得る。
ハードコートフィルムは、擦傷を防止したい部分に設けるための部材として使用できる。代表的には、ハードコートフィルムは、液晶表示装置などの画像表示装置の画面の保護部材、タッチパネルの表面保護部材、計器類のカバー部材、光学レンズ等として使用できる。ハードコートフィルムを画像表示装置に使用する場合、ハードコートフィルムは、それ単独で画像表示装置の画面に貼付されるか、或いは、画面に組み込まれた光学フィルムに貼付される。また、ハードコートフィルムは、各種光学フィルムに積層することにより、ハードコート積層体の態様で画像表示装置に組み込まれる。本発明のハードコートフィルムは、特に液晶表示装置などのディスプレイの前面に用いられるクリアハードコートフィルムとして有用である。
ウレタンアクリレートを主成分とする紫外線硬化型樹脂モノマー又はオリゴマーが酢酸ブチルに溶解された樹脂溶液(DIC(株)製、商品名「ユニディック17−806」。固形分濃度80%)に、その溶液中の固形分100部当たり、光重合開始剤(BASF(株)製、製品名「IRGACURE906」)を5部、レベリング剤(DIC(株)製、製品名「GRANDIC PC4100」)を0.01部添加した。上記溶液中の固形分濃度が36%となるように、上記配合液にシクロペンタノン(以下、「CPN」と記す)とプロピレングリコールモノメチルエーテル(以下、「PGM」と記す)を45:55の比率で加えた。このようにしてハードコート層形成材料を作製した。上記ハードコート層形成材料を、透明プラスチックフィルム基材(セルローストリアセテートフィルム、コニカミノルタアドバンストレイヤー(株)製、商品名「KC4UY」、厚さ:40μm、屈折率:1.48)上に塗工することにより、硬化後のハードコートの厚みが7.8μmになるように塗膜を形成した。次いで、90℃で1分間乾燥し、その後、高圧水銀ランプにて積算光量300mJ/cm2の紫外線を照射し、上記塗膜を硬化処理した。
ウレタンアクリレートを主成分とする紫外線硬化型樹脂モノマー又はオリゴマーが酢酸ブチルに溶解された樹脂溶液(DIC(株)製、商品名「ユニディック17−806」。固形分濃度80%)に、その溶液中の固形分100部当たり、光重合開始剤(BASF(株)製、製品名「IRGACURE906」)を5部、レベリング剤(DIC(株)製、製品名「GRANDIC PC4100」)を0.02部添加した。上記溶液中の固形分濃度が36%となるように、上記配合液にCPNとPGMを45:55の比率で加えた。このようにしてハードコート層形成材料を作製した。上記ハードコート層形成材料を、透明プラスチックフィルム基材(セルローストリアセテートフィルム、コニカミノルタアドバンストレイヤー(株)製、商品名「KC4UY」、厚さ:40μm、屈折率:1.48)上に塗工することにより、硬化後のハードコートの厚みが7.5μmになるように塗膜を形成した。次いで、90℃で1分間乾燥し、その後、高圧水銀ランプにて積算光量300mJ/cm2の紫外線を照射し、上記塗膜を硬化処理した。
ウレタンアクリレートを主成分とする紫外線硬化型樹脂モノマー又はオリゴマーが酢酸ブチルに溶解された樹脂溶液(DIC(株)製、商品名「ユニディック17−806」。固形分濃度80%)に、その溶液中の固形分100部当たり、光重合開始剤(BASF(株)製、製品名「IRGACURE906」)を5部、レベリング剤(DIC(株)製、製品名「GRANDIC PC4100」)を0.01部添加した。上記溶液中の固形分濃度が36%となるように、上記配合液にCPNとPGMを45:55の比率で加えた。このようにしてハードコート層形成材料を作製した。上記ハードコート層形成材料を、透明プラスチックフィルム基材(セルローストリアセテートフィルム、コニカミノルタアドバンストレイヤー(株)製、商品名「KC4UY」、厚さ:40μm、屈折率:1.48)上に塗工することにより、硬化後のハードコートの厚みが5.2μmになるように塗膜を形成した。次いで、90℃で1分間乾燥し、その後、高圧水銀ランプにて積算光量300mJ/cm2の紫外線を照射し、上記塗膜を硬化処理した。
ペンタエリスリトールとアクリル酸の反応生成物である大阪有機化学工業(株)製、商品名「ビスコート#300」に、固形分100部当たり、光重合開始剤(BASF(株)製、製品名「IRGACURE906」)を5部、レベリング剤(DIC(株)製、製品名「GRANDIC PC4100」)を0.01部添加した。上記溶液中の固形分濃度が50%となるように、上記配合液に酢酸エチルセロソルブを加えた。このようにしてハードコート層形成材料を作製した。上記ハードコート層形成材料を、透明プラスチックフィルム基材(セルローストリアセテートフィルム、コニカミノルタアドバンストレイヤー(株)製、商品名「KC4UY」、厚さ:40μm、屈折率:1.48)上に塗工することにより、硬化後のハードコートの厚みが7.2μmになるように塗膜を形成した。次いで、90℃で1分間乾燥し、その後、高圧水銀ランプにて積算光量300mJ/cm2の紫外線を照射し、上記塗膜を硬化処理した。
ペンタエリスリトールとアクリル酸の反応生成物(大阪有機化学工業(株)製、商品名「ビスコート#300」)に、固形分100部当たり、光重合開始剤(BASF(株)製、製品名「IRGACURE906」)を5部、レベリング剤(DIC(株)製、製品名「GRANDIC PC4100」)を0.01部添加した。上記溶液中の固形分濃度が50%となるように、上記配合液にシクロヘキサンを加えた。このようにしてハードコート層形成材料を作製した。上記ハードコート層形成材料を、透明プラスチックフィルム基材(セルローストリアセテートフィルム、コニカミノルタアドバンストレイヤー(株)製、商品名「KC4UY」、厚さ:40μm、屈折率:1.48)上に塗工することにより、硬化後のハードコートの厚みが6.2μmになるように塗膜を形成した。次いで、90℃で1分間乾燥し、その後、高圧水銀ランプにて積算光量300mJ/cm2の紫外線を照射し、上記塗膜を硬化処理した。
ウレタンアクリレートを主成分とする紫外線硬化型樹脂モノマー又はオリゴマーが酢酸ブチルに溶解された樹脂溶液(DIC(株)製、商品名「ユニディック17−806」。固形分濃度80%)に、その溶液中の固形分100部当たり、光重合開始剤(BASF(株)製、製品名「IRGACURE906」)を5部、レベリング剤(DIC(株)製、製品名「GRANDIC PC4100」)を0.05部添加した。上記溶液中の固形分濃度が50%となるように、上記溶液に酢酸ブチル:CPN:PGM=12:80:8の比率で加えた。このようにしてハードコート層形成材料を作製した。上記ハードコート層形成材料を、透明プラスチックフィルム基材(セルローストリアセテートフィルム、富士フイルム(株)製、商品名「フジタックTD60UL」、厚さ:60μm、屈折率:1.48)上に塗工することにより、硬化後のハードコートの厚みが6.5μmになるように塗膜を形成した。次いで、90℃で1分間乾燥し、その後、高圧水銀ランプにて積算光量300mJ/cm2の紫外線を照射し、上記塗膜を硬化処理した。
ウレタンアクリレートを主成分とする紫外線硬化型樹脂モノマー又はオリゴマーが酢酸ブチルに溶解された樹脂溶液(DIC(株)製、商品名「ユニディック17−806」。固形分濃度80%)に、その溶液中の固形分100部当たり、光重合開始剤(BASF(株)製、製品名「IRGACURE906」)を5部、レベリング剤(DIC(株)製、製品名「GRANDIC PC4100」)を0.03部添加した。上記溶液中の固形分濃度が50%となるように、上記溶液に酢酸ブチル:CPN:PGM=12:80:8の比率で加えた。このようにしてハードコート層形成材料を作製した。上記ハードコート層形成材料を、透明プラスチックフィルム基材(セルローストリアセテートフィルム、富士フイルム(株)製、商品名「フジタックTD60UL」、厚さ:60μm、屈折率:1.48)上に塗工することにより、硬化後のハードコートの厚みが6.5μmになるように塗膜を形成した。次いで、90℃で1分間乾燥し、その後、高圧水銀ランプにて積算光量300mJ/cm2の紫外線を照射し、上記塗膜を硬化処理した。
ウレタンアクリレートを主成分とする紫外線硬化型樹脂モノマー又はオリゴマーが酢酸ブチルに溶解された樹脂溶液(DIC(株)製、商品名「ユニディック17−806」。固形分濃度80%)に、その溶液中の固形分100部当たり、光重合開始剤(BASF(株)製、製品名「IRGACURE906」)を5部、レベリング剤(DIC(株)製、製品名「GRANDIC PC4100」)を0.03部添加した。上記溶液中の固形分濃度が50%となるように、上記溶液に酢酸ブチル:CPN:PGM=12:80:8の比率で加えた。このようにしてハードコート層形成材料を作製した。上記ハードコート層形成材料を、透明プラスチックフィルム基材(セルローストリアセテートフィルム、富士フイルム(株)製、商品名「フジタックTD60UL」、厚さ:60μm、屈折率:1.48)上に塗工することにより、硬化後のハードコートの厚みが5.7μmになるように塗膜を形成した。次いで、90℃で1分間乾燥し、その後、高圧水銀ランプにて積算光量300mJ/cm2の紫外線を照射し、上記塗膜を硬化処理した。
ウレタンアクリレートを主成分とする紫外線硬化型樹脂モノマー又はオリゴマーが酢酸ブチルに溶解された樹脂溶液(DIC(株)製、商品名「ユニディック17−806」。固形分濃度80%)に、その溶液中の固形分100部当たり、光重合開始剤(BASF(株)製、製品名「IRGACURE906」)を5部、レベリング剤(DIC(株)製、製品名「GRANDIC PC4100」)を0.01部添加した。上記溶液中の固形分濃度が36%となるように、上記配合液にCPNとPGMを45:55の比率で加えた。このようにしてハードコート層形成材料を作製した。上記ハードコート層形成材料を、透明プラスチックフィルム基材(セルローストリアセテートフィルム、コニカミノルタアドバンストレイヤー(株)製、商品名「KC4UY」、厚さ:40μm、屈折率:1.48)上に塗工することにより、硬化後のハードコートの厚みが4.0μmになるように塗膜を形成した。次いで、90℃で1分間乾燥し、その後、高圧水銀ランプにて積算光量300mJ/cm2の紫外線を照射し、上記塗膜を硬化処理した。
ハードコート層の表面自由エネルギーは、液滴法により測定した。
作製したサンプルフィルムの支持体側に粘着剤を転写形成し、5×5cmのアクリル板上に貼り付けたものを作製した。フィルム上に、下記に示す各無溶剤樹脂を滴下し、スピンコーター(1500rpm、15sec)を用いて全面均一に塗布した。30分間静置後、サンプルの4辺の任意の場所からのハジキ量(各辺部から各樹脂が最もはじかれている部分までの距離)をノギスで各辺部ごとに測定し、その4点の平均ハジキ幅を各樹脂の測定値とした。各樹脂の測定値のうち、最も平均ハジキ幅が高かった測定値を、層間充填剤はじき性の評価値とした。なお、下記の無溶剤樹脂の表面自由エネルギーは、ペンダントドロップ法により測定した。
紫外線硬化型接着剤A
(表面自由エネルギー40.7mN/m)
紫外線硬化型接着剤B
(表面自由エネルギー45.2mN/m)
紫外線硬化型接着剤C
(表面自由エネルギー42.3mN/m)
○:測定値が10mm未満であった。
△:測定値が10mm以上20mm未満であった。
×:測定値が20mm以上であった。
作製したサンプルフィルムそれぞれについて、透明フィルムとハードコート層との界面から、上記ハードコート層の厚み方向全域において、プリズムカプラ(商品名「プリズムカプラSPA−4000」、Sairon Technology社製)を用いて測定することで上記ハードコート層の屈折率を測定し、屈折率変化傾斜aを評価した。
光源:532.0nm
モード:TE
Angle:−5.00〜2.00
解析モード:Index Profile
作製したサンプルフィルムそれぞれの透明フィルムの裏面に、黒色アクリル板(三菱レイヨン(株)製。厚み2.0mm)を、厚み約20μmの透明なアクリル系粘着剤を介して貼り合わせた。暗室中において、三波長光源を用いて、このハードコートフィルムの表面の干渉縞を目視により観察した。干渉縞の観察の結果は、下記の基準に従って区別した。
○:干渉縞が視認されなかった。
△:僅かに干渉縞が視認された。
×:明確に干渉縞が視認された。
[屈折率変化傾斜aの評価]の場合と同様に上記ハードコート層の屈折率を厚み方向に連続的に測定し、上記ハードコート層表面における屈折率nA、上記透明フィルムの上記界面に接する部分の屈折率nBを測定し、屈折率変化傾斜aを算出した。
各実施例及び各比較例のハードコートフィルムの透明フィルムの裏面に、黒色アクリル板(三菱レイヨン(株)製。厚み2.0mm)を、厚み約20μmの透明なアクリル系粘着剤を介して貼り合わせた。暗室中において、三波長光源を用いて、このハードコートフィルムの表面外観を目視により観察した。白モヤの観察結果は、下記の基準に従って区別した。
○:白モヤが視認されない。
×:白モヤが視認される。
ハードコート層の耐擦傷性は、以下の試験内容にて評価した。
(1)ハードコートフィルムの表面から150mm×50mmのサンプルを切り出し、ハードコート層が形成されていない面を下にして、ガラス板に載せた。
(2)直径11mmの円柱の平滑な断面に、スチールウール#0000を均一に取り付け、荷重1.5kgにて上記サンプル表面を、毎秒約100mmの速度で10往復した後に、サンプル表面に入った傷の本数を目視により数え、以下の指標により判定した。
○:傷の本数が、4本以下
×:傷の本数が、5本以上
2 透明フィルム
3 ハードコート層
3a ハードコート層の表面
5 界面
6 層間充填剤
7 前面板
Claims (5)
- 透明フィルムと、該透明フィルム上に設けられたハードコート層と、を有するハードコートフィルムであって、
前記ハードコート層の表面自由エネルギーが30mN/m以上であり、
前記ハードコートフィルムが、前記透明フィルムの成分と前記ハードコート層の成分が混在している混在領域を有し、
前記混在領域の屈折率がハードコートフィルムの厚み方向に向かって連続的に変化しており、
式(1)に規定する屈折率変化傾斜a(μm−1)が0.003≦a≦0.018を満たす、ハードコートフィルム:
a=|nA−nB|/L・・・(1)
式(1)中、nAは前記ハードコート層固有の屈折率、nBは前記透明フィルム固有の屈折率、Lは前記混在領域の厚み(μm)を表す。 - 前記透明フィルムの成分と前記ハードコート層の成分とによって生じる界面を有し、前記界面が、反射スペクトルの解析によって検出可能である、請求項1記載のハードコートフィルム。
- 前記ハードコート層の表面上に、層間充填剤を介して前面板が貼合されている、請求項1又は2に記載のハードコートフィルム。
- 請求項1〜3の何れか1項に記載のハードコートフィルムを有する偏光板。
- 請求項1〜3の何れか1項に記載のハードコートフィルムを有する画像表示装置。
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