JP3183225U - 菌床栽培用袋 - Google Patents
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Abstract
【課題】 僅かな力で引き裂くことが可能な菌床栽培用袋を提供する。
【解決手段】 菌床栽培用袋1は、上端が開口し、縦方向の引張強度が横方向の引張強度よりも大きい分子配向となるように形成されたプラスチックフィルムからなる袋本体2と、袋本体2の上部に形成された通気孔3と、通気孔3を覆った状態で袋本体2に溶着された、空気を通過させ雑菌の侵入を阻止するフィルタ4と、を備えている。袋本体2とフィルタ4との溶着部7の最上部に、フィルタ4を袋本体2の下端部に向けて引き剥がす際に発生する引き剥がし応力を集中させるための応力集中部が設けられている。溶着部7は、複数の直線溶着部を組み合わせることによって閉じた形状に形成され、応力集中部と通気孔3との間には、溶着部7を横方向に繋ぐ補強用の直線溶着部8がさらに形成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】 菌床栽培用袋1は、上端が開口し、縦方向の引張強度が横方向の引張強度よりも大きい分子配向となるように形成されたプラスチックフィルムからなる袋本体2と、袋本体2の上部に形成された通気孔3と、通気孔3を覆った状態で袋本体2に溶着された、空気を通過させ雑菌の侵入を阻止するフィルタ4と、を備えている。袋本体2とフィルタ4との溶着部7の最上部に、フィルタ4を袋本体2の下端部に向けて引き剥がす際に発生する引き剥がし応力を集中させるための応力集中部が設けられている。溶着部7は、複数の直線溶着部を組み合わせることによって閉じた形状に形成され、応力集中部と通気孔3との間には、溶着部7を横方向に繋ぐ補強用の直線溶着部8がさらに形成されている。
【選択図】 図1
Description
本考案は、シイタケやマイタケ等のキノコ類を人工栽培する際に用いられる菌床栽培用袋に関する。
近年、キノコ類を人工栽培する際に、プラスチックフィルムからなる菌床栽培用袋が多く用いられるようになってきた。
この種の菌床栽培用袋を用いてキノコ類を人工栽培するに際しては、まず、オガクズ等の木質基材に米糠等の栄養源を混ぜて水分を調整した人工の培地(菌床)を、当該菌床栽培用袋に充填して、高圧蒸気等により殺菌し、その後、前記菌床にキノコ種菌を接種して培養を行う(培養工程)。
この場合、菌床栽培用袋は、使い捨てされるものであるため、安価であることが必要であり、できるだけ簡単な構成で製造されることが望ましい。
また、菌床栽培用袋を用いてキノコ種菌を培養する際には、菌の生育に必要な空気を供給し、雑菌の侵入を阻止する必要がある。
さらに、菌床栽培用袋を用いたキノコ類の人工栽培においては、培養工程の後に、菌床を前記菌床栽培用袋から取り出してキノコ類を発生させる工程(キノコ類(子実体)の発生工程)が必要である。従って、菌床栽培用袋としては、菌床等を傷つけないように手の力のみで引き裂くことができるものであることが望ましい。
従来、以上のような要求を満足する菌床栽培用袋として、以下のような構成のものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
すなわち、特許文献1に開示された菌床栽培用袋は、上端が開口し、縦方向の引張強度が横方向の引張強度よりも大きい分子配向となるように形成されたプラスチックフィルムからなる袋本体と、前記袋本体の上部に形成された通気孔と、前記通気孔を覆った状態で前記袋本体に溶着された、空気を通過させ雑菌の侵入を阻止するフィルタと、を備えている。また、袋本体とフィルタとの溶着部の最上部には、前記フィルタを前記袋本体の下端部に向けて引き剥がす際に発生する引き剥がし応力を集中させるための応力集中部が設けられている。
特許文献1に開示された菌床栽培用袋によれば、フィルタの上側端部をつまんで袋本体の下端部に向けて引き剥がす操作を行うことにより、応力集中部に引き剥がし応力を集中させて袋本体に切込みを入れることができる。そして、このようにして袋本体に切込みが入った後、フィルタを前記袋本体の下端部に向けてそのまま引っ張れば、前記袋本体を引き裂くことができる。
しかし、特許文献1で提案されている菌床栽培用袋では、フィルタを袋本体の下端部に向けて引っ張って引き剥がそうとする際の引き剥がし力が、前記袋本体と前記フィルタとの溶着部の全体にかかってしまうため、前記溶着部の最上部の応力集中部に集中する引き剥がし応力によって袋本体に切込みを入れるためには、かなりの力が必要となる。その結果、培養工程からキノコ類(子実体)の発生工程に移る際に必要な袋本体からの菌床の取り出し作業を効率的に行うことはできないという問題点がある。
本考案は、従来技術における前記課題を解決するためになされたものであり、僅かな力で袋本体に切込みを入れ、容易に引き裂くことができる菌床栽培用袋を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本考案に係る菌床栽培用袋は、
(1)上端が開口し、縦方向の引張強度が横方向の引張強度よりも大きい分子配向となるように形成されたプラスチックフィルムからなる袋本体と、前記袋本体の上部に形成された通気孔と、前記通気孔を覆った状態で前記袋本体に溶着された、空気を通過させ雑菌の侵入を阻止するフィルタと、を備え、前記袋本体と前記フィルタとの溶着部の最上部に、前記フィルタを前記袋本体の下端部に向けて引き剥がす際に発生する引き剥がし応力を集中させるための応力集中部が設けられた菌床栽培用袋であって、前記溶着部は、複数の直線溶着部を組み合わせることによって閉じた形状に形成され、前記応力集中部と前記通気孔との間には、前記溶着部を横方向に繋ぐ補強用の直線溶着部がさらに形成されていることを特徴とする。
(1)上端が開口し、縦方向の引張強度が横方向の引張強度よりも大きい分子配向となるように形成されたプラスチックフィルムからなる袋本体と、前記袋本体の上部に形成された通気孔と、前記通気孔を覆った状態で前記袋本体に溶着された、空気を通過させ雑菌の侵入を阻止するフィルタと、を備え、前記袋本体と前記フィルタとの溶着部の最上部に、前記フィルタを前記袋本体の下端部に向けて引き剥がす際に発生する引き剥がし応力を集中させるための応力集中部が設けられた菌床栽培用袋であって、前記溶着部は、複数の直線溶着部を組み合わせることによって閉じた形状に形成され、前記応力集中部と前記通気孔との間には、前記溶着部を横方向に繋ぐ補強用の直線溶着部がさらに形成されていることを特徴とする。
本考案において、縦方向とは、袋本体の通気孔から下端部に向かう方向をいうものとする。
本考案の菌床栽培用袋の(1)の構成によれば、袋本体とフィルタとの溶着部のうち、補強用の直線溶着部よりも上方に位置する前記溶着部のみに、前記フィルタを前記袋本体の下端部に向けて引っ張って引き剥がそうとする際の引き剥がし力がかかるようにすることができる。このため、前記溶着部の最上部の応力集中部に集中する引き剥がし応力を、従来のものに比べて大きくすることができるので、僅かな力で袋本体に切込みを入れることが可能となる。そして、このようにして前記袋本体に切込みが入った後、前記フィルタを前記袋本体の下端部に向けてそのまま引っ張れば(前記袋本体の引張強度が大きい方向(縦方向)に沿って引き剥がすように力をかければ)、前記袋本体を容易に引き裂くことができる。このように、本考案の菌床栽培用袋の(1)の構成によれば、僅かな力で袋本体に切込みを入れ、容易に引き裂くことができるので、培養工程からキノコ類(子実体)の発生工程に移る際に必要な前記袋本体からの菌床の取り出し作業を効率的に行うことが可能となる。
前記本考案の菌床栽培用袋の構成においては、以下の(2)、(3)のような構成にすることが好ましい。
(2)前記溶着部は、前記袋本体の下端部と平行な第1の直線溶着部と、前記袋本体の両側部と平行に形成され、前記第1の直線溶着部の両端にその下端がそれぞれ接続された第2及び第3の直線溶着部と、前記第2及び第3の直線溶着部の上端に接続された山型溶着部とからなる五角形状をなし、前記山型溶着部を構成する2本の直線溶着部は、前記袋本体の下端部と平行な第4の直線溶着部によって繋がれている。
(3)前記溶着部は、前記袋本体の下端部と平行な第1の直線溶着部と、前記袋本体の両側部と平行に形成され、前記第1の直線溶着部の両端にその下端がそれぞれ接続された第2及び第3の直線溶着部と、前記第2及び第3の直線溶着部の上端に接続された谷型溶着部とからなる五角形状をなし、前記第2及び第3の直線溶着部は、前記袋本体の下端部と平行な第4の直線溶着部によって繋がれている。
本考案によれば、僅かな力で袋本体に切込みを入れ、容易に引き裂くことができる菌床栽培用袋を提供することができる。従って、本考案の菌床栽培用袋を用いれば、培養工程からキノコ類(子実体)の発生工程に移る際に必要な袋本体からの菌床の取り出し作業を効率的に行うことが可能となる。
以下、好適な実施の形態を用いて本考案をさらに具体的に説明する。但し、下記の実施の形態は本考案を具現化した例に過ぎず、本考案はこれに限定されるものではない。
[菌床栽培用袋の構成]
まず、本考案の一実施の形態における菌床栽培用袋の構成について、図1〜図5を参照しながら説明する。
まず、本考案の一実施の形態における菌床栽培用袋の構成について、図1〜図5を参照しながら説明する。
図1は、本考案の一実施の形態における菌床栽培用袋の構成を示す正面図、図2は、当該菌床栽培用袋を形成するためのプラスチックフィルムからなる薄肉チューブを示す正面図(通気孔が形成された状態)、図3は、図2に示す薄肉チューブの下端部を溶着によってシールして袋状にした状態を示す正面図、図4は、当該菌床栽培用袋の通気孔をフィルタで覆った状態を示す正面図(フィルタを袋本体に溶着する前)、図5は、当該菌床栽培用袋を用いてキノコ種菌を培養している状態を示す斜視図である。
図1に示すように、本実施の形態の菌床栽培用袋1は、上端が開口した、プラスチックフィルムからなる縦長の袋本体2と、袋本体2の上部に形成された通気孔3と、通気孔3を覆った状態で袋本体2に溶着された、空気を通過させ雑菌の侵入を阻止するフィルタ4と、を備えている。
図1〜図3に示すように、袋本体2は、インフレーション加工によって形成された薄肉チューブ5の両側部をガセット折りし、下端部を溶着によってシールして袋状にしたものである。図1、図3において、参照符号6は、シール部を示している。このような構成の袋本体2は、図5に示すように、オガクズ等の木質基材に米糠等の栄養源を混ぜて水分を調整した人工の培地(菌床9)を、充填した場合に、菌床9をほぼ直方体形状に保つことができるため、その後の管理に適している。
袋本体2の材料としては、安価であり高圧蒸気等による殺菌にも耐え得るポリプロピレン、高密度ポリエチレン等のポリオレフィン系材料、あるいは、ポリエステル系材料が好ましい。尚、キノコ種菌の培養状態を観察できるように、袋本体2は、透明又は半透明なものであることが好ましい。
袋本体2は、通常の栽培作業時の取扱いにおいてはピンホール等が発生しない程度(具体的には、縦方向の引張強度が横方向の引張強度の1.3〜1.4倍程度の強度比)の分子配向となるように形成されている。ここで、縦方向とは、袋本体2の通気孔3からシール部6に向かう方向をいう。
このように縦方向と横方向の引張強度に差を付ければ、袋本体2の一部に切込みを入れた後、袋本体2の引張強度が大きい方向(縦方向)に沿って引き剥がすように力をかけることにより、袋本体2を容易に引き裂くことができる。尚、袋本体2を引き裂く方法については後述する。
袋本体2(プラスティック・フィルム)の厚みは約50μmであり、図1のように畳んだときの袋本体2の縦方向の長さは約440mm、横方向の長さは約200mm、ガセット折り幅は約62mmである。
通気孔3は、直径約40mmの円形に形成されている。但し、通気孔の形状は、円形に限定されるものではなく、例えば、矩形、多角形、楕円形等、いかなる形状であってもよい。また、通気孔3は、菌床9を袋本体2に充填したときに、菌床9の上面よりも上方に位置していればよい(図5参照)。
フィルタ4は、約55mm×約70mmの矩形状に形成されている。但し、フィルタの形状は、矩形状に限定されるものではなく、例えば、円形、楕円形、多角形等、いかなる形状であってもよい。尚、フィルタ4は、雑菌の侵入を完全に阻止しなくても、キノコ種菌の菌糸の発育に悪影響を及ぼさない程度に阻止できればよい。そして、フィルタ4は、高圧蒸気等による殺菌に耐え、袋本体2の材料と気密に溶着されるものであればよく、例えば、市販されている多孔性プラスチックフィルタ、不織布フィルタ等を使用することができる。
図1、図3及び図4に示すように、フィルタ4は、通気孔3を覆った状態で配置された後、袋本体2に溶着される。図1において、参照符号7は、溶着部を示している。フィルタ4を配置する部位は、袋本体2の上部、好ましくは、雑菌の混入を避けるために袋本体2の上端開口部を折り曲げたときに折り込まれない部位である(図5参照)。尚、溶着部7によって囲まれた領域は、通気孔3の領域よりも大きく、フィルタ4の領域よりも小さく形成されており、フィルタ4の外周縁は、袋本体2から離反した状態になっている。
袋本体2とフィルタ4との溶着部7は、複数の直線溶着部を組み合わせることによって閉じた形状に形成されている。より具体的には、溶着部7は、袋本体2の下端部と平行な直線溶着部7aと、袋本体2の両側部と平行に形成され、直線溶着部7aの両端にその下端がそれぞれ接続された2本の直線溶着部7b、7cと、直線溶着部7b、7cの上端に接続された山型(∧)溶着部7d(この山型溶着部7dも、2本の直線溶着部の組合せである)とからなる五角形状をなしている。ここで、図5に示す袋本体2の上端を片方の手で掴みながら、フィルタ4の上側端部をもう一方の手の指でつまみ、当該フィルタ4を袋本体2の下端部に向けて引っ張って引き剥がそうとすると、引き剥がし応力が特に山型溶着部7dの頂角部分に集中する。すなわち、本実施の形態の菌床栽培用袋1においては、溶着部7の最上部に、引き剥がし応力を集中させるための応力集中部が設けられている。
山型溶着部7dを構成する2本の直線溶着部は、頂角部分(応力集中部)と通気孔3との間で、袋本体2の下端部と平行な直線溶着部8によって繋がれている。この直線溶着部8は、補強を目的とするものである。そして、このように、山型溶着部7dの頂角部分(応力集中部)と通気孔3との間に補強用の直線溶着部8を形成することにより、袋本体2とフィルタ4との溶着部7のうち、補強用の直線溶着部8よりも上方に位置する溶着部7のみに、フィルタ4を袋本体2の下端部に向けて引っ張って引き剥がそうとする際の引き剥がし力がかかるようにすることができる。このため、溶着部7の最上部の応力集中部(山型溶着部7dの頂角部分)に集中する引き剥がし応力を、従来のものに比べて大きくすることができる。
[菌床栽培用袋の使用方法]
次に、本考案の一実施の形態における菌床栽培用袋の使用方法について、図6をも参照しながら説明する。
次に、本考案の一実施の形態における菌床栽培用袋の使用方法について、図6をも参照しながら説明する。
図6は、本考案の一実施の形態における菌床栽培用袋の袋本体を引き裂いている状態を示す正面図である。
キノコ類を人工栽培するに際しては、図5に示すように、まず、オガクズ等の木質基材に米糠等の栄養源を混ぜて水分を調整した人工の培地(菌床9)を、菌床栽培用袋1の袋本体2に充填して、約120℃の高圧蒸気で約2時間殺菌する。次に、殺菌した菌床9にキノコ種菌を接種し、袋本体2の上端開口部を何重かに折り曲げてホッチキスの針10で留める。そして、キノコ種菌が接種された菌床9を、菌床栽培用袋1の袋本体2に充填したまま、温度約24℃、湿度約60%の培養室で30〜90日間保管する(培養工程)。
菌糸が菌床9にほぼ蔓延したら(培養工程が終了したら)、菌床9を菌床栽培用袋1の袋本体2から取り出し、温度約18℃、湿度約90%の環境下でキノコ類(子実体)を発生させる(キノコ類(子実体)の発生工程)。
菌床9を菌床栽培用袋1の袋本体2から取り出すに際しては、袋本体2を引き裂く必要がある。本実施の形態においては、図5に示す袋本体2の上端を片方の手で掴みながら、フィルタ4の上側端部をもう一方の手の指でつまんで、当該フィルタ4を袋本体2の下端部に向けて引っ張る。これにより、袋本体2とフィルタ4との溶着部7のうち、補強用の直線溶着部8よりも上方に位置する山型溶着部7dのみに引き剥がし力がかかる。このため、山型溶着部7dの頂角部分(応力集中部)に集中する引き剥がし応力が従来のものに比べて大きくなり、僅かな力で山型溶着部7dの頂角部分の袋本体2に切込みを入れることが可能となる。そして、このようにして袋本体2に切込みが入った後、フィルタ4を袋本体2の下端部に向けてそのまま引っ張れば(袋本体2の引張強度が大きい方向(縦方向)に沿って引き剥がすように力をかければ)、図6に示すように、袋本体2を容易に引き裂くことができる。この場合、袋本体2は、溶着部7のほぼ幅部分(二点鎖線部分)のみが他の部分から引き剥がされる。尚、図6において、参照符号11は、引き剥がされた部分を示している。
以上のように、菌床栽培用袋1の袋本体2は、僅かな力で引き裂くことができるので、培養工程からキノコ類(子実体)の発生工程に移る際に必要な袋本体2からの菌床9の取り出し作業を効率的に行うことが可能となる。
尚、上記実施の形態においては、山型溶着部7dの頂角部分が尖っている場合を例に挙げて説明したが、本考案は必ずしもこのような構成に限定されるものではない。山型溶着部7dの頂角部分は、例えば、図7に示すように、多少平坦になっていてもよい。僅かな力で山型溶着部7dの頂角部分の袋本体2に切込みを入れることを可能とするためには、平坦部分の長さは、3mm以下であることが好ましい。
また、上記実施の形態においては、袋本体2の下端部と平行な直線溶着部7aと、袋本体2の両側部と平行に形成され、直線溶着部7aの両端にその下端がそれぞれ接続された2本の直線溶着部7b、7cと、直線溶着部7b、7cの上端に接続された山型溶着部7dとからなる五角形状をなしている溶着部7を例に挙げて説明したが、本考案は必ずしもこのような構成に限定されるものではない。例えば、図8に示す菌床栽培用袋12の場合のように、袋本体2の下端部と平行な直線溶着部14aと、袋本体2の両側部と平行に形成され、直線溶着部14aの両端にその下端がそれぞれ接続された2本の直線溶着部14b、14cと、直線溶着部14b、14cの上端に接続された谷型(∨)溶着部14dとからなる五角形状をなしている溶着部14であってもよい。この場合、直線溶着部14b、14cと谷型溶着部14dとの接続部分が、引き剥がし応力を集中させるための応力集中部となる。そして、この場合には、直線溶着部14b、14cが、谷型溶着部14dと通気孔3との間(応力集中部と通気孔3との間)で、袋本体2の下端部と平行な補強用の直線溶着部15によって繋がれている。このため、図1に示す菌床栽培用袋1の場合と同様に、フィルタ13を袋本体2の下端部に向けて引っ張って引き剥がそうとする際の引き剥がし力を、袋本体2とフィルタ13との溶着部14のうち、補強用の直線溶着部15よりも上方に位置する溶着部14のみにかけて、直線溶着部14b、14cと谷型溶着部14dとの接続部分(応力集中部)に集中する引き剥がし応力を、従来のものに比べて大きくすることができる。従って、図8に示す菌床栽培用袋12も、図1に示す菌床栽培用袋1の場合と同様の上記作用効果を奏することができる。
また、上記実施の形態においては、袋本体2とフィルタ4との溶着部7、あるいは、袋本体2とフィルタ13との溶着部14が五角形状をなす場合を例に挙げて説明したが、本考案は必ずしもこのような構成に限定されるものではない。袋本体とフィルタとの溶着部は、複数の直線溶着部を組み合わせることによって閉じた形状に形成されていればよく、例えば、六角形状、十角形状等、様々な形状とすることができる。
本考案によれば、僅かな力で引き裂くことが可能な菌床栽培用袋を提供することができる。従って、本考案の菌床栽培用袋は、培養工程からキノコ類(子実体)の発生工程に移る際に必要な袋本体からの菌床の取り出し作業の効率化を図る上で有用である。
1、12 菌床栽培用袋
2 袋本体
3 通気孔
4、13 フィルタ
5 薄肉チューブ
6 シール部
7、14 溶着部
7a、7b、7c、8、14a、14b、14c、15 直線溶着部
7d 山型溶着部
9 菌床
10 ホッチキスの針
11 引き剥がされた部分
14d 谷型溶着部
2 袋本体
3 通気孔
4、13 フィルタ
5 薄肉チューブ
6 シール部
7、14 溶着部
7a、7b、7c、8、14a、14b、14c、15 直線溶着部
7d 山型溶着部
9 菌床
10 ホッチキスの針
11 引き剥がされた部分
14d 谷型溶着部
Claims (3)
- 上端が開口し、縦方向の引張強度が横方向の引張強度よりも大きい分子配向となるように形成されたプラスチックフィルムからなる袋本体と、
前記袋本体の上部に形成された通気孔と、
前記通気孔を覆った状態で前記袋本体に溶着された、空気を通過させ雑菌の侵入を阻止するフィルタと、を備え、
前記袋本体と前記フィルタとの溶着部の最上部に、前記フィルタを前記袋本体の下端部に向けて引き剥がす際に発生する引き剥がし応力を集中させるための応力集中部が設けられた菌床栽培用袋であって、
前記溶着部は、複数の直線溶着部を組み合わせることによって閉じた形状に形成され、
前記応力集中部と前記通気孔との間には、前記溶着部を横方向に繋ぐ補強用の直線溶着部がさらに形成されていることを特徴とする菌床栽培用袋。 - 前記溶着部は、前記袋本体の下端部と平行な第1の直線溶着部と、前記袋本体の両側部と平行に形成され、前記第1の直線溶着部の両端にその下端がそれぞれ接続された第2及び第3の直線溶着部と、前記第2及び第3の直線溶着部の上端に接続された山型溶着部とからなる五角形状をなし、
前記山型溶着部を構成する2本の直線溶着部は、前記袋本体の下端部と平行な第4の直線溶着部によって繋がれている、請求項1に記載の菌床栽培用袋。 - 前記溶着部は、前記袋本体の下端部と平行な第1の直線溶着部と、前記袋本体の両側部と平行に形成され、前記第1の直線溶着部の両端にその下端がそれぞれ接続された第2及び第3の直線溶着部と、前記第2及び第3の直線溶着部の上端に接続された谷型溶着部とからなる五角形状をなし、
前記第2及び第3の直線溶着部は、前記袋本体の下端部と平行な第4の直線溶着部によって繋がれている、請求項1に記載の菌床栽培用袋。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN104247627A (zh) * | 2013-06-28 | 2014-12-31 | 株式会社F·Tec | 菌床栽培用袋 |
JP2017093394A (ja) * | 2015-11-27 | 2017-06-01 | 良介 安西 | 菌床栽培用袋 |
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- 2013-02-19 JP JP2013000868U patent/JP3183225U/ja not_active Expired - Lifetime
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