JP3192022B2 - 超音波モータ - Google Patents

超音波モータ

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JP3192022B2
JP3192022B2 JP07456893A JP7456893A JP3192022B2 JP 3192022 B2 JP3192022 B2 JP 3192022B2 JP 07456893 A JP07456893 A JP 07456893A JP 7456893 A JP7456893 A JP 7456893A JP 3192022 B2 JP3192022 B2 JP 3192022B2
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敏晴 津幡
裕五 今井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超音波モータ、より詳
しくは、電気−機械エネルギー変換素子を駆動源とする
超音波モータに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電磁型モータに比べて、微小な外
形寸法を有しながら強力な駆動力を得られる超音波モー
タが注目を集めている。このような超音波モータの一例
として、本出願人は、先に特願平4−321096号に
おいて、電気−機械エネルギー変換素子を駆動源とす
る、並進運動を発生できる超音波リニアモータを提案し
ている。その構成と原理を、図6を参照して説明する。
図6は、該超音波リニア振動子の構成を説明するための
概念図にして、上記特願平4−321096号に記載さ
れたものとほぼ同様の図である。
【0003】図6に示すように、振動子2は、直方体形
状の弾性体63の一端面に、保持用弾性体64の間に挟
み込んだ複数の積層型圧電素子4を固定するとともに、
該弾性体63の他端面の振動の腹となる部分に摺動部材
5を固定して構成されている。
【0004】このような構成の振動子2において、上記
積層型圧電素子4に正弦波電圧を印加すると、弾性体6
3には、図7に示すような2種の振動、つまり、図7
(A)に示すような該弾性体63の長手方向に沿った単
純な伸縮振動と、図7(B)に示すような該長手方向に
伝播する2次の定在波となる横波の弾性波(屈曲振動)
と、が同時に励起される。なお、上記弾性体63の長さ
と輻は、伸縮運動の1次共振周波数と横波の2次の定在
波の周波数が一致するように設定してある。
【0005】上記2次の定在波の振動の腹の位置では、
上記2種の振動の変位が合成されて、弾性体63上の質
点が楕円形の軌跡に沿って振動する。そこで、この振動
の腹位置に上記摺動部材5を配設して、これに被駆動体
9(図8参照)を押圧すると、該被駆動体9が上記楕円
振動の作用を受けて並進運動する。
【0006】次に、上述のような振動子2の他の例を用
いて構成した超音波リニアモータの全体の構成を、図8
を参照して説明する。この図8に示すものは、上記図7
に示したものとは異なり、摺動部材5が弾性体63の下
端面の両端部に固定されている。上記弾性体63は、2
次の定在波の節となる位置で係止部材65により支持さ
れるとともに、該係止部材65を枠体67で支持された
押圧力調整ネジ68により押圧力調整可能なコイルばね
手段66により付勢して、振動子2を被駆動体9へ押圧
している。そして、該枠体67の下端部にはリニアガイ
ド69が設けられていて、ガイドレール9aと係合して
上記押圧力を受けながら左右方向に直線移動可能なよう
に保持されている。
【0007】しかしながら、図示のように、コイルばね
手段66を支持する枠体67は、小型化された振動子2
に比較して巨大なものであり、しかも該枠体67を被駆
動体9に対して摺動自在にするために、リニアガイド6
9まで必要になってしまい、超音波モータ全体の寸法の
下限を制約する要因となってきている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来の
超音波モータでは、超音波振動子を支持および付勢する
手段が小型化されておらず、該超音波モータ全体の寸法
の下限を制約しているという問題点を有していた。
【0009】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであり、超音波振動子を支持および付勢する手段によ
って、超音波モータ全体の寸法の小型化を阻害すること
のない、かつ製造原価の低い超音波モータを提供するこ
とを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明による超音波モータは、電気−機械エネル
ギー変換素子が固着され、長手方向に伸縮する共振周波
数と該伸縮の方向を伝播方向とする横波の弾性波が定在
すべき周波数とが一致するように長手方向と幅の寸法が
設定され、かつ上記電気−機械エネルギー変換素子の振
動変位により上記伸縮振動と上記横波定在波とを同時に
発生る振動子と、上記振動子表面の、上記横波定在波
の腹に対応する位置より突出するように設けられてお
り、上記両振動により回転軌跡を描いて駆動される摺動
突起と、上記振動子に摺動突起を介して圧接され、該
摺動突起の回転によって上記振動子の長手方向に移動さ
れる被駆動部材と、上記振動子の、上記横波定在波の節
に対応する部分に固定された支持軸と、該支持軸に係合
する凹部を有し、該支持軸を介して上記振動子を上記被
駆動部材に付勢する付勢部材と、を具備することを特徴
とする。
【0011】
【作用】電気−機械エネルギー変換素子が固着され、長
手方向に伸縮する共振周波数と該伸縮の方向を伝播方向
とする横波の弾性波が定在すべき周波数とが一致するよ
うに長手方向と幅の寸法が設定された振動子が、上記電
気−機械エネルギー変換素子の振動変位により伸縮振動
と定在波とを同時に発生され、上記振動子表面の定在波
の腹に対応する位置より突出するように設けられている
摺動突起が、上記両振動により回転軌跡を描いて駆動さ
れ、上記振動子に摺動突起を介して圧接されている被駆
動部材が、該摺動突起の回転によって上記振動子の長手
方向に移動され、支持部材が、上記振動子の定在波の節
に対応する部分を支持する。
【0012】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図1は、本発明の第1実施例を示したものであ
る。図に示すように、振動子2は、略直方体形状の弾性
体3と、この弾性体3の上端部に長手方向に沿って2カ
所設けられた矩形の切欠3aに、それぞれ積層型圧電素
子4を挟み込んで固定している。また、上記弾性体3の
振動の腹となる下端面位置には、2つの摺動部材5がそ
れぞれ固着されている。
【0013】このような振動子2は、2次の定在波の節
となる位置であって、上記2つの積層型圧電素子4の間
となる弾性体3の両側面から支持軸6をそれぞれ突設し
ている。そして、該振動子2は、着力点たる支持軸6を
介して該支持軸6を係合する凹部を有する係止部材7に
よって支持されるとともに、上記摺動部材5を介して被
駆動体9へ向かって付勢されている。上記係止部材7
は、片持ち梁の板ばね11の一端部にねじ12で締結さ
れていて、該板ばね11の他端部は台座13を介してね
じ12で基礎14に固定されている。
【0014】次に、この第1実施例の作用を説明する。
上記板ばね11は、非使用時は図中上方に凸となるよう
湾曲しているものであり、使用時にはこれが略平板にな
るまで予圧を付加して、その際の弾発力によって振動子
2を被駆動体9に対して付勢して密接させる。
【0015】該振動子2は、上記2次の定在波の節の位
置である支持軸6の位置で、係止部材7を介して板ばね
11によって支持されているので、該板ばね11が撓む
方向を除いて他のいかなる方向にも変位することはな
く、堅固に支持される。
【0016】このような第1実施例によれば、小型で簡
単な構成によって超音波振動子を支持および付勢する手
段を構成しているため、これにより超音波モータ全体が
小型化できるという効果を有している。さらに、板ばね
11を片持ち梁としたので、基礎への取付部分が僅か2
箇所になり、さらに簡潔で小型の構成であるとともに、
組立も簡易化され、コスト的にも安価なものとなる。
【0017】図2は、本発明の第2実施例を示したもの
である。この第2実施例は、上述の第1実施例とほぼ同
様であるので、主として異なる部分についてのみ説明す
る。図に示すように、この第2実施例の板ばね21は両
端支持梁であり、その長さは上記弾性体3の長手方向の
長さよりも若干長めである。この両端支持梁の板ばね2
1の中央部には、係止部材7がねじ12で締結されてい
て、これにより振動子2を押圧支持している。また、該
板ばね21の両端部は、それぞれ台座13を介してねじ
12で基礎14に締結して固定されている。
【0018】この第2実施例の作用を説明する。上記板
ばね21は、非使用時は図中下方に凸となるよう湾曲し
ているものであり、使用時にはこれが略平板になるまで
予圧を付加して、その際の弾発力によって振動子2を被
駆動体9に対して付勢して密接させる。
【0019】該振動子2は、板ばね21が撓む方向を除
いて他のいかなる方向にも変位することなく堅固に支持
されるのは、上記第1実施例と同様である。
【0020】このような第2実施例によれば、上記第1
実施例とほぼ同様の効果を有するとともに、両端支持梁
の板ばねを用いたので、より強い押圧力を得ることがで
き、従って超音波モータの駆動力も増大するという効果
がある。さらに、2つの板ばね21は、基礎14に対し
てそれぞれ2点の支持部、計4点の支持部で支持されて
いることから、振動子2を、ガタ無くより堅固に支持で
き、超音波モータの位置出し精度を向上することができ
るという効果も有している。
【0021】図3は、本発明の第3実施例を示したもの
である。この第3実施例は、上述の第1,第2実施例と
ほぼ同様であるので、主として異なる部分についてのみ
説明する。図に示すようにこの第3実施例では、板ばね
31は上記第2実施例と同様に両端支持梁の板ばねであ
り、2対、合計4枚設けられていて、スペーサ32とス
ペーサを兼ねた台座13とを挟んで、2枚で1対の平行
板ばねを構成している。
【0022】この板ばね31の中央部には、係止部材7
が上記スペーサ32とともにねじ12で共締めで固定さ
れていて、これにより振動子2を押圧支持している。ま
た、該板ばね31の両端部は、台座13とともにねじ1
2で基礎14に共締めで固定されている。
【0023】この第3実施例の作用を説明する。上記板
ばね31は、非使用時は図中下方に凸となるよう湾曲し
ているものであり、使用時にはこれが略平板になるまで
予圧を付加して、その際の弾発力によって振動子2を被
駆動体9に対して付勢して密接させる。
【0024】該振動子2は、板ばね31が撓む方向を除
いて他のいかなる方向にも変位することなく堅固に支持
されるのは、上記第1,第2実施例と同様である。
【0025】また、撓ませた板ばね31の弾発力によっ
て振動子2が被駆動体9に付勢され、常に被駆動体9に
密接している点も同様である。
【0026】このような第3実施例によれば、上記第
1,第2実施例とほぼ同様の効果を有するとともに、両
端支持梁の板ばね31を平行板ばねとして2枚用いたの
で、押圧力がさらに増大して、より強力な駆動力が得ら
れるという効果がある。また、2枚の板ばねの平行リン
クとしての作用により、係止部材7が厳密に平行に上下
運動をするため、振動子2は、被駆動体9の移動方向に
ほとんど変位せず、超音波モータとしての位置出し精度
をさらに向上することができるという効果も有してい
る。
【0027】図4は、本発明の第4実施例を示したもの
である。この第4実施例は、上述の第1ないし第3実施
例とほぼ同様であるので、主として異なる部分について
のみ説明する。図に示すように、この第4実施例の板ば
ね41は、回中下方に凸に弓形に反った両端支持梁の板
ばねである。この板ばね41の中央部には、上方に向か
ったくぼみ41aが設けられていて、該くぼみ41aで
支持軸6を介して振動子2を支持することにより、上記
各実施例で用いていた係止部材7を省略している。
【0028】また、該板ばね41は弓なりに反っている
ので、その両端は上記くぼみ41aよりも高い位置にあ
る。そのため、該板ばね41の両端は、上記各実施例で
用いていた台座13を省略して、直接基礎14に対して
ねじ12で締結して固定されている。
【0029】さらに、該板ばね41の両端部でねじ12
を通すための孔は、図4(A)に示すように、一方を丸
孔41b、他方をやや細長のU字状の切欠41cとして
いる。このような構成により、板ばね41の撓み量の変
化に伴う孔位置の変位を吸収している。
【0030】次に、この第4実施例の作用を説明する。
上記板ばね41は、非使用時は図中下方に大きく凸とな
るよう湾曲したものを用いていて、使用時には予圧を付
加して、図に示す程度まで湾曲を戻して弾性エネルギー
を蓄えた状態で使用する。
【0031】このときの撓みによる弾発力によって、振
動子2が被駆動体9に付勢されて常に被駆動体9に密接
している点も、上記第1ないし第3実施例と同様であ
る。
【0032】また、板ばね41は、上述のように、使用
時においても弓なりに反つていて変形の余裕を残してい
るために、振動子2が例え上下に変位しても、その押圧
力は比較的一定している。
【0033】このような第4実施例によれば、上記第1
ないし第3実施例とほぼ同様の効果を有するとともに、
使用時に弓なりに反った板ばねを使用しているため、該
板ばねの中央部の支持部材と両端部の台座とを省略する
ことができ、さらに簡単で安価な構成にすることができ
るという特徴がある。また、上述のように、該板ばね4
1の形状は、使用時において変形の余裕を残しているた
めに、振動子が例え上下に変位しても比較的一定の押圧
力が得られる。従って、被駆動体の面精度が高くなかっ
たり、極端な場合には、僅かな曲率を付与したものであ
っても、支障をきたすことなく良好に駆動力を得られ
る。
【0034】図5は、本発明の第5実施例を示したもの
である。この第5実施例は、上述の第1ないし第4実施
例とほぼ同様であるので、主として異なる部分について
のみ説明する。図に示すように、この第5実施例の板ば
ね51は、両端支持梁の板ばねであって、使用時に予圧
を付加した状態で、図示のように片側が略平板、他方が
下方に凸の略弓なりに反った形状になるように成形して
ある。また、板ばね51の中央部には、上方に向かった
くぼみ51aが設けられていて、該くぼみ51aで支持
軸6を介して振動子2を支持することにより、上記第1
ないし第3実施例で用いていた係止部材7を省略してい
る。さらに、該板ばね51の両端部においても、該両端
部を固定する2ヶ所の基礎14に段差を設けることによ
り、弓なりに反った側のみでなく、平板になっている側
でも上記実施例で用いていた台座13を省略している。
【0035】そして該板ばね51の端部に設けられた基
礎14への取付用の孔は、略平板になる方が丸孔51
b、弓なりに反る方がやや細長のU字状の切欠51cと
している。これにより、板ばね51の撓みに伴う孔位置
の変位を、弓なりに反った側のの端部で吸収するように
している。
【0036】次に、この第5実施例の作用を説明する。
上記板ばね51は、使用時に予圧を付加した状態で上記
の形状になるように成形されていて、予圧を付加するこ
とによる弾発力によって振動子2を被駆動体9に付勢し
て常に密接させていることは、上記各実施例と同様であ
る。
【0037】また、板ばね51は、丸孔51bで固定さ
れる側が平板状になっていて、振動子2が例え上下に変
位しても、被駆動体9の移動方向にはほとんど変位しな
いため、超音波モータとしての位置出し精度を高く保つ
ことができる。
【0038】このような第5実施例によれば、上記第1
ないし第4実施例とほぼ同様の効果を有するとともに、
超音波モータとしての位置出し精度を高く保ちつつ、支
持部材と台座を省略することができるため、超音波モー
タ全体として簡単で安価な構成にすることができる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、超
音波振動子を支持および付勢する手段によって、超音波
モータ全体の寸法の小型化を阻害することのない、かつ
製造原価の低い超音波モータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す超音波モータの、
(A)平面図,(B)側面図。
【図2】本発明の第2実施例を示す超音波モータの、
(A)平面図,(B)側面図。
【図3】本発明の第3実施例を示す超音波モータの、
(A)平面図,(B)側面図。
【図4】本発明の第4実施例を示す超音波モータの、
(A)平面図,(B)側面図。
【図5】本発明の第5実施例を示す超音波モータの、
(A)平面図,(B)側面図。
【図6】従来の超音波振動子を示す側面図。
【図7】従来の超音波振動子を構成する弾性体に発生す
る、(A)共振縦振動状態,(B)共振屈曲振動状態を
それぞれ示す線図。
【図8】従来の超音波モータの支持押圧手段を含む構成
を示す側面図。
【符号の説明】
2…振動子 3…弾性体 4…積層型圧電素子 5…摺動部材 7…係止部材 9…被駆動体 11,21,31,41,51…板ばね 13…台座
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今井 裕五 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オ リンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 舟窪 朋樹 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オ リンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 藤村 毅直 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オ リンパス光学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−261385(JP,A) 特開 平4−347587(JP,A) 特開 平2−228267(JP,A) 特開 平4−178178(JP,A) 特開 昭63−277477(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02N 2/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気−機械エネルギー変換素子が固着さ
    れ、長手方向に伸縮する共振周波数と該伸縮の方向を伝
    播方向とする横波の弾性波が定在すべき周波数とが一致
    するように長手方向と幅の寸法が設定され、かつ上記電
    気−機械エネルギー変換素子の振動変位により上記伸縮
    振動と上記横波定在波とを同時に発生る振動子と、 上記振動子表面の、上記横波定在波の腹に対応する位置
    より突出するように設けられており、上記両振動により
    回転軌跡を描いて駆動される摺動突起と、 上記振動子に摺動突起を介して圧接され、該摺動突起
    の回転によって上記振動子の長手方向に移動される被駆
    動部材と、上記振動子の、上記横波定在波の節に対応する部分に固
    定された支持軸と、 該支持軸に係合する凹部を有し、該支持軸を介して上記
    振動子を上記被駆動部材に付勢する付勢部材と、 を具備することを特徴とする超音波モータ。
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