JP3192358U - 菌床栽培用袋 - Google Patents

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Abstract

【課題】袋体の一部を引きはがして所望の広さに引き裂き、菌床から栽培袋を効率よく簡単に取外すことができる安価で作業性のよい菌床栽培用袋を提供する。【解決手段】菌床栽培用袋10は、有底で上端が開口したプラスチックフィルムからなる袋体11と、この袋体の上部側に形成された通気孔18と、この通気孔を覆って雑菌の侵入を防ぎ空気を通過させるフィルタ19と、を備え、フィルタが通気孔を覆って袋体に溶着されている。袋体11には、フィルタとの溶着部20に、フィルタを袋体の下方側へ引き剥がす際に発生する引き剥がし応力を集中させる角部が設けられ、これらの角部からの引き剥がしに応じて、袋体が所定幅で引き裂き開裂される2条の開裂誘導部27Aが形成されている。【選択図】図1

Description

この考案は、菌床栽培に使用される栽培袋に係り、詳しくは、茸の栽培工程において、袋体の一部を引き剥がし、所望の広さに引き裂いて菌床から栽培袋を取外すことができる菌床栽培用袋に関する。
近年、椎茸などの茸は、原木を使用した自然栽培から、空調設備が備えられた屋内において専用の栽培袋を用いて栽培する菌床栽培へと移行して来ている。
この菌床栽培は、例えば、椎茸においては、オガコなどの基材に米ぬかなどの栄養体を加えて培地を調整する培地調整工程、この調整した培地を所定大きさの栽培用袋に詰める袋詰め工程、この栽培用袋に詰めた培地を殺菌又は滅菌釜に入れて殺菌又は滅菌する殺菌工程、この培地に雑菌が入らないように冷却した後に椎茸菌を接種する接種工程、温度及び湿度を調節しながら数週間掛けて培養する培養工程、その後、栽培用袋から菌床を取出し、温度及び湿度を調節して菌床を培養しながら椎茸を発生させ育成する発生・育成工程及び育成した椎茸を収穫する収穫工程などの工程により生産されている。
この栽培工程において、菌床から栽培袋を取り外す工程では、従来、カッターやナイフ等の刃物を使用して袋体を切り裂くことによって行われていた。しかし、刃物を使用すると、作業者の手間が掛かるとともに、作業者が怪我等をするおそれがあった。
そこで、下記特許文献1には刃物を使用せずに引き剥がすことができる菌床栽培用袋が開示されている。この菌床栽培用袋は、ピンホールの発生を妨げる分子配向に形成されたプラスチックフィルムからなる袋体の一端側がシールされた栽培袋であって、前記袋体の幅方向の中央部には通気孔が形成され、該通気孔を覆って雑菌の侵入を防ぎ空気を通過させるフィルタが溶着され、前記袋体と前記フィルタとの溶着部には、前記フィルタを前記袋体の前記シール部に向けて引き剥がす際に発生する引き剥がし応力を集中させるための応力集中部が設けられ、前記溶着部は曲線溶着部と直線溶着部との組み合わせにより形成され、前記曲線溶着部と前記直線溶着部の交点部分が前記応力集中部に形成されたものとなっている。
この菌床栽培用袋によれば、培養工程における栽培袋に要求される強度を確保しつつも、培地を栽培袋から取り出す作業において刃物を用いる必要がなく、手作業により簡単に栽培袋を引き裂くことができる。
また、同様に僅かな力で引き裂くことが可能な菌床栽培用袋が下記特許文献2に開示されている。この菌床栽培用袋は、上端が開口し、縦方向の引張強度が横方向の引張強度よりも大きい分子配向となるように形成されたプラスチックフィルムからなる袋本体と、前記袋本体の上部に形成された通気孔と、前記通気孔を覆った状態で前記袋本体に溶着された、空気を通過させ雑菌の侵入を阻止するフィルタと、を備え、前記袋本体と前記フィルタとの溶着部の最上部に、前記フィルタを前記袋本体の下端部に向けて引き剥がす際に発生する引き剥がし応力を集中させるための応力集中部が設けられた栽培用袋であって、前記溶着部は、複数の直線溶着部を組み合わせることによって閉じた形状に形成され、前記応力集中部と前記通気孔との間には、前記溶着部を横方向に繋ぐ補強用の直線溶着部がさらに形成されたものとなっている。
この菌床栽培用袋によれば、僅かな力で袋本体に切込みを入れ、容易に引き裂くことができ、培養工程からキノコ類(子実体)の発生工程に移る際に必要な袋本体からの菌床の取り出し作業を効率的に行うことが可能となる。
特許第4217256号公報 実用新案登録第3183225号公報
上記特許文献1及び2の菌床栽培用袋は、それぞれの応力集中部が複雑な形状となっている。すなわち、前者は曲線溶着部と直線溶着部の交点部分が応力集中部に形成されたものとなっており、後者は、溶着部は複数の直線溶着部を組み合わせることによって閉じた形状に形成され、応力集中部と通気孔との間に溶着部を横方向に繋ぐ補強用の直線溶着部がさらに形成されたものとなっている。このため、溶着作業、すなわち応力集中部を形成する作業が面倒となり、一部に溶着不良が発生すると、不良品となってしまう恐れがある。また、袋体は、一方向に分子が配向された、いわゆる一軸延伸フィルムにより形成されている。そのため、一方向、すなわち縦方向へ袋を引き裂くことで容易に袋を開裂することができる。しかし、フィルタを取り付ける溶着部分を利用するため、開裂される部分が小さく、菌床からの取り外しが困難となる。さらに、一軸延伸フィルムで形成された袋は、ノッチ等の切断するための始点がないと引き裂くことが困難となり、また、分子の配向と異なる方向へはノッチ等の始点があっても引き裂くことは困難となる。
さらに、特許文献1及び2の菌床栽培用袋は、応力集中部から袋体を引き剥がした後、引き続き引き裂く際に、その引き裂き方向が定まらなくなり、予期しない方向へ引き裂かれてしまうことがある。そのために菌床をうまく取外すことができなくなる。菌床からの袋体の取り外しに失敗すると、菌床の管理が面倒或いは手直しに手間が掛かり、最悪の場合は茸の栽培ができなくことがある。また、袋体の一部を引き剥がしても、引き裂きの大きさを調整することができない。
そこで、この考案は上記従来技術が抱える課題を解決するためになされたもので、本考案の目的は、茸の菌床栽培の工程において、刃物を用いることなく、手作業により簡単に袋体の一部を引き剥がし、所望の広さに引き裂いて菌床から栽培袋を効率よく簡単に取外すことができる菌床栽培用袋を提供することにある。
また、本考案の他の目的は、フィルタの袋体との非固定部を引っ張ることにより、袋体の一部を引き剥がし、引き剥がし開口を拡大しながら引き裂いて菌床から栽培袋を効率よく簡単に取外すことができる安価で作業性のよい菌床栽培用袋を提供することにある。
さらに、本考案の他の目的は、袋体に応力集中部及び開裂誘導部を設けて、応力集中部により簡単、確実に袋体の一部を引き剥がすことができ、開裂誘導部により所望の広さに引き裂いて菌床から栽培袋を効率よく簡単に取外すことができる安価で作業性のよい菌床栽培用袋を提供することにある。
上記目的を達成するために、本考案の第1の態様の菌床栽培用袋は、有底で上端が開口し内部に所定大きさの空間が形成されるプラスチックフィルムからなる袋体と、前記袋体の上部側に形成された通気孔と、前記通気孔を塞いで内部への雑菌の侵入を防ぐ一方で空気を通過させるフィルタと、を備え、
前記フィルタが前記通気孔を塞いで前記袋体に溶着された菌床栽培用袋において、前記袋体には、前記フィルタとの溶着部に、前記フィルタを前記袋体の下方側へ引き剥がす際に発生する引き剥がし応力を集中させる応力集中部が設けられ、該応力集中部からの引き剥がしに応じて、前記袋体が所定幅で引き裂く開裂誘導部が形成されていることを特徴とする。
第2の態様の菌床栽培用袋は、第1の態様の菌床栽培用袋において、前記応力集中部は、前記通気孔の上方側に設けられていることを特徴とする。
第3の態様の菌床栽培用袋は、第1または2の態様の菌床栽培用袋において、前記応力集中部は、前記フィルタの引き剥がし方向と直交する方向に前記通気孔の幅寸法より幅広に配設されていることを特徴とする。
第4の態様の菌床栽培用袋は、第1〜3のいずれかの態様の菌床栽培用袋において、前記溶着部は、多角形状をなし、前記溶着部の隅角部が前記応力集中部に形成されていることを特徴とする。
第5の態様の菌床栽培用袋は、第1〜4のいずれかの態様の菌床栽培用袋において
前記開裂誘導部は、前記応力集中部に連接又は該応力集中部から所定距離離れた箇所から、所定長さ延設されていることを特徴する。
第6の態様の菌床栽培用袋は、第1〜5のいずれかの態様の菌床栽培用袋において、前記開裂誘導部は、線状をなし、この線状の2本開裂誘導部は前記応力集中部から下方に向かって「ハ」字状に所定長さ延設されていることを特徴とする。
第6の態様の菌床栽培用袋は、第6の態様の菌床栽培用袋において、前記線状開裂誘導部は、前記底面部と平行な仮想線を該開裂誘導部と交わるように引き、前記仮想線と前記開裂誘導部との前記溶着部側の角度をθとしたとき、前記角度θの範囲が90°≧θ≧60°で形成されていることを特徴とする。
この考案の菌床栽培用袋によれば、茸の栽培工程において、刃物を用いることなく、手作業により簡単に袋体の一部を引き剥がし、所望の広さに引き裂いて菌床から栽培袋を効率よく簡単に取外すことができる。すなわち、袋体に応力集中部及び開裂誘導部が設けてあるので、まず応力集中部により、簡単に袋体の一部を引き剥がすことができ、続いて開裂誘導部により所望の開裂面積で引き裂くことができる。例えば、フィルタの袋体との非固定部を引っ張ることにより、袋体の一部を引き剥がし、この引き剥がし開裂面積を拡大しながら引き裂き菌床から栽培袋を効率よく簡単に取外すことができる。
図1Aは本考案の実施形態に係る菌床栽培用袋を示した斜視図であり、図1Bは菌床栽培用袋に培地を詰めた状態を示した斜視図である。 図2Aは菌床栽培用袋を示した正面図であり、図2Bは図2AのIIB部の拡大図である。 椎茸の菌床栽培工程を示したフロー図である。 菌床栽培用袋の開封の仕方を示した正面図である。
以下、図面を参照して本考案の最良の実施形態を説明する。但し、以下に示す実施形態は、本考案の技術思想を具体化するための菌床栽培用袋を例示するものであって、本考案をこれらに特定することを意図するものではなく、実用新案登録請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものも等しく適応し得るものである。以下、茸の種類として椎茸を用いた菌床栽培用袋を説明する。
図1及び図2を参照して、実施形態に係る菌床栽培用袋を説明する。菌床栽培用袋10は、図1Aに示すように、所定の厚さのフィルム材で形成された袋体11と、袋体11の一部を貫通させて形成した通気孔18と、この通気孔18を覆う大きさのフィルタ19とを有し、フィルタ19は、通気孔18の周囲が熱溶着された溶着部20により袋体11に取り付けられている。また、溶着部20の近傍には、袋体11を所定の範囲で引き裂くことができる線状の開裂誘導部27Aが設けられている。この菌床栽培用袋10は、図1Bに示すように、袋体11内に培地28が詰められ、種菌を摂取した後、上方が封止される。
袋体11は、図1Aに示すように、所定の長さL及び幅長Wを有する矩形状の底面12と、この底面12の長辺側から所定の高さH立設された面積の広い側面13、14と、底面12の短辺側から所定の高さH立設された面積の狭い側面15、16とを有している。また、底面12と対向する上部には開口を有しており、この開口が袋口17となる。なお、この袋口17は、封止されて封止部17aともなる(図1B参照)。
袋体11は、面積の広い一方の側面13に、円形状の貫通孔で形成した通気孔18が形成されている。なお、通気孔の径はフィルタの大きさによって決められる。また、その個数は1つでなく複数でにしてもよい。
菌床栽培用袋10の袋体11は、図1Aに示すように培地28が充填される充填部11Aと、この充填部の上方にあって空間となる空間部11Bとに区分されている。なお、充填部11Aに充填される培地は、おがくず、米糠、ふすまを主成分とする培地、栄養剤及び水が所定の比率で混合された混合材が充填される。
袋体11の材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルなどのプラスチックフィルム或いは生分解性フィルムや光触媒性フィルム(以下、これらを代表して、フィルム或いはプラスチックフィルムということがある。)が使用され、その肉厚は、例えば10〜100μmである。また、袋体11は、インフレーション成形により分子の配向を一方向とするように形成された一軸延伸フィルムで形成される。この実施形態の菌床栽培用袋10では、フィルムの分子の配向は、袋口17と底面12を結ぶ方向となっている(なお、この向きを縦方向ということがある。)。この分子配向により、袋体は縦方向の引張強度が横方向の引張強度より大きくなる。
通気孔18は、この通気孔を塞ぎ、袋体内部への雑菌の侵入を防ぎ空気を通過させるフィルタ19が配設されている。フィルタ19は通気孔18を塞ぐことができる略正方形状に形成されている。このフィルタ19は袋体11に熱溶着により固定されている。溶着部20は、通気孔18を囲い込むように六角形状に溶着されている。この六角形状の溶着部20は、菌床栽培用袋10の使用状態、すなわち袋体11を立設した状態において、頂部21が頂点角部となり、この頂点角部から所定長さの辺片が下方へ分岐して、次の辺片との繋がり箇所に2つの角部22,23及び角部24、25がそれぞれ対向し、最下位の角部26で閉じた形状となっている(図2B参照)。これらの角部のうち、主に頂部21及び対向する2つの角部22,23が応力集中部、次いで、角部24,25も応力集中部となっている。応力集中部には、引き剥がし力が集中する。この引き剥がし応力は特に溶着部の上側の主に角部21,22,23の隅角部分に集中する。この応力が袋体の横方向において許容される引張応力を超えると、溶着部の上側の隅角部分に切り込みが入る。切込みが入った後、さらに、フィルタを袋体の底部側に引き剥がすと、袋体は溶着部の幅部分のみが他の部分から引き剥がされる。
溶着部20により囲まれた領域は、通気孔18よりも大きく、フィルタ19の領域よりも小さく形成さている。これにより、フィルタ19の外周縁は、袋体11から離反した状態になっている。この離反部分は、袋体11を引き剥がし引き裂くときの摘み箇所となる。すなわち、この箇所を摘まんで引っ張ると袋体11が引き剥がされて、引き裂かれ、すなわち開裂されることになる。なお、このフィルタ19は、例えば、孔径0.02×0.2μm〜0.04×0.4μmの複数の孔が形成された多孔性シートが使用される。フィルタは、これに限定されるものでなく、各種紙材、不織布、及びフィルム材で形成したものを用いてもよい。なお、フィルタは、図1では矩形状に形成されているが、円形、楕円形及び多角形状等の任意の形状とすることができる。
フィルタと袋体との溶着部は、六角形状に限定されるものでなく、三角、四角、その他の多角形状にしても、同じ作用効果を奏する。これらの引き剥がし応力集中部は多角形状溶着部の隅角部になる。
菌床栽培用袋10は、フィルタ19の離反部分を摘まんで引っ張ると袋体11の一部が引き剥がされるが、その後、すなわち、引き剥がした後、引き続き引き裂く際に、その引き裂き方向が定まらず、予期しない方向へ引き裂かれてしまうことがしばしば発生し、菌床をうまく袋体から取外すことができなくなることがある。菌床からの取り外しに失敗すると、菌床の管理が面倒或いは手直しに手間が掛かり、最悪の場合は茸の栽培ができなくことがある。
このような不都合を解消するために、溶着部20から所定距離離れた箇所に引き裂き方向を誘導する一対の開裂誘導部27Aが配設されている。これらの開裂誘導部は、図1、図2に示すように、線状をなし、フィルタ19の下方側に、下方に向かって「ハ」字状に延設されている。
すなわち、これら線状の開裂誘導部27Aは、袋体11を引き裂く所望の位置まで形成されている。その長さは、栽培する茸の種類や菌床栽培用袋を使用する状況に合わせて選択することができる。なお、開裂誘導部27Aは、図2Aに示すように斜めに形成されているが、この角度θは、袋体11の底面12と平行の仮想線Xを開裂誘導部27Aと交わるように引いたとき、この仮想線Xと開裂誘導部27Aとの間の角度θは60°以上となるように形成されている。開裂誘導部の角度θを60°以上に形成することで、引き剥がした後に、引き裂き方向をこの開裂誘導部27Aに沿って円滑に所定の広さに開裂できるようになる。なお、開裂誘導部の角度θを60°未満とすると、開裂誘導が難しくなる。また、この角度θの上限は90°とするのが好ましい。
これらの開裂誘導部は、熱処理によって形成される。この加熱処理により、袋体1のフィルム、すなわち一軸延伸フィルムはその分子の配向がつぶされ、異なる配向のとなる。これにより、引き裂きの際は、この開裂誘導部27Aに誘導して引き裂くことができるようになる。この熱処理は、例えば、フィルタを袋体に溶着する工程と同じ工程によって形成することができ、特別な装置を必要とせず、菌床栽培用袋の製造設備をそのまま適用できるので、簡単に、且つ、安価に形成することができる。
すなわち、この処理はフィルタを袋体に溶着する方法と同様の加熱押圧やレーザ等により形成することができる。そのため、開裂誘導部は、フィルタを袋体に取り付ける工程と同時に形成することができるので、簡単、且つ、安価に形成することができる。
2条の開裂誘導部27Aは、図1、図2に示したように、袋体11の空間部11Bに配設したが、端部を袋体11の底面12に向かう方向にさらに延設してもよい。この延設により、開裂される方向を袋体が形成されるフィルムの分子の配向の向きと同じ方向とすることができる。なお、開裂誘導部を形成しなくても、袋体11の底面12側の開裂誘導線の端部以降は、分子の配向の向きに沿って引き裂くことができるが、開裂誘導線を形成することで開封の方向を底面側により円滑に向けることができるようになる。なお、開裂誘導部27Aは、溶着部20から所定距離離れた箇所に配設されてきるが、溶着部に連接させてもよい。また、開裂誘導は2条に限定されるものでなく、更に増やしてもよい。この開裂誘導部は溶着部の形状及びこの溶着に形成した応力集中部によって変更されるものである。すなわち、応力集中部は、通気孔の上方側に、またフィルタの引き剥がし方向と直交する方向に前記通気孔の幅寸法より幅広に配設されている。
次に、実施形態の菌床栽培用袋の引き剥がし引き裂き方法を説明する。この引き剥がしは、栽培工程の過程の中で行なわれる。以下、一般的な椎茸の栽培の工程について図3を参照して説明する。椎茸の栽培工程は、図3に示す工程Iにおいて、所定量のおがこに、栄養体として米ぬかを混合して、所定量の水を加えて培地調整を行う。工程IIで調整された培地28を菌床栽培用袋10の袋体11の充填部まで充填する。この菌床栽培用袋10の上端の袋口17の封止部17aを仮止めして、菌床栽培用袋10ごと高圧釜に入れて殺菌又は滅菌する(工程III)。次に殺菌をした後に冷却する(工程IV)。その後、クリーンルームへ搬送して、このクリーンルーム内で菌床栽培用袋10の袋口17を開放して椎茸の種菌を接種する(工程V)。この椎茸の種菌の接種後、菌床栽培用袋10の袋口17が封止される。
次いで、菌床栽培用袋10を所定の培養室へ搬送し、この培養室で初期培養を行う(工程VI)。この初期培養では、光を照射することなく略暗黒の状態で菌糸培養に適した環境、例えば、室温18〜20℃と湿度60%に保持して培地を培養させる。この期間は略30日程度である。その後の熟成培養では、熟成培養に適した環境、例えば室温20〜23℃と湿度60%に保持して培地28を熟成させる。その期間は略30日程度である。その後、熟成培養を行う(工程VII)。この熟成培養では、熟成培養に適した環境、特に所定の光を照射して、略60日〜70日掛けて培地に栄養蓄積を行う。この熟成培養が終了した後に、菌床栽培用袋10を取り外して茸の発生をさせる(工程VIII)。
ここで、菌床栽培用袋10の取り外しについて、図4を参照して説明する。なお、図4では、培地を省略している。菌床栽培用袋10の取り外しは、袋体11の一部を引き剥がしにより行なわれる。この引き剥がしは、まず、フィルタ19の外周縁の離反部分をつまみ、下方に引き下げる。この引き下げにより、上方の角部21に引き剥がしの応力が集中し、これらの箇所から袋体11の一部が剥がれる。
この引き剥がしは、図4に示すように、頂部21から始まり、次いで角部22,23(図2B)へと進展して袋体11の一部が剥がれる。符号13aは袋体11が剥がれた部分を示している。フィルタ19をさらに下方へ引き下げると、袋体11のフィルムが裂けて、この裂けた部分は各開裂誘導部27Aと交差し、以後の引き裂きは、これらの開裂誘導部27Aに誘導されて裂かれる。なお、図4の符号13b、13cは裂かれた部分、符合13Aは袋体11の引き剥がされた部分、符合13dは側面13のフィルムとの繋がり部分を示している。
さらに、フィルタ19を下方へ引き下げると、袋体11の引き裂きがされて底面12まで進展する。これにより、袋体11を菌床から取外すことができる。以後、椎茸を発生させる工程VIIIが行なわれる。
なお、この発生工程VIIIでは、原基形成が促進された部分からいち早く最初の茸が発生し育成される。すなわち、初回の発生は、培地の表面から発生する。この工程において、菌床栽培用袋が除去された直後は、菌床栽培用袋で密着していた培地の表面は白っぽい状態となっているが、光の照射によって徐々に褐色化して茸が発生する。以上で、椎茸の栽培工程が終了する。
この実施形態の菌床栽培用袋によれば、茸の栽培工程において、刃物を用いることなく、手作業により簡単に袋体の一部を引き剥がし、所望の広さに引き裂き菌床から栽培袋を効率よく簡単に取外すことができる。すなわち、袋体に応力集中部及び開裂誘導部が設けてあるので、まず応力集中部により、簡単に袋体の一部を引き剥がすことができ、続いて開裂誘導部により所望の開裂面積で引き裂くことができる。例えば、フィルタの袋体との非固定部を引っ張ることにより、袋体の一部を引き剥がし、この引き剥がし開裂面積を拡大しながら引き裂き菌床から栽培袋を効率よく簡単に取外すことができる。
10 菌床栽培用袋
11 袋体
11A 充填部
11B 空間部
12 底面
13、14 幅の広い側面
15、16 幅の狭い側面
17 袋口
17a 封止部
18 通気孔
19 フィルタ
20 溶着部
21 頂部
22〜26 角部
27A 開裂誘導部
28 培地

Claims (7)

  1. 有底で上端が開口し内部に所定大きさの空間が形成されるプラスチックフィルムからなる袋体と、前記袋体の上部側に形成された通気孔と、前記通気孔を塞いで内部への雑菌の侵入を防ぐ一方で空気を通過させるフィルタと、を備え、
    前記フィルタが前記通気孔を塞いで前記袋体に溶着された菌床栽培用袋において、
    前記袋体には、前記フィルタとの溶着部に、前記フィルタを前記袋体の下方側へ引き剥がす際に発生する引き剥がし応力を集中させる応力集中部が設けられ、該応力集中部からの引き剥がしに応じて、前記袋体が所定幅で引き裂く開裂誘導部が形成されていることを特徴とする菌床栽培用袋。
  2. 前記応力集中部は、前記通気孔の上方側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の菌床栽培用袋。
  3. 前記応力集中部は、前記フィルタの引き剥がし方向と直交する方向に前記通気孔の幅寸法より幅広に配設されていることを特徴とする請求項1または2に記載の菌床栽培用袋。
  4. 前記溶着部は、多角形状をなし、前記溶着部の隅角部が前記応力集中部に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の菌床栽培用袋。
  5. 前記開裂誘導部は、前記応力集中部に連接又は該応力集中部から所定距離離れた箇所から、所定長さ延設されていることを特徴する請求項1〜4のいずれかに記載の菌床栽培用袋。
  6. 前記開裂誘導部は、線状をなし、この線状の2本開裂誘導部は前記応力集中部から下方に向かって「ハ」字状に所定長さ延設されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の菌床栽培用袋。
  7. 前記線状開裂誘導部は、前記底面部と平行な仮想線を該開裂誘導部と交わるように引き、前記仮想線と前記開裂誘導部との前記溶着部側の角度をθとしたとき、前記角度θの範囲が90°≧θ≧60°で形成されていることを特徴とする請求項6に記載の菌床栽培用袋。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017093394A (ja) * 2015-11-27 2017-06-01 良介 安西 菌床栽培用袋

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