JP3190807B2 - 低温靭性に優れた耐食性電縫鋼管用鋼の製造方法 - Google Patents
低温靭性に優れた耐食性電縫鋼管用鋼の製造方法Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、強度レベルがア
メリカ石油協会(API)規格のX−42〜X−80ク
ラスの主にラインパイプに用いられる電縫溶接部低温靭
性に優れ、かつ高い耐水素誘起割れ性(以下耐HIC性
という)に優れた耐食性電縫鋼管用鋼の製造方法に関す
る。
メリカ石油協会(API)規格のX−42〜X−80ク
ラスの主にラインパイプに用いられる電縫溶接部低温靭
性に優れ、かつ高い耐水素誘起割れ性(以下耐HIC性
という)に優れた耐食性電縫鋼管用鋼の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、石油の油井や天然ガスのガス井
は、近い将来に予想される石油資源の枯渇化を目前にし
て、従来は顧みられなかったような深層油田の発掘や、
開発が一旦放棄されたサワーガス田などに対する開発が
世界的規模で盛んに行われている。
は、近い将来に予想される石油資源の枯渇化を目前にし
て、従来は顧みられなかったような深層油田の発掘や、
開発が一旦放棄されたサワーガス田などに対する開発が
世界的規模で盛んに行われている。
【0003】このような油井、ガス井は、一般に深度が
極めて深く、また、その雰囲気はCO2、H2S、Cl-
等を含有する極めて厳しい腐食環境で、生産される石
油、天然ガス中には、H2Sを含む場合が非常に多くな
っている。また、H2Sが多く含まれる石油や天然ガス
は、海水、淡水と共存すると鋼表面の腐食だけでなく、
腐食によって生じた水素が鋼中に侵入して破壊を生じる
ことがあり、問題となっている。この破壊は、高張力鋼
に古くから認められる硫化物応力腐食割れとは異なり、
外部からの付加応力がなくても発生が認められる。
極めて深く、また、その雰囲気はCO2、H2S、Cl-
等を含有する極めて厳しい腐食環境で、生産される石
油、天然ガス中には、H2Sを含む場合が非常に多くな
っている。また、H2Sが多く含まれる石油や天然ガス
は、海水、淡水と共存すると鋼表面の腐食だけでなく、
腐食によって生じた水素が鋼中に侵入して破壊を生じる
ことがあり、問題となっている。この破壊は、高張力鋼
に古くから認められる硫化物応力腐食割れとは異なり、
外部からの付加応力がなくても発生が認められる。
【0004】この破壊は、鋼中に存在するMnSやAl
2O3介在物、さらに高融点のCaO介在物・CaS系介
在物が、鋼材を圧延する際に圧延方向に延伸または破壊
されたクラスター状の介在物となり、環境中から侵入し
た水素がその介在物と地鉄との境界に集積してガス化
し、そのガス圧によって微小な亀裂が生じ、これがつな
がって伝播することにより発生するものである。この水
素が鋼中に侵入して生じる破壊は、水素誘起割れ、水素
ふくれ割れ等(以下HICという)と呼ばれている。
2O3介在物、さらに高融点のCaO介在物・CaS系介
在物が、鋼材を圧延する際に圧延方向に延伸または破壊
されたクラスター状の介在物となり、環境中から侵入し
た水素がその介在物と地鉄との境界に集積してガス化
し、そのガス圧によって微小な亀裂が生じ、これがつな
がって伝播することにより発生するものである。この水
素が鋼中に侵入して生じる破壊は、水素誘起割れ、水素
ふくれ割れ等(以下HICという)と呼ばれている。
【0005】石油や天然ガスを輸送するラインパイプ
は、前記HICが発生して板厚方向に貫通した場合、油
漏れ、ガス漏れなどラインパイプの破壊につながるもの
である。また、近年においては、ラインパイプとして電
縫鋼管が使用されることが多くなり、HICの発生防止
が重要となっている。
は、前記HICが発生して板厚方向に貫通した場合、油
漏れ、ガス漏れなどラインパイプの破壊につながるもの
である。また、近年においては、ラインパイプとして電
縫鋼管が使用されることが多くなり、HICの発生防止
が重要となっている。
【0006】従来、HICを防止する方法としては、そ
の鋼管が使用される環境によってCuを添加し、耐食性
被膜を形成して水素侵入を防止する方法(特開昭50−
97515号公報)や、HICの発生の起点となるMn
S等鋼中介在物をCa、Zr、希土類元素(REM)等
で処理し、球状化して形態制御する方法(例えば、特開
昭54−38214号公報、特開昭54−31020号
公報)がよく用いられている。また、連続鋳造材に一般
的な中心偏析部でのMnS等のA系硫化物系介在物やM
n、Pの偏析による低温変態組織であるベイナイトやマ
ルテンサイト生成による割れ発生を防止するため、低S
化や低P化(例えば、特開昭52−111815号公
報、特開昭54−131522号公報)も通常行われて
いる技術である。さらに、Nbの炭窒化物もHIC発生
の起点となることも指摘されており、Nb、C、N量の
制限をしている例(特開昭56−119759号公報)
もある。これらの技術によって、現在までにかなり厳し
い環境にも耐え得る鋼が連続鋳造材からの電縫鋼管法に
より開発、製造されている。
の鋼管が使用される環境によってCuを添加し、耐食性
被膜を形成して水素侵入を防止する方法(特開昭50−
97515号公報)や、HICの発生の起点となるMn
S等鋼中介在物をCa、Zr、希土類元素(REM)等
で処理し、球状化して形態制御する方法(例えば、特開
昭54−38214号公報、特開昭54−31020号
公報)がよく用いられている。また、連続鋳造材に一般
的な中心偏析部でのMnS等のA系硫化物系介在物やM
n、Pの偏析による低温変態組織であるベイナイトやマ
ルテンサイト生成による割れ発生を防止するため、低S
化や低P化(例えば、特開昭52−111815号公
報、特開昭54−131522号公報)も通常行われて
いる技術である。さらに、Nbの炭窒化物もHIC発生
の起点となることも指摘されており、Nb、C、N量の
制限をしている例(特開昭56−119759号公報)
もある。これらの技術によって、現在までにかなり厳し
い環境にも耐え得る鋼が連続鋳造材からの電縫鋼管法に
より開発、製造されている。
【0007】一方、近年石油、天然ガスが産出される地
域は、アラスカ、ロシア、北極海といった極寒地まで広
がっており、アラスカ、カナダ等で使用されるpH:
4.8〜5.4のいわゆるBP環境や、これよりも厳し
いpH:4.5以下のいわゆるNACE環境にまで広が
っている。こうした環境で使用されるラインパイプや油
井管、ガス井管には、当然ながら母材および電縫溶接部
の両方において、耐HIC性と低温靭性に優れているこ
とが要求される。
域は、アラスカ、ロシア、北極海といった極寒地まで広
がっており、アラスカ、カナダ等で使用されるpH:
4.8〜5.4のいわゆるBP環境や、これよりも厳し
いpH:4.5以下のいわゆるNACE環境にまで広が
っている。こうした環境で使用されるラインパイプや油
井管、ガス井管には、当然ながら母材および電縫溶接部
の両方において、耐HIC性と低温靭性に優れているこ
とが要求される。
【0008】しかし、電縫鋼管においては、溶接部の靭
性が母材部に比べて低下するため、電縫溶接部も含めた
低温靭性に優れた電縫鋼管についても、従来から様々な
研究がなされ、種々の方法および電縫鋼管が提案されて
いる。例えば、熱延工程の仕上げ温度および巻取り温度
の制限による素材の靭性向上、造管後の電縫溶接部をオ
ーステナイト化温度まで後熱処理し、その後直ちに溶接
線より円周方向へ約10〜20mm離れた溶接部周辺の
みを局部的に強制冷却する方法(特開昭54−1365
12号公報)、Nb、Vの添加による結晶粒の微細化、
造管後の管体熱処理等である。
性が母材部に比べて低下するため、電縫溶接部も含めた
低温靭性に優れた電縫鋼管についても、従来から様々な
研究がなされ、種々の方法および電縫鋼管が提案されて
いる。例えば、熱延工程の仕上げ温度および巻取り温度
の制限による素材の靭性向上、造管後の電縫溶接部をオ
ーステナイト化温度まで後熱処理し、その後直ちに溶接
線より円周方向へ約10〜20mm離れた溶接部周辺の
みを局部的に強制冷却する方法(特開昭54−1365
12号公報)、Nb、Vの添加による結晶粒の微細化、
造管後の管体熱処理等である。
【0009】しかしながら、上記の電縫鋼管は、通常の
環境で使用されるものであって、低P、低S化、Ca添
加などを行っておらず、耐サワー環境での仕様を考慮し
たものではない。しかし、最近の電縫鋼管は、使用環境
の苛酷化に伴い、耐HIC性と低温靭性の要求がますま
す増加しており、これら複合特性要求を満足させるため
には、Ca添加法が有効であることが知られている。
環境で使用されるものであって、低P、低S化、Ca添
加などを行っておらず、耐サワー環境での仕様を考慮し
たものではない。しかし、最近の電縫鋼管は、使用環境
の苛酷化に伴い、耐HIC性と低温靭性の要求がますま
す増加しており、これら複合特性要求を満足させるため
には、Ca添加法が有効であることが知られている。
【0010】Ca添加法の従来技術としては、取鍋内の
予め脱酸処理した溶鋼にCaO含有フラックスをキャリ
アーガスにより吹込み脱酸脱硫したのち、引き続いて該
溶鋼にCa合金を吹込み、溶鋼中の硫化物形態を制御す
る方法(特公昭59−22765号公報)、取鍋内に予
め脱酸処理した溶鋼を0.1〜1torrでCaO1.
5〜4.5kg/溶鋼Ton(以下TSという)吹き込
み、その後大気圧下でCa−Si0.3〜0.7kg/
TS吹き込み、溶鋼中の[Ca]、[Al]、[O]の
濃度を、[O]≦20ppm、[%Ca]・[%Al]
2≦1.45×10-7かつ[%Ca]3・[%Al]2≧
1.06×10-11に制御する方法(特公平6−967
33号公報)などが提案されている。
予め脱酸処理した溶鋼にCaO含有フラックスをキャリ
アーガスにより吹込み脱酸脱硫したのち、引き続いて該
溶鋼にCa合金を吹込み、溶鋼中の硫化物形態を制御す
る方法(特公昭59−22765号公報)、取鍋内に予
め脱酸処理した溶鋼を0.1〜1torrでCaO1.
5〜4.5kg/溶鋼Ton(以下TSという)吹き込
み、その後大気圧下でCa−Si0.3〜0.7kg/
TS吹き込み、溶鋼中の[Ca]、[Al]、[O]の
濃度を、[O]≦20ppm、[%Ca]・[%Al]
2≦1.45×10-7かつ[%Ca]3・[%Al]2≧
1.06×10-11に制御する方法(特公平6−967
33号公報)などが提案されている。
【0011】ところが、Ca添加された電縫鋼管は、電
縫溶接部の靭性が母材部に比べて著しく低下する場合の
あることが判明した。この電縫溶接部の靭性の低下は、
種々調査の結果、その原因は電縫衝合部およびその近傍
に存在する介在物が、電縫溶接時の熱影響によって鋼の
融点近くまで加熱されたうえ、溶接部アプセットによっ
て両側から加圧されて板状に変形するためであることが
明らかとなった。また、この板状に変形する介在物は、
成分分析の結果、mCaO・nAl2O3(ただし、m、
nは整数)の分子構成比を持つ複合介在物であることが
判明した。
縫溶接部の靭性が母材部に比べて著しく低下する場合の
あることが判明した。この電縫溶接部の靭性の低下は、
種々調査の結果、その原因は電縫衝合部およびその近傍
に存在する介在物が、電縫溶接時の熱影響によって鋼の
融点近くまで加熱されたうえ、溶接部アプセットによっ
て両側から加圧されて板状に変形するためであることが
明らかとなった。また、この板状に変形する介在物は、
成分分析の結果、mCaO・nAl2O3(ただし、m、
nは整数)の分子構成比を持つ複合介在物であることが
判明した。
【0012】上記電縫溶接部の靭性低下の問題点を解決
する方法としては、これまでに種々の方法が提案されて
いる。例えば、C:0.01〜0.35%、Si:0.
02〜0.50%、Mn:0.10〜1.80%、A
l:0.005%超〜0.050%、Ca:0.000
5〜0.008%に加え、Zr:0.001〜0.01
5%を含有し、かつP:0.015%以下、S:0.0
03%以下に制限し、Zr/Alの値が2未満であっ
て、残部Feおよび不可避的不純物からなる電縫鋼管用
鋼を素材として用い、溶接熱影響部の介在物に含まれる
Al2O3の濃度が50%以下である溶接部を有する電縫
鋼管(特開昭63−137144号公報)、C:0.0
1〜0.35%、Si:0.02〜0.50%、Mn:
0.10〜1.80%、Al:0.001〜0.100
%を含有し、Ca<0.001%、P≦0.020%、
S≦0.0012%で、かつP(%)+25×S(%)
≦0.04%に制限し、さらにCu:0.2〜0.6
%、Ni:0.1〜1.0%、Cr:0.2〜3.0%
の1種または2種以上およびMo:0.1〜1.0%、
Nb:0.01〜0.15%、V:0.01〜0.15
%、Ti:0.01〜0.10%の1種または2種以上
を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼を
素材とした電縫鋼管であって、その電縫溶接部がBP環
境下において優れた耐サワー性を有すると共に、最低使
用温度−46℃において優れた靭性を有する電縫鋼管
(特公平5−53857号公報)、C:0.05〜0.
35%、Si:0.02〜0.5%、Mn:0.5〜2
%に加えてCaを0.0005〜0.008%とAlを
0.005〜0.1%含有し、残部Feおよび不可避的
不純物からなり、S、O、Caの含有量が、1.0≦
(%Ca){1−72(%O)}/1.25(%S)≦
2.5を満足したうえで、脱酸生成物を(CaO)m
(Al2O3)nの複合介在物とし、その分子構成比をm
/n<1の範囲とすることにより、介在物中のAl2O3
分率を増加させて融点1600℃以上の複合介在物を生
成させ、耐HIC性を確保したうえで電縫溶接部近傍で
の延伸を回避する方法(特公平5−87582号公報)
が提案されている。
する方法としては、これまでに種々の方法が提案されて
いる。例えば、C:0.01〜0.35%、Si:0.
02〜0.50%、Mn:0.10〜1.80%、A
l:0.005%超〜0.050%、Ca:0.000
5〜0.008%に加え、Zr:0.001〜0.01
5%を含有し、かつP:0.015%以下、S:0.0
03%以下に制限し、Zr/Alの値が2未満であっ
て、残部Feおよび不可避的不純物からなる電縫鋼管用
鋼を素材として用い、溶接熱影響部の介在物に含まれる
Al2O3の濃度が50%以下である溶接部を有する電縫
鋼管(特開昭63−137144号公報)、C:0.0
1〜0.35%、Si:0.02〜0.50%、Mn:
0.10〜1.80%、Al:0.001〜0.100
%を含有し、Ca<0.001%、P≦0.020%、
S≦0.0012%で、かつP(%)+25×S(%)
≦0.04%に制限し、さらにCu:0.2〜0.6
%、Ni:0.1〜1.0%、Cr:0.2〜3.0%
の1種または2種以上およびMo:0.1〜1.0%、
Nb:0.01〜0.15%、V:0.01〜0.15
%、Ti:0.01〜0.10%の1種または2種以上
を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼を
素材とした電縫鋼管であって、その電縫溶接部がBP環
境下において優れた耐サワー性を有すると共に、最低使
用温度−46℃において優れた靭性を有する電縫鋼管
(特公平5−53857号公報)、C:0.05〜0.
35%、Si:0.02〜0.5%、Mn:0.5〜2
%に加えてCaを0.0005〜0.008%とAlを
0.005〜0.1%含有し、残部Feおよび不可避的
不純物からなり、S、O、Caの含有量が、1.0≦
(%Ca){1−72(%O)}/1.25(%S)≦
2.5を満足したうえで、脱酸生成物を(CaO)m
(Al2O3)nの複合介在物とし、その分子構成比をm
/n<1の範囲とすることにより、介在物中のAl2O3
分率を増加させて融点1600℃以上の複合介在物を生
成させ、耐HIC性を確保したうえで電縫溶接部近傍で
の延伸を回避する方法(特公平5−87582号公報)
が提案されている。
【0013】また、CaO−Al2O3系介在物組成制御
法としては、取鍋内の予め脱酸処理した溶鋼にCaO含
有フラックスをキャリアーガスにより吹き込み脱酸脱硫
処理した後、引続いて該溶鋼にCa合金を吹き込み、溶
鋼中の硫化物形態を制御する方法(特開昭59−227
65号公報)、S、O、Caの含有量が、1.0≦[%
Ca]{1−72[%O]}/1.25[%S]≦2.
5を満足したうえで、脱酸生成物を(CaO)m(Al
2O3)nの複合介在物とし、その分子構造比をm/n<
1の範囲とした鋼板(特開平2−290947号公
報)、取鍋内に予め脱酸処理した溶鋼を0.1〜1to
rrでCaO1.5〜4.5kg/溶鋼Ton(以下T
Sという)吹き込み、その後大気圧下でCa−Si0.
3〜0.7kg/TS吹き込み、溶鋼中の[Ca]、
[Al]、[O]の濃度を、[O]≦20ppm、[%
Ca]・[%Al]2≦1.45×10-7かつ[%C
a]3・[%Al]2≧1.06×10-11に制御する方
法(特公平6−96733号公報)などが提案されてい
る。
法としては、取鍋内の予め脱酸処理した溶鋼にCaO含
有フラックスをキャリアーガスにより吹き込み脱酸脱硫
処理した後、引続いて該溶鋼にCa合金を吹き込み、溶
鋼中の硫化物形態を制御する方法(特開昭59−227
65号公報)、S、O、Caの含有量が、1.0≦[%
Ca]{1−72[%O]}/1.25[%S]≦2.
5を満足したうえで、脱酸生成物を(CaO)m(Al
2O3)nの複合介在物とし、その分子構造比をm/n<
1の範囲とした鋼板(特開平2−290947号公
報)、取鍋内に予め脱酸処理した溶鋼を0.1〜1to
rrでCaO1.5〜4.5kg/溶鋼Ton(以下T
Sという)吹き込み、その後大気圧下でCa−Si0.
3〜0.7kg/TS吹き込み、溶鋼中の[Ca]、
[Al]、[O]の濃度を、[O]≦20ppm、[%
Ca]・[%Al]2≦1.45×10-7かつ[%C
a]3・[%Al]2≧1.06×10-11に制御する方
法(特公平6−96733号公報)などが提案されてい
る。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上記特開昭63−13
7144号公報に開示の方法は、Zr添加によって介在
物をZrO2・Al2O3の複合介在物に改質してその融
点を上げ、電縫溶接時の延伸を回避するものであるが、
Zr添加は製鋼コストが高いうえに、その酸化性が大な
るため合金添加歩留が不安定で、かつ連続鋳造時には浸
漬ノズル閉塞を生じ易く、工業的には一般的でない。ま
た、特公平5−53857号公報に開示の方法は、本発
明者らの調査によれば、Ca<0.001%あるいはC
a非添加ではHICの発生の起点となるMnSを消滅さ
せるためにS量を極限まで低減させる必要があり、低S
化のための脱硫処理コストが増大するばかりでなく、M
nSを形態制御して無害化するCa添加法の方が工業的
規模での生産工程においては有利である。しかも、S量
が無害領域の極限量まで低下できなかった場合は、最近
の苛酷な環境において耐HIC性を確保できないという
問題点を有している。さらに、特公平5−87582号
公報に開示の方法は、図2に示すCaO−Al2O3平衡
状態図によれば、分子構成比m/n<1の複合介在物
は、3CaO・5Al2O3、CaO・6Al2O3および
Al2O3との複合介在物である。これらの複合介在物の
中では、Ca添加時の溶鋼温度(約1600℃)におい
て溶鋼中液状であることにより界面張力によってHIC
に無害な球状を呈する可能性のあるのは3CaO・5A
l2O3だけであることはよく知られており、溶鋼のCa
とAlの含有量のみで制御した場合、球状化していない
CaO−Al2O3系介在物の生成が十分考えられ、HI
Cの発生をもたらすこととなり、介在物組成制御が不十
分である。また、特公平5−87582号公報に開示の
Al含有量は、酸化物を形成しているInsol.Al
だけでなく、鋼中に固溶しているSol.Alも含めた
ものと考えられ、CaO−Al2O3系介在物組成を示す
ものとはいえない。
7144号公報に開示の方法は、Zr添加によって介在
物をZrO2・Al2O3の複合介在物に改質してその融
点を上げ、電縫溶接時の延伸を回避するものであるが、
Zr添加は製鋼コストが高いうえに、その酸化性が大な
るため合金添加歩留が不安定で、かつ連続鋳造時には浸
漬ノズル閉塞を生じ易く、工業的には一般的でない。ま
た、特公平5−53857号公報に開示の方法は、本発
明者らの調査によれば、Ca<0.001%あるいはC
a非添加ではHICの発生の起点となるMnSを消滅さ
せるためにS量を極限まで低減させる必要があり、低S
化のための脱硫処理コストが増大するばかりでなく、M
nSを形態制御して無害化するCa添加法の方が工業的
規模での生産工程においては有利である。しかも、S量
が無害領域の極限量まで低下できなかった場合は、最近
の苛酷な環境において耐HIC性を確保できないという
問題点を有している。さらに、特公平5−87582号
公報に開示の方法は、図2に示すCaO−Al2O3平衡
状態図によれば、分子構成比m/n<1の複合介在物
は、3CaO・5Al2O3、CaO・6Al2O3および
Al2O3との複合介在物である。これらの複合介在物の
中では、Ca添加時の溶鋼温度(約1600℃)におい
て溶鋼中液状であることにより界面張力によってHIC
に無害な球状を呈する可能性のあるのは3CaO・5A
l2O3だけであることはよく知られており、溶鋼のCa
とAlの含有量のみで制御した場合、球状化していない
CaO−Al2O3系介在物の生成が十分考えられ、HI
Cの発生をもたらすこととなり、介在物組成制御が不十
分である。また、特公平5−87582号公報に開示の
Al含有量は、酸化物を形成しているInsol.Al
だけでなく、鋼中に固溶しているSol.Alも含めた
ものと考えられ、CaO−Al2O3系介在物組成を示す
ものとはいえない。
【0015】また、上記特開昭59−22765号公
報、特開平2−290947号公報ならびに特公平6−
96733号公報に開示の方法は、CaOフラックス吹
き込みによる脱硫が前提であり、さらにCaSi吹き込
み後の溶鋼成分の制御は、この処理を行っている二次精
錬下では、分析に長時間を要するため、分析値を確認し
ながら調整すると溶鋼温度降下の問題があり、実操業上
での実施は非常に困難である。
報、特開平2−290947号公報ならびに特公平6−
96733号公報に開示の方法は、CaOフラックス吹
き込みによる脱硫が前提であり、さらにCaSi吹き込
み後の溶鋼成分の制御は、この処理を行っている二次精
錬下では、分析に長時間を要するため、分析値を確認し
ながら調整すると溶鋼温度降下の問題があり、実操業上
での実施は非常に困難である。
【0016】この発明の目的は、上記従来技術の欠点を
解消し、Zr等の特別な元素を添加せず、かつCa添加
後の溶鋼中の[Ca]、[Al]、[O]の濃度規制を
行うことなく、鋼中介在物の組成制御を行うことによっ
て、耐HIC性を確保すると共に、電縫溶接部の靭性劣
化を解消できる低温靭性に優れた耐食性電縫鋼管用鋼の
製造方法を提供することにある。
解消し、Zr等の特別な元素を添加せず、かつCa添加
後の溶鋼中の[Ca]、[Al]、[O]の濃度規制を
行うことなく、鋼中介在物の組成制御を行うことによっ
て、耐HIC性を確保すると共に、電縫溶接部の靭性劣
化を解消できる低温靭性に優れた耐食性電縫鋼管用鋼の
製造方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべくCa添加した鋼について、電縫溶接部の靭
性値と溶接部に存在する介在物の形状および組成につき
詳細な調査を実施した。その結果、電縫溶接部の靭性低
下をもたらす電縫溶接部で板状となる介在物は、CaO
とAl2O3の複合介在物であり、m(CaO)・n(A
l2O3)の分子比で1≦m/n≦3の介在物であること
が判明した。この1≦m/n≦3の分子比を持つ介在物
は、図2のCaO−Al2O3系平衡状態図を見れば、1
400℃以下の低融点介在物であり、電縫溶接部近傍で
延伸することが十分に考えられる。一方、電縫溶接部の
耐HIC性と低温靭性の劣化を生じなかった鋼もあり、
その介在物を調査したところ、m(CaO)・n(Al
2O3)の複合介在物で、その分子構成比がm/n≧3の
範囲となっていることが判明した。
を達成すべくCa添加した鋼について、電縫溶接部の靭
性値と溶接部に存在する介在物の形状および組成につき
詳細な調査を実施した。その結果、電縫溶接部の靭性低
下をもたらす電縫溶接部で板状となる介在物は、CaO
とAl2O3の複合介在物であり、m(CaO)・n(A
l2O3)の分子比で1≦m/n≦3の介在物であること
が判明した。この1≦m/n≦3の分子比を持つ介在物
は、図2のCaO−Al2O3系平衡状態図を見れば、1
400℃以下の低融点介在物であり、電縫溶接部近傍で
延伸することが十分に考えられる。一方、電縫溶接部の
耐HIC性と低温靭性の劣化を生じなかった鋼もあり、
その介在物を調査したところ、m(CaO)・n(Al
2O3)の複合介在物で、その分子構成比がm/n≧3の
範囲となっていることが判明した。
【0018】さらに、母材部において分散・球状化した
CaO介在物は、高融点のため電縫溶接部において板状
に変形しないことも確認された。上記の結果から、電縫
溶接部の低温靭性を劣化させるのは、電縫溶接時に板状
化する低融点の脱酸生成物である介在物であって、介在
物の板状化を抑制するためには高融点介在物とする必要
があることが判明した。介在物を高融点化するには、C
aO−Al2O3平衡状態図から(CaO)と(Al
2O3)の重量構成比を高(CaO)組成とするか、ある
いは特公平5−87582号公報に開示のように高(A
l2O3)組成とするかのいずれかである。
CaO介在物は、高融点のため電縫溶接部において板状
に変形しないことも確認された。上記の結果から、電縫
溶接部の低温靭性を劣化させるのは、電縫溶接時に板状
化する低融点の脱酸生成物である介在物であって、介在
物の板状化を抑制するためには高融点介在物とする必要
があることが判明した。介在物を高融点化するには、C
aO−Al2O3平衡状態図から(CaO)と(Al
2O3)の重量構成比を高(CaO)組成とするか、ある
いは特公平5−87582号公報に開示のように高(A
l2O3)組成とするかのいずれかである。
【0019】しかし、高(Al2O3)組成の場合、前記
したとおり高(Al2O3)組成比の複合介在物(CaO
・6Al2O3)は、HICに無害な球状化が行われず、
また、CaがSよりもOとの親和力が強いことから、溶
鋼中に添加されたCaは先ず(Al2O3)と反応して複
合介在物となり、その後Sと反応して(CaS)となる
形態を取るため、添加されたCaは(Al2O3)との反
応に大部分が消費され、Sとの反応に必要なCaが不足
して耐HIC性に重大な悪影響を及ぼすMnSが生成す
る可能性が非常に高く好ましくない。また、高(Ca
O)組成時においても、過剰なCa添加は分散・球状化
した(CaO)介在物だけでなく、(CaO)、(Ca
S)のクラスター状介在物を多く生成し、耐HIC性に
有害であることがよく知られている(特開昭59−76
818号公報、特開平2−290947号公報)。
したとおり高(Al2O3)組成比の複合介在物(CaO
・6Al2O3)は、HICに無害な球状化が行われず、
また、CaがSよりもOとの親和力が強いことから、溶
鋼中に添加されたCaは先ず(Al2O3)と反応して複
合介在物となり、その後Sと反応して(CaS)となる
形態を取るため、添加されたCaは(Al2O3)との反
応に大部分が消費され、Sとの反応に必要なCaが不足
して耐HIC性に重大な悪影響を及ぼすMnSが生成す
る可能性が非常に高く好ましくない。また、高(Ca
O)組成時においても、過剰なCa添加は分散・球状化
した(CaO)介在物だけでなく、(CaO)、(Ca
S)のクラスター状介在物を多く生成し、耐HIC性に
有害であることがよく知られている(特開昭59−76
818号公報、特開平2−290947号公報)。
【0020】つぎに本発明者らは、先ずHICの発生原
因となる介在物について詳細な調査を実施した。その結
果、Ca処理鋼における介在物は、CaO、CaS、C
aO−Al2O3系複合介在物と、さらに取鍋耐火物との
反応によって生じたCaO−Al2O3−ZrO2複合介
在物、CaO−Al2O3−MgO2複合介在物であるこ
とを究明した。
因となる介在物について詳細な調査を実施した。その結
果、Ca処理鋼における介在物は、CaO、CaS、C
aO−Al2O3系複合介在物と、さらに取鍋耐火物との
反応によって生じたCaO−Al2O3−ZrO2複合介
在物、CaO−Al2O3−MgO2複合介在物であるこ
とを究明した。
【0021】さらに、本発明者らは、HICが発生した
鋼材について介在物とHIC発生との関係を調査したと
ころ、Ca添加不足と考えられる高融点介在物であるA
l2O3高含有組成のCaO−Al2O3複合介在物とMn
Sが残留している場合と、Caの過剰添加が原因と考え
られるCaO、CaS量が非常に多く、介在物自体がク
ラスター化している場合の2種類の介在物形態が認めら
れた。
鋼材について介在物とHIC発生との関係を調査したと
ころ、Ca添加不足と考えられる高融点介在物であるA
l2O3高含有組成のCaO−Al2O3複合介在物とMn
Sが残留している場合と、Caの過剰添加が原因と考え
られるCaO、CaS量が非常に多く、介在物自体がク
ラスター化している場合の2種類の介在物形態が認めら
れた。
【0022】そこで、本発明者らは、脱酸生成物の組成
制御を種々試験検討した結果、介在物組成である(Ca
O)、(CaS)、(Al2O3)、(ZrO 2 )、(M
gO)に着目し、鋼中のCaとOの含有量で制御する方
法を考えた。製品鋼中の[Ca]含有量は、大部分が介
在物形態となったものであり、CaOとCaO−Al2
O3複合介在物中のCaOおよびCaSを構成するもの
であり、一方製品鋼中の[O]は、CaOとCa系複合
介在物中のCaO、Al2O3およびZrO2、MgO等
の酸化物を構成するものである。
制御を種々試験検討した結果、介在物組成である(Ca
O)、(CaS)、(Al2O3)、(ZrO 2 )、(M
gO)に着目し、鋼中のCaとOの含有量で制御する方
法を考えた。製品鋼中の[Ca]含有量は、大部分が介
在物形態となったものであり、CaOとCaO−Al2
O3複合介在物中のCaOおよびCaSを構成するもの
であり、一方製品鋼中の[O]は、CaOとCa系複合
介在物中のCaO、Al2O3およびZrO2、MgO等
の酸化物を構成するものである。
【0023】上記の結果から、製品鋼中の[Ca]含有
量からCaSを生成している[Ca]量やSol.[C
a]量および[O]含有量からZrO2、MgO等の酸
化物を生成している[O]量を減じることによって、製
品鋼中の[Ca]および[O]含有量からCaOとAl
2O3で構成されているCa系介在物の組成比を導き出す
ことは可能である。しかしながら、[Ca]、[S]、
[O]の分析は容易であるが、Sol.[Ca]、In
sol.[Al]、[Zr]、[Mg]の微量分析は困
難である。
量からCaSを生成している[Ca]量やSol.[C
a]量および[O]含有量からZrO2、MgO等の酸
化物を生成している[O]量を減じることによって、製
品鋼中の[Ca]および[O]含有量からCaOとAl
2O3で構成されているCa系介在物の組成比を導き出す
ことは可能である。しかしながら、[Ca]、[S]、
[O]の分析は容易であるが、Sol.[Ca]、In
sol.[Al]、[Zr]、[Mg]の微量分析は困
難である。
【0024】そこで本発明者らは、簡便法として[S]
≦0.001%であれば、CaSの生成量とZrO2、
MgO等の酸化物の量がさほど大きく変化しないものと
して、製品鋼中の[Ca]と[O]含有量の比[Ca]
/[O]と定量分析によって得られたCaOとAl2O3
量によるCaOとAl2O3の組成比の関係を調査した。
その結果を図1に示すが、図2に示すCaO−Al2O3
状態図の組成から計算した製品鋼中[Ca]/[O]の
理論線と比較すると、高融点領域においてほぼ一致して
いるが、低融点領域においては、高[Ca]/[O]側
に大きくずれることが判明した。これは、CaSの生成
量とZrO2、MgO等の酸化物の量がさほど大きく変
化しないものとして無視したことによると考えられる
が、製品鋼中[Ca]/[O]値によってCaO−Al
2O3系複合介在物の組成を推定するには十分である。な
お、図1および図2中の3C・A、3C・5A等のCは
CaOをAはAl2O3を示す。
≦0.001%であれば、CaSの生成量とZrO2、
MgO等の酸化物の量がさほど大きく変化しないものと
して、製品鋼中の[Ca]と[O]含有量の比[Ca]
/[O]と定量分析によって得られたCaOとAl2O3
量によるCaOとAl2O3の組成比の関係を調査した。
その結果を図1に示すが、図2に示すCaO−Al2O3
状態図の組成から計算した製品鋼中[Ca]/[O]の
理論線と比較すると、高融点領域においてほぼ一致して
いるが、低融点領域においては、高[Ca]/[O]側
に大きくずれることが判明した。これは、CaSの生成
量とZrO2、MgO等の酸化物の量がさほど大きく変
化しないものとして無視したことによると考えられる
が、製品鋼中[Ca]/[O]値によってCaO−Al
2O3系複合介在物の組成を推定するには十分である。な
お、図1および図2中の3C・A、3C・5A等のCは
CaOをAはAl2O3を示す。
【0025】上記の結果から、製品鋼中[Ca]/
[O]値とCaO−Al2O3系複合介在物組成との関
係は、次のように考えるのが妥当である。 [Ca]/[O]>約1.5…………高融点介在物および低融点介在物の共存 約1.5≧[Ca]/[O]>約0.8…低融点介在物 約0.8≧[Ca]/[O]…………高融点介在物 ここで、約1.5≧[Ca]/[O]>約0.8の範囲
は、従来技術にも示されている電縫溶接時に板状変形し
電縫溶接部の靭性を低下させる低融点の球状介在物であ
り、[Ca]/[O]>約1.5の範囲は、電縫溶接部
の靭性を劣化させない高融点介在物および低融点介在物
の共存する領域である。
[O]値とCaO−Al2O3系複合介在物組成との関
係は、次のように考えるのが妥当である。 [Ca]/[O]>約1.5…………高融点介在物および低融点介在物の共存 約1.5≧[Ca]/[O]>約0.8…低融点介在物 約0.8≧[Ca]/[O]…………高融点介在物 ここで、約1.5≧[Ca]/[O]>約0.8の範囲
は、従来技術にも示されている電縫溶接時に板状変形し
電縫溶接部の靭性を低下させる低融点の球状介在物であ
り、[Ca]/[O]>約1.5の範囲は、電縫溶接部
の靭性を劣化させない高融点介在物および低融点介在物
の共存する領域である。
【0026】さらに、本発明者らは、製品鋼中の[C
a]/[O]とHICの発生との関係を調査したとこ
ろ、図3に示すとおり、[Ca]/[O]=0.8〜
2.0の領域においてHICが発生しないことを確認し
た。この調査結果から、従来より云われている低融点介
在物だけではなく、高融点介在物・低融点介在物共存領
域においても介在物が圧延時にクラスター化しなけれ
ば、耐HIC性に悪影響を及ぼさないことを究明した。
しかし、[Ca]/[O]>2になるとCaOおよびC
aSが多く生成し、圧延時にクラスター化した介在物と
なり、また、[Ca]/[O]<0.8では、MnSが
残留してHICを発生させる起点となることが明確とな
った。
a]/[O]とHICの発生との関係を調査したとこ
ろ、図3に示すとおり、[Ca]/[O]=0.8〜
2.0の領域においてHICが発生しないことを確認し
た。この調査結果から、従来より云われている低融点介
在物だけではなく、高融点介在物・低融点介在物共存領
域においても介在物が圧延時にクラスター化しなけれ
ば、耐HIC性に悪影響を及ぼさないことを究明した。
しかし、[Ca]/[O]>2になるとCaOおよびC
aSが多く生成し、圧延時にクラスター化した介在物と
なり、また、[Ca]/[O]<0.8では、MnSが
残留してHICを発生させる起点となることが明確とな
った。
【0027】そこで、本発明者らは、電縫溶接部の靭性
の劣化しない製品鋼中の[Ca]/[O]=1.5〜
2.0を得る方法について検討を加えた。取鍋中にCa
を添加する場合、Ca添加量が不足の時、耐HIC性に
重大な悪影響を及ぼすMnSが生成すること、また、逆
にCaの過剰な添加は、(CaO)、(CaS)のクラ
スター状介在物を多く生成し、耐HIC性に有害である
ことは前記のとおりである。
の劣化しない製品鋼中の[Ca]/[O]=1.5〜
2.0を得る方法について検討を加えた。取鍋中にCa
を添加する場合、Ca添加量が不足の時、耐HIC性に
重大な悪影響を及ぼすMnSが生成すること、また、逆
にCaの過剰な添加は、(CaO)、(CaS)のクラ
スター状介在物を多く生成し、耐HIC性に有害である
ことは前記のとおりである。
【0028】本発明者らは、前記溶鋼中におけるCaの
反応形態からCa添加前の溶鋼中のAl2O3含有量およ
びO含有量に着目し、CaSi添加量を変化させてCa
添加前の溶鋼中O含有量と製品鋼中における[Ca]/
[O]との関係について調査した。その結果、図4に示
すとおり、Ca添加前の溶鋼中[O]含有量が0.00
20%を超えると、Ca添加後の製品鋼中[Ca]/
[O]が大きくバラツキ、実操業に使用できるようなC
aSi添加量との相関が得られないが、Ca添加前の溶
鋼中の[O]含有量が0.0020%以下の時には、C
a添加後の製品鋼中[Ca]/[O]のバラツキが非常
に少なく、CaSi添加量との良い相関が得られ、製品
鋼中[Ca]/[O]の値をCaSi添加量のみで精度
よく制御できることを究明した。
反応形態からCa添加前の溶鋼中のAl2O3含有量およ
びO含有量に着目し、CaSi添加量を変化させてCa
添加前の溶鋼中O含有量と製品鋼中における[Ca]/
[O]との関係について調査した。その結果、図4に示
すとおり、Ca添加前の溶鋼中[O]含有量が0.00
20%を超えると、Ca添加後の製品鋼中[Ca]/
[O]が大きくバラツキ、実操業に使用できるようなC
aSi添加量との相関が得られないが、Ca添加前の溶
鋼中の[O]含有量が0.0020%以下の時には、C
a添加後の製品鋼中[Ca]/[O]のバラツキが非常
に少なく、CaSi添加量との良い相関が得られ、製品
鋼中[Ca]/[O]の値をCaSi添加量のみで精度
よく制御できることを究明した。
【0029】そこで、本発明者らは、Ca添加前の溶鋼
中の[O]含有量が0.0020%以下の溶鋼につい
て、Ca添加後の製品鋼中の[Ca]/[O]=1.5
〜2.0を得るため、Ca添加量とCa添加後の製品鋼
中の[Ca]/[O]との関係について調査した結果、
図4に示すとおり、CaSi添加量1.2〜1.8kg
/TSの間とすれば、電縫溶接時に板状変形して溶接部
の靭性を劣化させる低融点CaO−Al2O3系複合介在
物の生成を防止できると共に、Ca過剰による(Ca
O)、(CaS)系のクラスター状介在物の生成を防止
できることを究明し、この発明に到達した。
中の[O]含有量が0.0020%以下の溶鋼につい
て、Ca添加後の製品鋼中の[Ca]/[O]=1.5
〜2.0を得るため、Ca添加量とCa添加後の製品鋼
中の[Ca]/[O]との関係について調査した結果、
図4に示すとおり、CaSi添加量1.2〜1.8kg
/TSの間とすれば、電縫溶接時に板状変形して溶接部
の靭性を劣化させる低融点CaO−Al2O3系複合介在
物の生成を防止できると共に、Ca過剰による(Ca
O)、(CaS)系のクラスター状介在物の生成を防止
できることを究明し、この発明に到達した。
【0030】すなわち本願の請求項1の発明は、C:
0.01〜0.20%、Si:0.01〜0.50%、
Mn:0.50〜1.80%、P:0.020%以下、
S:0.001%以下、Al:0.005〜0.100
%に加え、Ca:0.0005〜0.0050%を含有
し、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼を、予め
脱酸および脱硫処理したCa添加前の溶鋼中の[O]量
を0.0020%以下としたのち、Ca、Oの含有量の
比[Ca]/[O]が1.5〜2.0の範囲となるよう
にCaを添加することを特徴とする低温靭性に優れた耐
食性電縫鋼管用鋼の製造方法である。
0.01〜0.20%、Si:0.01〜0.50%、
Mn:0.50〜1.80%、P:0.020%以下、
S:0.001%以下、Al:0.005〜0.100
%に加え、Ca:0.0005〜0.0050%を含有
し、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼を、予め
脱酸および脱硫処理したCa添加前の溶鋼中の[O]量
を0.0020%以下としたのち、Ca、Oの含有量の
比[Ca]/[O]が1.5〜2.0の範囲となるよう
にCaを添加することを特徴とする低温靭性に優れた耐
食性電縫鋼管用鋼の製造方法である。
【0031】また、本願の請求項2の発明は、C:0.
01〜0.20%、Si:0.01〜0.50%、M
n:0.50〜1.80%、P:0.020%以下、
S:0.001%以下、Al:0.005〜0.100
%に加え、Ca:0.0005〜0.0050%を含有
し、さらに、Cu:0.20〜0.80%、Ni:0.
05〜0.60%、Cr:1.00%以下、Mo:1.
00%以下、Ti:0.01〜0.10%、Nb:0.
01〜0.10%、V:0.10%以下のうちの1種ま
たは2種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物
からなる鋼を、予め脱酸および脱硫処理したCa添加前
の溶鋼中の[O]量を0.0020%以下と したのち、
Ca、Oの含有量の比[Ca]/[O]が1.5〜2.
0の範囲となるようにCaを添加することを特徴とする
低温靭性に優れた耐食性電縫鋼管用鋼の製造方法であ
る。
01〜0.20%、Si:0.01〜0.50%、M
n:0.50〜1.80%、P:0.020%以下、
S:0.001%以下、Al:0.005〜0.100
%に加え、Ca:0.0005〜0.0050%を含有
し、さらに、Cu:0.20〜0.80%、Ni:0.
05〜0.60%、Cr:1.00%以下、Mo:1.
00%以下、Ti:0.01〜0.10%、Nb:0.
01〜0.10%、V:0.10%以下のうちの1種ま
たは2種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物
からなる鋼を、予め脱酸および脱硫処理したCa添加前
の溶鋼中の[O]量を0.0020%以下と したのち、
Ca、Oの含有量の比[Ca]/[O]が1.5〜2.
0の範囲となるようにCaを添加することを特徴とする
低温靭性に優れた耐食性電縫鋼管用鋼の製造方法であ
る。
【0032】さらに、本願の請求項3の発明は、C:
0.01〜0.20%、Si:0.01〜0.50%、
Mn:0.50〜1.80%、P:0.020%以下、
S:0.001%以下、Al:0.005〜0.100
%に加え、Ca:0.0005〜0.0050%を含有
し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、Ca、O
の含有量の比[Ca]/[O]が1.5〜2.0の鋼を
製造するに際し、予め脱酸および脱硫処理したCa添加
前の溶鋼中の[O]量を0.0020%以下とし、Ca
Siを1.2〜1.8kg/Ton−Steel添加す
ることによって、製品鋼中の[Ca]、[O]の含有量
の比[Ca]/[O]を1.5〜2.0の範囲とするこ
とを特徴とする低温靭性に優れた耐食性電縫鋼管用鋼の
製造方法である。
0.01〜0.20%、Si:0.01〜0.50%、
Mn:0.50〜1.80%、P:0.020%以下、
S:0.001%以下、Al:0.005〜0.100
%に加え、Ca:0.0005〜0.0050%を含有
し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、Ca、O
の含有量の比[Ca]/[O]が1.5〜2.0の鋼を
製造するに際し、予め脱酸および脱硫処理したCa添加
前の溶鋼中の[O]量を0.0020%以下とし、Ca
Siを1.2〜1.8kg/Ton−Steel添加す
ることによって、製品鋼中の[Ca]、[O]の含有量
の比[Ca]/[O]を1.5〜2.0の範囲とするこ
とを特徴とする低温靭性に優れた耐食性電縫鋼管用鋼の
製造方法である。
【0033】さらにまた、本願の請求項4の発明は、
C:0.01〜0.20%、Si:0.01〜0.50
%、Mn:0.50〜1.80%、P:0.020%以
下、S:0.001%以下、Al:0.005〜0.1
00%に加え、Ca:0.0005〜0.0050%を
含有し、さらに、Cu:0.20〜0.80%、Ni:
0.05〜0.60%、Cr:1.00%以下、Mo:
1.00%以下、Ti:0.01〜0.10%、Nb:
0.01〜0.10%、V:0.10%以下のうちの1
種または2種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不
純物からなり、Ca、Oの含有量の比[Ca]/[O]
が1.5〜2.0の鋼を製造するに際し、予め脱酸およ
び脱硫処理したCa添加前の溶鋼中の[O]量を0.0
020%以下とし、CaSiを1.2〜1.8kg/T
on−Steel添加することによって、製品鋼中の
[Ca]、[O]の含有量の比[Ca]/[O]を1.
5〜2.0の範囲とすることを特徴とする低温靭性に優
れた耐食性電縫鋼管用鋼の製造方法である。
C:0.01〜0.20%、Si:0.01〜0.50
%、Mn:0.50〜1.80%、P:0.020%以
下、S:0.001%以下、Al:0.005〜0.1
00%に加え、Ca:0.0005〜0.0050%を
含有し、さらに、Cu:0.20〜0.80%、Ni:
0.05〜0.60%、Cr:1.00%以下、Mo:
1.00%以下、Ti:0.01〜0.10%、Nb:
0.01〜0.10%、V:0.10%以下のうちの1
種または2種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不
純物からなり、Ca、Oの含有量の比[Ca]/[O]
が1.5〜2.0の鋼を製造するに際し、予め脱酸およ
び脱硫処理したCa添加前の溶鋼中の[O]量を0.0
020%以下とし、CaSiを1.2〜1.8kg/T
on−Steel添加することによって、製品鋼中の
[Ca]、[O]の含有量の比[Ca]/[O]を1.
5〜2.0の範囲とすることを特徴とする低温靭性に優
れた耐食性電縫鋼管用鋼の製造方法である。
【0034】
【発明の実施の形態】この発明の対象となる鋼は、高強
度の耐食性ラインパイプ用の電縫鋼管用鋼であるため、
化学成分を下記のとおり限定する。Cは鋼の強度を向上
させる基本的な元素で、強度確保のためには0.01%
以上必要であるが、0.20%を超えると靭性や溶接性
などに望ましくなく、使用上に影響があるほか、連続鋳
造材での中心偏析帯の異常組織であるベイナイトやマル
テンサイトの発生防止に望ましくないため、0.01〜
0.20%とした。
度の耐食性ラインパイプ用の電縫鋼管用鋼であるため、
化学成分を下記のとおり限定する。Cは鋼の強度を向上
させる基本的な元素で、強度確保のためには0.01%
以上必要であるが、0.20%を超えると靭性や溶接性
などに望ましくなく、使用上に影響があるほか、連続鋳
造材での中心偏析帯の異常組織であるベイナイトやマル
テンサイトの発生防止に望ましくないため、0.01〜
0.20%とした。
【0035】Siは精錬時の脱酸剤として使用するほ
か、強度向上のために0.01%以上必要であるが、
0.50%を超えると脆性が増すため、0.01〜0.
50%とした。Mnは鋼の強度ならびに靭性を付与する
のに必要な元素で、強度確保のためには0.50%以上
必要であるが、1.80%を超えると溶接性および靭性
が悪化するため、0.50〜1.80%とした。
か、強度向上のために0.01%以上必要であるが、
0.50%を超えると脆性が増すため、0.01〜0.
50%とした。Mnは鋼の強度ならびに靭性を付与する
のに必要な元素で、強度確保のためには0.50%以上
必要であるが、1.80%を超えると溶接性および靭性
が悪化するため、0.50〜1.80%とした。
【0036】Pは連続鋳造材での中心偏析帯の異常組織
であるベイナイトやマルテンサイトの発生を助長する元
素であるため、0.020%以下とした。Sは含有量が
多いと硫化物系介在物を生成し、耐HIC性に多大の悪
影響を及ぼすため、0.001%以下とした。Alは精
錬時の脱酸に必要な元素で、0.005%未満ではその
効果がなく、0.10%を超えると介在物の増加等によ
って鋼質の劣化をもたらすため、0.005〜0.10
%とした。
であるベイナイトやマルテンサイトの発生を助長する元
素であるため、0.020%以下とした。Sは含有量が
多いと硫化物系介在物を生成し、耐HIC性に多大の悪
影響を及ぼすため、0.001%以下とした。Alは精
錬時の脱酸に必要な元素で、0.005%未満ではその
効果がなく、0.10%を超えると介在物の増加等によ
って鋼質の劣化をもたらすため、0.005〜0.10
%とした。
【0037】Caは介在物の形態制御に用いられるが、
MnSを球状化して耐HIC性を向上させるためには少
なくとも0.0005%以上必要であり、0.005%
を超えると飽和してそれ以上の効果がないばかりでな
く、Ca系の介在物クラスターが増加して耐HIC性を
低下させるため、0.0005〜0.005%とした。
なお、重要なのはOとの成分比が、1.5≦[Ca]/
[O]≦2.0を満たすことである。
MnSを球状化して耐HIC性を向上させるためには少
なくとも0.0005%以上必要であり、0.005%
を超えると飽和してそれ以上の効果がないばかりでな
く、Ca系の介在物クラスターが増加して耐HIC性を
低下させるため、0.0005〜0.005%とした。
なお、重要なのはOとの成分比が、1.5≦[Ca]/
[O]≦2.0を満たすことである。
【0038】Cuは鋼の強度向上および耐HIC性に効
果を有する元素であるが、0.20%未満ではその効果
がなく、0.80%を超えると溶接性の劣化と共に熱間
加工性に悪影響を及ぼすため、0.20〜0.80%と
した。Niは鋼の靭性向上の効果を有する元素である
が、0.05%未満ではその効果がなく、0.6%を超
えると鋼中への水素浸透防止に対しては有害となるの
で、0.05〜0.6%とした。なお、NiはCuを
0.30%以上0.80%以下添加する場合のCu脆性
と表面品質等悪化を防止するため、上記範囲内でCuと
同時に添加してもよい。
果を有する元素であるが、0.20%未満ではその効果
がなく、0.80%を超えると溶接性の劣化と共に熱間
加工性に悪影響を及ぼすため、0.20〜0.80%と
した。Niは鋼の靭性向上の効果を有する元素である
が、0.05%未満ではその効果がなく、0.6%を超
えると鋼中への水素浸透防止に対しては有害となるの
で、0.05〜0.6%とした。なお、NiはCuを
0.30%以上0.80%以下添加する場合のCu脆性
と表面品質等悪化を防止するため、上記範囲内でCuと
同時に添加してもよい。
【0039】Ti、Nbは鋼の強度向上効果を有する元
素であるが、0.01%未満では強度向上効果が期待で
きず、また、0.10%を超えると靭性を損なうので、
0.01〜0.10%とした。NACE環境において
は、Cuの耐食効果がないためCuを添加しなくともよ
いが、Cuを添加しない場合の鋼の強度確保のため、T
i、Nbを0.01%以上添加することが必要である。
Cr、Mo、Vは鋼の強度を向上させる元素であるが、
1.0%を超えて添加しても強度上昇効果が少なく、経
済的に不利となるので、1.0%以下とした。また、こ
れらの任意添加元素は、対象となる鋼の使用環境、要求
強度レベルによって組合せて使用される。
素であるが、0.01%未満では強度向上効果が期待で
きず、また、0.10%を超えると靭性を損なうので、
0.01〜0.10%とした。NACE環境において
は、Cuの耐食効果がないためCuを添加しなくともよ
いが、Cuを添加しない場合の鋼の強度確保のため、T
i、Nbを0.01%以上添加することが必要である。
Cr、Mo、Vは鋼の強度を向上させる元素であるが、
1.0%を超えて添加しても強度上昇効果が少なく、経
済的に不利となるので、1.0%以下とした。また、こ
れらの任意添加元素は、対象となる鋼の使用環境、要求
強度レベルによって組合せて使用される。
【0040】この発明においてCa添加前の溶鋼中の
[O]量を0.0020%以下としたのは、Ca添加前
の溶鋼中の[O]量が0.0020%を超えると、Ca
添加後の製品鋼中[Ca]/[O]が大きくバラツキ、
実操業に使用できるようなCaSi添加量との相関が得
られないが、Ca添加前の溶鋼中の[O]量が0.00
20%以下の時には、Ca添加後の製品鋼中[Ca]/
[O]のバラツキが非常に少なく、CaSi添加量との
良い相関が得られ、製品鋼中[Ca]/[O]の値をC
aSi添加量のみで精度よく制御できるからである。
[O]量を0.0020%以下としたのは、Ca添加前
の溶鋼中の[O]量が0.0020%を超えると、Ca
添加後の製品鋼中[Ca]/[O]が大きくバラツキ、
実操業に使用できるようなCaSi添加量との相関が得
られないが、Ca添加前の溶鋼中の[O]量が0.00
20%以下の時には、Ca添加後の製品鋼中[Ca]/
[O]のバラツキが非常に少なく、CaSi添加量との
良い相関が得られ、製品鋼中[Ca]/[O]の値をC
aSi添加量のみで精度よく制御できるからである。
【0041】この発明において溶鋼中に添加するCaS
iを1.2〜1.8kg/TSとしたのは、1.2kg
/TS未満では製品鋼中の[Ca]/[O]が1.5未
満となって、CaO−Al2O3系複合介在物を低融点・
高融点介在物の共存領域とできず、電縫溶接時に溶接部
で板状変形して靭性を劣化させる低融点介在物が生成す
ると共に、1.8kg/TSを超えるとCa過剰による
(CaO)、(CaS)系のクラスター状介在物が生成
し、優れた溶接部靭性を有する耐HIC性に優れた電縫
鋼管用鋼を得ることができないからである。
iを1.2〜1.8kg/TSとしたのは、1.2kg
/TS未満では製品鋼中の[Ca]/[O]が1.5未
満となって、CaO−Al2O3系複合介在物を低融点・
高融点介在物の共存領域とできず、電縫溶接時に溶接部
で板状変形して靭性を劣化させる低融点介在物が生成す
ると共に、1.8kg/TSを超えるとCa過剰による
(CaO)、(CaS)系のクラスター状介在物が生成
し、優れた溶接部靭性を有する耐HIC性に優れた電縫
鋼管用鋼を得ることができないからである。
【0042】また、この発明において製品鋼中の[C
a]、[O]の含有量の比[Ca]/[O]=1.5〜
2.0の範囲としたのは、[Ca]/[O]が2を超え
るとCaOおよびCaSが多く生成し、圧延時にクラス
ター化した介在物となり、クラスター化した介在物によ
るHICが発生し、また、[Ca]/[O]が1.5未
満であると、CaO−Al2O3系複合介在物を低融点・
高融点介在物の共存領域とできず、電縫溶接時に溶接部
で板状変形して靭性を劣化させる低融点介在物が生成す
るからである。
a]、[O]の含有量の比[Ca]/[O]=1.5〜
2.0の範囲としたのは、[Ca]/[O]が2を超え
るとCaOおよびCaSが多く生成し、圧延時にクラス
ター化した介在物となり、クラスター化した介在物によ
るHICが発生し、また、[Ca]/[O]が1.5未
満であると、CaO−Al2O3系複合介在物を低融点・
高融点介在物の共存領域とできず、電縫溶接時に溶接部
で板状変形して靭性を劣化させる低融点介在物が生成す
るからである。
【0043】この発明の特徴は、Ca添加前の脱硫処理
法についての規制をなくし、前記大気中または真空下で
のCaOフラックス吹き込みによる脱硫方法あるいは取
鍋中の溶鋼上のスラグを脱硫能力を持つ合成スラグに置
換し、Arバブリング等の溶鋼撹拌によって脱硫を行う
だけでもよい方法としたことである。
法についての規制をなくし、前記大気中または真空下で
のCaOフラックス吹き込みによる脱硫方法あるいは取
鍋中の溶鋼上のスラグを脱硫能力を持つ合成スラグに置
換し、Arバブリング等の溶鋼撹拌によって脱硫を行う
だけでもよい方法としたことである。
【0044】また、この発明の特徴は、脱硫後すなわち
Ca添加前の溶鋼中の[O]量を0.0020%以下と
しておくことである。Ca添加前の溶鋼中の[O]量を
0.0020%以下に低下させる方法としては、溶鋼中
の[O]は酸化物としての形態を取っているため、真空
精錬炉での溶鋼還流や取鍋内溶鋼へのArガス吹き込み
等による酸化物系介在物の浮上促進やスラグへの吸着等
によって、容易に溶鋼中[O]量を0.0020%以下
とすることができる。なお、この時の溶鋼中の[S]量
は、その後のCa添加によって脱硫反応が生じるため、
0.001%以下である必要はないが、耐HIC性に悪
影響を及ぼす硫化物の発生を抑制するという観点から、
極力[S]≦0.001%としておくことが望ましい。
この要件を満たせば、CaSiを1.2〜1.8kg/
TS添加することによって、製品鋼中の[Ca]、
[O]の含有量の比[Ca]/[O]=1.5〜2.0
の範囲に制御でき、CaO−Al2O3)系複合介在物を
低融点・高融点介在物の共存領域とでき、電縫溶接時に
溶接部で板状変形して靭性を劣化させる低融点介在物の
生成を防止できると共に、Ca過剰による(CaO)、
(CaS)系のクラスター状介在物の生成を防止でき、
優れた溶接部靭性を有する耐HIC性に優れた電縫鋼管
用鋼を得ることができる。
Ca添加前の溶鋼中の[O]量を0.0020%以下と
しておくことである。Ca添加前の溶鋼中の[O]量を
0.0020%以下に低下させる方法としては、溶鋼中
の[O]は酸化物としての形態を取っているため、真空
精錬炉での溶鋼還流や取鍋内溶鋼へのArガス吹き込み
等による酸化物系介在物の浮上促進やスラグへの吸着等
によって、容易に溶鋼中[O]量を0.0020%以下
とすることができる。なお、この時の溶鋼中の[S]量
は、その後のCa添加によって脱硫反応が生じるため、
0.001%以下である必要はないが、耐HIC性に悪
影響を及ぼす硫化物の発生を抑制するという観点から、
極力[S]≦0.001%としておくことが望ましい。
この要件を満たせば、CaSiを1.2〜1.8kg/
TS添加することによって、製品鋼中の[Ca]、
[O]の含有量の比[Ca]/[O]=1.5〜2.0
の範囲に制御でき、CaO−Al2O3)系複合介在物を
低融点・高融点介在物の共存領域とでき、電縫溶接時に
溶接部で板状変形して靭性を劣化させる低融点介在物の
生成を防止できると共に、Ca過剰による(CaO)、
(CaS)系のクラスター状介在物の生成を防止でき、
優れた溶接部靭性を有する耐HIC性に優れた電縫鋼管
用鋼を得ることができる。
【0045】
【実施例】表1、表2に示す鋼No.A〜Kの本発明方
法により製造した鋼および鋼No.L〜Zの従来鋼を熱
延コイルとしたのち、アズロールのままで電縫溶接して
表2に示す各種寸法の電縫鋼管を製造した。得られた各
電縫鋼管から電縫溶接部を含む厚さ5〜13mm、幅2
0mm、長さ100mmの試験片および母材部より厚さ
5〜13mm、幅20mm、長さ100mmの試験片を
採取し、H2Sを飽和させた5%NaCl水溶液に0.
5%CH3COOHを添加した溶液(温度25℃、pH
=2.7〜4.0、いわゆるNACE環境)に試験片を
96時間浸漬し、割れ面積率(CAR(%))を測定
し、耐HIC性を比較した。また、溶接部靭性は、JI
S Z2202に規定の4号試験片あるいはサブサイズ
4号試験片を各電縫鋼管のC方向から採取し、衝合部に
ノッチを入れたものを使用し、JIS Z2242に規
定のシャルピー衝撃試験に準じて測定した溶接部におけ
る破面遷移温度vTrsで比較した。その結果を表2、
図5に示す。
法により製造した鋼および鋼No.L〜Zの従来鋼を熱
延コイルとしたのち、アズロールのままで電縫溶接して
表2に示す各種寸法の電縫鋼管を製造した。得られた各
電縫鋼管から電縫溶接部を含む厚さ5〜13mm、幅2
0mm、長さ100mmの試験片および母材部より厚さ
5〜13mm、幅20mm、長さ100mmの試験片を
採取し、H2Sを飽和させた5%NaCl水溶液に0.
5%CH3COOHを添加した溶液(温度25℃、pH
=2.7〜4.0、いわゆるNACE環境)に試験片を
96時間浸漬し、割れ面積率(CAR(%))を測定
し、耐HIC性を比較した。また、溶接部靭性は、JI
S Z2202に規定の4号試験片あるいはサブサイズ
4号試験片を各電縫鋼管のC方向から採取し、衝合部に
ノッチを入れたものを使用し、JIS Z2242に規
定のシャルピー衝撃試験に準じて測定した溶接部におけ
る破面遷移温度vTrsで比較した。その結果を表2、
図5に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】表2および図5に示すとおり、鋼No.A
〜Kの本発明方法により製造した鋼を使用した電縫鋼管
は、HICの発生がなく、しかも、電縫溶接部において
も破面遷移温度vTrs−46℃以下が得られており、
低温靭性も著しく優れている。これに対し鋼No.L〜
Pの従来鋼を使用した電縫鋼管は、HICの発生がない
が、電縫溶接部における破面遷移温度vTrs−19〜
−28℃と低温靭性が不良である。また、鋼No.Q〜
Zの従来鋼を使用した電縫鋼管は、電縫溶接部における
破面遷移温度vTrs−46℃以下が得られており、低
温靭性が著しく優れているが、HICが発生しており、
耐HIC性が不良である。
〜Kの本発明方法により製造した鋼を使用した電縫鋼管
は、HICの発生がなく、しかも、電縫溶接部において
も破面遷移温度vTrs−46℃以下が得られており、
低温靭性も著しく優れている。これに対し鋼No.L〜
Pの従来鋼を使用した電縫鋼管は、HICの発生がない
が、電縫溶接部における破面遷移温度vTrs−19〜
−28℃と低温靭性が不良である。また、鋼No.Q〜
Zの従来鋼を使用した電縫鋼管は、電縫溶接部における
破面遷移温度vTrs−46℃以下が得られており、低
温靭性が著しく優れているが、HICが発生しており、
耐HIC性が不良である。
【0049】
【発明の効果】以上述べたとおり、この発明によれば、
厳しいサワー環境(NACE環境)において良好な耐H
IC性と溶接部を含め優れた低温靭性を有する電縫鋼管
用鋼の製造方法を提供でき、特に極寒地でのサワー環境
においても、HICの発生および低温靭性破壊による事
故の発生しないラインパイプの敷設が可能となる。
厳しいサワー環境(NACE環境)において良好な耐H
IC性と溶接部を含め優れた低温靭性を有する電縫鋼管
用鋼の製造方法を提供でき、特に極寒地でのサワー環境
においても、HICの発生および低温靭性破壊による事
故の発生しないラインパイプの敷設が可能となる。
【図1】製品鋼中の[Ca]と[O]含有量の比[C
a]/[O]と定量分析によって得られたCaOとAl
2O3量によるCaOとAl2O3の組成比との関係を示す
グラフである。
a]/[O]と定量分析によって得られたCaOとAl
2O3量によるCaOとAl2O3の組成比との関係を示す
グラフである。
【図2】CaO−Al2O3系状態図である。
【図3】製品鋼中[O]と[Ca]含有量とHIC発生
の有無と[Ca]/[O]との関係を示すグラフであ
る。
の有無と[Ca]/[O]との関係を示すグラフであ
る。
【図4】Ca処理前の溶鋼中[O]≦20ppm、鋼中
[O]>20ppmの場合のCaSi添加量と製品鋼中
[Ca]/[O]との関係を示すグラフである。
[O]>20ppmの場合のCaSi添加量と製品鋼中
[Ca]/[O]との関係を示すグラフである。
【図5】実施例における製品鋼中[Ca]/[O]と破
面遷移温度vTrsとHICの発生有無との関係を示す
グラフである。
面遷移温度vTrsとHICの発生有無との関係を示す
グラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C22C 38/50 C22C 38/50
Claims (4)
- 【請求項1】 C:0.01〜0.20%、Si:0.
01〜0.50%、Mn:0.50〜1.80%、P:
0.020%以下、S:0.001%以下、Al:0.
005〜0.100%に加え、Ca:0.0005〜
0.0050%を含有し、残部Feおよび不可避的不純
物からなる鋼を、予め脱酸および脱硫処理したCa添加
前の溶鋼中の[O]量を0.0020%以下としたの
ち、Ca、Oの含有量の比[Ca]/[O]が1.5〜
2.0の範囲となるようにCaを添加することを特徴と
する低温靭性に優れた耐食性電縫鋼管用鋼の製造方法。 - 【請求項2】 C:0.01〜0.20%、Si:0.
01〜0.50%、Mn:0.50〜1.80%、P:
0.020%以下、S:0.001%以下、Al:0.
005〜0.100%に加え、Ca:0.0005〜
0.0050%を含有し、さらに、Cu:0.20〜
0.80%、Ni:0.05〜0.60%、Cr:1.
00%以下、Mo:1.00%以下、Ti:0.01〜
0.10%、Nb:0.01〜0.10%、V:0.1
0%以下のうちの1種または2種以上を含有し、残部F
eおよび不可避的不純物からなる鋼を、予め脱酸および
脱硫処理したCa添加前の溶鋼中の[O]量を0.00
20%以下としたのち、Ca、Oの含有量の比[Ca]
/[O]が1.5〜2.0の範囲となるようにCaを添
加することを特徴とする低温靭性に優れた耐食性電縫鋼
管用鋼の製造方法。 - 【請求項3】 C:0.01〜0.20%、Si:0.
01〜0.50%、Mn:0.50〜1.80%、P:
0.020%以下、S:0.001%以下、Al:0.
005〜0.100%に加え、Ca:0.0005〜
0.0050%を含有し、残部Feおよび不可避的不純
物からなり、Ca、Oの含有量の比[Ca]/[O]が
1.5〜2.0の鋼を製造するに際し、予め脱酸および
脱硫処理したCa添加前の溶鋼中の[O]量を0.00
20%以下とし、CaSiを1.2〜1.8kg/溶鋼
Ton添加することによって、製品鋼中の[Ca]、
[O]の含有量の比[Ca]/[O]を1.5〜2.0
の範囲とすることを特徴とする低温靭性に優れた耐食性
電縫鋼管用鋼の製造方法。 - 【請求項4】 C:0.01〜0.20%、Si:0.
01〜0.50%、Mn:0.50〜1.80%、P:
0.020%以下、S:0.001%以下、Al:0.
005〜0.100%に加え、Ca:0.0005〜
0.0050%を含有し、さらに、Cu:0.20〜
0.80%、Ni:0.05〜0.60%、Cr:1.
00%以下、Mo:1.00%以下、Ti:0.01〜
0.10%、Nb:0.01〜0.10%、V:0.1
0%以下のうちの1種または2種以上を含有し、残部F
eおよび不可避的不純物からなり、Ca、Oの含有量の
比[Ca]/[O]が1.5〜2.0の鋼を製造するに
際し、予め脱酸および脱硫処理したCa添加前の溶鋼中
の[O]量を0.0020%以下とし、CaSiを1.
2〜1.8kg/溶鋼Ton添加することによって、製
品鋼中の[Ca]、[O]の含有量の比[Ca]/
[O]を1.5〜2.0の範囲とすることを特徴とする
低温靭性に優れた耐食性電縫鋼管用鋼の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21013995A JP3190807B2 (ja) | 1995-07-25 | 1995-07-25 | 低温靭性に優れた耐食性電縫鋼管用鋼の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21013995A JP3190807B2 (ja) | 1995-07-25 | 1995-07-25 | 低温靭性に優れた耐食性電縫鋼管用鋼の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0931595A JPH0931595A (ja) | 1997-02-04 |
JP3190807B2 true JP3190807B2 (ja) | 2001-07-23 |
Family
ID=16584431
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21013995A Expired - Fee Related JP3190807B2 (ja) | 1995-07-25 | 1995-07-25 | 低温靭性に優れた耐食性電縫鋼管用鋼の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3190807B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012148251A2 (es) | 2011-04-29 | 2012-11-01 | Instituto De Ecologia, A.C. | Usos, métodos y composiciones biológicas del género paecilomyces para el control, prevención y erradicación de fitoparásitos en cultivos de solanáceas |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100359035C (zh) * | 2005-01-26 | 2008-01-02 | 宝山钢铁股份有限公司 | 酸性环境用x65管线钢及其制造方法 |
JP6094540B2 (ja) * | 2013-09-20 | 2017-03-15 | Jfeスチール株式会社 | 耐水素誘起割れ特性に優れた鋼材の評価方法 |
-
1995
- 1995-07-25 JP JP21013995A patent/JP3190807B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012148251A2 (es) | 2011-04-29 | 2012-11-01 | Instituto De Ecologia, A.C. | Usos, métodos y composiciones biológicas del género paecilomyces para el control, prevención y erradicación de fitoparásitos en cultivos de solanáceas |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0931595A (ja) | 1997-02-04 |
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