JP2004302168A - 液晶表示装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光重合性成分又は熱重合性成分又は光熱重合性成分を含有する液晶組成物を一対の基板間に挟持して液晶パネル10を形成し、該液晶パネルの光学的性質をあらわす値を測定し、該測定した値に基づいて電圧、光照度、温度、光照射時間、及び加熱時間の少なくとも1つを調整し、電圧を印加しながら該重合性成分を光重合又は熱重合させる構成とする。
【選択図】 図9
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶表示装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
負の誘電率異方性を有する液晶を垂直配向させたVA型液晶表示装置が知られている。さらに、基板に土手やスリットを設けることによって、ラビングレスで複数のドメインを含むように配向制御することのできるMVA型液晶表示装置が知られている。しかし、MVA型液晶表示装置は視角特性が優れているが、比較的に輝度が低いという問題がある。輝度が低いことの主な原因は、土手やスリットの上が液晶配向の分割境界となり、この部分が光学的に暗く見えることによる。これを改善するためには、土手やスリット間の間隙を十分に広くすればよいが、そうすると、電圧を印加したときに液晶の配向が安定するまでに時間がかかるようになり、応答速度が遅くなる。
【0003】
MVA型液晶表示装置の改善例として、光重合性成分又は熱重合性成分又は光熱重合性成分を含有する液晶組成物を含む液晶表示装置が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。この液晶表示装置は、一対の基板間に液晶組成物を挟持して液晶パネルを形成し、電圧を印加しながら(液晶分子がある程度傾斜した段階で)重合性成分を光重合又は熱重合させることにより製造される。重合性成分は、一般的に紫外線又は熱によって重合するようなモノマーからなる。この製造方法においては、液晶分子が基板面に対して傾斜した状態で重合性成分を重合させ、重合処理が終了すると、液晶分子が基板面に対してほぼ垂直な状態に戻るが、硬化した重合性成分は重合された状態を保ち、液晶分子は重合性成分から吸着力を受けて基板面に対して少しプレチルトした状態になる。このため、電圧を印加したときの液晶の応答速度が速くなる。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−23199号公報
【特許文献2】
特開2002−357830号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような製造方法で得られた液晶表示装置では、微妙なセル厚の変動などが生じると、液晶パネルの光学特性がバラツキやすいことが分かった。また、重合の状態により、液晶パネルの表示特性が左右されるため、重合の状態をモニターすることが好ましいことが分かった。また、重合装置に不具合が生じた場合には早急な対処が必要である。さらに、従来の配向技術では発生しなかったような表示不良も問題になっている。例えば、重合前の液晶パネルに静電気が帯電したり、重合前の液晶パネルに重合時よりも長波長の光が当たると、重合ラムが発生し、液晶の配向状態が微妙に変動し、光学特性が変動したり、表示ムラが発生したりすることがある。
【0006】
また、UV照射や加熱によりラジカルやカチオンが発生するような異物が液晶充填前の空パネルもしくは基板に付着すると、安定した重合が行われず、表示ムラが発生する問題がある。
【0007】
従って、表示ムラがなく、表示が明るく、応答性に優れ、中間調でも色変化が少なく、かつ量産上、γや黒輝度、白輝度が一定である液晶表示装置が望まれている。
【0008】
本発明の目的は、表示ムラがなく、表示が明るく、応答性に優れた液晶表示装置を得ることのできる液晶表示装置の製造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
一つの局面において、本発明による液晶表示装置の製造方法は、光重合性成分又は熱重合性成分又は光熱重合性成分を含有する液晶組成物を一対の基板間に挟持して液晶パネルを形成し、該液晶パネルの光学的性質をあらわす値を測定し、該測定した値に基づいて電圧、光照度、温度、光照射時間、及び加熱時間の少なくとも1つを調整し、電圧を印加しながら該重合性成分を光重合又は熱重合させることを特徴とするものである。
【0010】
一つの局面において、本発明による液晶表示装置の製造方法は、光重合性成分又は熱重合性成分又は光熱重合性成分を含有する液晶組成物を一対の基板間に挟持して液晶パネルを形成し、該液晶パネルの光学的性質をあらわす値を測定し、電圧を印加しながら該重合性成分を光重合又は熱重合させ、該測定した値に基づいて重合後に追加光照射、追加加熱を行うことを特徴とするものである。
【0011】
一つの局面において、本発明による液晶表示装置の製造方法は、光重合性成分又は熱重合性成分又は光熱重合性成分を含有する液晶組成物を一対の基板間に挟持して液晶パネルを形成し、電圧を印加しながら該重合性成分を光重合又は熱重合させ、重合後の液晶パネルの光学的性質をあらわす値を測定し、重合が所望の状態に行われたことを評価することを特徴とするものである。
【0012】
上記構成によれば、重合前に液晶パネルの上下に偏光板を配置し、液晶パネルの透過率や輝度、照度を測定し、その値から、液晶分子に加える電圧、光照度、温度、光照射時間、加熱時間を適宜設定する。これにより、γや黒輝度、白輝度を一定に保つことが可能である。さらに、重合後に同様に透過率を測定することで、重合が所望の状態に行われたかを確認でき、重合装置に不具合が生じた場合には早急な対応が可能となる。
【0013】
一つの局面において、本発明による液晶表示装置の製造方法は、光重合性成分又は熱重合性成分又は光熱重合性成分を含有する液晶組成物を一対の基板間に挟持して液晶パネルを形成し、電圧を印加しながら該重合性成分を光重合又は熱重合させ、重合中の液晶パネルの光学的性質をあらわす値を測定することを特徴とするものである。
【0014】
上記構成において、重合中に液晶セルに流れる電流の測定や、パネルの透過率や輝度、照度を測定することで、重合時の接触不良により液晶に所望の電流がかからないまま重合することを防ぐことができ、確実に所望の配向状態を得ることができる。
【0015】
一つの局面において、本発明による液晶表示装置の製造方法は、光重合性成分又は熱重合性成分又は光熱重合性成分を含有する液晶組成物を一対の基板間に挟持して液晶パネルを形成し、液晶パネルの静電気を除去し、その後で、電圧を印加しながら該重合性成分を光重合又は熱重合させることを特徴とするものである。
【0016】
上記構成において、重合前に液晶パネルに帯電した静電気を除去することにより、局所的な実効電圧の変化を取り除くことができ、重合後の表示ムラを抑えることができる。
【0017】
一つの局面において、本発明による液晶表示装置の製造方法は、光重合性成分又は熱重合性成分又は光熱重合性成分を含有する液晶組成物を一対の基板間に挟持して液晶パネルを形成し、液晶パネルに重合時に照射する光の波長よりより長い波長の光を照射し、その後で、電圧を印加しながら該重合性成分を光重合させることを特徴とするものである。
【0018】
上記構成において、重合前に液晶パネルに電圧無印加又は電圧印加して、重合時より長波長の光や微弱な光をあてることで、局所的に長波長の光が当たった部分の表示ムラを防ぐ。また、これにより、液晶中の重合性成分が活性となり、重合時に要する照射時間が短時間ですむ。さらに、任意の強度、時間で長波長の光を当てることにより、表示装置のγや黒輝度、白輝度を一定に保つことが可能である。
【0019】
一つの局面において、本発明による液晶表示装置の製造方法は、基板又は貼り合わせられた一対の基板に光照射又は加熱を行い、光重合性成分又は熱重合性成分又は光熱重合性成分を含有する液晶組成物を一対の基板間に挟持して液晶パネルを形成し、電圧を印加しながら該重合性成分を光重合又は熱重合させることを特徴とするものである。
【0020】
上記構成において、液晶充填前の基板もしくは空セルに光照射もしくは加熱を行うことで、UV照射や加熱によりラジカルやカチオンを発生するような異物を液晶充填前に反応させ、重合時に重合開始材として働かないようにすることが可能になる。さらに、この処理を配向膜塗布前の基板に行えば、基板表面の濡れ性も改善され、配向線のハジキによる不良の軽減にもつながる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施例について図面を参照して説明する。
【0022】
図1は本発明の実施例による液晶表示装置を示す図である。液晶表示装置(液晶パネル)10は、一対のガラス基板12、14に液晶16を挟持してなる。一方のガラス基板12はカラーフィルタ基板であり、カラーフィルタ18、共通電極20、および垂直配向膜22を有する。他方のガラス基板12はTFT基板であり、TFT(図示せず)、画素電極24、および垂直配向膜26を有する。ガラス基板12はデータバスラインやゲートバスラインも有する。
【0023】
液晶16は負の誘電率異方性を有する液晶(メルク・ジャパン製)と、該液晶に含有された光重合性成分又は熱重合性成分又は光熱重合性成分とからなる。例えば、重合性成分はネマティック液晶性を示すアクリル系モノマー(メルク・ジャパン製)からなる。重合性成分は液晶に対して0.3〜0.3wt%含有されている。本実施例においては、重合性成分は0.2wt%混合されている。
【0024】
一対のガラス基板12、14は4μmのスペーサを介して貼り合わせられ、それから液晶16が一対のガラス基板12、14からなる空セル内に注入される。あるいは、液晶16を一方のガラス基板の上に滴下注入し、それから一対のガラス基板12、14は貼り合わせられる。このようにして、液晶パネル10が形成される。
【0025】
図2は液晶パネル10に電圧を印加し且つ紫外線(UV)を照射して重合処理を行っている液晶パネルを示す図である。電圧を印加すると、液晶分子がある程度傾斜する。液晶の配向方向がある程度定まった段階で光を照射、又は加熱し、重合性成分を光重合又は熱重合させる。
【0026】
図3は重合処理を行った液晶パネルの液晶の配向を示す図である。矢印Aは重合処理の間の液晶分子の配向方向を示し、重合性成分の液晶骨格は重合処理により液晶分子と同じ配向方向で硬化される。Bは垂直配向膜26の配向規制方向を示す。重合処理が終了すると、電圧が遮断されるので、液晶分子が基板面に対してほぼ垂直な状態に戻る。しかし、液晶分子16Aは、硬化した重合性成分から吸着力Cを受ける。その結果、液晶分子16Aは、基板面に対して少しプレチルトした状態になる。この方法では、液晶分子は全体的にプレチルトしているので、使用時の液晶の応答速度が速くなる。
【0027】
さらに、一対のガラス基板12、14、又は一方のガラス基板12、14には、土手やスリット等の配向制御構造物が設けられる。図4から図8は土手やスリット等の配向制御構造物の例を示す図である。図4から図8において、(A)は断面図、(B)は平面図である。
【0028】
図4においては、一方のガラス基板14には直線的に長いスリット28が設けられる。スリット28は例えば画素電極24に設けたスリットからなり、画素電極24上の垂直配向膜26がそのスリット上で窪んでいる形状(スリット)となる。もう一方のガラス基板12にも同様に直線的に長いスリットがスリット28と平行にスリット28と半ピッチずらして設けられることができる。電圧を印加すると、液晶分子16Aはスリット28に対して垂直な方向を向いて傾斜する。そこで、液晶分子16Aが図4(A)に示されるように傾斜した状態になったときに光を照射し又は加熱して重合性成分を重合、硬化させる。こうして、図3を参照して説明したプレチルトが実現される。
【0029】
図5においては、一方のガラス基板14には直線的に長い土手30が設けられる。土手30は例えば画素電極24上に誘電体を設け、垂直配向膜26が誘電体を覆う形状である。もう一方のガラス基板12にも同様に直線的に長い土手が土手30と平行に土手30と半ピッチずらして設けられることができる。電圧を印加すると、液晶分子16Aは土手30に対して垂直な方向を向いて倒れる。そこで、液晶分子16Aが図5(A)に示されるように傾斜した状態になったときに光を照射し又は加熱して重合性成分を重合、硬化させる。こうして、図3を参照したプレチルトが実現される。
【0030】
図6においては、一方のガラス基板14には直線的に長いスリット28が設けられ、もう一方のガラス基板12にはスリット28と直交する方向に直線的に長いスリット28Aが設けられる。直交するスリット28、28Aがあると、電圧を印加すると、液晶分子16Aはスリット28、28Aに対して45°の方向を向いて傾斜する。そこで、液晶分子16Aが図6(A)に示されるように傾斜した状態で光を照射し又は加熱して重合性成分を重合、硬化させる。
【0031】
図7においては、一方のガラス基板14には直線的に長い土手30が設けられ、もう一方のガラス基板12には土手30と直交する方向に直線的に長い土手30Aが設けられる。直交する土手30、30Aがあると、電圧を印加すると、液晶分子16Aは土手30、30Aに対して45°の方向を向いて傾斜する。そこで、液晶分子16Aが図7(A)に示されるように傾斜した状態で光を照射し又は加熱して重合性成分を重合、硬化させる。
【0032】
図8においては、一方のガラス基板14に、直線的に長いスリット28Bと、スリット28Bと直交する方向に直線的に長いスリット28Cが設けられる。直交するスリット28B、28Cがあると、電圧を印加すると、液晶分子16Aはスリット28B、28Cに対して45°の方向を向いて傾斜する(図6参照)。そこで、液晶分子16Aが傾斜した状態で光を照射し又は加熱して重合性成分を重合、硬化させる。なお、図8においては、補助の細いスリット28Dがスリット28B、28Cに対して45°の方向に形成されている。補助の細いスリット28Dは液晶分子16Aがスリット28Dと平行な方向を向くようにするものである。また、直交するスリット28B、28Cの代わりに直交する土手を設けてもよい。
【0033】
本発明においては、液晶表示装置(液晶パネル)を製造する際に、さらに次の手段を採用する。
【0034】
図9は本発明による液晶表示装置の製造装置の一例を示す図である。液晶表示装置の製造装置は、照射装置32と、電源34とを含む。照射装置32は例えばチャンバ36内に配置され、好ましくは紫外線を照射する。チャンバ36は紫外線が照射されるときに開放されるシャッタを含む。なお、重合性成分が熱重合性のものである場合には、照射装置32とともに、又は照射装置32の代わりに、加熱装置が設けられる。
【0035】
制御装置38は、上記説明したように、電源34から液晶パネル10に電圧を供給し、液晶分子が傾斜した状態で液晶パネル10に照射装置32から紫外線を照射し、液晶16内に含有される重合性成分を重合、硬化させるのに必要な、電圧、光照度、温度、光照射時間、及び加熱時間等を記憶していて、それらの値に基づいて電源34及び照射装置32を制御する。あるいは、電源34及び照射装置32は設定された電圧、光照度、温度、光照射時間、及び加熱時間に基づいて個別に制御されることもできる。
【0036】
液晶パネル10を矢印で示されるようにチャンバ36に搬送する前の工程に、測定装置40が設けられている。測定装置40は液晶パネル10の光学的性質をあらわす値を測定する。例えば、測定装置40が重合前の液晶パネル10の透過率や輝度、照度を測定する輝度計や照度計からなる。この測定の間、液晶パネル10には偏光子41、42がクロスニコルで配置され、電源34から液晶パネル10に電圧を供給する。
【0037】
測定装置40の測定値は制御装置38に記憶され、液晶パネル10をチャンバ36に搬送して重合処理を行うときに、重合前に測定された液晶パネル10の光学的性質をあらわす値に基づいて重合時の電圧、光照度、温度、光照射時間、及び加熱時間の少なくとも1つを設定値と比較し、設定値を補正するように調整する。
【0038】
例えば、重合前に液晶層に2.5Vを印加し、偏光板をクロスニコルに配置した上で液晶パネル10の輝度を測定する。その後の重合時には、輝度が高い液晶パネル10には設定値より低めの電圧を印加し、輝度が低い液晶パネル10には設定値より高めの電圧を印加して、重合を行う。これにより、全ての液晶パネルにおいて光学的特性が一様になり、γや黒輝度がパネル間で一定になった。
【0039】
図13は重合処理の例を示すフローチャートである。ステップ50において、一対の基板12、14の貼り合わせ、及び液晶16の注入を行う。ステップ51において、液晶パネル10の光学的性質をあらわす値を測定する。ステップ52において、電圧を印加し、光照射(及び/又は加熱)を行って、液晶16に含有される重合性成分の重合を行う。この場合、液晶パネル10の光学的性質をあらわす測定値に基づいて、重合時の電圧、光照度、温度、光照射時間、及び加熱時間の少なくとも1つを調整する。
【0040】
図14は重合処理の他の例を示すフローチャートである。ステップ50において、一対の基板12、14の貼り合わせ、及び液晶16の注入を行う。ステップ51において、液晶パネル10の光学的性質をあらわす値を測定する。ステップ52において、電圧を印加し、光照射を行って、液晶16に含有される重合性成分の重合を行う。ステップ53において、液晶パネル10の光学的性質をあらわす測定値に基づいて、重合後に追加光照射、追加加熱を行う。
【0041】
液晶パネル10の重合性成分が重合された後で、液晶パネル10の光学的性質をあらわす測定値に基づいて、さらに、液晶パネル10に追加照射する。この場合、重合前の輝度が高い液晶パネルには、追加の光照射時間を長めにし、輝度が低い液晶パネルには、追加の光照射時間を短めにした。これにより、全ての液晶パネルにおいてγや黒輝度がパネル間で一定になった。
【0042】
図15は重合処理の他の例を示すフローチャートである。ステップ50において、一対の基板12、14の貼り合わせ、及び液晶16の注入を行う。ステップ52において、電圧を印加し、光照射を行って、液晶16に含有される重合性成分の重合を行う。ステップ54において、液晶パネル10の光学的性質をあらわす値、例えば透過率を測定する。この測定は図9の測定装置40と同様の測定装置で行うことができる。ステップ55において、液晶パネル10の光学的性質をあらわす測定値に基づいて、重合が所望の状態に行われたことを評価する。
【0043】
重合後に液晶パネル10の光学的性質、例えば透過率を測定することで、液晶パネル10の液晶16に含有される重合性成分の重合が所望の状態に行われたかを確認できる。通常は、液晶パネル10の透過率は複数の液晶パネル10でほぼ一定の値であり、これらの液晶パネルのγや黒輝度、白輝度もほぼ一定である。しかし、測定された液晶パネル10の透過率が所望の値よりも変動していると、例えば重合装置に不具合が生じているなどの異常事態が想定され、製造工程に早急な対策を講じることが可能となる。
【0044】
図10は本発明による液晶表示装置の製造装置の他の例を示す図である。図9の製造装置と同様に、図10の製造装置は、照射装置32と、電源34と、チャンバ36と、制御装置38とを含む。さらに、液晶パネル10の液晶16に含有される重合性成分の重合中に、液晶パネル10の光学的性質をあらわす値を測定する測定手段が設けられている。図10においては、液晶パネル10の光学的性質をあらわす値を測定する測定手段は電流計44からなる。
【0045】
このように、重合中に液晶パネル10に流れる電流や、液晶パネル10の透過率や輝度、照度を測定することで、重合時に接触不良により液晶に所望の電流がかからないまま重合されているか否かを検出することができる。それによって、異常を防ぐことができ、確実に所望のプレチルトをもった配向状態の液晶表示装置を得ることができる。
【0046】
図11は本発明による液晶表示装置の製造装置の他の例を示す図である。図9の製造装置と同様に、図10の製造装置は、照射装置32と、電源34と、チャンバ36と、制御装置38とを含む。図11においては、液晶パネル10をチャンバ36に搬送する前の工程に、イオナイザー46が配置されている。イオナイザー46は矢印で示されているようにイオンを発生させ、イオンにより、液晶パネル10に帯電した静電気47を除去する。このように、液晶パネル10の上部又は下部から重合前にイオナイザー46により液晶パネル10から除電し、その後重合処理を行った。重合前に液晶パネル10に帯電した静電気を除去することにより、局所的な実効電圧の変化を取り除くことができ、重合後の表示ムラを抑えることができる。よって、表示ムラのない液晶表示装置を得ることができる。
【0047】
図12は本発明による液晶表示装置の製造装置の他の例を示す図である。図9の製造装置と同様に、図10の製造装置は、照射装置32と、電源34と、チャンバ36と、制御装置38とを含む。図12においては、液晶パネル10をチャンバ36に搬送する前の工程に、照射装置48が設けられている。照射装置48は、液晶パネル10に重合時に照射する光の波長よりより長い波長の光を照射する。
【0048】
例えば、重合時に使用される照射装置32は波長が300〜400nmの光を照射する。これに対して、重合前に使用される照射装置48は波長が400〜440nmの光を照射する。これにより、表示ムラのない、電圧印加時のUV照射を短時間で所望のプレチルトを得ることができる。
【0049】
上記構成において、重合前の照射は、電圧無印加又は電圧印加して行うことができる。重合時より長波長の光や微弱な光をあてることで、局所的に長波長の光が当たった部分の表示ムラを防ぐ。また、これにより、液晶中の重合性成分が活性となり、重合時に要する照射時間が短時間ですむ。さらに、任意の強度、時間で長波長の光を当てることにより、表示装置のγや黒輝度、白輝度を一定に保つことが可能である。
【0050】
図16は重合処理の他の例を示すフローチャートである。図16においては、ステップ56において、各ガラス基板12、14に光を照射する。この場合、例えば、150〜400nmの光をガラス基板12、14に照射する。光を照射する代わりに各ガラス基板12、14を加熱してもよい。ステップ57において、一対のガラス基板12、14を貼り合わせる。ステップ58において、一対のガラス基板12、14の間に上記した重合性成分を含有した液晶16を注入する。ステップ52において、上記したように、電圧を印加し、紫外線を照射しながら、液晶16に含有される重合性成分を重合、加熱させる。なお、ステップ56とステップ57は逆にすることもできる。
【0051】
この構成において、液晶充填前の基板もしくは空セルに光照射もしくは加熱を行うことで、UV照射や加熱によりラジカルやカチオンを発生するような異物を液晶充填前に反応させ、重合時に重合開始材として働かないようにすることが可能になる。従って、安定した重合を実施することができる。この処理を配向膜塗布前の基板に行えば、基板表面の濡れ性も改善され、配向膜のハジキによる不良の軽減にもつながる。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、光又は熱で重合する重合性成分(ポリマー材)を使用して液晶分子のプレチルト角及び電圧印加時の傾斜方向を規定する液晶表示装置における表示特性の改善、液晶パネル間の光学特性のバラツキの軽減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施例による液晶表示装置を示す図である。
【図2】図2は液晶パネルに電圧を印加且つ紫外線を照射して重合処理を行っている液晶パネルを示す図である。
【図3】図3は重合処理を行った液晶パネルの液晶の配向を示す図である。
【図4】図4はスリットからなる配向制御構造物の例を示す図であり、(A)は断面図、(B)は平面図である。
【図5】図5は土手からなる配向制御構造物の例を示す図であり、(A)は断面図、(B)は平面図である。
【図6】図6はスリットからなる配向制御構造物の例を示す図であり、(A)は断面図、(B)は平面図である。
【図7】図7は土手からなる配向制御構造物の例を示す図であり、(A)は断面図、(B)は平面図である。
【図8】図8はスリットからなる配向制御構造物の例を示す図であり、(A)は断面図、(B)は平面図である。
【図9】図9は本発明による液晶表示装置の製造装置の一例を示す図である。
【図10】図10は本発明による液晶表示装置の製造装置の他の例を示す図である。
【図11】図11は本発明による液晶表示装置の製造装置の他の例を示す図である。
【図12】図12は本発明による液晶表示装置の製造装置の他の例を示す図である。
【図13】図13は重合処理の例を示すフローチャートである。
【図14】図14は重合処理の他の例を示すフローチャートである。
【図15】図15は重合処理の他の例を示すフローチャートである。
【図16】図16は重合処理の他の例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10…液晶表示装置(液晶パネル)
12、14…ガラス基板
16…液晶
22、26…垂直配向膜
28…スリット
30…土手
32…照射装置
34…電源
36…チャンバ
40…測定装置
44…電流計
46…イオナイザー
48…照射装置
Claims (7)
- 光重合性成分又は熱重合性成分又は光熱重合性成分を含有する液晶組成物を一対の基板間に挟持して液晶パネルを形成し、
該液晶パネルの光学的性質をあらわす値を測定し、
該測定した値に基づいて電圧、光照度、温度、光照射時間、及び加熱時間の少なくとも1つを調整し、電圧を印加しながら該重合性成分を光重合又は熱重合させることを特徴とする液晶表示装置の製造方法。 - 光重合性成分又は熱重合性成分又は光熱重合性成分を含有する液晶組成物を一対の基板間に挟持して液晶パネルを形成し、
該液晶パネルの光学的性質をあらわす値を測定し、
電圧を印加しながら該重合性成分を光重合又は熱重合させ、
該測定した値に基づいて重合後に追加光照射、追加加熱を行うことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。 - 光重合性成分又は熱重合性成分又は光熱重合性成分を含有する液晶組成物を一対の基板間に挟持して液晶パネルを形成し、
電圧を印加しながら該重合性成分を光重合又は熱重合させ、
重合後の液晶パネルの光学的性質をあらわす値を測定し、
重合が所望の状態に行われたことを評価することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。 - 光重合性成分又は熱重合性成分又は光熱重合性成分を含有する液晶組成物を一対の基板間に挟持して液晶パネルを形成し、
電圧を印加しながら該重合性成分を光重合又は熱重合させ、
重合中の液晶パネルの光学的性質をあらわす値を測定することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。 - 光重合性成分又は熱重合性成分又は光熱重合性成分を含有する液晶組成物を一対の基板間に挟持して液晶パネルを形成し、
液晶パネルの静電気を除去し、
その後で、電圧を印加しながら該重合性成分を光重合又は熱重合させることを特徴とする液晶表示装置の製造方法。 - 光重合性成分又は熱重合性成分又は光熱重合性成分を含有する液晶組成物を一対の基板間に挟持して液晶パネルを形成し、
液晶パネルに重合時に照射する光の波長よりより長い波長の光を照射し、
その後で、電圧を印加しながら該重合性成分を光重合させることを特徴とする液晶表示装置の製造方法。 - 基板又は貼り合わせられた一対の基板に光照射又は加熱を行い、
光重合性成分又は熱重合性成分又は光熱重合性成分を含有する液晶組成物を一対の基板間に挟持して液晶パネルを形成し、
電圧を印加しながら該重合性成分を光重合又は熱重合させることを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
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