JP3192627U - 電子機器用の筐体部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】生産性良く作製することが可能な構造の電子機器用の筐体部品を提供する。【解決手段】電子機器用の筐体部品100は、金属からなる筐体本体10と、熱可塑性樹脂からなる樹脂部20と、を備える。筐体本体10の表面は、凹凸形状に形成された凹凸形成領域11を含む。樹脂部20は、凹凸形成領域11に対して接合しているとともに、当該樹脂部20を構成する樹脂材料が凹凸形状の凹部13に侵入している。樹脂部20は、凹凸形成領域11より立設された柱状部材210および平板状部材220から選ばれる1種以上の部材を含む。【選択図】図1

Description

本考案は、電子機器用の筐体部品に関する。
携帯電話機等の電子機器の筐体を構成する筐体部品としては、意匠性の要求などから、金属材料により構成されたものが多くなってきている。
筐体部品には、他の部品との組み付け用などの柱状部材が設けられていることが一般的である。柱状部材には、例えば、止着用の雄ねじと螺合する雌ねじが形成されていたり、或いは、止着用の雄ねじを挿通させる貫通孔が形成されていたりする。
また、筐体部品の軽量化のため、柱状部材は樹脂材料により構成される場合がある。
例えば、特許文献1には、金属製の筐体本体に対し、樹脂製のボス(柱状部材)を着脱自在に取り付けることが記載されている。
筐体本体に対するボスの取り付けは、筐体本体に形成されたボス取付部に対してボスを軸方向に差し込んだ後、ボスをその軸周りに回転させて、ボスとボス取付部とを係合させることによってなされる。ボスとボス取付部とが係合した状態では、ボスがその軸方向において筐体本体から脱落することが規制されるようになっている。
特開2008−90437号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、ボス取付部を有する筐体本体とボスとを別個に作製した後、ボスを筐体本体に取り付ける必要があるため、筐体本体とボスとを含む筐体部品を作製するために多くの工程を要する。また、複雑な構造のボス取付部を有する筐体本体を作製する必要があるとともに、複雑な構造のボスを作製する必要があるため、加工のばらつきの影響で歩留まりが低下する可能性がある。
よって、筐体部品の生産性について改善の余地があると考えられる。
本考案は、上記の課題に鑑みなされたものであり、生産性良く作製することが可能な構造の、電子機器用の筐体部品を提供する。
本考案は、
金属からなる筐体本体と、
熱可塑性樹脂からなる樹脂部と、
を備え、
前記筐体本体の表面は、凹凸形状に形成された凹凸形成領域を含み、
前記樹脂部は、前記凹凸形成領域に対して接合しているとともに、当該樹脂部を構成する樹脂材料が前記凹凸形状の凹部に侵入しており、
前記樹脂部は、
前記凹凸形成領域より立設された柱状部材と、前記凹凸形成領域に一方の面が設けられた平板状部材と、から選ばれる1種以上の部材を含む電子機器用の筐体部品。
本考案によれば、生産性良く作製することが可能な構造の電子機器用の筐体部品を提供することができる。
実施形態に係る電子機器用の筐体部品を示す図であり、このうち(a)は斜視図、(b)は樹脂部と筐体本体との接合界面近傍の構造の例を示す模式的な断面図である。 図2(a)〜(d)の各々は柱状部材の構造の例を示す断面図である。 凹部への樹脂の侵入状況の例を示す模式的な断面図である。 電子機器用の筐体部品の樹脂部と筐体本体との接合界面近傍の構造の一例を示す図である。
以下、本考案の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
図1は実施形態に係る電子機器用の筐体部品100を示す図であり、このうち(a)は斜視図、(b)は樹脂部20と筐体本体10との接合界面近傍の構造の例を示す模式的な断面図である。
図2(a)〜(d)の各々は、柱状部材210の構造の例を示す断面図であり、それぞれ柱状部材210の形成箇所の近傍を示す。
図1(a)に示すように、本実施形態に係る電子機器用の筐体部品100(以下、単に筐体部品100)は、金属からなる筐体本体10と、熱可塑性樹脂からなる樹脂部20と、を備える。筐体本体10の表面は、凹凸形状に形成された凹凸形成領域11を含み、樹脂部20は、凹凸形成領域11に対して接合している。つまり、筐体部品100は、金属からなる筐体本体10と、筐体本体10の凹凸形成領域11上に形成された樹脂部20と、を備える。
樹脂部20を構成する樹脂材料は、凹凸形状の凹部13に侵入している(図1(b))。
樹脂部20は、凹凸形成領域11より立設された柱状部材210(ボス)と、凹凸形成領域11に一方の面が設けられた平板状部材220と、から選ばれる1種以上の部材を含む。例えば、図1(a)に示すように、樹脂部20は、柱状部材210および平板状部材220の双方を含む。
筐体部品100は、電子機器の筐体(全体図示略)の一部分を構成する部品である。筐体部品100は、図示しない他の筐体部品と相互に組み付けられることにより、筐体を構成する。筐体部品100と他の筐体部品との組み付けは、例えば、図示しないビス等の止着部材を用いて行うことができる。
筐体は、図示しない回路基板、スピーカ、ディスプレイ等の電子部品を収容する。
電子機器の種類は特に限定されないが、電子機器としては、例えば、携帯電話機、スマートフォン、デジタルカメラ、タブレット型PC、ノート型PCータ、携帯音楽プレーヤー、携帯ゲーム機等が挙げられる。
筐体本体10を構成する金属材料は、特に限定されないが、例えば、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、胴(Cu)、チタニウム(Ti)、ステンレス(SUS)、鉄(Fe)のうち何れか1種、又は、これらのうち何れか1種を含む合金であることが挙げられる。これらの中では、アルミニウム(Al)を含む合金であることが、金属と熱可塑性樹脂との接合作業性、筐体に組み込まれた電子機器の軽量性、筐体外面の意匠性の点等から好ましく採用される。
樹脂部20を構成する熱可塑性樹脂としては、特に限定されないが、たとえば、低密度エチレン系樹脂、中密度エチレン系樹脂、超低密度エチレン系樹脂、プロピレン(共)重合体、1−ブテン(共)重合体、4−メチルペンテン−1(共)重合体、エチレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・環状オレフィン共重合体、エチレン・α−オレフィン・環状オレフィン共重合体、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体、エチレン・α−オレフィン・共役ポリエン共重合体、エチレン・芳香族ビニル共重合体、エチレン・α−オレフィン・芳香族ビニル共重合体等のポリオレフィン系樹脂、ポリメタクリル酸メチル等のポリメタクリル樹脂、ポリアクリル酸メチル等のポリアクリル樹脂、ポリスチレン、ポリエステルエ−テル、ポリビニルアルコール−ポリ塩化ビニル共重合、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリメチルペンテン、無水マレイン酸−スチレン共重合体、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリブチレンテレフテレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)等のポリエステル樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、スチレン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、アイオノマー、アミノポリアクリルアミド、イソブチレン無水マレイン酸コポリマー、ABS、ACS、AES、AS、ASA,MBS、エチレン−塩化ビニルコポリマー、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニルグラフトポリマー、エチレン−ビニルアルコールコポリマー、塩素化ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、カルボキシビニルポリマー、ケトン樹脂、非晶性コポリエステル、ノルボルネン樹脂、フッ素プラスチック、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素化エチレンポリプロピレン、PFA、ポリクロロフルオロエチレン、エチレンテトラフルオロエチレンコポリマー、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリアリレート、熱可塑性ポリイミド、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリサルホン、ポリパラメチルスチレン、ポリアリルアミン、ポリビニルエーテル、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリメチルペンテン、オリゴエステルアクリレート、キシレン樹脂、マレイン酸樹脂、ポリヒドロキシブチレート、ポリスルホン、ポリ乳酸、ポリグルタミン酸、ポリカプロラクトン等が挙げられる。なお、これらの熱可塑性樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
また、本実施形態において熱可塑性樹脂は、筐体本体10との接合性及び耐久性の観点から、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリメタクリル樹脂、ポリアミド樹脂、およびビニル化合物(共)重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種以上を含むことが好ましい。
樹脂部20は、例えば、複数の柱状部材210と、複数の平板状部材220と、からなる。
ここで、柱状部材210の構造の例を説明する。
一例として、筐体部品100は、図2(a)及び図2(b)に示すように、雌ねじ211が形成されている柱状部材210を含むものとして構成することができる。なお、以下の説明において、図2(a)に示す柱状部材210は柱状部材210aと称する場合があり、図2(b)に示す柱状部材210は柱状部材210bと称する場合がある。
また、他の一例として、筐体部品100は、図2(c)及び図2(d)に示すように、雄ねじ212が形成されている柱状部材210を含むものとして構成することができる。なお、以下の説明において、図2(c)に示す柱状部材210は柱状部材210cと称する場合があり、図2(d)に示す柱状部材210は柱状部材210dと称する場合がある。
柱状部材210a、210b、210c、210dのうち、柱状部材210a(図2(a))及び柱状部材210c(図2(c))は、それぞれの基端から先端に亘ってほぼ一定の径の柱状に形成されている。
一方、柱状部材210b(図2(b))及び柱状部材210d(図2(d))は、凹凸形成領域11に接合している基部215と、基部215よりも小径で基部215より立設された柱状部216と、を有する。
柱状部材210b(図2(b))の柱状部216には、雌ねじ211が形成されている。なお、柱状部材210bの雌ねじ211は、柱状部216から基部215に亘って形成されていても良い。
また、柱状部材210d(図2(d))の柱状部216には、雄ねじ212が形成されている。
また、図示は省略するが、筐体部品100は、ビス等の止着部材が挿通される挿通孔が形成されている柱状部材210を含んでいていも良い。この場合、柱状部材210には、その中心軸に沿って、且つ、柱状部材210の軸方向の一端から他端に亘って、挿通孔が形成されている。この場合、筐体本体10において、柱状部材210の挿通孔と対応する位置には、挿通孔と連通する貫通孔が形成されている。この場合、筐体本体10の貫通孔及び柱状部材210の挿通孔を介して、止着部材を挿通することが可能である。
筐体部品100は、上記において説明した柱状部材210(図2(a)〜(d)に示す柱状部材210a、210b、210c、210d及び挿通孔が形成されている柱状部材210)のうちの何れか1種を有していても良いし、何れか2種以上を有していても良い。
筐体部品100は、例えば、互いに同一の高さ寸法に形成された複数の柱状部材210を有するものとして構成することができる。
また、筐体部品100は、例えば、第1の熱可塑性樹脂からなる柱状部材(第1柱状部材)210と、第1の熱可塑性樹脂とは異種の第2の熱可塑性樹脂からなる柱状部材(第2柱状部材)210とを含むものとして構成することができる。
ここで、筐体本体10の構造の例を説明する。
一例として、筐体本体10は、図1(a)に示すように、平板状に形成されている。
ただし、図示は省略するが、筐体本体10は、平板状に形成された平板部(以下、底板部と称する場合がある)と、この底板部の周縁部より立設されて平板部を囲む包囲壁状部と、を有する形状、すなわち、天井面が開放した箱形の形状であってもよいし、図1(a)に例示されるように底板部の周縁部の一部のみに設けられた壁状部(以下、平面状部材と称する場合がある)が形成されていても良い。
以下、図1(a)の態様について詳述する。図1(a)に示されるように、筐体本体10は、例えば、略長方形の底板部を含む(例えば、その全体が、略長方形の底板部を構成している)。そして、樹脂部20は、底板部に形成された凹凸形成領域11に対して接合している。
また、樹脂部20の平板状部材220は、図1(a)に示すように、略平板状に形成されている。
平板状部材220は、底板部に積層されているともに、その一方の面が、底板部に形成された凹凸形成領域11に対して接合している。
平板状部材220には雌ねじ221(例えば、複数の雌ねじ221)が形成されている。
より具体的には、例えば、略長方形の平板状に形成された筐体本体10の2つの短辺の各々の両端間に亘ってそれぞれ平板状部材220が設けられ、各平板状部材220には複数の雌ねじ221が形成されている。
そして、2つの平板状部材220の間に、複数の柱状部材210が相互に離間して配置されている。
ここで、凹凸形成領域11の凹凸形状の構造の例について説明する。
図1(b)は樹脂部20と筐体本体10との接合界面近傍の凹凸形状の例を示す模式的な断面図である。
このような凹凸形状は、後述する様々な金属面粗化方法で形成することができるが、粗化方法によっては、凹凸形成領域11の凹凸形状は、相対的に大きなスケールの第1凹凸形状部と、この第1凹凸形状部の表面に形成された、相対的に小さなスケールの第2凹凸形状部と、により構成される場合がある。本明細書においては、凹凸形状は、これらの二種類の凹凸形状部を有する態様を包含する上位態様を示す用語として用いられる。
図1(b)における凹凸形状の凹部13の深さ、すなわち凹凸形状の凸部と凹部との高低差は、特に限定されないが、例えば、10nm以上200μm以下とすることができる。該高低差は、大きくは金属面粗化方法によって決定され、例えば後述するNMT法では10nm以上500nm以下、置換晶析法では20μm前後に、レーザー加工では100μm以上200μm以下とすることができる。
凹部13には、樹脂部20を構成する樹脂材料が侵入している(図1(b)参照)。より具体的には、例えば、凹部13には、凹部13の深さdの1/2以上の深さの領域まで、樹脂部20を構成する樹脂材料が侵入していることが好ましい(図3参照)。すなわち、凹部13への樹脂材料の侵入深さDが、D≧d/2を満たしていることが好ましい。
筐体部品100は、以上のように構成されている。
次に、筐体部品100を製造する方法の一例を説明する。
筐体部品100は、例えば、金属からなる筐体本体10を作製した後、筐体本体10に対して樹脂部20を一体成形することによって、製造することができる。
筐体本体10は、例えば、アルミニウムを含む金属材料からなり、具体的には、アルミニウム単体やアルミニウム合金が用いられる。これらのうち、好ましくはアルミニウム合金が用いられる。アルミニウム合金としては、JIS H4000に規定された合金番号1050、1100、2014、2024、3003、5052、7075等などが好ましく用いられる。
筐体本体10は、金属材料に対して種々の金属加工を施すことによって、該金属材料を所望の形状に加工した後、表面粗化処理(化学処理)を行うことにより得られる。
ここで、金属材料に対する金属加工法としては、切断、プレス等による塑性加工、打ち抜き加工、切削、研磨、放電加工等の除肉加工などが挙げられる。
金属加工後の筐体本体10に対して表面粗化処理を行うことによって、筐体本体10の表面に上記の凹凸形成領域11を形成することができる。
なお、以下の説明において、上記の金属加工後、且つ、表面粗化処理が完了する前の筐体本体10を金属部材と称する場合がある。
以下、表面粗化処理の代表的な例を説明する。
(1)前処理工程
まず、金属部材は、樹脂部20との接合側の表面に酸化膜や水酸化物等からなる厚い被膜がないことが望ましい。このような厚い被膜を除去するため、エッチング剤で処理する工程の前に、サンドブラスト加工、ショットブラスト加工、研削加工、バレル加工等の機械研磨や、化学研磨により表面層を研磨してもよい。また、樹脂部20との接合側の表面に機械油等の著しい汚染がある場合は、水酸化ナトリウム水溶液や水酸化カリウム水溶液等のアルカリ性水溶液による処理や、脱脂を行なうことが好ましい。
(2)本処理工程
金属部材の表面を粗化させる本処理工程では、公知の方法を制限なく採用できる。このような公知技術として、例えば特許4685139号に記載されたヒドラジン水溶液に浸漬させる方法(以下の説明では、この方法を「NMT法」と呼ぶ場合がある)、特開2001−348684号に開示された、無機酸、第二鉄イオン、マンガンイオン、第二銅イオンを含有する水溶液で処理する方法(置換晶析法)、特許4020957号に開示されたレーザー加工方法を例示することができる。以下の説明では、主にNMT法によって得られた筐体本体について詳述するが、本実施形態の、柱状部材210と平板状部材220とのうちの少なくとも何れか一方を含む電子機器用の筐体部品100を構成する筐体本体10としては、NMT法以外の上記金属粗面化方法によって得られた粗面化金属からなるものを何ら排除するものではない。
このように表面粗化処理を行うことにより、例えば、図1(b)に示すような構造の凹凸形成領域11を筐体本体10の表面に形成することができる。
その後、筐体本体10の凹凸形成領域11に対して樹脂部20を一体形成することによって、筐体部品100が得られる。
凹凸形成領域11の凹凸形状の凹部13に対して、樹脂部20を構成する樹脂材料が侵入することにより、アンカー効果が発現する。よって、接着剤を用いることなく、樹脂部20を筐体本体10に対して良好な接合強度で接合させることができる。
樹脂部20を成形し金属に接合する方法としては、例えば、射出成形、押出成形、加熱プレス成形、圧縮成形、トランスファーモールド成形、注型成形、レーザー溶着成形、反応射出成形(RIM成形)、リム成形(LIM成形)、溶射成形等の樹脂成形方法が挙げられる。
これらの中でも、射出成形法が好ましく、具体的には、筐体本体10を射出成形金型のキャビティ部にインサートし、樹脂組成物を金型に射出する射出成形法によって樹脂部20を成形し、筐体部品100を製造するのが好ましい。
この製造方法は、具体的には、以下の(i)〜(iii)の工程を含んでいる。
(i)所望の樹脂組成物を調製する工程
(ii)筐体本体10を射出成形用の金型内に設置する工程
(iii)樹脂組成物を、筐体本体10の少なくとも一部と接するように、上記金型内に射出成形し、樹脂部20を形成する工程
以下、(ii)、(iii)の工程による射出成形方法について説明する。
まず、射出成形用の金型を用意し、その金型を開いてその一部に筐体本体10を設置する。
その後、金型を閉じ、樹脂組成物の少なくとも一部が筐体本体10の表面に凹部形状を形成した面と接するように、上記金型内に(i)工程で得られた樹脂組成物を射出して固化する。その後、金型を開き離型することにより、筐体部品100を得ることができる。
また、上記(i)〜(iii)の工程による射出成形にあわせて、射出発泡成形や、金型を急速に加熱冷却する高速ヒートサイクル成形(RHCM,ヒート&クール成形)を併用しても良い。射出発泡成形の方法として、化学発泡剤を樹脂に添加する方法や、射出成形機のシリンダー部に直接、窒素ガスや炭酸ガスを注入する方法、あるいは、窒素ガスや炭酸ガスを超臨界状態で射出成形機のシリンダー部に注入するMuCell射出発泡成形法があるが、いずれの方法でも樹脂部材が発泡体である金属/樹脂複合構造体を得る事ができる。また、いずれの方法でも、金型の制御方法として、カウンタープレッシャーを使用したり、成形品の形状によってはコアバックを利用したりすることも可能である。高速ヒートサイクル成形は、急速加熱冷却装置を金型に接続することにより、実施することが出来る。急速加熱冷却装置は、一般的に使用されている方式で構わない。加熱方法として、蒸気式、加圧熱水式、熱水式、熱油式、電気ヒータ式、電磁誘導過熱式のいずれか1方式またはそれらを複数組み合わせた方式で良い。冷却方法としては、冷水式、冷油式のいずれか1方式またはそれらを組み合わせた方式で良い。高速ヒートサイクル成形法の条件としては、射出成形金型を100℃以上250℃以下の温度に加熱し、前記樹脂組成物の射出が完了した後、前記射出成形金型を冷却することが望ましい。金型を加熱する温度は、樹脂組成物を構成する(A)ポリオレフィン系樹脂によって好ましい範囲が異なり、結晶性樹脂で融点が200℃未満の樹脂であれば、100℃以上150℃以下が好ましく、結晶性樹脂で融点が200℃以上の樹脂であれば、140℃以上250℃以下が望ましい。非晶性樹脂については、100℃以上180℃以下が望ましい。
なお、射出成形などにより樹脂部20(柱状部材210、平板状部材220)を形成した後、樹脂部20に加工を施すことにより、雌ねじ211、221や雄ねじ212を形成することができる。
以下、実際に、NMT法を用いて金属材料に表面粗化処理を行うことにより筐体本体10を作製し、その筐体本体10に対して樹脂部20を一体成形した例について説明する。
図4は上記の表面粗化処理(NMT法)により細孔(凹部13)が形成された筐体本体10の表面を示す図である。図4は、筐体本体10の表面を、走査型電子顕微鏡(JEOL社製、型番JSM−6701F)で拡大倍率200000倍にて撮像することにより得られた撮像画像である。
筐体本体10の材料としては、アルミニウムを用いた。
図4に示すように、表面粗化処理を行うことによって、筐体本体10の表面に多数の細孔が形成された。すなわち、表面に凹凸形成領域11が形成された筐体本体10を得ることができた。
なお、樹脂部20の材料としては、PPSを用いている。
筐体本体10に対して樹脂部20を一体成形することにより、樹脂部20を構成する樹脂材料が凹部13内に侵入した構造が得られた。より具体的には、凹部13には、当該凹部13の深さの1/2以上の深さの領域まで樹脂材料が侵入している構造が得られた。
よって、樹脂部20と筐体本体10とがアンカー効果によって強固に接合されていると考えられる。
以上の実施形態によれば、電子機器用の筐体部品100は、金属からなる筐体本体10と、熱可塑性樹脂からなる樹脂部20と、を備える。筐体本体10の表面は、凹凸形状に形成された凹凸形成領域11を含む。樹脂部20は、凹凸形成領域11に対して接合しているとともに、当該樹脂部20を構成する樹脂材料が凹凸形状の凹部13に侵入している。樹脂部20は、凹凸形成領域11より立設された柱状部材210と、凹凸形成領域11に一方の面が設けられた平板状部材220と、のうちの少なくとも何れか一方を含む。
よって、筐体本体10が金属からなることにより、筐体部品100の意匠性、機械的強度、電磁波遮蔽性などを向上することできる。また、筐体部品100の一部分(柱状部材210と平板状部材220とのうちの少なくとも何れか一方)が樹脂材料により構成されていることによって、筐体部品100の軽量化を実現することができる。
そして、熱可塑性樹脂からなる樹脂部20が凹凸形成領域11に対して接合しているとともに、当該樹脂部20を構成する樹脂材料が凹凸形状の凹部13に侵入しているので、樹脂部20と筐体本体10との良好な接合強度が得られる。
よって、筐体本体10が複雑な取り付け構造を備える必要がないとともに、樹脂部20の取り付けのために接着剤を用いる必要も無いので、筐体部品100を生産性良く作製することが可能である。
なお、凹部13は、上述の表面粗化処理により容易に形成することができる。
また、筐体部品100は、柱状部材210として、雌ねじ211が形成されている柱状部材210a、210bを含んでいる場合、図示しないビスを柱状部材210a、210bの雌ねじ211に螺入することによって、筐体部品100を他の筐体部品と相互に組み付けたり、筐体部品100に対して回路基板等の電子部品を止着することができる。
また、筐体部品100は、柱状部材210として、雄ねじ212が形成されている柱状部材210c、210dを含んでいる場合、雌ねじを有する部品(図示略)の雌ねじを柱状部材210c、210dと螺合させることによって、当該部品を筐体部品100に対して取り付けることができる。
また、筐体部品100は、柱状部材210として、凹凸形成領域11に接合している基部215と、基部215よりも小径で基部215より立設された柱状部216と、を有する柱状部材210b、210dを含むことができる。その場合、柱状部材210b、210dと凹凸形成領域11との接合面積を十分に確保できるので、それら柱状部材210b、210dと筐体本体10との良好な接合強度が得られる。
また、筐体部品100は、筐体本体10が略長方形の底板部を含み、底板部に形成された凹凸形成領域11に対して樹脂部20が接合している構造とすることができる。
この場合、略長方形の底板部に対して、例えば、ビス又は雌ねじ等を用いて、電子部品又は他の筐体部品を取り付けることができる。
また、筐体部品100は、筐体本体10が略長方形の底板部を含み、平板状部材220が底板部に形成された凹凸形成領域11に対して接合しており、平板状部材220に雌ねじ221が形成されている構造とすることができる。
この場合、底板部に設けられた平板状部材220に対して、ビスを用いて、電子部品又は他の筐体部品を取り付けることができる。
また、凹部13には、当該凹部13の深さの1/2以上の深さの領域まで樹脂材料が侵入している構造とすることが好ましく、このようにすることにより、筐体本体10に対する樹脂部20の接合強度をより良好なものとすることができる。
また、筐体部品100は、互いに同一の高さ寸法に形成された複数の柱状部材210を有する構造とすることができる。この場合、例えば、複数の柱状部材210に対して他の筐体部品又は電子部品を取り付けることにより、筐体部品100と他の筐体部品又は電子部品とを相互に平行に配置することができる。
また、筐体部品100は、柱状部材210として、第1の熱可塑性樹脂からなる柱状部材210と、第1の熱可塑性樹脂とは異種の第2の熱可塑性樹脂からなる柱状部材と、を含むものとすることができる。この場合、各柱状部材210の樹脂材料を、各柱状部材210の機能に応じて最適化することができる。
なお、上記においては、樹脂部20が柱状部材210と平板状部材220との双方を含む例を説明したが、樹脂部20は柱状部材210と平板状部材220とうちの何れか一方のみを含んでいても良い。
10 筐体本体
11 凹凸形成領域
13 凹部
20 樹脂部
100 筐体部品
210 柱状部材
210a 柱状部材
210b 柱状部材
210c 柱状部材
210d 柱状部材
211 雌ねじ
212 雄ねじ
215 基部
216 柱状部
220 平板状部材
221 雌ねじ

Claims (14)

  1. 金属からなる筐体本体と、
    熱可塑性樹脂からなる樹脂部と、
    を備え、
    前記筐体本体の表面は、凹凸形状に形成された凹凸形成領域を含み、
    前記樹脂部は、前記凹凸形成領域に対して接合しているとともに、当該樹脂部を構成する樹脂材料が前記凹凸形状の凹部に侵入しており、
    前記樹脂部は、
    前記凹凸形成領域より立設された柱状部材と、前記凹凸形成領域に一方の面が設けられた平板状部材と、から選ばれる1種以上の部材を含む電子機器用の筐体部品。
  2. 前記柱状部材が、互いに同一の高さ寸法に形成された複数の柱状部材を含む請求項1に記載の電子機器用の筐体部品。
  3. 前記柱状部材が
    第1の熱可塑性樹脂からなる第1柱状部材と、
    前記第1の熱可塑性樹脂とは異種の第2の熱可塑性樹脂からなる第2柱状部材と、
    を含む請求項1又は2に記載の電子機器用の筐体部品。
  4. 前記柱状部材が、雌ねじが形成されている柱状部材を含む請求項1乃至3の何れか一項に記載の電子機器用の筐体部品。
  5. 前記柱状部材が、雄ねじが形成されている柱状部材を含む請求項1乃至4の何れか一項に記載の電子機器用の筐体部品。
  6. 前記柱状部材が、
    前記凹凸形成領域に接合している基部と、
    前記基部よりも小径で前記基部より立設された、前記雌ねじが形成された柱状部と、
    を有する柱状部材である請求項4に記載の電子機器用の筐体部品。
  7. 前記柱状部材が、
    前記凹凸形成領域に接合している基部と、
    前記基部よりも小径で前記基部より立設された、前記雄ねじが形成された柱状部と、
    を有する柱状部材である請求項5に記載の電子機器用の筐体部品。
  8. 前記筐体本体は、略長方形の底板部を含み、
    前記平板状部材は、前記底板部に形成された前記凹凸形成領域に対して接合している請求項1に記載の電子機器用の筐体部品。
  9. 前記平板状部材に雌ねじが形成されている請求項8に記載の電子機器用の筐体部品。
  10. 前記凹凸形状の凸部と凹部との高低差が10nm以上200μm以下である請求項1乃至9の何れか一項に記載の電子機器用の筐体部品。
  11. 前記凹凸形成領域の凹部には、当該凹部の深さの1/2以上の深さの領域まで前記樹脂材料が侵入している請求項1に記載の電子機器用の筐体部品。
  12. 前記凹凸形成領域は、化学処理により形成されたものである請求項1に記載の電子機器用の筐体部品。
  13. 前記筐体本体を構成する金属が、アルミニウムを含む合金である請求項1乃至12の何れか一項に記載の電子機器用の筐体部品。
  14. 前記樹脂部を構成する熱可塑性樹脂は、PPS、PEEK、PBTおよびPCTからなる群より選択される1以上を含む請求項1乃至13の何れか一項に記載の電子機器用の筐体部品。
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